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June 08, 22
スライド概要
ServerlesLT初心者向け LT大会 #22 での発表資料
https://serverlesslt.connpass.com/event/247898/
30代後半から発信活動を始めて人生が楽しくなりました。 主にC#/設計技法/マネジメント/チームビルディングの情報を発信します。 デブサミ2020関西ベストスピーカー賞1位。 Microsoft Build 2022 スピーカー。 ITエンジニア向けの月刊誌「Software Design」2022年4月号より連載記事を執筆中。 デンソークリエイト所属。発言は個人の見解。
メンバー間で活発に議論する 朝会にしよう 2022/6/8 Serverless LT初心者向け #22 小島 優介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. /65
自己紹介 名前:小島 優介 Twitter:@kojimadev 社内業務: 2005年から15年以上ツール開発業務を担当 現在は、開発チームのエンジニアリングマネージャーで 毎日メンバーと一緒にプログラミング 社外活動: Developers Summit 2020 KANSAI ベストスピーカー賞1位 Microsoft Build 2022 で発表 ITエンジニア向け月刊誌「Software Design」で連載執筆中 Qiitaで合算1万いいねの記事投稿 2 /65 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved.
はじめに 私のチームはアジャイル開発 毎朝チーム皆で集まって今日やることなどを話す朝会を実施 (現在は全員リモートワーク) 過去の私のチームの朝会はマネージャーへの報告会 メンバー間での議論は無く 各メンバーの報告に対してマネージャーだけが助言をしている状態 今回は、メンバー間で議論のない朝会から、 メンバー間で活発に議論する朝会に変わった事例を紹介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 3 /65
朝会で改善したいポイント 私のチームの朝会は、メンバー間での議論がなかった それを改善するために以下を試した • 話す時はチームの皆に向かって話す • どうすればゴールを達成できるのかという視点で皆で話す • 朝会の目的を伝える • ファシリテーターの持ち回りを試す しかし、当時は私以外のメンバーが入社1~3年目中心の若手で 自分のタスクを報告することで手一杯で、 他の人のタスクに対して質問や助言ができない その結果、メンバーの発言は「自分の報告」の時だけであり、 他の人が報告する間は黙って聞いているだけ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 4 /65
メンバーに問題点の重要性を伝える 朝会で「他の人が報告している間は黙って聞いているだけ」に対する 改善策を、振り返りの時間にチームの皆で議論 この問題点を解決することの重要性をチームの皆に伝えた • 各自の報告に対してマネージャー1人だけが真剣に聞いて 質問や助言をするだけでは、判断を間違う事や考慮漏れが 発生しやすい • もしチーム全員が真剣に報告を聞いて質問や助言をすれば よりよい判断ができたり考慮漏れを防ぐ可能性が高くなり、 チームの生産性を高める • チーム全体をリーダー視点で考えて主体的な行動をする人材は どのチームでも求められ、自分以外のタスクを理解して助言する 訓練を積むことは、各自の将来のための成長につながる Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 5 /65
メンバーにどうしたいか問いかける 問題点を改善する重要性をチームの皆で共有した上で どうしたら良いと思うか問いかけた 入社1年目のメンバーが提案した施策が 「朝会で1人1回質問する」というルールを作ること 他のメンバーも「良い案だからやってみよう」となった もしマネージャーが同じルールを一方的に決めた場合 チームメンバーは、やらされ感を強く感じ、良い効果を発揮しない だから私のチームでは、「どんな施策をやるか」は精査せずに 「チームの皆が自分から取り組みたいと思った施策」であれば、 とりあえず1ヶ月試している Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 6 /65
朝会を1人1回質問するルールでやってみる 「朝会で1人1回質問する」を具体的なやり方 各自が「今日やること」などを報告する際に、 自分以外の誰かの報告に対して質問する 例えば5人で朝会を実施する場合、 自分以外の4人の報告に対して、 そのうち1人だけに1回質問する(「助言」でなく「質問」でOK) 助言するのは難しいが、質問なら、難易度が低い これを試してみた結果、質問をきっかけに 「やり方や優先度の見直し」が起きる事がたびたびあった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 7 /65
優先度を見直した具体例 A「今日はXXX機能の3つのサブ機能のうちの1つ目を作ります」 B「1つ目のサブ機能ってどれの事です?」 A「ここに書いてある3つのサブ機能のうちの、これです」 B「あれ?でもそれよりこっちのサブ機能の方が優先度高くないです? こっちがないと他のサブ機能が動かないし」 A「確かに!じゃあ、そっちから作ります」 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 8 /65
タスクのやり方を見直した例 C「今日はYYY機能の試作を作ります」 D「YYY機能って何でしたっけ?」 C「外部のプログラムと連携してデータを作成する機能です」 D「ああ、前に私がライブラリの事前調査したやつですね」 A「じゃあ、もしかしたら、最初はDさんとペアプロした方が良いかも」 C「確かに!じゃあ、Dさん、よろしく」 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 9 /65
やってみた効果 「朝会で1人1回質問する」をやってみた結果 次のような効果があったとメンバーが言った 1. 2. 3. 4. 5. 質問するために、他メンバーの報告を関心を持って聞くようになる 自分のタスクの事だけでなく、チームの進捗を考えるようになる 他の人のタスクを理解と、質問だけでなく助言もできるようになる 毎日の朝会が、会議中に主体的に発言するための訓練になる 自分の質問をきっかけに「やり方や優先度の見直し」が起きて チームの貢献になり嬉しい Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 10 /65
チームの貢献になり嬉しいと感じてもらうために メンバーの行動がチームの貢献になっても、 それをメンバー自らが認識しないと成功体験にならない 私は意識的にそれを伝えた 「○○さんの質問がきっかけでチームの開発が加速しました!」 という事を毎回伝えて 「自分の発言はチームの役にたったんだ」と感じてもらえるようにした 経験の浅いメンバーが会議で発言しない理由の1つは 「自分なんかが発言しても、チームの皆の時間が使われるだけで チームの貢献にならない」と思ってしまうことなので 成功体験を積む事でそれを徐々に払拭できた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 11 /65
日頃から主体的な発言を称賛する 主体的に発言する事による成功体験は、早く多く体験した方が良い 朝会の活動と並行して、朝会以外の会議で メンバーが主体的に自分の考えを発言をした時は その都度ポジティブフィードバックした 若手の頃は、そもそも会議で主体的に発言する事ができないので 最初の頃は会議の中で「これについて○○さんはどう思います?」と その人の考えている事を話してもらい、その意見に良い点があれば、 ポジティブフィードバックを行う事を繰り返した そういうフィードバックを何十回も繰り返すと 全員が主体的に会議で発言するようになった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 12 /65
まとめ チームの改善を行う際は、 皆が自分から取り組みたいと思える施策 を行う事が大切 もし朝会がマネージャーへの報告会になっている事に 問題を感じている場合は、 そこを意識して施策を考えて試す事がオススメ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 13 /65