2-1 薬物動態と 相互作用 ADME の詳細と相互作用の機序
吸収 投与された薬物が、全⾝循環 ⾎液中に移⾏する過程
吸収過程の機序 臨床★★☆ 基礎★★★ 【ポイント】 消化管の管腔側から、 細胞膜を通過して吸収される →細胞膜を通過しやすい物質=吸収されやすい →脂質二重膜構造 細胞膜の構成単位 リン脂質 吸収される物質の特徴 • 脂溶性・低分⼦ •⽔ 担体輸送の基質 • 分⼦型(弱酸性・弱 油 塩基性の物質の場合) 脂溶性 低分⼦ + + 親⽔性 − イオン型 ++ + − イオン型 − − 疎⽔性 − 分⼦型 ⽔ リン脂質の⼆重膜がモザイク上に並び、 ランダムに膜タンパク質が埋め込まれた構造 細胞内部 細胞膜 管腔側
吸収過程の機序 【ポイント】 消化管の管腔側から、 細胞膜を通過して吸収される →細胞膜を通過しやすい物質=吸収されやすい →脂質二重膜構造 吸収される物質の特徴 • 脂溶性・低分⼦ • 担体輸送の基質 • 分⼦型(弱酸性・弱 塩基性の物質の場合) 脂溶性 低分⼦ + + − イオン型 ++ + − イオン型 − − − 分⼦型 管腔側 細胞膜 細胞内部
吸収過程の相互作⽤ 吸収 全⾝循環⾎液 中へ移⾏ 薬効 邪魔 薬物⾎中濃度 薬効 低下↓ 減弱↓ 〔吸収過程における相互作⽤の代表例〕 ⼀部の抗菌薬と⽜乳等
⼀部の抗菌薬と⽜乳 NQ 相互作⽤ NQ 吸収されない︕ =効かない︕︕ NQ NQ Ca NQ 抗菌薬 ・テトラサイクリン系抗菌薬 ・ニューキノロン系抗菌薬 VS NQ ⼆価(2+)の⾦属イオン等 ・カルシウム ・鉄 ・マグネシウム‥カマグ
分布 投与された薬物が、⾎液中 から組織へ移⾏する
分布過程の機序 移行しやすさ 組織への蓄積性 【ポイント】 ⾎漿タンパク質 →⾎液中では薬物は⾎漿タンパク質と結合している →主に、アルブミン 細胞膜を・・・ 遊離型︓通過する →薬効を発揮する︕ 結合型︓通過できない 細胞内でタンパク質と結合すると・・ 細胞膜を・・・ 遊離型︓通過する →⾎管内を移動し排泄 結合型︓通過できない →⻑く留まる ⾎管内 遊離型 結合型 アルブミン ついたり、離れたり 細胞内
【機序】 分布過程の相互作⽤ ⾎漿タンパク質の奪い合い ⾎管内 ⾎管内 アルブミン アルブミン アルブミン アルブミン アルブミン 薬効は 1個分 要注意 ・タンパク結合率が⾼い薬物 ・低アルブミン⾎症 アルブミン アルブミン アルブミン アルブミン アルブミン より⾎漿タンパク質との親和性が⾼い に置き換わる →遊離型の が増える →薬効は 5個分 →有害事象が増加
分布過程の相互作⽤ 8個 タンパク結合率 20% アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン 相互作⽤ 1個 タンパク結合率 90% アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン 相互作⽤ 10個 アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン 10倍︕︕ 10個 アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン アルブ ミン タンパク結合率の⾼い薬物では、相互作⽤の影響を強く受ける︕
代謝 薬物や異物を、分解したり 排泄されやすい形に変換
代謝過程の機序 チトクローム 【ポイント】 代謝酵素=シトクロムP450(CYP) 場所︓肝臓 本体︓タンパク質 特徴︓分⼦種が沢⼭ある →特に、CYP3A4 (遺伝⼦を翻訳して合成されている) 特徴︓遺伝⼦多型 =酵素の性能が異なる 肝臓 原料 作業員 製品
CYP にはいろんな種類がある 2D6 3A4 3A4 3A4 3A4‥最も多く存在する.多くの薬の代謝に関与する. 2D6‥性能差(遺伝⼦多型による違い)が⼤きい.
原料 作業員 製品 原料 作業員 製品 酵素誘導とは、 遺伝⼦の翻訳を活性化させて、酵素を増やす
原料 作業員 製品 原料 作業員 製品 酵素阻害とは、 酵素の活性中⼼等に結合し、反応を阻害する
代謝過程の相互作⽤ 酵素が増加↑ 減少↓ 酵素誘導 薬物⾎中濃度 代謝 薬物が減少 酵素阻害 薬物⾎中濃度 酵素が阻害↓ 増加↑ 減弱↓ =効かない 薬効 薬効 増強↑ =有害事象
基質・阻害薬・誘導薬の代表例 基質 薬の開発の際に薬物代謝を調べるために使う指標薬 阻害薬 誘導薬 CYP1A2 カフェイン、チザニ ジン α-ナフトフラボン オメプラゾール、ラ ンソプラゾール CYP2B6 - セルトラリン、フェ ンシクリジン、チク ロピジン フェノバルビタール CYP2C8 レパグリニド モンテルカスト、ケ ルセチン リファンピシン CYP2C9 CYP2C19 s-ワルファリン ランソプラゾール、 オメプラゾール チクロピジン CYP2D6 デキストロメトル ファン キニジン、パロキセ チン CYP3A ミダゾラム、トリア ゾラム イトラコナゾール、 ケトコナゾール、ベ ラパミル リファンピシン リファンピシン リファンピシン < 酵素阻害>アゾール系抗真菌薬、シメチジン <酵素誘導> 古典的抗てんかん薬、抗結核薬(リファンピシン)
排泄 薬物やその代謝物が 体内から除去される
排泄過程の機序/腎排泄 【ポイント】 ネフロン‥腎臓の機能単位 →腎⼩体+腎細管 →ボーマン嚢+⽷球体 ※薬物の排泄について ⽷球体 場所︓⽷球体 役割︓ 遊離型薬物を濾過して除去 尿細管 場所︓近位尿細管 役割︓輸送担体 (トランスポーター) が積極的に排出する(⾎管→尿) 尿細管 場所︓遠位尿細管 役割︓受動輸送 濾過 分泌 再吸収 イオン型⇄分⼦型 →分⼦型薬物が再吸収
排泄過程の相互作⽤ ⽷球体濾過の機序 ⾎流 タンパク 結合率に 影響する薬 遊離型↑ ↓ 濾過量が増加 ↓ ⾎中濃度が低下 ↓ 薬効減弱 ⽼廃物 栄養素 薬物(遊離型) タンパク質 薬物(結合型) ⽷球体濾過 ‥ ⽼廃物を ⾎圧で濾過 濾過される (体内から除去) 濾過されない (体内に残る) 腎⾎流量を 減少させる薬 濾過量が減少 ↓ ⾎中濃度が上昇 ↓ 有害事象↑ 例)NSAIDs
尿細管 尿細管 再吸収 分泌 原尿 原尿 − MTX A薬 B薬 NSAIDs B が A の尿細管分泌を阻害 →A が排泄されない →A の⾎中濃度が上昇 →有害事象↑ − イオン型 − − + + − 分⼦型 イオン型 ++ + 特徴︓分⼦型の薬物が再吸収される 薬物によっては(特に弱塩基性) 尿 pH が変わると、 イオン型/分⼦型の割合が異なる
2-2 薬物動態 の指標 速度論を解析するときの指標
薬物⾎中濃度解析 臨床★☆☆ 基礎★★☆ ①投与後、全⾝循環⾎液中に薬物が移⾏するのに 伴い、⾎中濃度も上昇していく 薬 物 ⾎ 中 濃 度 ②体外へと排出されていくに伴い、 ⾎中濃度も低下していく 薬物投与後経過時間
薬物⾎中濃度解析 ⾎中濃度推移のパターン →薬のききめの特徴の指標 薬 物 ⾎ 中 濃 度 早く効く! 時間 ゆっくり効き始めて 長く効く!
⾎中濃度解析の指標(パラメータ) 最⾼⾎中濃度(Cmax) 100 薬 物 ⾎ 中 濃 度 シーマックス Concentration, 濃度 薬物投与後の最⾼⾎中濃度 (理論値) 50 0 薬物投与後経過時間
⾎中濃度解析の指標(パラメータ) 100 薬 物 ⾎ 中 濃 度 50 ⾎中濃度-時間 体内に取り込まれた 曲線下⾯積(AUC) 薬の量を⽰す 0 薬物投与後経過時間
⾎中濃度解析の指標(パラメータ) 最⾼⾎中濃度(Cmax) 100 薬 物 ⾎ 中 濃 度 シーマックス Concentration, 濃度 薬物投与後の最⼤⾎中濃度 <イメージ> Cmax, AUC の値が⼤きい 50 →⼤量の薬が体内に取り込まれた ⾎中濃度-時間 体内に取り込まれた 曲線下⾯積(AUC) 薬の量を⽰す 0 薬物投与後経過時間
⾎中濃度解析の指標(パラメータ) t1/2︓⾎中濃度半減期 100 薬 物 ⾎ 中 濃 度 Time, 時間 ティーハーフ 薬物の⾎中濃度が 半分になるまでの時間 <イメージ> t1/2 の値が⼤きい(⻑い) →ゆっくりと体外に排出される 効き⽬が⻑く続く 50 ティーマックス Tmax︓最⾼⾎中濃度到達時間 最⼤濃度に達するまでの時間 0 <イメージ> <イメージ> →効き始めが早い →ゆっくり効き始める 薬物投与後経過時間 Tmax の値が⼩さい(早い) Tmax の値が⼤きい(遅い)
反復投与時の⾎中濃度推移 ② IN と OUT が釣り合った 状態に到達する ①反復投与を繰り返すうちに、 徐々に蓄積されていく 定常状態 半減期の4~5倍で到達 ・・・ <イメージ> 薬の効き⽬が安定してきた ※定常状態がある薬物の場合
薬が効くにはちょうど良い量がある 飲み過ぎは毒 薬 物 ⾎ 中 濃 度 毒性域 中毒量 治療域 治療量 無効域 薬物投与後経過時間 ”ちょうど良い“⽤量・投与間隔が決められている
⾎中濃度を確認したくても →頻回の採⾎は現実的ではない 治療域が狭い 個⼈差が⼤きい 変動要因がある 1点の⾎中濃度測定値・投与量・投与間隔・患者背景 →⾎中濃度推移を推定し、投与計画をたてる 薬物⾎中濃度モニタリング(TDM)
TDM の採⾎ポイント ピーク値‥ばらつきやすい ばらつきが少ないので、 血中濃度推移を予測しやすい! トラフ値 次回の投与前‥“⾕” 定常状態 ※迅速な対応が必要な場合(臓器移植後の免疫抑制薬の管理・重症感染症) →トラフ値・ピーク値(投与2時間後)
コンパートメントモデル ⾎中濃度推移を理論上解析するための考え⽅ (コンパートメント理論) 体を⼀つの⽔槽のようにとらえる
分布容積(Vd) 薬 1g ⾎液 80 mL/kg 薬 1g ⾎液 5L ⾎液 5L ↓ ⾎中濃度 1 g/5 L =0.2 g/L ↓ ⾎中濃度 0.1 g/L 60kg×80mL/kg=4800mL 組織 だったとき 薬は 10 L に溶けた → 分布容積(Vd)
濃度 [g/L]= 薬物⾎中濃度 [mg/L] = 溶質 [g] 溶液 [L] 体内の薬物量 (X) [mg] 分布容積 (Vd) [L]
2-3 薬効の個人差 薬効の個人差につながる要因
2-3 薬効の個人差 -小児小児の薬物動態の特徴
⼩児 は ⼩さい⼤⼈ ではない Children are not miniature adults. 小児は成人の縮小図ではない 薬物療法のポイント 量 質 ⼩児の 薬⽤量 ⼩児に 使える薬 ※⼩児に特有の副作⽤・投与禁忌に注意
⼩児の薬物動態の特徴 ⾝体が 成⻑過程 BBB が 未発達 薬物代謝 未熟 質 細胞外液 多い PK は成⻑に 薬物感受性 伴い変化する →⾼い 酵素ごとに ⽔溶性薬物 成熟度が違う →薄まる ⾻発育に 影響する薬 →禁忌 薬物⾎中濃度 →上昇
量 ⼩児の薬⽤量 ①添付⽂書に記載されている薬⽤量 ②成⼈の薬⽤量から換算する Ø Augsberger の式 換算式は数種類ある 体表⾯積に⽐例していると⾔われており、 臨床でもよく⽤いられる式 (体表⾯積は⾎液量と⽐例する) ⼩児量=成⼈量× (年齢×4+20)/100 Ø von Harnack の換算表 未熟児 新⽣児 3ヶ⽉ 6ヶ⽉ 1歳 3歳 7.5歳 12歳 1/10 1/8 1/6 1/5 1/4 1/3 1/2 2/3
⼩児と解熱鎮痛薬 ウイルス 疾患 急性脳症 インフルエンザ ⽔痘 サリチル酸系薬剤 (アスピリンなど) ジクロフェナク メフェナム酸 ライ症候群 インフルエンザ脳症 死亡率上昇 ウイルス性疾患後の急性脳症 “因果関係は不明” アセトアミノフェン
補 ⾜ ⼩児に与薬する時の注意事項 飲 料 ⽔、⽩湯 ミルク • ミルク嫌いの原因に なり得る • 薬物相互作⽤ ジュース 嬌 単シロップ 味 はちみつ ⽣後1歳未満に禁⽌ (乳児ボツリヌス症)
2-3 薬効の個人差 - 高齢者 高齢者の体内動態の特徴
⾼齢者の特徴 服⽤薬剤数が多い 複数医 療機関 受診 感受性が⾼い 代 薬が効 きやす い 償機構 調節が の 困難 薬剤の副作⽤に要注意 ふらつき ・転倒 対策 物忘れ うつ せん妄 便秘 排尿障害 (例)ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬 必要最低限・少量から開始(上限量あり)
⾼齢者の特徴/体内動態 吸収 胃酸分泌↘ 分布 脂肪組織↑ ︓脂溶性蓄積 代謝 排泄 機能低下 機能低下 CYP 活性 腎⾎流量 胃腸管⾎流量↓ ⽔分量↓ 低下 ︓⽔溶性濃縮 胃腸管運動↓ ⾎清アルブミン↓ 薬物⾎中濃度↑ ︓遊離型薬物↑ 減少 薬物⾎中濃度↑ 薬剤の副作⽤に要注意 ※薬物が蓄積しやすく、副作⽤がでやすいので、注意
2-3 薬効の個人差 -妊娠妊婦の体内動態の特徴
妊娠と体内動態の変化 循環⾎漿量が著しく増加 →⽔溶性薬物の⾎中濃度減少 ⾎中アルブミンが減少 →遊離型薬物が増加 ⼼拍出量が増加 腎⾎流量が増加 →腎臓からの排泄が増加 胎児への薬物移⾏ 妊娠時期と薬物の影響 胎盤を通過し、胎児へと移⾏する ・低分⼦量 移⾏しやすい ・脂溶性が⾼い薬物 等
妊娠中の薬の使⽤ 妊娠前から、妊娠中の薬物治療を検討する 児の健康な発育 胎児への悪影響 • 催奇形性 • 胎児毒性 ⺟体の治療効果 ⺟体の副作⽤ ベネ フィット リスク がん化学療法‥妊よう性(妊娠するため⼒)を損なうものもある →医療者との⼗分なコミュニケーションのうえ、妊よう性を考慮した治療を選択
⺟親が使った薬 催奇形性 薬 ⽗親が使った薬 放射線 ベースラインリスク 薬が リスクを 上昇させるか? 要因 あり 要因 なし 先天異常 ⾃然発⽣ 3%
胎児毒性 胎児毒性が知られている代表的な薬 薬効分類 NSAIDs ACE 阻害薬 ARB テトラサイ クリン系 アミノグリ コシド系 薬 効 胎児毒性 解熱消炎 鎮痛薬 動脈管早期閉鎖、新⽣児遷延性肺 ⾼⾎圧、 ⽺⽔過少 妊娠後期 降圧薬 胎児腎障害・無尿・⽺⽔過少、肺 低形成、 Potter sequence 抗菌薬 ⻭⽛の着⾊、エナメル質形成不全 抗菌薬 ⾮可逆的第VIII脳神経障害、先天性 聴⼒障害 Potter sequence ポッター症候群︓両側の腎無形性や形成不全により⽺⽔過少をきた し,肺低形成や四肢変形を⽣じる
妊娠 週数 0 4 妊娠時期と薬の影響 ⺟体の変化 胎児の変化 最終⽉経 ⽉経予定⽇ (妊娠成⽴していない) 4 器官 形成期 8 15 16 器官形成期・ 機能熟成期 40 出産 授乳 薬剤の影響 All or None の法則* 絶対過敏期 相対過敏期 潜在過敏期 催奇形性が 問題となる 特に重要 な時期 胎児毒性、分娩への 影響が問題となる 薬物の⺟乳への移⾏ が問題となる *残留性のある薬物には注意が必要である︓エトレチナート(⾓化症治療薬)、 乾燥弱毒⽣⾵しんワクチン、⾦チオリンゴ酸ナトリウム(関節リウマチ治療薬)
胎児への影響について l ヒトを対象に調べることができない 妊婦・授乳婦は治験の対象外 l どのように調べているか︖ 動物実験からの推測 薬を使⽤している時に、後から 妊娠が判明した⼈の、相談事例の集積
パートナーが妊娠する可能性のある男性 アザチオプリン 催奇形 性 サリドマイド リバビリン 胎児 毒性 ‥免疫抑制剤 ‥多発性⾻髄種治療剤 ‥抗ウイルス剤(C型肝炎等) がん化学療法 男性が服⽤した薬が、胎児に影響することもある 投与中・投与後⼀定期間は信頼できる避妊法 等
2-1 薬物動態と 相互作用 代謝過程の相互作用 特に、グレープフルーツについて
原料 作業員 製品 原料 作業員 製品 酵素阻害とは、 酵素の活性中⼼等に結合し、反応を阻害する
フェロジピンの初回通過効果 ⼩腸 肝臓 CYP3A4 CYP3A4 https://www.cmaj.ca/content/185/4/309
グレープフルーツと 医薬品の相互作⽤ ①相互作⽤のメカニズム グレープフルーツに含まれる成分が 薬物の代謝(CYP3A4)を阻害する →薬物の⾎中濃度が上昇する 阻害 CYP3A4 フラノクマリン類 • ベルガモチン • 6’,7’-ヒドロキシベルガモチン(DHB) • 6’,7’-エポキシベルガモチン 及び、各2量体 代謝 薬物 分解
グレープフルーツと 医薬品の相互作⽤ ①相互作⽤のメカニズム グレープフルーツに含まれる成分が 薬物の代謝(CYP3A4)を阻害する →薬物の⾎中濃度が上昇する フラノクマリン類 • ベルガモチン • 6’,7’-ヒドロキシベルガモチン(DHB) • 6’,7’-エポキシベルガモチン 及び、各2量体 果⾁にも⽪にも存在 ⽩⾊種もルビー種 も含有 不可逆的阻害 (数⽇間持続)
グレープフルーツと 医薬品の相互作⽤ ②どこまでダメなの︖ グレープフルーツ︓果⾁を⾷べる グレープフルーツ︓ジュースを飲む グレープフルーツ︓ジャムを⾷べる ⼀緒に摂取しなければOK︖ 相互作⽤を回避するためにあけるべき時間は、 影響の程度によって、薬ごとに違います
グレープフルーツと 医薬品の相互作⽤ ③他の柑橘類は︖ グレープフルーツ スウィーティー メロゴールド 晩⽩柚 レッドポメロ ⽂旦 サワーポメロ ⽢夏 橙 ⼋朔 メキシカンライム パール柑 サンポウカン レモン ⽇向夏 スイートオレンジ 多い 中程度 齋⽥哲也ら、 医療薬学、32 (7)、693-699 (2006) から作図 ポンカン 伊予柑 柚⼦ カボス スダチ ⾦柑 微量 温州みかん デコポン 検出されない
グレープフルーツと 医薬品の相互作⽤ 免疫抑制薬 Ca 拮抗薬 ④どんな薬に注意が必要︖ ⾼脂⾎症治療薬 CYP3A4 で代謝される薬物 初回通過効果の影響が⼤きい薬物 患者の脆弱性
グレープフルーツと 医薬品の相互作⽤ リスクに応じて、適切な対処が必要 (全部ダメではない) 他の果物は、また別のリスクが・・・ グレープフルーツは美味しいです。 医薬品服用中でないときには、お召し上がりください!