pmconf2023【プロダクトマネジメントで高速PDCA】 アウトカムが激増したLIFULL HOME’Sのグロース事例

23.4K Views

December 01, 23

スライド概要

▼pmconf2023セッション紹介ページ
https://2023.pmconf.jp/session/6qehyhEO

日本最大級の住宅サイト「LIFULL HOME’S」の賃貸チームでは、プロダクトマネジメント・プロダクトアナリティクスを導入したことで、創出コンバージョン数10倍とアウトカムが激増しました。
どのようなプロダクトチーム・手法で実現したかを「課題発見~アウトカム創出までの5つのステップ」という内容でお話しします。また、成功事例を横展開することで全社で好循環サイクルを生み出す取り組みについても触れています。

profile-image

LIFULL HOME'Sを運営する株式会社LIFULLのアカウントです。 LIFULLが主催するエンジニア向けイベント「Ltech」等で公開されたスライド等をこちらで共有しております。

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

pmconf2023 【プロダクトマネジメントで高速PDCA】 アウトカムが激増したLIFULL HOME’Sの グロース事例 株式会社LIFULL ⽔野 幸恵 2023.11.29 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

2.

自己紹介 名前: ⽔野 幸恵 (X : @yukiem) 所属: LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトプランニング部プランニング 1U ユニット長 略歴: 2008年に株式会社 LIFULL入社。 サービス企画職として、新機能・新商品開発、プロダクトグロー スを担当し、現在は「 LIFULL HOME'S賃貸」プロダクト責任 者、プロダクトマネージャー。サービス企画職マネージャーとし て職種全体の育成にも取り組む。 2022年には兼業で、千葉県流山市ホームページリニューアル アドバイザーを務める。 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 2

3.

「あらゆるLIFEを、FULLに。」を掲げ、様々なサービスを展開 4 1 2 3 5 弊社展開サービス 1.LIFULL HOME’S 2.LIFULL 介護 3.LIFULL地方創生 LIFULL HOME’Sの機能 4.3D間取り機能 5.できれば検索機能 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 3

4.

1. LIFULLが取り組むプロダクトマネジメント 2. アウトカム激増! 課題発見~アウトカム創出までの5つのステップ 3. ナレッジシェアの取り組み Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

5.

LIFULLが取り組む プロダクトマネジメント Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

6.

プロダクトマネジメント導入後に起きたこと アウトプット‧アウトカムが激増 市場学習回数 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 施策成功率 創出CV数 6

7.

プロダクトマネジメント導入前の課題 チャレンジ できない とにかく遅い Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 裁量が 感じられない トップダウンで とんでくる 7

8.

プロダクトマネジメント導⼊ 「顧客に価値を提供し、ビジネスとして利益を出す」という組織のあり⽅へ + 主な変化要素 これまで これから 上流からの 三位⼀体の連携 職種間ウォーターフォール型の役 割分担 3職種上流 サービス企画(PM)×エンジニア ×デザイナーによる最上流からの 協働 プロダクトチームへの 権限移譲 施策ごとに承認→メンバーアサイ ン ⼩さなチーム ミッション‧⽬標アウトカムを伝 え、チームで決める プロダクト開発として 重視するもの アウトプット (プロジェクトの結果として⽣み 出される機能やプロダクト) アウトカム (アウトプットによって達成され る短期的‧中⻑期的な効果) 教科書は「INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント」マーティ・ケーガン著 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 8

9.

⾼速PDCA:「市場学習回数」の導⼊ プロダクトマネジメントにおける「継続的な製品発見・製品開発」の考え方をさらに発展させ、 「市場学習回数の最大化」を目指している。 ありたい姿 施策単位で1%未満のリフトであって も、頻度を⾼めることで複利的にリフ トを積み上げるという考え⽅。中期的 に年1000回を⽬指す。 ⽇々の1%の改善の継続を、 ⾮連続な⼤規模施策より重視 Source: Amplitude / IBM Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. ベストプラクティス企業群の 年間の市場学習回数(Experiments) Source: Amplitude / FAST Company 9

10.

アウトカム激増! 課題発⾒〜アウトカム創出までの5つのステップ Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

11.

プロダクトアナリティクス導入 課題発⾒⽅法が劇的に変わった 過去 現在 ツール アクセス解析ツール プロダクトアナリティクスツール 施策観点 最終コンバージョンを上げる施策 最終コンバージョンに圧倒的に貢献している 手前の行動を上げる施策 ● 施策の幅が広がらない ○ 特徴 ● ● 時間がとてもかかる 施策が単発になりがちで、次の施策 につながりづらい Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 複数の行動があり、施策の幅が広がる ○ CVに近いところをやりがち CVにつながる行動を見つけづらい ○ ● 「この行動をしているユーザーの体験 を向上させる」は考えやすい ● 圧倒的に貢献している手前の行動が瞬時に 出せる ● 手前の行動が動かない場合、理由を考え次 の仮説を立てやすい 11

12.

課題発見~アウトカム創出までの5つのステップ 伸びしろの確認 圧倒的に貢献 している⼿前 の⾏動を特定 ユーザー理解 過去の知⾒ Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 3職種で 仮説⽴て ↓ 施策実施 各種指標を確 認 ● 最終CV ● ⼿前の⾏動 ● その他、関連 指標 3職種で結果 を共有‧議論 し、次の仮説 ⽴てへ 12

13.

課題発見〜アウトカム創出までの5つのステップ ステップ1(施策実施前) 圧倒的に貢献 している手前 の行動を特定 ⾏動A 引用元) Amplitude: Measure Feature Engagement in 6 Clicks or Less Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

14.

課題発見〜アウトカム創出までの5つのステップ ステップ2(施策実施前) 伸びしろの確認 圧倒的に貢献 している手前の 行動を特定 ユーザー理解 過去の知見 この⾏動の有無で、最終CVへの CVRってどれくらい違う? (伸びしろの確認) この⾏動の割合は? (伸びしろの確認) 3%しかない… この⾏動はどのページでよく発⽣ している? (ユーザー理解を深める) ページCと ページDだな ユーザーがこの⾏動をしていると きの過去UTは? (ユーザー理解を深める) このあたりで 迷ってるのか 以前も似たような施策はしている が、結果はどうだった? (過去の知⾒を活かす) Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 5倍も違う! 前回行動数UP、 最終CVダウン

15.

課題発見〜アウトカム創出までの5つのステップ ステップ3(施策実施前) 伸びしろの確認 圧倒的に貢献 している⼿前 の⾏動を特定 ユーザー理解 3職種で 仮説⽴て ↓ 施策実施 過去の知⾒ 前回の結果は、⾏動を 促すタイミングが悪 かったかも。というこ とは今回は〜 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. このページでは、他に も重要な⾏動があるか ら、その⾏動を阻害し ないようにするには? データを元に3職種でワイワイ ここの数字ってどう なってるんだっけ?

16.

課題発見〜アウトカム創出までの5つのステップ ステップ3(施策実施前) 伸びしろの確認 圧倒的に貢献 している⼿前 の⾏動を特定 ユーザー理解 3職種で 仮説⽴て ↓ 施策実施 過去の知⾒ さっき話したの、こん なイメージであって る?(デザイン) Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 仮実装してみた。動き 確認してみて →ちょっと調整しよう 上流から3職種で相談しているの で、その後の動きも早い (プロダクトマネジメント)

17.

課題発見〜アウトカム創出までの5つのステップ ステップ4(施策実施後) 各種指標を確 認 ● 最終CV ● ⼿前の⾏動 ● その他、関 連指標 最終結果 ● ⼿前の⾏動A:+10ポイントUP、最終コンバージョンも+2ポイントUP 別事例: 手前の行動は上がった、最終コンバージョンは 下がった 今回は、 特に、初回⾏動を動 かせたのか Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 他のエンゲージメン トの⾼い⾏動もUP したんだ セグメント別に見てみる→ 特定のユーザーには悪影 響だった

18.

課題発見〜アウトカム創出までの5つのステップ ステップ5(施策実施後) 各種指標を確 認 ● 最終CV ● ⼿前の⾏動 ● その他、関 連指標 ABテスト中もレポートを作ってSlackでワイワイ ● 狙った行動が伸びているかどうか ● この数字も見てみる?→変化あった・なかった 3職種で結果 を共有・議論 し、次の仮説 立てへ クロージングミーティング ● 得られたデータや考察を企画から共有 ● 3職種でワイワイ うまくいったので、 ● この行動をもっと増やすには? ● 次こういうアプローチも試してみたいね! Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

19.

再掲)プロダクトマネジメント導入後に起きたこと アウトプット‧アウトカムが激増 市場学習回数 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 施策成功率 創出CV数 19

20.

ナレッジシェアの取り組み グロース施策分析 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.

21.

グロース施策分析と好循環サイクル マクロの視点で変化に気づき、良い動きを横展開 過去と比較する 上期 下期 市場学習回数 なぜ上がった? どういうプロセスを変えた? →良い動きだから今後もkeep! ←要因 プロダクトマネジメント、 プロダクトアナリティクス導⼊ チームBの⽅が成功率が⾼い どんなプロセス、どんな内容の施策を した? →他チームにも横展開! 施策成功率 創出CV数 同時期のチーム同士で比較する チームA チームB 市場学習回数 施策成功率 創出CV数 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 気づき 定点観測することで ● ⽇々の健康診断ができ、特徴的な動きの検知ができる ● 成⻑実感→モチベーション ただし、 ● 市場学習回数以外は結果指標 ● 成功率や創出CV数⾃体を伸ばそうとはしない 21

22.

グロース施策分析と好循環サイクル 事例:「おかわり施策」の成功率は⾼い! おかわり施策とは 過去施策の結果を受けて ● リトライ ○ うまくいかなかった→得られた知⾒を元に再戦 ○ うまくいった→もっと上げるには? ● 横展開 ○ うまくいった→別デバイスでもやろう 気づき ● こういった成功パターンを頭に⼊れておきながら、施策を 組み⽴てていくことは有⽤ ● 気持ちの余裕(初回で成功しなくても焦らない) ただし、 ● おかわり施策だけでなく、新しい施策‧仮説検証をやって いく必要もあるので、バランス Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 22

23.

グロース施策分析と好循環サイクル 施策を他マーケットに横展開し、アウトカムを全社へ広げる ❶ アウトカム通信 他マーケットやデバイスで 横展開がなされるように ❷ 総会で成功‧失敗事例の共有 ❸ 部署横断でグロースチーム間の知⾒共有会 ❹ 過去施策を検索しやすい仕組み Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 23

24.

まとめ Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 24

25.

まとめ 最初からうまくいったわけではない。試⾏錯誤の連続 最初は混乱 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. うまくいっている? もっと進化したい!! 25

26.

まとめ 2年間、ひたすら⾔い続けたメッセージ Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 26

27.

まとめ 最初からうまくいったわけではない。試⾏錯誤の連続 最初は混乱 うまくいっている? もっと進化したい!! 覚悟 強い想い ユーザーに価値を届けたい Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. 健全な危機感 守るだけでは現状維持すらで きない モノを作る楽しさ 多様な職種で共創は純粋に楽 しい! 27

28.

最後に LIFULLプロダクトチームの note https://note.com/lifull_product/ ● LIFULLのグロースチームにユーザーファーストな開発を浸透させる ● ABテストの効果測定を仕組化し、ホームズ賃貸プロダクトのPDCAサイクルを高速化した話 ● ユーザーアウトカムの追求とプロダクトチームの役割整理 Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved. などなど 28

29.

FIN Copyright© LIFULL Co.,Ltd. All Rights Reserved.