建設業界での詳細3D樹木モデルの重要性について

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February 19, 24

スライド概要

2024/02/16(金)に開催された、建築情報学会Meetup Vol.007 (東京)でのLTのスライドです。

https://ais-j.connpass.com/event/307294/

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ホロラボです Unityを使用したHoloLensのアプリ開発を中心にしています。 最近では建設業でのBIMデータ、製造業でのCAD データ、空間の3Dスキャン(点群データやメッシュデータ)も扱っています。 物理世界とデジタル世界をどのように連携するか。ということを日々考えています。

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各ページのテキスト
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建設業界での詳細3D樹木モデルの 重要性について 株式会社ホロラボ 熊崎理仁

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はじめに 五反田駅周辺データの配植シミュレーション 配植前 配植後 株式会社ホロラボによる取得データ 近年、建設業界では3DCAD(BIM/CIM)とゲームエンジン等によるレンダリング技術の浸透により、 3Dによる設計や完成予想の提供が当たり前になると同時に、計画案に樹木の配植(はいしょく)までを 取り入れる、3D樹木モデルの利用と必要性が高まっていくと考えられる。 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 2

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はじめに UnrealEngine5 (Megascans Trees) Twinmotion しかしながら、現行の3D樹木モデル(樹木アセット)には、以下のような問題が存在する ① ② ③ ④ 提供される3D樹木モデルの多くが外国の樹木である。(樹木に造詣のある方であれは一目で分かる) 樹形(樹種に応じた樹木の形)が正しいものとは言い切れない。 テクスチャ(幹肌・枝葉)が実際の対象樹種から作成したものであるか分からない。 容量が非常に重いものが多い(200MB以上) Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved → これら問題を解決するため、実測に則った日本の3D樹木モデルの構築プロセスを提案 3

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詳細3D樹木モデルの構築プロセス ①地上型3Dレーザスキャナによる計測 地上型3Dレーザスキャナでは,単木ごとに詳細な 樹形情報を取得することが有効的である ②葉点群、幹・枝点群の分離 ③TreeQSM法による3Dモデル化 ソメイヨシノ 樹木インベントリ(ソメイヨシノ) -----------Tree attributes: TotalVolume = 6056 L TrunkVolume = 1178 L BranchVolume = 4878 L TreeHeight = 14.78 m TrunkLength = 12.5 m BranchLength = 2302 m TotalLength = 2315 m NumberBranches = 5492 MaxBranchOrder = 9 TrunkArea = 11.81 m^2 BranchArea = 273.9 m^2 TotalArea = 285.7 m^2 DBHqsm = 0.5065 m DBHcyl = 0.5065 m CrownDiamAve = 15.33 m CrownDiamMax = 17.37 m CrownAreaConv = 194.5 m^2 CrownAreaAlpha = 181.8 m^2 CrownBaseHeight = 2.351 m CrownLength = 12.43 m CrownRatio = 0.8409 CrownVolumeConv = 1436 m^3 CrownVolumeAlpha = 1056 m^3 ----- カエデ 産総研と共同で取得した樹木データ (RIEGL VZ-400i にて取得) ⑦3D樹形モデルの完成 ⑥枝葉モデルの付与 ⑤現地画像からのテクスチャ作成 樹木インベントリ(カエデ) -----------Tree attributes: TotalVolume = 1081 L TrunkVolume = 132.1 L BranchVolume = 949.3 L TreeHeight = 7.62 m TrunkLength = 7.994 m BranchLength = 1124 m TotalLength = 1132 m NumberBranches = 3207 MaxBranchOrder = 8 TrunkArea = 3.122 m^2 BranchArea = 95.99 m^2 TotalArea = 99.11 m^2 DBHqsm = 0.2232 m DBHcyl = 0.2198 m CrownDiamAve = 9.506 m CrownDiamMax = 10.87 m CrownAreaConv = 76.27 m^2 CrownAreaAlpha = 71 m^2 CrownBaseHeight = 1.446 m CrownLength = 6.174 m CrownRatio = 0.8102 CrownVolumeConv = 329.2 m^3 CrownVolumeAlpha = 280.9 m^3 ----- ④樹形モデルの修正 センダン センダン 容量:20MB~30MB Copyright© HoloLab Inc. rights reserved ※All 樹種:センダン 4

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詳細3D樹木モデルの市場化に向けて 現在、Unity、UnrealEngine5等のアセット市場に向けて、3D樹木モデルの構築に取り組んでいる Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 5

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おわりに 詳細3D樹木モデルの今後の展望 ① 樹木は外構、都市から地球全体に至る、自然物による構成要素の空間構造や分布のパターンに関わる ことから、3D樹木モデルは3DCG業界において、必要とされる汎用性の高いものである。 ② 3D樹木モデルは、大量メッシュで構成されているものが多く大容量であることから、 レンダリングに多く課題がったが、高スペックのCPU・GPU、UE5のNanite(ナナイト)の登場から、 ポリゴン数を考慮に入れない時代が到来。 (※ ただ現在も容量が低いことに越したことはない) ③ 建設業界での3DCADと、ゲームエンジンのリアルタイムレンダリングの浸透により、視覚的な設計・完成案 において、3D樹木モデルまでを取り込んだ需要(配植、植栽設計案)が見込まれる。 作成した3D樹木モデルは一部無料で「BOOTH」に公開中 以上のことから、 本手法で構築される、日本の詳細3D樹木モデルの 需要は、建設業界から3DCGデザイン(特にゲーム業 界)に至るまで、今後多くの需要が見込まれ、 日本の風土のための建築、都市、ランドスケープに至る 設計、デザインの重要なエレメントとなると考える。 Copyright© HoloLab Inc. All rightsBOOTH reservedホロラボ モデルショップ:https://hololab.booth.pm/ 6