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November 22, 22
スライド概要
航空レーザー測量による主に山林等の測量成果の解析手法の解説。
レーザードローンの測量成果も基本的に同様の手法で解析が可能です。
土地家屋調査士 Land and House Investigator( Licensed Cadastral Surveyor of Japan)
航空レーザー測量成果の 解析事例と手法 (WEB公開用編集版) office yamanaka 土地家屋調査士 山中 匠
国土地理院HPより引用 航空レーザー測量の成果は空中写真測量と違って植生がある場合にも、地表面のデータを含んでいる。
1. 山林のオリジナル点群データから 植生を取り除いて等高線を抽出する
CloudCompare(https://www.cloudcompare.org/)で点群を展開します 「ファイル」 → 「開く」で点群ファ イルを開きます。 点群は”Shizuoka Point Cloud DB”より拝借 https://pointcloud.pref.shizu oka.jp/ EDLシェーダーで陰影をつ け判りやすくしてあります。
フィルタリングによって植生(樹木)を除去します フィルター手法は様々あ りますが https://www.cloudcompa re.org/doc/wiki/index.ph p?title=CSF_(plugin) こちらを使います。 ・左側のデータベースツリ ーで点群(雲のアイコン) を選択状態にします。 ・「プラグイン」→「CSF Filter」を開きます。
CSF Filterの設定について(1) “General parameter setting”で 現場(点群)の地形が ・急傾斜 ・緩やかな勾配 ・平坦地 のいずれであるかを選びます。 ※下の”Slope processing”のチェックについては急傾斜以 外では関係ありません。チェックがあるのとないのと、ど ちらが良さそうか急傾斜の場合は両方試してみることをお 勧めします。
CSF Filterの設定について(2) “Advanced parameter setting”で ・Cloth resolution→グリッドサイズ ・Max interations→地形シミュレーションの最大反復回数(取り 敢えず500でOKらしい) ・Classification threshold→地表面とそれ以外を分類する閾値 を設定します。Cloth resolutionを小さくするほど微地形が抽出さ れ(計算は時間が掛かる)Classification thresholdを下げるほど より植生を「刈り込む」感じになります。 ※Export cloth meshのチェックは基本的には不要です。
CSF Filterによって地表面とそれ以外を分離 CloudCompare上で、 オリジナルデータが 植生部の点群と地表 部の点群に分割され ます。 分かりやすい様に抽 出した地表面は段彩 により彩色、地表面 以外の色を取り除き 白くしています。
樹木等地表面以外を取り除いたデータ(DEM) ほぼ、地表面のみ の点群だけが抽出 されていることが 分かります。 ※設定の最適値は現場や 目的によって変わります。 また、竹林等、一部地表 面にレーザーが届きにく い条件もあります。
参考までに真上から この段階ではまだ点 群です。
「ラスタ化」コマンドでDEM(数値標高モデル)化 「ツール」→「投影」→「ラス タ化(&等高線生成)」でDEM を作成します。 ※内挿補完の関係で前ページの左 上の点群のないあたりは数値ゼロ (ここの色では青)になっていま す。 ・GridのstepでDEMの 解像度を設定します。 (元の点群の密度から 適宜判断して下さい) ・Projectionは direction→Z cell height→ average interpolate SF(s)→on ・Empty cells Fill with「interpolate」 にして 「Update grid」を押し 「Raster」→「Export heights」でgeotiffを保 存して下さい。
DEMをQGISに展開します。 静岡なので空間参照系をJGD2011CSⅧ(EPSG:6766)に。
DEMから等高線を抽出します。 DEMの色は段彩に切り替えてあります
1mコンターを作成 植生を除いた地表面の地形 がかなり詳細に把握出来る かと思います。SHPファイ ルならば属性情報として標 高値を格納可能。
(参考)GIS上でDEMから逆に三次元形状の復元 「 QGIS2threejs」プラ グインを利用。点群だけ では難しい、ラスタベク タ様々な資料との重ね図 などを3次元化して表示 するのに向いています。