793 Views
May 05, 24
スライド概要
サイボウズ株式会社 / 株式会社知財塾 / Smart-IP株式会社
開発スピードに伴走する、 情報共有を活かした特許業務 サイボウズ株式会社 開発本部 上池 睦 1
はじめに 2
自己紹介 ▌名前:上池 睦(かみいけ むつみ) ▌所属:開発本部 製品戦略チーム / OSS推進チーム ▌Twitter:@mutsumimemo ▌複業:「知財塾」という知財実務教育事業の代表 ⚫ https://chizaijuku.com ⚫ 明細書の書き方を学ぶゼミの中で、クレーム検討時の調査ツール としてもAmplifiedを利用中 3
会社紹介:企業理念
会社紹介:主力製品群 中小企業向けグループウェア 業務システム構築プラットフォーム 23,500社 73,000社 業務システムを 自由に作れる プラットフォーム 中小企業向け かんたんらくらく グループウェア 中堅・大規模組織向けグループウェア メール共有システム 6,400社 中堅・大規模組織向け グループウェア 12,000社 メール対応を一元化できる メール共有システム
会社紹介:連結売上(パッケージ/クラウド別 ) 180億円突破 (百万円) 20,000 18,000 16,000 14,000 パッケージ クラウド 12,000 10,000 8,000 クラウド関連売上 前年比 +26% クラウドビジネスへ転換 「kintone」をリリース 4,000 連結売上のうち クラウド売上構成 2,000 81% 6,000 0 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019 2021
本日の内容 話すこと 話さないこと ▌特許調査は大事 ▌調査はAIで全て解決! ▌調査の目的によって有効な 手段を使い分けよう ▌システムをうまく使って、業務 全体を効率的に
Amplifiedを使った調査実務 8
調査の全体像 ▌技術動向調査 ⚫ 特定技術の出願状況を広めにざっくり ▌先行技術調査(出願前調査) ⚫ 出願前に新規性・進歩性を判断 ▌侵害予防調査(FTO・クリアランス調査) ⚫ 自社製品が他社の特許権を侵害しないか確認 ▌無効資料調査 ⚫ 自社製品が抵触する他社特許を無効にできる資料を探す 9
本日のスコープとなる調査 先行技術調査 侵害予防調査 ▌目的 ⚫類似の出願を把握し、 権利化を狙う範囲を探る ⚫余計な拒絶理由をもらう ことを防ぐ ▌目的 ⚫他社の特許権を侵害する リスクを回避する ▌実施タイミング ⚫発明発掘 ~ 出願検討 ▌実施タイミング ⚫仕様検討 ~ 製品実装 10
ソフトウェア開発における特許活動 ▌新たなユーザー価値を提供できる機能であれば、その機能だけで特許性を有する ▌SaaS開発だと、今月中に新機能を実装して来月リリース、ということがある ⚫ 実装することが決まってからすぐ動くので、開発部門と密に連携したから といって解決することでもない ▌求められる判断 ⚫ 出願するかどうかを即日中に ⚫ 出願までの対応期間に1ヶ月かかる場合、その日のうちに調査をして、 その調査結果を踏まえての判断が求められる ⚫ 少なくとも、調査に数日かけたり、外注したりすると間に合わない ⚫ 他社が特許を保有しているなら素早くNGを出す 11
ソフトウェア開発における特許活動 ▌新たなユーザー価値を提供できる機能であれば、その機能だけで特許性を有する ▌SaaS開発だと、今月中に新機能を実装して来月リリース、ということがある ⚫ 実装することが決まってからすぐ動くので、開発部門と密に連携したから といって解決することでもない ▌求められる判断 ⚫ 出願するかどうかを即日中に ⚫ 出願までの対応期間に1ヶ月かかる場合、その日のうちに調査をして、 その調査結果を踏まえての判断が求められる ⚫ 少なくとも、調査に数日かけたり、外注したりすると間に合わない ⚫ 他社が特許を保有しているなら素早くNGを出す 12
先行技術調査の流れ 1. PMやエンジニアから、開発する 機能の情報(仕様・実装方針) を共有してもらう:5~30分 2. 機能情報を「発明提案書」 プロジェクトに書いていく:10分 3. 検索結果の20~100件をざっと 見る:30分 4. 近しい文献を詳細に読む:30分 5. 出願方針を検討する:15分 13
侵害予防調査の流れ 1. 他社機能の調査:30分 ⚫ ユーザー向けの機能紹介Web ページを探す 2. ページの機能情報を「カスタムサーチ」 プロジェクトに書く:0分 3. 検索結果の20~100件をざっと 見る:30分 4. 対象特許を特定し、回避手段を 検討する:60分~ 14
調査について大事な補足 ▌全般 ⚫ 時間をかけたマニュアルの調査が必要な場面はある ▌侵害予防調査 ⚫ あくまで、NGな実装方法を素早く見つけるのが目的 ⚫ 他社がリリースしていない機能であっても特許があることはある ⚫ その場合、先行技術調査の流れで調査する方が良い ⚫ 性質上、見つからなかったらクリアというわけでは無い ⚫ リスクをどれだけ抑えるか、そのためにどれだけコストをかけるかは 機能次第であり、その都度方針についての判断が必要 15
US文献の調査 1. 先述の流れで日本の文献を特定する 2. 新たに「カスタムサーチ」でプロジェクトを作成し、言語を英語に設定して、 「特許番号を入力」に特定した日本の文献の番号を入力する 3. ブラウザの自動翻訳をかけた状態で、検索結果を見る 16
その他の利用シーン ▌発明発掘時にサクッと調査して情報提供する ⚫ 「こんな特許ありますね」という話から、更なるアイデアに繋がる ▌モニタリング ⚫ 技術ごと ⚫ 企業ごと ▌ワークスペース ⚫ 機能ごとに情報をまとめて管理 17
特許実務と情報共有 18
kintoneについて ▌業務用Webデータベース(アプリ) を簡単に作ることのできるクラウドサービス ⚫ タスク管理、要件管理、特許管理... ▌アプリごとに、ワークフローやリマインダーの 設定や、細かな権限設定ができる ▌アプリ同士のデータ連携ができる ▌限定公開アプリを用意して、社外メンバー とのやり取りができる 19
アイデア管理 グループウェア上にある あらゆる情報 発明者 アイデアを 登録 調査&出願検討 情報をキャッチアップ 開発することが 決まったら通知 開発要件管理 特許担当者 調査内容や 出願検討の タスクを登録 特許管理 タスク管理 連携 特許管理 (事務所用) 報奨金管理 20
業務フロー ▌特許管理 ⚫ ワークフロー機能で、手続きの状況や決裁、経理部門との ステータス管理を行う ⚫ 特許事務所とやり取りを行う限定公開アプリとデータを連携し、 社内のやり取りと情報が分散しないようにしている ▌タスク管理 ⚫ 調査内容や検討状況を記載 ⚫ 担当者同士の成果物のレビュー 21
情報共有のコツ:データとコミュニケーションの一体化 ▌kintone レコードコメント機能 ⚫ TrelloやNotionといったタスク管理ツールでも、 チケットごとにコメントのやり取りができる ▌検討過程の情報を残せる → それがそのままノウハウにもなる 22
Amplifiedの活用 ▌プロジェクト上でディスカッションできたり、文献にメモを残せる ▌知財部門で利用している場合は、メンバー内の議論や検討内容を残せる ⚫ 出願時の判断記録が残り、中間対応をする際に役立つ ▌開発者にも使ってもらっている場合、発明報告の窓口にする ⚫ プロジェクトを新規作成するのは開発者 ⚫ 調査後、閲覧権限を知財部門に付与して連絡する 23
We are hiring! [email protected] @mutsumimemo 24