授業外・教室外の学習を見据えた教材設計

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August 15, 14

スライド概要

PCカンファレンス2014(@札幌学院大)で行われた角南北斗の分科会発表資料。スマホに適した教材を設計することで、学習機会は教室の外に広がっていくことを述べ、スマホ対応教材を作るノウハウとして教師が知っておくべき「教育的基本」を解説。

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教育系ウェブデザイナー

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各ページのテキスト
1.

2014 PC CONFERENCE(2014.08.09) 授業外・教室外の学習を 見据えた教材設計 角南 北斗(Web Designer) [email protected]

2.

角南 北斗 Sunami Hokuto

3.

Web 学習

4.

Webサイトや教材制作: 日本語教育業界を中心に

5.

講師&授業設計: Web・情報教育・プレゼン

6.

執筆: プレゼン・IT活用

7.

PCC 10年連続発表達成。 祝 2005: 目的と実践の符号を 〜ホームページ作成を例に 2006: 検索力ってどうよ 2007: ひとつ下のプレゼン。 2008: お料理のコツと情報教育 2009: 日記じゃないのよブログは 〜じぶんチャンネルのススメ 2010: 勝たないプレゼンテーションの学びかた 2011: 名刺デザインで学ぶプレゼンテーション 2012: スマホ時代のWeb教材制作アプローチ 2013 : 3分ではじめるお仕着せのe-Learningからの卒業 2014 : 授業外・教室外の学習を見据えた教材設計

8.

授業外・教室外の学習を 見据えた教材設計

9.

教材の設計、してますか? 今までしたことがありますか?

10.

その教材、使いやすいですか? 学習者から支持されてますか?

11.

授業中に教師が指示をして その教材が使われるのは当たり前。

12.

授業の時間以外でも使われる、 強制でなく自主的に学習者が使う、 そういう教材って魅力的ですよね?

13.

その鍵は、スマホ。

14.

紙やPC教材の問題点 紙の教材は重い&かさばる PC教材は環境が未整備だと使えない ✴ 教室には端末やネット環境がない ✴ PC教室はそこに行くこと自体が面倒 学習者はPCの操作に不慣れ

15.

スマホの利点 小さなPCとも言うべき高い性能 ネットには常時接続という認識 学習者が肌身離さないアイテム 日常的でパーソナルな愛着あるもの

16.

スマホが教材のメディアだと... 使い方のレクチャーが不要 教材を常に持ち歩いてもらえる スキマ時間に使ってもらえるかも 学習への抵抗感が弱まる場合も

17.

授業の時間以外でも使われる、 強制でなく自主的に学習者が使う、 スマホならそんな教材が作れそう。

18.

ただし、その教材が 使いたくなる魅力を持っている という前提をクリアしていれば...

19.

スマホを活かした教材は 実際はまだまだ少ない。

20.

スマホ教材のありがちな失敗 スマホの小さな画面に収まらない ✴ PC向けそのままでは表示要素が多すぎる スマホの操作感に合わない ✴ PC向けのインターフェースは操作しにくい スマホで使いたくなる内容でない ✴ スマホ対応する意味の薄い教材を選んでいる

21.

スマホ対応に失敗する理由 教師がスマホに不慣れ ✴ 教師自身がガラケーを使っているから、 メディアの特性を体感的に理解していない。 ✴ 使い慣れた紙と同じ発想で教材を捉えている

22.

スマホ対応に失敗する理由 スマホを活かした教材に関する知見、 開発ノウハウが共有されていない。 ✴ 失敗事例は公開しにくいけれども... ✴ Web制作やアプリ開発の業界などでは 共有知識やドキュメントがけっこうある。

23.

Web制作やアプリ開発の知見を、 教育業界でもシェアすることで 教材開発も進むのでは?

24.

ITを活かした教材 IT 教育

25.

IT 教育

26.

IT 教育 教師側の守備範囲の拡大

27.

教師もITを学ぶべき 質が良く使いやすい教材の実現には メディアや技術の理解が不可欠。 ✴ これまで教材開発に成功していたのは 紙に対するノウハウの日々の蓄積のおかげ。 技術は技術者に丸投げ...では限界 ✴ 教材の根幹部分は助け合って設計すべき

28.

では、何をまず学べばいい? 教師は何を知っておくべき?

29.

教材設計の「新しい基本」 1. 利用は短時間&高頻度 2. 既存の学習プロセスの改善を 3. 学習者にも愛される教材を

30.

教材設計の新しい基本:1 利用は短時間&高頻度

31.

スマホ用のアプリは 必要なときだけサッと使う。

32.

PC用アプリ スマホ用アプリ タイミング まとまった 時間を用意して 思い立ったら すぐに 起動まで 手間がかかる タップで一瞬 利用内容 複雑・多工程 単純・単工程 利用時間 長めを1回 短時間を何度も

33.

スマホ用アプリの特徴 必要な場面に即したシンプルな機能 ✴ アレ使おう!と思い出してもらえるように 隙間時間でも起動から終了まで可能 ✴ 利用者から支持されるゲームの多くは 隙間時間のプレイにも対応している

34.

スマホ用教材として考えると.. 機能を限定し場面と結びつくように ✴ 必要な場面で存在を思い出せる分かりやすさ 短い時間でも使う価値のあるものを ✴ 授業のようにまとまった時間は期待できない ながら利用を視野に ✴ 他のメインの活動の補助が向いている

35.

教材設計の新しい基本:2 既存の学習プロセスの 改善に役立てるものを作る

36.

従来のPC用教材 学習の全要素を1つにパッケージし、 PCの画面で机を置き換えるアプローチ ダイアログ 映像 音声 練習問題 解説 図版

37.

従来のPC用教材 学習の全要素を1つにパッケージし、 PCの画面で机を置き換えるアプローチ ✴ 教室での既存の学習プロセスのすべてを PC上で再構成するようなものが多かった。 ✴ 従来との学習スタイルの大きなギャップを 教師や学習者が埋められない場合も。

38.

スマホはシングルタスク向き PCに比べ多くの情報を表示できない ウィンドウは1つだけ表示が基本 アプリを何度も切り替えるのは手間 ✴ PCは、広いデスクトップで全体が見渡せ マルチウィンドウで並行作業ができる。

39.

スマホを生かす教材デザイン 紙の教科書やノートなどと併用する 道具の1つとしてのスマホ教材。 既存のアナログ教材の不便な点を スマホで補えないかを考えるべき。 ✴ たとえば、辞書などのリファレンス、 反復練習問題、カメラを使った記録。

40.

教材設計の新しい基本:3 学習者にも愛される教材を 目指そう

41.

アイコンがダサいと 使う気にならない。

42.

アイコンが気に入らない ホーム画面には置きたくない 普段アイコンを目にしなくなる アプリの存在を忘れてしまう そのアプリは使われない

43.

これって商用アプリだけの話? いえいえ、これからの教材にも 同じことが言えます。

44.

これまでの教材 教師が学習者に配布する形で、 指示して強制的に使わせるもの。 学習者が教材をどう感じるかは 問題にされにくかった。 ✴ 学習者からすれば、たとえ好みでなくても 学ぶために使うしかない

45.

これからのスマホ教材 スマホ教材は他にも数多くあり、 学習者が自ら好みのものを選べる。 ✴ 教材選択も学習者主導、ということ 気に入ったら教室外でも自主的に使う ✴ 便利で、使いやすく、愛される教材を

46.

まとめ

47.

教材設計の「新しい基本」 1. 利用は短時間&高頻度 2. 既存の学習プロセスの改善を 3. 学習者にも愛される教材を

48.

学習パラダイムの変化 技術が学習に選択肢を増やした ✴ リソースが限られる環境にだけでなく、 学習者個々人のスタイルや好みにも対応。 教師が選んで与える学習から、 学習者自らが選び取る学習への移行。 ✴ 教材選択の自由は学習設計の意識につながる

49.

学習パラダイムの変化 こうした学習パラダイムの変化を 教師がきちんと認識すべき。 ✴ 情報とツールを得た学習者は 教師の指示に従うだけの弱い存在ではない。 ✴ いまや教材だけでなく教師や業界もまた 学習者から選ばれる存在である。

50.

技術の変化に教師も対応すべき 古いパラダイムの学習観や、 紙教材に依存したノウハウだけでは、 デジタルな教材は作れない。 足りない部分を制作会社に丸投げ...では 学習者に支持される教材作りは困難。

51.

スマホを活かした教材の開発には、 新しい教材観が求められる。 それは、新しい学習者観と、 新しい教師観を伴うものである。

52.

デジタルの世界を学ぶところからも 教育を考えてみませんか?

53.

Sunami Hokuto Blog: withcomputer.jp Site: sunamihokuto.com Twitter: @shokuto