Ltech#21 不動産広告と名寄せ

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September 15, 22

スライド概要

日本最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)」のサービスを支える検索技術について、株式会社LIFULLがお送りするテックイベント【Ltech#21 LIFULL HOME’Sを支える検索技術】で発表した資料です

本資料では、複数ある物件の中から同じ物件にまとめる「名寄せ」と不動産広告、そして検索エンジンであるSolrを活用した内容になります。

当日のイベントはconnpassを御覧ください
https://lifull.connpass.com/event/259167/

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LIFULL HOME'Sを運営する株式会社LIFULLのアカウントです。 LIFULLが主催するエンジニア向けイベント「Ltech」等で公開されたスライド等をこちらで共有しております。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

Ltech#21 不動産広告と名寄せ 株式会社LIFULL テクノロジー本部 事業基盤ユニット プラットフォームグループ 秀野 亮 1 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。

2.

• 名寄せとは • 不動産広告について • LIFULL HOME'Sでの名寄せ 目次

3.

名寄せとは

4.

名寄せとは 一般的な名寄せとは・・・ ● もともと金融機関の業務のこと ● 複数口座開設時に顧客を既存顧客と同一顧客として一元管理すること ● 銀行には会員IDがないので、毎回個人情報から名寄せしてる模様

5.

名寄せとは LIFULL HOME'Sでも物件データを名寄せしている ● 同じアパート/マンション ● 同じ部屋 ココ ココ ココ ココ

6.

名寄せとは 物件データの名寄せとは・・・ ● 複数の物件データをいくつかの属性を見て同一物件として扱うこと そもそも、なぜ複数物件をまとめる必要が出てくるのか・・・ ● 登録されるデータに重複がある ● 不動産にIDがあっても現状名寄せは発生する

7.

不動産広告について

8.

不動産広告について コンビニより多い不動産屋、大きく分けると2種類ある 不動産会社 管理会社 (客付け)仲介会社 ● 入居者管理 ● 建物の維持管理 ● 管理委託手数料を得る ● 物件探しの仲介 ● 契約の仲介 ● 仲介手数料を得る

9.

不動産広告について 管理会社は仲介会社に入居者の募集を依頼する 複数の仲介会社が介在することもあり、広告が複数社から打たれる 不動産会社 管理会社 (客付け)仲介会社 売手/貸手から管理と入居者 探しを依頼される 買手/借手から部屋探しを依 頼される 募集依頼

10.

不動産広告について 不動産広告とは・・・ ● 新聞のチラシ ● パンフレット ● 看板 ● セールストーク ● メール ● インターネット広告 公正な取引きを妨げるような広告は法令違反や、業界団体による自主規制対象になる

11.

不動産広告について LIFULL HOME'Sで扱っている物件データ → インターネット広告に該当 Amazonのように商品を取引できるわけでは なく、あくまで不動産会社に送客するのが目 的

12.

不動産広告について 余談・・・ 広告の一覧の上部に広告の広告(PR枠) があってちょっとシュール

13.

不動産広告について まとめると・・・ ● 不動産ポータルの物件データ = 不動産のインターネット広告 ● 不動産取引は多くの会社が多重に仲介している 不動産ポータルに同じ物件データが大量に並ぶ 名寄せが捗る

14.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ

15.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 名寄せ以前・・・ ● 物件一覧には広告がそのまま表示されていた ● 同じ物件の広告が数件ほど並ぶためユーザーにとっては不便な状態

16.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ ラクづけ機能のリリース・・・ ● 管理会社の募集依頼をサイト上で行える機能 ● 仲介会社がサイト上で簡単に広告を打てる機能

17.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ ラクづけ後・・・ ● ラクづけにより、楽に客付けできるようになった ● どんどん広告が増える ● 増えるとどうなる?

18.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 知らんのか? 1ページ全部同じ物件になる

19.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 〜 愚痴 〜

20.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 名寄せ開始・・・ この状態を改善するため名寄せをすることになった

21.

Ph.1 アプリケーションによる名寄せ

22.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 当時、利用していた商用の全文検索エンジンでは名寄せはできないことは分 かっていた アプリケーション側で対応 ● 検索結果をアプリケーション側で名寄せ ● 名寄せは部屋単位で行う(戸寄せ) ● 物件をハッシュ化して固定的に名寄せしていく ● 件数が不足した場合は再度検索と名寄せを繰り返す

23.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ ハッシュ値による名寄せ ● 物件データの共通属性でハッシュ値生成 ● 物件種別によって生成元の属性を少し変える ● タグを含めることでハッシュ値を変え名寄せを解除することもできる

24.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ とりあえず危機は去ったが・・・ ⭕ 色々な物件を見られるようになった ❌ 当たり前のように性能が悪い ❌ 改ページ制御が難しい ❌ 件数合ってない

25.

Ph.2 事前に名寄せ済みデータを作成

26.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 名寄せを事前に行った上で検索エンジンに登録する ● 多言語対応したサイト上でのPoC的なプロジェクト ● 物件登録処理内で名寄せを行い最大公約数的な物件データを作成 ❌ このキメラ物件が何の/誰のデータなのか分からなくなった ❌ 不動産会社への問合せが難しい ❌ インターネット広告として問題ないのか

27.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 結局、この方法は本家LIFULL HOME'Sでは採用されなかった・・・ ❌

28.

Ph.3 Solrによる名寄せ

29.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ ここで商用の全文検索エンジンからSolrに移行 サイトのフルリニューアルに合わせて名寄せ機能の改善も行われる ● ResultGroupingによる名寄せ ● 住戸単位の名寄せ(戸寄せ)だけでなく、棟単位の名寄せ(棟寄せ)も ● 棟寄せに使った属性を戸寄せでも全て含む ● 物件にタグを持たせることで名寄せ用のハッシュ値を変え名寄せ具合を変 えられる

30.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 棟寄せ ● 同じアパート/マンションなど集合住宅を名寄せすること ● 内部的にはI/Fを合わせるため戸建て/土地なども棟寄せしている 戸寄せ ● 同じ部屋/戸建て/土地を名寄せすること ● 複数の不動産会社が扱っている物件として表示している

31.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 代表物件 ● 同じ物件同士を名寄せするため代表となる物件を決めている ● ユーザーにとって最も価値の高い情報を持つ物件を代表物件にする ● 物件一覧から代表物件にリンクされるので不動産会社にとって有利

32.
[beta]
LIFULL HOME'Sでの名寄せ
http://localhost:8983/solr/techproducts/select?q=*:*&group=true&group.field=nayose_key
{
"..."
"grouped":{
"nayose_key":{
"matches":6,
"groups":[{
"groupValue":"xxxxxxxxxxxxxx……",
"doclist":{"numFound":1,"start":0,"docs":[
{
"id":"1",
"name":"マンションA"}]
}},
{
"groupValue":"xxxxxxxxxxxxxx….",
"doclist":{"numFound":2,"start":0,"docs":[
{
"id":"2",
"name":"マンションB"}]
}},
{
"groupValue":"xxxxxxxxxxxxxx..",
"doclist":{"numFound":1,"start":0,"docs":[
{
"id":"3",
"name":"マンションC"}]
}},
{
"groupValue":"xxxxxxxxxxxxxx…..",
"doclist":{"numFound":1,"start":0,"docs":[
:

33.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ アプリケーション 検索エンジン 検索リクエスト 棟寄せ検索 棟寄せキーを リストアップ 棟寄せキーを条件に 戸寄せ検索 棟データに 住戸データをマージ 検索レスポンス

34.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 最終的な構成 ● Solrを導入したことで検索エンジンで名寄せできるようになった ● API的には棟寄せ/戸寄せを同時に行っている ● これ以降大きな改修はない ⭕ 名寄せ前後の物件データを両方検索できる ⭕ 広告としてのデータをいじってない ❌ 代表物件争いが起きる ❌ 逆に代表物件に問合せするとは限らない

35.

Ph.4 名寄せ精度の向上

36.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 名寄せの精度を向上させるためロジックを改良 ● 一部物件ではLIFULL HOME'Sアーカイブを参照してIDで名寄せ ● 分譲や仲介など業界の取引態様に依らない売買物件の名寄せ ● データのクレンジングなどの細かい改修

37.

Ph.5 名寄せの高速化

38.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ SolrCloud化 それに伴う名寄せコンポーネントの変更 ● CollapsingQParser & ExpandComponentによる名寄せ ExpandComponentは未使用

39.
[beta]
LIFULL HOME'Sでの名寄せ
http://localhost:8983/solr/techproducts/select?q=*:*&fq={!collapse field=nayose_key}&expand=true
"response":{"numFound":100000,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
{
"id":"1"},
{
"id":"2"},
{
"id":"3"},
{
"id":"4"}
:
]
},
"expanded":{
"xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx……..":{"numFound":12,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
{
"id":"1"},
{
"id":"2"},
{
"id":"3"},
{
"id":"4"}
:
]
},
:

40.

これから

41.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ LIFULL HOME'S 名寄せの歴史 ● Ph.1 アプリケーションによる名寄せ ● Ph.2 事前に名寄せ済みデータを作成 ● Ph.3 Solrによる名寄せ ● Ph.4 名寄せ精度の向上 ● Ph.5 名寄せの高速化

42.

LIFULL HOME'Sでの名寄せ 世の中での取り組み ● アドレス・ベース・レジストリ デジタル庁管轄、2025年頃に住所マスタとしてリリース予定 ● 不動産テック協会 不動産オープンIDの取り組み、不動産に一意なIDを付与、住所の正規化も 行っている ● PROP LIFULL、Zenrin、全保連など複数企業のデータで不動産ID実現を目指す