【人工知能・深層学習】論文紹介:SayCAN, RT-1, RT-2, OpneVLA, Diffusion Policy, π0

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July 06, 26

スライド概要

M2の原さんが、2022年から2024年までの主要VLA研究論文6本の紹介を行いました。
本書では、行動を既存スキルから「選択する」アプローチのSayCanから始まり、単一のネットワークでEnd2End制御を実現したRT-1やRT-2、そしてオープンソースのデファクトスタンダードとなったOpenVLAへの発展ストーリがまとめられています。さらに、従来の自己回帰型モデルの限界であった「多峰性の問題」や「動作速度の遅さ」を克服するために導入された、アクションを一括生成するDiffusion Policyのノイズ除去や勾配による生成メカニズム、そして最新のFlow Matching技術を用いて決定論的かつ最大50Hzという高速で滑らかな制御を可能にした汎用ロボット基盤モデル「π0(パイゼロ)」のアーキテクチャや学習手法について紹介しました。

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立教大学大学院人工知能科学研究科における瀧雅人准教授が主催する研究室で2020年度からスタートしているまだ若い組織です。 最先端の深層学習について、高度化・説明性向上などをテーマに深く幅広く研究しています。 また医療や神経科学・物理学におけるデータ分析や、産業への社会実装にも携わっています。 研究室内のPaper Reading活動の記録として、研究室学生の発表資料を公開しています。 ご興味をお持ちの方は、HPをご確認ください。

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各ページのテキスト
1.

VLA入門 VLM→VLA、Diffusion Policy 立教大学大学院 人工知能科学研究科 原 志弥

2.

VLA(Vision-Language-Action)とは • 入力:カメラ画像+自然言語の指示 • 出力:ロボットの行動指令(グリッパーをΔx 動かす等) 1

3.

VLM から VLA へ • LLMやVLM 莫大なデータセットから「高度な意味理解能力」や「常識的な推論能力」を獲得 しかし、『グラウンディング(意味の物理世界との紐付け)の欠如』という問題有 • ロボットが置かれている現在の物理的状況(障害物の有無、手の届く範囲など)を考慮できない LLMがロボットに対して非現実的な行動(ハルシネーション・異常行動)を起こす(生成する)問題があった • 長年のロボティクスとAI 見る(認識・知覚)→考える(推論)→行動 という分離したステップで動作 • 各ステップが独立して動作するため、情報の連携が不十分 • 動的な環境での適応が困難 • 新しいタスクごとに、それぞれ別のモデルやシステムを組み替える必要有 これらの限界を克服するために、より統合的なアプローチが求められた 2

4.

VLAロードマップ • SayCan(2022.4)[1] LLM+既存スキルのモジュール化。行動は生成せずに『選ぶ』 • RT-1(2022.12)[2] 視覚・言語・行動を1つのTransformerでEnd2End(ただしロボットデータのみ) • RT-2(2023.7)[3] VLMを流用し、Web知識を転送。行動を「言語トークン」として出力 • OpenVLA(2024.6)[4] オープンソースの7Bモデル。小型でRT-2級。RoRAでのFTが有用。デファクトスタンダード的存在 • Diffusion Policy(2023.3)[5] VLAではない 行動生成の方式についての議論 • π0(2024.10)[6] VLA+Flow Matching、連続・高周波・器用な動作へ 3

5.

SayCan(2022)の登場とモジュール型アプローチ • Do As I Can, Not As I Say: Grounding Language in Robotic Affordances (Google Robotics / Everday Robots) 背景 • LLM(GPT-3, PaLMなど)は、ウェブ上の莫大なテキストデータから「世界に関する情報」を学習しているが、 物理的な実体を持たないため、現実世界での行動の結果を観察したことがない 目的と提案 • LLMが持つ「高レベルな意味的知識(何をすべきか)」とロボットの価値関数が提供する「現実世界での実現可能性(何が できるか)」を統合するSayCanアルゴリズムの提案 • ロボットが抽象的で長期間にわたる自然言語の処理に従い、自分の能力と環境に合わせた適切な行動を選択できるように なることを目指す アーキテクチャ • 各スキル(π)(1つの小さい動作のこと)の確率を「タスク接地」と「世界接地」の積として定式化 • ロボットが受け取った高レベルな指示 (i )に対して、現在の状態 ( s )で実行するべきスキル(π)を選択する確率 𝝅 = argmax 𝝅∈𝚷 ∝ 𝑝 𝑐𝜋 𝑠, ℓ𝜋 × 𝑝 ℓ𝜋 𝑖 • 𝑝 ℓ𝜋 𝑖 :Say / タスク接地 ◆ ◆ 指示 𝒊 に対して、スキルの自然言語記述 ℓ𝝅 が次のステップとしてどの程度有用かをLLMが推論し、確率を算出。 ◆ 「ロボットが実行可能なスキルのリスト」の中から、現在の文脈に最適なものを確率的に選別するプロセス • 𝑝 𝑐𝜋 𝑠, ℓ𝜋 :Can / 世界接地 ◆ 現在の状態 𝒔 において、スキル ℓ𝝅 が成功する確率(アフォーダンス)を、強化学習で学習された価値関数を用いて推定 4

6.

SayCanのアルゴリズム 5

7.

SayCanの結果と課題 • Do As I Can, Not As I Say: Grounding Language in Robotic Affordances (Google Robotics / Everday Robots) 結果 • 未知の指示に対しても、長期的(ロングホライズン)なタスク実行を可能にした。 ◆ 新しい環境下での成功率は、ベースラインを大きく上回った 課題 • 「事前に定義・学習された個別のスキルセット」に完全依存しており、未知の動作をゼロから生成するのは不可能 ◆ 行動は、既存スキルから選ぶだけ • スキルの実行が失敗した際や環境が途中で変わった際のフィードバック(Inner Monologue)が限定的 • ロボットの性能は、背後にあるスキルのバリエーション(本論文では551種類)に依存 ◆ 新しい物理操作の学習が必要 • LLMは画像を見ていない、接地は価値観数のみで入る=非End2End 視覚・言語・行動の生成を単一のネットワークで、End2Endで行うモデルが必要 ロボット自身の経験をLLMにフィードバックして、LLM側の「物理的常識」を更新 6

8.

End2End制御の基盤:RT-1(2022, Google DeepMind) • RT-1: ROBOTICS TRANSFORMER FOR REAL-WORLD CONTROL AT SCALE • 貢献:ロボットの連続的な行動を、11次元×各256ビンの離散トークンにして、Transformerで自 己回帰生成 アームの動き (7次元) • 位置の変位:x, y, z (3次元) • 回転の変位:ロール (roll)、ピッチ (pitch)、ヨー (yaw) (3次元) • グリッパーの開閉度 (1次元) ベースの動き (3次元) • 位置の変位:x, y (2次元) • 回転の変位:ヨー (yaw) (1次元) 制御モード/終了フラグ (1次元) • 「アームの制御」、「ベースの制御」、「エピソードの終了」の3つのモードを切り替えるための離散変数 • 汎化能力の限界 RT-1の学習データ:ロボットの軌道データのみ • 学習データに存在しない未知の物体や背景、わずかに言い回しを変えただけのプロンプトに対するZero-shot性能が乏しい。 7 • 物理世界で収集できるロボットデータは、web上のデータに比べて非常に小規模

10.

Web知識の利用とVLMの行動トークン出力:RT-2(2023, GoogleDeepmind) • RT-2: Vision-Language-Action Models Transfer Web Knowledge to Robotic Control RT-1以前:特定のタスクごとに大量の「ロボット操作データ」を学習させる必要有り • 課題:学習データにない状況や、抽象的な指示には対応できなかった • 貢献 行動を専用の出力ヘッドなしで生成可能 • 従来のVLMをベースに、出力として「ロボットの行動トークン」を直接出力できるようにCo-FineTuning Web知識の転送 • 恐竜の画像がWeb上に多ければ、ロボットは「恐竜を拾って」という指示だけで、見たことのない恐竜のフィギュアを 正しく認識して掴める 推論能力(Chain-of-Thought) • 「即席のハンマーとして使えるものを探して」といった、意味的な理解を要するタスクもこなせるように • 課題 55Bパラメータ、巨大で推論が遅い、クローズドで再現不可 9

11.

RT-2: Vision-Language-Action Models Transfer Web Knowledge to Robotic Control • アーキテクチャ(2バリアント) RT-2-PaLI-X:55BのVLM、画像エンコーダーはViT、デコーダは言語モデル RT-2-PaLM-E:12BのVLM、視覚的なトークンを直接言語モデルに埋め込む 10

12.

RT-2: Vision-Language-Action Models Transfer Web Knowledge to Robotic Control • 訓練方法 Co-FineTuning • ロボットデータのみでFine-tuningを行うと、VLMがもともと持っていた豊かな意味理解能力が失われてしまう。 ◆ ロボットのデモンストレーションデータ(約10万エピソード) ◆ インターネット規模のVLデータ(数百万の画像とテキストのペア) • バッチ内のデータ比率を「ロボットデータ:Webデータ=50:50~66:34」となるように重み付けすると最高性能を発揮 • Symbol Tuning ロボットの低レベルな制御(エンドエフェクタの移動や回転など)をテキストトークンとして表現 • アクションの離散化:ロボットの6自由度の位置・回転・グリッパーの開閉状態等を、256個のビン(bin)に分割し、数値化 • トークンへのマッピング:ビンを、既存のVLMの語彙(トークン)に対応させる ◆ PaLI-Xの場合: 1000までの整数に対応する既存のトークンをそのまま利用 ◆ PaLM-Eの場合: 使用頻度の低い256個のトークンを、アクション用として上書 • 「マルチモーダルな文章」としての出力: 「1 128 91...」といったアクションを意味するトークン列を、あたかも自然言語 の回答であるかのように出力 • Chain-of-Thought 訓練データを拡張し、行動トークンを出力する前に、まず自然言語で「計画(plan)」を出力させる 11

13.

RT-2: Vision-Language-Action Models Transfer Web Knowledge to Robotic Control 12

14.

オープンソース化と高解像度視覚表現:OpenVLA(2024) • OpenVLA: An Open-Source Vision-Language-Action Model Stanford University, UC Berkeley, Toyota Research Institute, Google DeepMind, Physical Intelligence, MITなどなど 13

15.

OpenVLA: An Open-Source Vision-Language-Action Model • 訓練方法 Open X-Embodimentデータセット(100万以上のシーン)から97万件のデータを抽出 • 27エポック、64台のA100で14日 • ビジョンエンコーダをフリーズせず、VLAの学習中も同時にFine-Tuning ◆ ロボット制御の精密な空間的詳細を捉えるのに必要らしい • 結果:55BパラメータのRT-2-Xを、7Bパラメータで上回る成功率 14

16.

OpenVLA: An Open-Source Vision-Language-Action Model • LoRAによる新規タスクへの応用 計算資源が限られていても、新規タスクへ容易に対応可能 • Full-FTには8基のA100GPUが必要だが、 1基のA100GPU(10〜15時間)で学習が完了 • LoRAを使用し、モデルの線形層に低ランク行列(推奨r=32)を追加 • 全体のわずか1.4%(約9,760万パラメータ)のみを更新 • Full-FTと同等の成功率を達成 15

17.

OpenVLA: An Open-Source Vision-Language-Action Model • 4-bit量子化による推論の高速化 16

18.

RT-1、RT-2、OpenVLAの限界 • 自己回帰型VLAの構造的限界 • Reactive Policy:多峰性の問題 例)テーブルの上のマグカップを掴む際、「上から掴む」軌道と、「横から掴む」軌道の両方が正解になる • 確率分布が複数のピークを持つ 言語モデルのように離散トークンを1ステップづつ出力するモデルは、これらの複数の正解軌道を「平均 化」してしまう • 「斜めから中途半端にアプローチして衝突」といった最適ではない&危険行動を生成する可能性あり • 動作速度の問題 自己回帰によるトークン生成は計算コストが高く、数10Hzという高周波で滑らかな連続制御ができない • 布を畳むなど 拡散モデルのアプローチにより、多峰性と制御周波数の問題を解決 17

19.

VLAロードマップ(再掲) • SayCan(2022.4)[1] LLM+既存スキルのモジュール化。行動は生成せずに『選ぶ』 • RT-1(2022.12)[2] 視覚・言語・行動を1つのTransformerでEnd2End(ただしロボットデータのみ) • RT-2(2023.7)[3] VLMを流用し、Web知識を転送。行動を「言語トークン」として出力 • OpenVLA(2024.6)[4] オープンソースの7Bモデル。小型でRT-2級。RoRAでのFTが有用。デファクトスタンダード的存在 • Diffusion Policy(2023.3)[5] VLAではない 行動生成の方式についての議論 • π0(2024.10)[6] VLA+Flow Matching、連続・高周波・器用な動作へ 18

20.

多峰性問題の克服と連続制御: DiffusionPolicy(2023年) • Diffusion Policy: Visuomotor Policy Learning via Action Diffusion Cheng Chi et al… • Policy(方策)とは 「観測」を入れると「行動」を返すもの Diffusion Policyは、行動を1つに決めず、「行動の確率分布」として扱う • 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 𝑎:行動(グリッパーの移動量) o:観測(画像など) 𝜽:ニューラルネットワークの重み 状況oに対して、「あり得る行動」全体の確率分布 19

21.

Diffusion Policy: Visuomotor Policy Learning via Action Diffusion • 定義 • 𝑡:環境時刻 ロボットが実際に動く時間ステップ • 𝑘:拡散ステップ ノイズ除去の回数 𝑘 = 𝐾 が純ノイズ、𝑘 = 0 が完成した行動 • 𝐴𝑡 = 𝑎𝑡 … 𝑎𝑡+𝑇𝑝−1 時刻 𝑡 で予測する行動チャンク • 𝑂𝑡 :観測 直近数フレームの画像など、ノイズは加えない • 𝐴𝑘𝑡 行動チャンクを 𝑘段ノイズ除去した途中状態 20

22.

多峰性問題の克服と連続制御: DiffusionPolicy(2023年) 行動を直接出力するのではなく、最適な行動へ向かう『勾配』を出力し、ノイズから連続的に生成するアプローチ 21

23.

(b)エネルギーベースドモデル(EBM)と分配関数zの限界 • (b) Implicit Policy(エネルギーベースドモデル(EBM))のアイディア 観測oと行動aのペアに対して、その『不自然さ』をスカラー値のエネルギーとして評価する関数を学習 • 低エネルギー:尤もらしい行動 • 推論:エネルギー最小化で最適行動を探す • 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = 𝑒 −𝐸𝜃 𝑜,𝑎 𝑍 𝑜,𝜃 エネルギーEから確率分布pを作る変換。Eさえ学べば、行動の良し悪しを確率で語れる • 𝑍 𝑜, 𝜃 = ‫ 𝑒 ׬‬−𝐸𝜃 𝑜,𝑎′ 𝑑𝑎′ 確率の合計を1にするための割り算の分母になる役割 Zは全行動の積分、行動が高次元だと計算不可能 • 𝑎ො = arg min𝐸𝜃 𝑜, 𝑎 𝑎 推論時は「エネルギーが最小の行動」を探す 学習後に、実際に取る行動を1つ選ぶ役割 22

24.

(c)Diffusion policy, SGMs • (c)Score-based Generative Models (SGMs) スコア関数とは=確率が最も増える方向 • 𝛻𝑎 (行動aでの勾配)は、「aをどちらへ動かせば確率が上がるか」という向きベクトル • この向きに沿って進めば、自然と「良い行動」に辿り着ける←これを学びたい EBMモデルの問題→ Z の計算に起因する学習の不安定さ • 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = 𝑒 −𝐸𝜃 𝑜,𝑎 𝑍 𝑜,𝜃 23

25.

(c)Diffusion policy, SGMs • (c)Score-based Generative Models (SGMs) スコア関数とは=確率が最も増える方向 • 𝛻𝑎 (行動aでの勾配)は、「aをどちらへ動かせば確率が上がるか」という向きベクトル • この向きに沿って進めば、自然と「良い行動」に辿り着ける←これを学びたい EBMモデルの問題→ Z の計算に起因する学習の不安定さ • 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = 𝑒 −𝐸𝜃 𝑜,𝑎 𝑍 𝑜,𝜃 両辺の対数を取る • log 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = −𝐸𝜃 𝑜, 𝑎 − log 𝑍 𝑜, 𝜃 行動aで微分する • 𝛻𝑎 log 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = −𝛻𝑎 𝐸𝜃 𝑜, 𝑎 − 𝛻𝑎 log 𝑍 𝑜, 𝜃 ◆ この時 𝑍 𝑜, 𝜃 = ‫ 𝑒 ׬‬−𝐸𝜃 𝑜,𝑎′ 𝑑𝑎′ は a で積分済み=aに依存しない→ 𝛻𝑎 log 𝑍 𝑜, 𝜃 = 0 ∴ 𝛻𝑎 log 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = −𝛻𝑎 𝐸𝜃 𝑜, 𝑎 ≈ −𝜀𝜃 𝑎, 𝑜, 𝑘 24

26.

DDPM①:ノイズの加算 • Denoising Diffusion Probabilistic(DDPM)の定式化 視覚運動制御を条件付きノイズ除去問題として再定式 ランダムなノイズを有意義なアクションシーケンスに繰り返し洗練することを学習 • 学習の準備:前方過程 正解の行動に、段階的にノイズを足していく 𝑞 𝐴𝑘𝑡 | 𝐴𝑘−1 = 𝒩 1 − 𝛽𝑘 𝐴𝑘−1 , 𝛽𝑘 𝐼 𝑡 𝑡 • q:ノイズを足す過程 • N :ガウスノイズ • β_k:格段でどれだけノイズを足すかのスケジュール • I :単位行列 𝐴𝑘𝑡 = 𝛼𝑘 𝐴0𝑡 + 1 − 𝛼𝑘 𝜀 • 途中を飛ばして、お手本 𝐴0𝑡 から「k段ノイズを乗せた状態」を一発で作れる • 𝛼𝑘 :βを掛け合わせた累積地 • 学習用に「ノイズの乗った行動」と「乗せたノイズの正解」のペアを大量生成できる 25

27.

DDPM②:「乗ったノイズ」を当てる • ネットワーク(𝜀𝜃 𝑨𝒕𝒌 , 𝑶𝒕 , 𝒌 ≈ 𝜀 𝒌 )に、行動に乗ったノイズを予測させる • 𝓛 = 𝑬𝑨𝒕,𝑶𝒕,𝒌,𝜀 𝒌 𝜀 − 𝜀𝜃 𝑨𝒕 , 𝑶𝒕 , 𝒌 𝟐 𝜀 :実際に乗せたノイズ 𝜀𝜃 :ネットワークが予測したノイズ 𝛻𝑎 log 𝑝𝜃 𝑎|𝑜 = −𝛻𝑎 𝐸𝜃 𝑜, 𝑎 ≈ −𝜀𝜃 𝑎, 𝑜, 𝑘 26

28.

推論:ノイズから行動を生成(ランジュバン) • 純ノイズから出発して、少しづつ「良い行動」へ • 𝐴𝑘−1 = 𝛼 𝐴𝑘𝑡 − 𝛾𝜀𝜃 𝑂𝑡 , 𝐴𝑘𝑡 , 𝑘 𝑡 + 𝜎𝑘 𝒩 0, 𝐼 𝛾 :一歩の大きさ 𝜎𝑘 𝒩 0, 𝐼 :毎回加える小さな揺らぎ 𝛼 :スケジュール係数 今の行動𝐴𝑘𝑡 から、予測ノイズ𝜀𝜃 を 𝛾倍だけ引き、少しだけ揺らす エネルギーの低い方へ一歩下がる(ノイズ付き勾配降下) • 多峰性が保てる理由 出発点のノイズが違えば、別の谷(別の正解軌道)に落ちる=平均化しない。 27

29.

連続なアクションチャンクをまとめて生成 • 従来(RT-1,RT-2)のモデル 行動を256ビンに離散化して、1ステップづつ出力 →離散化誤差、モード間の振動でがたつく、遅延に弱い • DiffusionPolicy 連続空間で「行動系列(アクションチャンク)」を一括生成 1回の推論でTp ステップ先まで予測 • 時間的に一貫した滑らかな軌道 𝐴𝑡 = 𝑎𝑡 , … , 𝑎𝑡+𝑇 𝑝 − 1 • 高次元でも扱え、滑らかで時間的に一貫した軌道 Receding Hrizon • まずTp ステップ先まで予測し、そのうち先頭のTaステップだけ実行 ◆ 反応性、環境変化への追従 ◆ 論文では、16ステップ先まで予測し、先頭の8ステップだけ実行 28

30.

ノイズ予測ネット𝜀𝜃 の中身 • アーキテクチャ(ノイズ予測(𝜀𝜃 )) CNNベース • 時系列の行動シークエンスを生成するための、時間方向の1次元畳み込み(1D CNN)、頑健で使いやすい • FiLM 𝑥 = 𝛾 ⊙ 𝑥 + 𝛽 Transformer • 複雑なタスク(急な方向転換が求められるタスクなど)に強いminGPTベースのTransformer 29

31.

DiffusionPolicyの結果とまとめ • プッシュTタスク 30

32.

DiffusionPolicyの結果とまとめ 31

33.

DiffusionPolicyの結果とまとめ • まとめ DiffusionPolicyはVLAではない 言語やweb知識を使わない 「行動の出し方」を変えた研究 • 連続生成の仕組みがVLMと合体して、次のπ0に 32

34.

汎用ロボット基盤モデル:π0(2024, Physical Intelligence) • π0: A Vision-Language-Action Flow Model for General Robot Control 33

35.

汎用ロボット基盤モデル:π0(2024, Physical Intelligence) • 代表タスク 洗濯物たたみ テーブルの片付け ダンボールの組み立て 少量品の箱詰め 5~20分の連続行動 • 高レベルの言語分解 「洗濯物を畳む」を受け取り、「ナプキンを取る」などのサブタスクに分解 • 長期タスクの成功率の底上げ • 学習データにない状況での汎化性能 複数の皿を重ねて、まとめてバケツにいれる 皿の上のゴミを落としてから片付ける 箱が崩れないよう、両腕やテーブルを使って支える 34

36.

モデルアーキテクチャ • 全体構造:大きなVLMバックボーン+小さなアクションエキスパート • 入力 𝑜𝑡 = 𝐼𝑡1 , … , 𝐼𝑡𝑛 , ℓ𝑡 , 𝑞𝑡 • 出力 𝐴𝑡 = 𝑎𝑡 , … , 𝑎𝑡+𝐻 − 1 , 𝐻 = 50 35

37.

Flow matching • 拡散DDPMとの違い 拡散:ノイズ→データを多数の確率的ステップで戻す Flow Matching:ノイズ→データを繋ぐ「速度場𝑣𝜃 」を学ぶ • 速度場:各地点、各時刻でどちらへどれだけ動くかを表す • 𝑣𝜃 は行動そのものではなく、進む「向き(速度)」を返すニューラルネット • 直線的な経路が使え、わずか10ステップで生成→50Hz ◆ 従来の拡散モデルでは、ノイズを除去する過程が複雑 • 同じ初期ノイズなら決定論的→起動が滑らか • 𝑑𝐴𝜏𝑡 𝑑𝜏 = 𝑣𝜃 𝐴𝜏𝑡 , 𝑜𝑡 𝐴𝜏𝑡 :流れの途中状態(τ=0 でノイズ、τ=1 で完成行動) 左辺 𝑑𝐴𝜏𝑡 は「状態がどれだけ速く変わるか」= 速度 (𝑣𝜃 に等しい) 𝑑𝜏 • 「今どこにいて時刻いくつか」を入れると「進むべき向き」が返る 36

38.

Flow Matching② • 推論:速度場に沿って積分 純ノイズ A0t から出発し、10回繰り返して行動チャンクを得る • 𝐴𝜏+𝛿 = 𝐴𝜏𝑡 + 𝛿 · 𝑣𝜃 𝐴𝜏𝑡 , 𝑜𝑡 𝑡 δ=1歩の刻み幅(=0.1、計10歩) 今の途中状態 𝐴𝜏𝑡 に、その場の速度 𝑣𝜃 を δ 倍だけ足して次の状態 𝐴𝜏+𝛿 へ進む 𝑡 • これを繰り返すのが Euler 積分(ODE を離散的に解く) 純ノイズから始め、10ステップで滑らかな行動チャンクが完成。 • 拡散より少ないステップ → 最大50Hz の高頻度制御 37

39.

Flow Matching③:学習 • 正しい速度場の学び方 ノイズと正解行動を真っ直ぐ結ぶ経路を作る • 𝐴𝜏𝑡 = 1 − 𝜏 𝜀 + 𝜏 · 𝐴𝑡 ノイズ ε(τ=0)と正解行動 At (τ=1)を結ぶ直線上の点 τ を 0→1 に動かすと経路をなぞる • 𝑢 = 𝐴𝑡 − 𝜀 その直線の“速度”=一定ベクトル 𝐴𝑡 − ε • どの点でも「ノイズから行動へ」向かう向き • ℒ = E𝜏 𝑣𝜃 𝐴𝜏𝑡 , 𝑜𝑡 − 𝑢 2 各 τ で速度 𝑣𝜃 を u に一致させる回帰(二乗誤差の平均) 学習後は前ページの積分で行動が出る 38

40.

学習方法とデータセット • 2段階の学習 Pre-training:多様・大規模データで「言語に従う汎用ベース」を Post-training:少量・高品質なタスク特化データで訓練 • Pre-trainingデータ 自前データ:約1万時間=約9.03億タイムステップ、7種のロボット構成・68タスク オープンソースデータ(約9000万タイムステップ) • Post-trainingデータ 各下流タスクに1〜10時間程度の高品質データでFine-tuning • 洗濯物畳、箱組み立てなど 39

41.

実験結果:ゼロショット・Fine-tuning・長時間タスク 40

42.

実験結果:ゼロショット・Fine-tuning・長時間タスク 41

43.

実験結果:ゼロショット・Fine-tuning・長時間タスク 42

44.

π0まとめ • 汎用性の進歩 単一モデルで様々なロボットプラットフォームに渡って、多様なタスクを実行可能 クロスエンボディメント学習 • ゼロショット能力 タスク固有のファインチューニングなしで、多くのタスクを実行可能 • 言語理解 • 行動表現 フローマッチングの有効性 43

45.

参考文献(元論文) [1] SayCan (2022.4) M. Ahn et al., “Do As I Can, Not As I Say: Grounding Language in Robotic Affordances,” arXiv:2204.01691, 2022. (Google Robotics / Everyday Robots) [2] RT-1 (2022.12) A. Brohan et al., “RT-1: Robotics Transformer for Real-World Control at Scale,” arXiv:2212.06817, 2022. (Google DeepMind) [3] RT-2 (2023.7) A. Brohan, B. Zitkovich et al., “RT-2: Vision-Language-Action Models Transfer Web Knowledge to Robotic Control,” arXiv:2307.15818, 2023 (CoRL 2023). (Google DeepMind) [4] OpenVLA (2024.6) M. J. Kim et al., “OpenVLA: An Open-Source Vision-Language-Action Model,” arXiv:2406.09246, 2024 (CoRL 2024). [5] Diffusion Policy (2023.3) C. Chi et al., “Diffusion Policy: Visuomotor Policy Learning via Action Diffusion,” arXiv:2303.04137, 2023 (RSS 2023). [6] π0 (2024.10) K. Black et al., “π0: A Vision-Language-Action Flow Model for General Robot Control,” arXiv:2410.24164, 2024. (Physical Intelligence)