IT研修メンター統合資料

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May 06, 26

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何卒よろしくお願い申し上げます。 一流のIT研修講師を目指し、日々研鑽を続けております。 本資料は外部公開用としてご提供するものです。 ALJ Education Plus 株式会社 Yukiko(※趣味枠アカウント)

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1.

IT研修 メンター 統合資料 フィンランド式PhBL × カナダ式メンタリング 新卒・未経験学生向けIT研修講師向け実践ガイド レベル別声掛け / メンターフレーズ集 / PhBL指導理論 / 主体性育成18論文 01 フィンランドPhBL理論 / 02 レベル別声掛け・介入 / 03 メンターフレーズ集 / 04 主体性育成18 論文

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01 PhBL理論 フィンランド式「現象ベース学習」 ① 現象(Phenomenon) 現実の問題からスタートする 「APIとは?」より「なぜAPIが必要か」から入る ② 越境(Cross-disciplinary) PhBL(現象ベース学習)とは? Schaffar & Wolff, Cogent Education 2024 2014年フィンランド学習指導要領に正式導入 複数の知識を組み合わせる 技術知識+チームワーク+問題解決を横断 ③ 協働(Collaboration) チームで探究・発表する サイバーエージェント・MIXIも実践型に移行

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01 PhBL理論 「なぜ?」を先に伝える指導の型 場面 If X → Then Y NG OK — もし〇〇しないと〇〇 コード 「変数名はちゃんと付けて 」 「もし変数名が曖昧だと3ヶ月後に自分でも読めなくなるよ 。だからuserListにしよう。」 Git 「コミットは細かくして」 「もし1コミットに全部入れると、バグ原因追跡が地獄にな るよ。だから機能単位で区切ろう。」 ログ 「エラーはちゃんとログに 出して」 「もしログがないと障害時に手がかりゼロになるよ。だか らここにログを追加しよう。」 状況→結果→行動の順で伝えると 学習定着率が大幅に向上する

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01 PhBL理論 学習定着の3段階構造 Why(なぜ必要か) STEP 1 もし○○という状況があるなら→○○という問題が起きる。だからこの技術を学ぶ 意味がある。 → 動機・文脈を先に与えると記憶に定着しやすい。 What(何を学ぶか) STEP 2 概念・用語・仕組みを、現象(実例)で説明する。 抽象的な定義は最後。具体→抽象の順が有効。 Why → What → How この順番が学習定着を決める How(どう使うか) STEP 3 ハンズオン・ペアワーク・発表でアウトプット。 サイボウズ・MIXIなど国内IT企業も実践型に移行済み。

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02 レベル別介入 フィンランド式「3層サポートモデル」 全員への汎用サポート(70〜80%) Tier 1 • • • 全員:問いかけ中心の授業設計 Lv.C・Lv.D:標準的な声掛けでOK 心理的安全の土台を全員に作る 強化サポート(15〜20%) 3層サポートモデル Tier 2 フィンランド式RTI理論をIT研修に応用 Frontiers in Psychology (2018) • • • Lv.B:つまずきへの個別フォロー 定期的な1on1・学習計画の共同作成 原因分析と段階的なスキャフォールド 個別サポート(約5%) Tier 3 • • • Lv.A:集中的・個別化支援 小ステップの成功体験を積み重ねる 苦手意識の解消を最優先にする

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02 レベル別介入 4レベルの受講生タイプ Lv.A 完全初心者 Lv.C 順調・中級 観察サイン 観察サイン 手が止まる・「わからないことがわからない」 着実に進捗・エラーを自分で読もうとする 恐怖・嫌悪感が生まれやすい 受講生タイプの 見極め方 まず観察。どのタイプか把握してから介入する 主体性を引き出す絶好の機会 Lv.B つまずき中級 Lv.D 早い・上達者 観察サイン 観察サイン 途中まで進んで止まる・試行錯誤が空回り 課題を最初に終わらせる・退屈になることがある 挫折感・自己否定が出やすい 放置すると飽きて離脱リスク

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02 レベル別介入 Lv.A 完全初心者 Lv.A 完全初心者への声掛け NGな声掛け • • • • 「なんで止まってるの?」 「これくらいわかるでしょ」 「調べればわかります」 「もう少し頑張ってください」 フィンランド式フレーズ 存在肯定 「画面を見てるだけでOK。まず眺めてみよう」 小さな問い 「この中で知ってる言葉、一つでもある?」 指導原則 「正解より存在を肯定する」 画面を見ていることすら褒める段階 ゴール:「もう少しやってみようかな」 自己開示OK 「最初は誰でもここで止まる。正常だよ」 選択権を渡す 「どこから触ってみたい?好きなところでいいよ」

8.

Lv.B / Lv.C 中級者 02 レベル別介入 中級者への声掛けフレーズ Lv.B 原則 「やる気はある。正解が見えていないだけ」 → 自信を壊さず糸口を渡す Lv.C 原則 「動いている。なぜ動くかまで考えさせる」 → 主体性の花が咲く段階 Lv.B フレーズ Lv.C フレーズ 現状把握 理由探索 「どこまで動いた?そこから何が変わった?」 「動いた!なんで動いたと思う?メカニズムを 説明してみて」 思考外化 応用問い 「今の頭の中を声に出して話してみて」 「これ、別の方法でもできる?どんなやり方が ある?」 ヒント渡し 改善観点 「エラーの最初の一行、何を言ってる?」 「自分でリファクタするならどこを変える?」 Lv.D 早い・上達者 ── 退屈させず次の挑戦を作る 「もし制約なしでやるなら何を付け加える?」 「この概念、Lv.Bの人に説明できる?やってみて 」 「同じ機能、3種類の実装方法を考えてみて」 「ユーザーが初心者だったらこのUI、どう変える ?」

9.

02 レベル別介入 ZPD × 4レベル別スキャフォールド設計 Lv.A 最大サポート • • • ZPD理論×スキャフォールド 最近接発達領域(Vygotsky)に基づき サポート量を段階的に減らす 1ステップずつ確認・成功体験を毎回作 る 講師が隣に座る 「わかった?」より「どう感じた?」 Lv.C 中サポート • • • 問いかけ中心に移行・理由・改善の問 いを追加 自己評価を促す 「なぜそうした?」 Lv.B 高サポート • • • ヒントを段階的に渡す・思考を声に出 させる 詰まったら一緒に分解する 「どこまで試した?」 Lv.D 最小サポート • • • 挑戦課題を提示する・教える役を任せ る 設計・応用を問う 「他の手はある?」

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02 レベル別介入 「ITを嫌いにさせない」指導 ── 7つの鉄則 01 「ITを嫌いにさせない」 7つの鉄則 存在を否定しない 05 ステップを小さく切る 「なんでできないの?」はNG。学んでいる過程を 尊重。 「今日はこれだけ」と範囲を限定。小さな達成感 を毎回作る。 02 06 沈黙を埋めない 進捗を見える化する 考えている沈黙は貴重。10秒待つ。答えを急かす と思考を奪う。 「ここまでできた」の積み上げを本人に見せる。 形成的評価を活用。 03 07 問いは1つに絞る 複数の質問を一度にしない。「なぜ?どうすれば ?」と重ねると混乱。 04 失敗を歓迎する 「面白いエラーだね、何が起きてる?」失敗を材 料と見なす。 対話で関係を作る 名前で呼ぶ・目を合わせる・気持ちを聞く。信頼 が主体性の土台。

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SCENE 01 セッション開始 03 メンターフレーズ集 セッション開始フレーズ 「今日は何に集中したいですか?」 What would you like to focus on today? ▸ メンティーにアジェンダ主導権を渡す 「前回から何か変わりましたか?」 What has changed since our last session? ▸ 振り返りを促し、成長の自己認識を引き出す メンティーを安心させ 場をひらく言葉 カナダ式の基本姿勢: メンティーにアジェンダの主導権を渡す 「今日のゴールを一緒に確認しましょう」 Let's clarify what success looks like for today. ▸ 共同ゴール設定で対等な関係を示す 「何でも話せる場所にしたいと思っています」 I want this to be a space where you can share anything. ▸ 信頼関係の土台づくり。評価しない姿勢を明示 「どんな気持ちで今日を迎えましたか?」 How are you feeling coming into today's session? ▸ 感情チェックインで心理的安全性を確保

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SCENE 02 問いかけ・引き出す 03 メンターフレーズ集 問いかけ・引き出すフレーズ 「自分ではどう思いますか?」 What do you think about it yourself? ▸ 最重要フレーズ。メンティーの思考を先に引き出す 「もし制約がなかったら、どうしたいですか?」 If there were no constraints, what would you do? ▸ 思考の枠を外して可能性を広げるコーチング技法 答えを与えずに 考えさせる魔法の質問 最重要:「自分ではどう思いますか?」 メンティーの思考を先に引き出す 「最初の一歩は何ですか?」 If you were to try this, what would your first step be? ▸ 行動への橋渡し。具体化を促す問いかけ 「その判断の背景を教えてもらえますか?」 Can you walk me through the thinking behind that? ▸ 批判せず、思考プロセスを理解しようとする姿勢 「誰かに相談するとしたら、どんな人に?」 Who would you turn to for advice on this? ▸ メンター依存を防ぎ、自己リソース発見を促す

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SCENE 03-04 称賛・FB 03 メンターフレーズ集 称賛・フィードバックフレーズ 「結果」ではなく 「プロセス」を褒める 自己効力感研究(Bandura, 1997) プロセス称賛→内発的動機を育てる 称賛フレーズ FBフレーズ 「その考え方のプロセスが良かったです」 「少し違う角度から見てみませんか?」 「前回より確実に深く考えられていますね」 「もう一歩踏み込むとすると、どこですか? 」 「その質問はとても本質的です」 「それは意図的な判断でしたか?」 NG → OK 言い換え(メンター5原則より) 「それは違います」 「私ならこうします」 「別の視点も考えてみましょうか?」 「あなたはどうしたいと思いますか?」 「なぜそうしたんですか?」(詰問) 「答えは〇〇ですよ」 「その判断の背景を教えてもらえますか?」 「選択肢を一緒に考えてみませんか?」

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SCENE 05-06 詰まり対応・締め 03 メンターフレーズ集 行き詰まり対応・クロージングフレーズ 詰まったメンティーを 前に進ませ 次への意欲を点火する 行き詰まりへの対応 セッションを締める 「今どの部分で詰まっている感じがしますか? 」 「今日のセッションで一番の気づきは何でした か?」 「完璧でなくていい。まず60%の状態でやって みましょう」 「次回までに何を試してみますか?」 「もし失敗しても、それは学習データです」 「何かサポートできることはありますか?」 「一週間後の自分からのアドバイスをもらうと したら?」 「今日も話してくれてありがとう」 メンター5原則(全フレーズの基盤) ① もし〇〇しないと→〇〇になる→だから〇〇しよう ② Why(理由)を先に渡す 例)を使う ④ 責めない・リスクを一緒に見る ⑤ アウトプットさせる ③ 現象(実

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04 主体性育成18論文 フィンランド式 主体性育成サイクル 安心の場を作る Step 1 帰属感・心理的安全(No.14,15) 「間違い大歓迎」を初回に明示し、講師が先に間違えてみせる 選択肢を渡す Step 2 自律欲求の充足(No.5) 「AとBどっちが合う?」で選択肢を2つに絞って渡す 小さく挑戦させる Step 3 主体性育成 18論文モデル 有能感の積み重ね(No.17) 未完成でも発表させる。「途中経過発表」を正式な評価に プロセスFBを渡す フィンランド研究18本から帰納した 主体性育成の5ステップサイクル Step 4 成長の可視化(No.7,16) 「×」のかわりに「もう一歩は○○です」と言う 振り返りで言語化 Step 5 メタ認知・自律化(No.11) 週1回「今週の気づき」共有タイム。5分でOK

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04 主体性育成18論文 主体性育成 今日からできる10アクション 01 名前を呼ぶ・返答を必ず拾う(帰属感 No.15) 06 未完成でも発表させる「途中経過発表」 (No.17) 02 「AとBどっち?」で選ばせる—初心者向 け(No.5) 07 自己評価欄を毎回の課題に入れる( No.6,7) 03 「×」の代わりに「もう一歩は○○」と言 う(No.7) 08 週1回「今週の気づき」共有タイム5分( No.11) 04 「できない」→「まだできていない」に 言い換える(No.12) 09 最初の課題を「使える成果物」にする( No.9) 05 講師が先に間違えてみせる(心理的安全 No.14) 10 授業最後に「今日学んだことを隣に一言 」(No.16) 今日から使える 10のアクション フィンランド研究論文に基づく 実践的アクションリスト

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04 主体性育成18論文 参考論文・参考文献一覧 参考論文 全18件+関連文献 すべてオープンアクセス(無料) DOIリンクまたはPubMedから閲覧可能 No.1,17 民主的エージェンシーは「機会が先、スキルは後 」 No.6 do i:10.1080/00313831.2023.2196525 do i:10.1002/curj.288 No.2 変革的学習が教師エージェンシーを通じて生徒を 変える No.7 do i:10.1177/15413446241255912 do i:10.1080/03004279.2024.2409246 No.3 No.9 真正評価が学生を「知識受容者」から「貢献者」 へ フィンランド教員養成研究の10年 多様な評価実践と生徒のアセスメント知覚 点数なし「プロセスFB」が学習効力感を高める do i:10.1080/00131911.2024.2432256 do i:10.1080/13562517.2024.2332252 No.4 No.12 成長マインドセット全国実験:低成績層に持続効 果 フィンランド式三層支援(RTI) do i:10.3389/fpsyg.2018.00800 do i:10.1038/s41586-019-1466-y No.5 No.14 心理的安全→エンパワメント→創造性の媒介( β=0.37) 自律性支援→自己効力感・集団活動価値が向上 do i:10.1016/j.jvb.2024.103986 do i:10.3389/fpsyg.2022.865123

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メンターとして大切にしたい姿勢 01 「なぜ学ぶか」を先に伝える — If〇〇なら→〇〇になる。だから学ぶ 02 レベル別に介入を変える — Lv.A〜Dで声掛け・サポート量を調整 03 答えより問いを選ぶ — 自分で気づいた答えは一生忘れない 04 失敗を材料にする — 叱責しない・リスクを一緒に見て解決策をセットで渡す まとめ 05 まず聞く、それから話す — セッションの7割はメンティーが話す時間 IT研修メンター統合資料 06 先に機会を作る — 「準備が整ってから」では遅い。不完全でも参加させる 07 評価より承認を先に渡す — プロセスを褒め、内発的動機を育てる