2.2K Views
October 17, 23
スライド概要
CEATEC 2023のIPAブースでのプレゼン
大阪大学量子情報・量子生命研究センター Quantum Computer(QC) programmer/system software for QC/developing QC clouds 実用的な量子コンピュータを実現するため、ソフトウェアを開発しています。量子コンピュータ・クラウドの中の人。 量子コンピュータの面白さを多くの人に広めたいと思い、量子コンピュータの入門書、入門記事等を書いています。
量子コンピュータ・エンジニアのススメ 2023/10/17(火) CEATEC 2023 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 特任研究員 束野 仁政(つかの さとゆき) 1
自己紹介 つかの さとゆき @snuffkin https://snuffkin.github.io/ ◆所属 • 大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB) 特任研究員 量子ソフトウェア開発 量子コンピュータ・プログラマ ◆大阪大学QIQB 7つの研究開発課題 • 国家戦略「量子技術イノベーション戦略」 1. 普及とユースケース探索 量子技術イノベーション拠点のひとつ 2. 機械学習、金融アプリケーション ➢ 量子ソフトウェア研究拠点 3. 材料や化学、物性アプリケーション • 7つの研究開発課題に 4. NISQ基盤技術、誤り耐性量子計算 約50名の研究者が所属 5. 量子・古典を制御するクラウド 6. 汎用量子ミドルウェア 7. テストベッドの開発 2
自己紹介 ◆量子コンピュータのオープンソース活動 • 量子星占い(2019~) • 量子コンピュータの実機を使ったアプリケーションを 開発し、公開・運用中 • 基本的に毎日量子コンピュータを使ってます • 量子コンピュータ・クラウド基盤gaqqie(2021~) • 情報処理推進機構(IPA)の未踏ターゲット事業に採択 (2021年度) 量子星占い https://www.quantumcomputer.tokyo/horoscope.html ◆量子コンピュータの面白さを広める活動 • 「ラズパイ電子工作&光の実験で理解する量子コンピュータ」 (CQ出版社・共著) • 「量子コンピュータの頭の中」(技術評論社) ビジネス書でも専門書でもなく、難しい量子力学は無しで、 計算・プログラミング。手を動かして理解する入門書 384ページ。図が180個くらい 2023年6月に発売し、50館以上の大学図書館に所蔵 3
未踏の活動: 問題意識(当時) 量子コンピュータは増えたが、オープンソースのシステムが無い そのため、次のことができない 1. 一般の利用者 好きなライブラリで量子プログラミング 好きなデバイスで実行 2. 量子計算の研究室 さまざまなデバイスでの実行結果を一元管理 独自シミュレータも追加可能 3. 量子コンピュータの研究開発 少ない手間でクラウドサービスを公開し、低コストで運用 4
未踏の活動: 提案プロジェクト Gate-based Quick Quantum Infrastructure (gaqqie) 提案プロジェクト 量子コンピュータ・クラウド基盤(本事業で開発) デバイス管理 ユーザ管理 他社の実機とも 接続しやすい仕組み ユーザ 独自シミュレータ Webコンテンツ 実行結果 ジョブ管理 5
未踏の活動: 成果物の一部紹介 ジョブ一覧画面 ジョブのステータスや 実行しているデバイス名を表示 実行待ちのジョブは キャンセル可能 詳しい実行結果を ダウンロード サイドメニューから 画面遷移 複数のプロバイダ 6
未踏の活動: プロジェクトの課題・得られたもの ◆期間中の課題 • ハードウェアを作る側の視点が不足していた • 量子計算機アーキテクチャの視点が不足 →未踏ターゲット事業は、専門家から指導・助言がもらえる ◆得られたもの • プロダクト • OSSとして公開できた • 量子コンピュータに関する知識 • 専門家の指導・助言 • プロダクト開発を通じた調査 • 量子コンピュータの仲間 • 専門家と知り合える • 未踏ターゲット事業の採択者と知り合える • 量子コンピュータの面白さを広める活動 • 未踏会議や量子コンピューティング技術講座、本プレゼン等での講演 7
量子コンピュータシステムの研究・開発・運用を行っています ◆国産超伝導量子コンピュータ初号機を公開(2023年3月) • 理化学研究所、大阪大学等の共同研究グループの成果。研究者向けに公開 • クラウドサービスのソフトウェア周りは大阪大学QIQBが主に開発 提供:理化学研究所 8
大阪大学QIQBでの活動 ◆量子ソフトウェア勉強会 ◆実機のテストベッド 社会人・学生に対し、QIQBの専門家が 量子コンピュータのさまざまな側面を講義 (2023年度は16回の講義とグループワーク) 2023年度中に構築予定 量子チップ周辺のシステムの多くをQIQBが開発 国産部品を多く採用 NIKKEI Tech Foresight https://www.nikkei.com/prime/tech-foresight/article/DGXZQOUC086QS0Y3A800C2000000 9
量子コンピュータ・エンジニアのススメ ◆将来の夢 • 実用的な量子コンピュータを実現し、私たちの生活をより豊かにする ◆量子コンピュータをはじめるには、今はよい時期 • 量子コンピュータはまだこれからの技術 • 実用化には課題が多く、手つかずの領域も多い • 今から、量子コンピュータの発展に貢献してみませんか? 10