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March 18, 15
スライド概要
Presented at 2013 Spring Meeting of Acoustical Society of Japan (domestic conference)
Daichi Kitamura, Hiroshi Saruwatari, Kiyohiro Shikano, Kazunobu Kondo, Yu Takahashi, "Evaluation of separation accuracy for various real instruments based on supervised NMF with basis deformation," Proceedings of 2013 Spring Meeting of Acoustical Society of Japan, 3-1-11, pp.1057-1060, Tokyo, March 2013.
http://d-kitamura.net/links_en.html
種々の実楽器信号に対する 基底変形型教師あり NMF の分離精度評価 Evaluation of Separation Accuracy for Various Real Instruments Based on Supervised NMF with Basis Deformation 奈良先端科学技術大学院大学 ☆北村大地, 猿渡洋, 鹿野清宏 ヤマハ株式会社 近藤多伸, 高橋祐
研究背景 • 複数の楽器が多重に混合された音楽信号の 中から,特定の楽器音を分離・抽出する技術 は,一般に多重音解析と呼ばれる • ユーザの好み応じて各楽器音を編集する新 しい音楽の楽しみ方や,音楽信号の自動採 譜等に応用できる重要な技術 2
研究背景 • 多重音解析に用いられる技術の一つとして, 非負値行列因子分解がある [D. D. Lee et al., 1999] • 効率的な反復アルゴリズムが提案され,画像 処理,音響信号処理等様々な分野に応用さ れる 3
… Frequency [Hz] Nonnegative Matrix Factorization (NMF) … Time [sec] 頻出スペクトル … … 各スペクトルの タイミングと音量 4
… Frequency [Hz] Nonnegative Matrix Factorization (NMF) … スペクトル基底行列 Time [sec] … … アクティベーション行列 5
罰則条件付き教師あり NMF [K. Yagi et al., 2010] • 分離する楽器の教師音を用いる手法 学習プロセス 目的の楽器の教師音を 用いて学習した基底 分離プロセス 教師基底 を固定して を構成 6
罰則条件付き教師あり NMF [K. Yagi et al., 2010] • 分離する楽器の教師音を用いる手法 学習プロセス 目的の楽器の教師音を 用いて学習した基底 分離プロセス 教師基底 を固定して を構成 から再構成した スペクトログラムが分離結果 7
罰則条件付き教師あり NMF [K. Yagi et al., 2010] • 教師基底 とその他の基底 関となる罰則条件を与える が互いに無相 に教師基底 と同じスペクトル パターンが現れた場合, から 得られる抽出音に欠損が生じる Ex. 8
実楽器音を対象とした NMF の信号分離 • 本研究では,実楽器の混合信号から目的の 楽器音を分離する • 従来手法では,混合信号中の目的楽器音と 教師音の音色に差があると分離精度が著しく 劣化する 実楽器の混合信号 教師音 分離音 信号分解 9
実楽器音を対象とした NMF の信号分離 • 本研究では,実楽器の混合信号から目的の 楽器音を分離する • 従来手法では,混合信号中の目的楽器音と 教師音の音色に差があると分離精度が著しく 劣化する 実楽器の混合信号 教師音 音色に差があると 分離精度が低下 分離音 信号分解 10
実楽器音を対象とした NMF の信号分離 • 同じ種類の楽器であっても,音色は楽器の個 体差や演奏者などに強く依存 • 事前に入手可能な教師音を変形し,分離対 象音に適応させる新たな分解手法が必要 事前入手可能な教師音 分離対象音 11
基底変形型教師あり NMF Amplitude • 事前学習した教師スペクトル基底 変形 目的音のスペクトル 教師音のスペクトル 変形 : 行列の要素毎の積 乗法的変形 の変形 ○ 変形項 × Frequency は非負値行列で表現できる の成分を変形できない △ 変形項 加法的変形 は正負の要素値を持つ の成分においても新たな ○ 倍音成分を生成できる 12
基底変形型教師あり NMF Amplitude • 事前学習した教師スペクトル基底 変形 目的音のスペクトル 教師音のスペクトル 変形 : 行列の要素毎の積 乗法的変形 の変形 ○ 変形項 × Frequency は非負値行列で表現できる の成分を変形できない △ 変形項 加法的変形 は正負の要素値を持つ の成分においても新たな ○ 倍音成分を生成できる 13
基底変形型教師あり NMF • 次のような分解を提案する Amplitude • 教師基底 と変形項 は共通のアクティ ベーション を持つ • 教師基底 を変形して目的音に合わせる 目的音のスペクトル 教師音のスペクトル 減算 加算 を 分離結果とする Frequency 14
基底変形型教師あり NMF • 基底 は加算と減算に対応した変形項 • は以下の制約下で正負値を持つ • は教師基底 に対する減算の許容範囲 の場合 減算 30%まで 減算可能 15
基底変形型教師あり NMF • 基底 は,教師基底 と同じアクティベー ション を持つため,分離目的音と同じタイミ ングで生じる別の楽器のスペクトルが現れる 恐れがある 目的音 非目的音 と と が 全て無相関 16
基底変形型教師あり NMF • 基底 は,教師基底 と同じアクティベー ション を持つため,分離目的音と同じタイミ ングで生じる別の楽器のスペクトルが現れる 恐れがある 目的音 非目的音 同じタイミングで生じる別の楽器 が,基底 に現れる恐れがある と と が 全て無相関 17
基底変形型教師あり NMF 目的関数 • 目的関数 18
基底変形型教師あり NMF 更新式導出 • 通常の NMF の更新式導出と同様に補助関 数法を用いる • 目的関数 の上限を与える補助関数 を以 下のように定義 • は一般化KLダイバージェンス中の対数 項の上限, は罰則項の上限, は定数 19
基底変形型教師あり NMF 更新式導出 • 補助関数 を最小化することで,間接的に 目的関数 を最小化 • 基底 の更新式を導出するために を で偏微分し とおくと以下の式を得る 20
基底変形型教師あり NMF 更新式導出 • 補助関数 を最小化することで,間接的に 目的関数 を最小化 • 基底 の更新式を導出するために を で偏微分し とおくと以下の式を得る 正負の値を持つ 21
基底変形型教師あり NMF 更新式 基底行列 更新式 (一般化 KL divergence 規準) 22
基底変形型教師あり NMF 更新式 基底行列 更新式 (一般化 KL divergence 規準) 23
基底変形型教師あり NMF 更新式 アクティベーション行列 更新式 (一般化 KL divergence 規準) 24
基底変形型教師あり NMF 実験条件 教師基底数 実録の Fl., Cl., Tb., 及び Pf. の内 2 楽器を等パワーで混合した信号 抽出対象楽器の MIDI 音 (MS GS Wavetable SW Synth) 入力信号の音域をカバーする範囲において 半音階で2オクターブ上昇する信号 窓関数: 矩形 → ハニング 窓長: 92.9 msec, シフト長: 46.4 msec 100 その他基底数 50 入力信号 教師信号 STFT 変形許容範囲 0.3 更新回数 学習プロセス:500, 分離プロセス:400 各行列の初期値 乱数 各罰則項の重み 実験的に調整した値 分離精度評価値 SDR, SIR, SAR (10回試行の最大値) SDR :分離した目的音の品質 SIR :分離した目的音と非目的音との分離度合 SAR :一連の信号処理によって生じた歪みの少なさ 高いほうが 良い分離 25
基底変形型教師あり NMF 実験結果 各評価値の 平均値 Other sound Clarinet Trombone Flute Trombone Piano Clarinet 9 8 Proposed method SDR SIR SAR 8.4 14.8 9.6 11.0 24.4 11.2 0.7 2.6 7.2 9.6 23.9 9.8 7.0 14.9 7.9 4.7 19.3 4.9 24 10 22 9 20 7 8 18 7 16 SIR [dB] 6 SDR [dB] Conventional method SDR SIR SAR 2.4 8.4 4.3 3.1 15.8 3.5 0.1 1.8 7.3 3.2 14.6 3.7 5.8 12.8 7.0 2.1 12.4 2.8 SAR [dB] Target sound Piano Piano Clarinet Clarinet Flute Trombone 14 5 12 4 10 3 8 1 2 0 0 Conventional Proposed method method 4 2 4 1 5 3 6 2 6 0 Conventional Proposed method method Conventional Proposed method method 26
4 4 3 3 Frequency [kHz] Frequency [kHz] スペクトログラムでの比較 2 1 0 0 1 2 Time [s] 3 2 1 0 4 0 1 4 4 3 3 2 1 0 0 1 2 Time [s] 3 3 4 (b) Pf. のみの信号 Frequency [kHz] Frequency [kHz] (a) 混合信号 (Pf. & Tb.) 2 Time [s] 4 (c) 従来手法による Pf. 分離信号 2 1 0 0 1 2 Time [s] 3 4 (d) 提案手法による Pf. 分離信号
4 4 3 3 Frequency [kHz] Frequency [kHz] スペクトログラムでの比較 2 1 0 0 1 2 Time [s] 3 2 1 0 4 0 1 4 4 3 3 2 1 0 0 1 2 Time [s] 3 3 4 (b) Pf. のみの信号 Frequency [kHz] Frequency [kHz] (a) 混合信号 (Pf. & Tb.) 2 Time [s] 4 (c) 従来手法による Pf. 分離信号 2 1 0 0 1 2 Time [s] 3 4 (d) 提案手法による Pf. 分離信号
まとめと今後 • 教師音を用いた実楽器音の音源分離手法と して,基底変形型教師あり NMF を提案 • 提案法は従来法より優れた分離を実現し,よ り実音に近い自然な分離音が得られる • 加算変形に対する許容範囲の付与 • 罰則項の重みパラメータの最適値推定方法 の検討 • マルチチャネル信号分解への応用 29