SaaSの拡大とそれに伴うリアーキテクチャ Finatext TechNight #5 Koki Imanaka © 2024 Finatext Holdings Ltd.
アジェンダ ● ● ● ● 自己紹介・会社紹介 事業について アーキテクチャこれまで アーキテクチャのこれから © 2024 Finatext Holdings Ltd. 2
会社紹介 と 自己紹介 ● 会社紹介 ○ グループのミッション "金融を "サービス" として再発明する" ○ 証券、保険、貸金の金融の基幹システムをSaaSとして提供 ○ toCのフロントとtoB向けの管理画面を提供 ○ 社内でも保険会社や貸金の事業も行いつつSaaSを利用して金融サービスの提供 も行っている ● 自己紹介 ○ ○ ○ ○ 名前: 今中 公紀 2021年に株式会社 Finatextに入社 Insurtech事業でサーバーサイドとインフラを主に担当 趣味 ■ ■ ワイン ● 2023年 ワインエキスパート取得 子育て ● 4歳の娘と来月もう一人誕生予定 © 2024 Finatext Holdings Ltd. 3
Insurtech(保険)事業 ● 保険とは ○ ○ ● 自動車保険や家財保険など、普段の生活する上で一人で抱えきれないリスクを みんなで分担する仕組み 金融サービスの中でも特に社会インフラ性が高い Finatextのやってる事業 ○ ○ ○ 保険のオンライン申し込みから契約管理まで提供できる SaaS ”Inspire” を開発 あいおいニッセイ同和損保やMS&ADなど14の保険会社様に導入 最短2週間でデジタル保険を提供可能 © 2024 Finatext Holdings Ltd. 4
Inspireのアーキテクチャのこれまで © 2024 Finatext Holdings Ltd. 5
Inspireのアーキテクチャのこれまで リリース当初 (2020年ごろ) ● サーバーとフロントのエンジニア2人で開発 ● 時間や工数的な制約がある中で基盤となる構成を設計 ● コア、顧客サービス、管理コンソールの三つのコンポーネントで構成 © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれまで 各コンポーネントの説明 ● コア ○ ○ ● 顧客サービス ○ ○ ● 裏側で動いているAPI郡 保険業界で共通の業務ロジックを実装 申し込みに必要なAPIと画面を提供 販売したい商品に応じた機能を実装 管理コンソール ○ ○ 保険会社、代理店のユースケースを担当 保険の基本的な業務は各社変わらないため、共通機能として実装 © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれまで 個社要件の打ち取り ● ● ● このアーキテクチャを採用した一番重要な考えは “コアにクリーンにする” とい うこと ○ ○ コアに個社ロジックを入れてしまうと保守が難しくなる ○ ○ ○ 例えば1年契約と言っても翌年の同日を含んだり含まなかったり 閏年の取り扱いが違ったり 最初に聞いた時は boolean で設計したくなるが閏年の取り扱いが出た時には Typeやオブジェクトが適切だったことになる 標準機能として一度提供すると容易には変えられない 保険特有の課題として、一概に保険と言っても保険商品によって全くルールが 違う クライアントの要件が汎用的なものなのか、適切な抽象化が十分なのかを検討 し、十分だと判断したもののみSaaSの標準に取り込む © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれまで リリース後の課題(2021年ごろ) ● 初回リリースは潤沢なリソースや時間はなくミニマムな形で素早いサービスの提 供が必要 ● このままスケールするとなると、各社ごとに実装する顧客サービスの実装がネッ クになることが明白だった ○ 開発コスト、開発体力、スケジュールに課題 ● 顧客サービスを数社提供した後に一定型が見えてきたこともあり、テンプレート リポジトリーを作成し、テンプレートに必要なカスタマイズを行い迅速なサービ ス提供が可能となった © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれまで サービスの拡大(2023年ごろ) ● テンプレート化によって2023年に9社に導入されたがなんとか耐えることができ た ● 一方でこの頃テンプレートをベースに作ったサービスのコードの重複が課題に なってきた ○ ● 例えばコアに互換性のない修正を入れる時に、そのAPIを利用している全ての顧 客サービスに対して修正が必要になる またコアの機能拡充によって、カスタマイズが必要だと思っていた多くはUIで 巻き取れるレベルになってきており、サーバーレイヤーはそこまでカスタマイ ズがいらない状況になっていた © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれまで リアーキテクチャ(2023~24年) ● ● 顧客サービスをSaaSの標準APIとして提供することに その前段としてマルチテナントでユーザー認証ができる認証基盤を作ることに ○ ○ ● こちらの内容についてはアーキテクチャConference2024で発表してます https://findy-tools.io/articles/archcon-finatext/48 これによって標準で対応できる機能についてはテンプレートが不要となった A社 フロント A社 BFF B社 フロント B社 BFF C社 フロント C社 BFF A社 フロント Core © 2024 Finatext Holdings Ltd. B社 フロント 顧客 BFF C社 フロント C社 BFF Core カスタマイズが必要な 会社だけ独自実装を 行う
Inspireのアーキテクチャのこれまで 現在のサービスのインフラ構成図 © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれから © 2024 Finatext Holdings Ltd. 13
Inspireのアーキテクチャのこれから 現在見えている課題 ● 現在の実装の課題を洗い出しを実施 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● BFF構成によってトランザクションが担保できていない 副作用の実装によって、責務が大きすぎるAPI グローバル化する上での考慮不足 高度な可視性の制御 管理コンソールと顧客サービスでの実装の重複 などなど 上記の課題をベースに議論し、今までの漸進的な改善活動ではなく抜本的な改 修を実施することに © 2024 Finatext Holdings Ltd.
Inspireのアーキテクチャのこれから 今後の方針 ● ● BFF構成によってトランザクションが担保できていない 管理コンソールと顧客サービスでの実装の重複 ○ ● 副作用の実装によって、責務が大きすぎるAPI ○ ● → イベント駆動の導入 高度な可視性の制御 ○ ● → モジュラモノリス化 → 認可モジュールの新設 現在鋭意開発中でより具体的な内容はアーキテクチャConference2025で発表 予定 ○ ○ 開催日時: 11/20, 21 https://architecture-con.findy-tools.io/2025?m=2025/session/mdl/G1F CC7TZ © 2024 Finatext Holdings Ltd.