6th長崎QDG 「ソフトウェア開発者の人材育成と組織活性化 ~モチベーションが共鳴する組織 「プロジェクト道免許皆伝」」

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April 15, 22

スライド概要

2022年4月15日(金)に出島メッセ長崎にて「6th長崎QDG」を開催しました。
ご講演者より許可を頂いた資料につきましてNaITEにて公開いたします。(公開版資料は当日版資料と内容が異なっていることがあります)

★6th長崎QDG
 https://nagasaki-it-engineers.connpass.com/event/222448/

★NaITE(長崎IT技術者会)
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各ページのテキスト
1.

ソフトウェア開発者の人材育成と組織活性化 モチベーションが共鳴する組織 ~プロジェクト「道」免許皆伝~ 本発表資料は、 一般社団法人企業研究会主催による ソフトウェア開発マネジメント交流会議 第14期人材育成研究分科会 研究報告資料を もとに作成 富士フイルムビジネスイノベーション(株) 斎藤 芳明 宮地嶽神社(福岡県福津市)

2.

自己紹介 ■1983年 富士ゼロックス(株)入社 ※2021年に富士フイルムビジネスイノベーション(株)に社名変更 ■ネットワークプリンタ、デジタル複合機のコントローラソフトウェアの開 発に従事入社(1983年~2004年) ■2004年よりSPI推進組織を担当。(2004年~2018年) プロセス改善を軸としてソフトウェアの品質を改善し、手戻りを減らす ための推進活動を部門横断で実施。その一環として、2011年から 約5年間、派生開発におけるプロセス改善としてXDDPを組織に導 入し展開する活動を推進。 ■プロジェクトマネジメント社内講師を担当。(2007年~2022年) ■2019年定年退職、再雇用以降は社内の人材育成や16年間継 続してきた業界の社外研究会活動を中心に活動。 2

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企業研究会 SW開発マネジメント交流会議について ■ソフトウェア開発マネージャー、リーダーによる相互啓 発・共同研究フォーラム ■毎年、電気・機械・自動車部品・複合機等を開発してい る多くの企業から、ソフトウェアの設計・評価・プロセス 改善等の業務を担っている技術者が参加。2006年に第1 期が開催されて以来、参加者は延べ800人を超える。 ■研究テーマごと に分科会を作り、 約9か月間の活動 を通して、研究 報告をまとめて 発表。 3

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SW開発マネジメント交流会議 研究テーマの例示 1.ビジネスモデルとマネジメント ・IoT機器/サービスを活用した顧客価値と ビジネスモデル ・参入障壁の抽出とその対応 ・エコシステムなどを使った具現化手法 2.ソフトウェア開発マネジメントと エンジニアリング ・ソフトウェア開発手法、セキュリティ対策 ・異システム間連携の品質保証、システム検証 ・オープンソースの活用と品質確保 3.ソフトウェア開発の品質保証 ・ソフトウェア品質定量化、可視化の考え方と方法 ・顧客視点からみた品質指標の活用 ・不具合流出防止のためのテストの在り方 ・上流工程からの品質保証 4.ソフトウェア開発における プロジェクトマネジメント ・プロジェクトマネジメントに有用なツール、手法 ・リスク、こすと、進捗のマネジメント ・アウトソーシングマネジメント 5.ソフトウェア開発のプロセス 改善と効率化 ・IoT機器/サービスを活用した顧客価値と ビジネスモデル ・参入障壁の抽出とその対応 ・エコシステムなどを使った具現化手法 6.アジャイル型開発の活用 ・要件開発と管理方法 ・品質クライテリア、品質保証 ・技術者育成 7.ソフトウェア開発者の人材 育成と組織活性化 ・求められる人材像とスキル仕様の明確化 ・経験/知見の顕在化と属人性からの脱出 ・モチベーション向上施策 8.競争力を高めるための最 適地開発 ・マーケットニーズを捉えるための海外、国内 の開発拠点の展開 ・開発拠点のマネジメント方法 4

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SW開発マネジメント交流会議 時代の変遷と人材育成議論の推移 ソフトウェア開発マネジメ ント交流会議15周年記念誌 「ソフトウェア開発現場へ の処方箋」より引用・追記 議論の対象 ステージ1(2006~2010) ステージ2(2011~2018) ステージ3(2019~) 誰が 人事部や教育部(育成担当部門) 開発現場における上司や先輩・同僚 チーム・組織 誰を 全体の底上げ・中堅層の強化 ある特定の状況や役割における個人 価値の創出を協業するメンバー 育成の狙い 個人の業務力向上 自律人材育成 → 組織力向上・活性化 自律人材が自ら育つ/場づくり 5

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こんなメンバーで議論しました 1.テーマ選定の背景 6

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1.1. 全体合宿での議論 各メンバー間で人材育成に関する課題意識を共有しあった結果、 今期の研究活動として議論するうえでの3つのキーワードを抽出した。 ★一つ目のキーワード:「モチベーション」 「やる気がないと、なにをやっても芽が出ないし、良いアウトプットは出ない。 そもそもモチベーションとはどのように醸成されるのか。 そのロジックを見える化し、個人、チームを活性化するヒントを得たい」 ★二つ目のキーワード:「コミュニケーション」 「プロジェクトの失敗は、人間関係の問題が大きく起因する、 これを『コミュニケーションの問題』と簡単に片づけてはいないか」 ★三つ目のキーワード:「共鳴」 モチベーションが組織内で共鳴し増大している状態って、ワクワクする。 第12期にゲスト講演頂いたアジャイル開発の平鍋氏も「アジャイル開発が 目指す自己組織化された組織とは、組織やプロジェクトの目的や意志が 共鳴しあうフラクタルな組織集合体である」と述べていた。 この3つのキーワードを起点に、 個々が継続的な成⾧を繰り返す組織やプロジェクトづくり の切り口から人材育成の議論を進めることにした。 7

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1.2. わたしたちの仮説 ★「自己組織化」はモチベーションの共鳴で生まれる 「個々のモチベーション」は人との間で共鳴・増幅し、「プロジェクトの モチベーション」へと昇華する。「自己組織化」されたプロジェクトとは こういう状態であるに違いない。 ★「プロジェクト道」で人を育てる プロジェクト活動の直近の目標はQCD達成であるが、プロジェクト活動の 繰り返しを通して組織力を磨き、メンバー個々の自己実現に結びつけること を本質とした「プロジェクト道」のようなものを考えることができるのでは ないか? 以上から、今回の研究テーマを 「モチベーションが共鳴する組織 ~プロジェクト「道」免許皆伝~」 と設定した。 8

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1.3. 議論の進め方(方針) まずは「モチベーション」と「コミュニケーション」とは いったい何なのか?その正体を探ったうえで、 ①. モチベーション共鳴の原理を考察し、どうすればモチ ベーションを共鳴させることができるのか ②. ①を踏まえて、人を育てる組織やプロジェクトとはど うあるべきで、どうやったらそれを作れるのか を軸に議論を進めることにした。 9

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2.モチベーション・ コミュニケーションの正体を 探る 10

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2.1. モチベーションとは • 語源:MOTIVE(動機、理由、目的)+ACTION(行動) 目標を目指した行動 • モチベーションの種類は外発的動機付け、内発的動機付けによるものに分類される 外発的動機付け 発生要因 評価、報酬 特徴 内発的動機付け 好奇心、ワクワク感 ・お金が欲しいから、認められたい から頑張る。 ・仕事に対し強い関心がない場合で も効果を発揮できる。 ・実践方法が分かりやすい。 ・高い集中力が発揮され、質の高い 行動を自らが喜んで継続。 ・一人一人の意識を変える必要があり 短期的には効果が出にくい。 ・実施方法が明確でない。 外発的動機が内発的動機のきっかけになることもある • モチベーションが高い状態では やる気がみなぎる、集中している、使命感、やりがい、楽しい 元気、自信、協調、当事者意識をもたらす 11

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2.1. モチベーションとは • • モチベーションのタイプ タイプ 説明 効果的な目標設定 Will型 (やりたい) 未来の理想を考える ⾧期的な目標から逆算 Can型 (やれそう) 自分でできると思えるやる気 やれるかやれないかのギリギリを狙う Must型 (やらなきゃ) 締め切り直前のやる気 短期目標をこまめに設定 三大神経伝達物質について(脳科学的観点より) 物質名 説明 ドーパミン 快感、やる気、学習能力、運動機能や記憶力といった働きを司る。 ノルアドレナリン 神経を興奮させる。「やる気」や「意欲」を高める反面、 「不安」「恐怖」「緊張」といった感情・精神状態とも深く関係する。 セロトニン 睡眠や食欲に大きな影響与え、ストレスによるイライラを抑えて 心身の安定や心の安らぎなどにも関与する 一般的には、ドーパミンがモチベーションとして イメージされているが、我々はこれら三つのバランスが モチベーションを構成する源となると考えた。 12

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2.2. コミュニケーションとは コミュニケーションする「わたし」とは何か ユング心理学における心の構造 顕在意識 意識 5~10% 個人的 無意識 自我(EGO) 意識の中心 自己(SELF) 心の中心 潜在意識 無意識 90~ 95% 集合的 無意識 1. 意識(顕在意識)は氷山の一角であり、無意識(潜在意識)は海中にある 氷山のように大きい。 2. 心の中心「自己」こそ、人が自分らしく生きるために欠かせない要素。 意識で考えて選んだ行動と、自己が決定を下して起こす行動とでは 力の入り方が違う。 13

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2.2. コミュニケーションとは 頭と心でコミュニケーション よくある会話の分析 1. 2. 3. 4. 5. 6. ★ 「何言ってるのかさっぱり分からん」 「頭では分かったけど、行動できない」 「正論だとは思うが・・・」 「これが規則だからやってください」 「やっと納得した(腑に落ちた)」 「あの人の言葉は、ずしんと響く」 「ちょっとお知恵を拝借したいのですが」 ⓪ ④ ② ④→② ① ③→① ①→③ ⓪① ② × ③④ 頭 × × 心 ポイント  正確で分かりやすい言葉を使う。  相手の心に向かって言葉を届ける。ちゃんと届いたか確認する。  相手の言葉を心で受け取る。受け取れなかったら真意を尋ねる。 14

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2.3. モチベーションが共鳴する原理 ■「モチベーションが共鳴する」とは 個のモチベーションが共鳴し、組織のモチベーションへと昇華(増幅) すること ■個のモチベーションが上がるということは、 『やりたい』 『やらなきゃ』 『やれそう』 の重なり(M)が拡大すること 個のモチベーション ■モチベーションの高さ =目標の魅力「やりたい」 × 危機感(使命感)「やらなきゃ」 × 達成可能性「やれそう」 やりたい M やらな きゃ やれそう 15

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2.3. モチベーションが共鳴する原理 「モチベーションが共鳴する」とは 「心理的安全性」が確保されている「場」において、 個々のモチベーションがお互いを刺激し合い、互いに増幅すること 心理的安全性が確保されている「場」 Bさん Aさん 刺激 M コミュニ ケーション 刺激 この「場」づくりが、刺激を与えあうコミュニケーションを 活性化する 16

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2.3. モチベーションが共鳴する原理 個と組織のモチベーション共鳴モデル ~モチベーションが個から組織へと昇華・増幅する~ 組織のモチベーション Bさん Aさん M M M M Cさん 刺激 Dさん 刺激 17

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3.プロジェクトで 人を育成する 18

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3.1. 実態把握 ところで実態はどうなのか Gグループ直近2年の集計結果 1. 状況 プロマネ先進(「見える化」定着)組織でもPJ崩れが16件発生。 2. 共通点 (1) 特定の担当者に高いプレッシャーがかかる。仕事が回っていないとの自覚はあるが、 残件整理や対策を考える余裕がない。・・・・「追い詰められ現象」「現場は火の車」 (2) 上司にも高いプレッシャー。資料作成、損益目標必達、他案件のトラブル対応等で頭が いっぱい。数多い部下の内面まで気を配ることができない。「担当者からの明確なア ラームは無かったと」話す。・「管理職も追い詰められ現象」、「上を意識した仕事」 (3) 担当者は、定型的な進捗報告は問題なしと報告。 進捗は主観で評価できる部分がある ため、問題が無いように(仕事が増えないように)報告。・・・・「無意識の自己防衛」 (4) 担当者は上司を真の相談相手とは見なしていない。 「良い上司である」とは話すが、 「忙しそうなので、会議では外注先等の問題は相談するが、(個別に)自分自身のことは 相談しなかった」とも言う。・・・・・・・「腹を割ったコミュニケーションがない」 (5) プロジェクトの初期は順調。徐々に課題が蓄積し、担当者は現場の問題解決に追われ、 上司はさらに上層部への説明に追われる。・・・・・・・「対話の溝がさらに深まる」 3. 何が起こるのか (1) (故意に隠しているわけではないが)担当者が隠し通せない状況となり、大量の残課題の 存在が突如発覚する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「問題の潜伏現象」 (2) 担当者が体調不良となっていたケースが8/16件・・・・・・・・・「PJ崩れより深刻」 19

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3.2. あるべきプロジェクトの姿 組織が活性し、人材育成につながるプロジェクト像 (1)各自が自律分散して活動すること 自己の細分化された役割のみに意識が向くのではなく、 プロジェクト推進全体に各自が主体的に関わること。 (自らの規範に従って、自ら思考し、自ら行動) (2)人間的な成⾧を加速する機会を与えるもの ONE TEAM 出典:「https://cyclestyle.net/article/2015/10/23/29095.html」 20

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3.3. プロジェクト管理からプロジェクト道へ プロジェクト管理からプロジェクト道へ ~ 目標から目的へフォーカスする ラグビー日本代表が強くなったのは、目標から目的へフォーカスしたことも要因のひとつ 個々のプロジェクトには、QCD達成という目標とプロジェクト固有の目的がある 繰り返し続くプロジェクトにとっての共通課題は「人を育てること」 目的を人材育成と定め、その観点でプロジェクトを見つめなおし、 プロジェクト道を構築する ラグビー日本代表 プロジェクト管理 目標 目的 ワールドカップベスト8進出 日本ラグビー界の未来を変える 日本を元気に プロジェクトの成功(QCD達成) プロジェクト道 プロジェクトの成功 人間形成 21

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3.3. プロジェクト管理からプロジェクト道へ プロジェクト管理からプロジェクト道へ ~ 目標から目的へフォーカスする 22

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4.プロジェクト道の構築 心、場、型、鍛 23

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4.1. 心 ドーパミン神経は「快」を支配。 ・意欲をかき立てる神経で、別名「快の情動回路」。 ・際限なく快を追い求める方向にしか作用できない問題がある。行き着く先が依存症。 ★快の情動回路を抑制できるのがセロトニン神経。 心 ドーパミン 心の3原色 出典:有田秀穂 「脳を活性化する」 ノルアドレナリン セロトニン セロトニン神経は、舞い上がる 心を抑え、ストレスや不安で落 ち込まない平常心を作る。 ・武道やスポーツでは、丹田呼 吸などで、平常心が維持できて こそ、実力が発揮される。 ノルアドレナリン神経は「不快」を支配。 ・不安やストレス反応を司る。 ・脳内の危機管理センターで、過敏に反応するの がパニック障害や不安障害。 ★セロトニン神経系はこのよう ★セロトニン神経系はノルアドレナリン神経を抑制 な極限状態で威力を発揮する。 し、ちょっとしたストレスには動じない状態を作る。 意欲もあり、不安もあり、なおかつ平常であるという心の状態は、三原色がすべて 重なり合った状態であり、それは無色透明である。 心の三原色がバランス良く混ざり合っている時、人間が本来の力を発揮できる。 24

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4.1. 心 心 モチベーション (やりたい,やらなきゃ,やれそう) と 心の関係 意識 (頭) 無意識(心) ドーパミン 達成感 やりたい セロトニン ノルアドレナリン 不安感 M 安心感 平常心 25

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4.1. 心 心 秘伝「無心」の術 1. 現状を直視し「やらなきゃ」(ノルアドレナリン)の 力を生み出す。 無心 2. この時「丹田呼吸」(セロトニン)により「平常心」 を取り戻すことで「やらなきゃ」かつ「やれそう」 に広がった心模様を得る。 丹田呼吸 3. そして「即行動」し「やる気スイッチ」を押す。 ドーパミン作用で「やりたい」の力を増大させる。 4. 結果「やらなきゃ」「やれそう」「やりたい」が 高レベルで共鳴する無色透明の心模様に至り「無心」 で没頭する状態となる。“Zone”、”Flow”とも呼ぶ。 ドーパミン セロト ニン ノルアドレ ナリン 心模様 26

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4.2. 場 場 先人の知恵に学ぶ ~ 山本五十六語録 ~ 外発的要因も使いながら、 内発的モチベーションを、 うまく引き出す 話し合う、耳を傾ける、 承認する、任せる、 感謝で見守る、信頼する アドラー「幸せの3要素」 他者信頼 他者貢献 自己受容 メンバーの「自己実現」へと導く 山本五十六の、この言動こそが、 プロジェクト道における「場づくり」の神髄ではないか 27

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4.2. 場 場 我々の理想とする場とは 安心の場を重視したPJ運営 朝会 朝会とは 1. 全リーダ、マネジャ参加の朝30分の意思決定会議 2. 解決対象の状態(発生/解決/残/見通し)を確認 3. 活動の優先度を判断 議⾧ •安心の場づくり に徹すべし 場づくりが命 •威圧感があっては ならない。不安を 率直に言える安 心感が不可欠。 •発生してしまった 問題の責任を 深追いしない。 セロトニン ⾧期フォロー 腰を据えて対策 不具合リスト 課題リスト WBS アクションアイテム (A/I)リスト リスク一覧 短期フォロー 違和感や懸念 事項を話し合う N 解決? Y 安心感 「遅れ」 の原因は究明す るが、個人の責任 は追及しない。 これからの対策と 見通しの議論に 集中する。 違和感解消! 勇気をたたえる 勇気ある発言から 問題が解決に向かう。(「実は・・・」) 他者のためにもなることを実感 ドーパミン セロトニン セロトニン ドーパミン 28

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4.3. 型 七つの型 一、目標の先にある「目的」を共有すべし 一、「やる気スイッチ」をドーパミンで押すべし 一、心に届き合う対話をすべし 一、「なんとなく」を拾い、突き詰めるべし 一、「習慣『実は』」で話しやすい雰囲気を醸成すべし 一、ほめるより「ありがとう」を伝えるべし 一、丹田呼吸で平常心を保つべし http://moridojo.jp/teacher/ 29

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4.3. 型 その一、 目標の先にある「目的」を共有すべし プロジェクトを進めるメンバー間で方向性を合わせることは 円滑なプロジェクト遂行に不可欠である。 「QCD達成」のような比較的近いところにある目標はもとより、 プロジェクト活動を通して達成したい「目的」に焦点をあて、 メンバー間でこれを共有することが重要である。 目標の先にある目的を共有することで、ブレない軸ができる。 30

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4.3. 型 その二、 「やる気スイッチ」をドーパミンで押すべし 「やる気スイッチ」を誰かに押してもらうとか、 「やる気スイッチ」がいつか入るのを待つというのはありえない。 「やる気スイッチ」は自分で押すものである。 何か行動を起こすことでドーパミンが分泌され、 やる気が湧いてくる。 大きなことに向かってはやる気は起きにくいものであり、 まずは小さなことから行動して快を得て次第に大きなことへ 繋げていく。 結局「やる気スイッチ」は、あなたにしか押せないのである。 出典:「脳から見た成⾧とは・脳から見た学習とは」 著:東京大学 薬学系 教授 池谷 裕二(脳科学) 31

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4.3. 型 その三、 心に届き合う対話をすべし 正確でわかりやすい言葉を使い、相手の心に向かって言葉を届ける。 正しく届いたか確認する。 また、相手の言葉を心で受けとる。受けとれなかったら真意を尋ねる。 息を吐ききると自然と空気を身体に取り込むようになる。 これと同じように、言いたいことを全部言ってもらうことで 相手の心に、言葉を受け入れる準備ができる。 これをお互いに行うことで心に届き合う対話が可能となる。 互いに思いを吐ききることのできる場があることが重要である。 32

33.

4.3. 型 その四、 「なんとなく」を拾い、突き詰めるべし なんとなくうまく行かない気がする。言葉にしづらいが良くない 傾向が感じられるという違和感を大切にし、それが何なのか、 突き詰めることで、リスクの発現を抑えることができる。 一人の事実をみんなの事実として捉え、チームで向き合って 違和感の正体を突き止める。 ここで重要なのは、躊躇することなく違和感を表明できる場がある ことである。 33

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4.3. 型 その五、 「習慣『実は』」で 話しやすい雰囲気を醸成すべし 悪い報告ほど早めに行うのがよい、とはいえ言い出しにくいもの。 そこで「実は」をキーワードとして言いやすい雰囲気を作りだすとよい。 さらには、これを習慣化すること。 そして、言ってくれた人の勇気をたたえること。 実施例 「今日の『実は』は、なんでしょうか?」 34

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4.3. 型 その六、 ほめるより「ありがとう」を伝えるべし ほめる行為には、どうしても上下関係が伴う。 下位の者は、上位者にほめられたいとの感情が無意識に刷り込まれる。 ほめられるために何をしたら良いかと考えるようになる。 これは過度な達成感(ドーパミン刺激)が発生したことによる依存症 と考えられる。 「ありがとう(ございます)」は、受け取る側に感謝の気持ちを伝え つつ、必要以上に感情を高ぶらせる(ドーパミン神経を刺激する)こ とはなく、依存症を発生しにくい。 「ありがとう」は、場づくりに効果的である。 35

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4.3. 型 その七、 丹田呼吸で平常心を保つべし ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの3つがバランス良く 混ざり合っている状態があるべき姿。 それは快も不快もあり、それらを制御できている状態である。 意欲も不安もあり、それらが制御されて平常心を保っている心の 状態を実現するのに丹田呼吸が有効である。 (丹田呼吸については後述) 36

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4.4. 鍛 プロジェクト道を究めるための セロトニン分泌体質を得よ 一、目覚めてすぐに朝陽を浴びよ 一、丹田呼吸法を毎日30分100日以上継続せよ 一、リズミカルな運動を毎日20分実施せよ 一、大豆、カツオ、バナナを好んで摂取せよ 37

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4.4. 鍛 その一、 目覚めてすぐに朝陽を浴びよ • 目覚めてすぐに日光を浴びることで、脳幹に数万個ある セロトニン神経が、目の網膜に入った太陽光の刺激を スイッチにして活性化される。 • セロトニン神経の活性化には、2,500~3,000ルクス以上 の照度が必要で、500ルクス程度の電光灯では足りず、 1万ルクス以上の太陽光が必要。 • 日に当たるのは、せいぜい会社に行き 帰りする屋外の数分、日中は電灯が 煌々と点いた会社に缶詰という、 現代人にありがちな生活では、 慢性的にセロトニンが不足しがち。 38

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4.4. 鍛 その二、 丹田呼吸法を毎日30分100日以上継続せよ (1)丹田呼吸に意識を集中させ、左脳が働かない状態にすると、 前頭前野の集中脳が働きだす。 (2)脳幹のセロトニン神経が活性化し、前脳基底部に伝わると、 大脳皮質の状態を変えて速いα波(10~13Hz)を出現させる。 (3)覚醒状態で(閉眼しないで)自己意識がちゃんとありなが ら、認知能力の抑制、すなわち非思量の状態となる。 それは、不安や緊張を減少させてスッキリ爽快の心理状態 として内観される。 (4)セロトニン神経系が活性化される へそ下5cmに 丹田がある と覚醒状態でありながら、 大脳の認知に関わる部分が 抑制される。 39

40.

4.4. 鍛 その三、 リズミカルな運動を毎日20分実施せよ • 規則正しいリズムを繰り返す運動は、セロトニン分泌が 高まる。 • 激しい運動をする必要はなく、ウォーキングやスクワット、 軽い体操などで十分。 • 「ガムを噛む」「歯みがきをする」など、 一定のリズムを繰り返す日常動作にも セロトニンを増やす効果が期待できる。 40

41.

4.4. 鍛 その四、 大豆、カツオ、バナナを好んで摂取せよ • セロトニンは、アミノ酸の一種「トリプトファン」、ビタミンB6、 炭水化物によって体内で作られる。 セロトニン = トリプトファン × ビタミンB6 × 炭水化物 • トリプトファンは体内で生成することのできない必須アミノ酸の 一つなので、食事からとる必要があり、チーズや豆腐、卵、牛乳、 バナナなどに多く含まれている。 • ビタミンB6は体内でセロトニン生成を促す。レバーや マグロ、カツオ、にんにくなどに多く含まれている。 • バナナは、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物 の3つをすべて含み、手軽にとり入れることができる。 • ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌にも、 大豆、カツオの摂取がその効果を果たす。 41

42.

5.プロジェクト「道」とは 42

43.

5. プロジェクト「道」とは プロジェクト道場において プロジェクト及び人間形成を 同時に実践することである 43

44.

5. プロジェクト「道」とは 人が疲弊するプロジェクト プロジェクト 人 人 P A QCD D C 毒素 毒素 44

45.

5. プロジェクト「道」とは プロジェクト道場 ~プロジェクトと人間形成が実践される場~ プロジェクト道場 プロジェクト 人 P 養分 鍛 型 場 心 技 人 A QCD D 養分 C 技 鍛 型 場 心 45

47.

「自己組織化」(不確実性から秩序を作る) ■「熱力学の第二の法則」 断熱系においてエントロピーは増大する 秩序 不確実 ■しかし、生命は、周囲の環境からエネルギーを受け取り、自分を 成長させたり、個体を維持するなどしてエントロピーの低い状態 を維持している。 生命 秩序 不確実 ■生命が自発的に外部の不確実性 「自己組織化」 (エントロピー)を取り込んで、 秩序を構成していく様を「自己組織化」と呼んだ。(生命科学) 経済学・経営学・組織論において、人間社会における秩序形成の考 え方として「自己組織化」は広く取り入れられることに。

48.

フラクタルな図形の例 48