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August 22, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定における調剤基本料の見直しを、4つの柱で図解しました。調剤基本料1は45点から47点へ。一方、門前薬局等立地依存減算15点が新設されます。調剤基本料2・3の基準引き下げ、医療モールの合算、施設処方箋の扱いまで、経過措置を含めて整理しています。
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【令和8年度改定】調剤基本料の見直し|47点への引き上げと新設減算15点
https://www.daitoku0110.news/p/chozai-kihonryo-2026-revision
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
旧モデル:立地依存 Penalty ペナルティ 立地依存 ペナルティ 新モデル:機能シフト Reward 報酬 機能評価 報酬 構造的転換 【令和8年度改定】 調剤基本料の構造的転換 立地依存からの脱却と「機能評価」への完全シフト
「患者のための薬局ビジョン」から10年。立地依存の是正へ。 過去10年間、国は「門前」から「かかりつけ」への移行を推進してきましたが、 処方箋集中率が85%を超える薬局はむしろ増加傾向にあります。 医療モール内薬局や調剤基本料2算定薬局の損益率が依然として高い水準にある実態を受け、 厚生労働省は令和8年度改定で「立地に依存する構造からの脱却」を最重要課題と位置づけました。 高い損益率と処方箋集中率 (85%超の増加) 現状 理想
令和8年度改定:4つの構造的アプローチ 厚労省は、単なる点数の増減ではなく、算定構造そのものを再設計しました。 1 評価の引き上げ (Reward) 立地に依存しない面分業を担う 薬局の基本料(1および3のハ) をベースアップ。 2 対象範囲の拡大 (Strictness) 調剤基本料2・3のハードルを 下げ、より多くの「立地依存型」 を低い点数区分へ振り分け。 3 新設のペナルティ (Penalty) 都市部の密集地域や敷地内・ モール内に新規開設する薬局を 狙い撃ちする「減算15点」の 新設。 4 抜け道の封鎖 (Rule Closure) 医療モールの合算や、施設処方箋 の意図的な活用を防ぐ、集中 率・受付回数の計算ルールの厳 格化。
Pillar 1: 面分業を担う薬局の評価引き上げ 特定の医療機関に依存せず、広く地域から処方箋を受け付ける薬局が中心的な評価対象となります。 調剤基本料1 45点→47点 調剤基本料3のハ 35点→37点 特定の医療機関に依存しない、面分業の主役となる 薬局を明確に評価。現行から2点の引き上げ。 同一グループで月40万回を超える大手であっても、 集中率が85%以下(特定の医療機関に依存していな い店舗)であれば評価を引き上げるという、厚労省の 「規模より機能」を重視するスタンスが明確に。 [処方箋40万回超の大型グループ] AND [集中率85%以下]
Pillar 2: 調剤基本料2・3の対象範囲拡大 集中率と受付回数の基準が引き下げ・統合され、低い基本料が適用される薬局の網目 が大きく広がります。 現行(Before) 改定後(After) 【調剤基本料2】 [集中率85%超 AND 2,000回超] OR [集中率95%超 AND 1,800回超] [集中率85%超 AND 1,800回超]に一本化 (※1800回超~2000回以下で集中率85~95%の薬局が新たに該当) 【調剤基本料3のイ】 [3万5千~4万回 AND 集中率95%超] OR [4万~40万回 AND 集中率85%超] [3万5千~40万回 AND 集中率85%超]に統合 ※特別関係の要件も「不動産の賃貸借取引」から「不動産取引等その他の特別な関係」へ対象が拡大されます。
店舗数要件の撤廃と、小規模薬局への経過措置 グループ要件が「店舗数」から「処方箋受付回数」に完全一本化される一方、小規模薬局には保護措置が設けられます。 【店舗数要件の削除(基本料3のロ・ハ)】 300店舗以上 40万回超 「同一グループ300店舗以上」の要件が完全に削除。 令和6年度改定により300店舗以上グループの損益率が低 下したため、今後は純粋に「グループ合計受付回数(月 40万回)」のみで判定されます。 【小規模薬局の保護(経過措置)】 1,800回以下 集中率85%以下とみなす (Exempt from Fee 2) 令和8年5月31日時点で処方箋受付回数が月1,800回以下 であり、その後も継続する薬局は、当面の間「集中率85% 以下」とみなされます。(調剤基本料2の対象から除外)
Pillar 3: 門前薬局等立地依存減算(類型1:都市部の密集地域) 新たに設定された最も厳しいペナルティ。所定点数から一律【15点減算】されます。 所定点数から一律【15点減算】されます。 (※特別調剤基本料Aは除外) 以下の3要件をすべて満たす薬局が対象となります: 1. 指定都市部等に所在し、水平距離500m以内に 他の薬局がある 2. 処方箋集中率が85%を超える 3. 以下のいずれかの「密集条件」に該当する: ① 200床以上の病院から100m以内で、 その区域内に他の薬局が2つ以上ある ② 周囲50m以内に他の薬局が2つ以上ある ③ 周囲50m以内の別の薬局が、上記②の 条件を満たしている -15点 新規開設薬局 100m 500m 50m 50m 50m 200床以上
敷地内・モール内への減算と、新規開設への強力な抑止力 類型2のペナルティ要件と、既存薬局に対する重要な経過措置。 【類型2:医療機関と同一敷地・建物内】 処方箋集中率が85%を超え、かつ医療機関と 「同一の敷地内」または「同一の建物内」に 所在する薬局(敷地内薬局や医療モール内薬局) は、一律15点減算の対象となります。 -15点 敷地内・モール内薬局 【既存薬局に対する経過措置】 令和8年5月31日時点で既に保険薬局の指定 を受けている既存薬局は、当面の間、この減算 (類型1・2とも)の対象外として取り扱われます。 戦略的意義:この減算は既存店への罰則ではなく、 令和8年6月以降の「立地依存型モデルの新規出店」 を強力に抑制するストッパーとして機能します。 令和8年(2026年) 5月31日 適用外 (Exempt) 新規出店に対するストッパー (Penalty Applies)
Pillar 4: 計算ルールの厳格化(医療モールの合算) 集中率を意図的に分散させる「抜け道」が封鎖されます。 医療モール(同一建物/敷地内) + + = 1つの医療機関として合算 【複数医療機関の「1医療機関」みなし計算】 同一の建物内または敷地内に複数の医療機関が所在する場合、それらすべて の処方箋受付回数を合算し、「特定の1医療機関からの受付回数」として 集中率を計算します。 ・影響:医療機関が3つ以上ある医療モール等で、各クリニックの処方箋を 分散させることで集中率基準を下回っていた薬局が、合算により基準(85% 超や上位3機関で70%超など)に該当しやすくなります。 85%超
受付回数と集中率の「算入・除外」ルールの変更 在宅や施設への対応が、基本料の計算に直接的な影響を及ぼす構造に変化します。 処方箋受付回数(分母) 在宅・施設の 処方箋 在宅・施設の 処方箋 NOW INCLUDED 【処方箋受付回数への算入(分母の増加)】 これまで除外されていた在宅患者訪問薬剤管理指導 料等や居宅療養管理指導に係る処方箋が、受付回数 に算入されます。(除外は時間外等処方箋のみに) 注意:在宅対応が 多いと1,800回の壁 を越えやすくなる 集中率の除外対象 施設入居者の 処方箋 施設入居者の 処方箋 NOW EXCLUDED 【集中率計算からの除外(希釈化の防止)】 介護老人福祉施設など、施設入居者の処方箋が 集中率の計算から「除外」されることになります。 注意:遠方の施設 処方箋で意図的に 集中率を下げる手法 が通用しなくなる
まとめ:評価の軸は「立地」から「機能」への完全移行へ 今回の改定は、点数の微調整ではなく、薬局のビジネスモデルに対する国からの明確なメッセージです。 地域・対人機能 (Community/Patient Function) High 敷地内・密集門前 (減算15点/基本料2・3) 政策の圧力 (Policy Force) 面対応・かかりつけ (基本料1:47点へ) 立地依存度 (Location Dependence) Low High ・立地依存の終焉:医療モールや門前という「場所」に対する 評価は徹底的に削られ、新規参入には15点減算という極めて 強いストッパーがかけられました。 ・次なるアクション:自局の「集中率」と「受付回数」を、新し い厳格な計算ルール(モール合算・施設処方箋の除外等)に当 てはめて直ちに再計算し、令和8年6月以降の算定区分と経 営インパクトを早期に把握することが急務です。