ある量子コンピュータ・エンジニアのキャリア紹介

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January 15, 24

スライド概要

量子プレイヤーとのキャリア相談会でのプレゼン
https://qsrh.jp/news/quantumcareerevent2024/

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大阪大学量子情報・量子生命研究センター Quantum Computer(QC) programmer/system software for QC/developing QC clouds 実用的な量子コンピュータを実現するため、ソフトウェアを開発しています。量子コンピュータ・クラウドの中の人。 量子コンピュータの面白さを多くの人に広めたいと思い、量子コンピュータの入門書、入門記事等を書いています。

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各ページのテキスト
1.

【量子プレイヤーとのキャリア相談会】 ある量子コンピュータ・エンジニアのキャリア紹介 2024/01/15(月) 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 特任研究員 束野 仁政(つかの さとゆき) 1

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自己紹介 つかの さとゆき @snuffkin ◆職業 • 量子コンピュータ・エンジニア • 量子コンピュータのシステムソフトウェア(基盤ソフトウェア) • 国産超伝導量子コンピュータのクラウドサービス ◆経歴 • • • • https://snuffkin.github.io/ 1998年 2000年 2000年 2019年 物理系の出身ではない 博士ではない 埼玉大学理学部数学科卒業 大阪大学大学院理学研究科数学専攻博士前期課程修了(修士) アクロクエストテクノロジー株式会社(ソフトウェア・エンジニア) 東京大学先端科学技術研究センター 学術専門職員など ➢ 量子コンピュータ向けのソフトウェア・ライブラリの開発 • 2022年~ 大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB) 特任研究員 ➢ 量子コンピュータシステムの研究・開発・運用 ➢ 量子ソフトウェア勉強会(QIQBが主催する学生・社会人向けの勉強会) 2

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学生時代まで ◆子ども時代 • 父(電気屋・電話屋。交換機のプログラミングとかしてた)の 影響で、パソコンに触れながら育つ • コンピュータ業界の急速な発展を見ながら育つ • 量子コンピュータとの関わり • 存在自体を知らなかった ◆学生時代 • 数学専攻(修士) • 「使える道具は何でも使う」精神に惹かれ、整数論という分野を選択 • コンピュータを使って、ベルヌーイ数に関連する計算をしたり • 量子コンピュータとの関わり • 学部の指導教官が暗号解読の研究者だったため、 Shorのアルゴリズムというのが存在するのは知っていた 3

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就職 ◆ソフトウェア・エンジニアに就職 • 世界を変えていく熱気に憧れ、IT業界に進んだ • 中小企業で、自分たちの責任範囲が広くて楽しかった • 分散システム、ビッグデータ、企業内情報検索といった IT業界では比較的新しい技術に関する仕事が多かった • オープンソース(OSS)の検索システムに関する書籍 「Elasticsearch NEXT STEP」を出版(共著) • GitHubからバッチを貰いました snuffkin 将来のため北極の地下にコードを保存 (数百万人) NASAの火星探査に貢献したOSS (約1万2000人) 4

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量子コンピュータが仕事になるまで ◆量子コンピュータとの出会い • IBMが量子コンピュータを公開(2016年) • 最初の頃は理解できなかった • 量子コンピュータを学ぶエンジニアの勉強会で 仲間ができる • 同人誌を作り、技術書典で頒布 • 「高校数学からはじめる量子コンピュータ」シリーズ • 「AWSではじめる量子コンピュータ」 • ネットや書泉グランデさんで購入できます • 雑誌に量子コンピュータの入門記事を寄稿 • 実機を使ったアプリケーションをクラウド公開 • Quantum Horoscope(量子星占い) 2019年~ https://www.quantumcomputer.tokyo/horoscope.html 量子コンピュータにハマった! 5

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量子コンピュータが仕事になるまで ◆仕事にしようと思い立つ • プログラマ公募のツイートがきっかけ • 量子コンピュータの発展に 内側から貢献したい ◆仕事をはじめてから • 量子コンピュータを本格的に学んだ (密度行列とか以前は分かっていなかった) • 量子トモグラフィのソフトウェアを開発(Quara) https://github.com/tknrsgym/quara • 「ラズパイ電子工作&光の実験で理解する量子コンピュータ」 (共著) 6

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課外活動 ◆量子コンピュータ・クラウド基盤gaqqie • 情報処理推進機構(IPA)の 未踏ターゲット事業に採択(2021年度) • 量子コンピュータ・クラウド基盤をOSSとして開発 ➢専門家のアドバイスを受けながら好きなテーマの研究ができた ➢未踏ターゲット事業の修了生は量子業界に残っている人が多い(阪大にも5名在籍) ◆「量子コンピュータの頭の中」(技術評論社, 2023年) • ビジネス書でも専門書でもなく、難しい量子力学は無しで、 計算したりプログラミングしたり、手を動かして理解する入門書 • 藤井さんに監修して頂きました • 384ページ。図が180個くらい 大学1年生くらいにオススメ 量子コンピュータの入門段階で つまづかないようにしたい 7

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最近の活動 ◆国産超伝導量子コンピュータ初号機を公開(2023年3月) • 理化学研究所、大阪大学等の共同研究の成果。研究者向けに公開 • クラウドサービスのソフトウェア周りは大阪大学が主に開発 提供:理化学研究所 8

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最近の活動 ◆国産超伝導量子コンピュータ3号機を公開(2023年12月) • 大阪大学等の共同研究の成果 • 量子ソフトウェアコンソーシアムのグループワークでの使用を開始 9

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これからの量子人材 ◆これまでの量子コンピュータ→チップ開発に重点 • 物理系の人材が多かった ◆これからの量子コンピュータ→システム化、エンジニアリングも • 【従来コンピュータの例】CPUは重要だが、CPU以外にも重要な要素は多い • 量子コンピュータのシステム化には様々な人材が必要 • 従来のコンピュータの専門人材は、量子コンでも活躍できる可能性が高い 中央の図(従来のコンピュータ) ・レイヤ化、標準化されている 右の図(現在の量子コンピュータ) ・量子コンピュータは、コンピュータの一種 ・レイヤ化、標準化が必要 ・従来のコンピュータの発展が参考になる https://cra.org/ccc/wp-content/uploads/sites/2/2018/11/Next-Steps-in-Quantum-Computing.pdf 10

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量子技術に向いている人(あくまでも私の周辺の話です) ◆学際分野に興味がある人 • 量子コンピュータの実用化には、従来のコンピュータと同じくらい幅広い研究が 必要 • 特定分野に縛られずに、学ぶ意欲のある人 ◆誰もやっていないことをやりたい人 • 新しいことにチャレンジするのが好きな人 (私の場合、いろいろ手を出した結果、出会いに恵まれた) • 課題だらけ、お手本がない状態でも、自分で決めながら前に進める人 ◆○○ x 量子 • 別の分野の専門性を量子技術に活かす 一緒に量子コンピュータを作りましょう! 11