知的障害の子どもを持つ保護者への情報提供資料_02_進路

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August 01, 23

スライド概要

知的障害のある子どもを持つ保護者に対して有用と思われる下記の情報提供内容をまとめております。

2.進路について
(一般就労、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労移行支援、生活介護)

このスライドは12の内容のうちの1つです。全ての内容を参照される場合は下記のURLにアクセスしてください。
https://www.docswell.com/s/7480727/5387NL-2023-08-01-084137

知的障害特別支援学校にのみならず、保護者さまや知的障害の方に関わる仕事をされている方にも広くご利用いただければと思います。
資料については自由に改変いただけますが、営利目的での使用および再配布はご遠慮ください。
なお、内容においては、書籍や政府機関の情報を参照して細心の注意を払って作成していますが、制度の変更や万が一の誤記等によって内容が正しくない恐れがあります。
また、本内容に基づいて情報提供を行い、不利益が生じた場合の筆者は責任を一切負いません。

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兵庫教育大学大学院における修士論文執筆に際して作成した資料を共有しています。 研究において分析した知的障害の子どもを持つ保護者の持つ不安に対して応える内容をまとめております。 知的障害特別支援学校にみならず、保護者さまや知的障害の方に関わる仕事をされている方にも広くご利用いただければと思います。

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各ページのテキスト
1.

進路について 事例 Aさんは一般就労を望んでいますが、実習では仕事 をする力は十分だと評価された一方で、自分のやり 方で仕事を進めてしまう傾向があったり、ゲームを やりすぎて寝過ごし、始業に遅れてしまったりと卒 業後すぐに就労するには保護者と担任のどちらも不 安を覚えていました。 話し合いの結果、まずは就労移行支援で社会人の マナーや仕事をする上で重要なことを学び、将来的 には就労定着支援を受けながら一般就労を目指すこ とにしました。

2.

進路について(基礎知識) • 雇用契約の有無について 一般就労または就労移行支援A型で働く場合、雇用契約を結び ます。雇用契約を結んで働く場合、最低賃金以上の給与が保証さ れます。また、雇用保険や労災保険に加入し、保険料を納付する ことが必要ですが、失業時に一定の条件を満たしている場合は求 職者給付(失業保険)を受け取ることができます。 雇用契約がない場合は、最低賃金の保証はなく、福祉事業所で 得られた利益を利用者で分配する工賃という形で支払われます。 • 進路先としての福祉サービスの利用について 生活介護を以外の区分では障害支援区分に関わらず、利用でき ます。福祉サービスであるため、利用料の負担が必要ですが、本 人とその配偶者の年収で自己負担額が計算されるため、自己負担 無しで利用できる人がほとんどです。

3.

進路について • 一般就労 民間企業等での就労を指します。法定雇用率が2021年には2.3%でしたが、 2026年には2.7%まで引き上げられる予定であり、それに合わせて当面は求 人も増えていくと思われます。なお、法定雇用率の算定では2名の短時間勤 務者で1名のフルタイム勤務者として計算するので、短時間勤務者としての 採用もありえます。 障害理解は企業によって様々ですが、事業所に障害のある方が5名以上雇 用されている場合、仕事や職場の人間関係をサポートする障害者職業生活 相談員の選任が義務付けられます。雇用されている障害者が多い企業ほど 配慮が得られやすい可能性は高いと考えられます。 給与:雇用契約が有り、最低賃金以上を保証されます。 フルタイム勤務で手取り11万円程度 5時間勤務で7万5,000円程度 勤務時間:フルタイム勤務(約8時間) 短時間勤務(4~5時間程度)

4.

進路について • 特例子会社での一般就労 特例子会社とは、雇用される障害者が5名以上かつ全従業員の2 割以上を占めることなどを要件に設立できる会社です。障害のあ る方が多くを占めるという前提で、職場環境や業務内容が決めら れているため、配慮が手厚く、働きやすい職場である可能性が高 いです。ただし、親会社は子会社を設立できるだけの規模を持っ ている必要があるので、特例子会社自体の数は多くありません。 給与:雇用契約が有り、最低賃金以上を保証されます。 フルタイムで手取り11万円程度 5時間勤務で7万5,000円程度 勤務時間:フルタイム勤務(約8時間) 短時間勤務(4~5時間程度)

5.

進路について ・就労継続支援A型 福祉サービスを利用するという形であるため、1割負担の利用料は かかりますが、就労定着支援A型は労働時間が短いことが多く、市 町村民税非課税世帯の収入を超えない場合が多いと思われます。そ の場合は自己負担無しに利用できます。福祉事業所であるため一般 就労よりも障害のある方に対しての支援や理解は手厚いと考えます。 給与:5時間勤務で7万5,000円程度 雇用契約が有り、最低賃金以上を保証されます。 業務を行う能力が十分でない場合に給与を減額できる特例は 存在しますが、適用される事例は少数であると思われます。 勤務時間:事業所で異なりますが、5時間前後が多いようです。 利用者と職員の比率:利用者7.5名または10名に対し職員1名

6.

進路について ・就労継続支援B型 福祉サービスとして事業所を利用する形となります。事業所として 仕事を請け負ったり、物品を販売したりして得られた利益を工賃とし て利用者で分配します。利用者数は2021年の時点で就労継続支援A型の 約4倍、就労移行支援の約9倍であり、多くの方が利用しています。事 業所の数が多く、仕事内容や事業所の雰囲気が多様なため、利用に際 しては、複数の事業所の見学をお勧めします。 工賃:工賃の平均金額は14,000円程度です。 なお、1年間の収入を12ヶ月で割った金額が 最低3000円以上になる規定があります。 利用時間:半日程度からフルタイムと様々です。 利用者と職員の比率:利用者7.5名または10名に対し職員1名

7.

進路について ・就労移行支援 福祉サービスとして事業所を利用する形となります。原則2年 以内の就労を目指して訓練を行う事業所です。就労を目指すため の訓練が十分に実施されるように利用者に対する職員数が多いと いう特徴があります。一般就労ができた後は、就労定着支援が実 施されるため、職場への定着を促す取り組みにつなげられます。 工賃:ない場合が多い 勤務時間:事業所で様々 利用者と職員の比率: 利用者6名に対し職員1名 利用者15名に対し就労移行支援員1名

8.

進路について ・生活介護 福祉サービスとして事業所を利用する形となります。利用者に対して職 員の数が多く、全体的にゆったりとした雰囲気の事業所が多い傾向があり ます。生産活動等(仕事)を少しでも行う事業所のが8割、ある程度行う 事業所が5割と仕事を自体を行わない事業所もあります。事業所ごとの雰 囲気も異なるので利用に際しては複数の事業所の見学をお勧めします。な お、生活介護のみ障害支援区分3以上(50歳以上は2位上)の要件があ り、満たしている方のみ利用できます。 工賃:ないもある(生産活動等に参加した場合は支払われる) 利用時間:半日程度から一日中と様々 利用者と職員の比率: 利用者の平均障害支援区分 職員1名に対する利用者の人数 4未満 6名 4以上5未満 5名 5以上 3名