C#の高速化入門

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October 09, 24

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各ページのテキスト
1.

C#の高速化入門 Write by 森理 麟 非同期勉強会

2.

Myself 森理 麟(@moririring) 職業:ゲームプログラマ HP : moririringのHP ツール : VagrantWin ←NEW! Microsoft MVP for Visual C#(2013.01 –) 2

3.

My Community VSハッカソン倶楽部 + Visual Studio勉強会 C++テンプレート完全ガイド読 書会 Unityクリエイターズ IT英語勉強会 ぼちぼちぼっち開発 3

4.

アジェンタ はじめに キーワード説明 プロセス スレッド 同期/非同期 コア 高速化 ターンアラウンドタイム スループット レスポンスタイム おわりに 4

5.

first はじめに 5

6.

僕がC#を始めたのは非同期プ ログラムを組みたかったから です。 はじめに 6

7.

もっとも当時の僕は非同期と いう言葉は知りませんでした。 はじめに 7

8.

動き出してからも止めたい。 そのためにはスレッドを使え ば良いのかな?でした。 はじめに 8

9.

ただあまり詳しくない僕はマ ルチスレッドは高速化するた めの手法だと思っていました。 はじめに 9

10.

非同期?高速化?マルチス レッド?はじめにこの当たり のキーワードを説明します。  はじめにの方が長い? はじめに 10

11.

Process プロセス 11

12.

プロセスとは実行しているプ ログラムの単位 プロセス 12

13.

実行中のプロセスはタスクマ ネージャで確認出来る プロセス 13

14.

プロセスは実行に必要なもの をまとめて格納するコンテナ プロセス 14

15.

プロセスはタスクとかジョブ とも言う。タスクマネージャ というぐらいなので。 プロセス 15

16.

C#プログラマとしては他の 実行ファイルを起動する時に Processを使う。超使う。 プロセス Process.Start("notepad.exe"); 16

17.

Thread スレッド 17

18.

スレッドとはプロセスの最小 の実行単位(因みにThreadは 糸のこと) スレッド 18

19.

1つのプロセスが複数のス レッドを持つことが出来る。 これをマルチスレッドという。 スレッド  引用:++C++; // 未確認飛行 C マルチスレッド (http://ufcpp.net/study/csharp/sp_thread.html) 19

20.

マルチスレッドは同時に処理 を実行出来る スレッド  引用:連載.NETマルチスレッド・プログラミング入門 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0503/12/news025.html) 20

21.

スレッドが集まってプロセス を構成する。プロセスもス レッドの一種。原子と分子、フォルダとファ イルのようなニュアンス。 スレッド 21

22.

マルチプロセスも同じように 同時に実行できる スレッド  引用:組み込み分野における「マルチプロセッサ」とは ―― 多 機能・低消費電力の要求にこたえるための技術的要素と課題 (http://www.kumikomi.net/archives/2005/09/15multic.php?page=13) 22

23.

違いはメモリ。プロセス間で はメモリは共有されない。ス レッド間では共有される。 スレッド  引用:連載.NETマルチスレッド・プログラミング入門 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0503/12/news025.html) 23

24.

まとめ プロセスはプログラムの実行 単位 スレッドはプロセス内に作ら れる処理の単位 1つのプロセスは1以上のス レッドを持つ スレッドもプロセスも複数持 てて、同時に実行できる 24

25.

synchronous/ asynchronous 同期/非同期 25

26.

プログラムの処理には同期と 非同期がある 非同期 26

27.

処理をして結果が返ってくる まで待つのは同期。リレーは 同期。 非同期 27

28.

処理を待たずに次の処理を実 行するのが非同期。玉入れは 非同期。 非同期 28

29.

スレッドと同期、非同期は直 接は関係ない 非同期 29

30.

しかしマルチスレッドは、ス レッド間が常に非同期。 非同期  引用:++C++; // 未確認飛行 C マルチスレッド (http://ufcpp.net/study/csharp/sp_thread.html) 30

31.

つまりマルチスレッドは非同 期プログラムと親和性が高い 非同期 31

32.

Core コア 32

33.

コアとはCPUの中心部分であ り、実際に処理を行うところ コア 33

34.

スレッドやプロセスはコアを 複数使用できる。マルチコア コア  マルチスレッドとマルチタスクの違い (http://www.ni.com/white-paper/6424/ja/ ) 34

35.

但しコアが一つでも、マルチ スレッドは可能。どうやる か? コア  マルチスレッドとマルチタスクの違い (http://www.ni.com/white-paper/6424/ja/ ) 35

36.

こう コア 36

37.

マルチスレッドにしても処理 が速くなるとは限らない。む しろ遅くなることもある。 コア 37

38.

シングルコアマルチスレッドは 並行処理、マルチコアマルチス レッドは並列処理。 コア  並行と並列について-並行コンピューティング技法-を読んで (http://www.m-tea.info/2011/03/concurrent-parallel-01.html) 38

39.

まとめ プロセス、スレッド 同期、非同期 コア 並列、並行 ↓ マルチスレッドによる非同期 マルチコアによる並列処理 39

40.

高速化

41.

僕は高速化って「地球にやさ しい」ぐらい矛盾した言葉だ と思っています。 高速化 41

42.

高速化 だってCPUは本来超高速です。 3GHzのCPUなら1秒間に30億回動 きます。 そこにプログラマがプログラム で負荷をかけまくって、1万回の ループで10万回の計算をさせた りして遅くします。 そうやって自分で遅くさせた CPUを、自分で遅くなくするの が高速化です。 42

43.

turnaround time ターンアラウンドタイム 43

44.

ターンアラウンドタイムとは 処理にかかる総時間のこと ターンアラウ ンドタイム 44

45.

最初の高速化はターンアラン ドタイムの短縮 ターンアラウ ンドタイム 45

46.

この高速化で最も重要なのが 計測 ターンアラウ ンドタイム 46

47.

人間の感覚で速い遅いを判断 しては駄目 ターンアラウ ンドタイム 47

48.

ストップウォッチを使って ちゃんと計測しよう ターンアラウ ンドタイム 48

49.

C#でもストップウォッチ ターンアラウ ンドタイム  var sw = Stopwatch.StartNew();  ShallowWork();  Console.WriteLine(sw.Elapsed);  sw.Reset();  sw.Start();  DeepWork();  Console.WriteLine(sw.Elapsed);  sw.Stop();  //00:00:00.0026507  //00:00:05.0886134  但し計測だけならストップウォッチよりプロファイラーの方が便利。(指摘によ り加筆。Thanks to kkamegawa) 49

50.

大体はパレートの法則(90:10の 法則)が成り立つ ターンアラウ ンドタイム  ヴィルフレド・パレート 50

51.

ターンアラウ ンドタイム 10%を絞り込めたら、そこの部分 を高速化 IOアクセスの回数を減らしたり、 アルゴリズムを見直したり、事 前に計算してメモリに乗せたり。 C#なら16byte以下のclassをstruct にしたり、キャストが重いので asを使ったり(次ページに削除 理由) 、文字列の連携には StringBuilderを使ったり 51

52.

前ページの取 り消し理由 「キャストが重いのでasを使 う」と書いた所、適当ではない との指摘を受ける。(Thanks to isishizuka!) 例外が発生するケースではキャ ストよりasを使った方が高速化 だけど、10%に絞り込んだ時に キャストをasに直すというのは 適当ではないため(100%確実に 型変換ができる場合はキャスト の方が高速)取り消しました。 52

53.

ターンアラウ ンドタイム 奇抜なテクニックで速くなる ことはあまりないかも 地味で手間はかかるが、トラ イアンドエラーを繰り返す 学問には王道しかない ↑引用:森博嗣著「喜嶋先生の静かな世界」 53

54.

ターンアラウ ンドタイム 同じ場所が再度遅くなること もよくある 計測結果は実際に動いている 環境に表示したり、ログを残 したり見える化すると良い 54

55.

throughput スループット 55

56.

スループットとは時間当たり で処理出来る量のこと。 スループット 56

57.

次の高速化はスループッドの 増加 スループット 57

58.

スループットを増やすにはコ アを増やすこと。 スループット 58

59.

8分かかったものを4人で処理 すれば2分になる。仕事量が8 分であることには変わりない。 スループット 59

60.

シングルコアでの並行処理で は速くならない。マルチコア での並列処理をする スループット 60

61.

マルチコアプログラムを初め て組んだ時僕はとても驚きま した。 スループット 61

62.

地味で手間のかかる高速化を していないのに、びっくりす るぐらい速くなった スループット 62

63.
[beta]
DEMO1

スループット

//通常for
for (int i = 0; i < 100; i++)
{
DeepWork();
}
//並列実行Paraller.For
Parallel.For(0, 100, i =>
{
DeepWork();
});

63

64.

ただ、マルチコアプログラム は実際難しい点も多い。 スループット indexは順番不定 UIスレッド 排他制御 64

65.

スループット 注意点はしっかり押さえよう! C# によるプログラミング入門 並列処理ライブラリ <- 岩永さ んとか この後のbiacさんのセッションで も…! MSDN - データとタスクの並列化 における注意点 並列コンピューティングとは何 か 65

66.

ポイント ターンアラウンドタイムを減 らし、スループッドを増やせ ば速くなる しかし、速くなってもユー ザーは最終結果がファースト コンタクト 分かりやすく言うと1分を15秒 にしても皆(隣も!) 遅いと言う 66

67.

Response time レスポンスタイム 67

68.

レスポンスタイムとはアク ションに対してリアクション が返ってくるまでの時間。 レスポンスタ イム 68

69.

最後の高速化が、レスポンス タイム、反応の速さの高速化。 レスポンスタ イム 69

70.

レスポンスタイムを向上する にはマルチスレッドによる非 同期プログラミング レスポンスタ イム 70

71.

非同期にするとフリーズし なくなる。DEMO2 レスポンスタ イム Task.Run(() => { for (int i = 0; i < 100; i++) { DeepWork(); } }); 71

72.

しかし待つことは変わらない ケースが殆ど。 レスポンスタ イム 72

73.

そこで、待つのが気にならな いコントロールでのUI/UX表現 が必須。 レスポンスタ イム 73

74.

レスポンスタ イム コントロールの中で数少ない ボタンが持っているUI/UXの特 性があると思っています。 コンボボックスが次点? 74

75.

アクションに対しての反応が 自分自身でない(ことが多い)の で即時でなくても待ちやすい。 レスポンスタ イム 75

76.

レスポンスタ イム 他のコントロールはリアク ションが自分自身のため即座 でないと使いにくさを感じる。 DEMO3 76

77.

レスポンスタ イム ボタン自体もリアクションと してEnabledをoffにすると分か りやすいし、誤動作防止。 DEMO4 77

78.

レスポンスタ イム ボタン表示オフだけより何を しているのかを文字で書くだ けでも印象が違う。 DEMO5 78

79.

特に重要なのが動き。動いてい るコントロールがあれば待ちや すい。 レスポンスタ イム  Low Wai Yin's Portfolio:http://lwaiyin.wordpress.com/2011/02/25/2d-runanimation/ 79

80.

コマンドラインでもキュレッ トが点滅しているので待てる レスポンスタ イム 80

81.

ここで大問題。マルチスレッ ドにするとコントロールへの 書き込みが出来ない。 レスポンスタ イム 81

82.

レスポンスタ イム 対応するにはWPFなら DispacherやWinFormなら Invoke。もしくは TaskSchedulerを使う DEMO6,7 82

83.

var uiTask = TaskScheduler.FromCurrentSynchronizationContext(); await Task.Run(() => { for (int i = 0; i < 100; i++) { レスポンスタ イム DeepWork(); new Task(() => progressBar1.Value = i).Start(uiTask); } }); 83

84.

レスポンスタ イム さらにプログレスバーにキャ ンセル処理。やっと最初の下 りの実現。 DEMO8 84

85.
[beta]
var uiTask = TaskScheduler.FromCurrentSynchronizationContext();

await Task.Run(() =>
{
for (int i = 0; i < 100; i++)
{
DeepWork();

レスポンスタ
イム

if (_cancelToken.IsCancellationRequested) break;
new Task(() => progressBar.Value = i).Start(uiTask);
}
});
private CancellationTokenSource _cancelToken = new
CancellationTokenSource();
private void cancelButton_Click(object sender, EventArgs e)
{
_cancelToken.Cancel();

}
85

86.

ターンアラウンドタイムを減ら す。泥臭いけど王道。 まとめ スループットを増やす。マルチ コアによる並列プログラム。 レスポンスタイムを速く。マル チスレッドによる非同期プログ ラム。 レスポンスタイムを速くして、 待つのが気にならないUIを作る 86

87.

end おわりに 87

88.

最後に高速化を比喩で。 高速化はダイエットに似てい ます。 おわりに 88

89.

太ります! DEBU! 89

90.

測ります!! CHECK!! 90

91.

痩せます!!! YASE!!! 91

92.

リバンウンドします!!!! REBOUND!!!! 92

93.

ごまかします!!!!! BEAUTIFUL!!!!! 93

94.

 連載.NETマルチスレッド・プログラミング入門  マルチスレッドとマルチタスクの違い  ++C++;// 未確認飛行 C マルチスレッド  意味の違いがわかる? タスクとプロセスとスレッド  避けて通れない「非同期処理」を克服しよう  ++C++;// 未確認飛行 C 並列処理ライブラリ  C# 5.0&VB 11.0新機能「async/await非同期メソッド」入門  並行と並列について-並行コンピューティング技法-を読んで 参考(一部)  並列プログラミング入門!&おさらい!  Taskを使って非同期処理  C#5.0のasync/awaitによる非同期処理の使い方  非同期処理でUIスレッドを操作する方法  とあるコンサルタントのつぶやき マルチスレッド Windows フォームアプリケーションの開発  DOBON.NETより高い精度で時間を計測する  VC++まわりの非同期処理  増補改訂版Java言語で学ぶデザインパターン入門マルチスレッド編  @IT, Wikipedia, IT用語辞典, StackOverFlow, 94

95.

発表するとめちゃめちゃ勉強 になりますよ。皆さんもぜひ 次回しゃべってください! おわりに 95

96.

ご清聴ありがとうございまし た おわりに 96

97.

https://github.com/moririring/Sp eedupDemo 今日のソース 97