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October 20, 24
スライド概要
https://okayama.open-seminar.org/
オープンセミナー岡山2024で発表した資料です。
のびしろを広げる巻き込まれ力:偶然を活かすキャリアの作り方
私自身のキャリアは、明確なゴールを持って進んだわけではなく、多くの偶然が重なって形作られました。実際、近年の調査では、キャリアのターニングポイントの8割が予期しない偶然の出来事によってもたらされるという調査結果もあります。
こうした背景から、「計画的偶発性理論」という考え方があります。この理論では、未来の明確なゴールを定めるのではなく、現在に焦点を当ててキャリアを築くことを提唱しています。
私自身、この理論に基づいて行動してきたわけではありませんが、振り返ってみると、自分の行動が自然とこの理論に沿っていたことに気づきました。キャリア形成はしばしば個々のバイアス(無意識の偏見や固定観念)に影響されがちですが、それを可能な限り再現性のあるものにしていくために、具体的な行動を踏まえてお話しします。
また、セッションを聞いた皆さんが明日から実践できる具体的な行動についても触れていきます。これにより、偶然の出来事を活かし、自身の「のびしろ」を広げるためのヒントになれば幸いです。
岡山でWebサービスを作っています
オープンセミナー2024@岡山 のびしろを広げる巻き込まれ力 偶然を活かすキャリアの作り方 2024-10-19
Contents 01 自己紹介 02 キャリアを築く 03 のびしろを見つける習慣づくり 04 最後に
はじめに Twitter(X) のハッシュタグは #oso2024 です 色んな人が各発表について 実況(感想)を投稿してます ぜひ、ご活用してコミュニティ参加の濃度を上げてみて ください
自己紹介 高橋 一騎 ( @ikkitang) Webアプリケーションエンジニア スターフェスティバル株式会社 TechPM 日本PostgreSQLユーザー会 中国地方支部長 妻と息子と娘と岡山在住 TakahashiIkki TakahashiIkki ikkitang ikkitang
TechPMって何?
今やってること 飲食店のフードデリバリー業界への 新規参入・運用をトータル支援事業 レシピ開発 販路提供 分析基盤提供 注文受付・決済 弊社配送網で配送
今やってること 飲食店のECサイト運用支援プロダクト開発 メール・電話での運用を管理画面で行えるように 商品の登録・更新 AIによる商品情報の入力支援 ニアリアルタイム更新でいつでも見れる注文の分析基盤を提供 店舗の商品に対して人気商品ランキング・口コミの感情分析 弊社ECサイト全体でのニーズの分析(曜日別注文数・検索ワード) 上記が進められるように業務フローの再構築
今やってること(プロジェクトの進め方の課題) 現行管理画面・DBは歴史がある大きなシステムで変更に開いてなさすぎる 現行管理画面によって複雑化した業務フローも見直したい レストランユーザーに対して プロダクトを提供する為には社内の業務フローの改修が必須 → 新規の管理画面を作ってシステムリプレースの方針で進めていく
今やってること(システムリプレースでやる事) 技術的負債の解消 & 業務フローの再整備を開発チームで取り組んでいる 新しいフローをステークホルダーと構築しつつ、運用に載せる 新規管理画面を構築し、既存のシステムの影響を最小限にする “イベント駆動開発” と呼ばれるアーキテクチャについて技術選定をし 社内全体でのキャッチアップをスムーズにする
TechPM に求められること 以下をマネジメントするロール プロジェクトマネジメント プロダクトを技術的な視野を持ってマネジメント どう作るか・どう作られているかをマネジメントする チームメンバーのパフォーマンスマネジメント
昔やったこと 左から右をコピペで持ってきて、コンパイルエラー出してた 先輩に助け求めたら爆笑してた(w
今日お話すること 自分のキャリアは 未経験エンジニアから始まり テックリードを任せて頂く所まで進んできた 改めて自身のキャリアを見つめ直し、 どうすることでのびしろを広げていったか 具体的な行動とともにお伝えしていく
02 キャリアを築く
私の職歴 未経験 コミュニティ SPアプリ クラウドサービス プログラマー就職 初参加 開発責任者 ローンチ テックリード 新規サービス 就任 ローンチ 2013-2018 転職 2018-2021 転職 2021-
キャリアを“築く” とは..?
キャリアデザインという概念 キャリアデザイン 目指したい将来像にたどり着く為に いつどのようにキャリアを積むのかを詳細に計画し 効率的に実行していく考え方 計画からキャリアが築けているかを評価する事ができる
キャリアビジョン ありますか?
キャリアビジョン 僕のキャリアビジョンは具体的にない 夢とかないし、「これで食べていく」っていう軸になる技術もない 数年後になっていたい明確なエンジニア像もない 「課題解決力をあげて、解決できる課題の範囲を大きくしていきたい」 ぐらいの漠然としたビジョンがあるだけ
私の職歴 たまたま上司の紹介で 未経験 コミュニティ SPアプリ クラウドサービス プログラマー就職 初参加 開発責任者 ローンチ 偶然説明会の場で 幸運にもアプリ開発が 遭遇した会社に 始まったので 転職 ちょうど落ち着いた時に テックリード 新規サービス 就任 ローンチ 声かけてもらって 転職 フルリモート全盛期に 募集があって キャリアビジョンはないけど キャリア形成の中で 沢山の偶然に助けられた
キャリアドリフトという概念 キャリアドリフト 次に進みたいキャリアの方向性だけ決めて、 変化する社会環境に対応しながらキャリアを積んでいく考え方 自分のキャリア形成はキャリアドリフトに寄った考え方だった 「システムエンジニア文化は変化が速すぎるし、予測困難」という不安を 持っていてもキャリアを作っていくことができた
幸運を手繰り寄せる!! キャリアのターニングポイントの8割が 予期しない偶然の出来事によって形成される近年の調査がある でも、自分はチャンスが来るまでぼーっと待ってたか?というと違う その時々で最善と信じる行動をしてきたつもり きっとチャンスは自分がアクティブに行動してないと気付くことは出来ないし そのチャンスを掴み取るには行動をしていくことは必要だと考える
計画的偶発性理論 キャリアを構築するには偶然が重要なカギを握っていて その偶然を自身の行動によってキャリアに生かしていくという理論 偶発的に生じる出来事がキャリアに大きな影響を与える 偶発的に生じる出来事は、自身の行動や努力によってキャリアに活かせる 自ら意識的に行動することで偶発的に生じる出来事を引き寄せ、それをキャリア 形成のチャンスにできる 偶然をキャリア形成に活かすこと & 行動をしていくこと に焦点を置いている
計画的偶発性を起こす行動特性 好奇心 好奇心:新しいことに興味を持ち続ける 楽観性 持続性 持続性:失敗してもあきらめずに努力する 楽観性:何事もポジティブに考える 柔軟性:こだわりすぎずに柔軟な姿勢を取る 冒険心:結果が分からなくても挑戦する 冒険心 柔軟性
計画的偶発性を起こす行動特性 好奇心 上司から「今度行ってみたら?」と紹介してもらって 楽観性 持続性 “忘年会議”(コミュニティ)に参加した あの好奇心や冒険心が無かったら今の僕はいない 冒険心 柔軟性
計画的偶発性を起こす行動 必ずしも成功ばかりじゃなかった気もするけど 腹のくくり方とか怪我しない転び方とかアンチパターンの背景とか そういった物を血肉として深く理解することができる 大きな挑戦や変化を受け入れるときの恐れに対して 「ここまでならできる」「だったらこうしてみれば」 ポジティブなメンタリティを会得することができるようになる
キャリアビジョン無いとダメ? キャリアビジョンが無いことがコンプレックスだった 計画的偶発性理論という「今を全力でやる」ことを大事にして 敢えてキャリアビジョンを見据えずに変化を恐れずに巻き込まれる考えが あるのを知って楽になった この先も予期せぬキャリアの道が待ち構えてるかもしれないけど 「これまで通り何とかできるようになるでしょ」って気持ちがあるし むしろワクワクしてエンジニア人生を過ごしていけてる
のびしろしか無いわ
03 のびしろを見つける 習慣づくり
のびしろを見つける “のびしろ” → 自身や周りの人たちの未開拓の可能性 のびしろを見つける為の習慣として “diffを取る” diffを取る習慣によって変化に気付く準備ができる 時間軸のdiff: 日報・週報・年報 人とのdiff: ペアプログラミング
時間軸のdiff ( 日報 ) 日単位で簡易なテンプレートに沿って 内省をする 日報の目的 仕事を効率的に行う準備をする 出来たことのdiffを可視化する 自分が使っているテンプレート 昨日やった事 今日やる事 自分・チームで良かった事 積み残し 達成したこと
時間軸のdiff ( 年報 ) 一年・半年単位で内省をする 一年の括りで書いたり、在籍期間の括りで書いたりする 年報の目的 目標や今大切にしたいことの振り返り・向き直りをする
日報を継続する仕組みを考える Publicにするのを辞める 日報ツールにGitHub Issuesを採用する GitHub Actions で日報を自動生成する 日々使っているチャットツールでリマインドする 8:00:始業 8:30:自動生成のGitHub Actions 8:45:Slackリマインド
日報 GitHub Actionsでやってること 8:30 に動作開始 前日の日報をコピーして、今日の日報を作る 前日の日報を見つける仕組みが無かったので自作 https://github.com/TakahashiIkki/previous-issue-finder 前日の日報(Issue)をCloseする https://github.com/imjohnbo/issue-bot
年報を継続する仕組みを考える 仕組みに乗っかる アドベントカレンダーに参加して書く 1on1でネクストアクションにする
日報・年報を書くことで得られたこと 不調に気付くことができる 「今日やることが完遂出来てない日が続いてる」 「達成したことが最近かけてない」 「日報を継続出来てない」 「目標に対してアクション出来てない」 これをきっかけに改善することで課題解決の癖がついた この改善ポイント = のびしろ
人とのdiff ( ペアプロ ) ペアプログラミング 2人1組でペアを組んでプログラミングを進めていく手法 ドライバー: キーボードを持ってコーディングする人 ナビゲーター: ドライバーにリアルタイムでフィードバック 常にコードレビューされてる状態なのでミスが防ぎやすい 設計や実装をゼロから進められるので品質向上にもつながる
ペアプロが広げるのびしろ ペアプログラミングは気付きを与えてくれる ドメインについての理解・視点の違い 実装や設計の手順の違い git や エディタ などのツールの使い方の違い 問題解決のアプローチについて、選択肢が広がり それがのびしろを広げる事につながる
のびしろって何? のびしろ 自分の解決できる問題領域を広げる可能性 日報・年報: 日々の時間の中で発生し続ける問題を解決し 問題解決能力を高める ペアプロ: 問題解決のアプローチの人との差異から学ぶ事で 問題解決の選択肢を広げる
04 最後に
可能性をのびしろに昇華させる 新人の時に課題を解決する為の アーキテクチャや技術選定をするのは 一般的には難しい のびしろのあるいい感じの挑戦を見つけることが必要
主体性を持つ 例:「アーキテクチャの選定ができるようになりたい」 「興味があります」って言ってみる 情報は発信する人の所に集まる レビューをしてみたり、質問してみる 「自分にはまだ無理」じゃなくて 「これならできる」を考える それがのびしろを広げる挑戦
僕を支え続けた一個のセッション https://speakerdeck.com/hirak/composer-keynote
問題は問題に直面している人しか解決できない 出来ない理由を探している人と喋っても 話が通じない 今、自分ができることをやる 結果、生まれたものが不格好でも 問題を解かないよりよっぽどいい
主体性を持つ 自分より優秀な人は沢山いる そんな世界の中で自分(チーム)が直面している プロダクト・組織・チームの問題を 自分(チーム)が向き合い続ける事で 解決の方向に向かう そんなメンタリティになれた
本日ご参加の方の 人生が良いものでありますように
Thank you! ありがとうございました! 高橋 一騎