Claude Fableと事業の未来を考え、そして失敗した話

>100 Views

July 09, 26

スライド概要

https://explaza.connpass.com/event/397760/

“AI × 要件定義” の実践知を語る - LT Night -のLT資料です

profile-image

エンジニア。スクラムマスター。 Zennでサーバーレス本書いてます。 http://zenn.dev/mistletoe/books/93f5810c20eb9a http://github.com/theMistletoe http://zenn.dev/mistletoe http://qiita.com/mistletoe http://note.com/themistletoe

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

"AI × 要件定義" の実践知を語る - LT N IGH T ・ 2026.0 7. 09 Claude Fableと事業の未来を考え、 そして失敗した話 〜「次に何をつくるべきか」を生成AIといっしょに考えた記録〜 Motoaki Tanaka @mot0aki

2.

要件定義の一歩手前、「次に何をつくるべきか」 ここを生成AIと本気で考え、そして失敗したお話です。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 2

3.

自己紹介 Motoaki Tanaka X: @mot0aki ▸ 株式会社レッドジャーニー ソフトウェアエンジニア アジャイル開発推進 新規プロダクト開発・プロダクトマネジメント 生成AI開発・導入支援 AIカタリスト ←new! @mot0aki ・ Explaza LT Night 3

4.

背景 PoC中のプロダクトのユーザー検証が終わって、それまでから一転、 現状のプロダクトの方向性を大きく変えるPivotを迫られる状況になりました。 次のアクション、ひいては事業のその先まで練り直す必要が出てきました。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 4

5.

落胆と、途方もない壁にブチ当たりましたが、 光明を見出していました。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 5

6.

光明ーー それもまた、生成AIだったのです。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 6

7.

2つのキーワード 01 アイデアの作り方 @mot0aki ・ Explaza LT Night 02 コンテキストエンジニアリング 7

8.

KEYWORD 01 アイデアの作り方 書籍より『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング 電話 × iPod × インターネット端末 = iPhone 据え置きゲーム機 × 携帯ゲーム機 × 分離コントローラー = Nintendo Switch アイデアというのはこれまでにあるアイデアの秀逸な組み合わせでできている。 → LLMの能力を使って、数多の概念と結合させることで実現できるのでは? @mot0aki ・ Explaza LT Night 8

9.

KEYWORD 02 コンテキストエンジニアリング 会社情報、ビジネス環境、現在のプロダクト・チームの状況、仮説検証の結果に至るまで、 プロダクトには"コンテキスト"にあふれています。 この"コンテキスト"をエンジニアリングすることで、事業に新たな息吹を吹き込むような 最高のアイデアを発想できるのでは?。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 9

10.

実践①:コンテキストの構造化 私はとにかく今の状況をコンテキストとして構造化して生成AIに伝えられるようにしました。 インセプションデッキ 仮説キャンバス 今後の事業展開ジャーニー 企業が持つアセット これまでの検証で得られてきたインサイト メンバーのスキル … さらに偶然にもClaude Fableがリリースされ、利用可能な最高水準のAIモデルと協働でき たのです。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 10

11.

実践②:AIとの壁打ち AIと幾度となく壁打ちしました。 オズボーンのチェックリストなど、アイディエーションフレームワークも活用しました。 議論のためのAIワークフローを構築し、いくつものエージェントと協働して、 多角的な視点や、世情動向も加えたコンテキストと事業アイデアは のべ @mot0aki ・ Explaza LT Night 785k トークン にものぼりました。 11

12.

実践した具体手法 試していたプロンプトの抜粋 PROMPT 01 / 発散の依頼 「オズボーンのチェックリストに基づいて、勝ち筋がありそうな事業アイデアを大量に発散してほしい。 複数のサブエージェントで、多様な価値観から広げていって、最後に筋の良い案を提示してほしい」 PROMPT 02 / 追い込みの依頼 「このコードベースの文書を全部読み込み、次の事業の方向性として『これならいける』と思える案を出してほしい。……トークンも 時間も惜しまない。夜通し考え続ける再帰的な発想サイクルを実行して、期待を超えるアイデアを出してほしい」 (だんだん苦しくなっていく…笑) @mot0aki ・ Explaza LT Night 12

13.

RESULT 結果、どうなったか @mot0aki ・ Explaza LT Night 13

14.

CONCLUSION …結局、失敗しました。 勝ち筋の見える、チームがBetしたいアイデアには至れなかった。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 14

15.

これだけの施策をくりかえしてなお、勝ち筋の見える、なによりチームがBetしたいと思えるア イデアには至ることができませんでした。 (具体的には、ビジネスオーナーや私が想定しうる領域を超えることができませんでした。) 協業先の発掘、事業展開設計、足元のプロダクトアイデア、そこから発展させるべき方向 性、、、 それらはすでに自力で思いつく、あるいはビジネスオーナーが持っていた視点で、真新しくは ない選択肢でした。痺れるようなBetしきれるようなアイデア、セレンディピティは生まれませ んでした。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 15

16.

LEARNINGS ここで学んだ仮説 @mot0aki ・ Explaza LT Night 16

17.

LEARNINGS SUMMARY 学んだ仮説は2つ 1. 組み合わせだけでは、血の通わないアイデアになる。 自分の知識・経験・関心と重なってはじめて、「イケそう」は生まれる。 2. 価値は、人と人との間に生まれる。 机上で閉じず、仮説を持って人に会いに行くことではじめて前に進める。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 17

18.

学んだ仮説 ① ただ組み合わせただけでは、血の通わないアイデアになる 構造上アイデアの組み合わせという生成AIが得意そうな領域であるかに見えて、自分の知識 や経験とは必ずしも紐づかない。 ただただアイデアを組み合わせただけでは血の通っていないアイデアになる。 概念A × 概念B × 概念C → 血の通っていないアイデア つまり手法の巧拙ではなく、「アイデア=組み合わせ」という構造に落として発散させるアプロ ーチ自体の限界と感じた。組み合わせの発散だけでは、新規性も「イケる」という実感も生ま れなかった。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 18

19.

学んだ仮説 ① 血の通うアイデアの構造 概念 知識・経験 × 概念 × 概念 ↓ 重なり合う 自分の中にある領域 暗黙知 好きなもの・関心・興味 ↓ 血の通ったアイデア =「イケそう」という感覚 / セレンディピティ 自分の中にある知識や経験、暗黙的な領域とのシナジーが感じられたとき、 好きなもの、関心のあること、興味のあることと重なり合ってこそ、セレンディピティは生まれる。 プロダクト開発をしているだけではダメだ。 好奇心を維持し、いろんなことに触れ、自分の好きなことをやろう。「知」を広げよう。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 19

20.

学んだ仮説 ② 結局、価値は人と人との間に生まれる 出てきたアイデアについて、あるいは新規事業でなくとも、開発しているプロダクトには利用 者がいるはず。 いかなる課題や、いかなる機能も課題を解決し、価値を誰かに与えることに意味がある。 机上で仮説立てをすることができてもそこ以上に進めない。これは断言できる。ここに向き合 うべき。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 20

21.

学んだ仮説 ② 仮説を持って、人に会いに行く 机上だけ 仮説立て 人に会いに行く 仮説を持つ ↓ ✕ そこ以上に進めない ↓ 人に会う 利用者 / 類似のユーザー像 / 有識者 ↓ 価値は人と人の間に生まれる ↻ 検証・学びが次の仮説へ とにかく人の課題を解決したければ、人に会う。話はそれからだ。 結局、冒頭のプロジェクトもそちらに舵を切って、ユーザー検証をしている最中だ。答えはその中でしか見つけられない。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 21

22.

SUMMARY まとめ @mot0aki ・ Explaza LT Night 22

23.

新規事業開発に限らず、 いまプロダクトを作っているあなたも。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 23

24.

もちろん生成AIは便利だし、営みを加速させることはできる。 機能は、どんどん形になっていく。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 24

25.

しかし、 それだけでは価値創出はできない。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 25

26.

FINAL MESSAGE ーそれだけでは価値創出はできない。 自分の好きなこと・関心のあることが、アイデアに「血」を通わせる。 プロダクトの価値のために「知」を広げよう。 価値は人と人の間に生まれる。 仮説を持って、その上で人に会いに行く。 ロッキンチェアーでは何も解決できない。 @mot0aki ・ Explaza LT Night 26

27.

ご清聴ありがとうございました。 @mot0aki @mot0aki ・ Explaza LT Night