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December 31, 21
スライド概要
YouTubeを主とした動画を用いたメンタル系の情報発信であるべき内容についての指針を、精神・心理領域医療情報動画配信研究会で作成したものです。
精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。
2021.12.30 精神・心理領域の医療情報の 動画を用いた発信についてあ るべき内容の指針 精神・心理領域医療情報動画配信研究会 Ver. 1.5
通称、メンタル系医療従事者Youtuberの会 精神・心理領域 医療系動画配信研究会 が作成 精神科医、心療内科医、公認心理師、 心理学の教育者などのグループ
• 学術的根拠のある内容 一般的な医学や心理学と矛盾がないも の。論文やガイドラインなどの根拠が確 認できる、または、教科書などにある内 容が望ましい。引用元や参考文献が動 画内や概要欄に記載されてることが望ま しい。
• 他者に不利益が生じる可能性 に配慮した内容 • 著作権・商標権・肖像権などの 他者の権利に配慮した内容
• 心理検査を解説するのであれば、 視聴者への影響に配慮した内容 心理検査によっては、その内容や解釈の方法などにつ いての紹介が視聴者に影響を与え、心理検査を受ける際 の実施や結果に影響を与え、先入観や恣意的な反応、学 習効果などにより本来の結果が得られなくなる可能性が あることには注意を要する。心理検査によっては紹介を避 けるか、その内容を慎重に扱うべきである。 心理検査についての情報の取り扱いについては各種倫 理綱領に則る。心理検査の図版や文章には著作権が存 在することにも注意を要する。 例)ロールシャッハテスト、PFスタデイ、絵画統覚検査 (TAT)、バウムテストなど
• プライバシー保護に配慮し た内容 患者・相談者等のプライバシー権、医療従 事者の守秘義務に注意する。 症例を扱う際には、本人の同意を取得し、 個人を特定できないよう配慮した上で扱い、 本人が同意を撤回した際にただちに該当す る動画を削除または編集する。
• インターネットの恒久性と 世界的な影響に配慮した 内容
• 関連法令を遵守した内容 ➢ 薬機法:医薬品・医療機器として認められていない 特定の商品の健康・身体に対する効能・効果を謳うこ とは避ける。個人が使用した感想としての効能・効果 についての表現も避ける。 ➢ 景品表示法:特定の商品につき、十分な根拠なく 優良な効果を有すると表記することは避ける。医薬 品・医療機器についての情報発信においては公正取 引協議会の取り決めにも配慮する。 ➢ 守秘義務
• 犯罪行為等を誘発・助長し ない内容 • 公序良俗に反しない内容 • 人種・思想・信条等の差別 を助長しない内容
• 特定の個人・企業・団体等を 誹謗中傷したり、名誉や信用 を傷つけたりしない内容 • 個人的見解だけに基づく批 判ではない内容
• メディアが自殺関連報道で注 意すべき点に配慮した内容 ➢ センセーショナルな表現を避ける ➢ 自殺を「よくある普通のこと」や「前向きな問 題解決策のひとつ」と扱うこと避ける ➢ 手段や場所などについての具体的な表現を 避ける など視聴者への影響に配慮した内容 厚労省「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 (2017年版)日本語版」
• 障害者への偏見を強めない、 その解消への貢献に配慮し た内容 • 障害者の弱みに付け込み 利益を得ることを目的としな い内容
• 著名人につき診察せずに 精神医学的診断をくだす 行為の問題に配慮した内 容 cf. ゴールドウォータールール American Psychiatric Association, “The Principles of Medical Ethics With Annotations Especially Applicable to Psychiatry”, 2013 Edition, p.11
• 動画配信者に対する個人的に ではないコメントにつき、動画 配信で扱うか否かや扱う内容 について、発言者の意図や障 害に関わるプライバシーなどに 応じて配慮する。 補) YouTubeチャンネルのコメント欄や併用しているSNSへのコメントについて
• ステルスマーケティング に該当しない内容
• この指針を様々な表現の可能性を制 約するものではなく、有益な情報の提 供マネタイズを制限するものでもない。