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October 26, 23
スライド概要
「2-2 薬物動態学の指標」
内容:
・血中濃度解析
・血中濃度解析の指標
・TDM の基本的な考え方
「くすりのことをわかりやく、基本から臨床まで」 をモットーに、初学者向けの薬情報をまとめています。 資料は、薬剤師が作成しています
2-2 薬物動態 の指標 速度論を解析するときの指標
薬物血中濃度解析 臨床★☆☆ 基礎★★☆ ①投与後、全身循環血液中に薬物が移行するのに 伴い、血中濃度も上昇していく 薬 物 血 中 濃 度 ②体外へと排出されていくに伴い、 血中濃度も低下していく 薬物投与後経過時間
薬物血中濃度解析 血中濃度推移のパターン →薬のききめの特徴の指標 薬 物 血 中 濃 度 早く効く! 時間 ゆっくり効き始めて 長く効く!
血中濃度解析の指標(パラメータ) 最高血中濃度(Cmax) Concentration, 濃度 シーマックス 100 薬 物 血 中 濃 度 薬物投与後の最高血中濃度 (理論値) 50 0 薬物投与後経過時間
血中濃度解析の指標(パラメータ) 100 薬 物 血 中 濃 度 50 血中濃度-時間 曲線下面積(AUC) 体内に取り込まれた 薬の量を示す 0 薬物投与後経過時間
血中濃度解析の指標(パラメータ) 最高血中濃度(Cmax) Concentration, 濃度 シーマックス 100 薬 物 血 中 濃 度 薬物投与後の最大血中濃度 <イメージ> Cmax, AUC の値が大きい →大量の薬が体内に取り込まれた 50 血中濃度-時間 曲線下面積(AUC) 体内に取り込まれた 薬の量を示す 0 薬物投与後経過時間
血中濃度解析の指標(パラメータ) t1/2:血中濃度半減期 Time, 時間 ティーハーフ 100 薬物の血中濃度が 半分になるまでの時間 <イメージ> 薬 物 血 中 濃 度 t1/2 の値が大きい(長い) →ゆっくりと体外に排出される 効き目が長く続く 50 ティーマックス Tmax:最高血中濃度到達時間 最大濃度に達するまでの時間 0 <イメージ> <イメージ> →効き始めが早い →ゆっくり効き始める 薬物投与後経過時間 Tmax の値が小さい(早い) Tmax の値が大きい(遅い)
反復投与時の血中濃度推移 ② IN と OUT が釣り合った 状態に到達する ①反復投与を繰り返すうちに、 徐々に蓄積されていく 定常状態 半減期の4~5倍で到達 ・・・ <イメージ> 薬の効き目が安定してきた ※定常状態がある薬物の場合
薬が効くにはちょうど良い量がある 飲み過ぎは毒 薬 物 血 中 濃 度 毒性域 中毒量 治療域 治療量 無効域 薬物投与後経過時間 ”ちょうど良い“用量・投与間隔が決められている
血中濃度を確認したくても →頻回の採血は現実的ではない 治療域が狭い 個人差が大きい 変動要因がある 1点の血中濃度測定値・投与量・投与間隔・患者背景 →血中濃度推移を推定し、投与計画をたてる 薬物血中濃度モニタリング(TDM)
TDM の採血ポイント ピーク値‥ばらつきやすい ばらつきが少ないので、 血中濃度推移を予測しやすい! トラフ値 定常状態 次回の投与前‥“谷” ※迅速な対応が必要な場合(臓器移植後の免疫抑制薬の管理・重症感染症) →トラフ値・ピーク値(投与2時間後)
コンパートメントモデル 血中濃度推移を理論上解析するための考え方 (コンパートメント理論) 体を一つの水槽のようにとらえる
分布容積(Vd) 薬 1g 血液 80 mL/kg 薬 1g 血液 5L 血液 5L ↓ 血中濃度 1 g/5 L =0.2 g/L ↓ 血中濃度 0.1 g/L 60kg×80mL/kg=4800mL 組織 だったとき 薬は 10 L に溶けた → 分布容積(Vd)
濃度 [g/L]= 薬物血中濃度 [mg/L] = 溶質 [g] 溶液 [L] 体内の薬物量 (X) [mg] 分布容積 (Vd) [L]