知的障害の子どもを持つ保護者への情報提供資料_09_親元を離れた際の生活の場

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August 01, 23

スライド概要

知的障害のある子どもを持つ保護者に対して有用と思われる下記の情報提供内容をまとめております。

9.親元を離れた際の生活の場について
(グループホームと利用時に支給される助成金、入所施設)

このスライドは12の内容のうちの1つです。全ての内容を参照される場合は下記のURLにアクセスしてください。
https://www.docswell.com/s/7480727/5387NL-2023-08-01-084137

知的障害特別支援学校にのみならず、保護者さまや知的障害の方に関わる仕事をされている方にも広くご利用いただければと思います。
資料については自由に改変いただけますが、営利目的での使用および再配布はご遠慮ください。
なお、内容においては、書籍や政府機関の情報を参照して細心の注意を払って作成していますが、制度の変更や万が一の誤記等によって内容が正しくない恐れがあります。
また、本内容に基づいて情報提供を行い、不利益が生じた場合の筆者は責任を一切負いません。

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兵庫教育大学大学院における修士論文執筆に際して作成した資料を共有しています。 研究において分析した知的障害の子どもを持つ保護者の持つ不安に対して応える内容をまとめております。 知的障害特別支援学校にみならず、保護者さまや知的障害の方に関わる仕事をされている方にも広くご利用いただければと思います。

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各ページのテキスト
1.

親元を離れた生活の場について 事例 Gさんは介護施設に就職して時間が立ち、仕事も覚えて余裕 ができてきました。そこでGさんの両親は先々のことを考え、 一人暮らしするように勧めました。Gさんも親元が楽でいいと 思ってはいたものの、高3のときから時々話をされていたの で、思い切って親元を離れることにしました。 仕事や身の回りのことは自分でできるものの、料理や細か い金銭管理が苦手なGさんは、世話人の支援があるグループ ホームに入居することにしました。 はじめは他の入居者と一緒に生活する戸惑いもありました が、すぐに打ち解け、苦手なことを世話人さんに手伝っても らいながら仕事と生活を両立することが出来ました。

2.

親元を離れた生活の場について • グループホーム(共同生活援助) 事業者が一軒家や公営住宅、アパートなどを借りて運営を 行います。一軒あたりの入居者は男性のみまたは女性のみで 募集されることがほとんどです。基本的に一人一室(4畳半 以上の広さ)で施錠できる部屋が提供されます。浴室・洗面 所・リビング・ダイニング・トイレは共用部となります。 世話人1人につき、4~6人の利用者が入居します。世話 人は食事の提供や家事の手伝い、健康・金銭管理の援助など 日常生活全般の支援をしてくれます。基本的に日中は外部の 福祉事業所を利用したり、就労先で勤務したりします。 障害支援区分に非該当な軽度の方でも利用できます。重度 の方向けのグループホームも増えつつありますが、入所施設 程には支援が手厚くはないため、対応できる事業者かどうか 見極める必要があります。

3.

親元を離れた生活の場について • グループホームの利用に関する助成金 グループホーム入居者に対しては国からの助成金が支給されます。また、自治 体によって金額が異なりますが、自治体独自の助成金を支給している場合が多く あります。 グループホームを利用する場合は、自治体の助成金があるかどうかを調べて、 活用しましょう。 • 助成金の額 特定障害者特別給付費(国からの助成金) →1万円 *家賃が1万円以下の場合は実費 グループホーム利用者家賃助成(神戸市の場合) →上限15,000円 *家賃から特定障害者特別給付費(1万円)を引いた額の半分

4.

グループホームの生活費試算 一般的なグループホームの場合 生活費 1日あたり 1ヶ月(30日) 35000 家賃 食費朝夕 食費昼 水道光熱費 850 600 25500 18000 約9割の方は福祉サービスの利用料負担はあり ませんが、一般就労をしている方は費用負担が発 生する可能性があります。 16000 日用品費 3000 通信費 3000 合計 実際に存在するグループホームの費用(家賃、 食費朝夕、水道光熱費、日用品費)を参照しまし た。Wi-fi完備とのことなので格安携帯で通信費は 3000円、昼食は600円で試算しています。 100500 ・福祉サービス利用料負担の目安 *障害支援区分非該当の方が、神戸市で世話人1 人に対して6人が入居するグループホームを30日 間利用する場合 サービス報酬170×1単位単価10.68円×30日 ×0.1(1割負担)≒ 5500円

5.

グループホームの生活費試算 収入 フルタイム勤務 年金1級 短時間勤務 または 就労継続支援A型 年金2級 就労継続支援B型 就労継続支援B型 年金1級 年金2級 生活介護 年金1級 移行支援支援 年金1級 障害年金 65000 65000 80000 65000 80000 65000 グループホーム助成金(国) 10000 10000 10000 10000 10000 10000 グループホーム助成金(市) 12500 12500 12500 12500 12500 12500 給料(手取り)または工賃 110000 75000 14000 14000 0 0 合計 197500 162500 116500 101500 102500 87500 生活費+自己負担額 106000 100500 100500 100500 100500 100500 91500 62000 16000 1000 2000 -13000 生活費を除いた自由に使えるお金 グループホーム助成金は自治体によって異なりますが、家賃から国からの助成金を差し引き、その半額 を補助する自治体が多いため、家賃35000円に対して12500円で試算しています。給与・工賃は障害者雇用 や就労継続支援A型での一般的な手取り額、工賃は就労継続支援B型の平均的な水準で試算しています。就 労移行支援は工賃の支払いがある場合は少く、生活介護でも工賃が支払われる事業所が一部であるため、 今回は支払いはないものとして試算します。 月々の余裕がない場合もあるので、親元にいる間に障害年金を貯蓄しておくなどの準備が必要かもしれ ません。特に就労移行支援利用者は就労後のグループホーム利用が現実的かと思われます。

6.

親元を離れた生活の場について • グループホームに入居する時期 20~30代で入居する方 が約3割、保護者が高齢 となる40代、50代になる と一気に入居者が増えて くる印象です。 ちなみにグループホー ムに入っても、土日や盆 正月は帰省する方は多い です。保護者の負担軽減 と本人の自立に向けて早 い段階からの利用をおす すめします。 表は日本知的障害福祉協会・令和3年度 全国グループホーム実態調査報告から引用しています。

7.

親元を離れた生活の場について • 入所施設 社会福祉法人や国、自治体などが運営しています。 敷地内に生活介護や就労継続支援B型が併置している 場合が多く、敷地内で生活が完結しやすいです。 障害支援区分4以上(50歳以上は障害支援区分3 位上)でないと入所できないため、比較的障害の重 い方のみ利用できます。 近年は、グループホームを増やし、入所施設の規 模を縮小していく施策を行っているため、なかなか 空きが少く、入居しづらい状況が続いています。