-- Views
July 25, 26
スライド概要
AIの普及によって「知能が安価なコモディティ(日用品)」になる時代において、人間の価値の中心が「知能」から「意思・判断・責任・独自性・固有性」へとシフトする
https://note.com/ikematsu/n/nbbac2403e5f3
Project Lead, Jealousy Dictionary at Chuo Koron Shinsha | Teaching AI Human Emotions through Japanese Media
AIで知能が安くなったとき、人間の仕事はどうなるの? 一そのとき本の役割はどう変わるのか? 一般ビジネスの経営者はどうすればいいか? AIで知能が安くなるほど、意志は高くなる
AIで知能が安くなったとき、 人間の仕事はどうなるのか? 知能のコモディティ化と、 「意志」が価値を生む時代の経営論
「考える仕事」が消えるのではなく、 「考えるだけの仕事」の値段が下がる。 コスト/価値 「人間固有のアウトプット」 「考えるだけの仕事」 (調べる, 要約する, 比較する, 文章を書く, コードを書く) 時間 これまで「頭のいい人」にお金を 払っていた仕事の大部分を、 AIが高速・大量・低価格で供給 しつつある。 スタンフォード大学のAI Index 等でも示されている通り、知能の 限界費用はゼロに向かってい る。
【安くなるもの】 ・答える ・分析する ・選択肢を出す ・文章を書く ・最適化する ・知識を持つ ・推奨する 【高くなるもの】 ・何を問うか ・何を重要と見るか ・何を選ぶか ・何を言うべきか ・何を目的とするか ・経験・固有文脈 ・責任を取る
出版業界を「写し鏡」として未来を見る。 ・なぜ出版社から考えるのか? ・出版社は「AIの利用者」でありつつ、 同時に「AIの性能向上の養分(学習デ ータ)」を提供している存在だから。 ・以前の本は「知識の倉庫」だった。 しかし、「知らないことを教えてくれ る」機能はAIによって猛烈にコモディ ティ化している。
テキストメディアにおける「タイパ競争」の終焉。 本 YouTube SNS / AI 時間の単位 数時間 数分~数十分 数十秒 タイパ感 悪い 良い 非常に良い 評価されるもの 読み終えた後に 何が残るか 視聴維持・満足 即反応・滞在 勝ち筋 没入・変容・世界観 分かりやすさ・人柄 速さ・刺激・共感 300ページ読めば分かる「答え」は、AIなら30秒で出せる。本が同じ土俵で戦えば 負ける。「6時間かけてでも、この人の世界に浸りたい」という体験だけが残る。
「何を知っているか」から「どう世界を見るか」へ 書籍は「答えを伝えるもの」から、「問い」と「ものさし」をシェアするものへシフトします。 【情報を売る出版】 ・買う理由:答え・手順を知る ・価値の中心:What(何が書いてある か) ・AIとの関係:回答・要約で直接競合す る 【世界観を売る出版】 ・買う理由:その人の見方・物語に触れ る ・価値の中心:Who/Why(誰が、なぜ そう見るか) ・AIとの関係:要約されても原体験や文 体は同一にならない
AI時代に残る本の優位性は、時間をかける「没入感」 「300ページ読めば分かる答え」の 価値は消滅しました。答えだけなら AIが30秒で出せるからです。 本が「タイパ(タイムパフォーマン ス)」で競争すれば確実に負けま す。 「6時間かけてでも、この人の世界 に浸りたい」という体験だけが生き 残ります。 SNS (30秒) -速さ・刺激 YouTube (10分) -分かりやすさ 本(数時間) -没入・変容・ 世界観
編集者の役割は「情報の整理」から「人間のIP化」へ 【これまでの編集者】 著者のノウハウを整理し 「読者が欲しい答え」に変える。 役割:情報を編集する人 【これからの編集者】 著者が「なぜそう考えるのか」を掘り、 著者そのものをIPとして設計する。 役割:人間をIP化する人
これは、一般の会社経営にとってどんな意味があるのか? 出版社がアップデートを迫られているように、一般企業の「経営そのもの」もAIによってシフトします。 「社員にAIを使わせよう」で思考停止してはいけません。AIそのものは、もはや競争優位ならないからです。
経営資源のパラダイムシフト 人 モノ 金 情報 知能 (Intelligence) 外部から安価に 調達するもの。 文脈 (Context) 会社固有の歴史、 顧客関係、暗黙知。 権限 (Authority) 誰が、何を、 どこまで 承認するか。
これまでこれまでの経営 VS AI時代の経営 これまでの経営 AI時代の経営 会社の前提 知能・技術を「人」として雇う 知能をAIから安価に借り、 人と組み合わせる 判断の根拠 人の経験・社内ルールに依存 AIに「会社のものさし」を与える 失敗したとき 人を指導し、業務を改善する AIの判断と会社のルールを更新する 経営の核心 人に経営を教える 人間にもAIにも経営を教えられるか
あなたの会社の常識は、 AIの非常識です。 LLMはどれだけ進化しても、あなたの会社の内部事情は学習しない。 AIは賢くても、以下の「ローカル・ルール」を知らない: ・この顧客にはどのくらい値引きするのか? ・何を「良品・品質」と呼ぶのか? ・どこまでリスクを取るのか? ・何を「絶対にやらない」のか? 優秀な新人に部署の暗黙知を教えなけ れば使い物にならないのと同じ。
経営者の新しい仕事は「会社のものさし」をAIに教えること AIを勉強すること以上に、「うちの会社は何を正しいとする会社なのか」を 明確にし、設計・デザインすることが真の経営論となります。 汎用AI 会社のものさし 独自の競争力 ・何を任せ、何を任せないか ・何を根拠に判断させるか ・失敗したとき、どうルールを更新するか
AIは、あなたの会社を映し出す「鏡」である。 AI導入で問われるのは、AIの性能ではない。 「会社が、自分たち自身を変えられるか」 「うちの会社は何を正しいとするのかを 明確にできるか」という鏡である。 AIに「何を任せないか」「誰が承認するか」を 設計デザインすることこそが、 これからの経営。
知能がコモディティ化した後、人間は何を問うのか? 過去 1 「知能」が 希少だった時代 ネット時代 2 インターネット時代 AI時代 3 AI時代 その先 4 「何を考えさせるべきか を決められる人」が 一番強くなる。 過去:知っている人が強かった ネット時代:情報を見つけられる人が強かった AI時代:考えさせられる人が強い
最後に残る、3つの価値 知能が誰でも使えるものになったとき、仕事がなくなるわけではありません。 「知能を提供すること」が仕事だった時代が終わるだけです。 意志 人間には、何を目指すのか という「意志」が残る 世界観 本には、何をどう見るのか という「世界観」が残る ものさし 会社には、何を正しいとするか という「ものさし」が残る
知能が安くなったとき、一番強くなるのは「意志」である。 その先にあるもの。 「何を考えさせるべき かを決められる人」 が一番強い。 AI時代 考えさせられる 人が強い。 インターネット時代 情報をみつけられる 人が強かった。 知識が希少だった時代 知っている人が 強かった。 欲望 (何を実現したいのか) 意志 (どちらへ行くのか) ものさし (何を良しとするのか) 責任 (失敗したとき誰が責任をとるのか)