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January 06, 22
スライド概要
チームビルディングとは、チームの目的・目標を達成するために、チームメンバーの能力や経験などを最大限に引き出し、目標を達成できるチームを構築する手法です。
ここで、家族も1つのチームであると言えます。
家族というチームの目的は「家族を通して、家族全員が幸せになること」です。
これを達成するための手法が「家族のチームビルディング」です。
本発表は、アジャイルチームのチームビルディングの手法を用いた効果的な「家族のチームビルディング」の施策を紹介します。
30代後半から発信活動を始めて人生が楽しくなりました。 主にC#/設計技法/マネジメント/チームビルディングの情報を発信します。 デブサミ2020関西ベストスピーカー賞1位。 Microsoft Build 2022 スピーカー。 ITエンジニア向けの月刊誌「Software Design」2022年4月号より連載記事を執筆中。 デンソークリエイト所属。発言は個人の見解。
家族のチームビルディング 2022/01/06 小島 優介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. /65
自己紹介 名前:小島 優介 社内業務: 2005年から15年以上ツール開発業務を担当 現在は、開発チームのエンジニアリングマネージャーで 毎日メンバーと一緒にプログラミング 社外活動: Developers Summit 2020 KANSAI ベストスピーカー賞1位 「Serverless LT初心者向け」コミュニティで毎月LT大会を開催中 Qiita/Zenn/Note/Youtubeなどで通算100万PVの情報を発信 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 2 /65
概要 チームビルディングとは、チームの目的・目標を達成するために チームメンバーの能力や経験などを最大限に引き出し 目標を達成できるチームを構築する手法 ここで、家族も1つのチームであると言える 家族というチームの目的は 家族を通して、家族全員が幸せになること これを達成するための手法が「家族のチームビルディング」 本発表は、アジャイルチームのチームビルディングの手法を応用した 効果的な「家族のチームビルディング」の施策を紹介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 3 /65
家族のチームビルディングの施策一覧 1. ポジティブフィードバック 2. 活動の透明化 3. 自己実現を理解する 4. 主体性を発揮する会話 5. 主体的に工夫する機会を作る Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 4 /65
1. ポジティブフィードバック - アジャイルチーム アジャイルチームは、ポジティブフィードバックを メンバー同士で行う事が推奨されている 「日々の行動」に積極的にポジティブフィードバックし合う事が重要 ポイントは「結果」に対してでなく「行動」を称賛・感謝すること (私は1日10回以上ポジティブフィードバックしている) 書籍「エンジニアリング組織論への招待」のP81 >自分から考えて動いた結果、それが評価されることで、フィードバックサイクルの中に >「自律的に動くことは楽しい」と言った回路が組み込まれます。 >これを「自己効力感(self-efficacy)」といいます Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 5 /65
1. ポジティブフィードバック - 家族 家族においても、頻繁なポジティブフィードバックが重要 家族の場合は、「日々の行動」に対するフィードバックに加えて 「ただ存在している事」に対して ポジティブフィードバックをすることが重要 それにより、存在給と自己肯定感が向上する (私は1日10回以上ポジティブフィードバックしている) 存在給と自己肯定感の向上は、幸せに直結するため これが家族のチームビルディングの根幹となる Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 6 /65
2. 活動の透明化 – アジャイルチーム アジャイルチームは、他の人が今何をやっているか 知った上で助言し合う事が推奨されている 「今、何をやっていて、どうしようと考えているのか」など 活動をチームメンバーに公開することで メンバー同士の知見を活かしたコラボレーションが発生し 開発が加速する それの有名なやり方は分報。詳細は以下の記事参照。 https://qiita.com/kojimadev/items/ea8825dec1b0d0d2874c Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 7 /65
2. 活動の透明化 – 家族 家族においても、家族のタスク(家事)の 活動内容を透明化することが重要 (例) • トイレ掃除をやった事を報告 • 洗濯物を干した事を報告 • 洗濯物を畳んだ事を報告 • 洗い物をやった事を報告 • ゴミを出した事を報告 報告された人が前述の「ポジティブフィードバック」を行う事で 報告した人は、達成感と他社貢献が感じられ、報告を継続する Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 8 /65
3. 自己実現を理解する① – アジャイルチーム 1 on 1 でメンバー自身の心が本当に望んでいる 自己実現をコーチングを用いて理解する事は重要 (「「コーチング脳」の作り方」という書籍参照) 子供時代から振り返って人生で1番、嬉しかった事、楽しかった事、 充実感を得た事を話してもらう (例) • 部活で一生懸命努力して優勝した時、練習が報われて嬉しかった • 苦労した研究の学会発表で賞をもらえた時、認められて嬉しかった 上記のエピソードから、このメンバーの自己実現は 「自分が納得できるくらい努力した結果が報われる事」 ということが分かった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 9 /65
3. 自己実現を理解する② – アジャイルチーム 自己実現が何であるか分かったメンバーには 将来、どんな状態になりたいか理想(ゴール)を聞く (例)世の中に認められるエンジニアとなりカンファレンスで受賞 ゴールと現状では何が違うか(現状とのギャップ)を聞く (例)技術力が足りない、発信による影響力が足りない ギャップを埋めるためにはどんなやり方があるか聞く (例)発信による影響力を高める事に繋がる技術記事を書き続ける 何から始めるか聞いた上で、自己実現をサポートする Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 10 /65
3. 自己実現を理解する – 家族 家族が本当に望んでいる自己実現をコーチングを用いて理解する (例) 私「自分の成果で人を幸せな気持ちにすること」 妻「自分の好きな事や得意な事を活かして、 自分がリスペクトしている人から認められること」 自己実現が理解できれば、自己実現のための活動に 対して家族の理解や協力が得られる (自己実現の活動で忙しい時は分担する家事を変更するなど) なお、協力のためには前述の「活動の透明化」も必要 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 11 /65
4. 主体性を発揮する会話 – アジャイルチーム アジャイルチームは、全員の主体性の発揮が重要 そのため毎日の会話で主体性を促す 1. マイクロマネジメントしない (仕事の進め方を細かく指示したりなどなど) 2. 指示するのでなく、どうすればいいか質問する (問題領域をシンプルにして質問すれば自分で考えてくれる) 3. オープンクエスチョンが難しければ、選択肢を提示する 4. チャレンジに対しては「失敗しても大丈夫」を繰り返し伝える 5. 結果でなく、行動を評価する (イマイチな提案でも、まず提案した行動を最大限に称賛) Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 12 /65
4. 主体性を発揮する会話 – 家族 子育ても、主体性の発揮が重要 そのため毎日の会話で主体性を促す 1. マイクロマネジメントしない (XXしなさいでなく、どうすればいいんだった?と聞く) 2. 指示するのでなく、どうすればいいか質問する (主体性のない子は「自分で決める力」が弱いため決める練習) 3. オープンクエスチョンが難しければ、選択肢を提示する 4. チャレンジに対しては「失敗しても大丈夫」を繰り返し伝える 5. 結果でなく、行動を評価する (成果が出なくても頑張った事を最大限に称賛) Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 13 /65
5. 主体的に工夫する機会を作る – アジャイルチーム アジャイルチームは、全員の主体的な工夫が必要 「いつでもどんな提案でもOK」というだけでは もともと主体性のない人が、主体的に提案することは難しい まずは、制約を与えて、その制約の中で小さな工夫をしてもらう (ゴール達成条件を明確にし、やり方は任せる、など) 小さな工夫にポジティブフィードバック それを繰り返す 息をするように主体性を発揮するまで繰り返す Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 14 /65
5. 主体的に工夫する機会を作る – 家族 子育ても、主体的な工夫の機会を作ることは重要 (例)「子供が親と遊ぶ時間」に制限時間を設ける 1時間を1セットとし、休日はそれを2~3セット どんな方法で遊ぶのか、子供に決めてもらう 子供は親と遊ぶ時間を最大限有効に使いたいので その時間にどんな遊びをするか一生懸命に考える(主体的な工夫) なお、他者の作った創作物を遊ぶよりも、自分が創作する方向性で 誘導した方が(お話を一緒に作る、絵を書く、工作するなど) 「工夫する機会」と「創作が楽しい経験」を積める 15 /65 (今後、全人類がクリエイターになりえる事も考慮) Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved.
まとめ アジャイルチームのチームビルディングは 家族のチームビルディングにも活用できる Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 16 /65
その他、シェアしてもらった知見 1. 片方が食事を用意したら、もう片方は洗い物をするなどでバランスを取る。 2. 子供のお小遣いをお手伝いしたもらえるシステムとする(ゴミ出しで10円、お風 呂洗いで50円など)。月ごとに何回やったか分かる紙を貼って見える化し、月 ごとにお小遣いを渡す。その結果、金銭感覚がまともで無駄遣いしない子に なった。 3. 子供が高校2年の時にスマホを与えたが、もっと早く与えれば良かった。スマホ を持っていないと、相手が面倒なので連絡してもらいにくくなる。だから、まわり がみんな持つようになったら与えた方がいい。 4. 家事の役割分担を決めた上で、相手の役割を手伝うと良い。 5. 相手のやり方があるのでそのやり方を教えてもらった上で家事をやる。 6. 相手にこだわりのある所は、あえて任せる。 7. やる前に声をかけてからやる(それは今やらなくて良いと言われないように)。 8. 書き初め、七夕のタイミングで、家族の夢を定期的に共有する。 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 17 /65