精神科の理論と治療の歴史

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May 22, 22

スライド概要

精神医学の理論と治療の歴史について精神科医として講義やYouTubeで解説するのに作成した資料です。講義やレクチャーでの使用OKです。

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精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

精神科の 病気の考え方と 治療の歴史

2.

心は どこにある?

3.

古くから 心は心臓にある と考えられていた

4.

古代ギリシャ ヒポクラテス 紀元前460年頃-370年頃 心は脳にある と考えたが…

5.

古代ギリシャ アリストテレス 紀元前384-322年頃 心は心臓にある と考えていた

6.

17世紀=1600年以降 神経をたどると 脳に達していること 解剖学者が確認 心が脳にある という理解が広まる

7.

精神診療 プラチナ マニュアル

8.

体液説

9.

古代 精神障害の原因について 霊や悪魔、祟りなど と考えていた シャーマンなどが 対応していた

10.

古代ギリシャ ヒポクラテス 紀元前460年頃-370年頃 体液説を提唱 近代医学の始まり

11.

メランコリアは 黒胆汁 =うつ病 の過剰 と考えていた 「メラ」は皮膚の黒い色素メラニンみたいに「黒」の意味 「コール」はコールタールやコレステロールの語源でもあり「胆汁」

12.

150年頃 ローマ ガレノスが ヒポクラテスの体液説を発展させ 四体液説 を提唱

13.

精神障害も身体疾患も 体液説に基づく 治療が続いた 温水浴/冷水浴、瀉血、阿片など

14.

中世からずっと 1590-1680頃 精神障害が 魔女狩りの 対象にされた 精神障害が宗教的な悪と扱われた 社会的な不満が弱者に向けられた

15.

悪魔等 体液説 2つの解釈 社会的には宗教的な悪と扱われ 治療が行われても体液説

16.

精神診療 プラチナ マニュアル

17.

ピネル

18.

精神障害者の 収容施設では 閉じ込めたり 縛り付けたり

19.

1789年 フランス革命 自由・平等・友愛 が重んじられたことが 精神科医療にも影響

20.

ピネル フィリップ・ もともと外科医だったけど 1745-1826 友人の精神病発症を機に 精神科医に転向 近代精神医療の父

21.

ピネル 精神障害の分類や原因、治療など 精神医学について 教科書を執筆 世界初の

22.

ピネル 精神障害者の収容施設で 監護人のピュサンによる 人道的な 精神障害者への 接し方が良い効果を もたらすのを見た

23.

ピネル 人道的な関りに重きを置いた 道徳療法を提唱 traitment moral

24.

ピネル 道徳療法 精神療法/心理療法、作業療法など 複数の要素を含む

25.

ピネル その人の希望、恐怖、人生で味わっ た苦難が、その精神障害にどう関係 しているかの理解を試みる 対話 精神療法/心理療法を重んじた

26.

ピネル その人に合った環境での 規則正しい 作業 作業療法の誕生

27.

ピネル 道徳療法 精神療法/心理療法、作業療法など 複数の要素を含む

28.

精神診療 プラチナ マニュアル

29.

精神障害と 脳神経科学

30.

ドイツの精神科医 ヴィルヘルム・ グリジンガー 1817-1868 精神障害を脳の病気と考える 脳病論を提唱 精神障害を医学の対象と明言した ドイツ初の教科書を執筆

31.

グリジンガー 単一精神病論を提唱 第1グループ まだ脳に解剖学的変化がない 治癒可能な原初性精神異常 第2グループ 脳に解剖学的な変化を伴いうる 治癒不能な表象と意志の障害

32.

グリジンガー 慢性の精神障碍者を収容することを念頭においた施設を山奥に 収容するばかりじゃなくて 治りうる精神障害にすぐ対応できるよう 医師や学生も通って研究できるよう 都市部に クリニックを作るべき

33.

精神診療 プラチナ マニュアル

34.

精神医学の 理解の変化

35.

1734-1815 メスメル による メスメリズム 世に満ちた動物磁気を 調節すれば病気は治る という 暗示でブームが起きる

36.

メスメリズムが 催眠療法 となる シャルコー 1825-1893 などがヒステリーなどの治療に使用

37.

1856年生まれのドイツの精神科医 フロイト ジークムント・ 無意識の存在を想定した 精神分析理論 を提唱

38.

エスキロール 1800年頃 怒り、嫉妬、驚き、恐怖、満たされない愛情、心理 的な苦痛、傷ついた自尊心といった 情動が精神障害の原因と考えた 心因性の精神障害の概念

39.

ドイツの精神科医 1856-1926 クレペリン エミール・ 先人たちの業績や自分の臨床経験をまとめて 『精神医学提要』 を出版 疾病分類など体系的な精神医学の考え方 を確立。現代の精神医学の礎

40.

精神診療 プラチナ マニュアル

41.

体液説などに基づく 古い治療

42.

古い治療

43.

入浴

44.

冷水浴

45.

嘔吐 下痢

46.

瀉血

47.

潅水 療法

48.

ショック 療法

49.

回転 療法

50.

精神診療 プラチナ マニュアル

51.

精神障害を治そうと 試みられた 治療

52.

ロボトミー 頭に穴をあけて 脳(前頭葉)の一部を切って 精神病を治療

53.

マラリア発熱療法 脳神経に達した梅毒に対して 熱に弱い病原菌を殺すべく マラリア感染による発熱 で治療していた

54.

インスリンショック療法 インスリンを大量に注射して 低血糖昏睡に陥らせてから グルコースを注射して 回復させる治療 死亡しうる治療

55.

精神診療 プラチナ マニュアル

56.

電気けいれん療法

57.

てんかんと 統合失調症の 合併は少ない と誤解していた

58.

カルジアゾールによる けいれん療法 も行われ 精神障害への効果は得られた でも、ちょっと危ない

59.

電気けいれん療法 Electro Convulsive Therapy 1938年 統合失調症 の治療が可能になった

60.

精神診療 プラチナ マニュアル

61.

薬の登場

62.

1944 初の中枢神経刺激薬 1949 初の気分安定薬 1952 初の抗精神病薬 1955 初の抗不安薬 1956 初の抗うつ薬 メチルフェニデート 炭酸リチウム クロルプロマジン クロルジアゼポキシド イミプラミン 1950年前後に 向精神薬が次々と登場

63.

精神科の医療が 収容から 治療へと 大きく変化

64.

精神障害について 神経生物学的研究 が発展