5.9K Views
December 13, 22
スライド概要
OSSのネットショップパッケージのSOY Shopの開発にまつわる小話
売りたいものがあるならば、 まずはネットショップのCMSを開発 しましょう SOY Shop開発元 齋藤 毅
概要
提携農場の野菜をWebで販売しようと試みたが、 生鮮野菜を扱う上で在庫の管理が大変! 自社で開発したネットショップのパッケージが あったけど、開発初期は全く使い物にならず、 導入を保留した。 様々な業種に導入してみたらノウハウが溜まって きて、改めて使ってみると生鮮野菜の販売を行え る状態になっていたという話
SOY Shopとは
SOY Shopとは デザインとサイト構造の自由度の高さを特徴とした、本気の ネットショップを作りたい方のための本格的ショッピングカ ートシステムです。月商数十万円~1億円程度のショップで 導入事例があります。SOY CMSというCMS上で動作します。 http://www.soycms.net/extensions/app/SOY_Shop
他のEC CMSとは何が違うの?は割愛します
SOY Shopの開発元 株式会社日本情報化農業研究所 農業技術の開発を行っている他、農業向けから派生した 現場向け業務システムの開発も行っています。 業務の改善からSOY CMSというコンテンツマネージメン トシステムの開発とシステムの導入サポートも行ってい ます。 http://www.n-i-agroinformatics.com/soycms http://www.soycms.net/
SOY CMS /SOY Shopの補足(SOY App) SOY Appは、SOY CMSに追加してインストールすることで、 お問合せ管理やメールマガジン配信、ネットショップ/ECサイ ト構築といった機能を簡単便利に利用することができるアプリ ケーションです。 ※管理画面を持つ大型の拡張機能
野菜の物販とネットショップ
元々は美味しい野菜の栽培技術の開発をしていました。 (提携農場のセレクトファームの協力のもと) http://selectfarm.net/
農薬を一切使用せず、綺麗で美味しい野菜の栽培ができる ようになりました。
引用:NHK出版 やさいの時間 2011 1月号 p52 栽培技術でメディアにも紹介されました
栽培技術を高めたところで販売には直結しない 美味しい野菜を付加価値として販売するところ がほとんどない。 栽培を始めたばかりで営業の余裕がない
営業に時間を割きたくない Webで販売しよう! Webで販売する仕組みを作ろう
野菜を販売するにあたっての課題 ○生鮮野菜の在庫管理は難しい 美味しい時期の販売となると、販売開始から終了までの 時期の詳細が分からない
既存のネットショップのような商品と在庫を登録する方式 は難しいと判断した
単品ではなくセット販売形式で販売を開始することを決めた
セット販売に決めた要因 ・畑にある品質の良いものだけを厳選してセットにできる →個々の在庫を気にしなくて良くなる ・価格のバリエーションが少なくなるので、帳簿をつける のがシンプルになる ・お客様がファンになって定期購入を始めたら、受注管理 がシンプルになる →定期購買者用の名簿と新規注文者の一覧があれば発注 作業はこなせる
セット販売は一旦置いといて、汎用的に使えるネット ショップのCMSの開発を開始、その後検討 野菜の販売では使い物にならなかったので、初期のバー ジョンでは導入せず
在庫数
注文時刻に紐づいた状態と支払い
商品一覧ページ 商品詳細ページ 商品一覧ページと商品詳細ページがあって
お客様情報と支払・配送の設定といったシンプルな ネットショップのパッケージ
汎用版のSOY Shopの導入を控えた理由 ネットショップでセット販売の管理は難しい。 セット販売は名簿の管理中心になるのでエクセルでの管理 で十分だった。 いつかは業務が簡易化してほしいので、野菜の販売では 導入せず、他業種の販売ノウハウを集めてから再検討す ることに決めた。
汎用版のSOY Shopの導入を控えた理由 セット販売では一回の注文で毎週送ってきて欲しい という要望が非情に多いため、既存のシステムでは これに応えるのが難しい。
提携農場では、シンプルなお問い合わせフォームの設置 のみで販売を開始
http://kotobukien.biz/ 農場とは別に、SOY Shopを別業種のネットショップに導入 一般的に必要なネットショップの機能を随時取り入れた。
納品書、売上のグラフ、配送業者のシステムとの連携といった ネットショップに必要な機能を強化 http://www.soycms.net/blog/article/SOY_Shopプラグインの解説_注文個別の納品書やCSVを
別業種で採用してきた機能で使える機能は、 野菜のセット販売にフィードバック その中で野菜のセット販売を劇的に変えた機能があったので、 それらの機能をこれから紹介します。
セット販売で採用した他業種のノウハウ
ギフト販売のネットショップ
ギフト販売のネットショップの特徴 ・商品の単価が高い。 ・短期的なリピートは見込めない。 ネットショップオープンまでで意識したところ ・一度にたくさん購入するお客さまであっても、まとめて 購入することはなく、配送先ごとに一度ずつ注文する のしの記述内容が異なるため
支払と配送の選択だけでは足りない 現状のSOY Shopのカートでは、入力項目が少なすぎる
ギフト販売のネットショップの拡張 SOY Shop本体をカスタマイズして運営を開始すると、 SOY Shop自体の新機能の追加やセキュリティ面でバージョン アップができなくなるので、本体に手を加えたくない。 システム特有のカスタマイズをしてしまったことによって、 今後の運営がどうしようもなくなることを避ける。
カートの項目を管理画面で自由に追加出来るようにした。 (オーダーカスタムフィールド) http://www.soycms.net/blog/article/オーダーカスタムフィールドで開始日 のチェック http://www.soycms.net/blog/article/カートのカスタマイズ_カスタマイズ用のカ ートの準備
オーダーカスタムフィールドが後のショップ構築で 重要な仕様となりました。
食料品店の宅配部門 当時はiPadが発売したばかりの頃でした。 配達の従業員が配達先で注文を受けたとき、 iPadで簡単に受注管理をしたいという相談を受けた。 SOY Shopを導入することにした。
食料品店の宅配部門の拡張 SOY Shopをサーバにインストール 簡単な商品一覧を用意して、アクセス制限を設ける 配達の従業員のみアクセスできるようにした http://www.soycms.net/blog/article/カスタムスクリプトでページ閲覧に制限 をつける
HTMLのみで作った商品一覧ページ
カートのHTMLのみ修正。プログラムの方は手を付けていない
カートのHTMLのみ修正。プログラムの方は手を付けていない
オーダーカスタムフィールドで出荷予定日の項目を追加 上記以外はHTMLの修正のみ
事務所のPCで従業員が登録した注文状況を確認できる 発送関連の受注管理もできる
食料品店の宅配部門の拡張 アクセス制限とオーダーカスタムフィールドで 業務用の端末になった(jQuery Mobileを利用すれば、操作性 上がる) 受注管理をSOY Shopで行える様になると、 ネットショップにある納品書印刷や運送業者とのシステムの 連携が使える様になるので、野菜のセット販売で今回の仕組み を採用 毎週発送予定のお客様を週初めに登録で受注管理
Webでレンタル業務のネットショップ
Webでレンタル業務のネットショップ 以前はショッピングカートのASPを利用してレンタル業務の ショップサイトを運営していた ショップサイトでは注文受付まで対応して、レンタルアイテム の発送と返却業務はエクセルと紙ベースで行っていた 規模拡大に伴い、業務改善も含めてWebで一括管理できない かと相談を受ける
Webでレンタル業務のネットショップの課題 ○注文と発送日が離れていることがある →注文があったからとすぐに発送というわけではない ○返却の確認というフローがある →発送したら業務が終わりというわけではない
発送日と返却予定日のカラムがほしい 新しい注文順に表示される既存の管理画面では、レンタル業務を こなすことはできなかった。
Webでレンタル業務のネットショップの拡張 カートにオーダーカスタムフィールドでレンタルに必要な値を 追加しておき
SOY Shopのデータベースは共有するけど、まったく別項目 を表示するアプリを追加して運営を開始した
Webでレンタル業務のネットショップの拡張 通常の受注管理画面をカスタマイズすると、SOY Shop 自体の新機能の追加やセキュリティ面でバージョンアップがで きなくなるので、本体に手を加えたくない。 確認したい項目だけをまとめた専用のSOY Appを作成し、 発注や返却業務はこのアプリの画面のみで行うようにした 発注作業中に余計な項目に目がいかなくなるので、業務の効率 は格段に向上した。 http://www.soycms.net/blog/article/最後は紙で確認して、人力で発 送する http://www.soycms.net/blog/article/SOY_Appでレンタル業務 の拡張
レンタル業務のノウハウはセット販売でも使える!
野菜のセット販売の最近の問題 配達員用のノウハウを採用した受注管理システムですが、毎週 注文する方には適していましたが、隔週や3回/月の注文の会員 では、登録忘れの発送ミスがごくたまに発生した
野菜のセット販売の最近の問題 既存の注文の管理画面では、個々の注文がいつ発送であるか 分からない。 (管理画面をいじりたくはない)
レンタル業務のノウハウを導入して、 発送確認専用のSOY Appを作成
野菜のセット販売の拡張 注文受付はお問い合わせフォームから 注文登録は月の初めにSOY Shopのカートから 発送の際は専用のアプリから 注文の詳細を確認する時は既存の管理画面から 他業種へのSOY Shopの導入を行い続けることで、 システム改修の速いPDCAサイクルを回すことができた。
今まで紹介した内容は下記URLのサイトで今も運営されています http://selectfarm.net/
まとめ はじめに何をして良いかわからない時は、汎用性の機能のみ でどの業種でも最低限動く状態であっても公開して、取り組 みをはやくに周知するように行動する 今まで関係ないと思っていた業種のノウハウが、次の一手の 足がかりになることがあり、はやくに軌道に乗る可能性がある この情報はWebで販売する為には非常に重要な情報となる
ショップサイトの構築のノウハウはSOY CMS開発ブログに投稿 していますので、是非読んでみてください。 http://www.soycms.net/blog/