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July 20, 24
スライド概要
2024-07-20 JBUG岡山での発表資料です。
Backlogをフル活用するために 提案力と実装力を鍛えた話 JBUG岡山 #6 なんでもアリのBacklogバーリ・トゥード 2024-07-20 @nabe_yu_jp #JBUG
自己紹介 @nabe_yu_jp C#/pwsh/PostgreSQL、最近はReact.jsも少し。 要件定義から設計、実装まで何でもやります。 趣味:おでかけ🚢🛫🚄
この発表の目的 情報 共有 ● Backlogの活用事例 行動 変容 ● 自分たちの業務を改善してみる ● ありたい姿に近づける仕事の進め方 ● 改善する人を応援、フォローする
仕事もプライベートも 今よりよい方向に 一歩を踏み出そう!
前提 ● BtoBのソフトウェア開発チーム(10~20人) ● Backlog利用歴→約4年 ● 私は開発チームのエンジニアでPjM、PdMではない ● 体系的なノウハウではなく、N=1の経験談
背景 導入から一定期間が経過して定着してきた さらにBacklogを活用したい! 導入 定着(2020-2023) 発展(2024-) Backlogを利用できる 基本的なタスク管理ができる Backlogでよりよく働く
背景 導入から一定期間が経過して定着してきた さらにBacklogを活用したい! 導入 定着(2020-2023) 発展(2024-) Backlogを利用できる 基本的なタスク管理ができる Backlogでよりよく働く
Backlogを導入すれば 我々は幸せになれるのか?
実際にプロジェクトを回していると 色々ありますよね?
野良Excelを撲滅したい
あ、それここの Excelにあるよ あれ、まだBacklogに 入れてなかったっけ? 野良Excelを撲滅したい 一旦、Excel台帳を! 増える備考列。 増えるバージョン 別ファイル。 Excelが悪いわけではないです。(念のため)
待って待って… Backlogあるじゃん…?
何でもExcelやめません?
何でもExcelやめません?
従来のやり方を 否定しない! むやみに煽らない
どうすればチームとして 働きやすくなるか 真剣に向き合ってみた
改善には3つのパワーが必要だった 1 2 3 問題を見つける ● ● ● 既存のやり方を疑う 根本原因を捉える 担当領域以外のことを知る 提案する ● ● ● 前向きに、ときに泥臭く 業務プロセスを整理する 否定しない、押し付けない 実装する ● ● ● Backlog(API, カスタム属性) PowerShell HTML, JavaScript
ここからは3部構成で 3つのパワーをお伝えします。
1. 問題を見つける
問題発見 提案 既存のやり方を疑う 効率化を求めて長年同じことをすると Howの部分だけ引き継がれて秘伝のたれ化する ● このタスクなんであるんだっけ?目的は? ● 前工程と後工程は? ● 現代の技術をもってすれば他にいい方法があるのでは? ● 他の会社ではどうやっているんだろう? ● 思考停止しない 実装
問題発見 提案 「ふりかえり」は改善の宝 幅広く困りごとや問題を認識する ● 他者の視点で問題認識できる ● 自分は困ってないけど困っている人が多そう ● 率先して「困っています!」と声を上げるきっかけを作る ● 改善の機運を高める(雰囲気づくり大切) 実装
問題発見 提案 実装 雑談で情報を拾う チーム内外の人と話してリアルな状況を知る ● 遅くまで働いている隣のチームの先輩に「直接お手伝いはできない けど、仕組み考えたりツール作ったりはできますので…!」 ● 「どのあたりが大変です?」「こう変えたいみたいなのあります?」 ● 「この作業、大変すぎじゃないですか?」「わかるー」 ● 「Backlog使って何とかしません?」(本格提案前の仲間づくり)
問題発見 提案 実装 異なる立場を知る努力 年代もロールも立場を超えて相互理解を深めたい! ● PjMはどんな仕事でどんな情報がほしいのだろう? ● Backlogを使ってどんな軸でプロジェクト管理するのだろう? ● 開発エンジニアから見えていない困りごとがあるに違いない ● 壁を作らずに、歩み寄りが大切
問題発見 とりあえずインプット 提案 実装
2. 提案する
問題発見 提案 現状をリスペクトする 現状を否定せず、運用が回っていることに感謝する ● いきなり「改革するぞ」的なノリはリスクがある ● その時点では制約の中で最善を尽くしたという前提に立つ ● 何はともあれ仕事は回っていることに感謝する ● 自分が知らない理由がきっとあるに違いないと思う 実装
問題発見 提案 歴史を紐解く タスクが生まれた経緯や背景を把握する ● 「フォーマットは何かで規定されている?」 ● こだわりや意図がどこまであるかヒアリングする ● 歴史を紐解く過程で、改めて問題認識できることもある 実装
問題発見 提案 目的をおさえる 手段と目的をはき違えず、言語化しておさえる ● ExcelをBacklogに移行するのは目的ではない(手段→手段) ● 根本原因に対する打ち手を提案する ● 「ただ新しいこと好きな人」→「業務をよりよく進める人」 ● Howにとらわれた「ツールの押し付け」がなくなる 実装
問題発見 提案 ストーリーを描く 前後工程やステークホルダーを意識して流れをイメージする ● 自分だけ楽になって他で負担が増えてないか? ● 運用に載せた後のストーリを描く ● 協力を仰ぐ、事前調整 ECRSの4原則 排除(Eliminate):業務をなくすことができないか? 結合(Combine):業務を1つにまとめられないか? 交換(Rearrange):業務の順序や場所などを入れ替えることで、効率が向上しないか? 簡素化(Simplify):業務をより単純にできないか? 実装
問題発見 提案 主導権を取りに行く 話を聞いてもらえるように、普段から主導権を獲得する ● アジェンダを書く ● 会議のインプットになる資料を作る ● 議事録を取る ● ちょっとしたボールを拾う 実装
問題発見 妖精さんメソッド ゴールを見せてから段階的に作る ● イメージがつくとGoサインを出しやすい ● 泥臭く、既成事実を作る これ便利でいいね! なくてはならない存在だよ 完成形 提案 実装
問題発見 妖精さんメソッド ゴールを見せてから段階的に作る ● イメージがつくとGoサインを出しやすい ● 泥臭く、既成事実を作る 妖精さんパワー フル手動 実は… この部分、手動なんです 仕組み化したいです 提案 実装
問題発見 妖精さんメソッド ゴールを見せてから段階的に作る ● イメージがつくとGoサインを出しやすい ● 泥臭く、既成事実を作る 妖精さんパワー 実は… この部分、手動なんです 仕組み化したいです いいね フル手動 提案 実装
問題発見 提案 妖精さんメソッド ゴールを見せてから段階的に作る ● イメージがつくとGoサインを出しやすい ● 泥臭く、既成事実を作る 運用コストが ほぼなくなった 妖精さんパワー 妖精さんパワー 完成形 少し手間がかかる フル手動 実装
問題発見 ときにはハッタリ 自信を持って言い切る!虎の威を借る ● 「JBUGっていうイベントで聴いたんですけど~」 ● 「○○社ではこういう運用しているらしくて~」 ● 絶対便利になりますよ! ● やります!できます!おまかせを! ○ →後からこっそり調べる 提案 実装
3. 実装する
問題発見 提案 Backlog API WebAPIのおかげで自動化がはかどる ● 公式日本語ドキュメントがある(最近リニューアルされた) ● 基本的に何でもできる https://developer.nulab.com/ja/docs/backlog/ 実装
問題発見 提案 カスタム属性と種別 Backlogを良質な情報源として使う ● カスタム属性は形式や必須チェックなど柔軟に設定できる ● 課題に紐づく情報の入力フォームとして便利 ● きれいなデータがあると活用したくなる ○ 表記ゆれ、散乱、一列に複数責務だと厳しい 実装
問題発見 提案 PowerShell お手軽な自動化はPowerShellから ● Invoke-RestMethod でWebAPIを呼ぶ ● CSV、JSONと.NETオブジェクトの相互変換も簡単 ● Windowsには標準搭載されている ● VSCodeでサクサク開発できる 実装
問題発見 提案 実装 作ったもの ● 複数リポジトリのプルリクエストを一覧できるダッシュボード ● 問い合わせ管理bot ● テンプレートを入れて親子課題を一括登録する ● 子課題の予定・実績時間を親課題単位で集計する ● 品質指標を計算する
問題発見 提案 小さく作る HTML1枚でかんたん! ● デプロイはHTMLファイル一枚をWebサーバに置くだけ ● Vue.jsなどはCDNで読み込み ● UIコンポーネントを使えば少ないコード量で済む ● pwshで加工したJSONを読み込んで使う https://oruga-ui.com/components/Table.html 実装
問題発見 提案 Excelとの共存 Excelで分析したいときもある ● 集計結果一覧のWebUIにCSVダウンロードボタンを配置 ● 一時的なスナップショット、分析用として使う ● Backlogのデータを正にする 実装
問題発見 抱え込まない 末永く使うためにもチーム内に公開する ● プロジェクトのBacklog Gitに上げる ● READMEを書く ● プルリクエストを歓迎する ● 最初にデプロイを自動化する 提案 実装
まとめ
この発表の目的 情報 共有 ● Backlogの活用事例 行動 変容 ● 自分たちの業務を改善してみる ● ありたい姿に近づける仕事の進め方 ● 改善する人を応援、フォローする
改善のモチベーション プロジェクトがうまく回って チームの力が発揮されること
引き続き試行錯誤して よりよい仕事の仕方を 探していきます。