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October 12, 25
スライド概要
JAWS FESTA 2025 登壇資料
フルマラソン 2:29:56 で走る日本最速ITエンジニア JBCC株式会社 カスタマー・イノベーション・ラボ Technical Expert AWS Samurai 2024 / AWS Community Builder / JAWS-UG横浜支部 / ChatGPT Meetup / Cloudflare meetup slideshare: https://www.slideshare.net/akifuminiida
AIが書き、対話で仕上げる サーバレス開発術 JBCC株式会社 カスタマーイノベーションラボ Technical Expert 新居田 晃史 JAWS-FESTA 2025 – 2025.10.11 1
自己紹介 • 新居田 晃史(にいだ あきふみ) • 所属 • JBCC株式会社 カスタマーイノベーションラボ - Technical Expert • 日本最速ITエンジニア 2011-2020 (※週刊BCN編集部調べ) • フルマラソン 2:29:56 Twitter @nid777 Facebook Akifumi Niida • コミュニティ活動 • • • • • • JAWS DAYS 2025 実行委員長 AWS Samurai 2024 JAWS-UG 横浜支部 AWS Community Builder (Container) Cloudflare Meetup ChatGPT Meetup Tokyo 2
会社概要 企業のデジタル・トランスフォーメーションを実現するため、お客様の環境に合わ せて 社名 : JBCCホールディングス株式会社 クラウド&セキュリティ、超高速開発等、ITに関するサービスを提供 Microsoft AWS [東証プライム市場 設立 : 1964年4月1日 資本金 : 47億13百万円 情報・通信業 9889] 2025 Top Engineers 2024 SAMURAI Migration Services Competency 4年連続アワード受賞 クラウド -マネージドサービス- - クラウド移行 - 従業員数 : 2,014名 [有期社員を含む連結] 本社:八重洲オフィス 有資格保有者数 Palo Alto 2年連続アジアNo.1 アワード受賞 セキュリ ティ Partner of the Year受賞 23 名 4/3700名 Ja (2025年) マネージドサービスの開発と、 提案・販売実績が評価 事業会社:8社(国内48拠点、海外 4拠 ※2025年4月1日現在 点) 6/1000名 ww (2021-22年) 25名 5/200名 Ja 基幹システムを中心に大規模開発をアジャイル開発で提供 420社を 全国展開 運用・保守 中部地区 超える実績 九州地区 超高速開発 開発支援 上海・広州・大連 バンコク コーポレート・ファンクション 当社独自の開発手法 JBアジャイル + ローコード開発ツール = 超高速開発 ✓ 従来型開発の半分の期間で開発 ✓ アセット活用によってスクラッチとパッケージの“いいとこ取り”を実現 3 Copyright (c) 2025 JBCC Corporation
カスタマー・イノベーション・ラボについて • JBCCグループ全体の研究開発部門 • メンバーは事業会社からローテーション&既存組織兼務で組織を形成 • お客様課題(社会課題)を捉え、新たな成長エンジン創出を追求 顧客/社会の課題を 起点にして提供価値を探る 注力マーケット 1,000億円~ り発揮できる 領 をよ み JBCCグループ 注力領域 域 2,000億円~ 既存事業の 新規事業 付加価値創出 / 創出 メーカー系SIer、ユーザー系大手 SIerの注力領域 強 お客様年商規模 1兆円~ 新たな社会価値を創出 2500社以上 ※未上 場を含 む当社 調べ 500億円~ 課題抽出の 仕組み作り ISSUE DRIVEN 物販中心のSIer、小規模SIerの 注力領域 ITを通じて 解決策を研究 HIGH VALUE NEW BUSINESS 4 Copyright (c) 2025 JBCC Corporation
AI駆動開発とは • 「AI駆動開発」は、コード生成、テスト自動化、バグ検出など、開発のあらゆる面にAIを活用する先進的な手 法です。 開発者は、こうした技術を利用することで、煩雑な作業から解放され、より創造的な業務に注力することが可 https://www.ai-souken.com/article/ai-driven-development-overview 能になります。 Claude Codeを使用した開発の様子 5
ソフトウェア開発の進化 マシン語 アセンブ ラ 高級言語 フレーム ワーク ローコー ド AI駆動開 発 アセンブラを書く人は不要になったわけではないが、活躍する機会は一部に限られてきている。 ビジネスの価値を作るという点においては、新しいものを使いこなした人が活躍している。 AI駆動開発の開発体験は、今までで一番大きなパラダイムシフト 開発者の役割の変化(役職が一つ上がる) どうやって作るか 何を作るか 何が作られたか 変わらない事 現実を抽象化し、最適化する事
AI駆動開発で未来はどうなる? AI駆動開発 vibe coding 将来 「AI駆動開発」は、コード生成、テスト自動化、バグ検出 など、開発のあらゆる面にAIを活用する先進的な手法です。 開発者は、こうした技術を利用することで、煩雑な作業か ら解放され、より創造的な業務に注力することが可能にな ります。 音楽を奏でるように、思ったことをその場で表 現することから、「バイブコーディング」と命 名されました。 エンジニアが実現したい機能を自然言語でAIに 説明し、AIが指示に基づいてコードを作成しま す。 https://www.ai-souken.com/article/ai-driven-development-overview https://learning.oreilly.com/library/view/beyond-vibe-coding/9798341634749/ [ ソフトウェア開発の未来 ] システムの作り方が大きく変わる アジャイルをより加速させる ウォーターフォール AI駆動 アジャイル • 従来型:要件定義→設計→構築→テスト→運用 • AI駆動型:アセスメント→実装→対話→追加・改善 開発 価値(何を作るか)に今まで以上に集中す る 対話 デプ ロイ ふりかえり • やりたいこと(要件)は変わり続けるという前提 年、月 出典:ネットコマース 週 時間、分
ツールの進化 8
2023年春頃 (1ファイルへのコード提案) Amazon CodeWhisperer 特徴 • コメントを書くとAIがコードを提案 • 提案候補を選択可能 • コードを書くと続きを補完 https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/amazon-codewhisperer-free-for-individual-use-is-now-generally-available/ 9
2023年夏頃 (変更箇所のリコメンド) Cursor この体験に勝るものはないと思っていた。。(今でも使ってます) 特徴 • コードの修正をAIが提案 • タブを押すだけという開発体験 • 複数ファイルの変更 • 差分表示による適用 10
2024年夏頃 (AIはCopilotではなくDriverに) Amazon Q Developer / Cline / Roo Code … 特徴 • プロンプトによるコード自動生成 • 自律的に動作 しかし、当時は間違ったコードや意図と違うコードが多く、「自律的」と呼ぶにはもう一歩というところ。。 ※Q Developerのエージェント機能は2024年12月にリリース https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/new-amazon-q-developer-agent-capabilities-include-generating-documentation-code-reviews-and-unit-tests/ 11
2025年春 理想としていたAIコーディングエージェントの登場 Claude Code / Codex プロンプト: JAWS FESTA 2025のタイムテーブルを自分の見たいものだけチェックできる簡単なアプリケーションをReactで作成して。 タイムテーブルはここにあります。 https://jawsfesta2025.jaws-ug.jp/sessions/timetable/ 特徴 • プロンプトによるコード自動生成 • 本当に自律的に動作 • 人に確認せず、ロングラン • MCPの使用 自律的に動くからこそ、正確に指示しないと意図しないものを作ってしまう
2025年夏 仕様駆動開発 Kiro / Tsumiki / Spec Kit 特徴 • プロンプトから要件を作成 • AIが仕様書を作成 • 作業タスクの生成 https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/introducing-kiro/
その他のツール 今日は説明は割愛 自律型AIソフトウェアエンジニア Devin ブラウザのみでWebアプリケーションを開発できるプラットフォーム Bolt v0
早すぎる進化 • 3か月で常識が変わっていく • 新しいものを早く試すというマインドが重要 • コミュニティで情報をキャッチアップし、手を動かし続けましょう
AI駆動開発の失敗と対策 16
リファクタリングによる事故 リファクタリング時に元のコードが長いと、リファクタリング後のコードで省略することがある function xxx() { // TODO 後で移植 … TODOは実施されず、躊躇なく元の関数を消しにいく 対策 作業後にテスト→コミットの流れをルールを書くことで AIが自力で気付くこともあれば、気付かなくても人が戻せる。
セキュリティの穴 プロンプト: 認証機能を実装してください。 ①認証&トークン返却 認証 サービス フロントエンド (SPA) ②トークンからユーザーIDを取得し、ヘッダへ追加 x-user-id: メールアドレス バックエンド メールアドレスがわかれば簡単にバックエンドにアクセスできる仕組みに 対策 「反対意見の立場から厳しくレビューしてください」これで多くの穴を防げます。 でも、最後は人のレビュー力が大事。気付ける人の価値は上がる。
凄い勢いで暴走する ぱっと思い出すだけで以下のようなことを経験 • スネークケース、キャメルケースの混在 • 似たようなコードを別のファイルに作成 • コントローラー層にロジックをゴリゴリに書く(ユースケース層かドメイン層に書いてほしい) • テストにモック使い過ぎで、何のテストにもなっていない • テストが通るだけのコードを書きがち • TDDを支持してもプロダクションのコードから書く • 古いバージョンのフレームワークの書き方で書く 最低限の対策 一貫性のないコードはAIを迷わせる 以下、必ずドキュメントに書く • 使用するフレームワークとバージョン • 採用しているソフトウェアアーキテクチャ • DBのスキーマ、API設計 • フォルダ構成 特にテストファイルの場所 • 使用するインフラとデプロイツール しかし、CLAUDE.mdや.cursorrulesに書いても無視されることが多い。 設計書があっても、必ず見てくれるわけではない。 対策 毎回しっかりレビューしながら、ルールファイルをメンテしていくことが重要 途中で要求や設計が変わることもある。その場合にドキュメントを更新させる&古い仕様を残さない
AIエージェントは 仕組み化することでコントロールしよう 20
Digital Transformation とは https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd112210.html http://www.netcommerce.co.jp/ https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/itochu-working-backwards-genai-workshop/ 21
<当社事例> 人事:LMS(Learning Management System) をAIで生成 背景 新教育制度のJBCCアカデミーが立ち上がるも、受講管理はExcel、コンテンツはBox保管となっている 課題 人事:Learning Management System導入ニーズはあるが、コスト面で稟議が通らず停滞 講師:受講管理がExcelのため、管理の手間がかかる 受講者:コンテンツがBoxにあり、見つけるのに時間がかかる (費用対効果が説明できない) アプローチ・・・タレントマネージメントを補完するデータ の生成 ・AIで実際に動くプログラムを作り、「対話」により必要な機能を作成し、短期間実装(約1か月 /40h) ・コードが苦手なインフラエンジニアが実現(DX/AX人材の醸成) AI活用によって、人事・講師・受講者すべてにとって使いやすい教育体験を実現 将来的にはDX/AXを実現するお客様向け育成サービスとして提供し、顧客体験の向上へ Copyright (c) 2025 JBCC Corporation 22
プロジェクトの進め方 初期構築フェーズ • 人事と対話し、最低限必要な機能(MVP)を実装 • 夢が広がるので、まずはMVPに注力するように会話する 実装 • MVPのリリース日を決めて最速で仕上げる • アレコレ気になってくるが、リリースを優先 改善フェーズ アセス メント 対話 • プロダクトを見ながら改善ポイントについて対話する会を定例化 • UIはその場で画面を見ながら修正して認識を合わせる • 複雑な修正は次回までに修正してデプロイする 追加・ 改善 必要な機能を知っているのは開発者ではないので、聞く&深掘りする 実装のスピード感は相手にストレスを与えず、むしろ信頼に繋がる(期限は大事) 23
DX x Serverless の相性の良さ 1. デプロイの速さ CI/CDのエコシステムが成熟しており、作った機能を素早くデプロイすることができる 2. コストの低さ 研究開発部門の部門経費でまかなえるため、すぐに使い始めることができる 3. ロバスト性 信頼性、スケール性能など多くの面は巨人(AWS)の肩に乗ることで解決できる 24
PoCから本番へのアプローチ 本番環境に向けての2つの壁 • 運用体制 • 障害対応 • バージョンアップ • バックアップリストア体制 • セキュリティ • CSPM • アプリケーション脆弱性テスト • 社内認証基盤との連携 25
PoCから本番へのアプローチ 本番環境に向けての2つの壁 • 運用体制 • 障害対応 • バージョンアップ • バックアップリストア体制 サーバレスの運用負荷は低い • デプロイによる障害がほとんど→テスト書く • IaC化により運用負荷は軽微なものに • クラウドに任せる • セキュリティ • CSPM • アプリケーション脆弱性テスト • 社内認証基盤との連携 AI駆動開発で対応 • 今後実施 • 今後実施 • EntraID認証は半日程度で実装可能 26
まとめ • 「仕組み化・レビュー・対話」がAI駆動開発をDXに活かす鍵。 • モデルやツールの性能で体験が激変する。一つのものを手になじま せるよりは、新しいものをどんどん試していくマインドが重要。 • AIが80%を作り、20%を対話で磨く。その20%を最速で届けるの が、Serverless × AI駆動開発。 27