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July 13, 24
スライド概要
2010年6月5日に行われた、SIG-ARG(代替現実ゲーム) 第2回セミナー「ARGのつくり方:体験から実践・運営まで」で発表したスライド。
エレメンツが初期に制作したARGっぽい2作品「博多バスゲーム」と「天神ツイットハンティング」についていろいろ書いてます。
いま見返すといろいろと若気の至り的なところ山盛りで恥ずかしいのですが、これも記録ということで、ノーカットで(笑)お送りします。
地方からのARG 『天神ツイット・ハンティング』の事例 2010/06/05 有限会社エレメンツ 石川淳一 1
石川とエレメンツの経歴 ■1987年 システムソフト入社 「大戦略」「天下統一」などの ゲームデザイン、ディレクター、プロデューサー ■1999年 エレメンツ設立 「凱歌の号砲」(Win・PS2 コーエー) 「ジャンヌ・ダルク」(PSP SCE) 「空母決戦」「戦ノ国(制作中)」(Win Si-Phon) シリアスゲーム(産官学連携プロジェクト) 2 ほとんどSLGばっかり!
なぜARGを始めたのか? もともとこういう内容のゲームに興味があった 最初は手軽にできそうだった シリアスゲームとしての可能性 やりたいというメンバーがいた おもしろそうだから! 3
ARGに詳しかったのか? 去年の秋まではまったく知りませんでした! 4
ARGをいつ知ったのか? 5 結局、ほかに用事もないのに行きました!
最初のトライアル「博多バスゲーム」 1/29「広電ゲーム」 (現「広探ゲーム」) というのを Twitter経由で知る 福岡だとどんなゲーム ができるだろうか? 3/7 α 版トライアルを実施! 6
「博多バスゲーム」の概要 1. 最初に4カ所の目的地のヒントを受け取る。 2. 場所を推理し、各目的地をバスでどの順番で回 ると効果的かを考え、各自バスで移動開始。 3. 目的地についたら、指示されている場所を探し、 証拠情報や写真をTwitterで審判に送る。 4. すべての目的地を回ってスタート地点に最初に 戻ってきたチームの勝ち。 7
「博多バスゲーム」問題の例 このかぼちゃ、食べるこ とはできません。まあ、 美術館に飾っているもの ですから。 黄色に黒玉が印象的な この巨大かぼちゃを写 真で送ってください。 8
「博多バスゲーム」当日の様子 9 詳しくは http://busgameblog.elements-soft.jp/ もしくは 「博多バスゲーム」でGoogle検索
「博多バスゲーム」をやってみて 反省点 思ったより時間がかかった(渋滞も影響) 場所を広くしすぎた 博多の人間でもバスに詳しくない人はたくさんいる Twitterでの手動管理はけっこう大変! でも・・・ 自分たちで体を動かして探すゲームは楽しい 地域観光、親子、純粋な競争など応用範囲広そう 10 次もまたやりたい!
「博多バスゲーム」ができた理由 ゲームの原案は2時間で作った 事前の仕込みやラビットホールのようなものは作らない 専用のプログラムも作らない(汎用ツールとアナログ) 石川が知っている範囲で問題を作った α 版トライアルと明記したので、失敗も怖くなかった 全準備工数 5人日くらい(仕事時間外だけでできた) 当日も運営側は石川のみ 人も時間も最小限でやった! 11
「天神ツイット・ハンティング」が決まるまで 「博多バスゲーム」を何度か テストトライアルするつもりだった Twitter仲間に「場所を用意するからTwitterを 使ったイベントができないか?」という相談が ドラマ仕立ての本格的なARGができるかも! 12 やろう!
「天神ツイット・ハンティング」ができた理由 「Project92Q」の存在 福岡のTwitter仲間で結成された酒飲み集団 ・・・ではない! まったくの偶然だが、面白いメンバーが集まっていた ●ゲームデザイナー ●映像制作 ●新聞社 ●コピーライター ●歯科医 13 ●音楽イベントのプロデューサー ●システムエンジニア ●劇団のシナリオライター ●グラフィックデザイナー ●心理セラピスト etc. せっかく集まったのだから、何かやりたいねと 言っていたところにイベントの話が来た! 各人の手弁当で制作→費用はほとんどかけていない!
「天神ツイット・ハンティング」の準備 事前のラビットホールなど含め2~3週間でストーリーが 進行し、最後にイベント当日で完結するARGを計画 すぐに断念(準備期間があまりにも短く、満足いける シナリオや仕込みができるかどうかわからなかった) 基本的に当日のみでできるもの。 しかし、ARG的要素をできるだけ入れたもの 14 これが地獄の始まりでした・・・
「天神ツイットハンティング」概要 もともとTwitterを活かしたゲームという ところから企画スタート 表向きは・・・ 裏では・・・ 「天神大名地区に隠された宝 「このイベントを開催する真の目 をTwitterを活用しながらみん 的があった」という設定 なで探すゲーム」 15 普通の宝探しゲーム(現実)に見せかけて そのゲームのバックストーリー(フィクション)によって ゲームそのものの展開が変化していく
「天神ツイット・ハンティング」リハーサルテスト 3/上旬より準備→4/18に実施 問題点続出! 10人程度でもうまく役割分担できない 町歩きを想定していた謎が外に出ないで解けてしまう 誰もググらない 予想外の範囲まで候補場所を検討してしまう ストーリー上、宝が実はなかったという設定への不満 追いかける人間が早すぎて追いかけられない 中身を8割以上作り直す必要が! 16
「天神ツイット・ハンティング」当日の流れ1 チームごとにクイズ8問が提示 答えのヒントは天神・大名の街中に 17
「天神ツイット・ハンティング」当日の流れ2 「@frenzy092」という TwitterBOTが登場。 クイズの答えを投げかけると 謎のキーワード キーワードを並べ替えて 言葉にし、その言葉を さらにBOTに投げかけると 場所のヒント 18
「天神ツイット・ハンティング」当日の流れ3 場所のヒントを 手がかりに神社にいくと ロッカーの鍵がある。 ロッカーを見つけ出すと 中に宝と新たな謎。 謎をとくと別の Twitterアカウント 19
「天神ツイット・ハンティング」当日の流れ4 Twitterアカウントの つぶやきをもとに 主催者の居場所を さがし、つかまえる。 20
「天神ツイット・ハンティング」雰囲気作り ゲームへの没入感を意識 挑戦状 ムービー 会場の雰囲気 プロのMC 21
「天神ツイット・ハンティング」遠隔地への対応 抽選に漏れた人や、遠隔地の人も 参加できる仕組みを考えたい 遠隔地向け問題 直接参加者が困っているものをTwitterで補助 ユーストリームやネットラジオで実況 直接参加者をフォローするので精一杯で まったくカバーできなかった! 22
「天神ツイット・ハンティング」のストーリー性 イベント主催者が物語の中にいるという二重構造性 イベントを開催する裏の目的が明らかになっていく 「Back Storyes of Twit Hunting」というペーパー MCによる昔語り Twitter上に架空の遠隔参加者 謎ときのキーワードに過去を匂わせるもの 宝が見つかったあとの主催者を捜すイベントの必然性 最後に主催者とMCがイベントの真の目的を語る イベント前の展開がないのに詰め込みすぎ プレイヤーは当日謎解きで精一杯 23
ARGツールとしてのTwitter 参加者同士の情報交換 BOTを使った謎解き 架空のキャラがタイムラインに ツイットをヒントに犯人を捜す ユーストリームの実況中継 Twitterをここまで全 面的に使ったゲーム は珍しいのでは? 24 全面的に使いすぎて トラブルも! ARGツールとして新しい切り口のヒントに
「天神ツイット・ハンティング」参加者の感想 【よかった点】 みんなで話し合って情報を集め、謎を解くところ 最後に主催者を追うところ @frenzy092へのコメント返信でキーワードが 徐々に明らかになる 運動になった 【悪かった点】 25 ロッカーキーのくだりのヒントが少なすぎる ヒントがもっとあったらよかった Ustreamがうまく見られなかった ストーリーが把握しずらい
「天神ツイット・ハンティング」をやってみて 反省点 山のようにあります! 準備が直前までグダグダ 半日のイベントなのにストーリーを盛り込みすぎた 時間がかかりすぎた 遠隔地の人が置いていかれてしまった Twitterやネットのインフラに頼りすぎるのは危険 etc. 26 けれども・・・ 基本的には楽しんでもらえた ちゃんとしたイベント感をアピールできた
エレメンツARGの今後の課題 今回はスタッフが手弁当でやったから実行できたが・・・ →人件費に直すと百万円以上? ゲーム業界と他産業・業界をつなぐパイプの弱さ →ゲーム業界以外の人脈の大切さ 相談だけはけっこう 来るようになった 27 交流と実績を 積み重ねることで 解決していくのでは
これからARGをやりたい人へアドバイス まずやってみよう 欲張らずにやってみよう 自分たちの強みを活かして 今後のために情報の公開・交流を! 28
今後のエレメンツのARG ■2010年7月予定 映画「ソルト」のプロモーションARG(福岡市) ■2010年度中 福岡市・九州大学との産官学共同 シリアスゲーム研究プロジェクト 2010年度のテーマの1つで 「ARGを使った観光・地域振興」を実施 ■博多バスゲームやツイットハンティングの続編? 29 Twitter「@ele_arg」をチェックください!
ご静聴 ありがとうございました! 30