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March 19, 26
スライド概要
生成AIを活用し、知りたい技術情報を「ブログ風コンテンツ」として簡単に自動生成できる仕組みを構築することで、若手エンジニアにおける情報収集の効率化と組織的なナレッジ共有を実現できないか、という思いから検証を行いました。生成AIをシステムに組み込む際のノウハウ蓄積と同時に、若手エンジニアの育成環境整備を狙った取り組みです。
エヌアイデイの若手メンバーが参加し、基礎技術の習得と実践的な経験を目的とした社内の技術検証取り組みの資料です。
株式会社エヌアイデイの公式アカウントです。ソフトウェア開発、システム構築、システム運用まで幅広いICTサービスを提供する、1967年創業の独立系IT企業です。 NIDエンジニアの社内取り組みや登壇資料を共有します。
情報収集・共有爆速化! 生成AIによる 技術ブログ自動生成ツール 2026年3月27日 (検証実施時期:2025年7-11月) 株式会社エヌアイデイ ICTデザイン事業部ANA部第2課 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved 1
参加メンバー ICTデザイン事業部ANA部第2課 Y.U. (2年目 ※検証当時) ICTデザイン事業部ANA部第2課 Y.H. (1年目 ※検証当時) ICTデザイン事業部ANA部第2課 T.O. (2年目 ※検証当時) ICTデザイン事業部ANA部第2課 S.M. (1年目 ※検証当時) 2 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
目次 1.検証背景・目的 2.検証で利用するリソース 3.設計(ブログを自動生成する仕組み) 4.技術ブログ生成ツールの紹介 5.まとめ 6.今後の展望 ※本資料に登場する会社名・製品・サービス名、ロゴマークなどは該当する各社の商号・商標または登録商標です。 3 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
1.検証背景・目的 ■検証背景 生成AIの活用と需要の拡大 生成AIへの注目は急速に高まっており、社内外のプロジェクトにおいても生成AIの活用が 進んでいる。NIDとしても今後の需要拡大を見据え、最新の知見を得るとともに組織内で のノウハウ共有を図る必要がある。 ■検証目的 生成AIを活用した情報収集の効率化と環境整備 若手社員の情報収集プロセスに着目し、AWSの各種サービス仕様やベストプラクティスに ついて調べる際には、公式マニュアル・ドキュメントではなくネット上に公開されている サイト(特に個人が作成している技術系ブログ)を検索・閲覧して参考にする傾向がある。 →本検証で生成AIを活用し、若手エンジニア(NID若手社員)の目的に合ったブログ風サイ トを簡単に自動生成する仕組みの構築を行い、生成AIをシステムに組み込む際のノウハウ 蓄積と同時に若手エンジニアの育成環境整備を狙う。 4 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
1.検証背景・目的 ■現状 ■理想 ・個人が知りたい情報をネット上で ・知りたい情報をブログ風コンテンツとして瞬 検索して情報収集 時に生成 ・生成したコンテンツをコミュニティ内で共有 課題 L 情報収集と取捨選択に時間を要する 効果 L 迅速な情報収集と組織内共有が可能に 5 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
2.検証で利用するリソース ■Amazon Bedrockとは Anthropic社やMeta Platforms社などが提供する多種多様な生成AIモデルを、AWS上で簡単 かつ安全に利用できるようにしたプラットフォーム。 共通APIで利用可 どのモデルも共通API(Bedrock API)で呼び出し可能 どのモデルもすぐに お試し利用可能 セキュリティ面も担保 AIモデル提供会社に生成時の入力内容とその結果が利用されない Amazon Bedrock 6 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
2.検証で利用するリソース ■利用環境:AWS NID検証環境 ■利用サービス: 区分 サービス 主な用途 フロント層 Amazon CloudFront HTML配信(入出力ページ) API層 Amazon API Gateway フロントとバックエンド間の通信 処理層 AWS Lambda コンテンツ生成・ブログ保存・DB更新 処理 AI生成 Amazon Bedrock (Claude 3 Haiku) ブログテキスト生成 AI画像生成 Amazon Bedrock (Nova Canvas) イメージ画像生成 URL選定 Amazon Bedrock (Titan Embeddings) 入力キーワードから最適なURLを選定 AI補助 Amazon Bedrock AgentCore URL内容抽出・要約 コンテナ Amazon ECR AgentCoreの実行環境 ストレージ Amazon S3 HTML・生成ブログ格納 データ層 Amazon DynamoDB ブログ生成履歴・URL管理 監視通知 Amazon CloudWatch / SNS Lambda監視・障害通知 ※赤字は生成AIに関連するサービス。 7 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
3.設計(ブログを自動生成する仕組み) ■システム構成図 8 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (1)記事のテーマやキーワードを具体的に入力 【入力のポイント】 知りたいテーマやキーワードを具体的に入力。 ※AWSサービス名を含んだ具体的な内容を入力する ことで、より精度の高い記事生成が期待できる。 入力例) EC2とVPC、TransitGatewayの接続手順について、 分かりやすく解説してください。 9 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (2) 関連するAWS公式ドキュメントURLを入力 【手動入力モード】 参考URLに、AWS公式ドキュメントのURLを入力。 ※https://docs.aws.amazon.com/ から始まるペー ジのURLのみ使用可能。 【AI自動入力モード】 URLの入力は不要で、AIが自動で適切なAWSドキュ メントURLを検索。 ※URL入力モードについては、次のスライドで補足 10 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ※URL入力モードに関する補足 ・ブログ生成時の参照URL入力モードは2パターンを実装 URL手動入力モード 任意のキーワード+任意のAWS公式ドキュメントURLをユーザ入力情報として、技術ブ ログを生成する方式 ユーザが提示したURLで生成 → ユーザの要求に近い技術ブログが生成が期待できる AI自動入力モード 任意のキーワードのみをユーザ入力情報として、技術ブログを生成する方式 ①入力キーワードを元に生成AIがAWS公式ドキュメントサイト上を探索 ②複数候補を検討・関連度評価し、入力キーワードと最も関連度が高いURLを選定 ③入力キーワード+選定されたURLでブログ生成を行う URLの事前検索が不要 → 関連URLが分からない場合でも技術ブログを生成できる 11 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (3) ブログの設定(技術的詳細度)を選択 【技術的詳細度】 高:専門的な内容が知りたい場合 中:一般的な解説が知りたい場合 低:概要レベルのことを知りたい場合 12 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ※技術的詳細度に関する補足 ・生成後のブログ内容を知りたい情報粒度に応じて任意で調整できる仕様 技術的詳細度:低 技術的詳細度:高 少ない項目数で基本概要レベ ルの内容が記述されている →概要レベルの内容を 確認したい際に最適 基本概念に加え、具体的な活 用事例も合わせて記載されて いる 13 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (4) ブログの設定(イメージ図の有無)を選択 【イメージ図】 有:生成されたブログのトップに、生成AIが作成し たイメージ画像が1枚挿入される。 無:画像生成を行わず、テキストのみのブログが作成 される。 14 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ※イメージ図に関する補足 ・生成後のブログにイメージ図を追加する or しないを任意で選択できる仕様 イメージ図:有 イメージ図:無 タイトル下にキーワード 入力の内容に応じた画像 が生成・挿入される タイトル下には画像が挿 入されず、本文テキスト のみの内容となる 15 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (5) 記事生成開始ボタンをクリック ブログのキーワード・テーマと参考URLを入力するこ とで、「記事生成開始」ボタンがクリック可能となる。 ボタンをクリックして、ブログの生成をリクエストす る。 16 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (6) ブログアップロードボタンをクリック ブログ生成が完了すると、「ブログアップロード」ボ タンが表示される。 ボタンをクリックして、ブログのアップロードをリク エストする。 17 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■作成したツールの使い方 (7) 生成された記事を閲覧する ブログアップロード完了後、ページ下部にブログの URLが表示され、URLをクリックすることで生成され たブログページに遷移する。 ※生成したブログはS3にアップロードされ、URLを 共有することで、生成内容を他の人に共有することも 可能となる。 18 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■ブログ生成例(手動入力モード) ・インプット情報 【入力キーワード】 AWS Frontier Agents (DevOps Agent)について、AWS DevOps Agentの特徴、自律型インフラ運 用の流れ、ベストプラクティス: 安全な自律運用のためにどうればいいのか 【URL入力モード】 手動入力モード 【参考URL】 https://aws.amazon.com/jp/bedrock/agents/ 【技術的詳細度】 高 【イメージ図】 無 19 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■ブログ生成例(手動入力モード) タイトルは入力キーワード入力をもとに ブログ風のタイトルが生成・挿入される 各項目は見出しと本文で構成され、 技術的詳細度の選択に応じて 項目数が増減する 20 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■ブログ生成例(手動入力モード) ブログ本文の最後にはブログ全体の まとめが記載される ブログページ最下部には、入力キーワード、 生成時に参照したAWS公式ドキュメント のURLが表示される 21 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■ブログ生成例(AI自動入力モード) ・インプット情報 【入力キーワード】 S3にアーカイブ保存する際のベストプラクティスについて教えてください 【URL入力モード】 AI自動入力モード 【参考URL】 入力なし ※AI自動入力モードを利用するため 【技術的詳細度】 高 【イメージ図】 有 22 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■ブログ生成例(AI自動入力モード) イメージ画像は、入力キーワード入力を もとにBedrockにより生成され、 生成された画像はタイトル下に挿入される 23 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
4.技術ブログ生成ツールの紹介 ■ブログ生成例(AI自動入力モード) ブログページ最下部には、入力キーワード をもとにBedrockがAWS公式ドキュメン トを探索・選定し、ブログテキスト生成時 に参照したURLが表示される 24 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
5.検証で苦労した点 ■コミュニケーションについて 事象・原因 検証開始当初、検証メンバー間での情報連携や報告相談先の管理職への密な情報連携が できておらず、結果として認識齟齬が発生し、検証の手戻りが発生してしまった。 対策 (1)検証メンバー連携用チャットを作成し、週次で定期報告・相談会を設定した。 (2)相談先の管理職に検証の進捗状況や課題点の共有・相談・レビューを依頼した。 (3)定期的に内部レビューを行い、その上で上長レビューを実施することで品質改善・ コミュニケーションエラー改善を実施した。 25 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
5.検証で苦労した点 ■要件定義※1について 事象・原因 開発案件の経験が浅く、要件定義を曖昧なまま進めた結果、大幅な修正が必要になった。 対策 以下3工程で要件の具体化を行った。 (1)この検証を行う理由・目的を具体的な文章に起こし、計画書にまとめる。 (2)ユースケース図を作成し、入出力と機能ごとの処理内容を決める。 (3)システム構成図を作成し、構築するAWSサービスを決定する。 ※1 ITシステム開発において、「何を作りたいか」という要望を整理し、システムの機能やルールとして具体的にまとめる工程のこと。 26 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
5.検証で苦労した点 ■環境構築・検証作業について 事象・原因 開発プロトタイプ構築時に利用していたCline※1の回答結果を鵜呑みにしたことにより、 Bedrock Agent と Bedrock AgentCoreの仕様の違いに気づくことが遅れた。 (AgentCore版でないと利用できないBrowser Tool等の機能があった。) 対策 (1)複数の生成AI(Gemini、ChatGPT)を利用して、ファクトチェックを行った。 (2)AWS公式ドキュメントを参照して、生成AIの回答結果の事実確認を実施した。 (3)Clineに適宜チェックシートを作成させ、回答に誤りがあった場合にどの時点で誤り が発生したのか可視化した。 ※1 VS Codeなどのエディタ上で動作し、コード生成、バグ修正をAIが自律的に行う高機能なエージェント型AI補助ツールのこと。 27 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
5.検証で苦労した点 ※環境構築・検証作業についての補足 ①Clineの初期回答 Clineへの問合せ内容: BrowserToolの機能が動作しないという課題の解決方法について ②Geminiの回答 BrowserToolを動作させるにはBedrock AgentCoreの活 用が必要 ③Gemini情報インプット後のCline回答 複数の生成AIを用いたことで 課題解決を実現した。 28 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
5.検証で苦労した点 ■API Gatewayのタイムアウト制限について 事象・原因 ブログ生成オプションにて技術的詳細度を「高」にした場合、およびイメージ図の生成 を「有」とした処理において、API Gatewayのタイムアウト制限により、生成エラーが 発生した。 原因として、API Gatewayのデフォルトのタイムアウト制限が29秒であったため、ブ ログ生成処理時間がこれを超過するケースでエラーが発生していた。 対策 (1)様々なパターンでブログ生成処理テストを行い、最長実行時間(約90秒)を計測した。 (2)AWS公式この処理時間を考慮し、API Gatewayのタイムアウト設定を29秒から120 秒へ引き上げを実施。エラーの発生を解消し、安定したブログの生成を実現した。 29 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
5.検証で苦労した点 ※API Gatewayのタイムアウト制限についての補足 【対応内容】AWS Service Quotas※1からAPI Gatewayのタイムアウト上限の引き上げを実施 API Gatewayのタイムアウト 設定を変更 ・デフォルト値:29秒 ・引き上げ後:120秒 エラーの発生を解消し、安定し たブログの生成を実現した。 30 ※1 AWSのサービスの一つ。マネジメントコンソールから「クォータの引き上げリクエスト」を送信することでデフォルト上限値を緩和することができる。 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
6.まとめ システム開発の経験 生成AI関連のサービス含むAWSの様々な機能を取り込んだブログ生成システムを1から 構築したことで、設計/構築工程を通してシステム開発の基礎を習得することができた。 LLM※1に関するノウハウ習得 ClaudeやAmazon Novaなど複数の基盤モデルを用いてブログ生成を検証することで、 基盤モデルによる特徴(得意不得意があること)を実機で確かめながら理解を深めることが できた。 ハルシネーション※2に対するリスクの体験 生成AIの特徴を理解した上で利用する必要があることを身をもって体験したことで、今 後の生成AI活用において多角的な視点で利用することが重要であると感じた。 ※1 大規模言語モデルのこと。自然言語を理解・生成できるAIモデル。 ※2 生成AIが事実に基づかない誤った内容を生成する現象のこと。 31 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved
7.今後の展望 ■今後の展望 複数のURLをインプット情報とした記事生成 本ブログ生成ツールは、単一のAWS公式ドキュメントを参照元として技術ブログを生成 する機能が実装されている。 →この機能を拡張し、複数のURLを入力情報として参照可能にすることで、さらなる価 値の創出が期待できる。 AIを用いたURL最適化機能の精度向上 本ブログ生成ツールのURL最適化機能(AI自動入力モードにて使用)は、ユーザが入力し たキーワード内のAWSサービス名に基づき、キーワードと関連度の高いAWS公式ドキ ュメントURLを検索/定量的評価する。 →この機能は検索、評価、提案のメカニズムの汎用性が高く、AWSドキュメントに限 定されず、あらゆる技術ドキュメントを対象とした検索においても、有効な情報探索ソ リューションとしての活用が期待できる。 32 Copyright(c)2025 NID All Rights Reserved