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April 14, 23
スライド概要
2021年12月に銀座Unityもくもく会でLTした資料です。
フリーランスのTAです。 主にもくもく会でのLT資料などをアップロードしたいと思います。
個人制作ゲームで行った 3Dモデル作成ワークフロー効率化 おかひろ
自己紹介 おかひろ Twitter:@okahiro_p フリーランスのゲームプログラマー ソシャゲ4年半、ハイパーカジュアル半年 東方放置譚、東方地風陰、東方弾闘戯、咲夜ナイフというゲームをリリース
どういう話? 個人制作で、3Dキャラを使ったゲームを開発している 3Dキャラは複数体登場する ゲームリリース後もアップデートでキャラを追加する
今まで作ったゲームと3Dモデル 東方放置譚 18体 東方地風陰 9体
今まで作ったゲームと3Dモデル 東方弾闘戯 10体
ワークフロー 1. Blenderで3Dモデルを作成 ・キャラごとに最初からモデリングするは大変 ・修正と確認のイテレーションで、FBXエクスポートに地味に面倒 2. SubstancePainterでテクスチャ作成 ・キャラごとに最初からTextureSetを設定するは大変 ・修正と確認のイテレーションで、FBX再取り込みとテクスチャエクスポートが地味に面倒 3. UnityにFBX取り込み ・Materialの設定、Shader設定などを毎回手動で行うのは大変 4. Unity上でFBXからPrefab作成 ・Animationのアタッチ、揺れもの設定などを毎回手動で行うのは大変 5. ゲームでキャラを動かす ・特定の条件でしか発生しないモーションやカメラをゲーム内で確認するのは大変
目指したこと キャラ1体あたりの作成コストを安くする 個人制作なので。。 ミス/漏れが発生するリスクを下げる 1ヶ月後、2ヶ月後にキャラ追加しようとしたとき、詳細を忘れてしまっている
やったこと ①キャラモデルの素体を用意する 素体を予め用意しておき、キャラクターごとに異なる部分だけを作成する 東方弾闘戯(SDキャラ)の例 素体 リグ ウェイト モーション(Idle、Run、Attack・・・) 素体 キャラごとに作るもの 髪型の変更、服装、装飾 テクスチャ SDキャラだしゲームがシンプルなのでとても割り切っているが、1体あたりの作成 時間は2〜3時間ほど
やったこと ②BlenderからFBX出力するオレオレプラグイン作成 Blender標準のFBXエクスポート 1.メニューの[File]-[Export]-[Fbx]を選択 2.エクスポートPresetを選択 3.保存先フォルダとファイル名を変更 4.[Export FBX]ボタンを押下 ※1回行うと、ファイルを開いている限り2と3は記憶されている オレオレプラグイン 1.Nキーで表示するメニューに追加したボタンを押下
やったこと ③テクスチャはSubstancePainterで作成 Templateを使ってテクスチャの種類を定義 おかひろの場合は、メインテクスチャ、陰色テクスチャ、アウトライン色テクス チャ、アウトラインマスクテクスチャの4種類 オレオレプラグインで作業簡略化 指定のプリセット、指定のパスにテクスチャをワンボタンでエクスポート 指定のパスのFBXをワンクリックで再読み込み
やったこと ④UnityでFBXを取り込む時、自動的に必要な設定を行うようにする AssetPostProcessorを使ってFBXの項目を自動設定 Material配置場所をExternalに IdleなどのモーションはLoop=true MaterialにShaderとテクスチャ設定
やったこと ⑤Unity側でFBXからPrefabを生成するツールを作成 東方地風陰の例 FBXからPrefabを作成 Animatorを設定 SkinnedMeshRendererの設定 ReceiveShadowオフ、CastShadowオフ 揺れものにDynamicBone設定 →これらの設定をワンボタンでできるツールを作成(上書きも可能) Prefab
やったこと ⑥Unityで新規追加したキャラの動作確認するSceneを作成 東方地風陰の例 キャラの全モーションのチェック 通常スキルやカットシーンカメラワークのチェック
まとめ ワークフローを決めてツールを作成することで、大幅な作業時間短縮とミス削 減につながる 特に、修正と確認のイテレーションが多い場合は効果大 命名規則は重要 自動化している箇所が多いので、決まった名前になっていないと正常に動作しない Blenderファイル名、FBXファイル名、フォルダ構成 3Dモデルのアニメーション名 3DモデルのMaterial名 3Dモデルのテクスチャ名
まとめ ツールが、ゲームごとに特化した仕様になることが多い ゲームによって仕様が異なるので、前のゲームで作成したツールの完全流用ができ ないケースもある。 汎用性と利便性のトレードオフ BlenderやSubstancePainterのオレオレプラグインは、おかひろにとっては便利だが、 他の人には使いづらい(と思われる) ツールの作成自体にもコストはかかるので、作るべきかどうかは都度検討が必 要
ご清聴ありがとうございました