日本の花文様図鑑

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July 05, 26

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各ページのテキスト
1.

日本の花文様図鑑 意匠・意味・伝統色 ― 分析レポート うさうさ研修工房 ナレッジベース資料

2.

文様(もんよう)とは 自然物・幾何形・吉祥図像などを図案化し、着物・工芸品・家紋・調度品などに繰り返し配置して用いる装飾意匠の総称。 花文様はその中でも植物(花卉)をモチーフにしたもので、四季を映す美意識と、花に込められた象徴的な意味(吉祥・厄 除け・身分表象など)の両面を持つ。 有職文様(ゆうそくもんよう) 吉祥文様(きっしょうもんよう) 平安貴族の装束に由来する格式高い文様。藤・菊などが代 表例。 縁起の良い意味を込めた文様。牡丹(富貴)・菊(長寿)な ど。 琳派調文様(りんぱちょうもんよう) 家紋(かもん)由来 尾形光琳らが確立した大胆で装飾的な構図。椿・燕子花な ど。 花を図案化して家の紋章としたもの。藤紋・桔梗紋・梅鉢紋 など。

3.

桜文(さくらもん) Sakura | 春(3〜4月)| 五弁・切れ込みあり 起源・歴史 平安時代、国風文化の中で梅より桜が愛でられるようになり定着。江戸 期に庶民へも普及した。 意匠の特徴 五弁で、花弁の先端に小さなV字の切れ込みがあるのが特徴。梅文様 との識別点。 意味・象徴 儚さ・生命の輝き / 転じて繁栄を表す吉祥文様 用途例:着物・帯・和菓子の意匠・桜紋(家紋)・現代ロゴ 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 桜色 #FEEEED 韓紅 #D6144C

4.

梅文(うめもん) Ume | 早春(1〜3月)| 五弁・切れ込みなし 起源・歴史 奈良時代、遣唐使が伝えた中国文化の影響で貴族に最初に愛でられ た花。万葉集にも桜より多く詠まれる。 意匠の特徴 五弁で花弁の先端に切れ込みがなく丸みを帯びる。円を組合せた「梅 鉢文」が代表的家紋意匠。 意味・象徴 高潔・忍耐・出世 / 学問成就(天神信仰) 用途例:梅鉢紋(家紋)・染付陶磁器・正月柄 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 紅梅色 #E8718D 白梅色 #F7F5F0

5.

菊文(きくもん) Kiku | 秋(9〜11月)・重陽の節句 | 多弁放射状 起源・歴史 中国伝来。鎌倉時代に後鳥羽上皇が愛用し皇室紋章として定着(十六 八重表菊)、明治に法制化。 意匠の特徴 多数の細長い花弁が放射状に広がる図案。皇室紋章は十六枚の花弁 で様式化。 意味・象徴 長寿・無病息災・高貴(皇室の象徴) 用途例:皇室紋章・パスポート表紙・着物・刀装具 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 黄支子色 #F8B500 移菊色 #C0A2C7

6.

牡丹文(ぼたんもん) Botan | 初夏(4〜5月)| 重弁・豪華 起源・歴史 奈良〜平安期に中国から渡来し「花の王」と称され、富貴の象徴とされ た。 意匠の特徴 花弁が幾重にも重なる豪華な意匠。唐獅子と組み合わせた「獅子牡丹 文」が代表例。 意味・象徴 富貴・繁栄・美人の代名詞 用途例:打掛・振袖・獅子牡丹の彫刻・刺青図案 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 牡丹色 #E7609E 今様色 #D0576B

7.

藤文(ふじもん) Fuji | 晩春(4〜5月)| 房状・下垂 起源・歴史 平安貴族に愛用され、藤原氏の象徴として定着。「下がり藤紋」は藤原 氏一族の代表紋。 意匠の特徴 房状に連なる小花が下垂する形。「下がり藤」「上がり藤」など多様に図 案化される。 意味・象徴 子孫繁栄・長寿(長く伸びる蔓、豊かに垂れる花房から) 用途例:下がり藤紋(家紋)・着物・欄間彫刻 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 藤色 #BBA0CA 濃藤色 #7D5599

8.

撫子文(なでしこもん) Nadeshiko | 秋(7〜9月)・秋の七草 | 糸状に裂ける花弁 起源・歴史 万葉集にも詠まれる秋の七草の一つ。可憐な花姿から「大和撫子」の 語源となった。 意匠の特徴 花弁の先端が糸状に細かく裂けているのが特徴。 意味・象徴 純潔・可憐・愛らしさ 用途例:浴衣・夏の着物・和菓子の意匠 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 撫子色 #EA98A2 淡紅 #F4C6CC

9.

椿文(つばきもん) Tsubaki | 冬〜早春(12〜4月)| 五弁・肉厚 起源・歴史 縄文期から椿油等で生活に密着。江戸期は茶人・数寄者に愛され品種 改良が進んだ。 意匠の特徴 五弁で花弁が肉厚、雄しべが筒状にまとまるのが特徴。 意味・象徴 生命力・気品 / 散り際の潔さの象徴ともされる 用途例:茶道具の意匠・琳派調の蒔絵・冬の着物 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 椿色 #D9333F 深緑(葉) #2E6B3E

10.

桔梗文(ききょうもん) Kikyo | 秋(7〜9月)・秋の七草 | 星形五弁 起源・歴史 秋の七草の一つ。明智光秀の家紋「桔梗紋」として広く知られる。 意匠の特徴 星形に近い五弁でシャープな輪郭。図案化しやすく家紋に多用される。 意味・象徴 永遠の愛・誠実・気品 用途例:桔梗紋(家紋)・秋の着物・茶碗絵柄 図解:文様モチーフの模式図 伝統色 桔梗色 #4C6CB3 二藍 #7864A0

11.

花文様 比較一覧 文様 季節 伝統色 キーワード 桜文 春 #D6144C 儚さ・繁栄 梅文 早春 #B23A56 忍耐・出世 菊文 秋 #B9770E 長寿・高貴 牡丹文 初夏 #A83368 富貴・繁栄 藤文 晩春 #7D5599 子孫繁栄 撫子文 秋 #C2515F 純潔・可憐 椿文 冬〜早春 #7A1620 生命力・気品 桔梗文 秋 #2A3F73 誠実・気品

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出典・注記 本資料は伝統文様・伝統色に関する有職故実・染織史・家紋研究等の一般的な通説をもとに、分析官が整理した ものです。伝統色のHEXコードは現代ディスプレイ表示用の近似値であり、染料・顔料時代の色を厳密に再現する ものではありません。正式な出版物への転載時は各分野の専門文献での裏取りを推奨します。 うさうさ研修工房 ナレッジベース資料