平安文様×花物語

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July 05, 26

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1.

平安文様 ×花物語 文様・花言葉・王朝物語 ― 分析レポート(出典:著作権フリーの古典文学) うさうさ研修工房 ナレッジベース資料

2.

王朝の花文化とは 平安貴族にとって花は、装束を彩る「文様」、人柄や心情を映す「花言葉的な見立て」、そして物語文学の題材という複数の 層で意味を重ねられた総合的な美意識の対象だった。本資料はこの三層構造を一枚の資料に統合する。 有職文様との結びつき 花言葉(見立て)の萌芽 藤・菊などは平安貴族の装束文様(有職文様)として様式化 された。 西洋のLanguage of Flowersとは別に、和歌的な花の見立 てが存在した。 物語文学との関わり 出典と著作権について 『源氏物語』『万葉集』などの古典に、花が象徴的に描かれて いる。 引用元はいずれも成立から千年前後を経たパブリックドメイ ン文献。

3.

桜(さくら) Sakura | 出典:源氏物語「花宴」 平安文様との関わり 国風文化の中で梅に代わり桜が愛でられるようになり、貴族の装束・調 度に桜文様が定着した。 有名物語のエピソード 『源氏物語』第八帖「花宴」では、宮中の桜花の宴で光源氏が朧月夜と 出会い、後の物語を大きく動かす契機となる。 出典:源氏物語(11世紀初頭成立) 花言葉:精神の美・優れた美人・純潔 伝統色 淡紅色 #FADADD 濃紅色 #C2185B 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

4.

梅(うめ) Ume | 出典:飛梅伝説(大鏡ほか) 平安文様との関わり 遣唐使が伝えた中国文化の影響で、貴族に最初に愛でられた花として 装束や調度に取り入れられた。 有名物語のエピソード 菅原道真が大宰府へ左遷される際、愛用の梅の木に別れを惜しんだと いう逸話が伝わり、後に梅が一夜で道真のもとへ飛んだという「飛梅伝 説」として語り継がれている。 出典:大鏡・北野天神縁起(10〜12世紀ごろ成立) 花言葉:高潔・忍耐・気品 伝統色 白梅 #FFFFFF 紅梅 #D6486B 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

5.

菊(きく) Kiku | 出典:紫式部日記(着せ綿) 平安文様との関わり 中国伝来ののち鎌倉期に皇室紋章として定着するが、平安宮中では重 陽の節句を彩る花として珍重された。 有名物語のエピソード 重陽の節句の前夜、菊を真綿で覆って夜露と香りを移す「着せ綿」の習 わしがあり、その綿で肌を拭うと若返るとされた。この宮中行事は『紫式 部日記』にも記録されている。 出典:紫式部日記(11世紀初頭成立) 花言葉:高貴・高潔・真実 伝統色 白菊 #FFFFFF 黄菊 #F1B400 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

6.

牡丹(ぼたん) Botan | 出典:白氏文集(漢詩文化) 平安文様との関わり 唐から渡来した「花の王」として貴族の邸宅の庭に植えられたが、物語 文学の主役級モチーフは後代を待つ。 有名物語のエピソード 平安貴族は白居易(白楽天)の漢詩文化を通じ、中国で「花の王」と称さ れた牡丹への憧れを育んだとされる。代表的な和歌は少なく、絵画・工 芸の意匠として愛でられた。 出典:白氏文集の受容(9〜10世紀ごろ) 花言葉:王者の風格・富貴・恥じらい 伝統色 赤牡丹 #C62150 白牡丹 #FBEAF0 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

7.

藤(ふじ) Fuji | 出典:源氏物語「藤裏葉」 平安文様との関わり 藤原氏の象徴として貴族社会で愛用され、下がり藤文様は一族の代表 紋として定着した。 有名物語のエピソード 『源氏物語』第三十三帖「藤裏葉」では、夕霧と雲居雁の恋がついに父・ 頭中将に認められ、藤の花の宴を催して二人の結婚が祝われる。 出典:源氏物語(11世紀初頭成立) 花言葉:歓迎・決して離れない・恋に酔う 伝統色 紫藤 #8E6BA8 白藤 #EDE6F5 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

8.

撫子(なでしこ) Nadeshiko | 出典:源氏物語「常夏」 平安文様との関わり 秋の七草の一つとして万葉の昔から親しまれ、可憐な花姿は女性の美 称にも重ねられた。 有名物語のエピソード 『源氏物語』第二十六帖「常夏」の巻名は撫子の別名。光源氏は夕顔の 忘れ形見・玉鬘を「大和撫子」になぞらえ、亡き夕顔を偲びながら見守 る。 出典:源氏物語(11世紀初頭成立) 花言葉:純愛・無邪気・大胆 伝統色 赤撫子 #D96E7A 白撫子 #F8E5E7 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

9.

椿(つばき) Tsubaki | 出典:万葉集(海石榴市) 平安文様との関わり 奈良時代からの神聖な木として、平安貴族の庭にも常緑の縁起木とし て植えられた。 有名物語のエピソード 奈良・大和の「海石榴市(つばいち)」は椿の木にちなむ地名で、万葉の 男女が歌を掛け合う「歌垣」の舞台として知られる。 出典:万葉集(8世紀成立) 花言葉:誇り・気取らない優美 伝統色 赤椿 #C8102E 白椿 #F5F0EC 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

10.

桔梗(ききょう) Kikyo | 出典:万葉集(秋の七草) 平安文様との関わり 秋の七草の一つとして古くから親しまれ、星形の花姿が気品ある人柄 の比喩にも用いられた。 有名物語のエピソード 万葉集で山上憶良が詠んだ「秋の七草」の歌に登場する「朝顔」は、現 在のアサガオではなく桔梗を指すとする説が有力とされる。 出典:万葉集(8世紀成立) 花言葉:永遠の愛・誠実・気品 伝統色 青紫桔梗 #4C6CB3 白桔梗 #F2F0F8 図解:花のイメージ図 ※和歌・物語本文は要約・言い換えで紹介し、原文の逐語引用は行っていません。

11.

花と物語 比較一覧 花 出典 花言葉 代表色 桜 源氏物語 精神の美・優れた美人・純潔 #D6144C 梅 大鏡・北野天神縁起 高潔・忍耐・気品 #B23A56 菊 紫式部日記 高貴・高潔・真実 #B9770E 牡丹 白氏文集の受容 王者の風格・富貴・恥じらい #A83368 藤 源氏物語 歓迎・決して離れない・恋に酔う #7D5599 撫子 源氏物語 純愛・無邪気・大胆 #C2515F 椿 万葉集 誇り・気取らない優美 #7A1620 桔梗 万葉集 永遠の愛・誠実・気品 #2A3F73

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出典・著作権について 本資料が言及する『源氏物語』『万葉集』『紫式部日記』『大鏡』等は、いずれも成立から数百〜千年以上を経た日 本の古典文学であり、著作権は消滅済みのパブリックドメインです。ただし本資料では原文(和歌・詩文)の逐語引 用は行わず、内容を分析官の言葉で要約・言い換えして紹介しています。現代語訳書籍や注釈書そのものには別 途著作権が発生する場合があるためご留意ください。 うさうさ研修工房 ナレッジベース資料