自分が変化の起点となる 〜強いQAを演じる行動と葛藤〜

867 Views

September 14, 25

スライド概要

CO-LAB Tech Night vol.3 QAエンジニアの未来を関西でも語りましょう Vol.3

profile-image

大阪のテスターです

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

自分が変化の起点となる 〜強いQAを演じる行動と葛藤〜 CO-LAB Tech Night vol.3 QAエンジニアの未来を関西でも語りましょう 2025.9.24 Short Session(15min) やまずん Dirty Tester バキバキQA

4.

JaSST’25 Kansai行った人〜? 4

5.

関西のQAの未来について議論したらしいですね^^ 5

6.

私抜きでな 6

7.

やまずんとは ⚫ バキバキQA/Dirty Tester ⚫ 外資系SaaSのQAエンジニア ⚫ 大阪のテスター ⚫ 認定スクラムマスター ⚫ 所属(コミュニティ) ⚫ testingOsaka 主催 ⚫ スクラム祭り 実行委員 ⚫ バキバキQAチャンネル 7

8.

そもそも未来ってなんなの? ⚫ 考えてみたけど、よくわからなかった(すみません) ⚫ 今があって、未来があり、過去になる ⚫ ある時点を未来としたら、それはやがて過去になるよな ⚫ そもそもここで言ってる未来って相対的な気がする ⚫ 誰かにとって私は未来だし、私より未来な人にとって私は過去です ⚫ だから、本来的に必要なのは絶えず適応することだと思う ⚫ 適応とは時に「変化」することだとも思う ⚫ だから「変化」にどう向き合ったかをテーマに話すよ 8

9.

この発表の注意 ⚫ 所属する団体や世の中のQA・テスターの見解を代表する ものではありません ⚫ やまずんは自分のことしか代表しません ⚫ 結果自分語りになりました ⚫ 受け取り手の人にとっては当然かもしれないです ⚫ レベルの低い話かもしれないです ⚫ (資料を後で見る人向け)スライドに記載された内容が全 てではなく、口頭で補足した内容もあります 9

10.

コンテキストの共有 10

11.

転職した 11

12.

内定もらった 12

13.

1人目QAへの道 30人目QAへの道 13

14.

1人目QAへの道 30人目QAへの道 14

15.

30人目QAとして採用された時の課題感 ⚫ 既にいるQAエンジニアが伸び悩んでいる ⚫ テストの技術に関する改善が進んでいない ⚫ 会社として組織的な品質保証が十分ではない 非公開 ⚫ QAのリーダー層の不在 ⚫ 組織をサイロ化から解き放って欲しい ⚫ 「お前は揉めるだろうから鉄砲玉として丁度いい」(意訳) 15

16.

30人目QAとして採用された時の課題感 ⚫ 既にいるQAエンジニアが伸び悩んでいる ⚫ テストの技術に関する改善が進んでいない ⚫ 会社として組織的な品質保証が十分ではない 変化を必要としていた ⚫ QAのリーダー層の不在 ⚫ 組織をサイロ化から解き放って欲しい ⚫ 「お前は揉めるだろうから鉄砲玉として丁度いい」(意訳) 16

17.

30人目QAの葛藤 17

18.

私の存在は現状の否定である 「問題を見つける」「課題を解決する」は現状の否定 • QAが29人いる中でリードが入ったらどう思うよ? • 最初から「怖い人」というバイアスがある(それは事実だけど) • 私のミッションは「現場を変えたい」というマネージャーの思いと「実 際の現場」の板挟みになりつつも、現場を変えること やまずんは鼻つ まみ者 • 私が傷つくことは目に見えている だからといって「慣れるまで様子を見ておこう」では話にならない • 慣れていなくても現実の仕事は動いている • その会社に入った時点でその会社の働きに責任がある 18

19.

変化をするためには力が必要 ⚫ 力を必要だと思った(闇堕ち) ⚫ 必ずしも力が必要だとは限らないけど私はそう思った(なんやねん) ⚫ 「力人」という期待を背負って採用された事実 ⚫ 「どうしたらいいかわからない」に対して、明確に教えたり、 フォースの力 導く人が必要だった 期待された強いQAエンジニアとしてふるまう 決して欺瞞ではなく“演じる”という覚悟 19

20.

変化の起点となるための つよつよQAである雰囲気を どうやって出しているか そしてその葛藤を伝えます 20

21.

この発表のゴール • 強いQAっぽいふるまいをす るにはどうしたらいいかにつ いてアイデアがある • その副作用としてどんな葛藤 があるか知る 21

22.

力の三本柱 この白いの誰だ よ 信頼 実力 実績 22

23.

信頼のために必要なマインドセット 23

24.

オープンであること 頼まれなくても仕事の開示(times) ⚫ 日報をつける(頼まれなくても) ⚫ 今日やったこと、明日やること、など ⚫ 週報をつける(頼まれなくても) ⚫ 対処している課題、今週の成果、来週の目標、など 「自分大好き」 ですねって言わ れるよな ⚫ 社内のタレマネツール(カオナビ)を毎月更新(頼まれなくても) 頼まれなくてもキャラクターの開示(Confluence) ⚫ 自分の説明書を書く ⚫ 自分の品質に関わる哲学を書く ⚫ 社内で起きた様々なものごとについて、自身の品質の哲学から語れ ることを随時発信 24

25.

オープンであること 仕事の開示(times) ⚫ 頼まれなくても日報をつける ⚫ 今日やったこと、明日やること、など 最も大切なのは、この程度のことで ⚫ 頼まれなくても週報をつける ⚫ 対処している課題、今週の成果、来週の目標、など いちいち時間をかけないこと 「自分大好き」 ですねって言わ れるよな ⚫ 頼まれなくても社内のタレマネツール(カオナビ)を毎月更新 普段から言語化能力を磨いておく 頼まれなくてもキャラクターの開示(Confluence) ⚫ 自分の説明書を書く (生成AIを使うかどうかは諸説ある) ⚫ 自分の品質に関わる哲学を書く ⚫ 社内で起きた様々なものごとについて、自身の品質の哲学から語れること を随時発信 25

26.

越境すること 思いついた人全員と1on1する ⚫ 基本は1on1ですぐ仲良くなれる ⚫ (越境してはいけない気難しい人を識別する狙いもある) 職能からの越境 ⚫ QA以外の人とも話す。というかQA以外からの信頼がカギ。 僕も国を超えて 愛されている ね! ⚫ 相手の専門性で解決できる課題に深く共感する ⚫ 「どんなタスクをするか」ではなく「どんな貢献をしているか」を理解する ⚫ 自分は相手の分野では素人であるが、自分の分野ではプロでもある自覚を持つ 自分より高い視座を持つ ⚫ いわゆる「お手なみ拝見」で、与えられた役割をこなすのは当然 ⚫ そうしながら組織としての重要な課題を識別する ⚫ 自分より高い視座で識別した課題は、自分より高い視座で解決できるよう 26 巻き込む

27.

協調すること 人間関係構築の基本中の基本 ⚫ 自己開示・傾聴・単純接触効果 プロとして、プロに対してアドバイスを求める ⚫ 共通の課題に対して、プロとしての相手やチームが必要であることを自覚 する ご主人様と協調 しよう! ⚫ 頼れる人は頼る、もちろん自分にも頼らせまくる(健全なGive&Take) 自分でボールを拾う ⚫ そして自分でボールを持ちすぎない ⚫ ただ単にボールを渡すのではなく、サインボールくらいにして渡そう ご機嫌取りは協調ではない ⚫ 時には正直に挑戦的なふるまいもする ⚫ これはその人のタイプによる。私がそうだっただけ。 27

28.

葛藤:こういったマインドセットは危険ですよ 心理的安全性を作るために自ら危険地帯に飛び込む 非公開 ⚫ 否定されるし、バカにされるし、阻害される。 ⚫ それらの不安に苛まれる。 ⚫ 「それでいいの、それでもやるの」 チームが「サイロ化」しないための仕掛け(増補版) https://speakerdeck.com/miwa719/timuga-sairohua-sinaitamefalseshi-gua-ke-zeng-bu-ban ⚫ 「本当に?」 「エッジ理論」と言えば聞こえばいいが、ただのわがままやエゴでないかのバロメー ターはどこかで持っておく ⚫ 同僚でもいいし、家族でもいいし、生成AIでもいい ⚫ できれば伴走できるカウンセラーがいるといいかもね 自分の中にHRTを宿す(謙虚・尊敬・信頼) ⚫ それによってただの逸脱者か変化の起点になれるかが決まる 28

29.

テスターとしての実力 29

30.

そもそもテストの技術は使えて当然です ⚫ テストは単なる作業やタスクではなく「エンジニアリング」である ⚫ よくある「テスターがテストする」「プログラマーもテストする」は表 層的な動きでしかない ⚫ 本当にプロのテスターとして考えるべきなのは「合理的な理由で合理的 なテストが計画され、実行されているかどうか」 お金もらってる なら当然やろう な ⚫ テストには「技術」があり、技術をきちんと理解して、そのコンテ キストに合致する形で適用する ⚫ それができて初めてプロのテスターと言える ⚫ テストは手段であり、目的は品質保証 ⚫ であることを認知した上で、手段に対するオーナーシップを持つ ⚫ 目的に着目することは手段から逃げていい理由にならない 30

31.

例:テストに透明性を入れる ⚫ 「テストとして第三者の目線を入れる」ってよく言われるよ ね ⚫ 「テストの独立性」について組織的に議論し、適切なものになっ ているかは考えたほうがいい スクフェス三河 でテストの話を している奴がい る ⚫ テストの透明性を考えよう ⚫ インプロセスQAの場合、「QAさんが何か考えてくれてます」 は言い訳だと考える ⚫ テスト計画・テスト戦略・テスト設計の開示 ⚫ ただ単に基本的なテストマネジメントをやるだけです 31

32.

トレンドを追いかけ、軸を別で持つ 「トレンドがある」をそれを知ってもらうのも大事 ⚫ 「テスト自動化」「インプロセスQA」「生成AI」 ⚫ トレンドを採用するメリットは、多くの人々がアンチパター ンを踏むこと(他山の石) 白くて丸いのは トレンドだよ ね! ⚫ トレンドを表面的に追うだけでこれらのアンチパターンまで追え てない人々ではないか? 専門家としての自分の軸を持つ ⚫ これらのトレンドに対して、正しい距離感で、自分の言葉で 考えられるような「軸」が必要 32

33.

例:「生成AI」というトレンドに対して(25/09) ⚫ 「テストに生成AIを使う」という視座→使って当たり前、FLを回せ! ⚫ (個人レベル)全ての活動で使える。当たり前。慌てずに使いこなせばいい。 ⚫ 何が生成されればよいかをプロとして正しく判断できるなら何も問題ない。 ⚫ 「ただ代替する」ではなく、使う過程で新たな価値が生まれないかという視点は捨てない ⚫ (組織レベル)生成AI製品と同じような関心を払う必要がある(データの重要性など) 僕もある意味AI であるよね! ⚫ 「生成AI製品のテスト」という視座→考えてやれ! ⚫ 生成AI製品特有のプロダクトリスクはある ⚫ 「生成AIを使った開発に対するテスト」という視座→実力をつけろ! ⚫ 生成AIエージェント活用によるエラー(JSTQB用語)はある ⚫ プロダクトのアウトプットが早くなり、数も増える ⚫ 結局対応する品質保証・テストの技術は考え、実装しないといけない 33

34.

葛藤:常に社外のつよつよと比較されるよ ⚫ 「あの人はカンファレンスでこういってたから!」 ⚫ 「あの本ではこれが正解だって言ってるから!」 ⚫ 常に比べられるし、自分が誤っていたら誠実に対応する ⚫ 何が正しいか、何が誤ってるかもコンテキスト次第 ⚫ 「スタンスを取る」ことはリスクを取ることでもある 34

35.

期待以上の貢献をして実績を作る 35

36.

チームの一員になったら成果を出す(全員参加) いい品質のプロダクトを作るためにはいいチームを作らないとな ⚫ スクラムイベントにだって主体的に参加する(当たり前や) ⚫ ふりかえりを主導する ⚫ コーチングとティーチングを使い分ける やるからには結 果を出す チームにとって必要だったらなんでもやる ⚫ 「QAはテストだけではない」 ⚫ って言うこと自体もう時代遅れなのは感じる ⚫ チームとして必要なことをただやるだけ プロジェクトだってマネジメントする 自分が関わったチームは必ずいい感じにする (ただ、「タスクを取る」ことと「育てる」ことのバランスは考える) 36

37.

決まってないことを決める(プロセス重視) 品質保証の原則には「プロセス重視」「標準化」があるよね なにかも文書化すればいいわけではないが、必要なものは作る ⚫ QAとして ⚫ 品質についてきちんと言語化する。逃げない。 僕はランプの精 と決めました ⚫ QAエンジニアの期待も言語化する。逃げない。 ⚫ QAじゃなくても「できてないんだな」と感じたら何かする ⚫ 使われなくても、ゴミなってもしかたない ⚫ 数打って当てる覚悟 非公開 ⚫ ゴミにも最終的には責任持とうね、、 37

38.

アウトプットで正しいQA像を印象付ける ⚫ 率先して動き、アウトプットして、責任感が強いのがQA ⚫ その程度のことは当たり前にやる ⚫ 会社の明文化されたカルチャーやミッションを常に体現する。 その姿勢をオープンにする。 正しいQAになろ う ⚫ Slackのリマインドで毎日どのカルチャーを大切にしたかを書いて います。 ⚫ 技術ブログ書こうな ⚫ 社外でもアウトプットする ⚫ 発表だってする 38

39.

葛藤:「騒ぐのが得意なだけな人」 ⚫ アウトプットや成果のアピールが多いと言われがち ⚫ 実際そうだからもうどうしたらいいかわからない ⚫ 不言実行がかっこいい ⚫ という価値観があるのは知っているが、、 39

40.

コミュニティを通じて変わる 40

41.

コミュニティを通じて変わる って話をしたかったけど、 時間がないからスクラム祭りのセッションを見に来てください!! ごめんな 41

42.

結果どうなったか 42

43.

フォロワーが増えた ⚫ SNSのことじゃないよ ⚫ 「一緒に働きたい!」と言ってくれたQA以外にも私 に賛同してくれる人はできた フォロワーは大 事 ⚫ 私が何か言ったらやってくれる人もいる 43

44.

自分を起点に組織が少しづつ変わった ⚫ 自分から勉強する人が出てきた ⚫ 課題を発見して、解決のためにアウトプットする人 も これからに期待 ⚫ 自分の開発やテストのやり方に疑問を持つ人もでき た ⚫ 開発の標準を参考にしてくれる人もいた 44

45.

葛藤:本当の話 ⚫ 外部環境の変化もたくさんある ⚫ 外資にTOBされる ⚫ アウトカム志向への組織変更 非公開 ⚫ 「QAリード」という役割が爆誕、それに任命 ⚫ 「EM」という役割が爆誕、彼らと協調 ⚫ 私の演技が悪い方向に行くこともある ⚫ エンジニアとしての一意見が「QAリードの意見」として意図せず権威づ けされてしまう ⚫ 「やまずんがいるからテストの話や品質の話を勉強会でやりづらいです」 ⚫ 新卒対応 非公開 45

46.

まとめ 46

47.

結局変化の起点になれたのか? 47

48.

わからん 48

49.

今回の経験から言えること ⚫ 起点となるために実績と信頼を積まないといけない ⚫ フォロワーはできない ⚫ 周囲とも良い関係を築く必要がある ⚫ その過程で生じる様々な葛藤や困難に、自覚的に向き合うことも 今月は評価期間 やから 必要 ⚫ そうしないと心は壊れる 非公開 ⚫ それだけリスクをとってやっても見える形で評価されないかもし れないし、無駄になるかもしれない 49

50.

私の経験から言えること ⚫ 確固たる実力と実績を積まないといけない どんな行動をしようが関係なく 未来はやってきます ⚫ 周囲とも信頼関係を築く必要がある そして、現在は去っていきます ⚫ その過程で生じる様々な葛藤や困難に、自覚的に向き合うことも 必要 私は私のスタンスをこの発表を通して示しました ⚫ それだけリスクをとってやっても見える形で評価されないかもし みなさんはQAエンジニアの未来を れないし、無駄になるかもしれない どう生きるのが正しいと思いますか? 50