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October 04, 23
スライド概要
世の中ではユーザー理解の重要性が語られ、顧客理解のためのリサーチ機運は高まっています。しかし、実際の開発の現場では、UXリサーチを取り入れることに難しさを感じることも多いのが事実です。特に、新規機能開発などの検証が必要なフェーズではなく、プロダクトグロースの過程に定性的調査を組み込むことに難しさを感じる方は多いのではないでしょうか。
LIFULLで取り組んでいるプロダクトグロースにUXリサーチを組み込む取り組みについて紹介します。
LIFULL HOME'Sを運営する株式会社LIFULLのアカウントです。 LIFULLが主催するエンジニア向けイベント「Ltech」等で公開されたスライド等をこちらで共有しております。
2023.09.28 UXリサーチとプロダクトグロース プロダクトグロースを最大化するUXリサーチの活用方法 株式会社LIFULL ユーザーファースト推進ユニット小川美樹子 LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトプランニング部相田可奈子 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 1
UXリサーチとプロダクトグロース 小川美樹子 株式会社LIFULL ユーザーファースト推進ユニット / UXリサーチャー HCD-Net認定 人間中心設計専門家 • 2008年にネクスト(現LIFULL)にWebデザイナー(コーダー)として入社、 物件検索サービス・物件登録サービスなどの開発を担当 • HCD(人間中心デザイン)に興味を持ち、 東京都立産業技術大学院大学(AIIT)「人間中心デザイン」修了 • 2017年、品質戦略部署に新設されたユーザーファースト推進グループに、立ち上げメンバーとして参画。 UXリサーチを通して、全社にユーザーファーストを推進。 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 2
UXリサーチとプロダクトグロース 相田可奈子 株式会社LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトプランニング部 サービス企画 • エンジニアを経て2014年に株式会社LIFULL入社 • その後サービス企画職にキャリアチェンジ • 担当プロダクトの新機能開発、SEOなどを経験し、現在はLIFULL HOME'S 賃貸のプロダクトグロースを担当。 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 3
会社紹介 接客サポートAI by FRIENDLY DOOR ダンスのプロチーム LIFULL ALT-RHYTHM運営 Copyright© LIFULL All Rights Reserved.
UXリサーチとプロダクトグロース プロダクトプランニング部とユーザーファースト推進ユニット プロダクトプランニング部はサービスを作り、 ユーザーファースト推進ユニットは UXリサーチでサービス作りをサポート 相田 小川 ユーザーファースト推進 ユニット プロダクトプランニング部 LIFULL HOME’Sの企画開発運用。 LIFULLのサービス開発組織に対して、2017年から 2020年ごろから本格的に 組織横断的にユーザーファーストな開発を推進。 プロダクトマネジメントを導入。 取り組みのひとつとしてUXリサーチを実施。 ● ● ● Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 既存サービスの開発運用 新規機能の企画開発 SEO など ● ● ● ● ● サービスを開発運用するチームから依頼をうけUXリサーチ PMと連携し開発プロセスへのUXリサーチ導入 各サービスのユーザビリティ指標の計測 UXリサーチをはじめとするHCDについての教育啓発 調査方法、分析方法の開拓 5
UXリサーチとプロダクトグロース こんなお悩みのヒントになれば嬉しいです ● スピード感の早い施策 の中で、UXリサーチを活用するのが難しい ● セオリー通りに UXリサーチを行うと、施策のスピードが落ちてしまう ● 事業的に即効性のあるインパクト を求められているけど、 利用者の体験も大切にしたい Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 6
本日のアジェンダ 本日のアジェンダ 1. グロースチーム にUXリサーチを取り入れる難しさと取り組み(相田) 2. UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み(小川) 3. グロースチームに UXリサーチを取り入れた結果(相田) Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 7
グロースチームにUXリサーチを 取り入れる難しさと取り組み Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 8
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み 遡ること数年前 以前 数年前 新規機能開発 既存プロダクトで短期的に成果を出すチームに配置 UXリサーチを取り入れた開発 やらなくなっていた Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 9
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み ですが、取り入れなくてもうまくいってました! 以前 数年前 新規機能開発 既存プロダクトで短期的に成果を出すチームに配置 UXリサーチを取り入れた開発 やらなくなっていたのですが・・・ ビジネス上の成果も出ている! チームも良いサイクルで回っている! Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 10
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み でも、このままで良いんだっけ?💭 軌道には乗ってきたけど…ギャップがあるな ● 以前は仮説検証やニーズ検証をしたり、 PDCAサイクルにユーザーテスト組み込んでいた 以前と比べ できていない もや もや 世の中と比べ できていない ● UXリサーチに関するセミナーがたくさん。 イケてる会社は毎週のように定性調査をやって翌週にはリリースしているって!? Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 11
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み でも、このままで良いんだっけ?②💭 今後を考えた時にこれで良いのか? 開発観点 ● パーツ単位の改修が多く、部分最適になってしまう ● 開発手法として後退している感覚 育成観点 ● 若手メンバーに経験させてあげられていない ● 考え方や施策立案の引き出しを増やし武器になると良いな ● UXリサーチャーとのリレーションを築いて欲しい Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 12
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み そう思いつつも、足踏み状態 今の開発フロー に取り入れるのが 難しい と感じていて、 取り入れられなかった 1. チームのミッション 2. グロースチームが注力していたこと Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 13
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み チームミッション 担当領域 ミッション LIFULL HOME’S 賃貸 短期的に成果を上げプロダクトグロースさせていく 即効性のインパクト Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 14
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み 注力していたこと ①市場学習回数最大化への取り組み リリース前に練りに練って遅くなるよりも 「打席に多く立って知見を貯める」ことを重視 うまくいってもいかなくても リリース後に振り返りをし、得られた知見を元に再度打席に立つ! スピード感 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 15
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み 注力していたこと ②プロダクトアナリティクスの導入 プロダクトをどう使っているか、サイト内の行動データに注目。 コンバージョンに貢献する特定の行動を見つけ出しアプローチすることで、 プロダクトの全体的な体験を向上させる コンバージョン データドリブン 行動A Copyright© LIFULL All Rights Reserved. イメージ 16
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み 注力していたこと ③ほとんどの変更(施策)でABテストを実施 ABテストの成功を直接的に定義する数字が改善したとしても、 ビジネス上重要な指標が棄損していたらGOはしない 判断は定量データで Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 17
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み ここまでのやり方で成果は出ている一方… ● 数字だけではなくユーザーの解像度を上げたい ● 定性データを施策にうまく使いたい Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 18
グロースチームに UXリサーチを取り入れる難しさと取り組み そこで 試したこと UXリサーチャーに「最初」と「最後」にいてもらう 開発 キックオフMTG デザイン リリース (ABテスト開始) 分析 仕様詰め 要件定義 キックオフMTG クロージングMTG ● 施策の目的・やりたい事 ● 効果測定共有 ● 実現可否 ● 次のトライ検討 ● スケジュール Copyright© LIFULL All Rights Reserved. クロージング MTG 19
UXリサーチで グロースチームを支援する難しさと取り組み Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 20
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み UXリサーチでグロースチームを支援する難しさ UXリサーチャー視点で、それぞれのプロジェクトで感じた特徴 \ NEW / グロースチームのプロジェクト 今までのプロジェクト 施策対象 パーツ単位・スポット単位 新機能の開発・既存機能の刷新 施策規模 立案からリリースまで数日〜数週間 立案からリリースまで数ヶ月 市場学習を繰り返す 根本的な課題の特定と解決策の確らしさ 特徴 豊富な定量データがあり数値メイン UXリサーチの 取り組み サイト内の行動分析・ABテスト (定量データのみ) 定量と定性のバランス プロジェクトのために 各開発フェーズに必要な 定量調査・定性調査を幅広く実施 利用者の体験全体を考慮 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 21
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み UXリサーチでグロースチームを支援する難しさ 「UXリサーチを実践する」立場での今までの定性調査の実施しずらさ \ NEW / グロースチームのプロジェクト 今までのプロジェクト 定性調査をするには 規模感が小さい 新機能ぜんぶ・既存機能の刷新 施策対象 パーツ単位・スポット単位 施策規模 立案からリリースまで数日〜数週間 立案からリリースまで数ヶ月 市場学習を繰り返す 根本的な課題の特定と解決策の確らしさ 特徴 豊富な定量データがあり数値メイン UXリサーチの 取り組み サイト内の行動分析・ABテスト (定量データのみ) 開発前やリリース前の 定量と定性のバランス 検証を行いにくい プロジェクトのために 各開発フェーズに必要な 定量調査・定性調査を幅広く実施 利用者の体験全体を考慮 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 22
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み UXリサーチでグロースチームを支援する難しさ ユーザーファーストを推進する立場での難しさ \ NEW / グロースチームのプロジェクト 施策対象 パーツ単位・スポット単位 施策規模 立案からリリースまで数日〜数週間 市場学習を繰り返す 特徴 豊富な定量データがあり数値メイン UXリサーチの 取り組み サイト内の行動分析・ABテスト (定量データのみ) 今までのプロジェクト サービスを使っている体験の一部 だという 新機能ぜんぶ・既存機能の刷新 ことが抜け落ちてしまう。 立案からリリースまで数ヶ月 根本的な課題の特定と解決策の確らしさ 数字が上がる、数字が下がる 話になりがち。 定量と定性のバランス 利用者を置き去りにして 数字を動かすだけ の施策になってしまう、 プロジェクトのために 各開発フェーズに必要な グロースハックという名目でダークパターン に手 定量調査・定性調査を幅広く実施 を出してしまう可能性。 利用者の体験全体を考慮 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 23
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み ユーザーファーストを推進する立場として考えたこと 数字が全てを掌握してしまいそうな状況の中で グロースチームに利用者のことを気にかけてもらうには どのようなアプローチをとれば良いだろう? 試してみよう! ● 利用状況を伝えることで、 動いているのは数字ではなく人なんだと伝えられないか ● 知見を提供することで、利用者の体験を考慮した作り方を伝えられないか Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 24
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み UXリサーチで支援する立場として考えたこと 「グロースチームが今まで培ってきたこと」を活かしたまま 必要なデータを必要な時に提供するには どのようなUXリサーチをすれば良いだろう? 試してみよう! ● リサーチデータの再活用だったら無理なくすぐに始められそう ● グロースチームに合わせて調査のやり方を変化 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 25
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み グロースチームへUXリサーチの支援 基本は 必要あれば 意識するのは Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 今までのリサーチデータを活用する 小さく調査をする 利用状況を伝える・知見の提供 26
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み グロースチームを支援するタイミング 進め方は、グロースチームの今までのフローから変更せず ● 最初と最後で『今までのリサーチデータを活用した支援』 ● プロジェクトが進んでいる最中は、必要あれば『小さく調査を行う』 開発 キックオフMTG 要件定義 今までの リサーチデータを活用 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. デザイン リリース (ABテスト開始) 分析 クロージング MTG 仕様詰め 小さく調査 今までの リサーチデータを活用 27
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み プロジェクトの最初と最後で支援したこと ● ● ミーティングでは、必要な情報をその場でざっくりと提供 ○ 施策内容に有益そうな『今まで行った調査結果』について共有 ○ アイデアや意見の根拠として、利用者の行動やその目的を伝える ○ 施策対象をどのように使っていたかだけでなく、前後含めての使い方を伝える 補足はslackで、濃い具体的な情報を提供 ○ Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 過去の調査レポート+動画へのショートカット+利用状況・目的の補足+所感 28
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み グロースチームに起こった変化@UXリサーチャー視点👀 利用者への関心が高まってきているなと思ったことをピックアップ ● ミーティング以外でも、リアルな利用者についての興味が出てきた ● 実在の利用者が判断基準になってきた ● 利用状況を知っているからこそ追う数字が見えてきた Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 29
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み グロースチームに起こった変化@UXリサーチャー視点👀 利用者への関心が高まってきているなと思ったことをピックアップ ● ミーティング以外でも、リアルな利用者についての興味が出てきた ● 実在の利用者が判断基準になってきた ● 利用状況を知っているからこそ追う数字が見えてきた Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 30
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み グロースチームに起こった変化@UXリサーチャー視点👀 利用者への関心が高まってきているなと思ったことをピックアップ ● ミーティング以外でも、リアルな利用者についての興味が出てきた ● 実在の利用者が判断基準になってきた ● 利用状況を知っているからこそ追う数字が見えてきた こういうニーズがあるかも こういうユーザーがいるかも Copyright© LIFULL All Rights Reserved. あの利用者さんは、 こういう目的で使っていたから、 こっちの案の方が役立ちそう 31
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み グロースチームに起こった変化@UXリサーチャー視点👀 利用者への関心が高まってきているなと思ったことをピックアップ ● ミーティング以外でも、リアルな利用者についての興味が出てきた ● 実在の利用者が判断基準になってきた ● 利用状況を知っているからこそ追う数字が見えてきた この施策をしたら、 ここの行動が変わりそう だったので、 そこの数字をとってみました Copyright© LIFULL All Rights Reserved. ここ経由の人と、 あそこ経由の人では、 目的が違いそうだったので 、 別々に集計しました 32
UXリサーチでグロースチームを支援する難しさと取り組み UXリサーチで行ったグロースチームへの支援と変化 取り組んだ内容 ● 今までのリサーチデータを活用する ● 小さく調査をする ● 利用状況を伝える・知見の提供 狙い以上! 起こった変化 ● ミーティング以外でも、利用者についての興味が出てきた ● 実在の利用者が判断基準になってきた ● 利用状況を知っているからこそ追う数字が見えてきた Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 33
グロースチームに UXリサーチを取り入れた結果 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 34
グロースチームに UXリサーチを取り入れた結果 数字だけではなくユーザーの解像度を上げたい 数字と利用背景が結び付くようになった 「なぜこういった行動をとるのか」と解像度が上がり、 自分たちの狙いたい数字だけでなく、 利用者の目的も考慮したアイディアが考案できるようになった Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 35
グロースチームに UXリサーチを取り入れた結果 定性データを施策にうまく使えない 自分達にあったやり方で定性データを 活用できるようになった 定量・定性、両方の手段を「発見」に使い、 またそれぞれがそれぞれを「補う」という型ができた Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 36
グロースチームに UXリサーチを取り入れた結果 うまくやっていくポイント ● 譲れないところは変えない ○ 開発フローやスピード感を変更することなく、定性調査を取り入れたことで、 これまでの成功パターンを継続できた ● 土台がしっかりしていることが大事 ○ 成功パターンを繰り返すことや、ビジネス上の判断軸がしっかりしていたからこそ、 定性情報がそこに加わっても良いサイクルが保てた ● セオリー通りに行うのではなく、目的に対して何をやるか考えることが重要 ○ ● こうしなければならないという考えを取り払って、できる範囲内で実施しても目的達成できた 無理をしない・させない ○ Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 互いに無理なくやることで、並走し続けられている 37
UXリサーチャー募集中 住生活を革新させるようなプロダクト開発のために UXリサーチを通して ユーザーファーストを推進しませんか。 Copyright© LIFULL All Rights Reserved. 38
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