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November 18, 23
スライド概要
DSM-5-TRにおける認知症とせん妄の変更点についてレクチャーやYouTubeで解説するのに使用した資料です。レクチャーでの使用OKです
精神科医、大学教員かつYouTuberです。資料は講義での使用OKです。 私がYouTubeで使用している資料につき公開をご希望の方がいたら、該当する動画のコメント欄でお知らせください。
DSM-5-TR 認知症関連 の変更点
神経認知症群 で扱われるのは •せん妄 •認知症 •軽度認知障害
DSM-5 認知症(DSM-5) DSM-5-TR 認知症
認知症が わかる本
DSM-5からDSM-5-TR 少し変更点が診断の根幹 せん妄 の基準が変わった!?
身体的な原因で 引き起こされる せん妄は 意識と注意の障害 と説明されてきた
せん妄 DSM-5 A. 注意の障害(すなわち、注意の方向づけ、集 中、維持、転換する能力の低下)および意識の 障害(環境に対する見当識の低下)
せん妄 DSM-5 A. 注意の障害(すなわち、注意の方向づけ、集 中、維持、転換する能力の低下)および意識の 障害(環境に対する見当識の低下) 意識障害って 要するに 見当識障害 のことじゃ?
せん妄 DSM-5 A. 注意の障害(すなわち、注意の方向づけ、集 中、維持、転換する能力の低下)および意識の 障害(環境に対する見当識の低下) B. 省略 C. さらに認知の障害を伴う(例:記憶欠 損、失見当識、原語、視空間認知、 知覚)
せん妄 DSM-5 A. 注意の障害(すなわち、注意の方向づけ、集中、 維持、転換する能力の低下)および意識の 障害(環境に対する見当識の低下) DSM-5-TR A. 環境の認識の減少が伴った注意の 障害(すなわち、注意の方向づけ、集中、維持、転換する能 力の低下)
せん妄 DSM-5 環境に対する見当識の低下 A. 注意障害+意識障害 DSM-5-TR A. 注意障害+環境認識の減少
せん妄は 意識と注意の障害 と説明されてきた
せん妄は 見当識と注意の障害 とDSM-5-TRでは 説明されうる
せん妄の基準変更は 要するに ほぼ不変
認知症が わかる本
認知症/軽度認知障害 BPSDについての 特定用語
認知症/軽度認知障害 のBPSDについての特定用語 DSM-5 •行動障害を伴わない •行動障害を伴う 行動障害を伴う際には、その内容を具体的に追記する(例:精神病 症状,気分の障害,焦燥,アパシー,または他の行動症状)
BPSDとは そもそも Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia 行動・心理症状
行動・心理症状は 行動障害 という語では 言い表せて いない
行動←他者の困りごと 心理←本人の困りごと 行動障害の語は 本人主体の観点を 欠いている
DSM-5 行動障害 DSM-5-TR 行動障害または心理学 的障害
DSM-5 •行動障害を伴わない •行動障害を伴う ある/なし の二分では不十分
DSM-5-TR •焦燥感を伴う •不安を伴う •気分症状を伴う •精神症を伴う • 他の行動障害または心理学的障害を伴う • 行動障害または心理学的障害を伴わない
特定用語 DSM-5 精神病性の特徴を伴う DSM-5-TR 精神症性の特徴を伴う
認知症が わかる本
DSM-5-TR 物質・医薬品誘発性の認知症/軽 度認知障害の項に アンフェタミン型物質(又 は他の精神刺激薬)およびコカ インによる軽度認知障害 が追加された
DSM-5-TR 神経認知障害、特定不能とは別に 特定不能の病因による 認知症または軽度認知障害 が追加された