GTMF 2025 Unreal Engine 5.7 注目ポイント紹介 publish

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December 05, 25

スライド概要

2025年11月20日と2025年11月25日のGTMF2025での講演資料となります。UnrealEngine5.7のアップデートの一部をピックアップして解説しています。

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Unreal Engineを開発・提供しているエピック ゲームズ ジャパンによる公式アカウントです。 勉強会や配信などで行った講演資料を公開しています。 公式サイトはこちら https://www.unrealengine.com/ja/

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関連スライド

各ページのテキスト
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GTMF2025 Unreal Engine 5.7 注目ポイント紹介! Epic Games Japan, Senior Software Engineer, Developer Relations Takashi Suzuki

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リリースブログ https://www.unrealengine.com/ja/news/unreal-engine-57 -is-now-available

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Performance 現行世代ハードウェア上で、安定した 60fps で動作す る大規模かつ高密度なオープンワールド Unreal Engine リリーステーマ Scalability ハイエンド PC からモバイルまで、 幅広いプラットフォームで動作するシステム Workflows すべてのクリエイターが、完全なリアルタイム環境で 制作とイテレーションを行えるようにする

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アップデート概要 目次 注目ポイント紹介

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アップデート概要 目次 注目ポイント紹介

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レンダリング

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レンダリング MegaLights Beta in 5.7 PICKUP • Unreal Engine 5.7 でベータへ、 5.8 でProduction Readyへ移行予定 • ライティングの安定性向上 ○ Groom(髪・毛)への対応 ○ シャドウの透過表現対応 ○ 高ディテール・動的・ノイズの多いサーフェスで の品質改善 • 解像度スケールや更新レートを制御するパフォーマンス 調整機能を開発中

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レンダリング Substrate Materials Production Ready in 5.7 PICKUP • 新規のUnreal Engine 5.7プロジェクトでは デフォルトで有効化 ○ 旧来のマテリアルは5.9を目標に廃止予定 • 従来の固定的なシェーディングモデルやブレンド モード(例:Default LitやClear Coatなど)を、 より表現力豊かでモジュール化された新しいフレー ムワークで定義できるように • 従来のマテリアルのすべての機能をサポートし すべてのプラットフォームで同等のパフォーマンス ○ AdaptiveGBuffer & BlendableGBuffer

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レンダリング Nanite Foliage & Skinning Experimental in 5.7 • 高密度な植生アセットをアニメーションさせて レンダリングしても 現行世代ハードウェアで60fpsを維持 • Nanite Assemblies は、植生用メッシュのデー タ構造を改善し、ランタイム時のストレージ、 メモリ、レンダリングコストを削減 • Naniteのボクセル表現を使用することで、遠距 離での描画を効率化 • Naniteスケルタルメッシュを 低負荷でアニメーション PICKUP

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シミュレーション

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シミュレーション Niagara • MegaLights - particle lightsをサポート • Naniteメッシュパーティクル • ステートレスエミッタ (ライトウェイトエミッタ )の 性能向上 - Production Ready • Heterogeneous Volumes 高品質なシャドウ表現とスケーラビリティ制御

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シミュレーション Chaos クロス ● クロスアセットをスケルタルメッシュのセクション に設定して動作するようになりClothComponentが 不要に ヘアグルーム ● ボーンアニメーションとのブレンド機能によりアー トディレクション性が向上 データフローエディタフレームワーク - Beta ● Chaos関連アセットのノードベースの 非破壊編集システム 例えば既知の素材に対する破砕メッシュ作成などを テンプレート化

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ワールド制作

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ワールド制作 PCG Framework Production Ready in 5.7 ● PCGモードの追加とアセットワークフローの強化 ● GPU機能およびパフォーマンスの改善 Procedural Vegetation Editor Experimental in 5.7 ● FAB上にMegaplantとよばれる 各植物種のテンプレートを用意 ● Megaplantを利用して 独自のNaniteフォリッジアセットを生成 PICKUP

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ワールド制作 World Partition ● Fast Geo streaming - Production Ready 5.7 ● Unreal Insights 上でのWorld Partitionの メモリトラッキング - Production Ready 5.7 ● Custom HLODs - Production Ready 5.7

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キャラクター & アニメーション

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キャラクター &アニメーション モーションマッチングの チューザー統合 PICKUP Experimental in 5.7 ● アニメーション単位でフィルタを適用し、 結果をモーションマッチングで評価できるように

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キャラクター &アニメーション Mutable ● データレス ミュータブル ソースメッシュ、テクスチャ、マテリアルを 名前ベースのプロパティとして管理し、 ゲーム内でパラメータとして渡すことが可能に プリコンパイルが不要となりアセットへの参照が分離

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キャラクター &アニメーション エディタ内アニメーション編集 リターゲット ● ● 空間を把握したリターゲット - Experimental より良い足接地 アニメーション編集 ● ● 選択セット - Beta オンメッシュコントロール - Experimental シーケンサー ● Sequence Validation - Experimental

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イテレーション改善 & エディタ

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イテレーション改善 Incremental Cooking Beta in 5.7 ● シーン内で変更されたアセットのみをクックすることで、 ターゲット上で結果を確認するまでの時間を短縮 ● 決定論的なクック動作の改善により、 変更されていないアセット(特にブループリントやワールド) を再クックする必要性をさらに低減 Build Health Analytics Experimental for 5.7 ● Hordeおよびビルドプロセスのテレメトリーと 分析可視化のさらなる改善 ● ジョブステップやジョブプールのパフォーマンスを監視し、 アラート閾値の設定やトレンド分析を実行可能

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イテレーション改善 Unreal Engine 5.1 と 5.7 のクック速度比較 PC SM6

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イテレーション改善 Unreal Build Accelerator Windows/macOS/Linux 向けに、 コードおよびシェーダーコンパイル速度が 大幅に向上 最近の改善点: ● macOS および Linux における シェーダーコンパイルの高速化 ● Experimental Cache Serverの導入 ● Horde によるアイドル/ビジー検出機 能の追加 Unreal Build Tool UB A Unreal Build Accelerator Horde Server Dynamic HW scaling Horde Agents (runs UBA

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エディタ AI アシスタント Experimental in 5.7 UEに関する質問に答えてくれるチャット AI ● UEFN向けにも同時リリース ● プラグインで提供(デフォルトOFF ● 利用規約およびプライバシーポリシーに合意でき れば無料で無制限に利用できます

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質問ショートカット 項目をポイントしてF1キーで AIアシスタントに質問

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エディタ AI アシスタント Mini FAQ ● AIアシスタントはプロジェクトのコードやアセットを解析し外部に送信しますか? ○ いいえ。AIアシスタントはプロンプトのみを認識し、プロジェクト内のコードやアセッ トを認識しません 。 ● 質問した内容はすべて学習に利用されますか? ○ いいえ。学習には利用されません。 しかしAIアシスタント内の👍👎アイコンによるフィードバックは個人情報を削除した 上で収集されます。 ● チャットボットですか?それともAIですか? ○ LLMを利用して構築されたAIです。 https://www.unrealengine.com/ja/faq#epicdeveloperassist ant

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アップデート概要 目次 注目ポイント紹介

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注目ポイント Nanite Foliage

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Nanite Foliage Nanite Foliage Experimental in 5.7 高密度な樹木を低コストで描画する ● Nanite Assembly ○ 末端パーツの組み合わせで大きな構造を低 コストで表現する ● ボクセルレンダリング ○ LODの低下に伴う構造の破綻に対処し 安定した密度で樹木を表現 ● Nanite Skinning ○ 高価なプログラマブルラスタライズ を回避し、固定機能ラスタライズ でスキニン グアニメーション

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Nanite Foliage Nanite Foliage Experimental in 5.7 高密度な樹木を低コストで描画する ● Nanite Assembly ○ 末端パーツの組み合わせで大きな構造を低 コストで表現する アセット内でパーツを インスタンス化! ● ボクセルレンダリング ○ LODの低下に伴う構造の破綻に対処し 安定した密度で樹木を表現 複雑で細かい Naniteメッシュを 遠くでも良い感じに描画! ● Nanite Skinning ○ 高価なプログラマブルラスタライズ を回避し、固定機能ラスタライズ でスキニン グアニメーション Naniteスケルタルメッシュを 高速に描画できるように! ※まずは樹木用スケルタルメッシュのみ

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Nanite Foliage Nanite Assembly StaticMesh / SkeletalMesh • スケルタル/スタティックメッシュ内に、 メッシュ小片とそのインスタンス配列を持つ ○ スケルタルメッシュにはボーンレベルの アニメーションを適用可 ○ 小片はボーンのトランスフォームでアニ メーション(スキニング無し) • ISMより軽量で、レベルデザイナーは 通常のメッシュと同じように扱える パーツ A StaticMesh パーツ B StaticMesh パーツ C StaticMesh • ユニークメッシュをパーツの集合で表現して データ量を劇的に削減 ノード配列 (インスタンス)

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Nanite Foliage ボクセルレンダリング ● Nanite内のLODの段階が進むとクラスタが減少して輪 郭が痩せていく問題 ○ 面積を維持しようとするPreservedAreaもあ るが抜本的な解決にはならない ● このようなクラスタが減少するLODをボクセル表現に切 り替えることで遠距離での樹木のクオリティとパフォーマ ンスを両立 ● 低ポリゴンモデルはNanite化やボクセル化の 恩恵を受けにくい r.Nanite.Visualize voxels r.Nanite.ViewMeshLODBias.Offset 2 r.Nanite.MaxPixelsPerEdge 16

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Nanite Foliage Nanite Skinning ● 従来のWorldPositionOffsetは 低効率なNaniteプログラマブルラスター が必要 ○ 距離によるWPO無効化などで対処してきた ● TransformProviderを通じて正確なバウンズとボーンの トランスフォームデータをGPUに用意することで 固定機能ラスターでスケルタルメッシュを描画 できるように ○ Reference Pose ○ Animation Runtime ○ Animation Bank - CPU ○ Animation Bank - GPU ○ DynamicWind ● SkinningSceneExtension.cpp/.h参照

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Nanite Foliage InstancedSkinnedMeshComponent 通常のスケルタルメッシュコンポーネントは アニメーションが設定されていれば AnimationRuntimeなければRefposeの TransformProviderで動作 スケルタルメッシュをISMと同様にインスタンス配置する インスタンスドスキンドメッシュコンポーネント では アニメーションを直接設定することが出来ないので TransformProviderを明示的に指定する アニメーションにはオーバーヘッドがあり VSMのキャッシュを無効化することは変わらないので WPODisableDistanceと同じように 無効化距離を設定しパフォーマンスを調整する ● AnimationMinScreenSize ( コンポーネント個別設定 ) ● r.Skinning.DefaultAnimationMinScreenSize ( デフォルト : 0.1 )

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Nanite Foliage AnimBank インスタンスドスキンドメッシュコンポーネントに 共通のアニメーションを流し込む ● AnimBankにAnimSequenceを登録 ● TransformProviderを継承しているAnimBankDataに 必要なAnimBankを設定 ● インスタンスドスキンドメッシュ コンポーネントの TransformProviderに設定 ● インスタンス毎に AnimationIndexを設定可

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Nanite Foliage DynamicWindプラグイン TransformProviderのひとつ DynamicWindDataを継承したアセットを InstancedSkinnedMeshComponentに登録することで動作 風力設定はDynamicWindSubsystemを介して行う

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Nanite Foliage DynamicWind反応設定 各SkeletalMeshのAssetUserDataの中の DynamicWindSkeletalDataで調整 SimulationGroupsは配列になっており、 幹を0番目の要素として分岐毎に次の要素に対応する

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Nanite Foliage Nanite Foliage の作成方法2選 ProceduralVegetationEditor(PVE) ● レシピをベースに加工して樹木メッシュを作成 NaniteAssemblyEditorUtilities ● レベルエディタ上でコンポーネントを配置して エディタユーティリティを呼び出す

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Nanite Foliage Quixel Megaplants PVEで利用できるレシピアセット プリセット、PVGraph、完成品メッシュを含む Fabから無料でダウンロード プリセット https://www.fab.com/sellers/Quixel%20Megaplants

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Nanite Foliage Procedural Vegetation Editor(PVE) NaniteAssemblyを出力するPCGを基盤としたエディタ ● ● ● ● ● ● 一つのレシピMegaplant)から複数のバリエーション 末端のパーツの配置や密度 枝の剪定 ボーンの削減 葉の配置の調整 マテリアルや末端のパーツメッシュの置き換え エンジン内にサンプルマップが同梱 /Engine/Plugins/ProceduralVegetationEditor/SampleAssets/

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Nanite Foliage Procedural Vegetation Editor(PVE) 重力で枝垂れ 刈り込んで低密度に

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Nanite Foliage NaniteAssemblyEditorUtilities プラグイン Experimental in 5.7 レベルエディタ上のアクタを選択し、 NaniteAssemblyに変換するライブラリと エディタユーティリティBP ライブラリ関数は非常にシンプルな構成なので プラグイン中のBPを参考に ワークフローに合ったBPを作成するのもお勧め

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Nanite Foliage NaniteAssemblyEditorUtilities の使い方 ● ● レベルエディタ上でベースのスケルタルメッシュに パーツ用スケルタルメッシュをアタッチする べースのアクタアクタを選択し右クリック > Create New Skeletal Mesh Assembly from Selected Actor

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注目ポイント Substrate

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Substrate Substrateと旧来のマテリアル ● ● Substrate有効時でも、旧来のマテリアルアセット をそのまま利用可能に UE5.6 ○ Substrate導入当時の全マテリアルへの 「復元不能な変換」は不要 に 新旧すべてのノードが利用可能 旧インターフェイス どちらかを排他利用 Substrate インターフェイス

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レンダリング Adaptive GBuffer vs Blendable GBuffer ContentExampleのSubstrateマップより

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レンダリング Adaptive GBuffer vs Blendable GBuffer

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Adaptive GBuffer Adaptive GBufferでは 全てのスラブが評価される

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Blendable GBuffer Blendable GBufferでは ベーススラブのみが評価される

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レンダリング Adaptive GBuffer vs Blendable GBuffer 手法 AdaptiveGBuffer BlendableGBuffer ハードウェア要件 デスクトッププラットフォームと 現世代コンソール 左以外のプラットフォーム 多層マテリアル 対応 ベーススラブのみ パフォーマンス 適用型GBuffer 従来のGBufferレイアウト

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注目ポイント MegaLights

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Official Document: Mega Lights MegaLights MegaLightsとは ● どのような機能? ● ● ● ● 1フレーム、各ピクセル毎にライトを設定された数だけサンプリング サンプリング結果はテンポラルデノイザーで平均化される ライトの数が増えても処理負荷が増えにくい ● 無制限のライト。。。 ● ≒ライト版の Nanite?! LumenとMegaLightsは 直接関係してはいない ● ● Lumenは間接光を制御 MegaLightsは直接光 を制御

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レンダリング MegaLights比較 手法 従来のライティング MegaLights ハードウェア要件 無し ハードウェアレイトレーシング 正確さ 正確 制限されたライトサンプリング+デ ノイザー 負荷 ライト数に比例 ライトが増えても 負荷が増えにくい 遅延 なし 過去フレームを参照している

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注目ポイント モーションマッチング チューザー統合

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モーションマッチング チューザー統合 「条件に合わせたモーションマッチングテーブル」を チューザーで選択してモーションマッチングを判定 歩きテーブル 走りテーブル 移行テーブル チューザー モーション マッチング 走りテーブル

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モーションマッチング チューザー統合 New! モーションマッチングテーブル内のモーションに条件を付与 条件でフィルタしたものを対象にモーションマッチング チューザー 速度が一定以下 速度が一定以上 フィルタ しゃがみフラグON モーション マッチング

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モーションマッチング チューザー統合 MMテーブル内の アニメーション ABPのプロパティで フィルタ PoseMatchは 一番右に

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モーションマッチング チューザー統合

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モーションマッチング チューザー統合

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まとめ ● ● ● UE5.6に引き続き、60hz defaultの成果をご提供できるようになりました プロダクションレディ /ベータ ○ PCG ○ Substrate ○ MegaLights 注目の新機能 ○ Nanite Foliage ○ モーションマッチング +チューザー統合

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Thanks!