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May 16, 24

スライド概要

2024/4/18に実施されたHololab Conference 2024のセッションスライドです。

■セッションアーカイブはこちら
https://www.youtube.com/playlist?list=PLcIuMEVR3eYegP17SKG_UPgERmmGStEr_

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■公式HP
https://hololab.co.jp/

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ホロラボです Unityを使用したHoloLensのアプリ開発を中心にしています。 最近では建設業でのBIMデータ、製造業でのCAD データ、空間の3Dスキャン(点群データやメッシュデータ)も扱っています。 物理世界とデジタル世界をどのように連携するか。ということを日々考えています。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

仕事できるくん 文書とBIMに関連する大変な作業をChatGPTにやらせてみると みんな仕事ができるようになる!? 佐藤 竜也、宮﨑 剛太 AECグループ 株式会社ホロラボ

2.

自己紹介 - 佐藤竜也 ‣ 株式会社ホロラボ AECグループ Silver Bullet Club 所属 ‣ 建設業のお客様にWebアプリケーションの受託開発 ‣ 扱っている技術 ‣ Autodesk Platform Services ‣ Power BI ‣ OpenAI、Azure OpenAI Service

3.

チーム Silver Bullet Club 結成7年目のWebアプリケーションエンジニアのチーム ‣ チームの経歴 〜2019 2019〜2022 2022〜現在 ‣ メンバー 及部敬雄 佐藤竜也 宮﨑剛太

4.

これまでのチームの成果 2022: BIM + BI 2023: BIM + AI その他、BIMやBIツールに関連したWebアプリケーション開発

5.

2023年

6.

ChatGPT ‣ OpenAI社が提供する大規模言語モデルというAIを用いたチャットサービス ‣ 2022年11月に公開されて以降、様々な業界に大きなインパクト

8.

ChatGPTのすごいところ ‣ 一般的な常識をすでに持っている ‣ 事前に学習させなくても、その場で新しい情報を与えることで対応可能 ‣ これにより、特定の仕事に特化せず、指示(プロンプト)を与えることによっ て様々な仕事をこなす

9.

プロンプト ‣ ChatGPTに与える指示内容の文章のこと ‣ 共有・再利用することで、ChatGPTに任せる仕事が再現可能 ‣ プロンプトエンジニアリングや事例集が多数存在

10.

2024年

11.

2024年問題 ‣ 時間外労働の上限規制の適用 ‣ 業務効率化が求められる 厚生労働省「建設業 時間外労働の上限規制わかりやすい解説」より 国土交通省「建設業を巡る現状」より

12.

2025年

13.

2025年問題 ‣ 建設業就業者は減少傾向、建設業の高齢化の進行 ‣ 熟練技術者が持つ技術が失われるリスクが高まっている 国土交通省「建設業を巡る現状」より

14.

2023年 ▶ 2024年 ▶ 2025年 現在

15.

この2年間の仕事で思ったこと

16.

建設業における文書の仕事は大変 ‣ 様々な場面で多数の文書が関与 ‣ 要求水準書 ‣ 標準仕様書・特記仕様書 ‣ 建築基準法・条例 ‣ 設計図書など ‣ 文章量も膨大

17.

文書を読むのも技術のひとつ ‣ 得たい情報をスムーズに得られるまである程度の現場経験が必要 ‣ 10年以上かかるという話もある ‣ 2025年問題によりこの技術も失われるリスクがある

18.

アイデア 「ChatGPTにやらせたら便利なのでは?」

19.

プロンプトによる効率の格差 ‣ ChatGPT導入により、AIに質問する 機会は従業員に等しく与えられる ‣ しかし、スキルを持った人材・ノウ ハウは少ない。 ‣ 結果、業務知識・プロンプトの技術 をどれだけ持っているかによって、 ChatGPTの活用に差が出るている のでは? PwC「生成AIに関する実態調査2023 秋」より

20.

プロンプトを書くのは難しい

21.

であれば、良いプロンプトを 共有・再利用すれば良いのでは?

22.

良いプロンプトを共有・再利用 ‣ プロンプトは共有・再利用可能 ‣ 良い仕事をするプロンプトを展開すれば、その仕事を他の従業員も再現 ‣ 企業全体を効率化する可能性 プロンプト 業務効率 UP 業務効率 UP 業務効率 UP

23.

良いプロンプトとは?

24.

熟練技術者のやっている仕事を再現するプロンプト ‣ 文書を入力として、経験で得られた仕事の仕方を通して、得たい成果を出して いる。 ‣ この仕事の仕方の獲得に10数年かかっている 仕事の仕方 成果 文書 設計図書 熟練技術者 社内の文書 外部情報

25.

熟練技術者のやっている仕事を再現するプロンプト ‣ 文書を入力として、経験で得られた仕事の仕方を通して、得たい成果を出して いる。 ‣ この仕事の仕方の獲得に10数年かかっている ココ 仕事の仕方 成果 文書 設計図書 熟練技術者 社内の文書 外部情報

26.

仕事できるくん

27.

仕事できるくんのアイデア ‣ 仕事の仕方をプロンプトに起こし、与えられた文書をChatGPTにより解析 ‣ 必要であればBIMから情報を取得 仕事の仕方 プロンプト 成果 文書 BIM 仕事できるくん 外部情報

28.

本当にできるの?

29.

作ってみた!

30.

デモ ‣ ユーザー: 新卒1年目の設計担当 ‣ 基本設計において設計中の学校が、以下の要求を満たしているか尋ねられた ‣ 必要な部屋 ‣ 建物の高さ ‣ 手元にあるのは「要求水準書」と「建物の名前」のみ 設計中のあの学校 について教えて 先輩社員 新卒1年目の設計担当

31.

デモ:動画

32.

担当している建物を選択

33.

文書(要求水準書)をアップロード 要求水準書を アップロード 選択した建物を確認

34.

ChatGPTによる解析 結果が出るまで数分程度

35.

解析結果を確認 与えた文書 (要求水準書) ChatGPTの 解析結果

36.

解析結果:要求される部屋の確認 BIMからの情報 要求水準書の 部屋との差分

37.

解析結果:高さに関する要求の確認 BIMからの 情報

38.

熟練技術者だったらどうやっているか 文書を入手 文書から要件を抽出 設計図書から情報を入手 要件を満たしてるか確認 熟練技術者

39.

ChatGPTがやっていること 文書を入手 文書をアップロード 文書から要件を抽出 文書から要件を抽出 設計図書から情報を入手 BIMから情報を入手 要件を満たしてるか確認 要件を満たしてるか確認 熟練技術者 仕事できるくん ChatGPTが やっている部分

40.

あえてチャット画面を持たせない ‣ 経験の少ない人は、そもそも何を尋ねていいのかわからない ‣ なので、あらかじめシステムの中にプロンプトを組み込んでいる

41.

システム構成

42.

仕事できるくんから 見える未来を考えてみた

43.

仕事できるくんを中心とした活動 ‣ 熟練技術者の技術を再現して、従業員の業務を効率化 ‣ 熟練技術者の経験知をプロンプト化 ‣ それを若年技術者や一般従業員が仕事できるくんを 通して利用 若年技術者 プロンプト 熟練技術者 仕事できるくん 一般従業員

44.

人間にしかできないことに人間が集中できる ‣ プロンプトに書き起こすことが難しい仕事が人間に残る ‣ それらは、本当に人間にしかできない 言葉で表現できない仕事 言葉で表現できる仕事 熟練技術者 若年技術者 一般従業員 仕事できるくん

45.

属人化による忙しさから解放 ‣ 熟練技術者にしかわからないことがあると、問い合わせが集中 ‣ 仕事できるくんが代わりに回答することで、属人化を解消 若年技術者 プロンプト 熟練技術者 仕事できるくん 一般従業員

46.

プロンプトを増やし、できることを増やす ‣ 熟練技術者の負担を軽減 ‣ 若年技術者・一般従業員の業務効率を向上 負担 DOWN 業務効率 若年技術者 UP プロンプト 熟練技術者 仕事できるくん 一般従業員

47.

2025年問題への対策: AIを通した技術継承 ‣ 人材流動への対策 ‣ 人の技術を貯めるだけでなく、プロンプトとして仕組みに貯める。 ‣ 教育への活用 ‣ プロンプトは自然言語なので、人間が読んで学ぶこともできる。 若年技術者 プロンプト 熟練技術者 仕事できるくん 技術継承 一般従業員

48.

すぐに始められるAIによる技術継承DX ‣ DXやAIのソリューションは、事前にデータが必要 ‣ だが仕事できるくんに必要なデータである文書はすでに皆さんがお持ち ‣ プロンプト作成のための熟練者へのヒアリング ‣ どんな技術継承でも必要になる作業

49.

建設業以外でも同じことがあるかも ‣ 抽象的に捉えると文書を起点とした業務を自然言語で処理するシステム ‣ 文書を起点とする業務は、建設業に限らず様々な場面である 仕事の仕方 プロンプト 文書A 情報 文書B

50.

仕事できるくん、まだ生まれたて ‣ 技術的に動くものはできて、簡単な仕事ならできそうなことがわかった ‣ 色々課題はあるが始めるための技術資産は手に入った PoC 実装 検証 実運用

51.

実運用に向けて必要なもの

52.

実運用に向けて必要なもの 現実の課題 解決する技術

53.

実運用に向けて必要なもの 現実の課題 解決する技術

54.

生々しい課題、待ってまーす ‣ お客さんに持ってきて欲しいものは、現実の生々しい課題です! ‣ その解決に向けて、ホロラボは一緒に立ち向かいます! お問い合わせはコチラ https://hololab.co.jp/#contact