現代英語を知ろう Vol.1 -英語という言語-

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January 28, 24

スライド概要

英語学習全盛期の今だからこそ、今一度英語とは何か?について考察し、その本質を探究する。

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某教育系サービスの内製開発にソフトウェアエンジニアとして携わっています。 使用技術スタックは、サーバーサイドは Ruby on Rails、フロントエンドは React.js + TypeScript です。 プライベートでは Python も少し書きます。 学部生時代は英語学を専攻していたので、言語に強い興味を持っています。 私の所属する部署ではテーマフリーの LT 会や技術トーク会があり、そこで利用した資料をこちらにアップしています。 ご興味があれば是非ご覧下さい。

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各ページのテキスト
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現代英語を知ろう Vol.1 -英語という言語作成者: 石田 隼人 英語版はこちら 最終更新日: 2024年07月16日 1

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自己紹介 • 各種アカウント • • • • • Linkedin: @hayat01sh1da GitHub: @hayat01sh1da Speaker Deck: @hayat01sh1da Docswell: @hayat01sh1da HackMD: @hayat01sh1da • 職業: ソフトウェアエンジニア • 趣味 • • • • • 語学学習 カラオケ 音楽鑑賞 映画鑑賞 卓球 2

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免許 / 資格 • 英語 • TOEIC® Listening & Reading 915点: 2019年12月 取得 • エンジニアリング • • • • 情報セキュリティマネジメント: 2017年11月 取得 応用情報技術者: 2017年06月 取得 基本情報技術者: 2016年11月 取得 IT パスポート: 2016年04月 取得 • その他 • 珠算2級: 2002年06月 取得 • 暗算3級: 2001年02月 取得 3

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スキルセット • 言語 • 日本語: 母語 • 英語: ビジネスレベル • 開発 • Ruby: 中上級(FW: Ruby on Rails) • Python: 中級 • TypeScript:中級(Library: React.js) • HTML:中級(Library: Bootstrap) • CSS:中級(Library: Bootstrap) • SQL:中級 • その他 • ドキュメンテーション: 上級 4

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職歴 1. システムエンジニア @SES • レガシー Windows Server 運用・保守 • 社内アカウント管理 • 社内セキュリティ啓蒙 • 英語通訳(海外拠点とのオンライン会議・ベンダー対応・海外スタッフのアテンド) 2. ソフトウェアエンジニア @受託開発会社 • サーバーサイド開発(Ruby on Rails, RSpec) • フロントエンド開発(HTML / CSS, JavaScript) • QA(Native iOS / Android Apps) • 企業技術ブログ記事執筆 3. ソフトウェアエンジニア @チャットボットプラットフォーム開発会社 • 既存チャットボットプラットフォーム開発・運用・保守(Ruby on Rails, RSpec) • 新規チャットボットエンジン性能検証(Ruby, Ruby on Rails, RSpec, Python) 4. ソフトウェアエンジニア @メガベンチャーの教育系サービス内製開発部門 • 学事・進路支援機能開発(Ruby on Rails, RSpec, Minitest, TypeScript + React.js) • 年次高校マスタデータ更新(Ruby on Rails, RSpec) • ドキュメンテーション執筆・啓蒙活動 5

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国際交流活動 • 大学時代 • • • • 英語学ゼミ(マスメディア英語) 国際交流サークル兼部(2年次) 内閣府主催国際交流プログラム(2013年 - 2016年) 日本語学の授業の S 単位取得(最終年次) • 海外生活 • オーストラリアでのワーキングホリデー(2014年04月 - 2015年03月) • • • 2ヶ月間のシドニーの語学学校通学 6ヶ月間の Hamilton Island Resort での就労 1ヶ月間の NSW 州の St Ives High School での日本語教師アシスタントボランティア活動 • その他活動 • • • • • 英語での日々の日記(2014年04月 - 現在) Sunrise Toastmasters Club 参加(2017年02月 - 2018年03月) Vital Japan 参加(2018年01月 - 2019年07月、2022年10月 - 2023年02月) 英語自己学習 オーストラリアの友人とのビデオ通話 6

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このシリーズのコンセプト • 英語の奥深さを知る • 単なるコミュニケーション手段ではない • 英語を知ることで日本語を知る • 一つの言語しか知らないことは何一つ知らないのと同じ • すぐに役に立たないことを追求する • 無意味に思えることにこそ本質がある 7

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目次 1. 英語の時代区別 2. 言語と語族と習得難易度の関係 3. 現代英語の特質 4. まとめ 5. 参考文献 8

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1. 英語の時代区別 9

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1. 英語の時代区別 時代区分 年代 重要な出来事 印欧祖語 → ゲルマン祖語 B.C. 1000 - A.D. 400 古英語 500 - 1100 中英語 1100 - 1500 近代英語 1500 - 1800 現代英語 1800 - 現在 グリムの法則(第一次子音推移) • 一部の子音における体系的な音変化 • e.g., /p/ → /f/, /t/ → /p/, /k/ → /h/, /kw/ → /hw/ ヴァイキングのイングランド侵入 • 9世紀末のデーンロー(Dane Law)の形成 • 11世紀前半から約四半世紀に渡るデーン人のイングランド支配 • 言語衝突による古ノルド語の英語への流入 ノルマン制服 • フランス語のイングランドにおける公用語化 • 英語の被支配者層の非公式語化 • 言語衝突によるフランス語由来語彙の英語への流入 • 大母音推移(Great Vowel Shift): 長母音の二重母音化(e.g., name) • 借用語の増加: 大航海時代のヨーロッパ各国との交流に起因 マスメディア、IT の発達: 新語の増加と言文一致 10

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1. 英語の時代区別 11

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 12

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 語族とは? 今日世界中に存在する言語は、起源を遡るとある一つの言語に辿り着く。 そのルーツとなる言語から派生したある一定の言語のまとまりを語族 (Language Family)と呼ぶ。 13

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 14

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 ゲルマン語派 • 英語 • ドイツ語 • オランダ語 • フラマン語 • デンマーク語 • スウェーデン語 • ノルウェー語 15

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 ロマンス語派 • ポルトガル語 • スペイン語 • カタロニア語 • プロヴァンス語 • フランス語 16

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 ケルト語派 • ウェールズ語 • ブルトン語 • アイスランドゲール語 • スコットランドゲール語 17

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 ドイツ語と日本語の比較 比較項目 ドイツ語 母語話者の英語習得に 約480時間 必要な最低学習時間 ゲルマン語派 語族 → 英語と同じ 文法的特徴 屈折語 → 格による語形変化(後で説明) 印欧祖語がルーツ 現代英語との共通点 現代英語との相違点 文法性、屈折変化有 日本語 約2500時間 不明 ※ アルタイ語族説が有力 膠着語 → 助詞による主述の決定 自然性(後で説明) 活用変化有 18

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2. 言語と語族と習得難易度の関係 つまり… ルーツが遠い言語ほど習得が難しい → 日本語話者が英語学習に苦労するのはごく当たり前 19

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3. 現代英語の特質 20

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3. 現代英語の特質 3つの長所 特質 詳細 豊富な外来語 世界中の言語からの借用語は、豊かな表現力 フランス語由来の語彙+ ラテン語由 と外国人学習者への親近感を与える。 来の語彙 = 英語の語彙全体の50%以 上 ドイツ語は文法性である。 自然性 → man は男性名詞、girl は女性名詞、その他 【男性名詞】sunne(sun) は全て中性名詞といった具合に、文法性は名 【女性名詞】mond(moon) 【中性名詞】weib(wife) 詞そのものの性に一致。 印欧祖語では主格、属格、与格、対格、奪格 、現代英語の所有格を表す 's は、印 位格、具格、呼格の8つ。 欧祖語の属格語尾 -es, -is の名残。 現代英語では主格、所有格の2つを区別。 13世紀後半以降は「of + 名詞」が優 フィンランド語は14の格を持つ。 勢だが、今日に至るまで共存。 文法性の消失 屈折の単純化 備考 21

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3. 現代英語の特質 2つの短所 特質 詳細 備考 綴り字と発音の 乖離 綴り字から正確な発音の推測が 困難。 e.g., name, foreign, archive, bouquet, draught, indict 屈折の消失で前置詞が発達。 その結果、前置詞や副詞を用い た慣用表現が多く誕生。 文法的な説明が難しいものも多 く、克服には暗記が不可欠。 ghoti と綴って /fɪʃ/ と発音するという揶揄もある。 • gh は enough の無声音 • o は women の i-mutaion • ti は station の無声音 • 古英語は、屈折の語形変化により語順に柔軟 だったが、それを喪失した現代英語は語順が 非常に重要な意味を持つ。 • e.g., "A dog bit a man." と "A man bit a dog." で は「噛みつく」動作の主客が真逆になる。 慣用表現の多さ 22

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3. 現代英語の特質 その他の特徴 項目 値 母語話者数 約4億人 第二言語、外国語として話すものを含めた英語話者数 約12億人 英語が主要な言語の国々や地域の数 約30 郵便における英語のシェア 約75% 技術分野での英語のシェア 約80% The Oxford English Dictionary に掲載されている英単語の数 約500,000語 借用語の元となる言語の数 約350言語 英語の語彙においてラテン語、フランスが占める割合 50%以上 英語の歴史 約1500年 23

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4. まとめ 24

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4. まとめ 1. 英語には4つの時代区分がある。 2. 英語と日本語は全く異なるルーツを持つ。 3. 現代英語は3つの長所と2つの短所がある。 25

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5. 参考文献 26

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5. 参考文献 • Albert C. Baugh and Thomas Cable, A HISTORY OF ENGLISH LANGAUGE sixth edition, London and New York, Routeledge, 2013 • 菊池清明・唐沢一友・堀田隆一・貝塚泰幸、『英語史:現代英語の特質を 求めて-多文化性と国際性-』、大阪府、関西人文科学出版会、2009年 • 菊池清明・唐沢一友・小池剛史・堀田隆一・福田一貴・貝塚泰幸・松崎武 志、『英語学:現代英語をより深く知るために-現代英語の諸相と英語学 術語解説-』、大阪府、浪漫書房、2008年 • 唐沢一友、『英語のルーツ』、神奈川県、春風社、2011年 27

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