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October 17, 26
スライド概要
ウェブアクセシビリティLT 交流会 vol.12 2026-10-17
ウェブアクセシビリティ まなびTai! ウェブアクセシビリティLT&交流会 vol.12 2026-10-17 @[email protected]
自己紹介 名前:中村直樹 a.k.a. もんど / @[email protected] 所属:ミツエーリンクス 著作:HTML解体新書(共著) 翻訳物:HTML Standard(部分訳)、WAI-ARIA 1.3、 Explainer for WCAG 3.0 ほか WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会) WG4(翻訳)委員/ WG6 副査 改正JIS原案作成委員会に参画
誰がウェブアクセシビリティを学ぶのか 「ウェブアクセシビリティの学び方」を考えるにあたって、 誰が(=どういうロールの人が)学ぶのか? たとえば、ディレクターとデザイナー、コーダーでは学ぶべ きことは異なってくるはず もしかしたら、間接部門の人が興味を示すかもしれない 一応ウェブ制作に携わる人を念頭に置いてみる ウェブアクセシビリティに携わっていないか、経験の浅い人 を考えてみる
学習目標を考える 「ウェブアクセシビリティの学び方」を考えると、ある種の 学びの究極目標としては、WCAG 2を理解することにあると 考える しかし、初学者がWCAG 2をいきなり読むのは危険 なぜなら、最初に読むには難しすぎるから では、どうWCAG 2にアプローチしていくか? 予備知識としてウェブアクセシビリティに関連する書籍に触 れることは、WCAG 2を理解する上で有益
いくつか書籍を挙げてみる では初学者はどの本を読めばいいのか? @[email protected]が公開している 『アクセシビリティ関連本を読める図書館』で 挙げられている9冊の書籍をざっくりレビューします…! https://magi1125.github.io/libraries/
レビュー対象書籍
Webアクセシビリティの教科書 ウェブアクセシビリティといえば『デザイニングWebアクセ シビリティ』が真っ先に挙げられていたが、本書はその改訂 版にあたる ウェブサイト制作のフローに沿った構成であり、豊富な図版 とともに、どういったところがウェブアクセシビリティの観 点で障壁になるのかが分かりやすく説明されている WCAG 2.2に対応。WCAG 2の達成基準との対応も巻末に示 されていて関連付けができる 1冊目として最適。迷ったら本書を手に取るとよい。部門・ 役職問わずに持っておいて損はない
いちばんやさしいウェブアクセシビリティ の教本 「いちばんやさしい」シリーズの書籍。「やさしい」とう たっているが、易しいかどうかでいうと易しくはない 実直で歯ごたえのある本ではある。他の本では扱っていない、 手の届かないところに言及しているあたりが評価ポイント ただ、誰向けに書いたのかがよくわからないというのが正直 な感想であり、積極的に勧めたいかというと… WCAG 2を俯瞰するという意味ではChapter 2「ウェブアク セシビリティガイドラインの理解」が有益かもしれない
見えにくい、読みにくい「困った!」を解 決するデザイン【改訂版】 改訂版は持っていない…ので初版の話 デザインとあるとおり、図解がふんだんに使用されていて、 視覚的に飽きない作り WCAG 2との関連性は直接には触れられていないがWCAG 2 には言及している箇所あり デザイナーでなくともウェブアクセシビリティの勘所をおさ えるという意味で、持っておいてもよいかもしれない。ウェ ブアクセシビリティの前提知識はなくても読める程度には敷 居は低い
Webアプリケーションアクセシビリティ これでもか、というくらいにいろいろなものを詰め込んだ、 とても分厚い本(レビュアーとしてレビュー) 実装者としては、ARIA Authoring Practices Guide (APG) へのステップとして使える 「アクセシブルなUI設計の原理を導く」では、デザイナーに とって貴重で有益なまとまった情報源だと思われる 付録の「支援技術と利用状況」も読み物として有益 特にウェブコーディングに携わるなら、ウェブアクセシビリ ティを学ぶ2冊目として推してみたい
モバイルアプリアクセシビリティ入門 モバイルのネイティブアプリに言及したという意味では画期 的な本 アプリの実装者を想定しており、WCAG 2の達成基準との関 連にも言及 Guidance on Applying WCAG 2.2 to Mobile Applications (WCAG2Mobile)が肉付けされるまでのつなぎという印象あり あくまで実装者に重きを置いてるので、アプリの検証観点で はあまり有益には感じなかった。XcodeのAccessibility Inspectorには触れているが、Appiumには触れていないのは 厳しいか
ウェブ・インクルーシブデザイン 洋書の翻訳。9つある書籍の中で唯一所持していないので、 新宿区立図書館で流し読み 「WCAG2.0」とスペースなしで表記しているのが気になっ て、中身が頭に入ってこず… 日本語訳として疑問符が付く箇所がいくつか見受けられた ウェブアクセシビリティという観点では類書が存在するわけ で、あえて本書を手に取らなくてもよいか
武器になるHTML ありそうでなかったHTMLオンリーの入門書。HTMLをゼロか ら書けるようになる(!) HTMLの本なので、直接WCAGを参照することはないが、コ ラムでWCAG 2.1に言及 セマンティックを意識したHTMLを書くことは、当然ウェブア クセシビリティに寄与するわけであり、その力を養える 何らかの理由で前提知識なしでHTMLを書かざるを得なくなっ た人、これからHTMLを手で書いてみようという人向け
HTML解体新書 HTMLを究めたい人のための初級~中級者向け書籍 「ウェブアクセシビリティの基礎」というChapterを設け、 WCAGの歴史に言及するセクションあり。WCAGの達成基 準に言及する箇所もある 随所でアクセシビリティ上の注意点を挙げている 「WAI-ARIA」「ARIA利用時の注意点」「WAI-ARIAの実践」 というChapterを設け、がっつりWAI-ARIAについて学べる これが読めれば後はHTML StandardとWAI-ARIA仕様、ARIA APGを読みましょう
Form Design Patterns 洋書の翻訳。監訳は@[email protected] 副題:シンプルでインクルーシブなフォーム制作実践ガイド 10章(10個のフォームパターン)を通して、ひたすらHTML フォームについて考えることができる WCAG 2の達成基準について言及している箇所あり 何かとアクセシビリティ上の問題を抱え込みがちなフォーム 周りのマークアップをうまくできるようになると思われる
書籍レビューまとめ アクセシビリティ関連本として9冊の書籍をざっくり レビュー 部門・職種問わずに初手でおすすめするのが 『Webアクセシビリティの教科書』 2冊目は好みに応じてどうぞ
書籍の次へ 本丸は、WCAG 2.2を理解するのに必携となる『WCAG 2.2 解説書』(Understanding WCAG 2.2の翻訳) これを読み込むことで、WCAG 2を理解できるようになる アクセシビリティ・ガイドラインの歩き方(初心者編) https://docs.google.com/presentation/d/1U74164uPJsH QU12OcAeZPVwfwCzAWJy6hSPZyCxG8kM/edit#slide=id .p も参考になる 必要な予備知識を手に入れたところで頑張ってWCAG 2.2解 説書を読みましょう…!
おわりに:WCAG 2に対する態度 WCAG 2は国際標準であり重要な位置付けであるが、 WCAG 2「準拠」を目指さない限りは、WCAG 2の達成基準 に固執する必要はないと考える どの達成基準を満たせているのか、いないのないかという問 題は、専門家に任せてしまったほうがよいかもしれない ちなみに専門家であっても、あるページのコンポーネントが WCAG 2の達成基準を満たせているかどうか、意見が分かれる ことが稀によくある それよりは、アクセシビリティ上の問題を根本的に解決され ているサイトを制作するのが有意義 とはいえ、WCAG 2は一回触ったほうがよいと思われる 終わりだよー(o・∇・o)