Unity x 自動運転シミュレーション、自動運転におけるGame Engineの役割

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October 09, 20

スライド概要

2020/10/9 「Unity道場ロボティクススペシャル」
講演者:片岡大哉(ティアフォー)

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TIER IV(ティアフォー)は、「自動運転の民主化」をビジョンとし、Autowareを活用したソフトウェアプラットフォームと統合開発環境を提供しています。 #Autoware #opensource #AutonomousDriving #deeptech

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各ページのテキスト
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Unity x 自動運転シミュレーション、 自動運転におけるGame Engineの役割 1

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自己紹介 ● 2010 ○ ● 2014 ○ ● 大学時代に がやりたくて でゲームプログラミングを始める を購入して 2016-2018 ○ ○ ● プログラミングをやろうとして「猫でもわかる 言語プログ ラミング」を購入、何もわからなくて挫折 研究室でロボットを始める ■ 柔らかいロボット機構の制御を研究 ■ ロボカップでロボットサッカーにハマる 海洋ロボットの開発に着手 ■ 今も趣味で自律航行システムを開発中 2018○ 株式会社ティアフォー入社 ■ 現在は チーム所属 ■ の や 周りを担当

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株式会社ティアフォー 会社名 :株式会社ティアフォー (Tier IV, Inc.) 設立 :2015年12月 累計調達額:175億円 開発拠点 :東京オフィス(東京都品川区北品川) 名古屋大学 役職員数 :グループ全体 220名以上 ※パートタイマー含む (内 ティアフォー単体 約 160名以上) 事業概要 :自動運転システムの開発及びプラットフォーム事業 『 Tier IV 』に込めた思い... 自動車業界はその登場以来 (自動車メーカー)を頂点とし、ティア 、ティア と呼ばれる下請け、孫請けの部品メーカーがそれを支える業界構造で発展し てきました。 自動運転の時代には、自動運転を「民主化」し、誰もがその発展に貢献しながら メリットを享受してほしい その思いが ( )に込められています。 加藤真平 SHINPEI KATO FOUNDER | CTO THE AUTOWARE FOUNDATION | FOUNDER & CHAIRMAN 東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授、名古 屋大学未来社会創造機構客員准教授、株式会社ティ アフォー 創業者兼 、 代 表理事。博士 工学 。 年慶応義塾大学理工学部情報工学科卒業、 年同大学院理工学研究科 開放環境科学専攻 後 期博士課程修了。カーネギーメロン大学、カリフォルニ ア大学の研究員、名古屋大学大学院 情報科学研究科 准教授を経て、現職。 専門はオぺレーティングシステム、組込みリアルタイム システム、並列分散システム。

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Autoware オープンソースな自動運転システム 自己位置推定、認識、計画、制御、ハードウェアドライバー まですべてのソフトウェアスタックを 上で公開 AWFによる世界連合 一社で開発、運用しているわけではなくAWF加盟企 業による世界連合によってエコシステムを形成 開発、運用を支えるプラットフォーム クラウドや を活用したプラットフォームであるWeb.Auto による強力なサポート Point OSSであるAutowareを使えば誰でも自動運転サービスに参 入できるようになり自動運転の民主化が実現 4

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開発における の役割 デグレの防止 自動運転システムは非常に複雑でありデグレが起きやす い。 で多数のテストケースを事前に確認してから 公道に行かないと事故の原因に Simulations 実車試験をするコストの低減 実車試験ですべてのテストケースを実施するには大きなコ ストがかかりくまなくテストすることは非現実的 事故リスクの最小化 自動運転システムが事故を起こしてしまった場合公道であ れば人命に関わることも起こりうるリスクが存在 Point Point 仮想環境で事前テストを実施することで公道実験に伴う リスク とコストを最小化することが可能 Simulation環境を と呼ばれるAutowareを支える クラウドシステムとに組み込むことで開発効率をさらに高める 5

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の実施方法 ODD (Operational Design Domain) 類型別ユースケース検証 所謂、リグレッションテスト 自車両以外の障害物や信号などの動きを定義し、事前に 定義されたシナリオを走りきれるかテストする 変数が多くテストケースが膨大になる ランダム検証 ある簡単なルールを条件に自車両以外を発生させて、事 故を発生させることなく長時間走れるかの検証 新たなユースケースの発見などに利用 引用 6

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E2E Simulator の種類 TierIVではこの部分に Unityベースの LGSVL Simulatorを採用 センサーデータ・車両の挙動など走行環境全体をシミュ レーションして検証する などリッチな環境が必要な代わりに様々なことを検証 可能 事前に自動運転車の走行ログと物体や自己位置などの を用意しておき、システムに変更が行われた 際にセンサーデータを流し込み期待通りの動きをするかを 検証 Planning Simulator 物体検出は期待通りできることを前提に、 部分の アルゴリズムを中心に検証する よりもコスト低く・高速な検証が可能 7

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◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ △ ◯ ◯ △ ◯ ・ (疑似点群生成機能の利用) ・ ・ ※ 疑似点群生成:物体の を模擬 ・ステアリング、加減速の遅延、振動を模擬

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の要件 Game Engineの要件 多数のNPCを出せること 多数のキャラクターを表示できること 自動運転の試験をするには街の交通流をシミュ レーションする必要があり、多数の を出せ る必要がある 最近の ゲームには何十体もキャラク ターが同時に画面に出てくるものも珍しくない センサをリアルに模擬できること リアルな絵を描画できること 認識系アルゴリズムのテストには実際のセンサ (カメラや )に近い出力が得られる必要が ある 近年のゲームは実写のようなクオリティでリアル タイムレンダリングするものもある 処理が高速であること 処理が高速に行えること の実行基盤であるクラウドは時間課 金のものが多いので処理が高速であればある ほど実行コストが少なくなる モバイル端末からゲーム機まで幅広い環境で動 作する必要がありあまり計算資源のない環境で も固まらずに動く必要がある Point ▶ 自動運転シミュレーターとGame Engineに必要とされる要件はかなり近い ▶ 自動運転シミュレーター開発にGame Engineを使えばシミュレーター開発の工期を短縮しつつ高機能なシミュレーターを開発可能

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インテグレーション といったロボット用ミドルウェアに対 応しており を含む様々な自動運転ス タックをテスト可能 オープンソース 実装は 上で公開されている によるフォトリアリズム の上に を構築することで を用いて高度なフォトリアリズム を実現

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で使われている の機能 HDRP Pipeline と描画の処理負荷軽減に大きく貢献 GPU Rendering の での に をリアルタイムに を採用、 ラインま できるようになった Asset Bundle 車両のモデルやセンサーのプラグインをアセットという形で 共有することが可能

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今後の展望 まとめ ● ● 自動運転 には様々な種類が存在し、 は と要件が近い ため ベースで開発すると短期間で良 いシミュレータを作ることができる ○ では現在 ベースの を に使用 一般的なゲーム開発でよく用いられている機能も 自動運転シミュレータで活用されている ○ ○ ○ Sensor Realism 雨や雪、霧によるLidarへのノイズを考慮する等より リアルなセンサモデルの実装 NPC Behavior 左から突然割り込んでくるバイク、歩道から飛び出 す子供といった公道で自動運転車が直面するエッ ジケースを実現するNPC挙動の実装

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Perception Planning Scenario Dynamic Object Detection Tracking Scenario Selector Prediction Control Mission Lane Driving Traffic Light Detection Parking Etc. Classifier Localization Sensing Sensors Map Data Vehicle Interface Vehicle 15

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ティアフォーとは? Who is Tier IV? ティアフォーは自動運転ディープテックである。 ディープテックとは「社会にインパクトを与える技術」 であり、具体的には以下の4つの要素の掛け合わせ を意味する。 1. 最先端の科学技術、または研究開発を基 礎とした技術がある。 2. 実現までに高いスキルと非常に多額の投 資額と長い時間がかかる。 3. 多くの場合、具体的な製品・サービスが見 えていない。 4. 成功した場合のインパクトが非常に大き く、破壊的ソリューションとなり得る可能性 を秘めている。 自動運転の価値を生み出し、最先端技術の研究開 発を進め、勝ち続けるオープンエコシステムを構築す る。 The DeepTech Disrupt Values. Create Values. Mission 存在意義 創造と破壊:だれもやったことのないやりかたで、だ れもやったことのないことをやる。既存の価値を壊 すのは繊細に。新しい価値を創るのは大胆に。 Intelligent Vehicles For Everyone. Vision 目指す姿 自動運転の民主化:自動運転に資するあらゆるテク ノロジーを開放し、様々な組織、個人がその発展に 貢献できる持続的なエコシステムを構築する。

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ティアフォーの魅力 Differentiators 自動運転は戦国時代へ。Waymoを筆頭にAptiv、 Aurora、Cruise、Zoox、Argo AIなど、世界にはティ アフォーより規模の大きいプレーヤーが山ほどい る。 Autoware Ecosystem Autoware as a Platform Core Competency どうやって勝つのか? ティアフォーの魅力は、世界連合を形成できるその 立ち位置にある。Autowareの可能性に賭けてくれ ている仲間とともに自動運転プラットフォームの Referenceになれるかどうか。世界に潜在する顧客 の心をつかむReferenceに。 オープンソースでポピュラリティを維持し、リスクマ ネジメントのノウハウとオールラウンドな技術力によ るAutowareのオープンエコシステムを提供する。 ティアフォーが有する競争戦略上の優位性は Autowareにほかならない。Autowareほど様々なECU やセンサー、車両に対応している自動運転ソフトウェ アは存在しない。ここからインテグレーションやリスク マネジメント、サービスプラットフォームなど多彩なプロ ダクトを展開していく。 Autoware as a Foundation Value Proposition ティアフォーが有する顧客戦略上の価値は無数の パートナーとのアライアンスによる多彩なプロダクトを 提供できることである。市街地でも公園内でも工場内 でも、Autowareというプラットフォーム上で世界中の 製品サービスを活用できる。これはWaymoなどには ないティアフォーの魅力である。