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February 03, 25

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1.

Tellmee 農業初心者の頼れる”AI(相)”棒に 九大 航空宇宙工学科B2 中西俊太郎 ×

2.

農業の課題 ● ● ● 農業従事者の減少と高齢化により、省力化と生産性向上が必須。 環境データを活かした栽培管理は農業とデータ分析双方の専門知識が 必要で、活用できる農家は少ない。 環境モニタリングによる省力化、トラブル防止は普及しているが、デ ータを活かした栽培改善や生産性向上は進んでいない。 2

3.

「データを取ったがうまく活用できない」という課題を解決する! ● Tellmeeは、環境データ(例: 温度、湿度)を”AI(相)”棒が栽培マニュアル を参考に自動的に分析して、適切な栽培管理方法を提案・支援する。 農家が自分でデータ分析 栽培管理を改善 環境データ ここが最も難しい Tellmee 3

4.

Tellmeeの強み 農家の気づきをもらうことで成長することができる。 農家は自身の圃場の特性や栽培経験を理解した ”AI(相)”棒 とともに、生産性の高い農業を実現できる! 4

5.

中間発表以降の取り組み ● Reactでフロントエンド / Python FastAPIでバックエンド構築 (画像入力、ストリーミングにも対応) ● セラク みどりクラウドの農業データ分析APIによる環境データ分析 ● 生成AI APIをOpenAIからAzure OpenAIへ移行 ● AIで生成するレポートの質を向上 ● UXの深掘り: 「Tellmeeを農家の頼れる相棒とするには?」 5

6.

アプリケーション構成図 6

7.

Tellmee実装画面 圃場環境データ 分析グラフ 圃場環境データ 分析レポート 7

8.

課題: 画一的な提案しかできない • 発芽直後なのに、「もう追肥が必要」と言ってくる... • 水耕栽培をしているのに、土壌改良の話をする... • 資金の余裕がないのに、高額な設備投資を進めてくる... 個々の農家ごとの事情に合わせてくれない!! 8

9.

未踏的課題 生成AI 基盤モデルのFine Tuningでは、 新しい知識を覚え込ませることは難しい。 AIに知識を覚えこませることなく、継続的に Tellmeeの振る舞いを改善させるには? 9

10.

農家の “気づき” による 使い込むごとに賢くなるAI 10

11.

レポートを個々の農家の事情に合うものにする気づき 役割: マニュアルに記載されていない各農家の独自の知恵や技術、要望を抽出して、各農家 の事情に合わせた提案をする。 例: ”AI(相)”棒の提案 「病害虫が発生しているようであれば、すぐに殺虫剤を散布をしてください。」 農家によるフィードバック 「有機栽培を行っているため、化学的殺虫剤は散布できません。」 農家によるフィードバックを踏まえた”AI(相)”棒の提案 「重曹を使ってみたり、病害虫が発生している葉の除去を行ってたりしてはどうでし ょうか。」 11

12.

視覚的情報を補うための気づき センサデータだけでは、 ・生育ステージ(成長初期、開花期、収穫期)が分からない。 ・健康状態が分からない。 ”AI(相)”棒は視覚的情報を持っていない! 農家に圃場の状況を入力してもらう必要がある。 12

13.

使い始め 使い込むごとに、気づきの情報がどんどん 蓄えられていく! 13

14.

農家の気づきを組み、蓄積するレポート作成 栽培マニュアル センサーデータ 作物の様子 蓄積 農家や圃場固有の情報 ”AI(相)”棒 蓄積 14

15.

“気づき”を組み込んだレポート生成フローの詳細 1 Planner レポート生成に必要なサブタスクを構築 サブタスク 2 イチゴの栽培状況に関するデータを整理し、直近 1週間の気温、日射量、CO2濃度のデータを収集 サブタスクに対応した 過去の“気づき”を検索 各データの数値を分析し改善が必要な数値を特定 ・・・ 3 分析レポート Executer 4 対応する”気づき”を プロンプトに挿入 “気づき”を反映したレポートの生成 15

16.

“気づき” 検索における課題 ● サブタスクと”気づき”は、単純な埋め込みやキーワードでは近くなら ない場合がある 例) 各データの数値を分析し改善が必要な数値を特定。 VS 気温は、昨年は27℃にすると収量が上がった。 ● ほぼ同じ内容で微妙に数値が異なるなど、使うべきタイミングの異な る類似した”気づき”が存在する可能性がある 低EC(EC0.5程度)にした方が良い。 例) 高EC(EC0.9程度)にした方が良い。 生育ステージによって、 気をつけたい数値が違う

17.

HyDE(仮説的文書埋め込み)※ サブタスク 湿度を60~70%に保つため、加湿 器の運転状況を確認し、調整する。 農家の情報 農家の栽培環境 栽培品種 レポート生成時の生育ステージ AIが生成した回答 ①サブタスクに関係す る人間の”気づき”をAI で仮想的に生成 湿度を適切に維持することは、特に開花期 には重要ですので、加湿器の設定を見直し、 必要に応じて調整するようにしてほしいで す。また、病害のリスクが増すため、注意 するようにしてください。 ② 検索 ベクトルDBから参照する文章 サブタスクと”気づき”という文脈や 文体の違う文章を、仮説的文書によ り結びつけることができる 開花データを分析して、現在の湿度管理が適切かどう か評価してほしいな。 特に病気予防の観点から、換気タイミングの最適化案 も提示してくれるとありがたいよ。 ※ Liyu, et.al., 2022 17

18.

ベクトルDBの文章を生育ステージでフィルタリング 課題 生育ステージごとに、参照したい”気づき”が異なるが、両者は類似した内容と なるため、検索が難しい。 →農家に生育ステージを入力してもらい、現在のステージでフィルタをかける。 成長初期のレポートではこちら だけを参照するようにしたい。 検索クエリ:適切なEC のアドバイスを行って ほしい。 成長初期 農家「低EC(EC0.5程度)にした方が良い。」 コサイン類似度が両方高い。 収穫期 農家「高EC(EC0.9程度)にした方が良い。 」 生育ステージに合った情報のみが参照される。 18

19.

気づきの効果 気づきを入力した後のレポート(抜粋) 参照した農家の気づき 「暖房の設定と葉の変色の関係を調べて、結露が原因 の葉のダメージを防ぐ方法を考案してください。暖房 管理の改善策と注意が必要な場所を示したレポートを 作成してください。」 19

20.

農家が簡単に気づきを入力することができるようにする必要がある 毎回テキストで気づきを入力するのは面倒くさい。 初心者はどんな気づきを入力すれば良いか分からない。 気づきを入力する頻度が低くなる。 気づきの質が悪くなる。 一定の質の気づきを簡単に入力することができるようにする必 要がある! (特に視覚的情報は頻繁に入力してもらえるようにしたい。) 20

21.

選択式の質問による状況把握 ・AIがマニュアルと過去の選択を もとに、選択肢を自動で選択する。 ・AIの選択と農家の認識が異なっ たら、農家は、選択肢を変更する。 ・農家が選択を変えた場合、それ はAIが認識する状況と実際の状況 の差異を表すので、選択肢が変更 された履歴を、将来のレポート作 成に活かすことができると考えて いる。 (活用方法を検証中) 21

22.

農家が葉の変色ありと入力した場合のレポート 葉の変色への対策を教えてくれる! 22

23.

未踏期間での成果 個々の農家に合わせて、提案を継続的 に改善し、頼れる相棒のような体験を 提供するAIの開発ができた。 Tellmee 常に見守って くれている! 23

24.

実用化に向けた課題 ● ユーザーテスト ● センサデータを取得する機器とのリアルタイムでの接続 24

25.

資料:リフレクションとは LLMの回答に対してフィードバックを行うことで、回答を改善していく仕組み プロンプト LLM 回答 ユーザー フィードバック LLM ユーザー 25

26.

資料:詳細なフロー 使い続けると、リフレクションがたまっていく 26

27.

資料:AIによるリフレクション 役割: レポートのファクトチェックをする。 レポートの足りないところをマニュアル全文を使って補う。 実際に生成されたリフレクションの例: 日中のピーク時における光合成ポテンシャルの変化を追跡し、適 切な環境制御を行うための具体的なアクションを考えるべきです。 27

28.

資料:農家によるリフレクション 役割: マニュアルに記載されていない各農家の 独自の知恵や技術、要望を抽出する。 例: マニュアル 「温度は20℃で、CO2濃度を700ppmに して光合成を活性化してください。」 農家 「曇天が続く場合や気温が高すぎる時は 逆効果となるため、適用する際には注意 して。」 28