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December 05, 24
スライド概要
2024-12-05 テック忘年会 での発表資料です
失敗の科学に学ぶ 開発組織の心理的安全性 ストックマーク株式会社 エンジニア・技術広報 安藤真衣子(@ampersand_xyz)
自己紹介 安藤 真衣子 スト ックマ ーク株式会 社 W eb エ ンジ ニ ア ・技 術広報 Maiko Ando フロントエンド開発が好きなエンジニアです。 マイクロインタラクション を作ってるときが最 高に気持ちが いい Figmaも好き。 最近は 業務でも触る機 会ができて嬉 しい。 技術広 報をやり始めてちょうど1年 X(twitter): @ ampersand_xyz 2
会社概要 会社名 ストックマーク株式会社 Stockmark Inc. 所在地 〒107-0062 東京都港区南青山1丁目12-3 LIFORK MINAMI AOYAMA S209 設立 2016年 11月 創業者 CTO 有馬 幸介 CEO 林 達 事業内容 自然言語処理AIを活用した企業向け 情報収集・資料作成支援サービスの提供 従業員数 119名(2024年12月時点) 3
プロダクト 必要な情報がワンストップで見つかる情報収集 SaaS データ構造化プラットフォーム PaaS AIを活用した情報収集と 組織内共有を実現 膨大な時間がかかる 市場調査を AIが瞬時に実現 あらゆる情報を RAG-Readyに 精度を飛躍的に向上させる 4
失敗の科学 とは 5
失敗の科学とは マシュー・サイド氏による著書 ⚫ なぜ医療ミスが多発しても隠蔽され改善されないのか? ⚫ なぜ燃料切れで墜落したパイロットは警告を無視したの か? 航空業界をモデルケースに「失敗」がもたらす学びや向き 合い方、緊張状態の人間の心理は一体どうなっているのか などが綴られています Kindle Unlimitedで読めます!! (実はまだ20%までしか読めてません…) 画 像 引 用: h on to 書 籍 紹 介ペ ージよ り h ttp s :/ / h on to . jp / e bo o k /p d - s e r ie s _B - 2 06 3 9 - B T0 0 00 4 18 6 1 4. ht m l 6
開発における失敗 とは 7
開発における失敗 とは システムの利用者になんらかの 不利益を被る状態を発生させること (Ex. システムダウンの発生により、業務の進行に支障が生じた / 情報が漏洩した / 正常な結果が表示されなくなった etc…) 8
失敗の防止のアプローチ 単体テストコードはあるし、複数人でレビューもする体制だし、 ちゃんと本番環境リリース前に動作テストもしているし、 そんな失敗なんて起きるわけ無いよハハハ。 肉でも食べて落ち着いてよ。 架空のエンジニア 9
失敗の防止のアプローチ 単体テストコードはあるし、複数人でレビューもする体制だし、 ちゃんと本番環境リリース前に動作テストもしているし、 そんな失敗なんて起きるわけ無いよハハハ。 どれだけ万全の体制を敷いても 肉でも食べて落ち着いてよ。 失敗はいつか起こる 架空のエンジニア 10
- そもそも誰も失敗しようとして失敗をしているわけ ではない 今やるべきではな い作業に傾倒して いる…でも上司さ んの判断だから それで間違ってい ないのかも… - 誰もが正しい行動をしようとしているが、結果とし て失敗が起こることがある - 緊張・過集中状態だと自分では「気付けなくなって しまう」事が起こる(失敗の深刻化) - 自分たちにとって完全に未知の問題が突然発生 することもある おかしい、これであってるは 架空の若手部下 ずなのに! 架空のベテラン上司 11
- そもそも誰も失敗しようとして失敗をしているわけ ではない - 誰もが正しい行動をしようとしているが、結果とし て失敗が起こることがある 今やるべきではな い作業に傾倒して いる…でも上司さ んの判断だから それで間違ってい ないのかも… 大事なことは - 緊張・過集中状態だと自分では「気付けなくなって しまう」事が起こる(失敗の深刻化) 失敗が発生したあとのこと - 自分たちにとって完全に未知の問題が突然発生 することもある おかしい、これであってるは 架空の若手部下 ずなのに! 架空のベテラン上司 12
失敗の共有・対策 13
失敗の共有・対策 ポストモーテム共有会の実施 ポストモーテム (postmortem、事後検証) は、主に SRE (サイト信頼性エンジニアリング) において使用されるビジネス用語で、サービス運用時のシステム障害や データの損失など、インシデントについてまとめた文書のことをいいます。発生したインシデントについて、そのインパクトや問題解決のために行われたアクション、 ユーザーへの影響、根本原因、再発防止策などを記録したドキュメント 文章引用:https://asana.com/ja/resources/project-post-mortem-tips 14
の、前に必要なこと 15
組織の心理的安全性の確保 16
心理的安全性とは 「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心 して発言できる状態のことです。 組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが 自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。メンバー同士の関係 性で「このチーム内では、メンバーの発言や指摘によって人間関係の悪化を招くことがないという安心 感が共有されている」ことが重要なポイントです。 文章引用: https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000230/ 17
人間は問題が発生した際、発生させた自分が責められ るかもしれない、権威が傷つくかもしれないという恐れ を抱いたとき問題を隠蔽しよう としたり、間違っていな かったと信じようとしてしまう 問題が起こったとき向き合うべきなのは 人間ではなく事象であるという組織の文化の 地盤があることや、心理的安全性が重要 18
心理的安全性が確保さ れてはじめて有効なポス トモーテム共有会を行う ことが出来る 左図は実際にストックマークで使用されている ポストモーテムのテンプレート 原因・真因・対応内容・影響(プロダクト、ユー ザへの影響インパクト、収益への影響)、対応 者、対応のタイムライン、教訓、暫定対応案、 恒久対応案、モニタリング・アラート関連の対 応案、決定事項、用語集について記入 19
積み上げられたナレッジ は問題対応の汗と涙で 描かれた失敗への向き 合い方の地図 20
まとめ - 失敗は起こる。起こった後に同じ失敗を繰り返さないための共有・対策が肝要 - ポストモーテムで見やすいフォーマットでレポートを作ることで、共有しやすい形で ナレッジを積み上げていくことが出来る - 共有・対策を行うためには組織の心理的安全が確保されている事が重要 - 「失敗の科学」に全部さらに詳しく書いてあるので読んでください 21