新米スクラムマスターの夜明け ~チームと私の変化~

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October 04, 25

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巷ではイデーと名乗ってます 井手 拓夢(Takumu Ide) エンジニア→スクラムマスター ・CSM(認定スクラムマスター) ・98年世代の神奈川出身 ・ビールとお菓子とハンバーガー ・ハマったらとことんハマり続けるタイプ

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各ページのテキスト
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新米スクラムマスターの夜明け ~チームと私の変化 ~ 株式会社リコー 井手 拓夢 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 1

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自己紹介 井手 拓夢 / イデー ● 株式会社リコー ● スクラムマスター ● 1998年世代、神奈川県出身 2023年に新卒でソフトウェアエンジニアとして入社 新規事業である営業支援SaaSプロダクト開発に従事 2025年4月にスクラムマスターになる 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 2

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アジェンダ 夜明け前 スクラムとの出会い 私の夜明け スクラムマスターとしての葛藤と学び チームの夜明け 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 3

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夜明け前 なんちゃってアジャイル時代 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 4

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背景 チームの背景 ● 社内スタートアップ:新規SaaSプロダクト開発 ● 価値検証×アジャイル開発 ● 兼務のメンバーが多い ● 2~15年目の範囲で若手が多い ● 社内で新しいことに挑戦しているため経験値はあまり無い状態 ● 手探りで進めている状態 ● スクラムマスター不在 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 5

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なんちゃってアジャイル時代 機能モジュールごとの 分業体制 2025/10/04 A ©2025 井手 拓夢 B C 6

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なんちゃってアジャイル時代 担当外の機能がわからない 2025/10/04 A ©2025 井手 拓夢 B C 7

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なんちゃってアジャイル時代 プロダクトバックログなし 2025/10/04 A ©2025 井手 拓夢 B C 8

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なんちゃってアジャイル時代 進捗報告となっている スプリントレビュー A B C 今スプリントは この機能作りました 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 9

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失われたチーム感覚と未来への不安 チームとしての 一体感が無い プロダクトを リリースできるか不安 仕事が楽しいとは 思えなかった そもそもエンジニアとして キャリア進みたいかわからない 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 10

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変化の兆し スクラムとの出会い 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 11

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スクラムとの出会い 組織変更に伴い、プリンシパルエンジニアがチームに参加 スクラムやってみよう プリンシパルエンジニア (スクラムマスター) 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 12

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スクラムの特徴 ゴール 全員で同じゴールに向かう 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 13

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大きな変化 slackのやり取りやペアプロが増え、 コミュニケーションが活発になる 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 14

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大きな変化 確実に動くソフトウェアを デモすることができた 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 15

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今までにない達成感と気持ちの変化 2025/10/04 チームとして一体感が 生まれた! やり方を変えただけで 成果が出た! スクラムに詳しくなって もっと成長したい! 仕事って楽しい!! ©2025 井手 拓夢 16

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かつてない感動 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 17

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私の夜明け ~スクラムマスターへの挑戦~ 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 18

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スクラムにハマる (勉強苦手な私が) 書籍や記事を読み漁り、スクラムを学ぶ 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 19

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スクラムにハマる プランニングポーカー やりませんか? ベロシティ計測しません か? レトロスペクティブで発言しまくる スクラムマスター不在時にファシリをする ファシリやります! 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 20

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スクラム導入から3カ月が経ったころ 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 21

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キャリアの転機 チームを2つに分けることになる 開発チームA 旧開発チーム 開発チームB 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 22

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キャリアの転機 プリンシパルエンジニアとのチーム編成の相談1on1にて スクラムマスターやってみる? ぜひやらせてください! 逆に若手の私がやっていいんですか? うん、別にいいと思った せっかくのチャンスだし頑張ろう 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 23

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キャリアの転機 スクラムマスター兼開発者として、役割を担うことになる 開発チームA 旧開発チーム 開発チームB 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 24

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スクラムマスターとしての葛藤と学び ~教訓~ 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 25

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開発リーダーとスクラムマスターの違いを知る 新チーム初期ではスクラムマスター兼開発者として、チームを引っ張らなきゃと思っていた 開発リーダーのような振る舞いをスクラムマスターがしてしまっていた スプリントプランニング / リファインメント 今スプリントはこれ をやりましょう 2025/10/04 わかりました ©2025 井手 拓夢 26

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スクラムマスター兼任の弊害と権限移譲 アジャイルコーチにスクラムイベントの録画を見てもらった結果、スクラムマスターとPOの会話になっているとフィード バックを受ける スクラムマスターがいなくてもチームが決められるように権限を徐々に移譲していくことが重要と知る 最近こんな状態でして、なんか大変です、、 スクラムマスターがいなくても回るようにしたいね 徐々に開発者に決めてもらうようにしていくといい スクラムマスターがいなくてもスクラムチームが 決めて動けるようになるべきなんですね 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 27

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スクラムマスター兼任の弊害と権限移譲 チームの状況や個人的なキャリアなどいろいろ考えて、どうするべきかを考える 開発者と兼任してしまうと、 どちらも中途半端になってし まうのでは 2025/10/04 他の開発者の意思表示を妨げ てしまうのでは ©2025 井手 拓夢 28

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未来を信じる対話 今後の体制について先輩方に相談 スクラムマスターに専念したいです とても良いと思う このままでは井手さんに頼ってしまうかもだし ただ設計開発の経験を若い時期に経験できなくなるの は心配 技術については別途キャッチアップをしていきたい 今はスクラムマスターに集中することで開発者とし ての振る舞いを学習できると考えています 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 29

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未来を信じる対話 今後の体制について先輩方に相談 開発体制が変わるとなると開発スピード下がるし、他 の人へのどう説明するか気になる 一時的には下がるとは思います ただ、スクラムチームとして成長すれば長期的に見 て開発スピードと意思決定の時間も速くなると考え ています 思いは伝わった チーム全体に提案するときは後押しするよ! 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 30

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スクラムマスターに専念 スクラムマスターとしてスクラムチームが決められるように振る舞う 自律的な成長の土台ができた 今スプリントはこれ をやりましょう 他チームに相談 してみよう ~については決 めましたか? 基本任せるスタンス 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 31

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スクラムマスターになると、より活動的になり、、、 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 32

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スクラムのことを社内に広めたい・もっと知りたい スクラムマスターとして成長していきたいという思いが強くなった 今まで社内外のことに無頓着だった私がスクラムを社内に普及させたい・外の世界を知りたいと思った ● ● 社内 ○ 技術コミュニティのコアメンバーに参画 ○ スクラムガイド読み合わせ会を主催 ○ LTに複数回登壇 社内外のつながりができたら もっと楽しくなった!! 社外 2025/10/04 ○ スクフェス神奈川に飛び込む ○ アジャイル関連の勉強会に参加 ○ スクラム祭りに登壇(New!!) ©2025 井手 拓夢 33

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チームの夜明け ~自律的なチームに向けて~ 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 34

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開発とデザインの壁 会社の特徴として、設計開発を行うチームを「設計区」、デザインを行うチームを「デザイン区」と呼んでいる。 スクラムの役割としては設計開発もデザインも同じ「開発者」であるのに、この雰囲気に違和感があった。 スクラムチームとして自律性が十分とは言えなかった。 設計区に画面渡したから、 デザイン通りに 開発してほしい… デザイン区から画面案がない とタスクに着手できない 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 35

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スクラムのことを知ってもらう スクラムのことを理解してもらえれば、意識が変わるかもしれないと考えた スクラムガイドをみんなで読む会を定期的にやってみよう 参考にした事例 https://www.docswell.com/s/Insurtech-lab/ZVVWQP-2024-03-09-083047 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 36

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コラボレーションへの意識の促進 設計とデザインも同じ開発チームと仲間意識が芽生えた もっとコミュニケーションを促進させたいと声が出るようになった 今は開発とデザインで壁があるよね もっとコミュニケーション取りたい 2025/10/04 朝会で全員話すようにしてみよう! ©2025 井手 拓夢 37

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そして現在、、、 スクラムチームとしてPOと開発者の会話が中心となっている スクラムイベントではスクラムマスターがファシリテーションに徹することができている これでやってみよう! データ的から考え ると~ この仕様であれば 工数は~ 2025/10/04 残り時間少ないので ~の方向性で進めて みましょう インタビューの結果 では~ ©2025 井手 拓夢 38

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コミュニケーションに関心を持ち、 チームで決めようと成長している 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 39

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まとめ 私とチームの軌跡 私 チーム 夜明け前 仕事やキャリアに不安 スクラムマスター不在 分業体制で一体感が無い スクラムとの 出会い かつてない感動を経験し、 仕事の楽しさを知る コミュニケーションが活発化し、 動くソフトウェアをデモできた 夜明け後 スクラムマスターとして葛藤がありながら も実践し学び続けている スクラムチームとして自律的に決められる ように成長している 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 40

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最後に これからもスクラムをもっと楽しんで 私、チーム、そしてプロダクトも 成長していきたい! 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 41

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Thank You!! 2025/10/04 ©2025 井手 拓夢 42