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March 06, 26
スライド概要
https://www.du-soleil.com/entry/scrum-seci-agentic-ai-reconvergence
スクラムとSECIモデルの再合流 AIエージェントによる暗黙知のリバースドキュメンテーション 知識再合流ポイント 知識再合流ポイント AIリバースドキュメンテーション
「問題無ければ次へ」という一行の暴力 Operations Manual 問題無ければ次へ 一見親切な手順書の裏で、ベテランはpsコマンドを打ち、ログの特定の行を目視し、レスポンスタイムの微細な変化を体感で察知している。その「判断基準」こそが暗黙知であり、手順書のどこにも記述されていない。
書き出せないからこそ「暗黙知」である 「問題無ければ次へ」 意図・目的・文脈 Whyの連鎖 経験 「じゃあ暗黙知を書き出せばいい」は通用しない。料理本の「塩少々」を読んでも料理は上手くならない。知識にはコンテキストが必要であり、Whyの連鎖がなければ手順書はただの呪文になる。
40年前の同じ親リポジトリから生まれた2つのフレームワーク 野中郁次郎 & 竹内弘高 The New New Product Development Game (1986) 知識創造企業 (1995) アジャイル開発の代名詞である「スクラム」と、ナレッジマネジメントの金字塔である「SECIモデル」。これらは別物ではない。1986年の論文を起点とする、同じ親からの派生物だ。
プロセスと知識、40年間の分断 feat/scrum Focus: 経験とプロセスの管理 origin/main (1986) feat/seci Focus: 知識と学習の管理 同じ思想から生まれながら、スクラムは開発プロセスのフレームワークとして、SECIモデルは知識創造のフレームワークとして、別々のブランチで発展を続けてきた。
「監視と促しの反復」に摩耗する人間たち 今、スクラムは壁にぶつかっている。ワーキングアグリーメントの確認やKPTの進捗トラッキングなど、スクラムマスターが担う「促し」は感情的な摩耗が大きい。人間の三つの責任だけでは限界が来ている。 KPT Try TODO KPT 進捗確認 Try TODO 進捗確認
「AIによる支援が「第四の責任」になる 感情を消耗するセレモニーをAIに委譲する Scrum Master Product Owner Developers AI Agent 監視と促しの委譲 進捗トラッキングや振り返りの促しは、人間ではなく、AIが淡々と確実に回し続けるべき領域である。
まず仕様書を書くか?それとも一緒に手を動かすか? 仕様書から始める(ウォーターフォールの再発明) 一緒に手を動かす(テレオペレーション・共同化) 完璧な指示書(レシピ本)から始めてはいけない。最初にやるべきはペアプログラミングだ。一緒に手を動かし、人間の暗黙の判断パターン(Why)をAIに身体的に教え込む「共同化」から始まる。
リバースドキュメンテーション:先に動き、後から書く 1. 身体的な共同作業 2. AIによる観察とパターンの抽出 3. 結果としてのファイル生成 (CLAUDE.md) CLAUDE.mdは指示書ではなく「共同化の結晶」だ。経験の蓄積が後から形式知(テキスト)に変換される。これがAIエージェントへの正しいスキル伝達である。
誰も本当の要件など知らない 誰も要件を知らない 動くものを見て初めて話し出す 要件定義を「正しく聞き取ってまとめる作業」だと勘違いしてはいけない。一回動くものを見せて初めて、ステークホルダーは本当のことを話し出す。
ボケがあるから、ツッコミのアフォーダンスが生まれる [ボケ] 一次的創造 (Rough Prototype) [ツッコミ] 二次的行為 (Critique & Requirements) Affordance (アフォーダンス) ドアノブが「回す」行為を誘発するように、動くプロトタイプ(ボケ)が「ここは違う」という言語化(ツッコミ)を誘発する。要件定義の本質はヒアリングではなく、ツッコミの誘発だ。
一夜城(プロトタイプ)にサンクコストを抱かない プロトタイプは製品の雛形ではなく、ツッコミを引き出すための「ロケ地」だ。AIが一晩で量産する「捨てることに躊躇しない動く仕様書」が、要件の精度を極限まで高める。 Speed: Ultra Fast Sunk Cost: Zero (サンクコスト 0)
AIはSECIサイクルを接続する「媒介」であり「メモリー」 従来のスクラムではスプリントをまたぐと揮発していた知見(場)を、AIエージェントがメモリーとして保持し、SECIのスパイラルを途切れさせずに回し続ける。 スクラムの実践 SECIプロセス AIが媒介・記憶するもの ペアプロ 共同化 AIが人間の判断パターンを観察・保持 Daily Scrum 表出化 AIが暗黙の懸念を言語化し記録 Sprint Planning 連結化 AIが過去の判断履歴を自動統合 Sprint Review 内面化 成果物に埋め込まれた意図の再提示 Retrospective 表出化 ログからの判断パターンの再提示
チームの「集団的無意識」を言語化する 誰も明文化していない「うちではこうする」という暗黙の了解。AIが横断的にチームを観察することで、その共通項目が浮かび上がり、潜かび上がり、文脈に基づいた記号接地 (Symbol Grounding) が行われる。 Aさん Bさん Cさん AI ユビキタス言語 (Ubiquitous Language)
ツッコミをAIに委譲し、人間はボケ(創造)に回帰する feat/scrum feat/seci git merge (AI Agents) 1986年に描かれた知識創造のダイナミズムへの原点回帰。AIエージェントという新しいコミットが両方のブランチの差分を解消し、全く新しい次元のチーム開発がここから始まる。