SASユーザー総会論文集 2005年

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April 21, 25

スライド概要

薬物動態(PK)解析ソフトウェアの開発 柳澤健太郎
臨床開発のためのSASプログラミング教育カリキュラムの開発と実践 ~統計解析業務を題材に ~ 山口孝一
効果的顧客ターゲティングのための一手法 ~医 薬品マーケティングへの応用~ 武藤猛
SASを用いた二段階法と非線形混合効果モデル 法の性能比較 五所正彦
木構造を処理するマクロの作成 -SQLプロシジャ を利用して- 堀田真一
臨床試験における施設効果とリスク管理 小笠原博幸
非反復測定値に基づくPKパラメータの群間比較 落合俊充
MCMCからのベイズ 町田光陽
SAS9 BIクライアントツールを使用した臨床開発に おける業務手順標準化の考察 村上元親
SAS ETL Serverを用いた臨床試験データの加工 業務への活用事例 高浪洋平
統計モデルを使う実験計画で実験数nを半減 高橋行雄
POWERプロシジャによる症例数設計 浜田知久馬
2段階デザインにおける奏効確率の一様最小分散不偏推定量のプログラム作成 豊泉滋之
臨床試験のデータ・モニタリングにおいて解析部門ができること 林水紀
読合帳票の出力 中村竜児
SASにおけるUnicodeサポートへの取り組み - SAS Unicodeサーバー 小林丈二
ODS Statistical Graphicsの紹介 吉澤敦子
株式市場の非効率性と超過収益率の獲得のため の投資戦略 角谷督
ファースト・パッセージ型オプションアプローチ・モ デルと社債評価の実証的研究 宮村幸夫
信用リスク計測モデルの構築のための欠損値処 理-MIプロシジャを使用したモデルとの比較- 角野大朗
SASを用いた民事再生法申請の結果予測 矢内紘之
データマイニングを用いた中小企業の信用リスク の推定~ 再構築(Re-Constructed)アプローチ 小野潔
Metzlerの在庫循環モデルにおける現実的適用の 考察 江畑嘉敏
SAS Enterprise Minerのパラメトリックモデルにお けるパラメータ推定値と期待値の関係について 斎藤和宏
SASを用いた寄席定席興行の現状分析 坂部裕美子
JMPを活用したコンジョイント分析による農産物の消費者評価- 兵庫県の伝統野菜”岩津ネギ”に 対する事例- 加藤雅宣
社会生活基本調査のミクロデータを用いた生活時 間と生活行動の関係の分析 勝浦正樹
非同居家族員を考慮した世帯分類 稲葉由之
インドネシアにおける1900年から2002年までの所得格差の実態-政府統計SUSENASの支出ミクロ データに基づく実証分析- KADARMANTO
雇用動態類型からみた若年正規雇用者の所得分 布について 森博美
JMPによる血液製剤の平均的使用量の作成につ いて 田久浩志
人工換気療法のトレンドに関する研究 縣俊彦
例数がアンバランスなときの近似Dunnett法の性能の評価 中島章博
MIXEDプロシジャを用いたメタ回帰 長谷川千尋
2値時系列データの解析について 緑川修一
JMPを活用した住民参加型まちづくりのためのデータ解析と地理情報システムでの連携運用法 の提案 田中有紀
JMPを利用したCVMによる政策評価 -ローカル 鉄道のサービス向上の金銭的評価を事例に- 藤尾俊幸
JMPを活用した住民意識調査データに基づく行政 課題の構造に関する計量的抽出法の検討 繆青
国土数値情報を用いたJMPによる簡易3 DGISの 開発 川向肇
SASのグラフを高品位に効率よくTEXの文書に取 り込む方法 寒水孝司

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

SASForum ユーザー会 学術総会 2005 論文集 2005年 7月 2 8日(木 )‑29日(金)

2.

SAS、SASを構成するプロダクト群は、 SASI n s t i t u t eI n c .の畳録商標です。 その他、本論文集に記載されている会社名、製品名は、一般にそれぞれ各社の商標または登録 商標です。 本論文集の一部または全部を無断転載することは、著作権法上の例外を除き、禁止されていま す。本論文集の内容を実際に運用した結果の影響については、責任を負いかねます。

3.
[beta]
目 次

口頭論文発表
E記長忌孟孟長忘却~.:...-:._:~枇晶君恵三主語忌主見出:弘子三百三己主主主可知名 Pず,::::.:.':主化企 γ~,L:"':,,;;,ι主:.-三孟~ιムJよょ;之と{.;_';;';;;:溢ι一 ;:..i!;,~-:~.i.~-_:ä~持品さニ昌

一ー

一

‑医薬品開発
薬物動態 (PK)解析ソフトウェアの開発… ・・
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柳津健太郎(株式会社アーム)
山本奥子
飯塚久夫
山中博

浜田知久馬(東京理科大学工学部経営工学科)
矢船明史(クリニック千駄ヶ谷・東京理科大学工学部経営工学科)

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臨床開発のための SASプログラミング教育カリキュラムの開発と実践 ・・
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統計解析業務を題材に
山口孝一(株式会社 ACRONET)
林行和
平野忠員J
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竹田昌
佐藤智美

効果的顧客ターゲティングのための一手法… ・・
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医薬品マーケティングへの応用
武藤猛 (ECアーキテクト株式会社)

SASを用いた二段階法と非線形混合効果モデル法の性能比較…....・ ・‑…… 3
1
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五所正彦(興和株式会社)

菅波秀規(東京理科大学)
木構造を処理するマクロの作成… ・・
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… 43
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,
. SQLプロシジャを利用して
堀田真一(株式会社シーエーシー)

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4.

臨床試験における施設効果とリスク管理 ・・ . . . ・ ・ ‑ … . . . . ・ ・ . . . ・ ・ ‑ … . . . . ・ ・ . . . . . . . . . . . … … 55 H H H H H H 小宣原博幸(塩野義製薬株式会社) 長谷川貴大 田崎武信 非反復測定値に基づく PKパラメータの群間比較…....・ ・ ‑ … ・・ . . . . . . . . ・ ・‑…・…… 65 H H H H 落合俊寛(塩野義製薬株式会社) 山本成志 渡辺秀章 回崎武信 MCMCからのベイズ…日日 日 日 日 日 目 日 . . . . . . . . . . . . 日 日 日 目 日 . . . . 日 . . . . . . 日 日 . . . . . . 目 … . . . . 日 h H … …. 万 75 h 町田光陽(塩野義製薬株式会社) 長谷川貴大 田崎武信 SAS9B Iクライアントツールを使用した… ・・ ‑ … ・・ . . … ・・ ‑ … ・ . . . . . . . ・ ・ . . ・ ・ . . ・ ・ . . . . 8 5 H H H H H H H H H 臨床開発における業務手順標準化の考察 村上元親(株式会社タクミインフォメーションテクノロジー) 佐藤耕一 SAS ⑮ E T LS e r v e rを用いた臨床試験データの加工業務への活用事例…… 9 5 高浪洋平(武田薬品工業株式会社) 西山和志(株式会社フアースト) 峰松清志(住商情報システム株式会社) 統計モデルを使う実験計画で実験数 nを 半 減 . . . . ・ ・ . . … . . . ・ ・・・ . . . . . . . ・ ・ . . … . . . . ・ ・ . . 1 0 7 H H H H H H 高橋行雄(株式会社中外臨床研究センター) POWERプロシジャによる症例数設計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1 2 7 浜田知久馬(東京理科大学) 安藤英一 1 1

5.

2 段階デザインにおける奏効確率の H・H・ aaa~_~._".a.a.a.a.a・ H ・...・H ・ ._....a. ・ H ・ .a.a..・ H ・...._......・ H ・ ...153 一様最小分散不偏推定量のプログラム作成 豊泉滋之(東京理科大学) 浜田知久馬 臨床試験のデータ・モニタリングにおいて解析部門ができること… ・・ . . . ・ ・ . . . . 1 6 1 H H H 林水紀(持田製薬株式会社) 高田康行 萩野篤司 矢島勉 ‑システム 読合幅票の作成…… ・・ . . . ・ ・・・ . . . ・ ・ . . . . … … … . . . . ・ ・ ‑ … ・ . . . " . . . . . . … . . . . . ・ ・ . , … ‑ … . . . . ・ ・ . 1 7 3 H H H H H H H H H 中村竜児(株式会社インクリース研究所) SASにおける Unicodeサポートへの取り組み ・・・・ . . . ・ ・・・ . . . . . . ・ ・ . . ・ ・ . . . . . . . …. 1 8 3 H H H H H H H H H ' " SASUnicodeサ ー バ ー 小林丈二 (SASI n s t i t u t e,I n c . ) 吉沢敦子 SteveB e a t r o u s ODSS t a t i s t i c a lGraphicsの紹介… ・・ . . . ・ ・ . . . . … ・・ . ・ ・ . . . . . … … . . . . ・ ・ . . . . . . ・ ・ . . . . . . ・ ・ . 1 9 3 H H H H H H H H H 吉沢敦子 (SASI n s t i t u t e,I n c . ) 小林丈二 緑川修一(東京理科大学) 高原佳奈 宮岡悦良 4 砂金融・経営・経済 株式市場の非効率性と超過収益率の獲得のための投資戦略.....・ ・‑… ・・ . 2 0 7 H 角谷督(株式会社金融エンジニアリング・グループ) 黒子貴史(日興アセットマネジメント株式会社) 生田目崇(専修大学) 1 1 1 H H

6.

ファースト・パッセージ型オプションアプローチ・モデルと…… ・・ … ・・ . . . . ・ ・ ‑ … 217 H H H H H 社債評価の実証的研究 宮村幸夫(株式会社金融エンジニアリング・グループ) 信用リスク計測モデルの構築のための欠損値処理 ・・ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・・・ . . . . . . 2 2 5 H H H H H , . M Iプロシジャを使用したモデルとの比較 角野大朗(株式会社タクミインフォメーションテクノロジー) SASを用いた民事再生法申請の結果予測 ・・ . . . ・ ・ . . . ・ ・ . ・・ . . . ・ ・ . . . . . . . ・ ・ . . . . . . 2 3 3 H H H H H H H H 矢内紘之(株式会社帝国データバンク) M e t z l e rの在庫循環モデルにおける現実的適用の考察… ・・ . . . . . . . ・ ・ . ・ . ・ . . 2 4 3 H H H H H 江畑嘉敏(武蔵大学) 中村竜児(株式会社インクリース研究所) データマイニングを用いた中小企業の信用リスクの推定…… ・・ . ・ . . . ・ ・ . . . . . 2 5 1 H H H H 再 構 築( R e ‑ C o n s t r u c t )アプローチ 小野潔 (UFJ銀行) ‑製造・調査・マーケティング SASE n t e r p r i s eM i n e rのパラメトリックモデルにおける… ・・ . ・ . . . . . . . ・ ・ . . . ・ ・ . . 2 6 3 H H H H H パラメータ推定値と期待値の関係について 斎藤和宏(株式会社タクミインフォメーションテクノロジー) SASを用いた寄席定席興行の現状分析… ・・ . . . . . . . . ・ ・ . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・ . . … . . . . . . ・ ・ . . . . . . ・ ・ . 2 7 3 H H H H H H 坂部裕美子(財団法人統計情報研究開発センター) JMPを活用したコンジョイント分析による農産物の消費者評価........・ ・ . . . ・ ・ . . 2 8 3 H 兵庫県の伝統野菜'岩津ネギ'に対する事例 加藤雅宣(兵庫県立農林水産技術総合センター) 有馬昌宏 川向肇 lV H

7.

‑官公庁・大学 世界における政府統計のミクロデータ利用の潮流と日本の状況....・ ・ . . . ・ ・ . . . 3 0 3 H H 松田芳郎(東京国際大学) 社会生活基本調査のミクロデータを用いた生活時間と ・・ . . . ・ ・ . . . . . . . ・ ・ . . … 一 一3 05 H H H H 生活行動の関係の分析 勝浦正樹(名城大学) 非同居家族員を考慮した世帯の分類…....・ ・ . ・ ・ . . … ・・ . . . ・ ・ ‑ … . . . . ・ ・ . . … … . . . ・ ・ 319 H H H H H H H 稲葉由之(総務省) インドネシアにおける 1 9 9 0年から 2002年までの所得格差の実態… ・・ . . . . . . ・3 29 H H 政 府 統 計 Susenasの支出ミクロデータに基づく実証分析 カダルマント(東京国際大学) 雇用動態類型からみた若年正規雇用者の所得分布について....・ ・ . . . . . … … 3 43 H 森博美(法政大学) V

8.

│で三ヱペヲど一一 山 山 J 一 ‑統計解析 JMPによる血液製剤の標準的使用量の作成….......................・ ・ ‑ … … . . . ・ ・ . . ・ ・ . . . 3 5 5 H H H 田久浩志(中部学院大学) 岩本晋(徳山大学) 人工換気療法のトレンドに関する研究…. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 6 1 県幸俊彦(東京慈恵会医科大学) 豊島裕子 中村晃士 西岡真樹子 佐野浩粛 清水英佑 佐伯圭一郎(大分看護科学大学) ) I国天堂大学) 稲葉裕 ( 黒沢美智子 石原英樹(大阪府立羽曳野病院) 木村謙太郎 栗山喬之(千葉大学) 例数がアンバランスなときの近似 D u n n e t t法の性能評価… ・・ ‑ … ・・ . . . ・ ・ ‑ …3 7 1 H H H H H 中島章博(東京理科大学) 豊泉滋之 MIXEDプロシジャを用いたメタ回帰 . . . . . . . . . . . . . . . . u . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .・. . . . . . . . . . . . 3 8 1 長谷川千尋(東京理科大学) 渡部恵 浜田知久馬 Vl

9.

二値時系列データの解析について… ・・・・ . ・ . ・ . ・ a . . . . . . ・・ . . . ・ ・ . . ・ ・ . . . . . . ・ ・ . . 3 9 1 H H H H H H H H H H H 緑川 l 修一(東京理科大学) 矢野雄一 高原佳奈 宮岡悦良 ‑調査・マーケティング、 JMPを 活 用 し た 住 民 参 加 型 ま ち づ く り の た め の デ 一 タ 解 析 と 日 … … … . . … . . . … … … . 目 … . 日 … . 日 . . … … … . 日 … . . … . 目 . 日 … … … . 一 … . 日 … . 日 . . … … … . 日 … .… . 日 . . … … … . 日 … . 日 … . 日. . 4 閃 0 3 地理情報システムでの連携運用法の提案 田中有紀(兵庫県立大学) 川向肇 有馬昌宏 JMPを利用した CVMによる政策評価....・ ・ ‑ … ・・ ‑ … ・・ . . … ・・ . . . . . . ・ ・ . o a . . . ・・ . …. . 4 1 5 H H H H H H H H H ローカル鉄道のサービス向上の金銭的評価を事例に 藤尾俊幸(兵庫県立大学) 謬青 黒田佳代 田中有紀 J I I向肇 有馬昌宏 JMPを活用した住民意識調査データに基づく行政課題の… ・・ . . ・ ・ . . . ̲ . ‑ ・ ・ . . . . 4 2 5 H H H H 構造に関する計量的抽出法の検討 謬青(兵庫県立大学) 有馬昌宏 川向肇 ‑グ ラフィック n 国土数値情報を用いた JMPによる簡易 3DGISの開発… ・・ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . …. . 4 3 9 H ) 11向霊(兵庫県立大学) Vll H

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SASの グ ラ フ を 高 品 位 に 効 率 よ く TEXの 文 書 に 取 り 込 む 方 法 目 … … … . 日 … . 日 . 日 … … . 日 … . 目 . 日 … … … . 目 … . . … . 日 . 目 … … … . 日 … .… . 日 . . … … … . . … . . … . 日. . 4 伺 4 9 寒水孝司(東京理科大学) 豊泉滋之 Vlll

11.

口頭論文発表 医薬品開発

12.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 薬物動態 ( P K )解析ソフトウェアの開発 0柳津健太郎宇山本典子*飯塚久夫*山中博*浜田知久馬 本株式会社アーム医薬情報部 H 矢船明史村山 材東京理科大学工学部経営工学科 山クリニック千駄ヶ谷 D e v e l o p i n gt h es o f t w a r ef o rp h a r m a c o k i n e t i c s o KentarouYanagisawa N o r i k oYamamoto I i z u k aH i s a o H i r o s h iYamanaka ChikumaHamada* * AkifumiYafune村 山 M e d i c a landDrugI n f o r m a t i o nD e p t .ArmC o ., L t d . * * F a c u l t yo fE n g i n e e r i n g, TokyoU n i v e r s i t yo fS c i e n c e * 寧C l i n i cSendagaya ホ ホ 寧 寧 ホ 要 旨 本発表では S ASをベースとした薬物動態 ( P K )解析用ソフトウェアを紹介する.当ソフ トウェアでは,モデルに依らない解析,コンパートメントモデル解析が実行できる.コンパー トメントモデルの解析が実施できるソフトウェアは,現在多数存在するが,より使い勝手の良 さを目標とし,操作性,出力の利便性など実際に使用するユーザーの写実ヤ沖日し関葬房行っ t : : : . . 具体的には¢コンパートメントモデル鰹宜を行主D 1 : :必要た 茎物濃!奪データのスナ1や 特 五経路などの諸条件を短時間で主力主主呈事 f i i 封力結果がそのまま報告書た戸の安井 Lア 修 用 主きる事処3 土 ' ):r]0)操作が血紅斜辺剖こじ事などをコンセプトとしてシステム設計 を行った.また,解析結果の信頼性の保証に関する要求に応え. S ASによる解析を実施し,そ のログや履歴を保存することで信頼性の向上を図っている.本発表では,入出力の仕様,画面 ASプログラムと事例を紹介する. 構成,コンパートメントモデル解析についての S キーワード: PK. 薬物動態解析, SAS,EXCEL. コンパートメントモデル,臨床試験 1 はじめに 平成 1 3年 6月に交付された「医薬品の臨床薬物動態試験」ガイドライン [ 1 ]などの影響も あり,昨今では臨床試験における薬物動態解析が重要視されている.蓋盟塾塾理主手窒堕 できる市販のソフトウェアは現在多数存在するが,使用方法が煩雑であった呪」出主結果~O) 再利用がしにくいものが多く,教育,運用に多大なる労力を必要とする.また,ソフトウエ アを使用せず. SASなどを用い解析プログラムを作成する場合は,コンパートメントモデ 2 ]では非線形のモデルを扱う関係もあり,数値計算に対する専門的知識が必要である. ル[ 弊社ではこのような状況を踏まえ,使い勝手のよい薬物動態解析用ソフトウェアを開発 した.操作画面はユーザーが直感的に分かる様に考慮、した.データの管理,運用,申請書の 作成などが容易にできるように,データの入出力には EXCELシート,もしくは SASデー タセットを選択可能とした.また,当ソフトウェアは解析エンジンに SASを使用し,使い 勝手に加え,数値計算に対する解析結果の信頼性の向上を考慮、した. 3‑

13.

2 ソフトウェアの概要 当ソフトウェアには「医薬品の臨床薬物動態試験」ガイドラインに記されている PK解析 に十分な機能を備えている. 2節では機能の概要を紹介する. 2 . 1 血中濃度の解析方法 当ソフトウェアでは PKパラメータの推定にモデルに依らない解析だけでなく, 1コン パートメントモデル解析, 2コンパートメントモデル解析が実施可能である.それぞれの解 析手法に対しては薬物の投与経路を, 1次吸収過程のある場合(ラグタイムの有無を選択可 能),急速静注,点滴静注の 3種類から選択でき,薬剤の単回投与,及び反復投与に対応し ている.なお,経口投与,筋肉内注射,貼付投与などは全て l次吸収過程のある場合に分類 される [ 3 ] . モデルに依らない解析では AUC ' Kel' t l / 2などの各種パラメー 1im,AUC o o,Cmax,tmαx に関しては最終測定時点での血中濃度が タの解析が可能である.また , AUC 0の場合, l i m 最後の時点の三角形の面積を含めるか否かの選択が可能である. コンパートメントモデル解析には NLINプロシジャを用いて,最小二乗法によりパラメー タを推定する.反復計算の方法の変更や,重み付けなどもオフ。ションで指定できる.また,推 定するパラメータ,いわゆるフライマリパラメータを数種類の中から選択する事が可能であ る.例えば,単回投与,投与経路が 1次吸収過程のある場合(ラグタイムなし)の 1コンパー α ,CLtot !Fの トメントモデルではプライマリパラメータをじ jF,K a,Kelの組 ,VdjF,K α は吸収速度定数 , Kel 組,を選択できる.ここで日は分布容積 ,Fは生物学的利用率, K は消失速度定数 ,CL t o tは全身クリアランスを表している .1組目を選択した場合,推定さ 3 ]は れるモデル [ よ ) ‑ E ( kn .F.D C = μ { e x p( ‑K )‑e x p( ‑ K α. t ) } e l.t Vd( K α ‑Kel) となる.なお,ここで C は血中濃度 , tは投与後の経過時間を表している. また, 2組目の プライマリパラメータを選択した場合の推測されるモデルは C=~n' F.D 二 f/CLAS¥l TT r ~e x p(一一V 」こ.t ) x p( ‑ K , α.t )ト K α ・V d‑n CL ‑ ‑ ' ‑¥ ;‑e ‑ ‑ ‑ . , ‑‑u ‑') t o tL d ‑ ( 2 ) となる.この 2つのモデルはパラメータの設定方法は異なるが,等価なモデルである. プライマリパラメータに関してはパラメータの推定値の他に標準誤差, 95%信頼区間も出 力できる.プライマリパラメータとして求められないパラメータをセカンダリパラメータ として求める.セカンダリパラメータは推定されたプライマリパラメータより計算される. 例えば,上記条件での lコンパートメントモデル解析において,プライマリパラメータが 1 組目の場合セカンダリパラメータは CLt o b t1/2となり ,2組目の場合はセカンダリパラメー ‑4‑

14.

)/一 タが Ke[, t l / 2となる.なお, t l / 2は血中濃度の半減期を表す. また, セカンダリパラメー タを求める為の関係式は以下の 2式となる. 、、{ • ( 正 ( 3 ) 円ノ M ︐︐︐︐ 1 ι 4 ln2 Kel CLtot ( 4 ) Kel'V d 2 . 2 P Kパラメータの解析 当ソフトウェアでは PKパラメータの算出に加え,求められた PKパラメータに関する分 散分析,回帰分析,直線性の検討や, PKパラメータを用いた血中濃度のシミュレーション を実施できる.また, PKパラメータを簡単に INSIGHTへ出力することができる.この機 能により,推定したパラメータを簡単に図示できる. 2 . 3 グラフの出力 当ソフトウェアでは,数種類のグラフを EXCEL上に作成できる.出力をそのまま資料や 報宣書として簡単に倖悶で失 b事が王1(.9:アある.グラフの種類は,畑中濃度 ω折打綜ずヲ ヨ世国,打芳写石極圏などがある.参考の為に,反復投与時の予測血中濃度をシ ミュレーションした結果を下に記す. 予測血中濃度時間推移曲韓 30 25 ︿ du¥叫ロ)川四製容械を H司 20 1 5 1 0 5 。 。 50 150 100 200 時間(ho u r s ) グラフ 1 : 予測血中濃度シミュレーションのグラフ ~5~ 250

15.

2. 4 尿中濃度 当ソフトウェアでは,尿一覧表の作成も可能である.尿量,尿中濃度,排世量,排 t 世 率 , 薬物濃度について,それぞれの区間,累積の一覧表が作成可能である.また,入力データと しては,未変化体と 5種類までの代謝物が解析可能である. 2 . 5 単位変換機能 当ソフトウェアでは単位変換の機能を有する.例えば,入力データの血中濃度の単位が ηg fmlで、あった物を,一覧表に出力する際には ηg f d l,μg f lなどに変換することが可能であ る.また,出力するパラメータの単位を自由に選択することもできる. 3 解析実行手順 当ソフトウェアの解析実行手順を簡単に説明する. 当ソフトウェアを用いて血中濃度の解析を行うには,まず,データの読み込みを行う.デー タの読み込みには被験者毎に血中濃度の入力された EXCELシート(表 1 )と,薬物の投与ス ケジ、ュールの入力された EXCELシート(表 2 )が必要である. 同 町 百 四 四 国 自 由 i i i . a : 園田園田糧費事震建麗麟襲撃 官f,;'空 \~"'I 二主主" ・̲6 x p ' f f ! = : QJ, !~R ,) t , ; s~己:三 NUM 表1 : 血中濃度の入力 EXCELシート ‑6 ‑ 〆J

16.

表2 :投与スケジュールの入力 EXCELシート これらの EXCELシートにはデータが決められた配置に従って入力されている.また,求 めた PKパラメータを J 患者背景の要因毎に解析したい場合は,患者背景データの入力され た EXCELシートも必要となる.これらの EXCELシートを指定すると,データが自動的に SASに読み込まれる.また, EXCELシートを指定する際に,データの単位,投与経路,生 物学的利用率などを指定できる. 1 . ア im白川曙同岡山・岨 I~岨幽盟日正直.i.i!.1.1.嘉重連欝認捺芸: i f . ' 4 , ‑ 一 ',' 、 献を間託、デー与国舗を遼損J亡 く 母 ( . , ̲ "1示 回CEl (""'DATAS百 ー 1 撞轟轟鑑麗麗麺麗聾謹書 題這孟邑逗謹喜重罰霞器歯置軍慰趨扇 J 騒藍覇墨田醤轟轟覇軍麗 宣 告 図 1 : データの選択画面 ‑7一

17.

データが読み込まれると, INSIGHTへの血中濃度の出力や, EXCEL上へのグラフ出力, PKパラメータの計算などが可能となる.参考のために当ソフトウェアを用い EXCELシー ト上に作成した,個別被験者の血中濃度の折れ線グラフをグラフ 2に示す. 1 0 0 2 1 0 0 1 1 4 0 1 4 0 1 2 0 1 2 0 ¥ ハ E u 1 0 0 ¥ E 凶 1 0 0 ,‑.5 ‑ 5 80 骨 臣 然 領 6 0 8 0 6 0 f ト 4 0 f ト 4 0 2 0 2 0 ヨ 4 D ヨ 4 。 D 1 0 2 0 3 0 4 0 D 1 0 2 0 暗闇小 o u, s ) 暗闇小 o u r s ) 1 0 0 3 1 0 0 4 1 4 0 1 4 0 1 2 0 1 2 0 3 0 4 0 3 0 4 0 E M 1 0 0 ¥ E M 1 D D ¥ 円 ‑ 5 80 5 8 0 骨 臣 6 0 260 集 f ト 4 0 f ト 4 0 2 0 2 0 ヨ 4 4 ヨ 。 。 1 0 2 0 3 0 。 。 4 0 暗闇小口 u r s ) 1 0 2 0 暗闇小 o u r s ) グラフ 2 :個別被験者の血中濃度の時間推移 PKパラメータの計算では,モデルに依らない解析か,モデルに依る解析かを指定できる. また,モデルに依る解析を指定した場合は,モデル,プライマリパラメータ,重み,反復計 算の方法などを指定できる.また, PKパラメータの推定に使用する血中濃度のデータの測 定時点の範囲の指定ができる.この機能により,反復投与試験での初回投与時のみのデー タを用いた場合と,全データを用いたパラメータ推定の両方を実行できる. 8

18.

E E 同 己担置山山E 副…‑"山闘山温岬,円叫叩‑副. 出 . 笛 山 叫 血 E町 E町 可 町 幻z 摘R 偶 '. 阻盃山時吋世肺z 凶 叶 s 山 . 湿 叫 弓 翠 玄三 三 ; 器 滋 ? i ;モデル選択→ l 件 ニs E モ拘庄選択し;I 1 ヨメ』タの叙瑚鑑を入力して〈草也、‑ 語審盟詣冨園田園田圏直 麗麗語障箇量璽瞳廼圃圏 z 函圏 ・商圏置薗誼園理由園E置圃瞳園調略量 髄 温 幽 醐 覇 開 輔 「一一一一一 一一一一一一一一一一一一ーかーで寸 . : : Ln i ' : : " 亡 ー ー ヨ hc : 二l 一一 ご三二二ご二三二ご一一一一一二一一̲‑ぷ二一l 川 J主J ̲主! を 図 2 : モデル選択の画面 モデルに依る解析を選択した場合,モデル推定のための初期値が必要となる. 当ソフト ウェアでは初期値を被験者毎,もしくは全被験者一括で指定できる. PKパラメータ推定後の処理としては, PKパラメータの出力,グラフ出力, PKパラメー タを用いた予測血中濃度のシミュレーション,線形性の検討, PKパタメータの統計解析な どが行える. 市喜一引い一 図3 :PKパラメータ解析の画面 ‑9一

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PKパラメータの出力は,申請などにそのまま使える一覧表出力と,被験者毎の出力から 選択できる.参考の為,表 3に一覧表出力を示す. 喧芝竺i n U T 5 ! ? l 制 品 一‑耳暗闇蕗縄護磁謡藍露室主 表3 :一覧表出力 4 SASプログラムの概要 当ソフトウェアではコンパートメントモデル解析に SASNLINプロシージャを使用してい る.単回投与,経口投与,ラグタイムなしの場合, SASプログラムは下記のとおりとなる. PROC NLIN DATA =w o r k ; /料*初期値の設定料 * 1 parms* < : ) =O .5~ =5 0 4 0 0 ; /料*モデルの指定料 * 1 pred =((~a) * 持)/W*困 ‑ . g ¥ )) * ( e x p (‑ c c , l I *どとs) 一 exp(ー(ミ<:Y*与単))干 1000; model c o n c= p r e d ; 己 a 現竺 困= 百) Q U I T ; 当ソフトウェアでは,このフログラムを汎用化し,投与回数,プライマリパラメータ,反 復計算の方法,重みを選択可能にしている.なお,モデルの汎用化には FCMPプロシジャ ム 4E ハ U

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を用い,モデルそのものを関数として作成している.この事により,モデルの追加が容易に 行える設計となっている. 5 最後に 当ソフトウェアは使い勝手の良さ,解析結果の高い信頼性を考慮して開発を行った.今後 は,さらなるユーザーの要求に対応する為,機能を充実させるとともに,コンビューターシ ステムのバリデーションに必要な, I Q(据付時適格性評価), OQ(運転時適格性評価)[4],バ リデーション報告書など,信頼性向上の為のサービスを順次拡張する予定である.また,英 語化対応を行い日本はもとより米国・ EUなどグローパルなスタンダードモデルを目指す. 参考文献 山厚生労働省医薬局審査管理課長 ( 2 0 0 1 ),医薬品の臨床薬物動態試験について,医薬審発 第7 9 6号. [ 2 ] 矢船明史 ( 2 0 0 4 ),母集団薬物データの解析,朝倉書居. [ 3 ] 高田寛治 ( 2 0 0 2 ),改訂 2版薬物動態学ー基礎と応用ー,株式会社じほう. [ 4 ]G : ¥¥ II PJapanフォーラム ( 2 0 0 4 ), GA~vIP4: G A : ¥ I Pガイド自動化システムのパリデー ション, ISPE 日本本部. F十 'Vし 沿い 〆 り / ' ザ ib J' Jh ,手 イ ら . ‑ ー ̲ . . ‑ ̲ 、 e l パd 勺 ︽ r イ バ η u u ︑ 町/ ぺL RHUVE r 、 ︑ ー 4 4 F Mef e ‑E v ‑ ハ い ハ︐a J m 介 44f j'J パ ふSF テ . ; ( 心 ; 引 い 1i 1i

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S A S Foru mユ ー ザ 一 会 臨床開発のための SASプロゲラミンゲ教育カリキュラムの開発と実践 統計解析業務を題材に 0山 口 孝 一 、 林 行 和 、 平 野 忠 則 、 竹 田 具 、 佐 蔵 智 美 株式会社 ACRONET 臨床開発本部 D M・統計解析部 Developmentandp r a c t i c eofS ASprogrammingtrainingcourseforclinicalstudy ‑anexampleofs t a t i s t i c a la n a l y s i s‑ K o i c h iYamaguchi,Y u k i k a z uH a y a s h i,T a d a n o r iH i r a n o,MakotoT a k e d a,TomoyoshiS a t o D a t aManagement& B i o s t a t i s t i c sDep , . tC l i n i c a lDevelopmentD i v i s i o n, ACRONETC o r p . 要旨 臨床開発の統計解析業務では、統計の知識に加えて SAS のプログラミング技術が必須である が、その効率的な習得は難しい。特に CROでは、取り扱うデータ構造や解析結果の出力形式がク ライアントによって様々である。このため、標準化には限界があり、状況に応じたプログラミング技術 が必要となる。またそのような技術をもったフ。ログラマの早期育成は経営上、重要な課題でもある。 そこで我々は、 SASプログラミング未経験者を対象とし、実践的かっ効率的な SASプログラミン グ技術の習得を目指して、模擬臨床試験を題材とした教育カリキュラムを作成・実施した。 本稿では、カリキュラム作成時のポイントと実施から得られた知見、今後の展望を報告する。 キーワード: 教育、ブロゲラミンゲ、統計解析 1 1.はじめ 1 ; : 1 臨床開発における統計解析業務では SASが標準的に使用されており、その業務に携わる者に とって、 SASのプログラミング技術の習得は必須である。しかしながら、 SASプログラミング技術の習 得には多くの時聞を要しているのが現状である。統計解析の知識については、大学院の社会人コ ースや外部講習会など、いくつかの方法が確立されている。一方 SAS プログラミング に関しては、 SAS社主催のトレーニングコース等が設けられてはし、るが、より実践的な統計解析業務を意識した SASフ。ログ、ラミングトレーニング、コースの必要'作ーは高い。 また、臨床開発の統計解析業務では、膨大な量の図表が作成される。これらを SASプロクーラミン )一覧表や頻度集計、要約統計量の算出等、 DATAステッ グの難易度とし、う観点から見てみると、 1 プとしてつかの基本的なフ。ロシジャを理解していればプログラミングが可能な図表と、 2 )高度な医 学統計の知識や SASフ。ロクーラミンクー技術を要求される図表、とに大別できる c 通常、解析結果の図 表全体のうち 1)に分類されるものが半分以とを占めるため、これらの図表を作成する技術を習得 nぺU 1i

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することにより、統計解析業務の作表プログラミング、の多くを担うことがで、きる。 特に CROでは様々なクライアントから業務を受託しており、その要求も多種多様である。汎用的 なマクロフ ロク、、ラムを S ASマクロライブラリとして作成・運用してはいるものの、その標準化には限界 o ASプログラミング技術が求められる。 があり、個別の状況に対応するための S ASフ。ロクマラミング 未経験者に対して、 1 )の業務を遂行できる程度の SASプログ そこで我々は、 S ラミング技術を習得させることを目的として、教育カリキュラムを作成した。本カリキュラムでは、模擬 データを用いた臨床試験の統計解析業務を題材として、解析用 DBの作成から解析結果の出力ま ASプロク守ラミング技術の習得を目指したc でを演習することで、より実践的な S 日 .CROにおける統計解析業務の流れl カリキュラムを作成するにあたり、 DM部門により作成されたデータから解析結果を出力するまで の、弊社における統計解析業務のプロセスについて概観した。フローチャートを F i g u r e2aに示すc 2 . 1 ドキュメント類の作成 解析計画書、解析仕様書、解析用 DB定義書、図表レイアウト等の業務に使用するド、キュメント について、プログラミング開始前に作成する。主なドキュメントの一覧を以下に示す。 M S ‑ W o r d ) ‑解析計画書 ( 本模擬臨床試験の統計解析手法を定めたもの。 ‑解析仕様書 ( M S ‑ E x c e I ) 解析計画書に従って解析を実施するためのより詳細な仕様(フ。ロク守ラミンク、、ルール等)を定めた もの。 M S ‑ E x c eI ) ‑入力 DB定義書 ( DM部門により作成される入力 DBの構造・変数属性等を定めたもの c ‑解析用 DB定義書 ( M S ‑ E x c eI ) 入力 DBを加工し、解析を実施しやすい形にした解析用 DBの構造・変数属性等を定めたもの。 ‑図表レイアウト ( M S ‑ E x c e I ) 解析結果を出力する図表の出力イメージを定めたもの c 2 . 2 解析用 DBの作成 入力 DBを加工し、解析用 DBを作成する。ここでは、解析しやすい構造へのデータ変換、解析 で、よく使われる計算値を予め変数としてデータ化する等の加工を行う c このことにより、その後のプ ログ、ラミンク。時に何度も同じ計算をする必要がなくランダ、ムエラーの発生を抑えられるとともに、解 析に用いるデータ構造をある程度統一しておくことで、結果出力まで、のプロク、、ラムの標準化を図っ ている。 4﹄ム バ 川 ヨ

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解析用 DB定義書に基づき、独立した 2系統 ( 2人のフ。ログ、ラマー)での SASプログラミング(以 下、ダ、ブルフ。ロク、、ラミング、)[こよって解析用 DBを作成する。 2 . 3 解析用 DBの比較、一致の確認 2 . 2で、夕守ブソレプログラミンクーにより作成された 2つの解析用 DBを比較し、その一致を以って、解 析用 DBのバリデーションを行う c ここでは、 SASの COMPAREプロシジャを用いて、 2つの解析用 DB(系統 1と系統 2 )のデータセット同士を各々比較する。 2 系統聞に不一致があれば、 2 . 2の作業に戻る。不一致箇所をそれぞれ独立に修正した後、再 度比較を行う。系統 1と系統 2のデータセットが完全一致するまで、この作業を繰り返す。 2.4統計量ファイルの作成 解析計画書、解析仕様書、解析用 DB定義書に基づき、ダフずルフ。ロク ラミンクーによって、統計解 e 析のプログラミングを行う。 x c e lに出力する直前の段階で、一旦 SASデータセットとして保存 弊社では通常、解析結果を E する c これを統計量ファイルと呼ぶ。この段階で、解析結果として表示する統計量の有効桁数等も すべて揃えておき、後述する出力プログラムでは一切のデータ加工は行わないc ここで解析結果を SASデータセットとして保存する理由は、以下のとおりである。すなわち、①図 表レイアウトのみが変更される場合、再実行が容易である(出力プログラムのみ実行すればよし、)こ x c e lへの出力の 2段階に分けることで、プログラム中のエラー箇所 と、②統計量ファイルの作成と E の特定がしやすくなること、③解析結果として E x c e lではなく SASO u t p u tをそのまま用しも場合も あ り 、 SASデータセットで、結果を保持することで 2 . 5 出力プログラムの作成 図表レイアウト ( E x c e l )に対して、 2.4で、作成した統計量ファイル (SASデータセット)を出力するプ ログ、ラムを、ダブルフ。ロクーラミンク守によって作成する。ここでは SASの DDE機能を用いる。 2 . 6 解析結果の比較、一致の確認 E x c e lに出力された系統 1、系統 2の解析結果を比較し、一致を確認する。比較には弊社内で、パ ソデートされた E x c e lの VBAマクロを用い、 2系統の E x c e lファイルの全セル同士を比較する。 2系統聞に不一致があれば、 2.4および 2 . 5の作業に戻る。不一致箇所をそれぞれ独立に修正 した後、再度比較を行う。系統 1と系統 2の解析結果が完全一致するまで、この作業を繰り返すc 以 kの作業が全て完了したものを、解析結果として固定する。また、教育カリキュラムのブローチャ i g u r e2bに示す。 ー卜を F ‑15‑

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F i g u r e2a 弊社における標準的 1 J統計解析業務のブローチャー卜 ぱ塑担璽呈][三笠空重呈」 LE 担里呈」直塑旦費量」 L竺型空豆」 F i g u r e2b SAS教育カリキュラムのブローチャ 卜 也堅担堕」己空空整呈」 Lf 担里童」団主空空重量」 ~空生竺呈」は竺2E主」 解析用D B 作 成 pgm 不一致の場合修正 不一致の場合修正 統計量ファイル 作 成 pgrn 出力 pgm 不一致の場合修正 不一致の場合修正 SASブロゲラミンゲ 実施箇所 ‑ 1 6

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b .カリキュラムの作成と実施│ 本カリキュラムの作成のため、社内でタスクチームを編成し、資料の準備・実施運営を行った。以 下にカリキュラム作成時の手順と、実際の運用方法について示す。 前述の解析業務の手順のうち、 2ム 2. 4 、2 . 5が SASプログラミングに関わる部分である。弊社で は通常、これらの作業においてはダブ、ルプロクーラミングの手法を用いて独立 2 系統でプログラミン グを行い、 2系統の解析用 DB、解析結果の一致を以ってバリデーションを行っている。 そこで、本カリキュラムで、は、 1 系統を予め Master解析用 DB、Master解析結果として作成してお F i g u r e2 )。このことにより、通常の業 き、他方の 1系統を受講者に作成させるとし、う方法を用いた C 務の手l i l 買(タ守ブ、ルプロク守ラミングとその一致の確認)(こ則ったカリキュラムとなり、受講後の業務への 適用も容易になる。 本カリキュラムで、は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照で平行群問比較を行う臨床試験を想 定し、統計解析業務に必要なドキュメント、ダミーデータを準備した。 3 . 1 ド、キュメント類の作成 . 1,こ挙げた、解析計画書、解析仕様書、入力 DB定 統計解析業務に必要なドキュメントとして 2 義書、解析用 DB 定義書、図表レイアウトを作成した。今回は治験実施計画書、症例報告書は作 成せず、解析計画書を最上位のド、キュメン卜として扱った。また、解析結果として作成する図表を Tab!e3 . 1に示した。 3 . 2 入力 DBの作成 初めて臨床開発業務に携わる受講者もしもため、仮想データではあるものの、実際に臨床試験 で得られるデータになるべく近しものとして、入力 DBを作成した。症例数は 30症例(実薬/プラセ ボの 2群 、 1群 1 5症例)、 1 0個の SASデータセットとして作成し、イレギュラーなデータ等は含めな かった。入力 DBのデータセット一覧を Tab!e3 . 2に示す。 T a b l e3 . 1 解析結果図表一覧 i t l e T a b l eN o . T 症例の内訳 表1 選択基準・除外基準の集計 表2 背景因子の分布 表3 . 1 投与期間耳J I 服薬状況の集計 表4 服薬状況一覧表 . 2 表4 全般改善度の集計 (FAS) 表5 . 1 全般改善度の集計 (PPS) 表5 . 2 理学的検査の経時的推移 表6 .1 .1 臨床検査定量値の異常値発現頻度 表7 臨床検査定性値の異常値発現頻度 .1 .2 表7 臨床検査一覧表 表7 . 2 有害事象発現状況 . 1 表8 因果関係見J I有害事象発現状況 . 2 表8 有害事象覧 . 3 表8 T a b l e3 . 2 入力 DBデータセット一覧 e s c r i p t i o n N o .D SASDatasetname 1患者背景 BACK CRIT 2選択・除外基準 DOSE 3 1 5 台験楽投与 VITAL 4パイタルサイン 5臨床検査 LAB 6臨 床 検 査 基 準 値 LABNR 7有害事象 AE 8中止・脱落 DROP 9有効性評価 EFFICACY 1 0キーコード KEY ワ I TL

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3 . 3M a s t e r解 析 用 DB、M a s t e r解 析 結 果 の 作 成 ノ〈リデート済みの M a s t e r解 析 用 DB、M a s t e r解析結果を作成した。 3.4解析用 DBのコンベアフ。ロク、、ラム、 E x c e lフ、、ツク比較の VBAマクロの作成 x c e lブ ック比較用の VBAマクロを用意した。これら 解 析 用 DB比較用のコンベアプログラム、 E は既にパリデートされて弊社の通常の業務で、使われているものを用いたc 3 . 5 サンプルプログラムの作成 解 析 用 DB作成、解析フ。ロク‑ラミンク、守、で I コ グpラムを作成した。ここでは、 DATAステップ。と、データハンド、リンク、、に使用する基礎的なプ フ 。 / ル レ フ 。ロ 口、ンジャをハンズ、オン方式で、学習できるような方式とした。 3 . 6 受講マニュアルの作成 本カリキュラムを受講するためのマニュアルを作成した。通常の業務で、も手順書に則って作業を 行うが、本カリキュラムで、はこのマニュアルを手順書として使用した。 3 . 7 アンケートの作成 本カリキュラムを評価するため、受講者へのアンケートを作成し、 SAS使用経験の有無、臨床開 発における統計解析業務経験の有無、他言語のプログラミング経験等を調査したc また SAS プロ T a b l e3 . 7 a,T a b l e3 . 7 b )。 グラミング技術に関して、自己採点で評価を記入するよう作成した ( T a b ! e3 . 7 a レベルチェックアンケート チェック I頁自 独力で 使用できる SASプログラミング能力 : : 調べれば まだ使用 f 使用できる 不安がある L I B N A M Eスナートメント I F ‑ T H E Nスナ トメント DO‑ENDスナートメント R E T A I Nスアートメント ARRAYス7 ートメント 使った」とが ない │ F I R S T .自動変数 TRANSPOSE プロシジャ U N I V A R I A T E プロシジャ FREQプロシジャ T a b ! e3 . 7 b 図表の種類別 S A Sプログラミング技術自己評価 図表の種類 独力で 作成できる 症例採否のフロー(表1) 背景因子の分布(表 3) 背景因子の分布(検定部分) ( 表 3) 全般改善度の集計、改善率の算出(表 5 .1 ) パイタルサイン等の要約統計量(表 6 ) 異常{直発現頻度の集計(表 7 .1 . 1) 臨床検査等の一覧表(表 7 . 2 ) 有害事象の SOC、PT での集計(表 8 1 ) 作成可能性 調べれば 細かな指示が 作成できる あれば作成できる まだ作成 f : : 不安がある 」 nバU Tよ

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アンケートは受講前と受講後にそれぞれ回答を得るようにし、カリキュラム受講による SASプログ ラミングスキルの向上を把握できるようにしたc 3 . 8 カリキュラムの実施 カリキュラム実施中の受講者からの質問はタスクチームが受け付け、受講者同士の相談・情報交 換は禁止とした。個別に回答すべき内容であれば個別に回答し、受講者全員に周知させるべき内 容であれば、受講マニュアルもしくはサンフ。ルフ。ログ、ラムを更新し、その旨を受講者に通知した。 3 . 8 . 1 カリキュラム受講前アンケートの実施 受講前に、まず受講者に対しレベルチェックのアンケートを実施したo 受講前の SASプログラ ミング技術を測ると共に、受講者自身が、これから実施するカリキュラムで、身につけるべき知識を 事前に押さえておくことが目的である。 3 . 8 . 2 解析用 DBの作成、 M a s t e r解析用 DBとの比較、一致の確認 受講者は、入力 DB定義書、解析用 DB定義書、解析計画書、解析仕様書に従い、解析用 DB を作成した。解析用 DB を一通り作成し終えたら、用意されているコンベアマクロを使い、 M a s t e r解析用 DBとの比較を行った。 M a s t e r解析用 DBと完全一致したら、その旨をタスクチー ムに連絡することとした。タスクチームがコンベア結果の保存されているフオルタ守を確認し、完全 一致していることを確認した後、受講者は次のステップ。 l こ進んだc 3 . 8 . 3 統計量ファイルの作成、出力プログラムの作成 各自作成した解析用 DBを用い、解析計画書および解析仕様書に従って統計量ファイルを作 E x c e l )に出力するプログ 成したc あわせて、統計量ファイル (SASデータセット)を図表レイアウト ( ラムを作成した。全ての表について解析結果の出力が完了したら、指定されたフォルダに解析 結果を保存し、その旨をタスクチームに連絡することとした。 3 . 8. 4 M a s t e r解析結果との比較、一致の確認 M a s t e r 解析結果との比較に関しては、最初の数回はタスクチームにて照合を行うこととした。 これは、タヲりレフ。ログ、ラミング、の本質を理解するためで、ある。解析結果の算出に必要な情報の収 集から 2系統で行い、一致するまで、独立に修正を繰り返すことがダブールフ。ロク、、ラミンク、で、あり、正 M a s t e r解析結果)が既知で、あった場合、受講者が自分の解析結果を M a s t e r解 解の解析結果 ( 析結果に合わせることをプログラミングの目的にしかねないことが懸念されたため、このような方 法を用いた。 受講者から解析結果保存の連絡を受けた後、タスクチームは M a s t e r解析結果と受講者の解 x c e l比較を行い、 M a s t e r解析結果との相違点のみ ( E x c e lの相違のあるセルに色づ 析結果との E a s t e r解析結果の値を知り得ない。 けしたもの)を受講者に連絡した c この時点では、受講者は M 受講者は不一致箇所を確認し、 3 . 8 . 3 についてミスのあったと思われる部分を修正して、解析結 υ 4Eム 同 ハ

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果を保存したうえ、再度タスクチームに連絡した。 a s t e r解析結果との比較が任せられると タスクチームは受講者の修正の進捗状況に合わせ、 M a s t e r解析結果を受講者に送付し、各自で比較を行なわせた。解析結果が完 判断した時点で M 全一致するまで、修正を行った。 3 . 8 . 5 カリキュラム受講後アンケートの実施 受講者全員に、カリキュラム実施前に行ったものと同じアンケートに答えてもらい、カリキュラム実 施によるプロク、、ラミング 技術の向上を評価した。 P 4 . 1 実施の概要 弊社内の統計解析業務未経験者を対象として、カリキュラムを実施した。本稿の作成時点では、 受講者は 6名であり、そのうち受講後アンケートの回答まで完了した受講者は 4名で、あったo また、 実施期間は平均約 1 0 0I i 寺 問( 1 日 7時間、 1週間を 3 5時間として 3週間弱)で、あった。 4 . 2 実施から得られた知見 受講者からのアンケートでは、本カリキュラムの効果を示唆する回答が得られた一方、改善すべ き点も挙げられた。主な回答を以下に示す。 ①教育担当者 (OJTトレーナー)が新人教育に割く時間・負担を軽減できそうだ。 ②解析業務のプログラミングに関する全体的な流れを一通り把握することができた。 ③受講マニュアルにより手順は把握で、きるものの、ド、キュメント(解析仕様書、解析用 DB 定義 害等)についての説明が少なく、まったくの業務未経験者には理解しづ、らい部分があるように 思われる。 ④サンプルプログ、ラムについて、より内容を充実させれば初心者も取り組みゃすい。 ⑤アンケートには記載欄があるが、最後まで、使わなかったプロシジャ、関数があった。 上記に挙げたアンケート結果を受け、いくつかの部分を改善した。主な改善点を以下に示す。 ・上記③を受け、マニュアルの記載をより詳しくするとともに、ドキュメント内にも注釈を追記する こととした。 ・上記④を受け、より具体的なデータでの実例を挙げるなど、サンプルプログラムを追加した。 ・上記⑤を受け、様々なプログラミング技法を習得するとしづ意味で、解析仕様書に使用するプ ロシジャや関数等を明記することとしたにこで、使われなかったフ。ロシジャ等は、サンプルプロ グラムに含まれないか、含まれていても後半部分で紹介されているものが多かった。サンプル J 頂序も、学習効率に影響を与える可能性がある)。 プロク、、ラムの作り方、 ! ‑20‑

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4 . 3 まとめと今後の展望 CROにおいて臨床開発の統計解析業務を担当するには、統計解析の知識だけでなく、実際に 解析結果を正しく導く SASプログラミング、能力も必須で、ある。統計解析については、 B i o Sをはじめ JTが 大学機関などにこれまで多くの受講生を送り込んできたが、 SASプログラミンク。については O 中心で、あったため、決して効率的とは言えなかった。 今回のカリキュラムは新入社員あるいは解析業務未経験者を想定した初級者用のものであり、 業務で頻繁に用いられる基礎的なプログラミング 技術の習得とし、う目標を概ね達成できたと思われ o る。特に新入社員の場合、入社後の研修を経て配属後すぐに O JT品、う流れになることが多く、経 験する業務内容もまちまちで、あった 本カリキュラムを適用することで、プログラミング技術のベース C アッフ。ととともに、ひととおりの解析プログラミングの流れを経験できるというメリットがあると思われ る 。 また今後は、カリキュラムの実施仲受講者からフィード、パックされた事項のカリキュラムへの反映、 としづ手順を繰り返し、本カリキュラムをブラッシュアッフ。してして予定である。 今後の展望としては、より高度なプロク守ラミンク、、技術を要するものや、イレギュラーデータの取扱 い、様々な試験デザイン等を含め、さらに実践に近づいた中級者用のカリキュラムも作成していき たい c 具体的には、①SAS/GRAPHを用いたグラフの作成、②検定や区間推定を含めた表の作成、 ③タイムウインド、ウによる日付の許容範囲の取扱い、等を予定している。 1.でも述べたが、 CROとして様々なクライアントから業務を受託している以上、社内プログPラムの 標準化には限界があり、個別のプロク守ラミンク、、によって業務を実施する必要がある。そのためには SASフ。ロク。ラマの早期育成、プロク守ラミンク、、技術レベルの向上が必須で、あり、本カリキュラムをその 一助として活用していきたい。 竹田昌、佐藤智美 CROにおける SASプログラマの育成教育, S U G I ‑ J 2 0 0 3論文集, 1 6 1 ‑ 1 6 6, 2 0 0 3 菅波秀規、益田隆史:ダ、フ守ルフ。ロク、ラミングによる統計解析の品質管理, S U G I ‑ J 2 0 0 0論文集, 5 7・6 4,2 0 0 0 SAS言語:リファレンス編ノ〈ージョン 8 ,S ASI n s t i t u t巳 J a p a n株式会社, 2 0 0 3 n s t i t u t eJ a p a n株式会社, 2 0 0 3 SAS言語:解説編ノ〈ージョン 8,SASI よ 41 ηL

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 効果的顧客ターゲテイングのための一手法 一医薬品マーケテイングへの応用一 武藤猛 ECアーキテクト株式会社シニア・コンサルタント AnE f f e c t i v eApproachtoCustomerTargeting ‑ApplicationtoPharmaceuticalMarketing一 TakeshiMuto r c h i t e c t sC o r p ̲ S e n i o rConsultant,ECA 要旨 顧客ターゲティングは戦略的マーケティングの一要素であり,マーケティングに続く 営業の観点からも,その役割は極めて重要である。営業生産性のかなりの部分が顧客タ ーゲティングの精度で決まると言っても過言ではない。量的基準(販売ポテンシャル) と質的基準(顧客の購買意欲)とを組合せ,最も潜在的可能性の高い顧客セグメントを 特定する新しい顧客ターゲティングの手法を開発した。この手法を医薬品分野に適用し たところ,良好な成果が得られた。本手法は,医薬品以外の業界における効果的顧客タ ーゲティングとしても有効であると考えられる。 キーワード: 顧客ターゲティング.顧客セグメンテーション,医薬品マーケテイング はじめに マーケティングおよび営業活動は,製品開発と並んで企業経営の 2大要素を構成して いる。画期的な製品開発は中長期的な経営の成否を決定するが,大きなシェアを獲得で きる新製品の開発には多額の投資と長い期間,そして幸運が必要である。このためもう 一つの要素で、あるマーケティングを効果的なものに改革し,営業生産性を高めることの 重要性が増している。特に製薬業界においては活発な企業の M & A (合併・買収)に伴 い,多数の M R (学術情報担当者)を有する企業が誕生し,営業 (MR) 生産性を高め ることが重要な経営課題となっている。 営業生産性を高めるには, 2つのアプローチがある。第一のアプローチは営業効率を 高めることである。例えば,コール回数を増やしたり,コールの質を高めたり, 1Tの 活用により情報共有化を図ることなどである。第 2のアプローチは顧客ターゲティング の精度を高めることである。具体的には,購入の可能性が高い潜在顧客を何らかの方法 ぺU n 円〆μ

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で特定し,そのような顧客に集中的なアプローチをすることである。 上記のアプローチのうち,第一のアプローチは「効率を高める」ことを主目的とし, 第二のアプローチは「効果を高める」ことを主目的としている。効率を高めることは重 要であり,それなりの成果が出せることは確かである。しかし,もっと重要なことは効 果を高めることで大きな成果を達成することである。営業生産性の大部分は「効果をい かに高めるか」で決まってしまう。本論文では,顧客セグメンテーションに従来からあ る量的基準に加えて,新しく質的基準を導入して成果を高める手法とその医薬品マーケ テイングへの応用について説明する。 1 . 効果的な顧客ターゲティングの方法 ( 1)マーケティングと営業の関係 一般に,マーケティングとは「売れる仕組みを作ること」であり,営業とはその仕組み を活用して販売活動を行うことであるとされる。しかし,多くの企業で、はマーケティン グと営業の連携は必ずしもスムーズではない。マーケティングが責任を負う「売れる仕 組み」作りの中で,精度の高い顧客ターゲティングが最も重要である。以下で述べる手 法は,マーケットリサーチを踏まえた顧客ターゲテイングを営業活動に直接役立てるこ とを狙いとしている。 ( 2 )新しい顧客ターゲティングの考え方 ) 新しい顧客ターゲティングの考え方を従来の考え方と対比して説明する(図 1。 ‑バリューマトリックスの伊i ‑従来の顧客顧客セグメンテーションの伊j 量的基準 販売ポテンシャル 量的基準 ι¥ (患者数) LP I MP 質的基準 販売ポナンシャル LP 質的 (患者数) MP HP 重要度 重要度 重要度 購買意欲 (処方意欲) 重要度│重要度 小 l 中 (処方意欲 中 大 大 重要度 重要度 中 LP/ MP/ HP:Low/Middle/HighP o t e n t i a l 図 1.効果的ターゲテインク の考え方 多くの企業の営業部門で何らかの顧客ターゲティングが行われている。その場合,十 r u 円 A性

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分な科学的根拠があるとは限らない。多くの場合,ターゲティングは営業現場に任され, 企業規模の大きさ,取引の有無,顧客との親密な関係の有無,などの観点でターゲット 顧客が選定される(図 1左)。製薬企業の場合は,取引金額や施設規模(病床数),ある いは患者数などの量的基準を主体にした顧客ターゲテイングが行われる。顧客の購買意 欲(医薬品の場合は医師の処方意欲)としづ質的基準が考慮されることはほとんどなか った。そのため,量的基準の大きい順にターゲティングの重要度が大きいとされる。 本論文で説明する新しい顧客ターゲティングにおいては,従来の量的な基準に加えて, 購買意欲(処方意欲)という質的基準を導入する。最近のマーケティング手法として消 費者心理や消費者行動などの質的基準を用いる考え方が注目されている。この考え方は, ある商品やサービスを求めている顧客を何らかの方法で発見し,潜在顧客へのアプロー チを行う手法である。本論文の手法は,この質的基準と従来からの量的基準とを組合せ た 1 1¥ 1 )ューマトリックス」を顧客セグメンテーションのベースとするものである(図 1 右)。量的基準の重要度と質的基準の重要度がともに高い方が顧客セグメントの重要度 は高い。こうして決められた顧客セグメントは,販売ポテンシャルが高く,しかも比較 的容易に成約に至る潜在顧客を意味している。このような顧客セグメントに営業リソー スを集中することにより営業生産性が飛躍的に高まることが期待される。 ( 3 )顧客セク、メンテーションの方法 次の課題は,どのようにして顧客セグメンテーションを行うかである。本論文の手法 を図 2に示す。 E 顧客データベースの世界(例 :N=10 ‑ E ‑ 圃 ‑ E 圃 E E ‑ 質的データの世界(例 :N=10 ∞人) ‑ 金吾二二会 逗示う ••• • • •• ••• •••• • • ••••• . •........................... . . . [質的データの収集方法] e . ・郵送アンケート ・フォーカスグループ リサーチ .Webサイトのチャット ・その他 ‑E ・ ・ ・ ・ ・ ・ E ‑ • • •• E のしン の客ぺ 忠 好 h 1 4噸一︐ 貨 析 H仏 分セ 陣 • •••••• ••••••••• . . . . . . . . . 図2 .新しい顧客セグメンテーションの原理 第一ステップとして,顧客ターゲティングのためのモデ、ル作成を行う(図 2左)。ま ‑25

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ず , Iある新製品を出来るだけ速やかに立ち上げたし、J, I 競合製品に対抗してシェアを 伸ばしたし、 J,Iある製品を受け入れる可能性が高い顧客セグメントを発見したし、」など のマーケティング課題を明確にする。この課題に基づいた調査票を設計し,質的データ を収集する。インターネット調査が一般的である。この調査データを元に,顧客のクラ スター分析を行う。得られたクラスター(たとえばクラスター 1, 2, 3) の解釈を行 うことにより,マーケテイング課題を解決するためにどの顧客セグメント(クラスター) にアプローチすれば最大の成果が得られるかを明らかにする。つまり購買意欲という質 的な基準を数量化する。 第二ステップとして,質的データの分析で得られたモデルを顧客データベースにマッ ピングする。この場合重要なことは,マッピングするのは分析モデルだけであり,調査 時の回答者の個人情報(たとえば,回答者の顧客コード・氏名や属性)は一切使用しな いことである。このため,個人情報保護法には抵触しない。 第三ステップとして,顧客データベースの中で,データマイニングにより全顧客のセ グメンテーションを行う。具体的には,顧客データベースに含まれる属性データを用い, 分析モデルで、得られた判別モデルにより,全顧客のクラスター予測を行う。予測結果に は当然誤差が含まれるが,慎重にモデルを作成すれば,実用上は問題ない程度の精度が 得られる。 以上の手順では,モデ、ルを用いた購買意欲の数量化と顧客データベースへの近似的展 開について説明した。同じ考え方で,顧客データベースに含まれない量的基準を予測す ることができる。たとえば,インターネット調査で各医師の患者数を調査すれば,全顧 客の患者数を予測することができる。まとめると,図 2に示す顧客セグメンテーション を適用することにより,すべての顧客をバリューマトリックス(図 1右)の量的基準と 質的基準の組合せからなる,各セグメントに害1 [り振ることができる。このような 3ステ ップから構成される新しい顧客ターゲテイングの手法を l eターゲテイング」と名付けて ] いる[注 1。 2 . 医薬品マーケティング、における実施例 (1)医薬品マーケティングにおける eターゲティングの実施手順 医薬品マーケティングにおいて eターゲティングを適用するには次の手1 ) 買を踏む。 ①経営戦略上重要な薬剤を選定し,現状調査を踏まえ,マーケティング上の課題を明 確にする。また,売上を伸ばすための仮説を構築する。 ②仮説に基づいて調査票を設計し,医師ノ fネノレを用いたインターネット調査を行う。 ③調査データを用いて,マーケティング分析を行い,仮説を検証する。また同時にク ラスター分析を行い,当該薬剤に対する購買意欲の観点から,医師をクラスターに 分ける。多くの薬剤では,製品普及に対応した,先進派,追随派,保守派の 3つに 分類できる。 ④当該薬剤のターゲティングが適切かどうかの診断を行う。新薬の場合は,患者数が ハhU ワ 臼

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多くしかも先進派の顧客セグメントのカバー率を高めると,営業生産性が高まるこ とが多い。このことは ROIシミュレーションで確認できる。 ⑤顧客データベースに対して,前ステップで開発したクラスターの判別モデルを適用 し,全顧客の顧客セグメントを推定する(患者数区分×処方意欲区分 ) 0その結果, 最も可能性の高いセグメント(患者数多×処方意欲大)のターゲット顧客リストを 生成することができる。なお,前述のように,インターネット調査時のパネルの個 人情報は一切用いない。 (2)eターゲ、テイングの実施例 ある薬剤~p に対して, eターゲティングを適用した実施例について説明する[注 2 J。 インターネット調査で得られたデータに対してクラスター分析を行い,各クラスター の特性を因子負荷量の平均で表したものを図 3に示す。 (1)製品特徴から見たヲラス骨ー特性 .02Fl 蹟 器 保 慢 作 用 ‑ 1 . 0 0 ‑ 0. 80 ‑ 0 . 6 0 ‑ 0 . 4 0 ‑ 0 . 2 0 0 . 0 0 0 . 2 0 0 . 4 0 0 . 6 0 0 . 8 0 1 . 00 n代 n代 ロ 円 HuHuHu 問此凶問此凶乱 司 花目 π cdcdc 花 π目 │ I I牛:国 IIIII │I I1 9 : ゴ n I I │IIIJ ー : : J ; .;; I I :' 口02F2効 果 の 持 続 性 , 口 02̲FJ j 副作用が少ない 口 02̲F4 相 互 作 用 が 少 な い ロ02̲F5 在間・早朝症状に効畢 ( 2 )情報経路から見たヲラス骨ー特性 ‑ 0 . 4 0 CLUSTERt CLUSTER2 CLUSTER3 ‑ 0 . 3 0 ‑ 0 . 2 0 ‑ 0 . 1 0 0 . 0 0 0 . 1 0 0 . 2 0 0. 30 0 . 4 0 0 . 5 0 !! f d IIIII iI I 警 I I I I I I│ 日 口 OJF2 製品情報 口OJ̲FJ 先輩・間僚 口 OJF4 学会・医学情報 I 口 OJ̲F5 イン世ーネット (3)使用理由から見たヲラス 9ー特性 ‑ 0 . 6 0 , • OJ̲Fl MR'製品鋭明会 0 . 6 0 ‑ 0 . 4 0 ‑020 0 . 0 0 020 0 . 4 0 0 . 6 0 0. 80 1 .0 0 120 1 . 4 0 .05Fl 禁忌・相互作用が少ない 1 . 6 0 聞周回 HUHUHU nununu LLL πππ sss 口 05̲F2 発 現 が 早 〈 効 畢 が 良 い 一暫 IIIIIIII 口05FJ 医師仲間・医局で使用 l「子~ IIIIIII 口05F4 早朝症状に効果 ロ05̲F5 新製品 図3 .薬剤 Pを認知している医師のクラスター特性 図 3によれば,クラスター 3は薬剤 Pの製品特徴,情報経路,および使用理由に関し て最も強く正方向に反応し,一方クラスター lは負方向に反応しており,クラスター 2 は両者の中間である。この結果から,クラスター 3, 2,および lは,製品ライフサイ クルの普及順序に対応して,各々「先進派J, r 追随派J,および「保守派」と名付ける ことができる。 ηー ワ 臼

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次に,薬剤 Pの医師ターゲテイングの現状を分析した(これをターゲ、テインゲ診断と名 付けている)。図 1のバリューマトリックスのうち,質的基準としてクラスター(処方 意欲)を用い,また量的基準として医師の有する当該疾患の患者数(少数から多数の順 に , L P,M P,および HP) を用いる。薬剤 Pのターゲテイング診断の結果を図 4に 示す。 .薬 剤 Pのターゲティンゲ診断 図4 図 4(1)によれば,セグメント別の薬剤 Pの使用率(全医師中)は,クラスター 1< クラスター 2<クラスター 3の順となっており,各クラスターを保守派,追随派,先進 派と名付けたことが妥当であると推測できる。さらに,薬剤 Pを認知している医師に限 定したセグメント別使用率を示す図 4( 2 )によれば,クラスター 3 (先進派)の使用率 が極めて高く,上記の推測を裏付けている。最近 1ヶ月の M Rと面談した医師の比率を 表す図 4( 3 )によれば,患者数が最も多くしかも処方意欲の高い医師セグメントである 0児以下である。 「クラスター 3XHPJにおいても,実際に M Rが訪問しているのは 5 従って,このセグメントに M Rの訪問を集中すれば,営業生産性を著しく高めることが 可能であると推測される。 以上の考え方を複数の製薬企業で適用したところ,いずれも良好な成果(営業生産性 の大幅な改善)を達成した。 2 8

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3 . 今後の展開 本論文で説明した eターゲティングは,量的基準を主体に行われてきたデータベース マーケテイングの効果を著しく高める可能性を持っている。従来,マーケットリサーチ の結果を営業活動に適用することは概念的なレベルに限定されていた(たとえば i タ ーゲット顧客は 00というタイプの消費者である」など ) 0 eターゲティングは,量的 基準×質的基準からなるバリューマトリックスに顧客を振り分け,最も可能性の高い顧 客セグメントの顧客リストを生成することができる。このセグメントに営業リソースを 集中することで,営業生産性を高めることができる。 eターゲティングの適用分野としては,医薬品のほかに,通信販売,クレジットカー ド,住宅販売,乗用車販売,金融商品・サービス販売,その他が考えられる。要するに, eターゲティングは従来量的なデータ主体で行われてきたデータベースマーケティン グに,顧客の購買意欲という質的要素を導入することで,顧客ターゲティングの精度を 高め,マーケティング施策の効果を高める手法であるといえる。 現在 eターゲティングの精度と汎用性を高めるための改良を行っている。また, i e ターゲティングシステム」として,システム化を行っている。 eターゲティングシステ ムは,既存の C R M や SFAと組み合わせることで,一層成果を生み出しやすくなると 期待される。 [ 注 1J量的基準と質的基準の組合せで顧客セグメンテーションを行い,かっマーケッ トリサーチで得られた分析モデルを用いて,顧客データベースのセグメンテーション を近似的に行う手法(eターゲティング)については特許出願済みである。 [ 注2 J本論文で引用しているインターネット調査は,株式会社日本医療データセンタ ーがマルチクライアント調査として実施したものを利用させていただいた。同社のご 好意に謝意を表する。 υ ηL 同 ハ

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 SASを用いた二段階法と非線形混合効果モデル法の性能比較ー き零予益 0五所正彦 1) 菅波秀規 1)2) 1 )興和株式会社 2 )東京理科大学大学院 Comparisono fTwoStageMethodandNonlinearMixedE f f e c tModelMethod UsingSAS MasahikoG O S h O I ) HidekiSuganamil)2) l)KowaC o . L t d . 2 ) T o k y oU n i v e r s i t yo fS c i e n c e 要旨 臨床研究から得られる経時 i JllJ定データを解析する│際、しばしば非線形モデルが j 即日される。こ のような非線形モデルにおける母集団パラメータの推定は統計的推測における最主要問題の一つ I である。母集団パラメータを推定する方法は、二段階法と非線形混合効果モデル法の二つに大日J される。本稿では、 NLINプロシジャ、 NLMIXEDプロシジャを用いて、 2つの推定方法の性能 を比較した。その結果、二段階法に比べて非線形混合効果モデル法の方が、母集団パラメータの 旦位ムミドことがわかった z 推定におけをE キーワード.NLINプロシジャ、 NLMIXEDプロシジャ、二段階法、非線形混合効果モデル法 1. はじめに 臨床研究において、同一個体から繰り返してデータが測定されることがある。このような経時 測定データに対して、線形モデルを当てはめることが困難な場合がある。例えば、薬物自IJr~ デー タや、血圧や体出などの日内変動を有すデータを解析する場合には、綿Jf~モデルは適さず、コン パートメントモデルやコサインカーブといった非線形モデルが迎用される。 このようなデータを解析する場合、対象となる患者集団の特徴を捉えるために、データから母 集団パラメータ(平均や分散など)を推定することは最も重要な問題の一つである。母集団パラメ ータを推定する方法は二つに大別される。一つ 11 の方法は、各々の似体データに対して、 ~Iミ線形 な統計モデルを当てはめ、モデルを記述するパラメータを推定し、得られたパラメータ推定値の 平均値や分散を用いて母集凶パラメータの推定値を得る方法(二段階法)である。二段階法には、 Standard引町 oS t a g eMethod(STS法)や G l o b a l1 ¥ v oS t a g eMethod(GTS法)としミった控数の方法 が提案されている ( S t e i m e re ta. l1 9 8 4,DavidianandG i l t i n a n1 9 9 5 )。二つ日は、すべての個体 データに対して、匝l 定効果と変量効果をもっ非拙Jf~混合効果モデルを当てはめて母集団パラメー タを推定する方法 U I 三線形混合効呆モデ、ル法:NLM出)である ( D a v i d i a nandG i l t i n a n1 9 9 5 )。 ペ nυ ム ー

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非線形モデルにおけるパラメータ推定に関してはいくつか特有の問題がある。 パラメータを推 定するために反復演算が必要となるが、解析的に推定値(最適解)を求めることができない。 さら に、反復演算には謹数の方法があり、方法問で解が異なることがある。 非線形モデルを対象とした二段階法と非線形混合効果モデル法の性能比較に関する研究が、今 日まで精力的に行なわれてきた ( S h e i n e randBeal1980, 1981, 1983,Steimere ta1 .1984,Banna e ta1 .1990など)。本稿では、 SAS/STATNLINフロシジャと NLMIXEDフロシジャを用いて、 血中薬物濃度データに対して、 l次吸収過程がある場合の lーコンパートメントモデルを当ては め、母集団パラメータを推定する STS法 、 GTS法 、 NLM法の性能を比較する。これらの推定方 法の性能を比較するために、シミュレーション実験を行なう。さらに、実際の臨床試験より得ら れた血中薬物濃度データに対してこれらの方法を適用し、母集団パラメータの推定結果の違いを 検討する。 2 . データとモデル 2 . 1 . データ 本稿では、同一個体に対して応答変数が繰り返し測定される経時哩五手二之之誕象主主ゑι 個 体i ( i =1, … ,n )、時点 i Q二 1, … , lll川こおける応答変数を yりとし、応答変数に対して、経口薬物投里 G た場合の血中薬物濃度を忽定する。データのイメージは図 lのようになる。 3 0 (JE 冶ロ)uccu 2 0 1 0 。 。 5 1 0 1 5 2 0 2 5 T i . me O r r ) 図 l 血中薬物濃度データのイメージ(ダミーデータ) 2 . 2 . モデル 典型的な非線形モデルであるコンパートメントモデルを考える。 j f n中薬物濃度に対して、 l次 1 )で表すことがで 吸収過程がある場合の 1 コンパートメントモデルを当てはめる。モデルは式 ( きる。 ,L(/ 、w ム 唱E ( む : ー ギ ) ( Ka ‑DOSH I )4 9 7 l J 1 Jオ 局 flJ=vdi ll) 叫 ( ‑ K e l j. T i百円) 叫 (Kat T i m e l J ) ) は個体 i時点 Jにおける血中薬物濃度の予測値、 KeLは個体 iにおける消失速度定数、 V d iは個 f j j 体 iにおける見かけの分布容積、 Kaiは個体 l における吸収速度定数、 Dos巴 は個体 iにおける投 l 与量、 T i m e i jは個体 i時点 jにおける採血時間を表す。 血中薬物濃度について、個体内誤差モデル式 ( 2 )を仮定する。 ‑32‑

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l n ( Y j j ) = l n ( f j j ) + E j j ( 2 ) Ej jは互いに独立に平均 0、分散 0 2の正規分布に従う確率変数で、。 2は個体内分散である。 3 )を仮定する。 さらに、各個体における薬物動態パラメータについて、個体問誤差モデル式 ( ln(Kel)=ln(Kel )+ η k e l l JV dj ln(Vd)=ln(Vd )+T ( 3 ) ln(Ka)=l n ( K a )+ηKa Kel、Vd、Kaはそれぞれ消失速度定数、見かけの分布容積、吸収速度定数を表す母集団平均パラ aj メータである。 ηIUlhηVdj 、 ηK は、それぞれ Kel、Vd、Kaにおける個体差を表すパラメータ で、それぞれ N(u、 ω K e 12 )、N(u、 ωVd2 ) 、 N(u、 ωK ,,2 )に従う確率変数である。ここで、 ω l t e 1 2、 、 ωK ωVd2 a2は個体問分散である。 、 ωK 興味の対象は母集団平均パラメータ Kel、Vd、Ka、個体問分散 ω k e 1 2、 ωVd2 a:2、個体内分 散 02を推定することである。 3 . 推定方法 本章では、母集団パラメータを推定するための三段階法 ( STS法 、 GTS法)と非線形混合効果モ デル法 (NML法)を定義する。 3 . 1 . 記号法 個人における平均パラメータベクトル点、パラメータ推定値の分散共分散行列 8,、母集団平均 パラメータベクトル β、個体問分散共分散行列 Cをそれぞれ以下のように定義する。 ( l n ( K e l j ) I ( úJ ~el ( l n ( K el )I 2 s,=Iln(Vdj )1 , 8j=Va 印 )=σ22 :j , β=1l n(Vd )1 , C=Va 印 )=1ωKe. lV d 位J V d ゥ ll 凶 n l(K aj 引 )J I I 凶K a ω )) l ω K a . ωVd.KaωKa こ こ で で 、 、 L jは個体 lのパラメータ推定値における相関行列である。 3 . 2 . 二段階法 (TS法) 3 . 2 . 1 . STS;去~一一一 y m4ι4;̲r"引 "c V.‑ t、 STS法は、以下の二つの S t a g eにより母集団パラメータを推定する方法である。 S t a g e1 : 各個人の血中薬物濃度データに対してモデル(1 )を当てはめ、非線形最小三乗法により各個人の パラメータ民を推定する(式 ( 4 ) )。 之 SSE Aとする ( l n ( Y 1 J ) ‑ h ( f l J ) ) 2を最小とする民を ( 4 ) S t a g e2 : iの標本平均ベクトルと標本分散共分散行列を S t a g e 1 で得られた各個体のパラメータ推定値 β 求める。式 ( 5 )より得られる標本平均ベクトル、標本分散共分散行列は、それぞれ STS法におけ る母集団平均パラメータベクトルの推定値 sSTS、個体問分散共分散行列の推定値 CSTSとなる。 n︿U ηd

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日 =Var(ム)=ELIP‑AJA‑h) ATS=tp ( 5 ) 個体内分散 σ2は式 ( 6 )により推定できる。 計 七 M 1 i ト ー も ( 6 ) m ここで、可は個体 iにおける個体内分散の推定値である。 3 . 2 . 2 .GTS法 / f :・ /1 GTS法では、 A を「データ」とみなし、平均 3、分散 ( S j+c)の多変量正規分布に従うと仮定 b jを最小とするような母集団パラメータ 3、Cを求める。 し、対数尤度を ‑2倍した目的関数 O b jは式 ( 7 )で表される。 目的関数 O = 訂(β1βnSj+Ctl(si‑β)]+ln[(S け c~ ( 7 ) O b j 1 = 1 目的関数 O b jを最小とするような 3、Cを算出するために反復演算を川いる。具体的には、以 tageにより母集団パラメータを推定する。 下の三つの S Stage1 : (旬、ゴ,) STS法と同様に、各個体における β !と S iを推定する。 Stage2 :r 民川 ) 反f 主演算により母集団パラメータを推定する。最初に、母集団パラメ一夕推定値の初期値 ι C 伊 仇 , l いム 引 e 刈 1 )を 与 え 、 再帰的な関数(伊仇片ム人 川+ r + し , 山 2ん ι 叫 e 己 ω ) 2 よ ) , . . ., 伊 仇 仇 , r ドム 刈 e と ム 引 小 r 叫 ) ) ,伊仇 川, H l いe ι ι 叶 + 川 r +1 )を算 出 J l H lし 、 最適な伊仇 山+ r + 伊仇 日の母集団平均パラメ一夕の推定値ベクトルであり、 cは βrの分散共分散行ダJIである。収束条 1 G T S、個体 は、それぞれ GTS法における母集団平均パラメータ推定値片 l : l : jたした s r + 1、 c . . +1 件を r ちとなる。以下に反復演算の過程を示す。 問分散共分散行列 c G1 )Stage1で得られた各個人におけるパラメータ推定値点と弘、母集団パラメータ推定値 β r 過程 1 とけ用いて、伊人におけるパラメータ推定値を豆虹三。 ( β九 1=( 8 ; ‑ 1+e ; 1一 )l ね;lAA;lA) ここで、 ( β i) f + 1は個人 iにおける A と β rの 重 み 付 き 平 均 で あ る 。 , ̲ . , ' 過程 2 ) 更新された ( β i) r + 1を用いて、式 ( 8 )よりん!とと r . 1を算1:1¥する。 ②イ色 1 ト・〆札'~;:- んl=72(A)Hl t 培 ( 8 ) と 丸 1 ' + 川 + 刊l= 2 い 肌 肌 ) 入 ) 1 ' + 1一 ‑ムん + 川 J 叶 (s 仇 i )入' 九 円 川 + 叶 1 ) + + 1I ‑s 収束条件を満たすまで、過程 1 )、 2 )を繰り返す。 6 ) )。 個体内分散 σ2の推定方法は STS法と同様である(式 ( . ̲Ii r h ‑ 、 所 JFH 叫 。 ; ̲ , .' : ' ̲ ︐ ふ 一 , ‑ ' 入 r ‑ 一内ペu '‑j ~ ふ 円 三; 1η‑~

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3 . 3 . NLM法 NLM法は、各個人における βiを推定せず、直接、母集団パラメー夕日、 C、 0 2を推定する方 9 )で表す 法であるロ対数尤度 1nLを最大とするような β、C、 0 2を求める。対数尤度 1nLは式( ことができる。 白[ f ( f { 1 町 J) , . . . ,I n ( Y i j ): β i, a } f { s i :s, C } } t s i ] 2 InL=I n 吋 ( 9 ) 十 = 喜 宇 ト 4I n ここで、 f ( x )は確率変数 xにおける確率密度関数(この場合、多変1' * 1正組分 1 1 iの確率密度関数)で、 主を最大化する│擦に問題 積分は siの次元に等しい多重積分である(この場合、 3重積分)。対数尤 j となるのは、予測値 fリ iJ~ßi の非線形関数であるため、式 (8) に含まれる多重荷分を解析的に解く ことができないという点である。この点を解決するための方法として、線形一次近似法、 Gauss , 求積法、モンテカル口積分を利用する方法が提案されている CDavidianandG i 1 t i n a n1995,矢印 i 石黒 2 003)。本稿では、主に線形一次近似法を用いるロ , / 4 . 推定方法の比較 本車では、シミュレーション実験と実際の臨床試験データの解析を通じて、二段階法 (STS法 、 GTS法)と非線形混合効果モデル法 (NLM法)の性能を比較し、推定結巣の泣いを検討する。各推 定方法を適用するための SASフロシジャとオフション名を表 1に示すロなお、本解析には SAS Svstem9を用いた。 表 1:二段階法と非綿形混合効果モデル法のプロシジャとオプション GTS法 STS法 Stage1 Stage2 NLM法 NLINプロシジャ NLMIXEDフロシジャ METHOD=MARQUARDTオフション METHOD=FIROオフ。ション MEANSプロシジャ IMLプロシジャによる マクロプログラム 4 . 1 . シミュレーション実験 4 . 1 . 1 . 条件 母集団パラメータの真の値をそれぞれ、 Ke1=0 . 3、0 . 6、0 . 9、Vd=5、Kaニ 0 . 7、l.1、l.5、2、 ω2K . 1 8、ω K e l, Y d二 ωYd, K a = ωl ¥a , K o l二 O、 σコ=0.0001、0 . 01 ‑0 . 0 4、0 . 0 5と e J=ω2vdニ ω2K a=0.09、0 する。投与量 Doseニ 100、症例数 n=10、1 2、20、24、36、50、100とする。採 I U l時点数と採 0 [ 1 u 寺聞を表 2のように設定する。シミュレーションの反復回数を 1000巨!とする。 Fhd nぺU

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表 2 採血時点数と採血時間 採血時間 ( h r ) 採血l 時点数 8 O,0 . 5,1 ,2,4,8,1 2,24 1 0 . 2 5,0 . 5,1 ,2,4,8,1 2,1 6,24 0,0 1 5 O,0 . 1 5,0 . 2 5,0 . 5,1 ,1 .5,2,3 ,4,6,8,1 0,1 2,1 6,24 16 O,0 . 0 8 3,0 . 1 6 7,0 . 2 5,0 . 5,1 ,1 .5,2,3,4,6,8 ,1 0,1 2,1 6,24 240 ot o24by0 . 1 4 . 1 . 2 .比較指標 k よし三 tJMfk 、 偏りと推定精度の評価 i' それぞれの推定方法の偏りと推定精度を比較するための指標 E k ( % )を式 ( 1 0 )のように定義する。 n ( K el ) し 1n(KeL .J . ~~ E (%)= 1 u. ,..~., k t~x 1 0 0I I , ¥ K '‑‑ . 1 n ( K e 1 ) t r l l e ( 1 0 ) ‑ ‑ ‑J ここで、 1n(Ke1hはシミュレーションの反復回数 k回目における母集団パラメータ 1 n ( K el)の推定 値で、 1 n( K e l t r l l e )は 1n (Kel)の真の値である。それぞれの推定量における 1 n ( K el)の偏りを E kの平 均値 A V E ( % )で評価し、推定精度を E kの標準偏差 S D E ( % )で評価する。その他の母集団パラメー 2 2 、ωKJ、。 についても同様に E タ 1n(V 心 、 1 n ( K a )、ω K e 1、ωV d2 k,AVE、SDEを計算する。 AVE が大きい方が偏りが大きく、 SDEが大きい方が推定精度が低いということになる。 収束成功率の評価 母集団パラメータを推定するのに反復演算を必要とするため、収束解が得られないことがある。 n u n u x 数 一 羽一数 1一 回 し7 . 功一次 誠一応 ロ 入 一 ﹁ hμ h ν 率 功 束 収 束 一h 三段階法と非線形混合効果モデル法の収束成功率を比較する。収束成功率を式 (11)で表す。 ( 1 1 ) 4 . 1 . 3 .比較結果と考察 偏りの評価 すべてのシミュレーション条件を併合した場合の各推定方法の A V E ( % )を表 3に示した。表 3 より、 Ke1、Vd、Ka、 ω 、 ωK I t e 1 2、 ωVd2 a2に関して、 NLM法の偏りが最も小さかった。特に Ke1、 Vd、Ka、 ω 、 ωV K e 12 d2については、 NLM法が二段階法より格段に偏りが小さい。一方、 0 2に関し ては、 NLM法の偏りが大きかったが、これは o2 . 0 0 0 1のときに大きな偏りが生じているた t r l l e= 0 めである。 o2 t r u Bが極めて小さいときには、 NLM法における 0 2の推定に偏りが生じる。 Ka、 ω K a に関しては、大小は別にしてどの推定方法を用いても偏りが生じた。 2 さらに、それぞれの推定方法について、偏りに影響を与えるシミュレーション条件を探索した。 偏りとシミュレーション条件の関係を表 4に要約した。 T S T S法 、 S法 ( GTS法)については、主 にK a t r u e、K e 1 t r l l e、ω2tmとその組み合わせによって偏りが生じることがわかった。 NLM法につ いては、シミュレーション条件の影響をそれほど受けなかった。なお、 の挙動はさほど変わらなかったため、二つの方法を併せて要約した。 STS法と GTS法の偏り ρ h υ nd

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表 3 各推定方法における総合的な偏りの評価結果 心) K o 12 ωVd2 む)K a2 02 ‑42.15 5 9 . 5 8 56. 43 37.98 0 . 1 3 ‑5.60 ‑51 .73 49.63 44. 43 1 8. 42 1 .1 8 8 . 6 5 一5 . 9 4 2 . 3 9 ‑16.66 AVE(%) Kel Vd Ka STS法 GTS法 NLM法 ‑46.56 ‑6.08 ‑44.17 2 . 3 5 32.59 表 4 偏りとシミュレーション条件の関係 (シミュレーション条件の変化に伴う各母集団パラメータの AVEの変化) AVE(%) 例数 少ヰキ多 採血時点数 少ヰキ多 K e l t. , u e 小骨大 K a t r u e 小骨大 2 t r u e む) 小。大 。 2 t r L i E 小特大 TS法 NLM法 TS法 NLM法 TS法 NLM法 TS法 NLM法 TS法 NLM法 TS法 NLM法 K e 12 Kel Vd Ka む) WVd2 ωK a2 σ2 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 大ヰキ小 小特大 小特大 小骨大 小特大 小特大 小骨大 不変 不変 不変 不変 不変 小ヰキ大 小特大 不変 不変 不変 大。小 不変 不変 大ヰキ小 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 小特大 小特大 小特大 小特大 小骨大 小特大 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 推定精度の評価 すべてのシミュレーション条件を併合した場合の各推定方法の SDE(%)を表 5に示した。表 5 より、 Kel、 Vd、 Ka については、各推定方法問で推定精度に大きな差はなかった。 ω K e l2に関し ては、 GTS 法の推定精度が高く、 ω Vd 2 、 ω 1\:a 2 に関しては、 NLM 法が高いことがわかった。 U~ に 関しては、 NLM法の推定精度が低かったが、これは o2 t r u e=0.0001のときに推定精度が低いため である。また、推定方法によらず、 Kelや Vdに比べて、 Kaの推定精度が低かった。 さらに、それぞれの推定方法について、推定精度に影響を与えるシミュレーション条件を探索 した。推定精度とシミュレーション条件の関係を表 6に要約した。 TS法 ( S T S法 、 GTS法)につ a u . u e 、K e l t r u eとその組み合わせによって推定精度が変わることがわかっ いては、主に、例数、 K た 。 NLM法についても同様に、主に、伊J i 数 、 Katnw 、K巴l t 廿出 r n u 山l が変わることがわかつた。なお、 STS法と GTS法の偏りの挙動はさほど変わらなかったため、 二つの方法を併せて要約した。 ワ t ペ nυ

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表 5 各推定方法における総合的な推定精度の評価結果 SDE(%) Kel Vd Ka ω1(0 12 ωVd2 臥 j i t a : z O~ STS法 1 8 . 3 6 4 . 5 0 5 6 . 8 0 3 8 . 8 5 3 9 . 2 3 3 3 . 5 1 7 . 2 8 GTS法 1 7 . 9 3 4. 46 5 5 . 9 7 3 6 . 5 7 3 7 . 1 0 2 7 . 9 6 1 8 . 9 5 4 . 1 4 5 9 . 9 7 4 4 . 5 0 2 6 . 6 7 2 3 . 5 4 NLM法 2 4 . 7 1 」 表 6 推定精度とシミュレーション条件の関係 (シミュレーション条件の変化に伴う各母集団パラメータの SDEの変化) SDE(%) Kel Vd Ka 臥) K e l2 。 I)Vd2 ω i E12 02 《 例数 TS法 大。小 大。小 大。小 大。小 大。小 大。小 大。小 少。多 NLM法 大。小 大。小 大。小 大。小 大。小 大。小 大。小 採血時点数 TS法 不変 不変 不変 不変 不変 不変 大。小 少。多 NLM法 不変 不変 不変 不変 不変 不変 大。小 K e l t r l l e TS法 小。大 小。大 小。大 j 、。大 , 小。大 小。大 不変 小。大 NLM法 小。大 小。大 小。大 小。大 小。大 小。大 不変 K a t r l l e TS法 大。小 大。, j 、 大。小 大。小 大。小 大。小 不変 小。大 NLM法 大。小 大。,j 、 大。小 大。, j 、 大。小 大。小 不変 臥 j : z t r u e TS法 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 小。大 NLM法 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 。2t r u e TS法 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 小。大 NLM法 不変 不変 不変 不変 不変 不変 不変 収束成功率の評価 すべてのシミュレーション条件を併合した場合の二段階法と非線形混合効果モデル法における 収束成功率はそれぞ、れ、 97.8%、 99.4%となり、非線形混合効果モデル法の方が高かった。 さらに、それぞれの推定方法における収束成功率に影響を与えるシミュレーション条件を探索 した。その結果、二段階法については、 Keltruc 、 Katr 凶、。 ~true ~こよって、収束成功率が変化する ことがわかった。 K e l t r u eが大きく、 K a t r u e が小さく、 o2t r u eが大きくなると収束成功率が低下する。 一方、非線形混合効果モデル法については、仔" j数 ! 、 o : z t m eが収束成功率に寄与していることがわ かった。例数が少なくなると収束成功率が低下する。個体内分散が σ三=0.00001の場合、収束成 功率が低かった(ただし、症例数が増えるとその傾向は小さくなった)。 4 . 2 . データ解析 ある第 l相臨床試験から得られたある薬剤の l l l L中薬物濃度データに対して、二段階法と非線形 混合効果モデル法を適用し、母集団薬物動態パラメータの推定結果の差異について検討する。 使用するデータは JJ~ 段階では公表できないが、おおよそ次のようなものである。投与量 i洋は 6 群で、 1 1 洋6例合計 36例の l I f L 中薬物濃度データである。ある群の r !n中薬物濃度推移を│玄1 2に示す。 nぺU OD

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3 0 0 0 2qAbロ)ω5U 2 0 0 0 1 0 0 0 。 。 1 0 2 0 3 0 5 0 4 0 TimeQ ‑ r r ) 図 2 ある群の 6例分の血中薬物濃度推移 本データに対して、各推定法を適用した結果を表 7に、母集団平均パラメータ推定値に基づく 平均的な血中薬物濃度の予測値の推移を図 3に示す。表 7より、推定方法によって Ka、 ωJ(aの 推定値が大きく異なることより、吸収速度定数に関しては推定結果が不安定であることが示唆さ れた。血中薬物濃度と平均的な予測値の当てはまりを表す RootMSEは GTS法が若干小さかっ J l た( R o o tMSEは小さい方が当てはまりが良い)。また、図 3より、推定方法によって平均的な U 中薬物濃度の予測値も若干異なった。 表 7 二段階法と非線形混合効果モデル法における母集団パラメータ推定値 。 ) 。el ) 。a Ke1 Vd Ka ( l / h r ) ( L ) ( 1 Ih r ) STS法 0 . 2 6 82.16 1 .43 0 . 6 3 0 . 5 2 1 .14 GTS法 0 . 2 5 85.68 0 . 9 6 0 . 5 3 0. 41 0 . 5 9 NLM法 0 . 2 4 104.35 5 . 2 7 0 . 3 8 0 . 3 6 6 . 3 5 1 5 2 0 )Vd l { σ l { 0 . 6 4 0. 46 cuouf叫 ロ)ωロロ U ( J S凶 2 0 0 0 1 0 0 0 r J 1 0 1 .52 1 .44 TTJ SGHU 3 0 0 0 。 。 RootMSE ll1( L ) ) ( 11 1 (1 Ih r ) ) 1n(ng/mL) 1n(ng/mL) ( ll1( l / h1 ' ) ) ( 2 5 T I m e O i f ) 図 3 各母集団平均パラメータ推定値から予測した血中薬物濃度推移 1 .53 ハ n t υ υ u

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5 . 結論 シミュレーション実験の結果から、母集団パラメータにおける偏りと推定精度を評価したとこ ろ、母集団平均、個体問分散パラメータに関しては、二段階法に比べて、非線形混合効果モデル 法の方が偏りは小さかったが、推定精度に大きな差はなかった。個体内分散が極めて小さい場合 には、非線形混合効果モデル法では個体内分散の推定に偏りが生じ、推定精度が低下することが わかった。 症例数を培やすと推定精度が高くなることがわかったが、採血時点数は偏りや推定精度に対し てそれほど大きな影響を与えなかった。採血 1寺点数の影響についてはさらに吟味する必要がある と思われる。 収束成功率について、非線形混合効果モデル法は、二段階法に比べて若干高かった。 本稿では、非線形混合効果モデル法として、線形一次近似法 (METHOD二 FIRO オプション)を 使用したが、一部の条件に対して Gauss求積法 (METHOD=GAUSSオプション)を適用したと ころ、収束解が得られないことが多く、また推定量の性能もはっきりわからなかった。一次吸収 過程がある場合の 1 コンパートメントモデルによる解析を行う際には、非線形混合効果モデル 法における Gauss求積法の実用性に議論の余地がある。 実際に得られた臨床試験データの解析結果から、推定方法によって母集団パラメータの推定値 が大きく異なることがわかった。非線形混合効果モデル法における Gauss求積法では母集団パラ メータの推定値は得られなかった。 線形一次近似法における非線形混合効果モデル法は、個体問分散が大きい下では、その推定量 0 0 3 )、二段階法に比べ、その程度は小さいと に偏りが生じることがわかっているが(矢船,石黒 2 考えられる。ある程度の症例数があり、個体内分散が極めて小さくなければ、線形一次近似法に おける非線形混合効果モデル法は二段階法よりも望ましい方法であると考えられる。 参考文献 1 . L.B.Sheine , ' 1 S.L.Beal . (1 9 8 0 ) . E v a l u a t i o no f Methods f o ' 1 Estimating P opulation 1 macokinetic Pa' 1 amete' 1 s . 1 .Michaelis‑Menten Model: Routine C l i n i c a l Pha' 1 macokinetic Data. Jou l' nal ofPhar l 1 1a k c o k i n e t i c s and Biophar l 1 1a c e u t i c s , Pha' 8, 6, 553・571 . 2 . L.B.Sheine , ' 1 S.L.Beal . (1 9 8 1 ) . E v a l u a t i o no f Methods f o ' 1 Estimating P opulation Pha' 1 macokinetic Pa ' 1 amete' 1 s . I I . B i e x p o n e n t i a l Model and Experimental ' 1 macokinetic Data. JOlJ1・ nal ofpharmakcokinetics and Biophannaceutics , Pha 9, 5, 635・651 . 3 . L .B.Sheine , ' 1 S.L.Beal . (1 9 8 3 ) . E v a l u a t i o no f Methods f o ' 1E stimating Population ∞ okine 凶t i c Ph剖 armac Pa 創1' amet同 e 1'凶 ~s. 1 I I Pha' 1 macokineti た c Data. JOll1・ nal ofPharmakcokinetics and Biophannaceutics, 1 1, 3, 303・3 1 9 . 4 . .Steime , ' 1A .Mallet,J .L .Golmard,J . F . B o i s v i e u x . ( 1 9 8 4 ) .Alt e r n a t i v eApp' 1 oachest o J .L Estimation o f Population Pharmacokinetic Pa ' 1 amete' 1 s : Comparison with t h e 1Mixed‑E f f e c tModel大 . DrugM e t a b o l i s l 1 1R eviews , 1 5 ( 1 & 2 ), 2 6 5 ‑ 2 9 2 . Nonlinea' 4 0一

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5 . T.H.Grasela J r ., E .J.Antal, R .j.Townsend, R .B.Smith.(1986).An evaluation o f p o p u l a t i o n pharmacokinetics i n t h e r a p e u t i c t r i a l s . P a r t 1 .Comparison o f m e t h o d o l o g i e s .C l i n i c a lPharmacologyT h e r a p e l l t i 白 ' , 39, 6, 6 0 5 ' 6 1 2 . 6 . T .H.GraselaJ r .,E . J . A n t a l,L .Ereshefsky ,B . G . W e l l s,L .Evans,R .B.Smith.(1987).An e v a l u a t i o no fp o p u l a t i o npharmacokineticsi nt h e r a p e u t i ct r i a l s . P a r tI. D e t e c t i o no f c t i o n .C l i n i c a lPharmacologyTherapθl l t i c s ,42, 4, 43344l . adrug‑drugi n t e1'a ・ 7 . E .J.Antal, T .H.Grasela J r ., R .B.Smith.(1989).An evaluation o f p o p u l a t i o n pharmacokinetics i nt h e r a p e u t i ct r i a l s . P a r t I I I. P r o s p e c t i v e data c o l l e c t i o nv e r s u s r e t r o s p e c t i v edataa s s e m b l y .C l i n i c a lPharmacologyT h e r a p e l l t i c s ,4 6, 5, 5 5 2 ‑ 5 5 9 8 . M.K . A l‑Banna,A . W .Kelman,B .Whiting.(1990).ExperimentalDesignandE f f i c i e n t Parameter Estimation i n P o p u l a t i o n P h a r m a c o k i n e t i c s . J O l l r n a l of PharmakcokineticsandB i o p h a r m a c e l l t i c s ,1 8, 4, 3 4 7 ‑ 3 6 0 . 9 . L .Yuh, S . B e a l, M.Davidian, F.Ha1'r i s o n, A .Hester, K .Kowalski, E .Vonesh, R .Wolfinger.(1994).Population Pharmacokinetic IPharmacodynamic Methodology i o m e t r i c s ,5 0, 566・5 7 5 . andA p p l i c a t i o n s : AB i b l i o g r a p h y .B 1 0 . M.DavidianandD . M . G i l t i n a n . ( 1 9 9 5 ) . N o n l i n e a rModelsf o1' RepeatedMeasurement L . D a t a .CHAPMAN& HAL 1 1 矢船明史,石黒真木夫 . ( 2 0 0 3 ) .母集団薬物動態データの解析.朝倉書 1 6 . A4 ーよ

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 木構造を処理するマクロの作成 ‑SQLプロシジャを利用してー 堀田真一 株式会社 シーエーシー 医薬システムビジネスユニット T h eC r e a t i o no fm a c r ot ot r e a tt h et r e es t r u c t u r e :U s i n gS Q Lp r o c e d u r e S h i n i c h iH o t t a M e d i c a l &P h a r m a c e u t i c a lS y s t e mB u s i n e s sU n i t,C A CC o r p o r a t i o n 要旨 S Q L 9 9には部品構成表や組織図に代表される木構造を持つデータを扱う再帰 S Q Lという 内容が盛り込まれており、いくつかの D B M Sにはこの機能が実装されている。 S Q Lプロシジ Q Lの機能は無いので、木構造の処理を行うマクロを作成した。 S Q Lプロシジ ャには再帰 S ャとマクロ言語を組み合せることで、簡単にプログラムを記述することが可能となった。 木構造を処理するアルゴリズムは、木構造のみならず、経路問題、組合せ問題への応用も 可能であり、実際の応用例も紹介する。 キーワード: 木構造 S Q Lプロシジャ マクロ 1 木構造を持つデータを処理する S Q L 1 .1 木構造と表 木構造とは、ノード(節)とエッジで構成されるデータ構造である。ノードは他のノー ドと方向性のある関係を持ち、この関係を表すのがエッジである。各ノードは、エッジの 方向性により、三つのノード聞の関係において親と子に特定される。親を持たないノード をルート(根)、子を持たないノードをリーフ(葉)、ルートからあるノードまで到達する ときに通ったルート以外のノードの数をそのノードの深さと呼ぶ。木構造の代表的な例は、 部品構成表や組織図に代表されるデータである。図 lは部品構成表の例を表したものであ る。図 lでは、ルートは自転車であり、リーフはグリップ、サドル、ブレーキ、スポー夕、 ハンドルの子の留め具、ペダルの子の留め具である。ルートとリーフを含む全ての部品が ノードであり、部品聞の親子関係を表す線がエッジとなる。深さは最大で 3である。部品 名の下の数字は、親部品一つに対して必要な部品の数を表している。 43‑

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表 1 図1の部品構成表 s u b p a r t s n 自転車 ハンド jレ 自転車 フレーム 自転車 車輪 2 自転車 ブレーキ 2 ハンドル グリップ 2 ハンドル 留め具 4 フレーム サドル 1 フレーム ペダル 2 車輪 スポーク 10 図1 ペダル 留め具 3 現在のデータベースの主流である関係データベースモデルでも、 S A S システムによるデ ータの管理においても、データの基本的な構造は二次元の表である。木構造を持つデータ をむりやり二次元の表で表現しようとすると、エッジ、で繋がった二つのノード聞の直接的 な親子関係だけは表現することができる。しかし、別のノードを通した、二つのノード聞 の間接的な関係を完全に表現するのは難しい。特にノードからリーフまでの深さが不均一 で未知のときなど、ほとんど不可能である。従って、エッジで繋がった二つのノード間の 関係からいかに全体の構成を復元するかが、木構造を持つデータを表形式で表現する場合 のポイントとなる。表 lは、図 1の部品構成表を表形式で表したものである。表 lの変数 p a r t sが親部品、変数 s u b p a r t sが子部品、変数 nが親部品一つを作るのに必要な子部品の 数を表している。 1 .2 木構造に対する処理 表 lから自転車一台について各々の部品が合計何個使われているか求める場合を考える。 表 lからは、自転車と直接の親子関係がない部品について、自転車全体で使われている数 を一回の処理で求めることができない。なぜなら、自転車一台に対する車輪を通したスポ ークの数、あるいは、ハンドルやフレームとペダルを通した留め具の数は、表 lには示さ れていないからである。スポークの数を求めるためには車輪の数を、留め具の数を求める ためには、ハンドルとペダルの数を、さらにペダルの数を求めるためにはフレームの数を、 ・・といったように階層的な処理を行う必要がある。従って、以下のような一連の手順を踏 むことになる。一連の処理を図示したのが図 2である。 手順 l ルートとなるレコードを選択する。表 l では変数 p a r t sの値が自転車のレコードである。 ルートとして選択したレコードをレベル lのレコードと呼ぶことにする。 ‑ 4 4

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選択したレコード n 司......~ │ルート=昨今 元データ ~<1直を参照 l a r t s subparts 自転車 ハンドル 自転車 フレーム │選問引ハ川(タ 自転車 車輪 2 ハンドル 留め具 2 パ ,I.̲I 品 L~~ 1 1 自転車 ブレーキ J、ンド l レ グリップ 2 4 ハンドル 留め具 サドル フレーム 2 フレーム ペダル 車輪 ス ポ ー ク 10 ペダル 留め具 3 l j Y 7 1; I 厄亘 ¥ 処理を終了 図2表1 から各々の部品が自転車一台あたり i こ何個使われているかを計算する処理のイメージ 手順 2 親子関係から新たにレコードを選択する。この場合、レベル lのレコードの変数日 b p a r t s と元データである表 lの変数 p a r t sの値が一致したレコードを選択し、レベル 2のレコー u mに元データ ドとする。この時、レベル iのレコードで部品ごとの数の合計を表す変数 s u mとする。 である表 lの変数日の値を掛けあわせて、新たに部品ごとの数の合計 s 手[ J 国3 手[ J 国2 、すなわち、レベル kのレコードと元データである表 lからレベル k + 1のレコー ドを求める処理を繰り返す。 手[ J 国4 新たに選択されるレコードがなくなったら処理を終了する。それまでに選択されたレコ ードを全て出力表に保存する。 この一連の手順で問題となるのが、レベル kのレコードを求める処理を繰り返す回数が あらかじめわからないという点である。従って、全てのリーフを発見した時点でループ処 理を終了する必要がある。 1 .3 木構造を処理する SQLと SQLプロシジャでの問題点 [ S Oが定めた S Q Lの標準規格である S Q L 9 9では再帰 S Q Lという内容が盛り込まれた。再 帰S Q Lは木構造を持つデータを処理する S Q Lクエリである。再帰 S Q Lによって、全てのリ ーフを発見するまで処理を続け、全てのリーフを発見した時点で処理を終了するという一 連の処理を S Q Lのみで記述することができるようになった。 υ 戸 川 44・

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再帰 S Q Lは既にいくつかの D B M Sには実装されているが、 B A S ES A Sの S Q Lフロシジャに 同じ機能はない。従って S Q Lプロシジャで再帰 S Q Lと同じ処理を実行しようとすると、ル ープ処理を伴うマクロ内で S Q Lプロシジャを記述することになる。 2 木構造を処理するマクロとそのアルゴリズム 2 .1 出力したい変数を確認して雛型となるデータセットを作る 木構造を処理するプログラムのアルゴリズムを確認しつつ、マクロの記述方法を考察す る。図 3ではマクロの記述とアルゴリズムを対応付けて説明している。実際に表 lのデー タを処理するマクロは図 4に示されている。このマクロを実行して得られる S A Sデータセ ットの内容は表 2に示されている。最初に行う処理は、出力する S A Sデータセット(仮に 出力データセットと呼ぶ)の雛型を作ることである。最終的に求めたい情報をもっ変数を 定義し、ゼロオブザベーションのデータセットを作成する。 %macro マクロ名(~,…,~) p r o cs Q l ( : 2 7 r ,!?ど)円カデータセツト名 出力データセットの作成 (オブザベーション数はゼロ) c r e a ! e! a b l eバッファデータセット名目 s e l e c ! ~,~, ・ ・ , f r o m入力データセット名 w h e r eルートの条件‑ % d o% w h i l e (品SQLOBS)O) c r e a ! e! a b l e 出力データセット名 a s r o m出力データセット名 s e l e c !ヰ f u n i o na l l r o mバッファデータセット名 s e l e c !ヰ f . . . . j c r e a ! e! a b l eバッファデータセット名 a s s e l e c ! ~,~,.・ 1~ f r o m入力データセット名, バッファデータセット名 h e r e親子関係の記述・ 4 出力データセット i こ バッファデータセットの オブザベーションを追加 バッファデータセットと 入力データセットから 親子関係を満たす新たな バッファデータセットを作成 % e n d [ d r o p! a b l eバッファデータセット名; J. . . . QUi ! % m e n d 図3 マクロの記述とアルゴリズムを対応させたもの ‑ 4 6

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1 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 本本本本本***本* 2 .2 ルートの選択 ループに入る直前の処理はル ートを選択することである。元デ ータとなる S A Sデータセ ット(仮に入力データセットと 呼ぶ)からルートの条件を満たす オブザベーションを選択し、バッ マクロ変数の説明 i n d a t 入力データセット名指定 u t d a t出力データセット名指定 tmp バッファデ タセット名指定 出力データセットの説明 p a r t s 親品番 s u b p a r t s 子品番 sum 合計所要数 本******本本本*本本本本本本本本本本*本本本*本本本**本本本本本本本本本本/ 。 百macror e c ( i n d a t ニ ,o u t d a t 二 ,t mp=tmp); p r o cs q ln o p r i n t; /本出力データセットの雛型を作成* 1 c r e a t et a b l e&outdat u b p a r t schar( 2 0 ),sumnum); ( p a r t schar( 2 0 ),s ファとなる S A Sデータセット(仮 1 *ルートとなるオフ、ザベ にバッファデータセットと呼ぶ) c r e a t et a b l e&tmpas u b p a r t s,na ssum s e l e c tp a r t s,s from& i n d a twhere岡市二'自転車 百do百while(&SQLOBS>O); に保存する。 ションを J心' ' ; 1ファデータセットへ * 1 /本バッファデータセットを出力データセットに追加本/ 2 .3 ループ処理の実行 ループ内の一連の処理を三段階 に分けて説明する。 ‑処理 l ループ処理を実行するときに c r e a t et a b l e&outdatas n i o na l ls e l e c t*from&tmp; s e l e c t本 from&outdatu 1 * 親子関係を記述して新しい J心yファデータセットを作成本/ c r e a t et a b l e&tmpas s e l e c tc h i l d . p a r t s,c h i l d . s u b p a r t s,c h i l d . n * p a r e n t . s u ma ssum i n d a tc h i l d from&tmpp a r e n t,& wherep a r e n t . s u b p a r t s = c h i l d . p a r t s; %end: /本バッファデータセットを削除本/ まず行うのが、ループ処理継続の d r o pt a b l e&tmp; q u i t ; %mendr e c: 判断である。バッファデータセツ 図 4表1 から各々の部品が自転車一台につき何個使われてい トのオブザベーション数がゼロ るかを計算するマクロ なら、ループ処理を終了する。オブザベーション数がゼロでなければ処理 2へ進む。 ルートの条件を指定したバッファデータセットのオブザベーション数がゼロだ、った場合、 ループ処理を行わずに処理を終了する。 ‑処理 2 バッファデータセットと出力データセットを union all匂で結合する。バッファデータ セットのオブザベーションが出力データセットへ追加される。出力データセットに重複し たオブザベーションを残さないときは、 unionall句の変わりに union句を使えばよい。 .処理 3 バッファデータセットには、対応する深さのノードの情報を持つオブザベーションが含 Q Lを記述し、入力データセッ まれている。現時点でのノードとその子の関係を記述する S トとバッファデータセットから、新たにバッファデータセットを作成する。 新しいバッファデータセットが作成されたら、処理 1に戻る。バッファデータセットの オブザベーション数がゼロのときは、全てのリーフまで処理されたことになるので、ルー プ処理を終了する。 ηth A斗

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2 . 4 S Q Lプロシジャ使用時のポイント 図 4のマクロでは、ループ処理の継続の判断に自動マクロ変数 SQLOBSを使っている。全 てのリーフが発見された状態は、ループ処理の中で、バッファデータセットのオブザベー ション数がゼロになった状態である。バッファデータセットのオブザベーション数を数え る処理を行っても良いが、 S Q L O B Sマクロ変数を利用するのが良い。 S Q L O B Sマクロ変数は、 S Q L プロシジャの中で最も直前に実行されたステートメントにより処理されたオブザベー ションの数を記憶している。従って、バッファデータセットを作成した直後に SQLOBSマク ロ変数の内容を参照すれば、オブザベーション数をカウントするプログラムを省略するこ とができる。 表 2 表 1のデータに対し 図4のマクロを実行 して得られる結果 2 . 5 実行結果の確認 図 4 のマクロを実行して作成されるデータセットの内容 である表 2を見てみると、車輪を親部品とするスポーク、ペ ダルを親部品とする留め具の数が元データに対してそれぞ れ二倍になっており、正しく計算されたことがわかる。自転 車一台で使われている部品の種類別の総数は、変数 subparts の値ごとに合計所要数 s u m を足し合わせることで求めるこ とができる。 p a r t s s u b p a r t s sum J¥ン ド jレ 自転車 自転車 フレーム 自転車 車輪 自転車 ブレーキ ハンドル グリップ ハンドjレ 留 め 具 フレームサドル フレームペダル 車輪 スポーク ペダル 留め具 2 2 2 4 2 20 6 3 経路問題への応用 木構造を処理するマクロのアルゴリズムは、経路図のようなネットワーク構造にも応用 することができる。経路図は一般的には木構造には含まれないが、隣接したノードの情報 から全体の情報を再現するという点では共通している。 空港からその他の空港へのルートが、費用と共に表された経路図(図 5 ) と経路表(表 3 ) を考えてみる。表 3でも、乗り継ぎなしで直接移動できる隣接した空港間の費用は表され ているが、乗り継ぎを考えた場合の費用は表されていない。 表3 図5の経路図の経路表 図 た lu 一 不 を 目 (表 O L' オ 7 八を 架数 港金 6 空 料 のは 空字 RU 図 ‑48‑ s t o p ニューヨーク I~I) デンバー I~I) ダラス ニューヨーク シカゴ シカゴ サンフランシスコ デンバー サンフランシスコ ダラス ニューヨーク ダラス サンフランシスコ I~I) c o s t ハ quRuntAEAEqu 戸口 D s t a比

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表 3から、パリを出発地として各空港までの乗り継ぎ回数と合計費用を求めるマクロを 図 6に示した。マクロのアルゴリズムは、部品構成表の場合と全く同じであることがわか る。乗り継ぎ回数はバッファデータセットを作成する度に lずつ増加する変数を作ること により数えることができる。ノードの深さをカウントするのと同じことだが、乗り継いだ 表4図6のマクロを実行して得られるパリから各空港までの総経路の料金と乗り継ぎ回数 s t a r t s t o p p a t h cost change 0 パリ ニューヨーク 1¥リー〉ニューヨーク 6 パリ デンバー 1¥ 1)̲)デンバー 9 パリダラス パリー〉ダラス 8 パリ シカゴ パリー〉ニューヨークー〉シカゴ 8 パリ サンフランシスコ パリー〉デンバーー〉サンフランシスコ 13 パリ ニューヨーク パリー〉ダラスー〉ニューヨーク 1 1 パリ サンフランシスコ パリー〉ダラスー〉サンフランシスコ 14 パリ サンフランシスコ パリー〉ニューヨークー〉シカゴー〉サンフランシスコ 12 パリ シカゴ パリー〉ダラスー〉ニューヨークー〉シカゴ 13 パリ サンフランシスコ パリー〉ダラス〉ニューヨークー〉シカゴ〉サンフランシスコ 17 / 牢 本 字 本 本 牢 牢 牢 本 本 字 牢 牢 宇 牢 牢 牢 字 本 牢 牢 牢 牢 字 本 本 牢 牢 牢 牢 牢 本 本 牢 牢 本 本 牢 本 字 本 字 本 本 本 牢 ヰ キ キ 本 字 牢 牢 本 本 本 本 本 字 本 牢 牢 字 本 本 字 宇 牢 牢 牢 牢 牢 牢 宇 牢 牢 マクロ変数の説明 i n d a t 入力データセット名指定 outdat 出力データセット名指定 t m p バッファデータセット名指定 出力データセットの説明 start (最終的な)出発空港 stop (最終的な)到着空港 path 経路 c o s t 総費用 change 乗り継ぎ回数 キヰ牢ヰヰキキキヰヰヰヰ材料ヰヰヰキキヰ材料材料本材料材料材料材料材料材料本材料材料本件材料材料本/ %macro r e c f l(indat=, outdat=, t m p = t m p ) proc s Q I /本出力データセットの雛型を作成本/ create table &outdat 2 0 ),path char ( 2 0 0 ),c o s t num,change n u m ); ( s t a r t char ( 2 0 ),stop char ( /本出発地の指定本/ create table &tmp a s > '1 1st o p )a sp at h,c o s, t 0a s change select start,stop,compress(startll'ー from &indat ' J. i "リ') ; where start i n( 制 o% whiI e( & S QI obs>O) /キバッファデータセットを出力データセットに追加キ/ create table &outdat a s select キ from &outdat union a lIselect キ from &tmp /本新しいバッファデータセットを作成本/ create table &tmp a s ut .stop,compress(in.pathll'ー>'llout .stop) a s path, select in.start,o i n .c o st +out .cost a sc o s t, i n .change+1 a s change from &tmp i n,&indat o u t .start and in.stop not i n( 'パリ, ) where in.stop=out %end /キバッファデータセットを削除本/ drop t a b l e &tmp QUi t %mend ; 図 6図5の経路表からパリを出発地とする全ての経路の費用と乗り継ぎ回数を計算するマクロ 0 0 1 2 2 3 ・ 4 凋 ハud

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回数なのでルートとなるバッファデータセットを作成した段階での変数の値はゼロである。 マクロを実行して作成されるデータセットの内容は表 4に示している。 4 組合せの記述への応用 4 . 1 組合せと木構造 n個のモノから m個 ( mは n以下の自然数)のモノを選ぶ組合せは 2 " ‑ 1通りある。例え ば REGプロシジャで PRESS統計量を全ての独立変数の組合せについて算出する場合を考え S統計量は RSQUAREオプションを指定した場合計算されないので、 n個の独立変数 る 。 P阻 S があるとしたら、 2 ' ‑ 1行の M O D E Lステートメントを記述する必要がある。 nが多くなるに 'ー l行の M O D E Lステートメントをマクロで自動的に記 つれてその行数は膨大になるので、 2 述することが望まれる。独立変数の組合せを記述するマクロは公開されているが ( h t t p : / / s u p p o r t . s a s . c o m / f a q / 0 4 1 / F A Q 0 4 1 6 1 . h t m l )、木構造を処理するアルゴリズムを応 用することでも対応できる。 A、B、C 、Dのアルファベットの中から 任意の n個を選ぶ場合、組合せは図 7の 木のルートから全てのノードまでの経 路として求められることが知られてい る。この木には二つの特徴がある。一つ はルート直下に全種類のノードの要素 がある点である。もう一つの特徴は、木 図 7A、B、C、Dから任意の組合せを求める に含まれる部分木は、順序(この場合は 時に使う木。実用上はルートを欠損値 として考えれば良い。 J 国)が前のノードをルートとする部 辞書[ 分木に完全に含まれる点である。この木の隣接したノード 同士の親子関係を表形式で示したものが表 5である。ルー 、B 、C 、Dを子に持っている以外は辞書順の前後関係 トが A を表していることがわかる。表 5に木構造を処理するアル ゴリズムを適用すれば、 A、B、C、Dの全ての組合せを求め ることができることになる。 4 . 2 組合せを記述するマクロ の木に含まれる 表 5 図7 全ノード聞の親子関 係を示した表 親 子 ルート A ルート B ルート C ルート D A A G A D B B C C D D B 図 9は、独立変数名の組合せをデータセットに出力した上で、 MODELステートメントを 組合せの数だけ記述して REGプロシジャで PRESS統計量を計算するマクロである。このマ クロで最初に行っている処理は表 5のような親子関係をデータセットに記述する処理であ ‑50‑

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る。親子関係を記述するデータセットを処理の対象とする以外は、アルゴリズムは木構造 の処理と同じである。 n個のモノから 2 "ー l通りの組合せを選ぶ計算は、 nの 数 が 多 く な る と 計 算 時 間 が 膨 大 な /本牢本本本宇本牢本本本本本牢本本本本本牢本牢牢ヰヰ牢本本牢本本牢本本本本牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢牢本本本字本本字本本本本牢本字本本 マクロ変数の説明 i n d a t 入力データセット名の指定 o u t d a t独立変数名の組合せを出力するデータセット名の指定 t m p バッファデータセット名の指定 s t r u c 変数名同士の親子関係を出力するデータセット名の指定 d e p v a r従属変数名の指定 r e g o u tP R O CR E G実行結果を出力するデータセット名の指定 v a r m a xモデルに取り込まれる独立変数の最大数の指定 ヰ材料材料字本材料材料宇材料ヰヰヰ材料ヰ材料件付材料材料ヰヰ材料宇材料材料材料ヰヰ字本字本ヰヰヰ村/ ~macro c o m b ( i n d a t , ニo u t d a t =,t m p =,s t r u c =,d e p v a r =,r e g o u t =,v a r m a x = ) p r o cs q ln o p r i n t /ヰ独立変数名をノードとする木構造の作成ヰ/ ヰ変数名と欠損値(ルート)を選択する処理, c r e a t et a b l e& t m pa s s e l e c tn a m ef r o md i c t i o n a r Y . c o l u m n s w h e r eI i b n a m e = " W O R K "a n d n d a t " )a n d u p c a s e ( m e m n a m e ) = u p c a s e r品i u p c a s e ( n a m e ) " = u p c a s e r & d e p v a r " ) i n s e r ti n t o& t m pv a l u e s C ' ' ' ) ; 本変数名の親子関係を表形式にする処理; c r e a t et a b l e& s t r u ca s s e le c ta .n a m ea sn a m e l, b .n a m ea sn a m e 2 ,& t m pb f r o m& t m pa w h e r en a m e lくn a m e 2 o r d e rb yn a m e l, n a m e 2 /本出力データセットの雛型の作成本/ c r e a t et a b l e& o u t d a t 円 (a m e lc h a r( 3 2 ), n a m e 2c h a r( 3 2 ), n a m ec h a r( 3 0 0 ), ni n t e g e r ); /本ルートの指定欠損値がルートザ c r e a t et a b l e& t m pa s s e l e c tn a m e l,円 a m e 2, c o m p b l( n a m e l II n a m e 2 )a sn a m e, 1a s nf r o m& s t r u c w h e r en a m e l = " " ; /本ループ処理 全経路を求める通常の処理本/ 制 o% w hi I e( & S qI o b s ) O ) c r e a t et a b l e& o u t d a ta s r o m& o u t d a tu n i o na lIs e l e c t本 f r o m& t m p s e l e c t本 f c r e a t et a b l e& t m pa s s e l e c to ut .n a m e , l o ut .n a m e 2,c o m p b l( n a m e ll o ut .n a m e 2 )a sn a m e, i n . n + la sn s t r u ca so u t f r o m& t m pa si n,& w h e r ei n . n a m e 2 = o ut .n a m e la n do ut .n a m e 2n o ti nr " )a n di n . n + lく= & v a r m a x ; % e n d; /ヰ組合せを求めた後の処理 バッファデータセットの削除と組合せをマクロ変数に保存ヰ/ d r o pt a b l e& t m p c r e a t et a b l e& o u t d a ta ss e l e c t本 f r o m& o u t d a to r d e rb yn ,n a m e m o d e I R h s % e v a l ( & S Q L O B S )f r o m& o u t d a t s e l e c tn a m ei n t o: m o d e l R h s l一: q uit / ヰP R O CR E Gによる P R E S S統計量の計算の実行ヰ/ p r o cr e gd a t a =品i n d a to u t e s t二 & r e g o u t 出d o i=1% t o& S Q L O B S ;m o d e l& d e p v a r = & & m o d e I R h s & i / P R E S S ;% e n d ; q uit ; Z m e n dc o m b 図9WORKライブラリに存在する指定したデータセットに対してあらゆる独立変数の組合せを記述して REGプロシジャを実行するマクロ。独立変数の数が多くなると実行速度が遅くなるので、際限なく独 立変数を増やすことは出来ないことに注意。 5 1

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dataf i t n e s s ; i n p u tAgeWeightOxygenRunTimeRestPulseRunPulseMaxPulse@@; d a t a l i n e s ; 448 9 . 4 74 4 . 6 0 91 1 . 3 76 21 7 8182 4075.0745.3131 0 . 0 7 6 21 8 51 8 5 448 5 . 8 4 5 4 . 2 9 7 8.65451 5 6168 4268.1559.571 8.1740166172 3889.0249.874 9.2255178180 4777. 4544.81111.6358176176 4075.9845.681 11.9570176180 4381.1949.091 10.8564162170 4481. 4239.44213.0863174176 3881.8760.055 8.6348170186 4473.0350.541 10.1345168168 4587.6637.38814.0356186192 4566. 4544.75411.1251176176 4779.1547.27310.6047162164 5483.1251 .85510.3350166170 4249.156 8.95441 8 0185 5 16 9 . 6 3 4 0 . 8 3 61 0 . 9 5 5 71 6 81 7 2 5 17 7 . 9 14 6 . 6 7 210.00481 6 2168 4 98 1. 40712.6358174176 4891.6346.77410.2548162164 4973.3750.38810.0867168168 5773.3739. 44 19 . 6 3481 6 41 6 6 5 07 0 . 8 75 4 . 6 2 58 . 9 24 81 4 61 5 5 5 47 9 . 3 84 6 . 0 8 01 1 . 1 76 21 5 6165 5 27 6 . 3 245. 5167.2545.11811 .08481721 72 5491 .6339.20312.8844168172 5173.7145.79010. 4759186188 5759.0850.545 9.9349148155 4976.3248.673 9 . 4056186188 4861.2447.92011.5052170176 46 710.50531 7 0172 5 28 2 . 7 84 7. run; 図B図9のマクロを実行するためのサンプルデータ。 ものになるので現実的ではない上に、実際には組合 せに制約を置きたい場合が多い。組合せを求めるの に木構造を利用すると、プログラムを工夫すること 表 6 変数名の組合せを求め るために図 8のサンプル データから作成した表。 name1が親、 name2が子、 欠損値はルートである。 namel で組合せに制約を置ける場合がある。モデルに含ま れる独立変数の数を制限する場合は、深さを数える 変数を作り、変数の値が上限を超えた場合はバッフ ァデータセットにオブザベーションを出力しないと いう制限を追加すれば良い。深さが独立変数の数を 表しているからである。図 9のマクロではマクロ変 数によって独立変数の数に上限を与えている。 i ! n e s sについて、 図 8のサンプルデータセット f O x y g e n を従属変数、 A g e、W e i g h !、R u n T i m e、 R e s ! P u l s e、R u n P u l s e、M a x P u1 s eを独立変数として 図 9のマクロを実行した結果を確認してみる。親子 関係を表したデータセットの内容は表 6のようにな る。このマクロでは処理を簡単にするため、ルート Age Age Age Age Age name2 Age MaxPulse RestPulse RunPulse RunTime Weight MaxPulse RestPulse RunPulse RunTime Weight MaxPulse RestPulse MaxPulse RunPulse MaxPulse RunTime MaxPulse Weight RestPulse RunPulse RestPulse RunTime RestPulse Weight RunPulse RunTime RunPulse Weight RunTime Weight を欠損値としている。表 6も S Q Lプロシジャで簡単に作成できる。欠損値を含んだ変数名 をオブザベーションに持つデータセットを自己結合し、結合条件を親の変数名く子の変数名 g eは M a x P u l s e、 とすれば良いのである。表 6では、ルートは全ての変数名を子に持ち、 A ' U F q υ ヮ

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R e s l P u l s e, R u n P u l s e、R u n T i m e、W e i g h lを子に持ち、 M a x P u l s eは R e s l P u l s e、R u n P u1 s e、 R u n T i m e、 W e i g h l を子に持ち、…という変数名の辞書順の順序関係がもれなく表現されて おり、変数名の組合せを求めるときに使う木が持つ親子関係が全て存在すると言える。 表 7では、 モデルに取り込まれる変数の最大数を 3と指定してマクロを実行して得られ E G プロシジャの実行結果を保存したデータセットの内 るデータセットの内容を示した。 R 容は表 8に示した。モデルに独立変数の最大の数が 3のときのあらゆる変数名の組合せが 確認できる。 語のような手続き型言語の得意とす n a m e したデータの管理形態では、木構造の 処理を行うことは難しかった。しかし、 S Q Lフロシジャとマクロ言語を利用す ることで、 S A Sデータセットに対する 木構造の処理を比較的簡単なプログ ラムの記述で行うことができた。さら に、経路図のようないくつかの階層を 持ったデータ構造に対しても木構造 を処理するアルゴリズムを応用が可 能であることがわかった。組合せ問題 では木構造を積極的に利用すること E Gプロシジャの機能を補完でき、 で R アルゴリズムの有用性がよりはっき りと示された。 参考文献 図解・標準最新 S Q L 9 9ハンドブック オフィスエム (著) 秀和システム プログラマのための S Q L 第 2版 J o e C e1 k o (原著)、秋田昌幸(翻訳) ピ 山 ︒し 1 1 1 1 1 I 1 I 1 1 1 1 9 5 μ ワ ワ ワ ヮ ワ ワ ワ ワ ワ ワ ワ ワ ワ ワ' u q u n J q u n J q u n J q d q d q d q t u q d q d q d q t u q t u q d q t u q t u q d q J μ ιμ ιu 'u 'u 'u 'u 'u 'u 'u 'u 'u 'u ' るところであり、二次元の表を基本と p a n E 口 し 1imtem‑ 川l i‑‑hU4l nuiihum4 → ig‑‑hiTppnl P 戸 し Pし n u n u ‑ ‑ 4→i u p h u n u ‑ ‑ L U p h u qupし n u n u ρ しn u ‑ E i u b H U 戸し・1iub q u 戸し lique‑‑m+LennnR 四円H u e ‑ 1 A n民 間 円e l w u ‑ ‑ m + L U ‑ ‑ ' n m l D比四円e 叩 e σ 中lhu+ieee → 而円 eep n u ‑ ‑ J h u pムi 四円e e ム ・ li → upnssseesse sesettp ムi → gnn 1 l s e ‑ ‑ m t e s n n・ luuen‑‑Agili‑‑sque‑‑‑‑me nu‑‑m+LU‑‑humleuuennnR 四円Hue‑luuU1i1imuu‑‑m 比叩 →i → u中 l'niD比口比口比w n D i p Uifnpムi wePAPAP u u・ l pP ム ムA i li → p p n e e e W H I ‑ ‑ P A ムP A i e+LP ムi → gnn ・ → nnn →よ ρusesnun‑Eiuuenu‑‑Ageeeessseesssnnnuuun n民 間 門 川u u n u ρn しn ρ しlququQUQUIl‑‑1lququ 戸し戸し戸し戸しnunununnnnnnu q u 1 i q u 戸し戸し n n民 間 門 戸 し1iIl‑‑1lnunuuIl‑‑mnnnnnnnnnnnnnn 1lHu‑‑m+innnnnR 四円 戸 し HunvAnu‑‑i'huρ し 戸 し 戸 し 四 円 n u n u n u n u n vn vn vムH U H U ‑ E I ρ し戸し戸し ム ム → g e e e e s s s e e pP → eeeeeessse esep + Dl i + +L1DlDl i ムL ムL ム P ム P s‑‑sexsnun‑‑ssSQUIl‑‑‑‑ssex x xムxsssnnunsssssSIlli‑‑S Ilu‑‑mtaeuueIlli‑‑1iuuU1l1lmaaaaeeeuuU1111Illi‑‑1iuuu1i lhuMにKDUnkmwuuuupn nrunu‑‑M u pムU ・ 口MMUMDunkpunkpunkuuuuuupP ru ムr ム七 g P A P A P A P ムL し Pムi → ム→ + pt LtLPP ip P PP +LPA 十t ムL ム P ム P ムA ム t ムL 凸 しV A ο︑ u n u n u3 0し Oし Oし Oし OしV ucanuムnunuoし Oし Oし Oし Oし Oし Oし Oし Oし OしVA ・1 A V A V A V A c a ο︑ u n u VAVAVAVAVAP︑ u p︑ u p︑ gaeuuegubububgaaaaeeeuuuggggggggggaaaaaaeeeu AAM山nknnn民 間 円AAAAAAAAAAM山M川M川M川nnnnnnnnnnnRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAM川MMMMM川M川MMnnnnnnnn ‑53 5 まとめ 木構造を持ったデータに対して再 l 局的な処理を繰り返すのは、本来 C言 表 7 図8のサンプルデータから作成される 変数名の組合せを保存したデータセッ トの内容の一部。変数の数を最大 3と 制限を置いている。 nは変数名の数。

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表8図8のサンプルデータに対して図 9のマクロを実行して得られた REGプロシジャの出力の一部。制限を置いた結果、モデルに 含まれる独立変数の最大値は 3となっている。 ••••••••••••••••••••••.••.••.••.•.••.•••• ︐ ︒ ︐ ︒ 一一一一一一一一一一一 守 守 ︑ ︑ 0 . 0 7 1 8 9 ︑ 且 ︑ は 且 ︑ ︑ oo‑‑nunb11EdnUA9quqdqdqLQdqLquEU97111qunbnuqLnUEU7600EUEuquA90dqd119uqdQdEU76qdqL nbnUFOA守口UFOOOPOQdqLqunせA2bqLQdEdqL76qL76nせりLFbqLQd0076qLFkdnbQdqL1lpOEU7611nuqLA9 quA9qLnbod‑‑nbワ61100qLqLoonbnUFU76nU76qL000071bQdA9qdnb1I7600A 守 口 dPOO071bnununbワ6 ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ nbEUA9AサnuqdQdquoonU7600quA9qdoOA9nせqLquqLnbqLEUOOA守口UquEdqdooqLnuooqL1171boonbnb ミn叶 ミn ミ ︐ u a斗孟FU sa斗孟ηυ U FU 4 4n叶 F H υ n H v n u d n λ u η︐ s n h u n λ u n h U η︐ h u t ‑ a η︐ 644n u d n H u n h u qべ υ n H U FU F H υ n λ u n u d qべ υ t l a n H u nパ U Fuqυη S F H υ n H v q ' u qυ ququ00769uQdワ676nbqLqu00769uqU76qL009uooqL71bqL71bqL769unbqL76 uquqL009uqL009uqL (榊嘩)穏般同時 官 P ︿川町三区 幻冒 官 回世時岡市 冒 冒 冒 し L む的{]むいコ甘む U Dい円円 Jσmm︿的 入問︑AILWHhH入ヘ ρト Q4'KDhムヘト 朴存関紙・阜﹁一回世盟 む}コ戸二回口]的︿∞∞ロロ{凶いむ﹀ぷ甘︻コロ目 M川MMM川MMM山MMM川MmM川M山MmMMMmHMMMMMMMMmMMM山MmMMMmM川M川M川MmuMMMMmM川M川MMMmM川MmMmM川M川MMMm 冒 y l u y h u M Y I U Y B M y l u M y l μ y l u y l u τ ' μ y l u y l μ 1 u y l μ Y B b y l u y l u ME U M y l μ y l u ' l u y l u y E μ y l u M Y Il M y l u ME M y l μ y t b y l u y l u' y l u M' y l u y l u y l u u y l M1 y l u v 'M E E E E E EE E E E E E E E E E E E EuE EU E E E E EuE Eμ E E E E Eu E E E E E E E E nu‑‑9uqdnせRunbワ600Qdnu‑‑9uqdnせRunbワ600Qdnu‑‑9uqdA慢にυEU7600qunu‑‑ 1lqLqdA9Runbワ6Good‑‑111111111i111lei‑‑9uqLnLqL9 白Lq'uqLqzunLηdqdqdquqυηdqdndqdηOA品広バ仏z ︐ ︒ nuhununυnununununununυnυnununununununυnunununununununununununununununununununununu ハ Uハ unununununUハunununununUハ UnununununununununUハ UAUnunununununUハ UnUハunUハ UnUAUnUハ UnU 111111111 9U1iqLqLqLRUηiqa‑‑0676qdqdpoqdAx はq LquqdRυA守1lqLRυAx はa qnUOD‑‑nuqdponhuponU7676qdワ649qd nbワAboooDEu‑‑ooqL007671b007600oonbqu00009ununuqLqLquqylqdQdnb007600POOOquooooqu 仏 111inU069uoDRυ1inhuqLnuqd1lnhuqdq'UFU76quηiqdnhUFbnhuaq‑‑qdodoDQdpORυRUOD‑‑9unhuqdqL1iqd qLQdnURυ9uqd117676poquFbqLPO069uoDnhuo凸qunhU76760dqLquQdnu‑‑poqLQdP076nuqLODRυ06PORu qLqLqdA79nιEb‑‑qdAxqLnbワsnせquqdnbqLnUEu‑‑n 守 口 dquponbqdnU7SEd‑‑qLnιzbQdoo‑‑nUFOAサワ6 一一一一一一一一一一一一一一一一 ponuqLEU769uponuqdPOODEUODnUODOD qd110DPOqdn せ qdAサqL76qdEuquAサnuoo t19unEnhununU76tlqunuqd ワsponhU44τqa ‑‑1loonUEU769uqLqLA サqLPOA9RUA976 ミ 毛巳 ηυ ︽ にυη υ υ ' t a nυ FKυaA ' t a A q L F H υ F K υ ' t a a AAqLFu ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ nHvnHunHUnHUnHunHunHUnHUnHunHUnHUnHunHunHUnHUnHU ‑ 0 . 0 6 3 8 1 ‑ 0 . 0 2 5 6 9 ‑ 0 . 0 1 3 1 5 0 . 0 1 7 6 2 ‑ 0 . 2 0 8 4 3 ‑ 0 . 0 1 0 4 1 ‑ 0 . 0 7 6 5 8 ‑ 0 . 1 4 2 7 9 ‑ 3 . 2 6 2 6 8 ‑ 3 . 1 3 2 6 1 ‑ 0 . 1 1 8 1 5 ‑ 0 . 0 2 0 2 7 ‑ 3 . 2 6 1 1 4 ‑ 3 . 1 7 6 6 5 ‑ 0 . 0 7 8 7 4 2 . 9 7 0 1 9 ‑ 0 . 3 7 5 1 1 ‑ 0 . 7 1 7 4 5 ‑ 0 .1 8 9 9 3 ‑ 0 . 0 0 1 9 3 ‑ 0 . 2 5 5 2 4 ‑ 0 . 6 1 0 1 9 ‑ 3 .2 6 8 0 5 ‑ 0 .1 2 0 4 9 ‑ 0 . 0 5 4 4 4 ‑ 3 . 1 4 0 3 9 0 . 1 5 6 4 7 ‑ 2 . 8 2 5 3 8 ‑ 0 . 1 3 0 9 1 O .2 8 2 4 8 3 . 0 7 9 2 5 ‑ 0 .1 1 6 0 5 ‑ 0 . 2 3 7 6 9 ‑ 0 . 2 2 5 2 4 ‑ 0 . 0 4 5 4 9 ‑ 0 . 3 2 1 8 6 ‑ 3 . 0 1 2 2 2 て手 unuaqaq‑‑quλ せn h u a q F H υ 4 9 P 0 9 u q L q u q u nb ワs n b E U F O R u q L E u q u n サワ uqLnuqLqdqd ︐ 毛 η ︽ ' t a F H υ ' t a n H U ' l A n H U a A T FU sn υ η υ F K υ F K υ a A τ F K υ ' t a qdP076769u ununbq19A99uRUEdqdqL 1iqLnURυnu‑‑9uqdnuqLRυnunuqdnhunu ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ nHvnHunHunHunHUnHunHUnHunHunHUnHUnHunHunHUnHUnHU ‑ 0 . 2 6 4 9 2 ‑ 0 . 5 7 9 6 6 ‑ 0 . 0 5 9 8 7 ‑ 0 . 0 2 5 4 8 ‑ 3 . 1 4 0 1 9 ‑ 0 . 0 7 3 5 1 ‑ 0 .1 9 7 9 7 ‑ 3 .2 8 8 6 0 コ 町 ‑ 0 . 0 9 3 0 5 ‑ 3 . 2 8 6 6 1 ‑ 0 . 0 7 0 7 4 ‑ 0 . 1 5 2 6 2 ‑ 0 .2 0 6 8 4 ‑ 0 . 0 0 9 6 8 ‑ 0 . 2 7 4 7 4 ‑ 3 . 2 7 2 3 2 ‑ 0 . 6 8 1 8 0 ‑ 0 . 1 5 8 2 3 ‑ 0 . 2 5 2 1 9 ‑ 3 . 2 0 3 9 5 ‑ 0 . 2 9 3 8 2 ‑ 0 . 3 2 2 8 6 ‑ 0 . 1 0 4 1 0 ‑ 3 . 3 1 0 5 6 0 . 2 0 6 8 0 ‑ 0 . 2 7 9 2 1 W e i g h t R u n T i m e R u n P u l s e R e s t P u l s e M a x P u l s e A g e PRESS I n t e r c e p t M O D E L

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S A S Forumユ ー ザ ー 会 臨床試験における施設効果とリスク管理 0小笠原博幸・長谷川貴大・田崎武信 塩野義製薬株式会社 解析センター CenterE f f e c tandR i s kManagement i nC l i n i c a lTri a l s HiroyukiOgasawara/TakahiroHasegawa /TakenobuTasaki S h i o n o g i& C o ., L t d . B i o s t a t i s t i c sD e p t ., 要旨 臨床試験は多施設で実施されることが多い.多施設を用いることの理由は普通,施設 当たりの被験者数が少ないことである.さらに多くの場合,施設当たりの被験者数は不 均等となる.ここでは,施設当たりの被験者数が少ないことあるいは不均等であること が臨床試験の成功確率に及ぼす影響を調査した. うつ病のような疾患領域では臨床試験の成功確率は低いと言われている.そのよう な場合,海外では,同一デザインの試験を複数実施する習慣がある.ここでは試験問 変動あるいは施設問変動がその複数試験全体での成功確率に及ぼす影響を調査した. キーワード: 多施設共同臨床試験,施設効果,メタ・アナリシス 1.はじめに 臨床試験は多施設で実施されることが多い.多施設を利用することの利点は少なくとも 2つ 考えられる. 1つは臨床試験に組み込む被験者をたくさん,あるいは早く集積できること,もう 1 つは試験の結果をより広い被験者集団に一般化できることである.施設によって患者背景や 医師の評価が変動しうることから,少数施設で得られた知見は必ずしも広い範囲に適用できな いかもしれなし吃懸念されるためである.特に単一の施設で実施された試験からの知見は他 の施設に当てはまらなし、かもしれない.しかし多施設を用いることの理由は普通,施設当たり の被験者数が少ないことである.さらに多くの場合,施設当たりの被験者数は施設問で不均等 E 巴盟主主盟三1は怖詩当たりの被験者数が施設問で不均等となることによって成功確 となる . 率が低下することを示し,施設問での被験者数の不珍]等や岩慮した調整済み検出力を提案し ている.ここでは,施設当たりの被験者数が少ないことあるいは不均等であることが臨床試験 RU RU

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の成功確率に及ぼす影響を SASによる、ンミュレーションによって調査した. 別に,うつ病のような疾患領域で、は,臨床試験の成功確率は低し立言われている.そのよう な疾患領域において海外では,同一デザインの試験を施設(集合)を変えて複数実施する習 慣がある.その複数の試験のうちいずれかの試験で成功することを,複数試験全体としての成 功と見なしているようである.メタ・アナリシスの手法を用いるとその複数試験の成績を併合する ことができる.それによって,成功確率および試験成績の信頼性は高まることが期待される.こ こでは試験問変動あるいは施設問変動がその複数試験全体での成功確率に及ぼす影響を SASによるシミュレーションによって調査した. 2 . 施設当たりの被験者数が試験の成功確率に及ぼす影響 2 . 1 モデル 被験薬群と対照薬群を比較する平行群間比較試験で,各群 100名の計 200名の被験者 を試験に組み込むことを想定した.施設 jで薬剤 iによる治療を受けた k番目の被験者の応答 をY j j kとする. シミュレーションを行なうにあたり ,Yjjkに対して以下のモデルを想定した. 九 =μ+δ +Cj +ejjk j μ :全平均 δj 薬剤 iの効果 i=1 ,2 5J‑ 1 52 薬剤群間差= t Cj :施設 jの効果 j=1 ,2,..., J Cj ‑ N(O , O . 5 ) ;N(O , l ) ;N(O, 2 ) e (O , l ) j j k ‑ N e j j k :誤 差 2 . 2 シミュレーション条件 . 1~1. 0 と変化させ,各条 各問題で,被験薬の効果と対照薬の効果の差(薬剤群問差)を 0 件で 10000回の反復を行なった. 1 ) 施設当たりの被験者数の影響 .1施設当たり 2名(各群 1名)の被験者が登録された試験 • 1施設当たり 20名(各群 1 0名)の被験者が登録された試験 それぞれの場合で次のように施設問の分散を変化させた. ‑施設問の分散が誤差の分散の 1 1 2倍である場合 ‑施設問の分散が誤差の分散と等しい場合 ‑施設問の分散が誤差の分散の 2倍である場合 2 ) 施設当たりの被験者数が不均等であることの影響 ~ i ' nhu Fhu

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.5施設で施設当たり 1 0名(各群 5名 ) , 5施設で施設当たり 3 0名(各群 1 5名)が登録さ れた試験(不均等は小さしつ .2施設で施設当たり 60名(各群 3 0名 ) , 8施設で施設当たり 1 0名(各群 5名)が登録さ れた試験(不均等は大きし、) 0名(各群 1 0名)の被験者が登録された試験(不 これらの試験の成功確率を 1施設当たり 2 均等はなし)の成功確率と比較した ここでの成功確率は,施設効果を考慮、しないモデ、ルに基づ、く解析によって,片側有意水準 0 . 0 2 5で薬剤群聞の有意差を検出した割合(検出力)である. 2 . 3 結果 1 ) 施設当たりの被験者数の影響 施設当たりの被験者数および施設問の分散を変化させたときの薬剤群間差の検出力を図 1 に示した. 1 0 0 ‑ E 9 0 ︐ ︐ ︐ ︐ • 8 0 ︐ ︐ 7 0 dp 4' a' /J ・ (訴)門町召集 6 0 5 0 4 0 30 2 0 1 0 0 0 . 0 0 . 1 0 . 2 O .3 0 . 5 0 . 4 0 . 6 0 . 7 0 . 8 0 . 9 1 .0 薬剤群間差 *ー←‑Ir施股間分散が眼差分散の 112f 晋( 2 0 症例/施股) f 音( 2 0 症例/施設} ー‑→ト→ラ施殴間分散が誤差分散の l ・ー+ー+施股間分散が眼差分散の 2倍 (20定例/施設) ‑1<ー合ーす施設問分散が願差分散の 1/2倍 ( 2 症例/施般) 倍( 2 症例/施霞) 四ー日‑(3‑施股間分散が慣差分散の l ・‑・‑・施!lt問分散が隈差分散の 2倍 ( 2 症例/施置) 図1.施設当たりの被験者数および施設問の分散を変化させたときの薬剤群問差の検出力(也) 図 1より,薬剤群間差が小さいと,むしろ施設当たりの被験者数が 2名の場合で検出力が 0名の場合で、検出力が高かった.また 高く,薬剤群間差が大きし叱施設当たりの被験者数が 2 施設当たりの被験者数に依らず,誤差の分散に対して施設問の分散が小さいときほど検出力 は高かった.施設当たりの被験者数が少ないことの影響は施設問分散が大きいときほど顕著 5 7

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であることが示唆された. 2 ) 施設当たりの被験者数が不均等であることの影響 施設当たりの被験者数が不均等であるときの薬剤群間差の検出力を図 2に示した. 1 0 0 9 0 80 7 0 宍召集 (JF) 60 5 0 40 3 0 20 1 0 0 0 . 0 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 5 0.4 0.6 0 . 7 0.8 0 . 9 1 .0 薬剤群間差 守 一 喧F ー+ 不均等はなし ー‑‑6‑‑E平均等は小さい ..̲̲ー・平均等は大き L、 図2 .施設当たりの被験者数が施設問で不均等なときの薬剤群間差の検出力(も) 図 2より,施設当たりの被験者数で不均等がある場合と,施設当たりの被験者数が均等な 場合とで,検出力にほとんど違いはなかった.特に, r 不均等はなしJの曲線と「不均等は小さ しリの曲線は重なってしまった.ただし,このシミュレーションで、はすべての施設において被験 者数が 2つの薬剤群間で、釣り合っていると仮定した.したがって, Ruvuna( 2 0 0 4 )の研究とは 状況設定が異なることに注意したい. 3 . 同一デザインの試験を 2つ同時に実施したときの試験全体の成功確 率に及ぼす試験問変動および施設問変動の影響 3 . 1 モデル 被験薬群と対照薬群を比較する平行群問比較試験で,各群 50名の計 100名による 2試 験を実施することを想定した.施設 jで薬剤 iによる治療を受けた k番目の被験者の応答を Y;jk とする. シミュレーションを行なう l こあたり ,Yq kに対して以下のようなモデルを想定した. nxU RU

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九 =μ+O j+Cj +ejjk μ:全平均 0 ;: 薬剤 iの効果 i=1 ,2 Cj :施設 jの効果 j= 1,2,...,J e ; j k O2 Cj ‑ 0 ;N ( 0, 0 . 5 ) ;N ( O, l ) ;N ( 0, 2 ) e ; j k ‑N ( O, l ) 薬剤群間差=ムー 誤差 3 . 2 シミュレーション条件 各問題において,被験薬の効果と対照薬の効果の差(薬剤群間差)を 0.1~ 1. 0 と変化させ, 各条件で 1 0 0 0 0回の反復を行なった. 3 . 2 . 1 試験間変動が試験全体の成功確率に及ぼす影響(施設問変動がない場合) 1 ) 2試験で薬剤群間差が異なるとき • 2つめの試験で薬剤群間差が 75%に減少する場合 .2つの試験で薬剤群間差が等しい場合 • 2つめの試験で薬剤群間差が 125%に増加する場合 2 ) 2試験で誤差分散が異なるとき .2つめの試験で誤差分散が 1 1 2倍に減少する場合 .2つの試験で誤差分散が等しい場合 .2つめの試験で、誤差分散が 2倍に増加する場合 3 . 2 . 2 施設問変動が試験全体の成功確率に及ぼす影響 1 ) 2試験で施設問分散が異なるとき • 2つめの試験で、施設問分散が誤差分散の 1 / 2倍である場合 .2試験で施設問分散が誤差分散と等しい場合 • 2つめの試験で、施設問分散が誤差分散の 2倍である場合 それぞれの条件で, 3つのアプローチ,すなわち 2試験をあたかも 1つの試験のようにみな すアプローチ, 2試験のいずれかで、成功すれば試験全体は成功とみなすアプローチ, 2試 験 の成績をメタ・アナリシスによって併合するアプローチの成功確率を比較した. ここでの成功確率は,施設効果を考慮しないモテ、ルに基づく解析によって,片側有意水準 0 . 0 2 5で薬剤群聞の有意差を検出した割合(検出力)である. 3 . 3 メタ・アナリシスの方法 2試験の成績は次のように併合した. ‑59‑

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) '( YlI ‑ Y 2 [ ) 'W[ AD= 凶 ~W[ ADが併合成績であり,ここに lは試験,そして W[は各試験の重みを表す. 1 W[ = ( S E ( Y 1 I 5 一九) 併合成績の有意性検定は,統計量 k Q=AD2. W[ 2 分布に従うことを利用した. が自由度 1の x 3.4結果 3. 4. 1 試験間変動が試験全体の成功確率に及ぼす影響(施設問変動がない場合) 1 ) 2試験で薬剤群間差が異なるとき 2試験で薬剤群間差が異なるときの薬剤群問差の検出力を図 3に示した. 100 90 80 7 0 (SR司祭 60 5 0 40 30 20 1 0 0 0.0 0 . 1 0 . 2 0.3 0 . 4 0 . 5 O .G 0 . 7 0.8 0.9 1 .0 薬剤群問差 合一一←ーす 7 5 %の効果 ( 1つの民験) 守 一 合 ー か 叩O誕の効果 ( 1つの院験) イトー十寸 1 2 5 % " コ効果 ( 1つ lTj院験) モーモテーe 7 5 % の効果{いずれかの院聖書) モ→己一白川倒的効果(いずれかの E 実験) c ・日・・日 125%の効果(いずれかの民験} ‑ー←ー・ 7 5 %の効果(メタ・アナリシス} ・‑・‑・ IQO%の効果{メタ・アナリシス} ・‑・..・ 1 2 5 %の効果{メタ・アナリシス} 図3 . 2試験で薬剤l 群間差(効果の大きさ)が異なるときの薬剤l 群間差の検出力仇) この図で r 1つの試験」は 2試験の成績をあたかも 1試験(各群 100名の計 200名の試験) n u ρhv

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のように取り扱うアプローチ, 1 し、ずれかの試験」はし、ずれかの試験で成功すれば試験全体は 成功とみなすアプローチ,そして「メタ・アナリシス」は 2試験の結果をメタ・アナリシスによって 併合するアプローチをさす. 図 3より,概して 3つのアプローチ間の差は顕著で、なかった.とくに 1 1つの試験」のアプロ ーチと「メタ・アナリシス」のアフ。ローチとで、は成功確率に違いはほとんど見られなかった.より 詳細に見ると,薬剤群間差が小さし、ところでは「し、ずれかの試験」のアプローチでの成功確率 が他の 2つのアフ。ローチより高かった.しかし,薬剤群間差が大きくなるにつれて「し、ずれかの 試験」のアフ。ローチで、の成功確率は他の 2つのアフ。ローチよりも低くなっていった. 2 ) 2試験で誤差分散が異なるとき 2試験で誤差分散が異なるときの薬剤群問差の検出力を図 4に示した. 雪合 0 . 7 AW 'J 曹 司 戸/︐ FEM‑u // // dF/JJ 〆/ p ︐ ''J'a 町︐口合 O .6 ︐ ︐ e ︐ zjAA /d'' ldp Fd‑す 1 0 / J 7︐ J 20 4FIF 3 0 p'd マ グ d v'' ︐ .︐ ︐ AH ︐ ・ 勿 ダv ︐ 是ノF'︐'e ︐ 40 ・ ︑ 4/J b 5 0 t F一 知 一 ︐ e︐ 召餐 ( 詳)nh 60 a ' ' ' ︐︐︐︐︐ ' r a'r' 7 0 ︐ ︐ ︐ ︐ a'''''' 8 0 // F ‑ 90 ぷ/ V I ‑ ‑ 孟 1 0 0 0 0 . 0 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 4 0 . 5 0 . 8 O .9 1 .0 薬弗J 群問差 告‑‑Il‑ーす眠差分散減少(lつの試験) +→‑ft‑誤差分取不変(lつの快勝 +・十ー合眼差分散増加(lつの院験) 告ー→テ→E テ眼差分散減少(し、ずれかの民験) 骨‑fJ‑[' l'I畳分散不変〈いずれか(/)Jif:験) 0 ・日・・日思差分散湘加{いずれかの試験) ‑ー『←ー・骸差分散減少{メタ・アナリシス} ・....‑・胆差分散不安 fメタ・アナリシス} ・‑・..・眼差分散槽加{メタ・アナリシス) 図4 .2 試験で誤差分散が異なるときの薬剤j 群間差の検出力(也) 図 4よ り , 2試験で誤差分散に変化がなければ 3つのアプローチで、成功確率はほぼ同じで、 あった.しかし, 2 試験で誤差分散が変化すると ( 2 つめの試験で、誤差分散が減少しても増加 1つの試験」のアプローチで、の成功確率は他の 2つのアプローチより明らかに低下し しても)1 し、ずれかの試験」のアプローチと「メタ・アナリシス」のアプローチで、は成功確率の違いは た 1 わずかで、あったが, 1 メタ・アナリシス」のアプローチのほうで、成功確率が概して高かった. ‑Bi nhu

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3 . 4. 2 施設問変動が試験全体の成功確率に及ぼす影響 1 ) 2試験で施設問の分散が異なるとき 2試験で施設問の分散が異なるときの薬剤群間差の検出力を図 5に示した. 1 0 0 9 0 8 0 i O {JCR 召集 6 0 50 40 3 0 : ; 0 1 0 0 0 . 0 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 4 O .5 0 . 6 O .7 0 . 8 0.9 1 .0 薬剤群間差 喰ーーかー+施股間分市i 唆少(1つ町民験} 守一合ーか斑霞間分前不ま(1つの怯験} +・会・・台施股間分散 18 加( 1つ町民験} 召‑!テー吾措置問分費支出少{いずれかの試験) e‑t己一日措置間分散不変(いずれかのR鞍) {}.巴・・日施霞間分散増加{いずれかの試験) +‑‑‑iトー・施設問分散減少(メタ・アナリシス) ・‑・‑・施陸間分取不置いタ・アナリシス) ・‑・..・施股間分取増加{メク・アナリシス} 図5 .2試験で施設問の分散が異なるときの薬剤群間差の検出カ(叫) 図 5より,どの場合にも「メタ・アナリシス」のアプローチが成功確率で、他の 2つのアプローチ lつの試験」のアプローチと「し、ずれかの試験」のアプローチの成功確率 よりもまさっていた i での違いは微妙であるが, 2つ目の試験で施設問分散が大きいと「し、ずれかの試験 J,2つ目 1つの試験」のアプローチのほうがやや有利で、あった .2試 の試験で、施設問分散が小さし、と i lつの試験」のアプローチのほうがやや有利で、あった. 験で、施設問分散が変化しなければ i 4 . 考察 臨床試験の計画段階で施設選定は非常に重要である.実施上の問題が優先されるが,実 際には結果への影響を考察しておくべきである.臨床試験で多施設を利用することの大きな 理由は施設当たりの被験者数が少ないことである.なお,日本のこれまで、のプラクティス,とく i r o t s uand に第 E相臨床試験をひとつしか実施しないことを踏まえた多施設試験の意義は H Hothorn( 2 0 0 3 )で慎重に考察されている. りL nhu

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本稿では,施設当たりの被験者数がその試験の成功確率に及ぼす影響を調査した.その 結果,薬剤群間差が大きし、と,施設当たり 20名の被験者を組み込む場合のほうが,施設当た り 2名の被験者を組み込む場合よりも試験の成功確率が高かった.また,施設問の分散が小 さい場合に試験の成功確率が高いことが確認された.施設当たりの被験者数が少ないことの 影響は施設聞の分散が大きし吐きに顕著で、あった .ICH‑E9ガイドラインでは,各参加施設で 試験前の関係者に対する訓練を徹底すること,および試験実施中に慎重なモニタリングを実 施すること等の対策を講じ,可能な限り施設問の分散を小さくする努力が求められている. 多施設臨床試験の問題点として,施設当たりの被験者数が不均等な場合,均等な場合と比 較して試験の成功確率は低下することが報告されている (Ruvuna,2 0 0 4 ) .しかし,本研究で は施設当たりの被験者数が不均等であることの試験の成功確率に及ぼす影響は見られなか った.ここで、本稿のシミュレーション実験の限界に触れておくべきで、ある.まず,被験者数は各 施設において薬剤群聞で、釣り合っていることを前提にした.したがって,施設当たりの被験者 数が施設問で、不均等で、あっても,各施設で被験者を 2群に等しく割付けることで成功確率の 低下は抑えることが可能で・あると考えられた.別の限界として,施設と薬剤の交互作用は存在 しないこと,そして施設効果を考慮しない解析を行なうことを前提とした.これらの前提をはずし た追跡研究が必要である. 施設選定は臨床試験の個数にも関係する.海外では,うつ病のように試験の成功確率が 低しせ言われている疾患領域では,同一デザインの試験を複数実施する習慣がある.この場 合,結果の再現性よりも,複数の試験のいずれかで成功することに重きがおかれているようで ある.本稿では 2つの試験を実施する場合を想定して, 2つの試験を区別せず lつの試験と みなすアプローチ 1 1つの大きな試験 J ,し、ずれか lつの試験で成功すれば試験全体を成功と みるアプローチ「し、ずれか 1つの試験J,メタ・アナリシスによって 2試験の成績を併合するアプ ローチ「メタ・アナリシス」の, 3つのアプローチの間で、成功確率を比較した.それらの成功確率 に及ぶす試験問変動および施設問変動の影響も合わせて検討した. その結果, 2試験で、薬剤間差が同じで、も異なっても, 3つのアフ。ローチはほぼ類似の成功 確率を与えた.とくに川、ずれか lつの試験」アプローチと「メタ・アナリシス」アプローチとの聞 で試験の成功確率に違いは見られなかった.また, 2試験で誤差分散が等しい場合も 3つの アプローチ間で、成功確率に大きな遣いはなかった.しかし, 2 つの試験で、誤差分散が変化す る と 1 1つの大きな試験」アプローチで他の 2つのアプローチよりも成功確率が極端に低くな った 1 し、ずれか1つの試験」アプローチと「メタ・アナリシスJ アプローチとでは成功確率にほと んど違いがなかったが, 1 メタ・アナリシス」アプローチで、成功確率がわずかに高い傾向にあっ た.2 試験で施設問分散を変化させると「メタ・アナリシス」アプローチで、成功確率がもっとも高 かった.このように同じデザインの試験を 2つ繰り返す場合には, 1 メタ・アナリシスJ アプローチ が有力であることが示唆された.ここでも本研究では施設×薬剤の交互作用は存在しなし、こと, 施設を考慮した解析を行なわないことを前提にしたことに注意が必要である. 限定された、ンミュレーション実験からの結論で、はあるが,臨床試験の成功確率を高めるた ρhu n︿U

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めには,施設問の分散を小さくしなければならない.施設ごとに被験者を各群に等しく割り付 けなければならない.別に,同一デザインの試験を複数実施するときには,メタ・アナリシスに よって 2試験の成績を併合するのが有望である,と考えられた. 5 . 引用文献 1 . Ruvuna, F . ( 2 0 0 4 ) .Unequalc e n t e rs i z e,samples i z e,andpoweri nm u l t i c e n t e r c l i n i c a lt r i a l s .DrugI n f o r m a t i o nJ o u r n a l :3 8 ;3873 9 4 . ・ 2 . Hirotsu, C .andHothorn, L .A .( 2 0 0 3 ) .1mpacto ft h e1CHE9g u i d e l i n eS t a t i s t i c a l P r i n c i p l e sf o rC l i n i c a l1 } てi a l sont h ec o n d u c to fc l i n i c a lt r i a l si nJapan.Drug 1 n f o r m a t i o nJ o u r n a l :3 7 ;3813 9 5 . ・ ‑64

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 非反復測定値に基づく PKパラメータの群間比較 0落合俊充・山本成志・渡辺秀章・田崎武信 塩野義製薬(株)解析センター Comparisono fp h a r m a c o k i n e t i cparametersbetweent r e a t m e n t s basedonn o n ‑ r e p e a t e dd a t a T o s h i m i t s uO c h i a i/S e i s h iYamamoto/H i d e a k iWatanabe/TakenobuT a s a k i B i o s t a t i s t i c sD e p t .,SHIONOGI& CO.,LTD. 要旨 非臨床試験の実験系によっては, 1個体 1測定値のみの非反復測定値に基づいて, AUC や Cmax,tmax,t 2といった PKパラメータを評価する場合がある.評価方法としては,測 1 l 定時点ごとに血摂中濃度の平均値を求め,その平均値を線で結んだものを投与群の平均 血摂中濃度曲線とみなして評価することが多いと考えられる.しかし,平均血摂中濃度曲線 1本から得られる統計量は 1個であるため,群間比較で必要な PKパラメータのバラツキま で推定することは困難である.本稿では,比較的簡便に用いることができるリサンプリングに 基づく方法を提案し,その妥当性や有用性を他の評価方法と対比して検討する. hht ワ キ 非反復測定値,リサンプリング,コンバートメントモデル 1.はじめに 非臨床試験の実験系によっては,同一個体で経時的に血摂中濃度を測定できない場合が ある.このような制約下では,測定時点ごとに所与の個体を劃付けて独立に血摂中濃度を測 定し,これらのデータに基づいて PKプロファイルを検討することがある.ここでは,測定時点 lをド反復 間で個体の対応がなく, 1個体につき 1個の測定値しか得られていないようld' ! 畦~呼ぶ非反復測定値と隔頑副司のイメージ図を図 1 に示す 一 nhu RU

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zo‑‑EEωυ=smEE一色 。 。 Q O • . 測定時点問で個体の対応がない 、, ι s (本稿での想定) 心 測定時点問で個体の対応あり . ‑ ‑ ‑ ‑ . ̲ ̲ : よ よ ¥ ‑ ハ h S一 図1.非反復測定値(左図)と経時反復測定値(右図)のイメージ図 非反復測定値に基づく PKパラメータ ( AUC,Cmax,t m a x,t l l 2)の推定では,測定時点ご とに血摂中濃度の平均値を求め,その平均値を線で結んだものを投与群の平均血摂中濃度 曲線とみなして評価する方法がよく用いられる.しかし,平均血技中濃度曲線 1本から得られ る統計量は 1個であるため,群問比較で必要な PKパラメータのバラツキまで、推定することは 困難である.この問題に対処するひとつの方法としては,コンバートメントモデ、ルのあてはめと いったモデルに依る解析が考えられる.SASの NLMIXEDプロシジャを用いれば, PKパラ メータの標準誤差を求めることができるため,群間比較を行うことも可能である.しかし,モデ ルに依る解析は,仮定したモデ、ルのあてはまりの良し悪しによって結果が左右される.また, 非臨床試験や臨床試験における薬物動態解析では,現在のところ,モデ、ルに依る解析よりモ デルに依らない解析が重視される傾向にある.そこで、,比較的簡便で PKパラメータのバラツ キまで評価可能な方法として,リサンプリングに基づく方法(以降,リサンプリング法と呼ぶ)を 考える.本稿では,このリサンプリング法で評価した PKパラメータの挙動を考察し,その妥当 性や有用性を他の評価方法と比較して検討する.また,本方法を用いて PKパラメータの群 間比較を行った場合のタイプ Iエラーと検出力を評価する. 2 . リサンプリング i こ基づく PKパラメータの評価方法 リサンプリングにより,非反復測定値に基づいて PKパラメータ ( AUC,Cmax,t m a x,t J l 2 ) を評価することを考える.また,他の評価方法として,各測定時点の平均血摂中濃度に基づく 方法(以降,平均法)とコンバートメントモテ守ルをあてはめて評価する方法を取りあげる. 2 . 1 リサンプリング法 次の手順で PKパラメータとそのバラツキを評価する.ここでは,各測定時点に割付けられて いる個体数を nとする.リサンプリング法の利点のひとつは, PKパラメータのバラツキが評価 可能なことである. ρhU RU

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S t e p 1.測定時点ごとに 1f 固のデータをランダムに選択し,これらのデータを l個体から得ら れた経時反復測定値とみなす. S t e p2 .S t e p1で得られた経時反復測定値に基づいて PKパラメータを推定する.各 PKパ ラメータの算出方法は以下の通りとする. AUC(O・t ) AUC(O‑∞) 台形法を用いて, 0時点から最終測定時点 tまでの血摂中濃度曲線下 面積を算出する. , 最終測定時点 t以降の時点 uでの血柴中濃度 Cは C=e x p { ‑ a u+ b },a>0 ( 1 ) であると仮定し,投与後 24時間以降の血摂中濃度曲線下面積を シ 川 い) = 1州 ‑au+b}du= Cmax tmax t ! 1 2 xp同 + b } により算出する.そして, AUC(O ・ t )と AUC(t‑∞)の和を AUC(O‑∞)と 1 )の両辺を自然対数変換すると 定義する. ( IogC=‑ a u+b と書き換えられることから,パラメータム bは,最終測定時点以前の 3時 点(最終測定時点を含む)のデータに基づいて最小二乗法により推定す ・∞) る.パラメータ aの推定値が Oまたは負の値で、あった場合, AUC(O は計算不能とみなし,欠測とする. :S t e p1で選択した血摂中濃度の最大値を Cmaxとする. :Cmaxでの測定時点を tmaxとする.Cmaxが複数,すなわち血摂中濃 度の最大値が複数の測定時点で観測された場合は,最大値を示した測 定時点のうち最も早い時点を tmaxとする. :AUC(O ・∞)の推定で、求めたパラメータ aを用い, t ν 2= Iog2/a により tl/2を算出する.ただし,パラメータ aの推定値が Oまたは負の値で あった場合 ,t!12は計算不能とみなし,欠測とする. Step3 .S t e p1とS t e p2の操作を 1000回繰り返し,得られた 1000個の各推定値の平均値 と標準偏差を算出する.この平均値と標準偏差を, PKパラメータの推定値とその標 準偏差とみなす.また,各測定時点の個体数が nであることを考慮して, (標準偏差の推定値)/ ぷ を PKパラメータの標準誤差と考える. 2 . 2 平均法 非反復測定値に基づく PKパラメータの推定でよく用いられる評価方法は,測定時点ごとに 血摂中濃度の平均値を求め,その平均値を線で結んで得られる投与群の平均血摂中濃度 曲線に基づく方法であろう.各測定時点の平均値に基づき, 2 . 1節の S t e p2の方法で PKパ ラメータを評価することができる.しかし,平均血奨中濃度曲線 1本から得られる統計量は 1 伺であ塁手め, PK パ万三~02伊豆立当こまt推定オ二ることJま困難主あム担パラメータの群間 ‑67‑

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比較にも関心がある場合は対応できない.ただし,各測定時点の血摂中濃度が正規分布に 従うと仮定すれば, AUCのバラツキは評価することがで、きる. , Iv‑vp, fp=t)で の 個 体 i ( i=1 , 工 . ., .Il)の血摂中濃度を い ま , 測 定 時 点 tj(j=O 九 三1 ' ;( tj ) と し , R jはEいに独立に平均 μj,分散 σj の正規分布に従うと仮定する.測定 時点 t jでの血摂中濃度の平均を , LJ R=jskl j=o UC(O‑t)の推定値 AO は , とおき,これを測定時点 tjの平均血摂中濃度とみなす.このとき ,A ・1 台形法を用いて ‑ 芝 川 小九) 1 ) λ 0 . 1 σ J 2の正規分布に従い, で求められる.売は平均 μ j,分散 n 1 = 当 ( 小 A O . t j-1~ tXj‑1 ‑ t Y ‑t j ‑ 1 j‑1) 川 九 +5(tj+1‑tJ‑I)R+(tp‑tA =l{ と書き換えられることに注意すると, A O . tの分散は, 吋 J=~{ 川吋 ]+2(tiffJ1 川町+い川叫 = ヰ ( 川 υ ) 2 ) 2 ‑tj 2σ02+2(tjI一 j ̲ 1 山 仏 ‑ 1 → r γ ‑ 仰 標準誤差は, d 1 わ万)白として であるしたがつて, A U C ( ω O ‑ t h j 2 =( 1 1一γ リ ザ 鳥j一R 1 2 ; : : 1何 ベ 」 至 一仇 去(川 。 2 6 0 2 j+1 で求められる. なお,ここでは,各測定時点の個体数を nとしたが,個体数が一定でない場合への拡張は 容易である. 2 . 3 コンバートメントモデルに基づく解析 2 . 1節と 2 . 2節で、示したモデ、ルに依らない解析に対して,コンバートメントモデ.ルをあてはめ . 2節で示した平均法では, AUCを除く PK るモデルに依る解析を用いることが考えられる.2 パラメータのバラツキまで、評価することは困難で、あった.しかし, SASの NLMIXEDプ口、ンジ ャで ESTlMATEステートメントを利用すれば, PKパラメータの標準誤差を求めることがで、き nhv OD

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る.ここでは,薬物動態解析で一般的に用いられる Lコンバートメントモデ /レと 2・コンパートメ ントモデルを用いる. 3 .リサンプリング法の妥当性と有用性の検討 本節では, 2 . 1節で、述べたリサンプリング法の妥当性と有用性を検討する.まず,ある実験デ ータにリサンプリング法,平均法,コンパートメントモデ、ルをあてはめる方法の 3種の評価方法 を適用し,各 PKパラメータとそのバラツキ(標準誤差)に違いがあるか否かを検討する.また, ここで、はモデ、/レに依らない解析を重視し,リサンプリング法または平均法を用いて AUCの群 1エラーと検出力をシミュレーションにより評価する. 間比較を行った場合のタイフ0 3 . 1 PKパラメータとそのバラツキの評価 ある実験で得られた 1個 体 1測定値の非反復測定値に基づき, 3種の評価方法を用いて得 J/2)の推定値とその標準誤差を表 1に示す.ま られた PKパラメータ (AUC,Cmax,tmax,t た,データの散布図と平均血摂中濃度曲線, 1 ・コンバートメントモテ、/レ, 2 ・コンバートメントモ デ、/レをあてはめて描いた血撲中濃度曲線を図 2に示す.用いたデータの測定時点数は 9個 ) (最終測定時点は薬剤投与後 24時間)であり,各測定時点に割付けられた個体数は 4例であ 0時間)の血摂中濃度は 0とした. る.なお,薬剤投与時 ( 表1.3種の評価方法を適用して得られた PKパラメータの推定値(標準誤差) PKパラメータ リサンプリング法 AUC(0‑24) AUC(O‑∞) Cmax tmax t J / 2 1 0 . 3 8 4( 0 . 5 0 7 ) 1 0. 405( 0 . 5 0 7 ) 1 .0 8 0 ) 6 . 8 3 3( 0 . 3 2 9( 0 . 0 5 8 ) 3 . 1 6 5( 0 . 1 6 9 ) . 1 ‑コンノ ξートメント 1 0 . 3 2 6( 0 . 5 8 6 ) 1 0 . 3 4 7(一) 6 . 3 0 0(一) 0 . 2 5 0(一) 3 . 0 2 ' 5(一) 引 . . .. ' 5 . 5 3 7( 0 . 3 8 5 ) 0 . 3 5 9( 0 . 0 4 0 ) 0. 46 2 ( 0 . 1 9 9 ) 5 . 5 8 6( 0 . 3 4 1 ) 0 . 3 5 0(一) 3 . 6 6 5( 6 . 8 1 1 ) " ' 2 E句 会 2 ‑コンパートメント モデ、ル モデル 6 . 3 2 1( 1 .0 6 8 ) 1 0. 403( 3 . 9 0 0 ) 0. 473( 4 . 5 2 4 ) 6 . 3 2 1( 1 .0 6 8 ) 1 . 巴 . 匂 、‑ 平均法 ・ 7 一 . 一 ・ 平均血妓中濃度曲線 1 ・コンパートメントモデ、ル 2 ‑コンパートメントモテ守ル .用いたデータの散布図と各血摂中濃度曲線 図2 υ 門川 ρhu

75.

表 1より,リサンプリング法と平均法では,各 PKパラメータの推定値に大きな差はないことがう ・ 2 4 )の標準誤差は,リサンプリング法で 0 . 5 0 7,平均法で 0 . 5 8 6であり,リサ かがえた.AUC(O ンプリング法を用いたほうが若干小さかった.一方,モデ、ルに依る解析で、は,図 2の視察から, 1 ・コンパートメントモデルに比べて 2 ‑コンバートメントモデ、ルをあてはめたほうがモデ、ルのあて はまりがよいと考えられた.リサンプリング法で評価した PKパラメータと 2 ‑コンパートメントモデ? ルをあてはめて求めた PKパラメータを比較すると,点推定値に大きな差はなし、と考えられた. ただし, Cmax に関しては,リサンプリング法に比べて, 2・コンバートメントモデルをあてはめて ‑コンバートメントモデルで、はピークを追いきれて 求めた推定値のほうが小さかった.これは, 2 いないためであると考えられる(図 2参照).PKパラメータの標準誤差については,リサンプリ ‑コンバートメントモデルをあてはめた場合, ンクー法のほうが小さく評価されていた.なお, 2 tmaxの標準誤差を求めることはで、きなかった.時刻 tでの血摂中濃度を C( t )として flc(f)=O d t とおいたとき ,tを他のパラメータの関数で、明示することがで、きないためである. 以上のことから,リサンプリング法を適用して PKパラメータを評価した場合,標準誤差は小さ く評価される傾向にあるが,点推定値は,他の評価方法で求めた推定値とほぼ同じであること が示唆され L 3 . 2 群間比較におけるタイプ Iエラーと検出力の評価 PKパラメータを推定するだ、けで、なく,そのバラツキまで、評価することは,信頼区間の構成と いった PKパラメータの精度を検討するうえで有用で、ある.また,投与群間の PKパラメータの 比較を統計的に評価することが可能となる.ここでは,リサンプリング法で求めた PKパラメータ と標準誤差を利用して, PKパラメータ,特に AUCの群間比較を行った場合のタイプ Iエラー と検出力をシミュレーションにより評価する.そして,平均法を用いた場合のタイプ Iエラーと検 出力とを比較する.なお,群問比較の方法とタイプ Iエラー,検出力の評価手順は次の通りで ある. ‑群間比較の方法. 投与群 A と投与群 B の PKパラメータとその標準誤差のペアをそれぞ?れ (MA;UA), (MB, UB)で表す.このとき,検定統計量を z = 色f zl 一J 、 U}+U 2 B とおき,大標本正規近似を利用して,帰無仮説のもとで Zは標準正規分布に従うと考える.有 意水準は両側 0 . 0 5とする. ‑70

76.

ータイプ Iエラーと検出力の評価手)[国ー ) 慎1.i J t l J 定時点 t での投与群 A と投与群 B の血摂中濃度は,それぞれ互いに独立に 手1 j N(μf, σ/),N(μf,σ/)1こ従うと仮定する. .各測定時点で、の個体数/1を定め,測定時点ごとに所与の正規分布に従う n個の乱数 手順 2 を発生させる.このようにして得たデータを非反復測定値とみなす.ただし,血摂中濃 度は必ず正の値であるため,乱数の値が負の値で、あった場合,その値は 0 に置き換 える. 手1 ) 国3 .手1 ) 慎2で生成したデータに基づき,リサンプリング法または平均法を用いて PKパラメ ータとその標準誤差を評価し,群間比較を行う. ) 国4 .手1 ) 頃2と手1 ) 慎 3の操作を 1 000回繰り返し,有意差が認められた割合を求める.この 手1 割合をもってタイプ Iエラーまたは検出力を評価する. 0時間)から投与後 24時間までの計 1 0時点で血摂中濃度が測定された実験 薬剤投与時 ( で、の血摂中濃度の真の平均 データに基づき,投与群 A における測定時点 t j μ ?と標準偏差 σjを定めて上記シミュレーションを行った.対照群で、ある投与群 Bで、の平均 μfは,次の 3つ の場合を想定して定めた.想定 lはタイプ Iエラーの評価を目的とし,想定 2と想定 3は,検 出力の評価を目的としている. 想 定 1 :各測定時点での血摂中濃度の平均が投与群 A と投与群 Bで等しい,すなわち, 、 で μf=μfで、ある場合 任意の測定時点 t j こ基づいて求められる投与群 Aの AUCに対して,投与群 Bの AUCが 想 定 2 :平均 μfi ) 1 .1倍となるように μfを定めた場合にのときの AUCの差はおよそ 1 想 定 3 :平均 μfに基づいて求められる投与群 Aの AUCに対して,投与群 Bの AUCが 音となるように 1 .21 μ ?を定めた場合にのときの AUCの差はおよそ 2) 各測定時点での個体数を 4 ,6 ,8 ,1 0と変化させたときのタイプ Iエラーと検出力を想定別に 表 2に示す.表 2より,し、ずれの想定でも,平均法に比べてリサンプリング法では有意差が認 められやすく,各測定時点の個体数が少ないほどこの傾向は顕著であった. 表 2 .各想定のもとで有意差が認められた割合(反復回数 1000回) 想定 評価方法 想定 I (タイプ Iエラー) 想定 2 (AUC差 lでの経験検出力) 想定 3 (AUC差 2での経験検出力) リサンプリング法 平均法 リサンプリング法 平均法 リサンプリング法 平均法 / 1=4 各測定時点の個体数 / 1=6 / 1=8 0 . 1 0 8 0 . 0 8 6 0 . 0 6 5 0 . 0 5 2 一 一 一 0 . 3 4 9 . 4 1 0 6 0 . 2 6 0 0 . 3 6 3 0 . 8 1 6 0 . 8 9 5 0 . 7 4 2 0 . 8 6 2 0 . 0 7 0 0 . 0 5 1 0 . 5 2 3 . 4 7 0 0 0 . 9 4 8 0 . 9 3 9 n=1 0 0 . 0 5 7 0 . 0 4 1 0 . 5 5 1 0 . 5 1 2 0 . 9 8 2 0 . 9 8 1 ム 寸E ηIl

77.

ここで,想定 1で、のシミュレーション結果に着目する.想定 1ではタイプ Iエラーを評価する . 0 5程度であることが ことを意図しているため,この想定のもとで有意差が認められる割合は 0 望ましい.また,想定 1のもとで得られた 1 000個の p値の分布は,一様分布に近い形状であ ることが期待される.想定 1におけるリサンプリング法および平均法の p値の分布を図 3に示 す.表 2と図 3より,リサンプリング法を用いて群問比較を行ったときのタイプ Iエラーは,特に 各測定時点の個体数が少ない場合で増大することが示唆され, p値の形状に偏りがみられた. . 0 5程度であり, p値の分布も一様分布に近い形状であ 一方,平均法でのタイプ Iエラーは 0 ることがうカミがえた. 。 α3 021 0.$ 0 . 5 7 075 Q93 0α3 0 . 2 1 Q39 0 . ' 5 1 07 ' 5 0. 0 0 Q α3 P咽 回 021 O .:D 0 . 5 7 Q75 0 . 9 3 Q α3 021 Q~ 0 . 5 7 0.75 o . l : 抱 p咽 回 図3 .想定 1のもとでの p値の分布(上段:平均法,下段:リサンプリング法) リサンプリング法で有意差が認められやすい傾向にあった理由を考察するため,リサンプリン グ法と平均法をそれぞれ適用して求めた AUCとその標準誤差の箱ひげ図を描いた.この図 を個体数別に図 4に示す.図 4よ り , AUCの推定値は 2つの評価方法問で、差はないことがう かがえた.しかし,標準誤差は,リサンプリング法で、求めたほうが小さい傾向にあった.これらの ことから, AUCの点推定値に差はなし、ものの,平均法に比べてリサンプリング法では AUCの バラツキを小さく評価する傾向にあり,この違いが有意差の認められやすさに影響を与えてい ると考えられた ‑ 7 2

78.

1 3 09 o . 1 2 ! τ γ11{HUll ム 丁l商甲 p z ET‑‑ ふi!l!由 TI11{い門}Ill1ム l i t ‑ ‑ ‑ Eγ││占圃圃圃 ︼ 0 . 3 TIll‑門μUl‑‑i ns z a a ‑ OEe豆 HH H~ 十 0 . 2 。, 旬 図4 .投与群 Aにおける AUC(左図)とその標準誤差(右図)の箱ひげ図 左側の箱ひげ図:平均法,右側の箱ひげ図:リサンプリング法 リサンプリング法の利点のひとつは, AUCと同様に Cmax,tmax,t ! l 2の群間比較が可能な ことである.タイプ Iエラーを評価するために行った想定 1のもとで、のシミュレーション結果を表 3に示す.リサンプリング法では, tmaxの標準誤差が 0となる場合があるため,投与群 A,投 与群 B の tmaxの標準誤差がともに 0となった場合は群間比較を行わなかった.このため, tmaxの群間比較を行った総数は, 1000回の反復試行のうち個体数 4で 996回,個体数 6 で 999回となった.表 3よ り , Cmax,tmax,t !12のいずれでも,特に個体数が少ない場合でタ イプ Iエラーは増大する傾向がみられた 表3 .想定 1のもとで有意差が認められた割合(反復回数 1000回) 変数 各測定時点、の個体数 n=6 n=8 n= 1 0 0 . 1 1 4 0 . 0 8 3 0 . 0 6 8 0 . 0 6 1 0 . 0 6 7t 0 . 0 4 1 ' 0 . 0 3 5 0 . 0 2 2 t112 0 . 0 7 0 0 . 0 5 0 0 . 0 3 2 0 . 0 2 3 T群間比較を行った回数 : 9 9 6回 t群間比較を行った回数 : 9 9 9回 n=4 Cmax tmax 4 . 考察 本稿では, 1個体 1時点の測定値からなる非反復測定値に基づいて PKパラメータの変動 を評価する方法として,リサンプリングとノンパラメトリック解析を組み合わせた方法(リサンプリ ング法)に着目した.リサンプリング とモデルに依る解析を組み合わせることも考えられるが,こ の方法では,モデ、ルのあてはめが不安定になると予想される. 非反復測定値による PKパラメータの評価で、通常よく用いられるのは,測定時点ごとの平均 ヴt ' n︿U

79.

値を利用する方法(平均法)であろう.しかし,信頼区間の構成や PKパラメータの群問比較に まで関心がある場合,平均法では AUCを除き対応できない.各測定時点の平均値を求めて 構成できる平均血摂中濃度曲線は 1本であり,その 1本から得られる統計量も 1個であるため, PKパラメータのバラツキを評価することは困難で、ある.一方,全測定値を対象としてコンパー トメントモデ、ルをあてはめる解析で、は,表 1から分かるように,あてはめるモデ、/レによって PKパ ラメータの推定値が大きく変わり得る.あらかじめあてはまりのよいモデ、ルを仮定することも,一 ;R塁盟主亙究恒星階では,モ7'";1.,(;:::生る解析より同i 恒三三ト 般的に困難である.主主, t 生霊j 面方法2)(ま玉虫2 望享ししま考えられる. リサンプリング法は,上記の欠点をもたない有望な評価方法である.問題は評価方法の妥当 り , PKパラメータの推定値に関しては,平均法やコンバートメントモ 性であるが,表 1と図 4よ ' ‑. ' ‑ " " 、 デ、ルをあてはめる方法で、評価した推定値と大きな差はないことが示唆された.しかし,リサンプ リング法は測定時点の違いや外れ値の影響を受けやすく,図 5 に示すようなデータが得られ た場合,特に Cmaxは適切に評価されない可能性がある.このため,真の血摂中濃度曲線を 定め,測定時点を変化させた場合や外れ値がある場合の PKパラメータの挙動を追加検討す ることが必要であると考える. 亡P 高す 置島 大 価 過 刈る 悶れ 古考 G抗 ‑ ﹁J ‑ ﹄ のれ よる @ JFI このような場合.Cmaxは過小評価 ¥ ︑ ︒ ︒ ¥ 場が なと ,'""-~', こ虫︑ CPt 。、にされることが考えられる J;の血際司T : I I 1 I 幽 値 真の血限.,翠 1 1幽舗 J J I lme I lme 図5 .Cmaxが過小評価または過大評価される可能性があるデータの散布図 リサンプリング.法で、評価したバラツキについても吟味が必要である.;P Kパラメータの群間比 較を行った場合のタイプ I エラーは,各測定時点に割付ける個体数が少ない場合で 2~5% 程 度増大する傾向がみられた .PKパラメータの点推定値は他の評価方法を用いた場合とほぼ 同じで、あったことから,リサンプリング法では,標準誤差を過小評価している可能性が考えられ リサンプリンク、、法で、抽出される血摂中濃度推移ノ号ターン 1 000個」の有限母集 る.このことは, r 団サイズ(生成され得る血摂中濃度推移パターンの総数)に占める割合が,個体数により異な 0とした場合,この割合は個体数 4 ることと関係があるかもしれない.例えば,測定時点数を 1 のとき 1000/410,個体数 1 0のとき 1000/1010である.その意味では,個体数により有限母集 団修正を行い ,PKパラメータの標準誤差を調整することが考えられる. A ワI ー ハ

80.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 MCMCからのベイズ 0町田光陽・長谷川貴大・田崎武信 塩野義製薬株式会社 解析センター U n d e r s t a n d i n gB a y e s i a ns t a t i s t i c su s i n gMCMC MitsuakiMachida/TakahiroHasegawa/TakenobuTasaki B i o s t a t i s t i c sD e p t .,S h i o n o g i& C o ., L t d . 要旨 ベイズ統計学の見えない壁をマルコフ連鎖モンテカルロ (MCMC)計算が打ち砕し、た.す なわち,これまで、ベイズ統計学が敬遠されてきた障壁のひとつは多次元事後分布の可視化 である.それがマルコフ連鎖モンテカルロ計算により解決された.そのことでベイズ統計学に 対する私たちの視野も大きく広がった.その流れ,マノレコフ連鎖モンテカルロ計算から学ん だベイズ統計学を説明する.増産傾向にあるベイズ論文の読み方を提案する. MCMCによる最尤推測,ベイズ、モデノレと混合効果モデノレの関係,および医薬品の有効 性・安全性の評価におけるベイズ統計学の応用にも関心があるが,紙幅の関係でそれらに ついての議論を本稿では割愛する. キーワード MCMC.ベイズ統計学.M e t r o p o l i s ‑ H a s t i n g s法.Gibbs法 1.はじめに ベイズ、統計学で、はベイズ、の定理に基づきパラメタの事後分布を計算する.パラメタが複数の場 合,それは多次元分布になる.そのため,特定のパラメタについて周辺事後分布を求めたけ t e g r a t eo u t )が必要になる.事後分布の正確な密度関数を求 れば面倒な積分消去計算(in めたければ正規化定数を積分によって計算しなければならない.これらの積分計算は一般に 厄介であり,長い間,ベイズ統計学が嫌らわれる理由のひとつで、あった.しかし,本来の問題 は同時事後分布の可視化である.これは,その多次元分布からの乱数を生成できれば解決さ れる.ベイズ統計学がマノレコフ連鎖モンテカルロ明tICMC)計算と出会ったことの意義はそこに ある. 本稿では MCMCから始めるベイズ統計学, MCMCから見たベイズ統計学として,まず MCMCを紹介する.MCMCは複雑な高次元分布から乱数を生成するための逐次サンプリン e t r o p o l i s ‑Hastings 法である.S i n g l e グ法であり,その最も代表的で象徴的なものが M l ワ Fhu

81.

ComponentMetropolis‑Hastings(SCMH)法や G i b b s法はその変形と考えられる.これら のサンプリング法とベイズ統計学との関係,すなわちベイズ統計学の枠組みにおける MCMC の位置付けを述べる.MCMCによる乱数生成を例示する.最後にまとめとして,ベイズ論文を 読みとくためのヒントを与える. 2 . MCMCからのベイズ統計学 2 . 1 ベイズ定理とベイズ統計学の MCMCとの出会い ベイズ統計学はすべてベイズの定理に基づいている.ベイズの定理は, p( x1 8 ) p J s ) p ( 8I x )= ‑ : : p(xI 8 ) p ( 8 ) d 8 r で与えられる.右辺の p(xI 8 )は 0が与えられたときのデータ xの密度であり,。について の関数としてとらえるとこれは尤度にあたる .p ( 8 )は(データがとられる前の)事前確率 密度とよばれ,ベイズ統計学でのみ登場する.左辺の p (8I x )は(データがとられた後の) 事後確率密度とよばれる. 事後分布を具体化するためにその分布に従う乱数を生成したい.ここで MCMCが登 e t r o p o l i s ‑H a s t i n g s法である. S i n g l e ComponentM e t r o p o l i s ‑ 場する.その原点は M Hastings(SCMH)法と Gibbs法はその変形であるが,とくに後者はベイズ統計学では重 要である.これらを順に紹介する. 2 . 2M e t r o p o l i s ‑ H a s t i n g s法 密度関数 z 珂 均 刷 ω ( 吟)をもつ分布に従う乱数トレ い x ν ( 仰 η 1 1 l ) ,x ( ある.M e t r o p o l i s ‑ H a s t i n g s法のアノレゴリズムはつぎのとおりである. ・ネ刀期値を x(日)とする. • j=1 , 2 . , N について以下を繰り返す: 勺 1 .q (xU‑l ), . ) か ら y,U(O, l )から U を生成する 2 . u云 α(XU‑1), y)であれば ,x(j) = yとおく. L.n(y)q(y, x )1 ここに, α ( 川 )= min~l,一一一一一}である* I' . n( x ) q ( x, y )I ν 3 .そうでなけれま i ば x( ω j η ) = x d ( j ‑ 吋り l) とおく. . 結 果 ド レ い ο (, 仰 ( I り )X *数学的に厳密な表現は l . n( y ) q ( y, x ) ,1 ( x, y )= m i n l ‑ ‑ : ‑ ' : 一一一 │ l. n( x ) q ( x, y) I ザ. n( x ) q ( 工, y )>0 =1, o t h e r w i s e 7 6

82.
[beta]
である.
qは現在地 X(j‑I)でつぎの候補 yを生成するための確率密度である.実際に yへ移動す

るかどうかは確率 α(
X,
y
)で決定する.ここで、 qは現在地 xに依存させているが,依存させなく
てもよい.ただし ,J
q
(
x,y
)
d
y=1とする.つぎの候補を選択する確率 α(
X,y
)は,密度関数 π
に依存させている.この α(
X,
y
)は,後述の詳細釣り合いを満たすように設計されている.詳細
釣り合いを満たすことで密度関数 πへの収束が約束される.M
e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑Hastings法は
q
(
X,
y
)をどのように選ぶかによって特定される.
M
e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑Hastings法の骨子は,
(
X
b
e
J
o
r
e
'.)をもっ分布から yを発生させ,確率 α(
1
. xb
X
b
c
J
o
r
c,
y
)で
φ吋に依存する密度 q
Xa
f
t
e
r= yとする.
2
.そうでなければ ,Xa
eとする.
φr
f
t
e
r= Xb
X坤 r
e
'
y
)= min{l,;r(
y
)
q
(
y,xb
e
)
/
π(
Xb
q
(
X
b
e
J
o
r
e
'y
)
}である.このとき,
である.ここに, α(
φ )
φr
月

への推
r
X
b
e
[
o
r
eから yへの推移」の密度は>q
(
X
b
e
!
o
r
c,
y
)α(
Xb
c,
y
)で表される. r
xb
φ Mから y
ゆr
移」の密度を R(xb
e,
y
)としたとき,詳細釣り合い
φr
π(
Xb
R
(
xb
e
'
y
)=π(
y
)
R
(
y,
xb
)
φ尽
ザ仰 )
ゆr

が満たされれば,密度 π(・)をもっ分布は R(x
e
'
y
)で決まるマルコフ連鎖の定常分布となる.
b
蜘
'
Y
)=
q
(
X
b
e
J
o
r
e
'
y
)α(
X
y
)であるので,
M
e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑
H
a
s
t
i
n
g
s法では R(xb
戸
吋,
b
e
蜘 c
;
r(
xb
R
(
x坤 r
e
'
Y
)=π(
Xb
q
(
X
b
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J
o
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e
'
Y
)α(
Xb
e
'Y
)
φ月 )
φr
ゆ問 )

L ;r(y)q(y,Xbe.
r
町) 1
↓

=π (
Xb
q
(
X
b
e
f
o
r
e
'y
)min~ 1
, ,"'""
: V<J
e
f
o吋)
戸

I
'
;
r(
xb
q
(
X
阿 町e
,
y
)I
e
J
o)

叩<'"

時(Xゅ )q(X

=m

ふ

月

,
y
) (
y
)
q
(
y,
xゅ)}

附

,

f
;
r(
Xb
q
(
X
b
d
o
r
e
'
y)̲
l
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=π (
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)
q
(
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Xb
e
)min~
拍 r
JV'<'

加

町山
り
;
r(
y
)
q
(
y,
X
b
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J
o
r
e
)

I

L

.I

)(
y,
=π (
y
)
q
(
y,
Xb
Xb
e
)
φ吋 α
φr
=π (
y
)
R
(
y,
xb
e
)
蜘

となる.すなわち, Metropolis‑Hastings法は詳細釣り合いを満たし,密度 π(・)をもっ分布は

r
X
b
e
J
o
r
eから yへの推移」の密度が q
(
X
bφr
c,
y
)α(
X坤 削 y
)であるマルコフ連鎖の定常分布であ
ることが確認される.詳細釣り合いが満足されていれば,あるサンプルが定常分布からいった
んサンプリングされると,その後のサンプルはすべてその定常分布からのものとなる.
つぎに,ベイズ統計学における M
e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑
H
a
s
t
i
n
g
sアルゴリズムの用途を考える.事後
密度
p(
XI
6)pD
r
i
o
r(
6
)
PD
O
s
t
e
r
i
o
r(
6I
x
)= ー
F

r
p(
x1
8
)
pp
r
i
o
r(
8
)
d
87
7

83.
[beta]
をもっ分布からの乱数を生成したい.ここに ,Pp
r
i
o
r(
8
)はパラメタ 0の事前分布 ,p(x1
8
)は 0
が与えられたときのデータ xの分布(あるいは 0についての尤度関数), Pp
o
s
l
c
r
i
o
r(
81
x
)はパラ
メタ 0の事後分布である.このときの, M
e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑
H
a
s
t
i
n
g
sアルゴリズムは,愚直なおきかえ
だけで,つぎのようになる.
・初期値を 8(0)とする.
• j= 12吋
.
, N について以下を繰り返す

1
.q
(
8(j‑l),・)から 8
'
川 出I
c ,U
(O,
l
)から U を生成する.
2
. u豆 α(8(
j
へ8
c
ad
i
d
a
日)であれば, 8
(
ω
J
ρ
)=8'
1
l

,̲1μ;̲1
、
¥
c
n 、 P附 削o
r(
8 P山 町 I
x
)
q
(
8
c
a
l
l
d
i
仰
, 8(
j
一
勺
α(8¥J リ O山川刷 比)= r
、
Pp Or炉
(
が
0
(
j
ト
川
‑
→
斗
1
η
)μ
1
川
吟
x)
ぱ
q(
が
8
(川 ,
8 lI耐dj
川"'伊
P

印

ノ

"
{
(
!
T
/町

印

白

c
a
l
l
d

p(
x1
8

叫

y

f (j‑

…,8 つ

q
(
0
ω

x1
8
)
d
8
p(
8
)
pp
r (

¥J

即

j
‑
x18 りP
(
8(
p(
勺
D
r
i
町
y
0)
p(x18
d
8
)
Pp
仰
例
町
r(
j

;
̲
1
) .
.
.
.
.
.
.
1
r
、
ι
J‑'J .
8
¥
q(
8
,
ぱ

川 川n 伊

町

x18
p(

四 川 山

q
(
8
c
a
l
l
d
i
alC,
8(j‑り)
)PFfv(omd )
附

p(x18(j‑
l
)
)
P
p
r
i
or
(
8(
j
一
勺q
(
8(j‑
l
),
8
c
a
l
l
d
i
alC
である.
3
.そうでなけれ i
は
ば
ま
ま
:8
(
υ
ω
j
ρ
)
=
が
8
(
j‑
l
)
η
)とおく.

i
い
{
8

.結果 ο
μ
り
(
1
叫 ,
μ
刊
8(
(
仰
N
N
叫

へ

c
叫
α(
8
μ(
j 8

叩山
0川,

fp(
か
x1
8
)
汐
P
p
r
巾
i
防
or
ゆ
(
例
町
0)
尚
d0が約分されるため,事後密度関数の正規化定数を必要とせず,分子のみ
町

を用いて事後分布にしたがう乱数を発生させることができる.
]
),
(
8U‑
.
)からベクトル (
Jc
!
m
d
i
d
a
陪を
このアルゴリズムで θはベクトルであってもよい.しかし ,q
生成する,とし、うステップを実行できる例は少ないであろう.したがって,現実にはこのアルゴリ
ズムは 0がスカラのときのものと考えるべきかもしれない.ベイズ統計学で,未知パラメタは複

e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑H
a
s
t
i
n
g
s法を利用するには,。をスカラ
数個である場合が多い.このようなとき M
のように扱う工夫が必要である.パラメタが 2個の場合でその工夫を紹介する.

2
.
3S
i
n
g
l
eComponentMetropolis‑HastingsCSCMH)法
θはベクトル (
81)82)と
し
, 8
]と82の事前分布は独立,すなわち

Pp
r
i
o
r(81)82) =Pp
r
i
o
r(81)Pp
r
i
o
r(82)
と仮定する.このとき 8
]と82の同時事後密度は,
p s
l
c
r
i
o
r(
81,
82 1x
)=

p(
x181>82)
pp
r
i
バ81)Ppr
耐 (
82)

回

((p(xI8p 82)
Pp
i
r(
81)
pp
r
i
o
r(
82)
d
81d82
町

‑78

84.
[beta]
となる.そして, M
e
t
r
o
p
o
l
i
s
‑H
a
s
t
i
n
g
s法を変形した SCMH法が利用できる.その計算手順
はつぎのとおりである.

i
O
),o
j
O
)とする.
・初期値を o
• j= 1
,
2,
. N について以下を繰り返す.

1
. 81(j)を生成する.

L
Jl
)
l, │ か ら げ 九 州 , か ら ほ 生 成 す る

f
f口
(
j‑1)¥ 1

(
1
)州

01
)

a
l
l
d
i
(
2
)u亘 α1(8ij‑1),
8
t
a
l
l
d
i
d
a
l
e )であれば ,8(
j
) = 8t 伽とおく.
1

…(ofaddMClxojJV1(│ui{11)│oijl)l
1

fI1"1c
a
l
l
d
i
d
a
t
c¥

,

PpOSI
v

,

,
(
j‑1).8,
c
a
n
d
i
d
a
l
e
)=
こ α(
こl
181
'
"
'
1
ノ

、

1¥ v 2
:

r
/l
)
(
j
ー 1)¥

l である.

/

1

pmJ1{JMojjI))q1HAll
)
l,o
f
F
1
耐 l
e~
(
3
)そうでなければ可J
)
=
o
l
j
l
)とおく.
2
. 8~ j) を生成する.
r
tl
)(
j
)¥ 1

叫ふ 1,.~から 8;叩

(
1
)

1
)

へ

(
2
)usα2
:(8ij

e;andi
血t
e)であれば,

o
j
r
l
)
=
o
f
d
z
向日とおく.
;
a
n
d
i
d
o
r
e

仰 附 回 r(
{}

ζ
ここ i
に
に
こ,α
2
:(8~j-

州
nd.刷

一へ 0;rm

い
(/ D

r
;
y
γ
y
吋
j叩
0
μ
r
叫
肥附吋吋川
P阿po
r
ベ
(
例

…
由

1

I
刈 j))
叶o
c
J
ω
1,8~ j-1) ~
[/

P

1
‑
1
り
)
「
川
川

l
)
(
j
)

¥

(
j
)¥

I である.

I

1

5 巾柑川白町

(
3
)そうで、なければ叫j)=8~j-l) とおく.

る
得
を

1lit‑‑J
ili‑‑fj

︑
NN

(1(2
θ
o

中
南

度
密
生
発

今C

川町 J

定
特

よ

カ

選

ぶ

λノ

の

ょ

を

と

TIllf﹄t︐
r

1lLFIllJ

ouou

︑
︑

・白︑︑︑
e
a
'
I
I
I
1
1
1
1
1
1
1
1
1
ι
︑
riel‑a弓Ili‑‑
︐
︐
04

﹄

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︑
'ztJ
lr
︑I﹂
ル
︑1 1 1 1 1 J

.︑︑
‑
E
.
a
E
・
E・
E‑
FEE‑‑dBIll
︐
︑
目
04

みみ TE

︑
︑
︑

﹃
・

候
ま

d
'
'
aI
l
l
‑
E
E
E
E
E
E
‑
‑

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titi‑‑t

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(1{2

.
・
E・
E‑
z
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a
E
︐︐︐︐
.
︑
今‑づ炉

J

什けノ

ズ

コレ
︐
︐
ア

の

︐
︐
︐ ‑till‑
︑
︑
JtJ

II
︑
︐
︐
︑
司 A f tづ炉
‑uuou
︐ee'''BlEpa1Illi‑‑
r114llL
︑

44
刈

土口

果

1についてのフルの条件付き事後分布
れる.SCMH法では移動確率引を計算するために 8

x,
81I
8Jが必要であり,また移動確率引を計算するために 8:2についてのフルの条
Pposlerior(

‑79一

85.

件付き事後分布 P p o 附町 ( 8e I x, θ 1)が必要である .Pp o s l c r i o r( 811 x, 8e )は い f p 附(例 町 0 1 '鳥 82い 1 x ) d町 θ PD o s t c r i o r( 8 }, θ: 21 x ) pn o s l e n 問 阿 町r γ 1 p(x181 r i o r( θ1 ) Pp r i o r( θ : J 'θe)Pp ) Pp rr町 ( )pp r i o r( 82 ) d81 Jp(xI81'82 回 p( x I 81'8e ) Pp i r 町 ( 81 ) pp r i o r( 82) P p r 吋耐 i p( x1 81'8 2 ) P p r 加 ( 8 ] ) Jp(xl削 2 ) Pp r ( 8 ] ) d 8 ] 町 c x :p (xI81'θ2 ) Pp r i . 町 ( 81) と表せ,同様に Pp o S I C 巾 r ( 82! x, 8 )は 1 Pp 821 θ 1 ' X )CX: p ( x lθ1 , 82 ) pp r i . ( θ 2 ) 回附附 ( 官 と表せる.すなわち, 8 ]についてのフルの条件付き事後密度は尤度と 81の事前密度の積に比 例し,仏についてのフルの条件付き事後密度は尤度と仇の事前密度の積に比例する.このよ うにフルの条件付き事後密度は尤度と事前密度の積で表すことがで、きる.これは 81と82の事 前分布を独立と仮定したためである.なお,フルの条件付き事後密度で出現する分母の積分 は α1および引を計算する際に約分されるので計算する必要はない. 一 一 )‑ J E t d ‑ 唱口a ↑I11' 1l X x 一 )i ν 't2‑L (2 I ‑ ‑ ‑ ︑ ︐ ‑の 寸 日 山 ︐Ou re 一 : ‑ a ‑ d 一 ︐ 一 ︒ hai ‑‑ M J ︐ ︑ ' i z j e ‑ 一 n巾 1; r ; r ; 5 ; ρ αLo h θ: 11 ( ' ; o‑7 ところで,フルの条件付き事後密度を利用することの妥当性は, 出 O l l d i e l, 8 J j r(ofndduc)PFJoJj‑1)) x1 8 t p( 市川 p ( x18 1 '82) pp r i o r( 81 ) pp r ( 82) d 81 d82 即 日 一 j r r J r ‑ 0 8 I x , ム 叫 ザ 刈 PmmriJJ t o r ( o y ‑ 1 ) │ x d H ) ) P阿 蛇r 一 より,事前分布が独立であれば,同時分布の比がフノレの条件付き分布の比と等しいことから確 認される. i b b s ; : 2. 4G 去 の中でベイズ統計学で最もよく使われているのは G i b b s法である.その、ンミュレーショ MCMC ン手順はつぎのとおりである. O 凸 ハ U

86.

( ; ; : ) m 初 加 • j= 1 , 2 N について以下を繰り返す. 門 1・ Ppu.附附(・ I x,θj川)から θJj)を発生させる ノ る 日守 F を 1111弘fifieJ ︐ alti‑‑J • ︑ ・ ︑ ︑ e e l ‑ ‑ e tt ﹃ t NN {1(2 0uou ︐ ︐ ︐ ・今& 内 1 (]{2 ︑11aali‑‑J ﹄ 0uou ︐fSEEl'tla 111f ︑ ﹄ ︐ ノ a E E E E E E ‑ ‑ z E ︑ r?BItad‑‑l ︐ ︐ ︑l λ 草山町 土口 果 ︑ ︑'0tu l︐ t2 ou 2. Pposlcrior( . 1x, θJρ)から θ j l )を発生させる. G i b b s法は SCMH法で、候補発生密度 qにフルの条件付き分布を設定した場合に相当す i b b s法は簡単なだけでなく, る.その場合,移動確率は常に 1となる.したがって G f )を θ 1に つ い て の フ ル の 条 件 付 き 事 後 密 度 効率の良い方法である.しかし, θ Ppostcrior(θIlx, θ 2 )から発生させる必要がある .θJ)についても同慌である. ところでこれらのフルの条件付き分布はすべて 1変量分布である. 1変量分布からの 乱数を生成するための一般的な方法は逆関数法である.あるいは,そこからの乱数を生 f ( θ )の形でしか分らないときには棄却サン 成したい分布の密度関数が cを定数として c プリングが利用できることに注意したい.棄却サンプリングを利用しでも乱数を生成す ることが困難な場合は, SCMH法などの他の手法に頼らざるをえないと考えられる. 2 . 5 2変量正規分布のシミュレーション SCMH法と G i b b s法によるサンプリングを例示するために,平均ベクトノレ μ =( 5 iと分散行列 1 5 1 1 f 1 をもっ 2変量正規分布をとりあげた SCMH法を例示するために,候補発生密度 1 1 4 1 L= q lを平均 x j J ‑ 1 ),標準偏差 1の正規分布,むを平均 x i r 1 ),標準偏差 1の正規分布とした.そ して,初期値を(~)に設定した Gi吋での初期値も(~)とした SCMH法と G i b b s法について,最初の 1 0 0 0回でサンプリングされた点の軌跡をそれぞれ 図1.1と図1.2に示す .2変量正規分布に従う乱数が生成されていることを確認するためにサ ンプリングされた点に,発生させたかった分布の等高線を重ねた図も一緒に示す.さらに,コレ スキー分解を利用した,従来法による結果を比較対照として図1.3に示す. 8 1

87.

1 2一 一一一一 ーー一一一 ; 8 1 2 1 0 1 0 匂離 4 通 ‑2. 一 一 「 一 一 一 一 一 一 { ← 2024681012 一2一一一一一 「 ← p 一 一 , 2024681012 x 1 x 1 図1.1SCMH法 最初の 1 0 0 0回でサンプリングされた点の軌跡(左) 所期の 2変量正規分布の等高線を重ねた図(右) 1 2 白 1 2 ' 1 0 1 0 ' : 8 同 dA 64 8 : t 通 E 4, ‑ 2 : ‑2: 内 ιD 2 D 2024681012 ‑2 0 2 4 x 1 6 8 1 0 1 2 x 1 図1.2G i b b s法 最初の 1 0 0 0回でサンプリングされた点の軌跡(左) 所期の 2変量正規分布の等高線を重ねた図(右) 1 2 j 包 1 0 ' 1 0 B j q46i 1 1 q 「 可 欝 0, 2 ' ‑2 0 2 4 6 2, ‑2 0 2 8 1 0 1 2 x 1 4 6 8 1 0 1 2 x 1 図1.3従来法 最初の 1 0 0 0回でサンプリングされた点の軌跡(左) 所期の 2変量正規分布の等高線を重ねた図(右) i b b s法にくらべて従来法では点の移動が激しし、こ 点の軌跡を追うと, SCMH法あるいは G とが確認される.また, SCMH法は G i b b s法とくらべ初期値の影響を受けやすし、ことがわかる. しかし,マルコフ連鎖モンテカルロの「前の値に依存して少しずつ動く」というコンセプトは SCMH法が最もよく反映していることがわかる. ‑82‑

88.

3 . ベイズ論文の読み方 ベイズ、だけは避けたいと願う.しかし,それはできない.ベイズを避ければ時代遅れになるからであ る統計関連雑誌で、主流になったベイズ論文を読むためのコツを私たちの学習と経験に基づき提 案する. .ベイズ統計学 図2 ( 1 )モデルとデ、ータを確認する.図 2の枠組みを念頭において以下の要素を把握する: 1 )統計モデルとデータ構造 2 )興味のもたれるパラメタ 3 )パラメタに対する事前分布 4 )パラメタ間およびパラメタとデータ聞の関係 )は DAG( D i r e c t e dA c y c l i cG r a p h )を整理すると頭の整理にもなる.ベイズ統計計算を実 とくに 4 行するソフトウェア WinBUGSでは, DAGを描くと計算プロセスが自動的にコーデインク。される. ( 2 )事後分布の計算方法を確認する.このためのフローを図 3に示す. 確認内容 MCMCを利用 NO 共役事前分布 の利用 YES L̲ J積分の得意なひとに頼る JNO YES H既知のリストを参照する│ 確認内容 BUGSを利用 ぺ 1 .MCMC アルゴリズム(詳細確認) 2 .フルの条件付き事後分布(パラメタが複数個ある YES 1 1 1 ‑ 確認!内容 場合) 3 .ソフトウエア 4 .B u r n ‑ i n回数と収束後のサンプリング.回数 2 . B u r n ‑ i n回数とJlJ(束後のサンプリング 回数 図3 .事後分布の計算方法の確認 QU qd

89.

なお,共役事前分布とは尤度関数と同じ関数形を有し,事前分布と事後分布も同じ分布族に属す る事前分布である.BUGS以外のソフトウエアを利用している場合は, MCMCのアルゴリズム別に つぎの内容を確認する. MCMCアルゴリズム M e t r o p o l i s ‑ H a s t i n g s法 SCMH法 Gibbsサンプリング L一一 確認内容 候補発生分布として何を設定しているか 候補発生分布とし L何を設定しているか フルの条件付き事後分布は明記されているか フルの条件付き事後分布は明記されているか フルの条件付き分布からの 1変量乱数の生成方法 4 .おわりに 私たちはMCMCを利用する最尤推定,ベイズ統計学と混合効果モデルの関係,さらに医薬 品の開発におけるベイズ統計学の応用に強い関心をもち,学習を継続している.しかし, 頁数の関係から本稿ではそれらについての議論をカットした.私たちがベイズ推論と MCMCの関係について学んだことを私たちのことばで伝えることがよりたいせつであり, 本稿の第 1義であると判断し,とくに 2節をできるかぎり簡略せずに記述したからである. そこには私たちの偏見があるかもしれない. MCMCによりベイズ統計学が身近に感じられ るようにはなったが,ベイズ統計学とその応用について学ぶべきことはまだまだ多いと自 覚している. 私たちが学んだ文献 [ l ] C h i b, S .andGreenberg, E . ( 1 9 9 5 ) . U n d e r 計 a n d i n gt h eM e t r o p o l i s ‑ H a s t i n g sa l g o r i t h m . TheAmericanS t at i s t i c i a n , 49, 327‑ 3 3 5 . [ 閃 勾] 2 G α i l k s t i c e ,Chapman&Hall JCRC. Fうケ戸'8c [3]Gamerman, D . ( 1 9 9 7 ) . λ1arkovChainMonteC a r l o :S t o c h a s t i cS i m u l a t i o nf o rBayesian hJf e r e n c e ,Chapman&H a l l . [ 4 ] B e r η ;S . M .,Berry ,D . A .,Natarajan, 瓦 , L i n,C . S .,Hennekens,C . H .andB e l d e r,R. ( 2 0 0 4 ) .Bayesians u r v i v a la n a l y s i sw i t hn o n p r o p o r t i o n a lH a z a r d s :m e t a n a l y s i so f c o m b i n a t i o np r a v a s t a t i n ‑ a s p i r i n .J o u r n a loft h eAmericanS t a t i s t i c a lA s s o c i a t i o n , 99, 3 6 ‑ 4 4 . [5]Demidenko, E . ( 2 0 0 4 ) . M i x e dλ1 0 d e l s :TheoryandA p p l i c at i o n s .W i l e y . [ 6 ] S p i e g e l h a l t e r, D . J ., Abrams, K . R . and M yles, J . P . ( 2 0 0 5 ) . B a y e s i a n Approaches t o C l i n i c a llhalsandH e a l t h ‑ C a r eE v a l u a t i o n .W i l e y . ‑84‑

90.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 SAS98 1クライアントツールを使用した 臨床開発における業務手順標準化の考察 村上元親/佐藤耕一 株式会社タクミインフォメーションテクノ口ジー SASコンサルティング、部汀ソリューショングループ C o n s i d e r a t i o no fb u s i n e s sprocedures t a n d a r d i z a t i o n i nc l i n i c a ldevelopmentt h a tusesSAS98 1c l i e n tt o o l MotochikaM u r a l くa mi/K o i c h iSatoh 1 TS o l u t i o nGroup SASC o n s u l t i n gD e p t . Takumi1 n f o r m a t i o nTechnologyC o .,1 n c . 要旨 SAS9 8 1 クライアントツールを利用した、医薬品開発における業務手順の標準的なプロセスを Hこ、また各種資源を視野において、 SAS9を用いた 考える。臨床試験業務を経時的に、部門J:lI 最適な環境構築事例を紹介する。 キーワード: 医薬品、標準化、 SAS8 1 クライアントツール はじめに 昨今、医薬品開発において「標準化」としづキーワードは、欠かせないものとなってきている。 それは、 1 2 1CFRPARTl l J、1 eCTDJ、社内における SOPなど、様々な場面に適切な対応を するためのひとつの手段で、あるといえる。しかし、根本にあるのは安全で有効な医薬品を、い ち早く、正確に世の中へ送り出すことである。弊社では、微力ながら医薬品開発の一部を担う ことを願し、, SAS9を使用して、最適な環境を構築することを考察した。 1 SAS9 BI クライアントツールの利用目的と配置 標準的なプロセスを構築するには、し、かに公正で正確な結果を示すことができるかとしづ証 明が必要である。そこに欠かせないキーワードは、「セキュリティ」、「アクセス権」、「履歴管理 (監査証跡)J などがあげられる。堅固なセキュリティを築き、必要なアクセス権を必要な作業者 に与え、偽りのない履歴を残すことを標準的に行うことが、各種資源を有効に活用する為の重 Fhu oD

91.

要なポイントであろう。 では、それを実現するために各種資源をサーバーで一元管理し、 SAS9 B I クライアントツール を使用する場合、何を利用目的として、どのような配置が最適であるのかを、盲検化試験をもと に時系的、部門別の利用目的と配置を示す。 また、本件で使用する SAS9 B I クライアントツール群を以下にあげ、さらに利用部門ごとの業 務フローでの利用範囲を以下にまとめた ( F i g u r e1 . 1 ) 。 ① SASManagementConsole ② SASETLS t u d i o ③ SASOLAPCubeS t u d i o ④ SASEnt巴r p r i s eGuide3 . 0 ⑤ SASAdd‑Inf o rM i c r o s o f tO f f i c巴 ⑥ SASI n f o r m a t i o nMapS t u d i o ⑦ SASW巴bR e p o r tS t u d i o ③ SASI n f o r m a t i o n0巴l i v巴r γ P o r t a l P L A N E T L I nt e l l i g e n t S t o r a g e B u s i n e s s A n a l y t i c I nt el i g e n c e I nt e l i g e n c e L P O DBL O C K KEYOPEN F P I SASM a n a g e m e n tC o n s o l e nf o r m a t i o nD e l i v e r yP o r t a l SASI DIM きp o r tS t u d i o SASW e bP J 空 力 SI T I AT SASE n t e r p r i s eG u i d e ot II h er I .l F i g u r el 8 6

92.

2 SAS管理コンソール セキュリティ管理 S A S管理コンソールは、 S A S 9B Iアーキテクチャ環境を構築し、管理するためのクライアント J a v aアプリケーションで、ある。 S A S 9B Iアーキテクチャ環境の全ての情報は、メタデータに登録 A Sシステムの利用環境とは大きく異なり、多くの機 することによりコントロールされるコ従来の S 能拡張が実現され、実務環境への実装が可能となった。この機能拡張の中で、臨床開発業務 において特筆すべきは、リソース管理とアクセスコントロールの 2点が挙げられる。これらの機 能を構造的に管理するリポジトリの概念、を踏まえて、事例を紹介する。 2 . 1 リポジトリ構造 メタデータはリポジトリにより構成される。従って、リポジトリの構造設計が、とても重要な作業 となる。臨床開発におけるリポジトリ構造は、様々な構造の検討を行った結果、フ。ロジェク卜単 位で、構成することが最適である結果に至った。以下の構造は、一部フオル夕、、構造は割愛して いるが、当社環境で、のフオルタず構造例で、ある ( F i g u r e 2 . 1 )。 ① ② ③ ① ② ③ F i g u r e 2 . 1 8 7

93.

上記フォルダ構造を前提に、登録するリポジトリのフォルダ、構造を以下に示す (Figure2.2)。 IReposi Folder I 町 町│ FoundationR e p o s i t C田 ustωom 恥 R 陶叩 p 叩 os 釘此 l 叫 町 t │ I Stand Dev̲M Data I Stanω̲Prod̲Program I Stanω̲Prod̲MasterData I … Standard̲Dev ̲P岬 札 am E n t e r p r i s el̲Dev ̲ P r o j e c t 1 ̲Stadyl̲DM̲Dat a Enter 下r i s e1̲Dev̲Project1̲Stadyl̲DM̲Output 下r i s el̲Dev ̲ P r o j e c t1 ̲Stady1̲DM̲Program Enter Enterprise1̲Dev̲Project1̲Stady1̲STAT̲Data E n t e r p r i s el̲Dev ̲ P r o j e c t 1 ̲Stadyl̲STAT̲Output E n t e r p r i s el̲Dev̲ P r o j e c t 1 ̲Stady1̲STAT̲Program E n t e r p r i s el ̲ P r o d ̲ P r o j e ct 1 ̲Stady1̲DM̲Data E n t e r p r i s el ̲ P r o d ̲ P r o j e ct 1 ̲Stady1̲DM̲Output . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . i.[ProjectR F i g u r e 2 . 2 2 . 2 リソース管理 リソースとして管理が可能な情報は、 SAS 、ンステムを利用するユーザー情報からプログ、ラム により出力される結果まで、作業環境において必要な情報のほとんど全てといえる。リソースの 全ての管理情報は、メタデータに格納され、 SAS8 環境との大きな違いは、この環境全体を管 理、制御が可能になったことで、ある。ここでは、データ管理、プログラム管理、プログラム実行管 理、出力結果管理について考える。 データ管理は、 SASデータライブラリや SASファイルへのアクセス制御から、 SASデータセッ トの変数、オブ、ザベーションのアクセス制御まで、細部に渡って設定が可能で、ある。 プログラム管理およびプログラム実行管理では、ストアドプログラムの利用が、今後の主流と なる。症例報告書の固定データから解析用データセットの作成プロセス、データの集計や解 析プロセス、結果出力プロセスまで、プロク、、ラムで、行う全てのタスクを完全な標準化プロセスと 88‑

94.

して登録と管理が可能となった。 出力結果管理は、ストアドプログラムに P u b l i s h i n gFrameworkや WebDAVサーバーの機能 を利用し、実行プロクーラム、実行ログ、出力結果、入力データを圧縮ファイルにパッケージ化し、 履歴管理用のオフージェク卜とすることが可能である。 SDD(SAS Drug Deve]opment)のパージョ ン管理機能と同等の環境が実現できる。 2 . 3 アクセスコントロール セキュリティ計画のフ。ロセスで、は、ユーザーやグループの設定、認証、権限、リソースへのア クセスコントロールと多くの関連する定義を検証する必要がある c SAS9 B Iアーキテクチャ環境 を構築する場合、この全ての定義を実装することが可能になった O SAS9を利用する場合、従来の SAS8と同等の使用条件で環境を構築することも可能である が 、 SAS9利用ユーザーの登録とクーループ定義により、業務上の役割別にアクセスコントロール の設定を行うことができる c 認証は、オペレーティングマシステム、 LDAP、MSAD など、環境に合わせて認証設定が可能 となっている。権限設定に関してもユーザ一、ク、 ループ単位に設定が可能で、デ、フォルトのア クセスコントロールリスト、アクセスコントロールテンプレートへの追加や更新を行い、業務フロ ー、組織体制、役割に必要な権限を新たに構築することにより、認証要求に対する十分な定 義が可能である。 3 SASETLS t u d i o 一解析用データセットの作成 解析計画書に従い、臨床データから解析用データセットを作成することは、集計解析出力 プログ、ラムへの負荷を軽減するための常套手段で、ある。解析用データセット作成の過程を SAS ETLS t u d i oを使用することにより、高度な BaseSASプロクザラムの知識を必要とせず、に実現する ことができる。もちろん、解析用データセットを作成するだけはなく、その前段階として様々なデ ータ形式で作成、入力された治験データから、 SAS データセットを構築することも、 GUIベース で行うことができる。これらは、高度なプログラミンク 知識が必要ないこともさることながら、複雑 J なデータハンド、リンク を行うロジックからも解放されることを意味する c また、作成したプロジェク o 卜を登録することにより、データ作成の再現性を高めることもできる。履歴管理についても、チェ ックイン、チェックアウト機能を使用することも可能である。 4 SASOLAPCubeS t u d i o ‑多角的なデータ分析の準備 1 臨床試験の過程で、現在とcのような症例が集まってきているのかを把握することが必要であ る。それは、解析担当者だけではなく、データマネージャー、カミらプロジェクトマネージャーま ハ同d n凸

95.

で、現状の症例情報を確認し、方向性の検討を行うことが必要であることによる。 治験実施計画書に沿った症例が集まっているのか、逸脱症例数はどの程度なのか、など、 症例データの内容を確認し、分析可能な状態を維持することも重要である。また、治験デザイ ンの見直しまで迫られるような事態を回避するためにも、データを調査する切り口を用意するこ とが望ましい。 そのために、 SASOLAPCubeS t u d i oを使用して、臨床データ調査用のテープ、ルを準備する 方法が考えられる。例えば、男女別、年齢別、有害事象別等に、分析軸を用意し、作成した Cube を M i c r o s o f tE x c e lや 、 SASE n t e r p r i s eG u i d e を使用して表示するなどの手順となる。 i v l i c r o s o f tE x c e l は、関係他部署、特に SAS システムを使用していない部署で使用し、 SAS E n t e r p r i s eG u i d eは統計解析グループなと、で、使用することになる。 5 SASE n t e r p r i s eG u i d e3 . 0 ープログラム開発 サーノ《ーに SAS システムを配置し、クライアントで、集計解析プログ ラムを開発する際には、 P SASE n t e r p r i s eG u i d e を使用することも考えられる。 SASDMS環境に遜色ない GUIベースの 環境が提供されている。ストアドプロセスの登録から、実行、 OLAPCube V i e w e r を使用した Cubeの閲覧まで、開発環境としては、 D i v l S環境以上の十分な使い勝手である。 既存資源として、すで、に標準化されたマクロ等が存在するので、あれば、ストアド、プロセスマネ ージャを使用して、それらをストアド、プロセスとして登録することも容易で、ある。新しい環境への 移行を考えたときに億劫になるのは、既存資源が無駄になってしまうことがひとつの要因で、あ るが、その心配は無用である c SASE n t e r p r i s eG u i d巴を実際に頻繁に使用することになるのは、解析プログ ラムを開発する 場となる。一本、一本の解析帳票出力プログラムを、プロジェクトとして管理することも可能であ り、入力データ、実行するプロク。ラム、出力結果まで、の一連の処理の成果物をプロジェクトに登 録できる。プロジ、ェク卜としてパッケージ化することにより、過去の試験の再現時などに役立つ。 一般に、仕様や手順を作成、管理する事は、最低条件ではあるが、実際には、その入力から、 出力まで、のプロセスを再現することが難しいことがある c 再現性を高めるとしづ点でも、プロジェ ク卜の作成はとても有効な手段と考えられる c サーノミーにのみ SASシステムが配置されてしも場合、エミュレータを使用して各ユーザーが SAS DMS 環境を起動し、利用することも可能であるが、サーバーへの負荷分散の見地から SASE n t e r p r i s巴G u i d e を使用した開発はさらに有効な手段である。さらに、クライアント環境で はテキストエディターを使用してプログラムを開発し、必要に応じてサーバーに開発プログラム をアップして、確認作業を行うような場合を考えても、クライアントに SASの GUI環境が存在す ることの利便性は言うまでもない。 υ 円叫 n u

96.

6 SASAdd‑Inf o rM i c r o s o f tO f f i c e ーデータ一覧の作成 dd‑Inf o rM i c r o s o 丘O f f i c eである。当局への申請資料の作成や、 注目すべきツールは、 SASA 日々の業務の中で、やはり便利に使えるアプリケーションとして、 M i c r o s o f tE x c e l、M i c r o s o丘 Wordの存在は否定できない。 SAS9では、 SASエクスフ。ローラから SASデータセットを簡単に M i c r o s o丘 E x c e l を使用して閲覧することができる。さらに、 Libname エンジンも拡張され、 M i c r o s o丘 O缶四製品からデータを入出力することも容易になった。 i c r o s o f tE x c e l等に出力した解析結果は改ざんが可能であることである。 懸念されることは、 M しかしながら、症例一覧表、解析帳票出力と、今だに根強く使用されていることが多いことも事 i c r o s o f t0伍 c e製品との連携を強化するための機能が多く拡張され 実であり、 SASシステムも M ている。現時点で、は便利なツールで、あることに変わりはないため、適切に使用してして手立て はなしものだろうか。押さえるべき点は運用方法の整備ではないだろうかc 利用に関する是非 を議論することは、大局的な場が必要であるため、ここでは深く追求しないことにする。 さて、部署を問わず広く使える SASデータセットの内容表示から、ストアドプロセスの実行ま でをどのように使用できるのであろうか。簡単なデータの閲覧、症例一覧表の作成、解析結果 t u d i oで作成されたデータから多角的な分析も可能 出力フ。ログラムの実行、 SASOLAPCubeS となる。 M i c r o s o丘 W o r c l でストアドプロセスを実行することにより、そのまま申請資料として作成 することも視野に入れることができる。ただし、この出力結果は、 ODS のデフォルト出力の限界 であろうか、多少出力に雑さを感じる。しかし、 RTF への出力を標準的に行い、文章を作成す る方法は、労力が少なし、と思われる。 7 SASI n f o r m a t i o nMapS t u d i o 多角的なデータ分析の準備 2 予め分析に使用するデータを作成することにより、高度なプログ.ラムの知識がない作業者に もレポート作成が可能となる。データマネジメントク、、ループ、統計解析グループ以外の部署のメ ンバーに必要なレポートを作成するためのデ、ータを準備するためのツールとして利用できる。 また、データ(症例)の現状を確認する手段としては、 SASOLAPCubeS t u c l i oの使用をあげて いるが、 SASI n f o r m a t i o n Map S t u d i oもまた同レベルのツールとして位置づけることができる。 部署によってデータを見る角度は様々であるが、その切り口を提供することにより、症例を個々 のもの(一症例だけ)として捉えるのではなく、横断的な捉え方ができるように支援することもで き る 。 I n f o r m a t i o nMapを使用することで、簡単な分析はもちろんのこと、 Web環境からレポート を作成することができる。マッヒoンク♂された情報を、 SASWeb R e p o r tS t u c l i o、SAS I n f o r m a t i o n D e l i v e r γ P o r t a lで使用する。 円叫 よ ーυ

97.

8 SASWebReportS t u d i o ‑ webレポートの作成 さほど複雑でない出力帳票が必要になった場合に、データマネジメントグ、ループ、統計解析 クーループを通して出力結果の提供をプロクマラム開発者に依頼することがある。この時の作業時 間を短縮することができるのが、 SASWebReportS t u d i oを使用する最大のメリットで、ある。必要 なツーノレは Webブラウザだけであり、ここから SASI n f o r m a t i o nMapS t u d i oで、マッヒ。ンク守された デ、ータに対して簡単なフィルタリンクずや、分析を行い、 M i c r o s o f tE x c e lなどにレポートを出力す ることや簡単な集計表やグラフなども作成することができる。プログラム開発者の負荷を軽減す るためにも、プログラム知識がない作業者で、あっても必要な帳票やグラフの作成が可能な環境 を利用できることは、作業者の負荷分散に大きく役立つことになる。 9 SASI n f o r m a t i o nD e l i v e r yP o r t a l 情報共有 試験開始から、解析結果の出力まで、時期を問わず各種様々な情報を、一つにまとめあげ n f o r m a t i o nO e l i v e r yP o r t a lの役割である。広くは社内に情報を開示す る、それを担うのが SASI ることもできるのであろうが、まずは、試験単位で P o r t a lを使用することが考えられる。先にもあ げたが治験全体を見渡すために、データの集積状況を確認できるコンテンツの表示も可能で である。もちろんデータにアクセスできる作業者を制隈する必要はあるが、特にデータマネジメ ントグループ、統計解析クすループ以外の作業者に、データの状況を確認で、きるルートも必要 であろう。そのことは、症例報告書ベースのみで個々の症例をみるのではなく、データベース を通じて広く横断的に症例をながめることに繋がる。 SASI n f o r m a t i o nO e l i v e r yP o r t a lはストアドプロセスの実行も、 SASOLAPCubeS t u d i oを使用 して作成された Cubeデータを使用することもできる。部署をまたいでデータを広く知るための、 絶好のクライアントツーノレとなる。また、キーオープン時の結果を、 SAS I n f o r m a t i o nO e l i v e r y P o r t a l で行うことも考えられる。キーオープン時に、ストアドプロセスとして登録してある解析プ ログラムを実行すれば、 web 環境で結果を確認することができる。当然ストアド、プロセスの実行 は、解析担当者のみであるなど、アクセス権、セキュリティには十分な配慮、が必要である。 SASI n f o r m a t i o nO e l i v e r yP o r t a lは、部署を問わず広く{吏用できるツールであると考える。 10 弊社内開発プロジェクト一新規資源開発のご提案 弊社からご提案させて頂くのは SAS B I クライアントツールの各機能の隙聞を埋める部分で、 ある c 例えば、 SASETLS t u d i oには苦労してマッピンク、した情報から仕様書を作成する機能が ない。多くの情報に手間をかけて作成したにも関わらず、データ定義書として残せないのは 少々残念である。また、解析帳票出力まで、の一連の流れをプロジェクト等の形で、残すことは非 常に有用ではあるが、仕様書(定義書)との連携部分にいささか紐づく強さを感じられない。 n同U ワu

98.

既存資源、たとえば標準マクロなどを有効利用するために、ストアドプロセスとして登録するこ とは前述した通りである。しかしながら、これからの標準的なプログラムを考える上で、一帳票 に対してープログラム(又はーマクロパラメータファイル)としづ形ではなく、構造化された標準 化プログラムを利用する方法が有効であることは言うまでもない。それは、解析用データセット 作成時にもいえることである。 構造化された標準化フoロク、 ラムを実現する考え方として、仕様書に対して、プロクーラムを関連 付ける方法がある。そのために必要なのは、出力用のマクロ開発とし、うよりは、プロク、、ラムジェ ネレート機能の開発である。 以下は一般的な解析用データセットの定義書 ( F i g u r巴1 0 .1)、また解析出力のレイアウト(モック i g u r e 1 0 . 2 )である c アップ、 F 227EEEE 一円U n o q d q J V 1 ょ 141414ηJnxO 勺J つJ 官主 凸 内J JRU う 勺J 円︑ 山忠弘 luql ︾つJ Q U E υ Q Q m w 一川市一川市一川市 =42112222111111111111111 う J E 司司 DElln 同町町四一山⁝判明 H一 T一 G 一 N ‑ 一 E品‑ YL 豆 T 一 一盛⁝ ω 一無有 一有の 一グの Ew薬 一グゲコわ症持用 MU 一分乃⁝↓官白川叩 併無日目⁝ 号号一釘皆川採日得間イ象薬有始ア 性⁝月間引期歴事⁝療の日・悶絡 型名番名活採採 L E M M⁝ 庁 対 Nmu 澗一山 一 rT 盟 験 剤 設 名 品V U 沼 会 別 年 齢 種 一 長 室 意 病 往 憲 治 止 止 与 与 L ‑訣 察 施 科 症 群 日 丹 市 安 世 生 年 人 身 体 問 擢 既 有 前 中 中 投 投 J T m F E羽 田 町 旦町﹁ 盟m 町一一一判明間前"叩一山町⁝能町一一川町一一⁝川町⁝一川町mmm j‑ Fd 盟血血 広告血鹿市臥広広血血血眼底思血血血眼臥⁝医 匝 ニT T T T T T T T T T T T T T T T A T ‑ i ・ T N‑DDlDDDDDDDDDDDDD F i g u r elO. l . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( 円ぺ U nwu

99.
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これらの仕様書から、プログラムを作成する。仕様書からプロク ラムをジェネレートすることは、
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まず仕様書ありきとしづ至極当然のところに立ち返る意味を持つ。試験の途中で仕様変更が
発生した場合、あわただしくフ ログ、ラムは修正したにも関わらず、仕様書の更新は後回しとなる
3

ことがあるのではなかろうか。仕様書を変更すれば、プログ.ラムの変更も終わる。これはある種、
一つの理想で、ある。プログラマへの負荷軽減や一連の作業の整合性を取ることは、全体の作
業効率アッフ。を考える上で、間違いなく必要な条件である。
また、仕様書からプログラム、さらには出力結果までの整合性を保証することは必須である。
従って、統計解析グループが出力した帳票を、報告書に載せる際に体裁を整え直すのは愚
の骨頂である c これからの標準化タスクにおいては、各種報告書を作成するまで、のプロセスす
べての標準化が必要になり、入力から出力まで、各部門各部署の連携をとり、標準的な条件
を整えていくことが必要ではないだろうか。

おわりに
SAS s[クライアントツールは、必要な場所へ必要なだけ用意することができる。新規、既存資

源を有効に利用し、各部門との連携を容易にする。必要とされる医薬品が、より安全に、より信
頼される形で提供される環境の構築に、微力ながら参加させていただければと考える。

‑94

100.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 SAS ⑬ E TLServerを用いた臨床試験データの加工業務への活用事例 0高 浪 洋 平 事 西 山 和 志 紳 峯 松 清 志 向 キ武田薬品工業株式会社統計解析部紳株式会社フアース卜間住商情報システム株式会社 HowSAS ⑬ E TLServerWorksono u rC l i n i c a lDataTransformationSystem Comparedw i t hPH. DataWare Y o h e iTak くa n a m i *K a z u s h i卜 N i s h i ν y a m a ぶ渇卑叫 υ 3 巳 *Tak巴daPharmac巴u t i c a lCompany ,L t d .* * F i r s tC o .,L td .' ' ' S u m i s h oComputerS y s t e m sC o . .L t d 要 旨 弊社では、臨床試験データの加工業務に山 6.12ベースの PH.Da州 areを利用してき . 1ベースの SAS⑧ ETLServer(以下 ETLServer)がリリースされた。 た。一方、昨年 SAS9 これは、 PH.DataWareのように、医薬品開発に特化したものではないが、 SASの最新の 機能を活用できることや、 JAVAベースの操作性に優れた GUI機能を利用できることが 魅力である。そこで、 PH.DataWareに替わる新たな臨床試験データ加工システムとして 0項目に 導入できるかについて、機能面、操作性、業務効率、コスト面などを中心に約 5 ついて PH.DataWareとETLServerを比較した。その結果、ほとんどの項目で ETLServer が優れていることから、導入を決定した。本稿では、この比較結果を紹介するとともに、 ETLS e r v e rを導入した弊社データ加工業務の活用事例を報告する。 キーワード ETL ,DataWare,リポジ卜リ,ジョブ,加工,解析用データ 1.はじめに 臨床試験の統計解析業務では、統計解析計画書に従って、データベース(以下 DB)上の症例デー タを用いて統計解析を行い、結果の解釈を行うが、それらのデータは症例記録と対応している DBの データ構造の制限から、直接解析を行うことができない場合が多い。そこで、 DB上の症例データか ら作成された SASデータセットを解析用データセットに変換するフ。ロセスが必要となる。以下、このプ ロセスに関する業務をデータ加工業務と呼ぶこととする。弊社では、統計解析計画書の作成や解析 結果の解釈及び総括報告書の統計部分への記述など、専門的な知識を要する部分は統計担当者 が実施し、データ加工業務や集計・解析業務においては標準化を図るため、統計解析システムを 構築して業務を行っている。弊社の統計解析システムは、データ加工サブシステムと集計・解析サ ブシステムの2つのサブシステムに分かれていて、データ加工サブシステムについては昨年までは PH.DataWareを使用し、集計・解析サブシステムについては P H . C l i n i c a lを使用している。データ加 工業務は統計担当者の依頼を受けた SASフ。ログ、ラマーが夕、フ、ノレフ。ログラミンク、、を行い、フ。ログ、ラムを 実行して得られた解析用データセットを Compareプ口、ンジャで、比較してバリデーションをとっている c 戸 nud h u

101.

統計解析システムの概要因とともに図 lに業務プロセスを示す。 PH.DataWareは医薬品開発におけ るデータ加工業務に関して優れた機能を持ち合わせていることに対して、 ETL S e r v e rは医薬品開 発に特化した製品ではないが、咋年リリースされた SAS9 からは、ピジネスインテリジェンス ( 81)として クライアント・サーバー機能が強化されており、弊社も統計解析システム全体への適用を検討してい e r v巴r の導入を検討した。 る。そこで、昨年、データ加工システムにおいて ETLS ; 一 │集計・解析サブシステム ‑ 1 ‑ ‑ : i I 集計・解析 │ L.̲一一̲y g ‑ーーーーーーーーーーーーーーー句ーー同町ーーーーーー‑, Ima I 図 1 統計解析システム及びデータ加工業務の概要 I I .SAS⑮ ETLServerの 導 入 検 討 導入検討の詳細に移る前に、 ETLS e r v e rの構成について簡単に紹介する。 ETLS e r v e rはSAS9 . 1 で動作することに加え、データの定義、処理プロセスの作成及びユーザー管理等において優れた 機能を持ち合わせているとともに、それらの機能を使用する際にもユーザーフレンドリーな GUI 機能 が豊富に用意されており、機能面のみならず操作性においても優れている。 ETLS e r v e rはクライア ント・サーバー型のアプリケーションで、あり、処理はサーバー側で一括して実行される。以下にクライ アント側、サーバー側の主な構成を紹介する。クライアント側で、は以下の 3つのアプリケーションを用 いて作業を行う。 .SASManag巴m巴n tC o n s o l e メタデータの管理を行うアプリケーションで、主にユーザーの作 成やリポジトリの作成などの環境設定を行う。 . SASETLS t u d i o データの定義、ジョブ(処理プロセス)の定義及び実行等の主な データ加工業務を行うアプリケーション •J o bS c h e d u l巴r O 作成したジョブ♂を一括実行するアプリケーション。 9 6

102.

サーバー側は、プログ、ラムの実行などを行う作業領域で、ある SASWorkspace S e r v e r、メタデータの 管理を行う SASM e t a d a t aS e r v e r、サーバーとクライアントのネットワークを管理する SAS Connect S e r v e r等で、構成されている。 クライアント サーバー . SASConnectS e r v e r 'SAS9 . 1 .JobS c h e d u l e r 図 2 ETLS e r v e rの構成 ETL S e r v e rの導入検討ににおいて、事前に立てた評価計画に従い、データ加工業務担当者が各 作業工程で実際に作業を行い、 ETLS e r v e rとこれまで、用いていたPH.DataWareを比較して、「優れ ている」、「同等」、「劣っている」の3段階で評価し、機能面、操作性、業務効率、コスト面などでETL S e r v e rを総合的に評価した。 1 評価計画 ETL S e r v e rとPH.DataWareを機能面・操作面で比較するにあたり、 PH.DataWareをベースとしたデ 0項目に分けて評価を行った。主なデータ加工 ータ加工システムの各プロセスについて全体で約 5 業務のフ。ロセス及びその概要を以下に示す。 ‑環境設定 新規の加工業務発生時に、プロク守ラムやデータを保存するフォ ルダの作成など、のメタ情報の定義を行う作業 ‑加工元・加工後データの定義 加工元データの定義及び解析用データセットとなる加工後デ、 ータの属性等の定義を行う作業 ‑プログラムの作成 データ加工業務担当者による加工プログラムの作成作業 ‑ ジ ョ ブ ず( P r o c e s s )の作成 加工元データから加工後データが作成されるまでの一連の処 理プロセスを作成する作業 ‑一括実行 作成した個々のジョブ?を一括実行する作業 参考までにデータ加工業務におけるETLS e r v e r、PH.DataWareそれぞ、れの作業の流れを図 3に示 す 。 ‑97‑

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ETLServer } ‑ ‑ : 図 3 ETLS e r v e r及び PH.DataWareにおける作業工程 新規の加工業務が発生すると、始めにプログラムやデータを保存するフォルダの作成などのメタ情 e r v e rで、は、加工元となるデータ及び解析用デー 報の定義を行い、環境を設定する。続いて、 ETLS 、 は 000( O p e r a t i o n a lD a t aD i f i n i t i o n )の作 タセットとなる加工後データを定義する。 PH.DataWareで a t aT a b l eの作成がこれに該当する。データの定義が終了した時点で力日工プログPラムを作 成及ひ、 D 成し、加工元・加工後データ及び加工プログラムを用いてジョフずの作成を行う。プロク、、ラム及びジョブダ 、 は 、 を作成した後、個々のジョフ、を一括実行するためのスケジュールを作成する。 PH.DataWareで こ対応する P r o c e s s、スケジューノレに対応する DependencyMapをそれぞ、れ作成していた。こ ジョブ1 ヶ月間の評価期間を設けた c れらの作業工程を比較するために、約 1 2 .評価結果 e r v e rが「優れている」、残りの殆どが「同等」としづ結果で あった。主 評価した全項目の 50%がETLS にまとめる。 な評価結果を以下に示すとともに表 l ①動作環境 . 1 2では十分なサポート及びパグ対応は得られない。一方、 SAS : SAS 6 9 . 1は最新のサポート・パグ対応が得られるとともに、拡張された機能を 使用することができる。 9 8

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②ユーザー管理 サーバーの OS上でユーザーを管理するだけではなく、 ETLS e r v e r上 でユーザーを管理しており、さらにSAS Management C o n s o l eを用いる ことにより、詳細な権限の設定が可能である。 ③データの定義 データを定義する際に、ソースデザイナとしづ機能を用いることにより、 データの一括定義が可能である。 ④プログラムの定義 フ。ロクーラムが記述されたファイル (SASファイノレ、テキストファイル等)を所 定のフォルタ。に保存するだ、けで、定義が完了し、作業速度が上がってい る 。 主な機能がメイン画面に表示されており、コピー&ペースト、ド、ラック、、&ド、 ⑤操作性 ロッフ。等が使用可能でユーザーフレンドリーな GUI機能が豊富に用意 されており、操作性に優れている。 ⑤排他制御・履歴管理 デー夕、ジョフ。等のオブPジェクトへのアクセスにおいて有用な排他制御 機能及び履歴管理機能が用意されている。 ⑦コスト ETLS e r v e rのほうがコストパフォーマンスの点において優れている。 主な評価項目 ETLS e r v e r PH.DataWare ①動作環境 SAS9 . 1 SAS6 . 1 2 ②ユーザー管理 SMCで詳細な権限の設定が可能 サーノ〈ー上の OSで管理 ③データの定義 一括定義可能 一つ一つ定義 ④プログラムの定義 プログラムが記述されたファイルを所 B u i l dフ。口、ンジャでイ乍成し、 SASカタ 定のフォルダに保存するだけで定義 ログ形式で保存 可能 ⑤操作性 主な機能はメイン画面に表示されて 操作性は悪く、コピー&ぺースト、 おり、作業効率がよく、コピー&ペー ド、ラッグ"&ド、ロップ等は使用不可能 スト、ド、ラック。&ドロップ、拡張エディ タなど GUI機能も豊富 ⑤排他制御・履歴管理 チェックイン、チェックアウト、フェッチ 機能自体が存在しない など機能が豊富 ⑦コスト 低し、 高い 表 1 ETLS e r v e rとPH.DataWareの主な比較・評価結果 以上のように、機能面、操作性、業務効率、コスト面などを総合的に見て、 ETLS e r v e rは優れている と判定し、弊社データ加工システムとして導入を決定した。 I II .S AS⑮ ETLS e r v e rの活用事例 本章では、 ETLS e r v e r導入後のデータ加工業務の各フ。ロセスで、どんな機能が使用されているのか、 その作業内容とともに活用事例としづ形で紹介する。図 3で、示した各プロセスと、そのプロセスで使 nud nud

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用されるアプリケーションの関係図を図 4 fこ示す。以下、それぞれの作業工程について紹介する。 使用する 作業工程 アプリケーション SASManagement Console ETLS t u d i o JobScheduler 図 4 各作業工程と使用するアプリケーションの関係図 1 環境設定 E章で紹介したように、新規開発課題について加工業務が発生すると、フ。ログラムやデータの保存 のためのフオルタ守の作成やリポジトリの作成など、の環境設定を行う。 ETL Serverにおいてリポジトリと は、メタデータの保存領域や、ユーザーが実際に作業を行うための作業領域を表すオブジェクトの ことである。図 4の作業工程にもあるように、環境設定は SAS Management Consoleを用いて行う。フ ォルダ、の作成が終わると、各リポジトリを作成する。リポジトリには、以下の 3 種類が存在する。 •F u n d a t i o nリポジトリ :メタデータを一括管理するオブ、ジェクト 'Customリポジトリ : Fundationリポジトリの下位で、メタデータを課題毎に分けて管理するオブジ ェクト ・ P r o j e c t! Jポジトリ :各ユーザーの作業領域を表すオブ、ジェクト F u n d a t i o nリポジトリはデフォルトで用意されており、全てのメタデータを一括管理しており、新たに作 成することも、削除することもできない。弊社のデータ加工業務では、その下位に位置する CustomJ ! ポジトリを開発課題毎に作成し、その中で、臨床試験毎にグループフォルダ、を作成し、メタデータを管 理している。 P r o j e c tリポジトリは上述した2つのリポジトリとは少し概念が異なり、ユーザーの作業領域 のオブジェクトで、各開発課題毎にユーザー分作成する。各ユーザーは Customリポジトリ上のライブ、 r o j e c tリポジトリへ移動して作業を行う。各 ラリや加工元・加工後データなとやのオブ、ジェクトを自分の P リポジトリの関係と実際の画面での出力を図 5に示す。 ‑100‑

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B '.N'~i リポジトリ 庄司 F o u n d a ! i o n 庄 司 TEST 白 1 一一一寸臨床試験毎に管理│ i J lSHIKEN1̲IN I │ JS HIKENT ヨ 盛 SHIKEN1̲JOB 静 SHIKEr叩 ̲JOB1 •. c J ISHIK日 1 OUT 目 。 山 ヨ 旦jソースデ タクループ DATA2 DATA3 自 国jターゲットデータクループ 白 DATA̲OUT ~選択可能 図 5 リポジトリの関係国と実際の画面での出力 2 データ定義・雇歴管理 SASManagementC o n s o l eで、の環境設定が終わると、 ETLS t u d i oを用いたデータの定義作業に移る。 履歴管理機能等を用いてユーザー毎に加工に必要な加工元・加工後データの定義等を行う。 ETL S t u d i o (こ用意されている機能の中でも、特に有用だと思われる機能が排他制御や履歴管理を行う チェックイン、チェックアウト、フェッチ機能で、ある O これらの機能を状況に応じて使い分けることにより、 種々のオブジェクトの管理・作成・変更の効率化を図ることができる。以下にそれぞれの機能の概要 を紹介する。 ‑チェックアウト Custom!Jポ、ジトリ内のオフ ジェクトを P r o j e c t!Jホ。ジトリにコピーし、なおかつそ a のオブFジェクトに排他制御(ロック)をかけて他のユーザーがアクセスで、きな し、状態にする機能。 ‑フェッチ r o j e c tリポジトリに チェックアウトと同じく、 Customリポ、ジトリ内のオブrジェクトを P コピーする機能であるが、排他制御はかからず、そのオブPジェクトには他の ユーザーがアクセス可能である。 ‑チェックイン r o j e c tリポジトリ内で新 チェックアウト又はフェッチしたオブ ジェクトを用いて P P たに作成したオブ、ジェクトを Customリポジトリに戻す機能。チェックインすると チェックアウトしたオフ守ジェクトのロックが解除される。また、フェッチしたオブ ジェクトはチェックイン不可能で、ある。 つの機能を状況により使い分けてデータの定義を行う。排他制御・履歴管理機能のリポジト 上記の 3 リ聞のイメージを図 6に示す。チェックアウト又はフェッチされたオブ.ジェクトは、そのオブ、ジェクトに印 が付加され、そのオブPジェク卜の状態が判断できるようになっている。また、いつ、誰がそのオブジェ クトにアクセスしたのか履歴を確認することも可能である。 nU よ ー 1 ょ

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│ーン│↑↓│チェックアウト│ 同 町A 四割.鶴田也,. 77 イME l 届某〈己 表示 ( ] f ) ‑;ロヲェ担ト但} ウー J . φ 岱属医函 i i H : J l主患者基)<. c,白 i a留酒置亙 1号 市 包 1 ')ース 1 0:ザイナ│ も 図 6 チェックイン、チェックアウト、フェッチ機能の概念図 r o j 巴c tリポジトリ内で加工に必要なデータの定義 上述したような機能を用いて、ユーザーは各自の P を行い、作業が終了すると新たに作成したオブジェクトをCustomリポジトリに戻す。後に紹介するジョ ブの定義もこれらの機能を用いて行う。 3 .プログラム作成 ETLS e r v e r 導入後の弊社のデータ加工業務で、は、主担当、副担当の各プログラマーがローカノレ PC 上でプロク ラムを作成し、それぞれ所定のフォノレダ、に保存し、次節で、紹介するジョブ、の定義の中に f そのプログ、ラムを挿入する。 SAS プログラムが記述されているファイルで、あればSASファイル形式で、も テキストファイル形式で、も構わない。 4 .ジョブ作成 加工元・加工後データの定義及びプロク、、ラムの作成後、それらを結び付ける一連の処理プロセスで、 あるジョブを作成する。各プログ、ラマ一はそれぞ、れのオフブブ、守、ジエクトをチエツクアウト又はフエツチして、 P 肝r o 吋j e 町c t ω リポジト門リ内でで、プロセスデザイナと凸し、ウう機能を用いてジヨブ?の作成を行う丸。フ。ロセスデ?ザザ、イナは、 プロセスエデ、イ夕画面に必要なオブ されているフオル夕、守、のパスを正しく指定すれ i ばばまま、ジヨブを実行するための SAS フ プρログFラムが自動生成さ と同じく、サブミットボタンをクリックすると自動生成されたプログ ラムが実行される。 れる。通常の SAS 1 0 2

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院 副 司 嵐 田a 目 置 撒 餌 霊 跡 直 哩 抽 i ' in nl 加工元データ '砂白 園田園田崎盟謀略 L 白 DATAl DATA2 ̲̲̲̲̲1 l変換プロセス 1 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ l 作成したプログラム│ 加工後データの 属性に変換 加工後データ 惨 白 山 九OUT 図 7 ジョブの作成画面 なお、簡単な加工処理であれば、図 7中の「ユーザー作成のコード」は、標準で用意されている変換 プロセス (SQし桔合、転置、ソート等)を用いることにより省略することが可能である。さらに、簡単な o r rフ。ロシジャ等)を行う分析プロセスも標準で用意されている。また、 解析処理 (menasプロ、ンジャやc 変数の属性などを引き継く。場合はマッヒ。ング、機能で、対応することが可能である ジョフ、、の作成が終 C 了すると主担当のプログラマーがテ、バッグデータ(テストデータ)を作成し、そのデ、バッグ、データに 対して個々のプロクずラマーが作成したジョブを実行(デ、バッグ実行)する。実行後、それぞれの加工 後データに対して Compareプロシジャで比較を行い、結果が一致すれば、作成したジョブを次節で 紹介する一括実行を行うためのスケジュールの lっとして登録する。 5 .一括実行 ETL S t u d i oで、のジョフず作成作業が終了すると、 J o bS c h e d u l e rを用いてそれぞれの、ジョフ守をスケジュ ールとして登録し、一括実行を行う。一括実行は実際の症例データを用いて行う。図 8にその概要を 示す。 η3 ハ U 1ょ

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口 、 忠一一→守ト¥ ¥ 白 ぐ¥ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E S ー ‑ ‑ ‑ ‑ l D ¥ ¥ C 問 図 8 J obS c h e d u l e rの概要と実際の画面 e r v e r導 以上の作業で、解析用データセットの作成が完了する。環境設定から一括実行までの ETLS 入後の作業の流れを図 9にまとめる。 Customリポジトリ P r o j e c tリポジトリ 2 e r v e r導入後のデータ・作業の流れ 図 9 ETLS I V .おわりに ETL S e r v e rの導入により、データ加工業務がより効率的に行えるようになった。また、比較検討時に も述べたが、以下のようなメリットがあった。 'SAS6 . 1 2及びSAS8 . 2から拡張されたSAS9 . 1の機能が使用可能である。 プロクぜラムを ・ユーザーフレンドリーな GUI機能により、複雑な操作は必要なく、場合によっては SAS 記述しなくてもジョブ、を作成で、きる。 1よ A斗企 ハ U

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‑優れたユーザー管理機能により、詳細な権限の設定が可能である 0 ・履歴管理機能によるAuditT r a i lの強化が可能で、ある。 ‑標準で用意されている変換プロセス ( S A Sマクロプロク守ラム)のさらなる活用及び汎用化が可能な S A Sマクロプログラムを組み込むことにより、業務の標準化及び効率化が期待できる。 e r v e rで 、 は 一方、弊社におけるセキュリティーの関係上、ユーザー権限に制限があり、現在の ETLS A S社への要望も含め、今 対応できない、または対応の検討が必要な部分もあり、こらについては S 後のバージョンアップ及びサポートに期待したい。さらに、インパクトアナリシスなど、業務上有用と 思われるがまだ使用していない機能もデータ加工業務に活用していきたい。 最後に、今回は、弊社の統計解析システムのうち、比較的容易に切り替えることのできたデータ加 工サブシステムについて導入したが、今後は、今回の導入経験を活かして、統計解析システム全体 においてS A S9 をベースとしたシステム化を実施していきたい。 Fhu nuU 1ょ

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 統計モデルを使う実験計画で実験数 n を半減 高橋行雄 中外臨床研究センター・ 1 ¥イオメトリック部 R e d u c i n gnbyh a l fu s i n gt h ed e s i g no fe x p e r i m e n tw h i c hu t i l i z e dt h es t a t i s t i c a lm o d e l Y u k i oT a k a h a s h i B i o m e t r i c sD e p t ./C h u g a iC l i n i c a lR e s e a r c hC e n t e rC o . .L t d . 要旨有意差検定の使用を前提とした実験計画では,ある程度の検出力を確保するため に実験数が増加傾向となりがちである.実験データ全体を用いるような統計モデルを使 うことにより,検出力を保ちつつ実験数を半減することが可能である.生物系の実験の 場では,複数の因子を組み合わせて実験数を減らす直手守表を用いたような実験計画では イτ なく,用量反応について非線形モデルから導出される効力比とその信頼区間が有意芝主主 定に変わる方法である.経時的に観察する実験デザインでは,統計モデルを用いた方法 によりスパース・サンプリングされたデータに対してもフル・サンプリングのデータと 遜色のない解析が可能となる. キーワード:効力比, トラフ値, SAS川 LIN,安定性試験,マトリキシング法 1 . はじめに ポピュラーな有意差検定の使用を前提にした実験では,ある程度の検出力を確保するために実 験数が増加傾向となりがちである.経時測定を伴う多くの実験,逐次増量を伴う実験,クロスオ ーバー型の実験,などで同一個体から複数の観察データが得られる場合に,ポピュラーな有意差 検定から統計モデ、ルを使った解析を計画に変更することにより,統計的な検出力を保ちつつ実験 ムモ 例数を減らすことが可能である.実験数を減らしでも実験コストがほとんど変わらないような Ln v i t r o実験であるならば,実験の仮説を充実させるような実験計画が可能となる. 経時観察が行われ,時点聞に正の相聞があるような場企じ投長前値を共変量とした共分散分析 は代表的な統計モデルを用いた解析であるが,投与後のある時点を反復測定とみなして共分散分 析を計画することにより実験例数をさらに減らすことが可能である. 薬物濃度を観察するような場合には,薬物濃度の測定自体に多大なコストが発生するので経時 測定の数を減らしたい.スパースな経時データから個体を層とする非線形回帰分析を適用するこ とにより,個体ごとの主要な PKパラメータが推定可能となり,それらを用いることにより探索的 1 0 7 ‑

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な解析が容易主主主L 長期の安定性試験などで有効成分の経年的な含有量を推定したいような場合にも,国二~上 三、見スパースな観察を行うが,ロット全1恒三。ータか戸フル・サンプリ ~-)j(とI理監畳屋主主 効成分量の推定が可能となる.これは,線形混合効果モデルの中で,個々のロットに回帰モデル を適用するようなランダム係数モデルの応用である.これにより,高価な化合物の安定試験での 使用量の軽減,分析コストの軽減が図れる. SASの MlXEDプロシジャ, NLMIXEDプロシジャを用いた解析については,これまで SASユ ーザ会で紹介してきたのであるが,それらの使用を前提とした解析計画により,実験数の軽減に つながる様々な実験の場面があることを示す. 2 . 効力比を用いた薬効評価 実験データの統計解析に有意差検定が,目的とする薬効とは異なる切り口で使用されているこ とをしばしば目にする.そのような場合に,実験結果の要約に有意差検定の結果が遊離しがちで ある.これは,有意差検定が,統計モデルを用いた解析にくらべ簡単に適用できることもあり, iと りあえず有意差検定にかけてみよう」と気軽に使われていることに起因している. 表 1 は,吉村編著(1987) の「表 1‑4 血中ヘモグロビン量」のデータで, 2種のヒトガンマグ ロプリン製剤~ A,B の影響を調べるために雄ラットを 9 0匹用意し 1 0匹ずつの 9群に分け静脈内 5日間続けた結果である. 投与を 3 表 1 血中ヘモグロビン量 薬剤j 用量 ( m g l k g ) 無処置群 対照群 A薬 B薬 5 1 0 20 40 20 30 40 動物番号 2 1 3 156 1 5 5 156 5 3 152 1 5 3 1 5 2 152 1 5 8 1 4 6 138 1 5 3 1 4 1 1 3 7 139 1 1 5 2 116 124 1 4 7 146 136 152 1 5 5 1 5 1 1 5 7 4 1 5 7 1 5 6 152 152 1 4 1 1 4 3 1 5 5 1 5 0 1 4 0 5 1 5 4 1 5 8 1 5 1 1 4 0 1 4 3 1 3 9 1 4 7 1 3 7 1 4 3 6 1 5 5 1 5 1 1 5 1 1 4 6 1 3 3 1 5 4 1 5 2 1 2 5 (mg /m l ) 7 154 1 5 1 1 5 7 156 1 4 7 1 4 1 142 1 4 6 114 8 1 5 3 1 5 0 147 142 144 139 150 149 146 SD 1 0 平均 .49 1 5 5 1 5 4 . 7 1 1 5 7 1 5 2 . 9 3 . 2 1 1 4 6 1 5 2 . 1 3 . 8 4 4 7 . 3 6 1 5 3 1 . 0 9 4 3 . 2 6 . 7 5 1 5 6 1 1 4 6 1 3 9 . 3 1 2 . 3 3 150 1 4 7 . 2 5 . 3 1 4 7 1 1 4 4 1 . 2 2 5 0 1 4 5 . 3 9 1 4 4 1 2 . 6 2 4 3 1 4 2 . 3 1 9 1 5 2 148 1 5 5 1 4 7 1 5 1 とりあえず有意差検定? 毒性試験では,毒性の現れる検査項目をある一定の基準でピックアッフするための方法として 様々な有意差検定を組み合わせて使用している.これは,被検物質の用量反応関係をベースにし ている. B 薬が既存のヒトガンマグロプリン製剤であったときに, A 薬の毒作用と比較したいと しよう.どのような有意差検定が考えられるのであろうか iとりあえず有意差検定」の立場では, A 薬と B 薬の同じ用量で,反応に差があるか検定にかけてみることになるのだろうか. 図 1 に 20m g / k gと 40mg / k gについて A 薬と B 薬問でヘモグロビン量について平均値の差の検 1 0 8

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定結果である.共に有意な差ではないので, B 薬に対して A 薬のヘモグロビン量の減少作用につ いては同程度との結論を出すのであろうか.この図から, 2用量とも A 薬のヘモグロビン量が, B 薬に対して小さいことから, A 薬は B薬よりも毒性が強いのではないかとの疑問もわく. 。 170 160 150 140 〉、 130 。 。 。 × 160 150 120 110 110 81群 X 。 。 × @ O 140 120 A3群 × も 〉、 130 100 100 EachP a i r 日3群 A4群 EachP a i r Student 'st Student'st 群 。 170 0.05 Z 平 0.05 図 1 同一用量での薬剤聞の平均値の差について検定 効力比による要約 図 2に各群のヘモグロビン量の平均値について対数用量目盛りにした結果を示す .A薬は, B 薬に比べ,用量が小さい方向にシフトしていることが観察される . B薬の用量反応がある関数 f ( x ) ︑ ¥ となったときに, A 薬 の 用 量 反 応 が f(戸)となる場合に ρは 効 力 比 と 定 義 さ れ る . 対 数 用 量 f ( l o g x )の場合は , f ( l o gρ+logx)により効力比が定義される. 1 6 0 1 5 0 > ‑ 1 4 0 1 3 0 1 .0 1 .5 2 . 0 log10̲dose 図 2 用量反応関係 多くの薬理作用について用量反応関係は,シグモイド曲状となることが経験的に知られている. この毒性試験の場合,対照群の平均値を上限とする線となるシグモイド形の用量反応曲線を用い て効力比を算出してみよう.見通しを良くするために途中の計算方法は付録に示し,効力比の結 果を見てみよう.シグモイド状の曲線として,ロジスティック関数を用いた結果であるが, B 薬 f( lo g x )に対して, A 薬は , f ( 0 . 2 7 9 3+logx)となるので, B 薬に対して旦.pt!log(0.27坦)三L塑;倍の 効力(毒性)を持つことがわかる.効力比 ρの近似的な 95%信頼区間は, NLIN プロシジャから HU 口同U ハ ‑ ‑

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a n t i l o g ( 0 . 0 4 1 2 )= 1 . 10, a n t i l o g ( 0 . 5 1 7 4 )= 3 . 2 9となる.効力比は1.90倍となる . A薬の1.90倍の B 薬の投与量が同じ毒作用性をもつことになる.言い換えると, A 薬は, B 薬の約 1 / 2の用量で同じ . 2 9 ) と下限が 1より小さいので統計的に有意な差である. 毒作用を持つ .95%信頼区間は(1.10,3 平均値の差の検定で 差がないようだ"との結果から,統計的に差があるとの結論に変わってし まった.単純な有意差検定での実験の要約は,実験者自身の目も曇らせてしまうような事例であ る. 160 150 盆 │会 J門 nj u u t ︑ P a r a m e t巴r a 1 b巴t b e t a 2 a 4 b巴t l o gr h o VAr‑‑﹃︐︐ a‑tIT‑‑ hE 内d nunU一﹃︐︐ anxU H ︽U u rirl 玄Munnu'nhU 唱 nuFFI 胃hv } 守 aFhdT ι tl nuFEE‑‑‑‑ 苛 unud‑nU AA 表 2 対数効力比, NLINの出力 A p p r o x i m a t e9 5 %C o n f i d e n c e Limit s i m at 巴 E st 弓1宵 2 ‑ 1 3 . 4 4 5 8 1 .2 9 7 3 1 .0 6 9 3 1 .4 4 5 2 0 . 6 9 3 3 1 4 0 . 2 1 4 9 . 4 .1 1 31 0 . 2 7 9 3 0 . 5 1 7 4 0 . 0 4 1 2 8 。 。 一 J 1 4 0 。 〉ー 1 3 0 Xo 120 受 110 。 . 5 1 .0 1 .5 2 . 0 x 図 3 シグモイド曲線のあてはめ 実験計画の再考 実験の目的が,反応を最大または最小化する,最適な反応となるような実験条件を探索するよ うな場合には,実験条件を固定して反応の平均値を比較することで差し支えない.同じ反応益得 られる用量(実験条件)を比較することが本来の実験目的であった場合の実験計画はどのようt:.̲ したらよいのであろうか. B薬は, 3用量で各 1 0匹,計 30匹を用いている . A薬に対して B薬 の用量の設定は,範囲が狭い.同一用量での A 薬と B薬の平均値の差の検定を念頭においた場合 には,例数を等しくすることが,検出力の観点からは望まれる.なぜ, B 薬の用量設定が 20, 30, 40mg ! kgとなっているのであろうか. B 薬に対する A 薬の効力を推定した場合には,実験前に予想している効力比をベースに用量を 設定することになる.効力比を 2倍と推定しているならば, B薬の用量の設定は, A 薬の用量の 2 倍の用量群を設定することが基本である.実験の制約条件から 30匹であるならば 1用量当たり の例数を減らしても,群の数を減らしてはならない.効力比を精度よく推定するためには,シグ モイド状の反応を前提にしている場合は,反応がほとんどない用量,および,反応が最大に近い ハNU 1ょ ム '

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用量を含めることが望ましいためである.表 3 に示すように, B薬の用量は, A 薬の 2倍 , 5x2, 10x2,20x2,40x2 mglkgに設定し, 28匹を 4群に 7匹ずつ均等に割り付けて,残り 2匹を中 ほどの用量に各 1匹増やして 8匹とするような実験計画が望ましい. 表 3 用量設定範囲の見直し mg ! kg コ 1 0 2 0 3 0 4 0 8 0 A楽 B楽(冗) B楽(新) 日 日 n 8 1 0 1 0 1 0 1 0 4 0 3 0 3 0 1 0 1 0 1 0 7 8 7 3 . 安定性試験におけるスパースな経時測定 変化は思わぬところからやってくる. ICH:QIA ( 19 9 4 ) 医薬品の安定性試験法ガイドラインで ある.安定性試験は,食品・医薬品・工業製品などで,製品の有効期限を設定するための試験と して広く行われている. QIAでは,長期保存試験,加速試験,および,苛酷試験の 3種類が示さ れ,原薬,および,製剤の両方についての安定性試験が要求されている.長期保存試験の測定時 期については,通常, 1年目は 3カ月毎, 2年目は 6カ月毎,その後は 1年毎とされている.製剤 の長期安定性試験にあっては, 3ロットを対象にし,測定の繰返し回数は,分析法バリデーション の結果に基づき決定するように示されている.原薬の製造コストが高価で少量しか製造で、さなμ 場合に,安定性試験のために必要な製剤を確保しななければならないために,臨床試験用の製剤 が不足し,臨床試験の実施を延期せざるを得ないこともしばしば経験する. QIAでは,もし妥当であれば測定時期についてマトリキシング法によって,ある特定の測定時 , 2003年に改定されているので,マト 点で全検体のうちの一部の試験で可能としている. QIAは リキシング法についての解説を以下に示す. 「マトリキシング法 ( M a t r i x i n g ):ある特定の時点で全ての要因の組み合わせの全検体のう ち選択された部分集合を測定する安定性試験の手法である.連続する 2 つの測定時点では, 全ての要因の組み合わせのうちの異なる部分集合を測定する.この手法は,ある時点にお ける全検体の安定性は各部分集合の安定性により代表されているという仮定に基づいてい る.従って,同じ品目の試料問で見られる差が何に起因する差であるかを明らかにする必 要がある.例えば,ロットの違い,含量の違い,同じ容器/栓システムのサイズの違い,又, 場合によっては異なる容器/栓システムの違いに起因するのかを明らかにする必要があ る.J QIAを補足するガイドラインが, ICHQID:原薬及び製剤の安定性試験へのブラケッティング 1ょ よ ー 1ょ

116.

法及びマトリキシング法の適用について,である.表 4 は,含量の異なる 2種の製剤Ij (Sl 及び S2) について,マトリキシング法によって測定時点を省略した試験計画の例である. ) 表 4 マトリキシング法の適用例 (ICHQlDでは表 2 含量 測定時点(月) ロット l S l ロット 2 ロット 3 S2 ロット 1 ロット 2 ロット 3 。 3 T T T T T T T T 6 T T T T 9 1 2 1 8 24 36 T T T T T T T T T T T T T T T T T T T T T Q1E は,安定性データの評価に関するガイドラインである.このガイドラインは,ブラケッテ イング法,および,マトリキシング法によりスパース・サンプリングを計画した場合の統計解析 についての留意点について詳しく示されている. 臨床試験に置き換えてみよう.この試験は 36ヶ月の長期投与試験とみなし,ロットは被験者,測定 するのは血圧,指定された月末のある日の午後, 1時間おきに 3回の測定を行ったと置き換えられる. 0年 統計解析の考え方は同じである.どのような血圧の変化があるのだろうか. 5年後,あるいは, 1 後を予測したい.血圧の 95%信頼区間の下限が目標値に達する時期はいつなのかの予測するという課 題が安定性試験では重要である. 日本製薬工業協会の事例 日本製薬工業協会 (2005) の「新有効成分含有医薬品の安定性試験データの評価」にフル・サ ンプルデータ(表 4.13) が示されているので,スパース・サンプリングをした場合の製剤の有効 期限がどの程度影響を受けるのか検討してみよう.表 5 は,含量が Sl である製剤を 1~3 のロッ トで生産し,そのロットから P1と P2の条件で包装を行い.それぞれ 5個の製剤をある条件下で 表 5複数含量,複数包装形態の製剤の安定性試験のデータ例 包装 含量 ロット P1 S l 1 2 3 4 5 6 1 S2 P2 S l フ S2 3 4 5 6 。測定時期(月) 1 0 0 . 1 6 9 9 . 2 4 9 9 . 4 9 9 9 . 0 7 1 01 . 21 1 0 0 . 2 4 1 0 0 . 3 3 9 8 . 5 3 9 9 . 5 0 1 0 0 . 9 8 1 0 2 . 1 6 1 0 0 . 1 4 3 9 9 . 1 5 9 7 . 7 7 9 9 . 6 7 9 9 . 1 9 1 0 0 . 8 5 9 8 . 6 5 1 0 2 . 3 7 1 01 .40 1 0 0 . 1 9 9 9 . 9 4 9 9 . 6 8 1 0 0 . 5 5 6 9 6 . 7 0 9 9 . 5 0 9 8 . 0 5 . 18 1 01 1 0 0 . 1 8 9 9 . 0 1 1 01 .49 1 0 0 . 2 3 9 9 . 3 1 1 0 0 . 1 8 9 8 . 9 0 9 8 . 7 0 9 48 97. 9 7 . 5 0 9 6 . 0 1 9 8 . 8 2 1 0 0 . 1 4 9 9 . 2 0 9 9 . 1 7 9 7 . 6 2 9 6 . 3 8 9 9 . 6 8 .09 1 01 1 0 0 . 7 4 1 2 9 8 . 1 7 9 7 . 3 7 9 8 . 9 5 9 6 . 7 6 9 9 . 0 2 9 7 . 8 5 9 8 . 9 3 9 7 . 6 1 1 0 0 . 3 0 9 9 . 6 9 9 8 . 5 2 9 9 . 2 0 1i 1i ︐ ︒

117.

保存をし, 3ヶ月ごとに各製剤の中の有効成分を測定し規定の含量に対する割合としたデータにな 1の , 1 2ヶ月目の 9 8 . 1 7は , Slの規定含量を 100%としたとき っている.含量が Slで,包装が P に,有効成分が 98.17%に減少していたことになる.推定したいのは,有効成分があらかじめ定め られている下限値,たとえば規定含量の 95%を下回る時期はいつなのかが知りたいのである. 有効成分の減少に何らかの関数関係を想定できるのならば,各ロットのデータから,あてはめ られた関数の 95%信頼区間の下限が規定された下限値となる時間が,そのロットから製造された 製剤の有効期限と推定する.図 4 は , 2種の含量を含む 6ロットから製剤化された 2積の包装で の有効成分の経時的な減少をフロットしたものである.延べ 1 2ロットに対して切片が異なるが傾 きは共通の回帰直線をあてはめた結果と,その 95%信頼区間を上書きしたものである.図 5 にロ Ove r l a yP l o t ロット │ 1 I フ I I 仁二二工二二コ 1 3 l I i一一一三一一寸 弓 , , < ー 1 0 2‑ 1 0 0 9 8 94‑ 92‑ 90‑ 蝿 日 由 樹 1 0 4‑ 1 0 2‑ 1 0 0 98‑ ~!>94‑ 9 2 9 0ー I • o y ,.) y r • 1 2 I • 24 t 36 l' 1 0 1 2 ・214 ・ ,0 • 1, ・ ,2‑1 • 3, 白 I • 1 • I 36 2 6 0 1 2 24 36 、 'PredFormulav ‑ Lowcr95 Mcanv l ' I ' I 邑 !' I ' 1 • 0 1 2 24 36 0 1 2 24 、 Upper95 Meany 図 4 包装・ロット別に同じ傾きを持つ直線と 95%信頼区間の表示 100 9 B 〉ー 96 q f 9 4 1 5 10 20 図 5 包装 P 1・ロット 1の規格下限値の設定 25 1 36 1i 1i qd

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ット 1の包装 Pl の場合を拡大したものであり,点線で示した規格下限値を超えるのは, 20ヶ月 目であり, 19ヶ月目では規格下限値以上であることが読みとれる. 表 6 は,回帰分析の外挿の機能を用いて計算した 95%信頼区間の計算結果の規格下限に入る月 数から拾い出した結果である. 表 6 複数含量,複数包装形態の製剤の推定有効期限 ロット 包装 含量 P1 S l S2 Sl S2 P2 1 9 1 9 3 20 30 2 3 2 3 7 4 5 6 7フ 29 22 2 8 28 27 スパース・サンプリング 中間のデータを 3分の 2省略したスパース・サンプリングの例を表 7 に示す.これは,各包 装と含量の組み合わせた 3 ロットに 3,6,9ヶ月自のデータが必ず含まれるように,かつ,含量 違いの同一ロットでは,時期が重ならないようにサンフリングを計画した結果である. 表 7 スパース化した複数含量,複数包装形態の製剤の安定性試験のデータ例 包装含量 P1 Sl ロット 1 フ S2 P2 Sl 3 4 5 6 1 フ S2 3 4 5 6 測定時期(月) 。 3 1 2 6 9 1 0 0 . 1 6 9 9 . 1 5 9 8 . 1 7 9 9 . 2 4 9 9 . 5 0 9 7 . 3 7 9 9. 49 9 6 . 0 1 9 8 . 9 5 9 . 1 9 9 9 . 0 7 9 9 6 . 7 6 .2 1 1 01 1 0 0 . 1 8 9 9 . 0 2 1 0 0 . 2 4 9 9 . 2 0 9 7 . 8 5 1 0 0 . 3 3 1 01 .4 9 9 8 . 9 3 98. 53 9 7 . 6 2 9 7 . 6 1 0 0 . 1 9 9 9 . 5 0 1 1 0 0 . 3 0 1 0 0 . 9 8 1 0 0 . 1 8 9 9 . 6 9 1 0 2 . 1 6 .0 9 9 8 . 5 2 1 01 1 0 0 . 1 4 1 0 0 . 5 5 9 9 . 2 0 図 6 は,フル・サンプリングの場合と同じ手順で,延べ 12ロットに対して,切片が異なるが傾 きは共通の回帰直線をあてはめた結果と,その 95%信頼区間を上書きしたものである. 3 ロット 目の包装が P2の場合に直線のあてはめの妥当性が疑われるような結果となっていが,他の場合は おおむね妥当と思われるので,全体としては直線のあてはめが支持されるであろう. 規格下限値内の有効期限を求めた結果を表 8 に示す.この推定値を用いて含量と包装の違い が有効期限に及ぼす影響を解析することがきる.包装の違いによる有効期限は P2が P1 に比べて 6 ロットの平均で約 5.2ヶ月長くなっている.含量は, 52が 51に対して 3 ロットの平均で 3 . 5か ら4 . 7ヶ月長くなっている.以上の解析は, JMPにより逐次的に行ったので,付録 B に 5A5によ ム 41 ム 41 d4

119.

るプログラムと結果を示し結果が一致することを検証した. ロyト 亡二二工二二コ 仁二二工二二コ 亡二二王二二コ 亡二二王二二コ 仁二二王二二コ 1 0 4‑ 1 0 2‑ 1 0 0 o :1 > ‑ 98‑ コ て ー 9 6‑ 94‑ 92‑ 捕 早 ]」〕 「 一 一 ‑ , r . 5 叩 熊 104‑ 102‑ 1 0 0‑ 立1 > ‑ 98 " M 9 6 94 92‑ 90‑ 。 1 ' ! I r' 1 1 2 24 3 6 y 0 y 1 o ・1I2 ' 2I4 " 36 PredFormu!ay !'" 0 1 2 I '1 24 36 Lower95%Meany l' 1 0 1 2 ・214 ' 316 0 ・112 ' 214 ' 316 l' 1 t I ' r 0 1 2 24 36 Upper95%Meany 図 6 スパース・サンフリングでの直線と 95%信頼区間の表示 表 8 スパースサンプリングデータによる推定有効期限 包装 P1 P2 含量 Sl S2 Sl S2 P 2 ‑ P l ロット 2 1 24 22 3 20 3 1 1 9 29 7 ‑ 3 9 4 コ 6 1 9 30 26 3 1 1 2 34 4 28 2 平均 2 2 . 0 2 5 . 5 2 6 . 3 .0 31 5 . 2 S2Sl 目 3 . 5 4 . 7 含量と包装が有効期限に及ぼす影響についての統計解析 有効期限に含量と包装がどのように影響しているのか解析してみよう.実験デザインは,それ ぞれの含量について異なる 3ロットで製剤化され,その中で 2つの異なる包装がなされている. 含量については,それぞれの包装ごとに,繰り返しが 3の 1元配置型の実験データとなっている. 包装は,同一ロットの中で対となっていて,それぞれのロット内での有効期限の差の平均値が異 なる包装の有効期限の差となる.含量と包装の交互作用の検討をする場合には,分割実験モデル で 1次因子として含量, 1次誤差(変量効果)にロットを置き, 2次因子として包装,交互作用と して含量×包装とする. 分割実験の考え方は,それぞれの含量 S ごとに 3ロット,全体で 6ロットの製造が行われたと 考え,これを 1次単位とする.つぎに 1ロットの中で,包装 Pが異なるデータが得られたと考え るのである.含量と包装の交互作用も含めて 2次単位としてまとめる. 2次誤差は,ロットと包装 1 1 5

120.

について,繰り返しのない 2元配置分散分析の誤差項と同じものとなる.分散分析表を表 1 0に まとめた. 1次誤差は, 2次誤差で F検定の結果1.00であり,ロット問の差はロット内の誤差と 同程度であることがわかる.含量と包装の交互作用の F値は 1以下であった.この手順について, SASのプログラムを付録 C に示した. 表 9 分割実験としての解析のためのデータ構造 1次単位 1次誤差 含量 2次単位 包装 ロット P 1 2 4 2 2 20 1 9 3 0 26 1 2 3 4 5 6 S l S2 P2 3 1 1 9 29 3 1 34 28 表 1 0 分割実験型の分散分析表 S o u r c巴 S DF 1次誤差 (R) P pキS 2次誤差 4 1 4 T 1 1 1次単位 2次単位 Typ巴 1SS 4 0 . 3 3 3 3 . 3 3 6 5 . 3 3 5 . 3 3 3 3 . 3 3 1 7 7 . 6 7 町l S F Pr>F 4 0 . 3 3 8 . 3 3 6 5 . 3 3 5 . 3 3 8 . 3 3 1 .00 7 . 8 4 0 . 6 4 0 . 5 0 0 0 0 . 0 4 8 8 46 8 5 0. これらの有意でない因子をプーリングして表 1 1 に分散分析表を作り直す.これは,ロットを 無視して,含量と包装について,繰り返しが 3の 2元配置分散分析とした解析と同じである.こ の結果,製剤の安定性に包装 pが統計的に有意な影響を与えていることがわかる.含量の p値は, 0.0514とわずかに 0 . 0 5より大きいだけなので,安定性に対する影響が少しあるのかもしれない. 1 1次誤差と交互作用 pXSのプーリング後の分散分析表 表 1 S o u r c e S P E r r o r DF Typ巴 1SS 1 9 T 1 1 4 0 . 3 3 6 5 . 3 3 7 2 .00 1 7 7 . 6 7 打l S F 4 0 . 3 3 6 5 . 3 3 8 . 0 0 5 . 0 4 8 . 1 7 P r>F 0 . 0 5 1 4 0 . 0 1 8 8 4 . 反復投与時の薬物濃度の上昇 反復投与時における血中の薬物濃度の挙動の解析は,医薬品の開発では必須である.表 12 に x薬の 10日間の反復投与直前の薬物濃度トラフ値の推移を示す. 6人の被験者に対して毎日薬物 濃度が測定されている.この試験の目的は, トラフ値が何日目に定常とみなせるのか, トラフ値 が定常とみなせる薬物濃度が,初日のフルスクリーンの薬物濃度から推定される定常値からの車 離がどの程度あるのかを評価することを主な目的にしている. ‑116

121.

表 12 X 薬の反復投与直前の薬物濃度の推移(トラフ値) ID つ 3 4 コ 6 2日 1 6 . 3 1 4 . 7 1 7 . 7 1 6 . 6 1 5 . 6 1 7 . 2 I1日 1 0 . 9 1 0 . 2 . 3 11 1 2 . 6 7 . 6 1 6 . 1 3日 1 4 . 2 1 9 . 1 1 9 . 5 4 2 0. 1 4 . 5 2 2 . 3 4日 1 8 . 2 1 9 . 3 2 3 . 3 21 .0 1 6. 4 2 4 . 0 5日 1 8 . 9 1 8 . 5 1 8 . 5 2 0 . 9 1 6 . 3 2 5 . 0 6日 2 2 . 1 1 7 . 5 1 6 . 1 1 9 . 5 1 7 . 9 2 2 . 0 7日 1 9 . 3 2 5 . 9 21 .8 1 8 . 2 2 0 . 1 2 7 .0 8日 1 8 . 6 2 0 . 0 1 8 . 7 2 0 . 2 1 7 . 2 2 0 . 8 9ト l 1 5 . 6 1 9 . 9 21 .9 2 3 . 3 1 5 . 9 2 6 . 0 1 0日 1 6. 4 21 . 1 1 7 . 7 2 4 . 0 1 7. 4 2 4 . 8 笠井,橋本 (2004) 製剤の安定性試験と同様にスパース・サンプリングを行い,被験者の負担および薬物濃度の測 定コストを下げることが可能であろうか.有意差検定を用いて解析しようとした場合にはデータ が揃っていることが望まれる.トラフの定常値を指数関数 f ( x ) = s j ( l ‑ eんピ)の βlによって推定 する場合,一人ごとに指数関数をあてはめようとすると,推定したいパラメータが 2個なので, 誤差の自由度を最低 5は確保したいとすると, 10回の測定から 3回分を省略できる.さらに測定 ( x )=βj i ( l ‑ e ‑s2iX ) ,I=1, 2 ・ . ,. 6をあてはめで誤差の自由度 回数減らしたい場合には, 6人に同時に f を大きくする必要がある. 25 z f ¥ / : ¥ ぷ ; 二 必 と ; 〉 ; ご み 実i f て 5 20 f L 515 ~ j ;fZ/'-'~; 2 >-.~ 10 10 day 図 7 トラフ値の個体別の推移 1人あたり, 3回分の省略であれば,誤差の自由度は 7x6‑2x6= 30が確保できる.第 1 日目 と 10 日目は 6人全員に, 2 日目から 9 日目を 1 / 2のスパース・サンプリングとしたとした場合で も誤差の自由度は 6x6‑2x6= 24とゆとりがある.薬物濃度の上昇曲線の形状ム t が均一である とみなせれば,誤差の自由度は 6x6‑( 1+6 )= 29となり,更なる測定ポイントの削減が可能である. ただし,反復投与による思わぬ薬物濃度の変化があった場合にそれを把握するために,個体ごと のサンプル数をある程度確保する必要がある. 表 13 に , 2 日目から 9 日目の薬物濃度データについて,被験者 1~3 は 3 日目から隔日に,被 験者 4~6 は 2 日日から隔日とする 1/2 のスパース・サンプリングとした例を示す.これにより, 2 ‑117

122.

日目 ~9 日固まで,毎日 3 人分のデータが得られることになり,トラフ値の思わぬ変化に対する対 応策となる. 3 X薬の反復投与直前の薬物濃度の推移(トラフ値) 表 1 ID ウ 3 4 5 6 l日 2日 1 0 . 9 1 0 . 2 . 3 11 1 2 . 6 7 . 6 1 6 . 1 1 6 . 6 1 5 . 6 1 7 . 2 4日 3日 1 4 . 2 1 9 . 1 1 9 . 5 5日 1 8 . 9 1 8 . 5 1 8 . 5 7日 1 9 . 3 2 5 . 9 21 .8 6日 8日 1 9 . 5 1 7 . 9 2 2 . 0 21 .0 1 6. 4 2 4 . 0 9日 1 5 . 6 1 9 . 9 21 .9 1 0日 1 6. 4 21 . 1 1 7 . 7 2 4 . 0 1 7. 4 2 4 . 8 2 0 . 2 1 7 . 2 2 0 . 8 被験者ごとに最大血中濃度は異なるが,薬物濃度の上昇曲線の形状 β2iが均一であるモデル, f ( x )= β l i( 1‑e‑ s, X ),i= 1 , 2… ,6をあてはめる SASのフログラムを,付録 D に示す.解析は, NLIN プロシジャを用いて,被験者をインディケータ型変数としている.図 8 に推定曲線と曲線の 95% 信頼区間示す.これから,あてはめは適切に行われていることが確認される. L i d ニ1 却 20 。 30 20 20 〉 日 5 10 1 5 。 。 1 0 / 1 0 1 5 G 5 〉 〉 10 。 5 20 20 f 〉 10 I。 1 5 30 30 、 1 0 1 0 30 i d = 6 f 〉 r : l i dニ5 i d = 4 30 20 ぷ3C 5 i d = 3 i d = 2 10 1 5 。 。 10 5 1 0 1 5 。 1 .,',', 。 5 10 1 1 5 図 8 スパース・サンプリングしたトラフ値に対する指数関数のあてはめ インディケータ型変数の係数が,それぞれの被験者の最大血中濃度の推定値んとなるので,そ の 95%信 頼 区 間 を 表 14 に示す.何日日から薬物濃度が定常となるのかのような問いに対して, 被験者ごとの最大血中濃度の 95%信頼区間の範囲内に推定値が入った最初の日のように定義すれ ば,被験者 1では,下限が 15.62であるので,付録 D の出力から 3 日目に 15.93となるので, 3 日 目には定常になったと判定される. 表 14 トラフ値を 6回測定した場合の薬物濃度の上限の推定値 ID 1 0日実浪J I 値 最大血中濃度 推定値 1 2 3 4 5 6 平均 95%下 限 95%上 限 1 6. 4 21 . 1 1 7 . 7 2 4 . 0 1 7. 4 2 4 . 8 2 0 . 2 3 1 6. 45 2 4 . 0 2 1 7 . 3 9 21 . 16 2 0 . 2 8 .3 6 21 1 7. 42 2 3 . 2 5 2 0 . 1 4 1 7 . 7 0 2 2 . 5 9 ‑118 95%下 限 95%上 限 1 5 . 6 2 1 9 . 3 8 1 8 . 5 0 1 9 . 5 0 1 5 . 5 9 21 . 38 1 9 . 1 6 2 2 . 9 4 2 2 . 0 6 2 3 . 2 2 1 9 . 2 6 2 5 . 1 3

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付録 A 効力比の推定のための解析プログラム Dataステップで,表 1の A 薬と B 薬のデータを読み込む drug:薬剤の種類. dos巴:用量 v 各群の分散. y:血中ヘモグロビン値. w:回帰分析用の重みで分散の逆数. log̲x:dos巴の常用対 l と z2はインディケータ変数で. zl: (薬剤が A のとき L それ以外は 0 ) . z2: (薬剤が B 数. z のとき L それ以外は 0 ) とする. NLIN プ ロ シ ジ ャ で , ロ ジ ス テ ィ ッ ク 曲 線 の あ て は め を 行 う . 対 照 群 の 平 均 値 を 上 限 値 beta3=1 5 2 . 9 とし. b e t a 4を下限値. b e t a 1 を曲線の形状(傾き). b e t a 2を曲線の位置(上限値と下 限 値 の 平 均 値 を 横 切 る X 刺!の点)とする. 4パラメータのロジスティック曲線として次式を用 いる. f ( l o g x )=β4+ β1一β4 . ̲ j 斗 1+e x p [ β j( β 2‑ l o g x ) ) ( 1 ) 式 ( 1 ) で,下限をん =0. 上限を β3=1.切片を β。=βlムとすると, 1 0 f(logx)=O+. ,~-~-~, ,,=. ,~~," 1+e x p [一( s l β ュ+βjlogx)) 1+e x p [一( β +βllogx)) 。 ( 2 ) 2値データに対するロジスティック回帰の式となる.計量値に対するロジスティック曲線のあては めなので,上限と下限が推定したいパラメータとして加わっている.切片 β。を用いない式を使う のは. 50%致死量のように,ある反応となる投与量を直接推定したいためである. 1 )に 効力比を推定するために式 ( β3一β f ( l o gρ+l o g x )=β 4 + 4 ( 3 ) 1+e x p [ β j(β2一( l o gρ+l o g x ) ) を考える.薬剤 A の場合は式 ( 3 ).薬剤UB の場合は式 ( 1 ) を同時に満たす式とするためにイン ディケータ変数 zlを使うことにより, β3一β f ( l o gρ・Z l+l o g x )=β 4 + 4 ( 4 ) 1+e x p [ β 1(β2一( l o gρ.Z l+l o g x ) ) 位置 l o gρだけシフトしたロジスティック曲線を推定することができる.プログラムでは log̲x と l o g ̲ r h oを用いているので,効力比を求めるために a n t i l o gの計算を別途データステップで行ってい る.もちろん,すべて計算過程をプログラミング化することはできるが,見通しを良くするため に,計算結果を再入力している. T it l e' p B O o k ̲ H g ̲ n li n .s a s 2 0 0 5 ‑ 4 ‑ 2 8 Y .T a k a h a s h i. d a t a hemoglobin i n p u t drug $ dose v @@ l o g ̲ x=l o g l O ( d o s e ) w =l / v z1ニ ( d r u g = 'A ') z 2 ( d r u g = 'B ') d o i=1 t0 1 0 l n p u t y自 由 o ut p ut 二 ハ斗U 1 ょ 1 ょ

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e n d d a t a li n e s A 5 1 4 .7 7 1 5 2 1 5 1 1 5 7 1 4 7 1 5 5 1 5 8 1 5 2 1 5 2 1 5 1 1 4 6 A 1 0 3 7 .1 2 1 5 3 1 4 6 1 3 8 1 5 2 1 4 0 1 4 6 1 5 6 1 4 7 1 4 2 1 5 3 5 . 5 1 1 3 7 1 3 9 1 4 1 1 4 1 1 4 3 1 3 3 1 4 7 1 4 4 1 5 1 1 A 2 0 4 5 6 A 4 0 1 5 2 . 0 0 1 5 2 1 1 6 1 2 4 1 4 3 1 3 9 1 4 1 1 5 4 1 3 9 1 4 6 8 . 1 8 1 4 7 1 3 6 1 4 7 1 5 2 1 4 2 1 B 2 0 2 4 6 1 5 5 1 5 0 1 5 0 1 4 7 5 2 1 5 5 1 3 7 1 2 5 1 B 3 0 8 5 . 0 0 1 5 0 1 4 6 1 4 9 1 4 4 1 5 0 5 9 .3 6 1 5 1 1 5 7 1 4 0 1 4 3 1 1 4 1 4 6 1 4 4 1 4 3 B 4 0 1 p r o cp r i n td a t a = h e m o g l o b i n r u n VA ) p r o cp r i n t d a t a = r h o r u n データセット hemoglobin 2 3 4 5 6 7 B 9 1 0 d r u g A A A A A A A A A A d o s e 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 1 4 . 7 7 l o g ̲ x 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 6 9 8 9 7 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 0 . 0 6 7 7 0 5 6 9 7 0 B B 4 0 4 0 1 5 9 .3 6 1 5 9 . 3 6 1 . 6 0 2 0 6 1 . 6 0 2 0 6 0 . 0 0 6 2 7 5 0 . 0 0 6 2 7 5 P a r a m e t e r E s t i m a t e A p p r o x S t dE r r o r b e t a 1 b e t a 2 b e t a 4 l o g ̲ r h o ‑ 6 . 0 7 4 6 1 .3 4 8 5 1 4 0 . 2 0 . 2 7 9 3 O B S V W z1 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 z 2 。 。 y 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 5 8 1 5 2 1 5 2 1 5 2 1 5 1 1 5 1 1 5 7 1 4 7 1 5 5 1 4 6 9 1 0 1 4 4 1 4 3 回帰係数の出力 3 . 6 8 8 0 o .1512 4 . 5 5 9 5 O .1 1 9 1 効力比の出力 O B S r h o 1 . 9 0 2 3 9 r h oL 9 5 1 .0 9 9 5 1 r h oU 9 5 3 . 2 9 1 5 5 A p p r o x i m a t e9 5 %C o n f i d e n c e Li mi t s 1 3 . 4 4 6 8 1 . 0 4 6 4 .1 1 31 0 . 0 4 1 2 1 .2 9 7 6 1 . 6 5 0 7 1 4 9 . 4 0 . 5 1 7 4 ) ) ) nu σb l qb '+ι ψ 命白 l VA nU LH nu σ b qG ηノu ρし 'h川u l ( n J ;l 内 占品白 l nU d ハ川U ︑ ρし ︐ ‑( 'hue‑ VAρし ' h u 一 o b〆l nunυ 11X υ 円︿ n H V F + ι ・ 41 A斗 必 l( l Aせ//︐ a) ρし いU 一 ρし 門 d 'hU6L l EJ nノuρ し ︽ ‑ qυ ‑PAqd ; l (a b T 刈 ρし nu'hu'+t nu‑qd Lnue4ia ‑ I lσ t b11E m u . ︐φ l = ρし n吋U ρ し O'a'hu 一E し hu‑whuy =qL し 6Il‑‑ivA aFU 二 5 a 門 Au=IS6l し 319ueTt pし thuρ nnJE m‑ ‑.. dρ 1i61・ FAλunu n E1wρp a ou m r b 一 TA U ハ D ‑ d a t ar h o r h o =1 0 * *(0 . 2 7 9 3 ) r h o ̲ L 9 5 =1 0 * *(0 . 0 4 1 2 ) r h oU 9 5 =1 0 * * (0 . 5 1 7 4 ) b Ti n u ワ

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付録 B 安定性試験データの解析プログラムと結果 D a t aテップで,表 5 の形式のデータを P:包装, S:含量, R ロット, P R:包装とロットの 組合せ x 測定時期, s p a c 巴 :( 1 :測定, 0:欠測とみなす), y:フル・サンプリング, y2:スパ ース・サンプリング,とする.包装とロットの組合せごとに, xを 1 3ヶ月白から 1ヶ月刻みで 36 ヶ月目まで、動かし, yと y 2を欠測値として追加する. GLMプロシジャで,包装とロットの 1 2通りの組合せに対して,共通の傾きを持つ直線を切片 2通りの切片を回帰係数として直接推定でき なしのモデルであてはめる.切片なしのモデルは, 1 るからである.回帰の予測値を p r e dとし,回帰直線の 95%信頼区間 L95Mと U95Mとして o u t 0 1 に出力する.包装 P1のロット 1の L95Mを見ると 1 7行日から 1 8行目で,規格下限値 95%を越 えている. 回帰直線の 95%信頼区間 L95Mが,規格下限の 95%を越える時期 xを探索し, l a g関数でその 5として取り出す.これが,表 8 で示した結果と一致する.そのときの予測 直前の時期 x を x 9 巴d ̲95,規格下限値を L 9 5,規格上限値を U 9 5として合わせて keepしている 値を p r シジャの出力で, x 9 5が , 24,22,…, 28が規格下限を満たす月数である. T il l e' l P M AT 41 3 .s a s 2 0 0 5 ‑ 5 ‑ 2 0 Y . T a k a h a s h i ' d a l a s t a b i l i t y @ i n p u t P$ S$ R PR$ @ d o x =0 ,3 ,6 ,9 ,1 2 官 ; I n p u t ys p a c e官 y 2 =y i fs p a c e = Ot h e ny 2 = . o u t p u t e n d d o x= 1 31 03 6b yI y= y 2 = . O U l p u l e n d /ヰ包装含量ロット 1 2ヰ / 3 d a t a li n e s P I S P 11 1 0 0 .1 61 9 6 . 7 00 9 7 . 4 80 9 8 .1 71 I 9 .1 51 9 P 1 S P 12 9 9 .2 41 9 7 . 7 70 9 9 . 5 0 1 97.500 97.371 I 13 9 9 . 4 91 9 9 . 6 70 9 8 . 0 50 9 6 . 0 11 9 8 . 9 51 P 1 S I 3 P 14 9 9 .0 7 1 99.191101 P 1 S 2 4 P .18098.82096.761 .2 1 11 0 0 . 8 5 01 0 0 . 1 8 I1 0 0 . 1 40 9 9 . 0 21 01 P 1 S 2 5 P 15 1 P I S 2 6 P 16 1 0 0 . 2 4 I 98.650 99.010 99.201 9 7 . 8 51 .4 91 9 01 9 . 1 70 9 8 . 9 31 P 2 S I P 2 1 100.331102.370 1 P 2 S I 2 P 22 9 8 . 5 3 I1 01 .4 0 01 0 0 . 2 30 9 7 . 6 21 9 7 . 6 1I 9 . 5 0 11 0 0 . 1 91 9 P 2 S I 3 P 23 9 9 . 3 10 9 6 . 3 8 01 0 0 . 3 01 P 2 S 2 4 P 24 1 0 0 . 9 8I 9 9 . 9 4 01 0 0 . 1 8I 9 9 . 6 80 9 9 . 6 9I 25 1 0 2 .1 6I 9 P 2 S 2 5 P 9 . 6 80 9 8 . 9 0 01 01 .0 9I 9 8 .5 21 P 2 S 2 6 P 26 1 0 0 . 1 4 I1 0 0 . 5 51 9 8 . 7 0 01 0 0 . 7 40 9 9 . 2 01 。 p r o cp r i n td a t a = s l a b il i t y r u n p r o cg l md a l a = s l a b i li t y c l a s s PR 皿o d e l y 2 PRx/ n o i n ts o l u l i o n o u t p u to u t = o u t O Ip = p r e d L 9 5 M = L 9 5 M E 9 5 M = U 9 5 M r u n ニ p r i n tプロ EA 噌 1ょ ワμ

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p r o cp r i n td a t a = o u t O l r u n ﹁ ︑ノ . ︐ . ︐ υ ﹁ ︑ n u d υ 叫 +lHU ︐ . HU nu・ Y﹄u 61 も﹁︑ Hunυ o 一 n u ρ u t h u r h υ φ1 n叫 υ ︑1ノ司パU ¥P 〆 ﹁ ︑ υρ し nudrA hυ hυ ﹁ ﹁ nudnud )H川 ν n JL 一 〆t︑︑VA )))I A U H川 UMσb ρし ﹁ ﹁U ﹁︑υndnu品 ︐ . r qdqd1l 一 VAD‑‑uHUP 〆 K〆 K〆 K〆 KAU 一 一 一 一 ‑ / ︑ ︑︑ ;1i'l1A1in σbuouoσbndnn D; a1a1a 9 1a 15 内 一 LP r 一 一 一 fie svAD‑‑unulbA E 問川凶 ρし nudnυ etTi‑‑‑ dハυ H 問 ・﹁︑ υr ︑ unvA &11 ;iHunudnud u tLnu 7﹄ srbAU ﹁ D R U〆 吋 n H d ρ し ρし elnHdρ しnd 内 内 d d ・ パU ‑ p r o cp r i n t data=estimate95 r u n データセット stabiIit y 円 ︑ 円 ︑ 円 ︑ s p a c e o o y 2 1 0 0 .1 6 9 9 .1 5 9 8 .1 7 ﹃ P 26 P 26 Y 1 0 0 .1 6 9 9 .1 5 9 6 . 7 0 9 7 . 4 8 9 8 .1 7 111 6 6 PR P 11 P 11 P 11 P 11 P 11 P 11 P 11 ︽n hunwdnノ ﹄ 4 内J v a u V ‑ n n u u 内u nkTt'l'11he‑‑Tla 唱l 5 2 5 2 円 ︑ P 2 P 2 3 4 7 3 4 8 JV 円︑ 7 円 ︑ 6 1JV11JV1JV1JV1JV1JV 3 4 5 円︑リ円︑ 2 1111111 nμIRμIRμIRμIRμIRμIRμIRνE O B 5 3 5 3 6 回帰係数の出力 Parameter PR P 11 PR P 12 P 13 PR PR P 14 P 15 PR PR P 16 P 21 PR P 22 PR P 23 PR PR P 24 P 25 PR P 26 PR X Estimate 99.8313268 99.5089254 99.0898575 99.0113268 100.9422588 1 0 0 . 0 3 6 5 2 4 1 .0 5 5 5 9 2 1 1 01 98.8598575 100.6679934 .0 889254 1 01 1 01 .5 2 9 8 5 7 5 1 0 0 . 6 3 4 6 6 0 1 ‑ 0 .1 3 4 2 6 5 4 5tandard E r r or 0.52100282 o .52964099 0.53967150 0.52100282 0.52964099 0.53967150 o .52964099 0.53967150 0.52100282 O .52964099 0.53967150 0.52100282 0.02872382 回帰の推定値と 95%信頼区間の出力, outOl nuqJEunudntqua4EdRU7anonwd v‑nTt i 噌 'l'11l'l'lTi O B 5 P 5 R PR 1 P 1 5 1 1 P 11 2 P 1 5 1 1 P 11 3 P 1 5 1 1 P 11 4 P 1 5 1 1 P 11 5 P 1 5 1 1 P 11 6 P 1 5 1 1 P 11 7 P 1 5 1 1 P 11 8 P 1 5 1 1 P 11 9 P 1 5 1 1 P 11 1 0 P 1 5 1 1 P 11 1 1 P 1 5 1 1 P 11 1 2 P 1 5 1 1 P 11 y s p a c e 1 0 0 .1 6 1 9 9 .1 5 1 9 6 . 7 0 0 9 7 . 4 8 0 9 8 .1 7 1 y 2 p r e d L 9 5 M U 9 5 M 1 0 0 .1 6 99.8313 9 8 . 7 5 3 6 1 0 0 . 9 0 9 9 9 .1 5 99.4285 98.3857 1 0 0 . 4 7 1 99.0257 9 0 0 . 0 6 3 7 . 9 8 8 0 1 9 . 6 8 6 98.6229 9 7 . 5 6 0 0 9 9 8 .1 7 9 8 . 2 2 0 1 97.1037 9 9 . 3 3 7 9 . 2 2 6 98.0859 9 6 . 9 4 6 0 9 9 7 . 9 5 1 6 96.7857 9 9 .1 1 8 97.8173 96.6230 9 9 . 0 1 2 9 7 . 6 8 3 1 9 6 . 4 5 8 1 9 8 . 9 0 8 97.5488 9 6 . 2 9 1 1 9 8 . 8 0 6 97.4146 9 6 .1 2 2 3 9 8 . 7 0 7 97.2803 9 5 . 9 5 1 6 9 8 . 6 0 9 4EA ワω ワω

127.

P 11 P11 P 11 P 11 P 11 P 11 nu1ιη正 司 uan﹃E︐ u nノL nノL nノL nノzhnノzhnノ h z 1u1 1111 n¥un¥un¥un¥un¥u ︑ 肉 1nμ1 1111 lnμlnμlnμlnμlnμl 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 2 S 2 6 P 3 4 7 P 26 3 5 2 S 2 6 P 3 4 8 P 26 3 6 S l p r e d9 5 9 6 . 6 0 9 0 9 6 . 5 5 5 1 9 6 . 4 0 4 6 9 6 . 4 6 0 3 9 6 . 9 1 4 3 9 6 . 5 4 5 6 9 6 . 8 9 3 4 9 6 . 3 0 8 8 9 6 . 7 7 4 3 96.9267 9 6 . 9 6 4 8 9 6 . 8 7 5 2 寸 S l S 2 S 2 S 2 V︽ S l S 2 S 2 S 2 S1 PR P 11 P1 2 P 13 P 14 P 15 P 16 P 21 P 22 P 23 P 24 P 25 P 26 Fhdaa‑nノzhnuunwJvnuuphU 唱llnMdnMd 司lsa nMU n 3 n t n t n t 1 s﹃u n t ﹃U 1 l n t ﹃u ﹃u n t S l URu‑‑ntqdan﹃ FKJRυ 1intqdan﹃E︐ 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 5 S l nMU P P 1 P 1 P 1 P 1 P 1 P 1 P 2 P 2 P 2 P 2 P 2 P 2 9 8 . 5 1 3 9 8 . 4 1 8 9 8 . 3 2 4 9 8 . 2 3 2 9 8 .1 4 1 9 8 . 0 5 1 95.935 9 3 . 8 7 3 6 9 5 . 8 0 1 93.6877 9 7 . 9 9 7 9 7 . 9 1 4 estimate95 規格下限が 9 5 %を保持する時期の推定 O B S 97.1460 9 5 . 7 7 9 4 97.0118 95.6056 96.8775 95.4305 96.7432 9 5 . 2 5 4 2 96.6090 95.0767 96.4747 9 4 . 8 9 8 1 L9 5 95.0767 95.1490 9 5 .1 1 2 3 9 5 .1 3 1 6 9 5 .1 5 1 6 95.0133 95.0823 9 5 . 0 5 1 1 95.0116 95.1156 9 5 . 0 5 5 1 9 5 .1 6 0 3 U9 5 9 8 .1 4 1 3 9 7 . 9 6 1 2 9 7 . 6 9 6 8 9 7 . 7 8 9 0 9 8 . 6 7 7 0 9 8 . 0 7 7 9 9 8 .7 0 4 5 9 7 . 5 6 6 5 9 8 . 5 3 7 0 9 8 . 7 3 7 8 9 8 . 8 7 4 6 9 8 .5 9 0 2 付録 C 含量と包装が安定性に与える影響,解析プログラムと結果 見通しを浴するために, D a t aステッフで,表 9 のデータ再度を s p a c e 9 5として読み込んでいる. P:包装, S :含量, R: ロット, x 95:規格下限の保障期間として入力する. GLMによる分割実験の解析を行っている. Mod巴lステートメントで,逐次型の平方和 (Typ巴 1 ) の計算オプションの s s lを指定している. Randomステートメントで 1次誤差項の R を指定し,分 散の期待値の構造の出力を要求している. T e s tステートメントで, 1次単位の含量について分散の 期待値の構造に従った,追加の検定を要求している. 2つ目の GLMプロシジャは, 2元配置の交 互作用のない主効果のみの解析を行っている. T i t l e' s t a b ̲ s p ̲ e s t .s a s Y .T a k a h a s h i ︿ nrfuQFfMqrfuqrfu ︿ ワ ハH V Q L nυ t ︑ q υnhunυnhU n r f u ﹁ h d nノ 旬 ﹁ ﹁U P l S1 11 9 P l S 2 42 2 I 13 0 P 2 S P 2 S 2 42 8 川 n︿ n吋u nJ υ O八U TtaQFfMqrfun/d d a t a s p a c e 9 5 i n p u t P$ S$@@ d oi = 1 t0 3 i n p ut R x ̲ 9 5自 由 o u t p u t e n d d a t a li n e s 2005‑5‑23 p r o cp r i n td a t a = s p a c e 9 5 r u n p r o cg l m d a t a = s p a c e 9 5 c l a s s PSR s1 m o d e l x95=S R P S本P/ s 内 ペU 4tム ワμ

128.

r a n d o m R h = S e = R t e s t r u n p r o cg l m d a t a = s p a c e 9 5 c l a s s PS m o d e l x9 5 =S P I s m e a n s S P/ s t d e r r ; r u n データセット space95 8 9 1 0 1 1 1 2 nk1a?ι﹄qJ 凋U﹃rapD1l?ι﹄qJ 凋U﹃rapD 4 5 6 7 ‑唱l?﹄qJ1a?﹄qJ'iqLqJTl?﹄qJ 2 3 'l1a'!?﹄?﹄?﹄唱111句!?﹄?﹄?﹄ 炉︑un︑un︑un︑un︑JM戸︑JM戸︑JM炉︑un︑un︑un︑JM炉︑un︑u 13 B 喝 IT‑‑l句Ea‑‑?﹄?﹄?﹄?﹄?﹄?﹄ papapapapapapapaDID‑DIpaDI OBS x9 5 1 9 1 9 2 0 2 2 2 9 2 2 3 0 2 3 2 3 2 8 2 8 2 7 G L Lプロシジャを用いた分劃実験データとしての解析結果 T h eG L MP r o c e d u r e D e p e n d e n lV a r i a b l e : x9 5 ﹄ S o u r c e S R P P本S P r >F O .1 9 9 4 T y p e IS S 4 0 . 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 . 3 3 3 3 3 3 3 3 6 5 . 3 3 3 3 3 3 3 3 5 . 3 3 3 3 3 3 3 3 M e a nS q u a r e 4 0 . 3 3 3 3 3 3 3 3 8 . 3 3 3 3 3 3 3 3 6 5 . 3 3 3 3 3 3 3 3 5 . 3 3 3 3 3 3 3 3 FV a l u e 4 . 8 4 1 .0 0 7 . 8 4 0 . 6 4 P r F 0 . 0 9 2 7 0 . 5 0 0 0 0 . 0 4 8 8 0 . 4 6 8 5 > J 戸 ︑ J U ︐ u n v t OM 2 UハH︑ W ﹁︑ ( 炉 川 U 炉 ︑ J V 川 阿 川 RM 山 内 M山 戸 ︑ m ・ V E F﹄l 内 内 内 vEncau 川 n C U MU TIl‑‑ ︒aau vtHu n u F ﹄ ト r 守 守 nHed a r 3 aqd 川 阿 川 崎4d 川 ed U 4 内 J M 2 U H 内 河内 4 J M 内 J M 炉 ︑ J V4 n M川 崎 4 J M 1 r a‑ nuncnu 炉 ︑ J V slHM 凋斗 し 凋 炉 ︑ J V4 内 J M ρM 4 内 J M nvIlqJ 4 内 J M U V J TleqJ n H V4 内 J M 内ヒ u v J 内︽u n H σ b n H M TI‑ ‑h Ho F 供与 U 日 FE ド l'l ︑ u m ))) a ( (本JV) ‑‑eoqJ 巴 ﹁ ﹁ nrpa M aa' ・ 本 E?﹄?﹄口︑ハuq UVHvnγnγ d( ( ρu F ﹁﹁﹁﹁ F n M ・ ︑ ︐ J︑︐ J︑︐ J︑︐ J F ﹁炉﹄nunununu ︑ ︑・*‑ FV a l u e 2 . 4 7 q+ M e a nS q u a r e 2 0 . 6 1 9 0 4 7 6 8 . 3 3 3 3 3 3 3 t++++ C S u mo f S q u a r e s 1 4 4 . 3 3 3 3 3 3 3 3 3 . 3 3 3 3 3 3 3 7 7 .6 6 6 6 6 6 7 1 X ﹁﹁﹁﹁ 内 内ヒ 供与 n c t n H t n u uy μ n Hn n u f d 供与 ρu ︑ 向 Tl t S o u r c e F nM‑FIF‑‑VEV﹄ VJ aqaqaqa TEEMu‑Hu‑Hu‑Hu‑ S o u r c e S R P P本S s i ﹁﹁﹁﹁ ト﹄ ト﹄ ト﹄ ト﹄ T 411a 巴 ( ((( F 741 F nυ11 n H M S o u r c e M o d e l Err or C o r r e c l e dT o l a l P r >F 0 . 0 9 2 7 付録 D スパース・サンプリングしたトラフ値 Dataス テ ッ プ で 表 1 2 のデータを読んでいる. スパース・サンプリングの表 1 3は , mlssmg 変数が 0の場合に, y2が欠測値となるようにしている. C l a s sステートメントがない NLINプロシ ジャを解析に用いるので, インディケータ変数 z , l z 2, . . , z 6を Dataステップで生成している. 変数 xについて, 0,0 . 5, 1 2, 1 4, 1 6を追加している. これは, 予測値, その 95%信頼区間の図 を JMPで締麗に作成するための準備である. ‑124

129.

ユ NLINプロシジャでは , f(x)=β l i( 1̲e ‑β"),I=l . . . 6をプログラム化している .βliは , b1̲ , 1 b1=b11*zl+・・・+b 1 6*z6 とおいて, model , . b1 6とし,インディケータ変数を用いて ステートメントで y2=b1*(1 ‑e x p (七2 * x )) とすることで,すべてのパラメータを同時推定して . 8 2 6,最大薬物濃度は, いる.曲線の形状パラメータはム=0 sll =17.39,… , sl6=23.25と推定 結果が得られる.被験者 1についての予測値の出力から 16日日で,最大薬物濃度に達しているこ とが確認できる. T i t ! e' T r o u g h 0 2 . s a s 2 0 0 5 ‑ 5 ‑ 1 6 Y .T a k a h a s h i ' d a t a t r o u g h i n p u t i d @@ z l =( i d = I ) ; z 2 =( i d = 2 ) ; z 3 =( id = 3 ) ; z 4 = ( i d = 4 ) ; z 5 = ( i d = 5 ) ; z 6 = ( i d = 6 ) ; o1 0 d o x= 1t l n p u t y皿i s s i n g官 官 ; y 2 =y i f凹 i s s i n g = Ot h e ny 2 = . o u t p u t e n d yニ m i s s i n g = . y 2 = . d o x=0, o .5, 12 t0 16 by 2 o u t p u t e n d d a t a !i n e s 1 1 0 . 9 11 6 . 301 4 . 2 11 8 . 2 01 8 . 9 12 2 .10 1 9 . 3 11 8 . 6 01 5 . 6 11 6 . 41 2 10.2114.7019.1119.3018.5117.5025.9120.0019.9121 .11 3 1 1 .311 7 .70 1 9 .512 3 .30 1 8 . 5 11 6 .1021 .8 11 8 .7021 .911 7 .7 1 .0 120.90 1 9 . 5 118.20 20.2123.30 2 4 . 01 4 12.6116.6120.40 21 5 7.6115.6114.5016.4116.3017.9120.1017.2115.9017.41 6 16.1117.2122.3024.0125.0022.0127.0020.8126.0024.81 p r o cs o r td a t a = t r o u g h b y i d x r u n p r o cp r i n td a t a = t r o u g h r u n ‑ eみ‑ . nHun︐ hu ︐L η b n nhunhU 一一 lT LULU ll ‑ ‑ u 日 ︑ ︑ 一 A‑ 川 n司u nHUU 川 川 qノU F υF υ η b n 叫d ﹁ 吋 U+ 千円 UU 一巳υ= U川 11 Lnu‑‑Fhd ' h u n同 d のf白 nul? 斗 一 7L IL バ ρし 1i= 'hu‑‑'HM 戸︑ U 1 + l n同 d υ ︿ 占る白 nυ t t ︑ ー ハU bH 川 川 ヮ rD 一玄白 A斗 '}AA ' U f白 n H U ︒ n︿υ n 白 一 Z VA1u ノ ︑ aρu 2 一 ノ ︑ 率 ・ r TIl‑ ー ' h u n ︿υ qノ 臼 〆 f白 1i'hunur nULU‑‑‑ + I 2 ‑xq Lr Ep ゐ tlz ノ nHU'l ' 1 A f¥nHU ‑ D 宇一 .︐︒ 1l 11 .︐一 〆 一 ・ IL 'huqu h u f L g キ U UT‑‑To ︐﹄ A =・率ι== 2upa ei 1lu ‑‑ nυ 1i‑ r1hqLlALUAu 'L'hu'hUηL1刊U ρし n田 lr 2 u 一 a e‑‑v dD Au‑‑‑LU ρし la=EP 14TAAu‑‑nu n u n d ' ﹄Anununu n ν ‑ h u m山 内 U V A nu r p p r o cp r i n td a t ao u t O l 2 p r e d L 9 5 M U 9 5 M v a r i d xy r u n 三 データセット trough O B S 2 3 i d z l y y 2 m I s s l n g z 3 z 4 z 5 z 6 x 。 。 。 。 。 0 . 0 。 。。 。。 。。 。。 。 0.50 10.9 1 0 . 9 z 2 1 . 1 2 5

130.

2 4 . 8 円u'tanu‑﹄nu‑‑円u1ETi nHURHUnHU U 内U nu 川 nu 川 nu 川n HU 内U U 内U U 内U U 内U U 1 0 . 0 1 2 . 0 1 4 . 0 1 6 . 0 1111 ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ nLquan﹃ FhupD7aoDqdnuntan﹃ Ru nHunU 川 内U nu 川 nu 川 nu 川 nU 川 U 内U U 内U U 内U U 内U U 内U U 内川 υ 内U 川 U 内U U 内U HU U 川 u 川n HU u 川n 内U U 内 Unu 川 nU 川 nHunU 内 unu 内 unu υ U 内U U 内U U 内U 内川 川 nu 川 nu 川 nU 川 nu nHunU 川 内 Unu 川 nu 川 nu 川 nU 川 U 内U U 内U U 内U U 内U U 内U U 川 υ 内u 川 nu 川 nU 川 RHUnHUnU U 内U U 内U U 内U U 内U U 内U 内川 川 nu 川 nu 川 nU 川 nu phuphuphunhU 川 nu 川 nu 川 nU 川 nu ︐寸 HUnHU U υ 内u 川n HU U 川R 内U U 内 UnU 川 内U U 内U u 内 unU 内川 ︐ マ u‑han/﹄ 司 ︽JMa F h d・ マ ︐ anxunudnuu a Fhdphu anxunudn川 E 唱' 'E .Eat‑ E 噌 znMυnMυnxunud 噌E E 寸 1 6 . 3 1 4 . 2 1 8 . 2 1 8 .9 2 2 .1 1 9 . 3 1 8 . 6 1 5 . 6 1 6 . 4 1 4 . 2 1 8 . 9 1 9 . 3 1 5 . 6 1 6 . 4 2 4 . 8 回帰係数の出力 Parameter b1 1 b1 2 b13 b14 b1 5 b16 b 2 Estimate 1 7 . 3 9 0 0 .1 5 8 4 21 2 0 .2 7 8 2 .3 6 4 1 21 1 7 . 4 2 3 0 2 3 . 2 5 4 2 0 . 8 2 6 0 A p p r o x S t dE r r o r 0 . 8 6 4 0 0 . 8 7 1 4 0 . 8 6 9 6 0 . 9 0 9 8 0 . 8 9 6 2 0 . 9 1 7 2 0 . 0 8 2 1 Approximate 9 5 % Confidence mit s Li 1 5 . 6 2 2 9 1 9 .1 5 7 1 1 9 . 3 7 6 2 2 2 . 9 4 0 6 1 8 . 4 9 9 8 2 2 . 0 5 6 6 1 9 . 5 0 3 3 2 3 . 2 2 4 9 1 5 . 5 8 9 9 1 9 . 2 5 6 0 .3 7 8 3 21 2 5 .1 3 0 1 0 . 6 5 8 1 0 . 9 9 4 0 予測値と 9 5 %の信頼区間 VA U 内U Fhdnu 川 nu 川 nU 川 U 内U U 内U nu 川 nU 川R HUnHUnu 川n HU U 内 UnU 川 ﹃ ﹃ 1111 1 1 l 守l 咽 ハUnu‑‑nLquau FhupD7anon3nunLau Ru ・ AU 守i 毛l t・ 唱l ' I T ‑ ‑ l 喝1 句i ' l 唱l 唱l ﹄ phuphunhunhU d 1 1 ? quAUマFbpD7aQυqdnu‑‑?:JAUマFU‑‑7aQυqdnu i 司1 4 l 旬l ' 1 1 l o D O D o o q d 司 nD ︑ 円n U y 2 p r e d 5 . 8 8 4 0 9 . 7 7 7 1 1 4 . 0 5 7 2 1 5 . 9 3 1 0 1 6 . 7 5 1 3 1 7 .1 1 0 4 1 7 . 2 6 7 6 1 7 . 3 3 6 4 1 7 . 3 6 6 5 1 7 . 3 7 9 7 1 7 . 3 8 5 5 1 7 . 3 8 9 1 1 7 . 3 8 9 8 1 7 . 3 9 0 0 L 9 5 M 0 . 0 0 0 0 4 . 8 4 8 5 8 . 3 1 3 9 1 2 . 4 1 7 5 1 4 . 2 8 4 5 1 5 . 0 7 6 3 1 5 . 4 0 0 5 1 5 . 5 3 2 0 1 5 . 5 8 5 6 1 5 . 6 0 7 5 1 5 .6 1 6 5 1 5 . 6 2 0 3 1 5 . 6 2 2 4 1 5 . 6 2 2 8 1 5 . 6 2 2 9 U 9 5 M 0 . 0 0 0 0 6 . 9 1 9 5 .2 4 0 3 11 1 5 . 6 9 7 0 1 7 . 5 7 7 5 1 8 . 4 2 6 2 1 8 . 8 2 0 3 1 9 . 0 0 3 2 1 9 . 0 8 7 3 1 9 .1 2 5 6 1 9 .1 4 2 9 1 9 .1 5 0 7 1 9 . 1 5 5 8 1 9 .1 5 6 9 1 9 .1 5 7 1 2 3 . 2 4 8 2 2 3 . 2 5 3 0 2 3 . 2 5 4 0 2 3 . 2 5 4 2 .3 7 6 0 21 .3 7 8 0 21 .3 7 8 2 21 21 .3 7 8 3 2 5 .1 2 0 4 2 5 .1 2 8 1 2 5 .1 2 9 7 2 5 .1 3 0 0 ••••••..••.••• 0 . 0 0 0 0 1 0 . 0 1 2 . 0 1 4 . 0 1 6 . 0 1 0 . 9 1 4 . 2 1 8 . 9 1 9 . 3 1 5 . 6 1 6 . 4 2 4 . 8 文献) 吉村功編著 ( 1 9 8 7 ),毒性・薬効データの統計解析,サイエンテイスト社. 2 0 0 5 ),新有効成分含有医薬品の安定性試験データの評価,医薬出版センター. 日本製薬工業協会 ( 2 0 0 4 ),反復投与時の定常状態を判定する方法, 9 9回医薬安全性研究会資料. 笠井,橋本 ( ICH:Q1A( 1 9 9 4 ),安定性試験法ガイドラインについて. ICH:QlD( 2 0 0 2 ),原薬及び製剤の安定性試験へのブラケッティング法及びマトリキシング法の適用について. ICH:Q1E( 2 0 0 3 ),安定性データの評価に関するガイドラインについて. t t p : / / w w w . n i h s . g oj . p / d ig !i c h / q i n d e x . h t m 以上の 3つのガイドライン:h 1よ ρhu nJU

131.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 POWERプロシジャによる症例数設計 0 浜田知久馬* 安藤英一* * 東京理科大学工学部経営工学科 Samples i z ed e s i g nu s i n gpowerp r o c e d u r e ChikumaHamadaandHidekazuAndo TokyoU n i v e r s i t yo fS c i e n c e 1 ‑ 3, Kagurazaka, S h i n j y u k u ‑ k u,Tokyo, 1 6 2 ‑ 8 6 0 1 要旨 症例数設計は現在では第E相臨床試験のみならず,様々な医薬品開発の段階で行われる ようになっている. SASのV.8から PO 羽TERと GLMPO 羽TERプロシジャが加わり,計量 データ, 2値データに関する症例数設計が可能になった.更に V . 9では生存時間に関する症 羽TERと GLMPO 羽TERプロシジャは既存の症例数設計のた 例数設計の機能も加わった .PO めのソフトウエア Nqu 巴 可 , S ampsizeと比べてもその機能は広範で、あり,様々な条件で行 った症例数設計の結果を,直接 SASデータセットに落とすことができるのも大きな利点で 羽TERプロシジャの機能の概要,使用例を ある.本稿ではチュートリアルとしてV.9の PO 示し,特に,後期 E相試験で最大対比法を用いた用量相関性の評価,生物学的同等性試験, 生存時間解析の症例数設計の機能について詳細に解説する. キーワード: 羽TERプロシジャ, GLMPO 羽TERプロシジャ, 症例数設計, PO 最大対比法,生存時間解析 論文概略 SASの V8から POWERと GLMPOWERプロシジャが加わり症例数設計が可能になった.本稿で は,チュートリアルとして POWERプロシジャの機能の概要,使用例を示し,利用方法につ いて詳細に解説する. ワ ム 11 ワー

132.

1.はじめに 症例数設計は現在では第 E相臨床試験のみならず,様々な医薬品開発の段階で行われる ようになっている. SASの V.8から POWERと GLMPOWERプロシジャが加わり,計量データ, 2値データに関する症例数設計が可能になった.更に V.9 では生存時間に関する症例数設 計の機能も加わった. POWERと GLMPOWERプロシジャの機能は,既存の症例数設計のための ソフトウエア Nquery,Sampsiz巴と比べても広範であり山),また様々な条件で、行った症例数 設計の結果を直接 SAS データセットに落とすことができるのも大きな利点である.本稿で はチュートリアルとして V.9の POWERプ口、ンジャの機能の概要,使用例を示し,医薬品の 開発段階でよく用いられる統計手法についての症例数設計について詳細に解説する. 2 . POWERプロシジャの開発コンセプト 最初に有名な物理学者 RichardFeynman(1918‑1988)の言葉を紹介しよう. Scientific knowledge i s a body of s t a t巴 m巴 n t s ofvarying d 巴g r巴 sofu n c巴 rtainty, some mostly unsur , 巴 some nearly sure, none absolutely c e r t a i n . 科学的な知識に絶対的に確実なことはあり得ない.ましてや人を扱う臨床研究において は,不確実な要素が伴うのは必然である. 症例数設計に当たっては,前相の試験結果,海外で行われた臨床試験の結果を参考にし ていくつかの必要条件を定めて,例数を求めることになる. しかしながら過去の臨床試験 と当該の臨床試験で、対象集団やエンドポイントが異なる場合には,必要条件に関する情報 は多くの場合,不確実である. 具体的な問題について考えてみる .2群の並行群試験で正規分布型の計量データについて, t検定を行う場合の症例数設計では,表 lの 4種類の条件を定める必要がある. 表 1: 症例数設計を行う際に必要な条件 α│検定の有意水準(通常は 5%) 日│差を見逃す確率(通常は 20%) SDI 個体聞の標準偏差 予想される 2群聞の平均値の差 企(デルタ)I (生物学的に検出する価値がある差) α,s は適用する検定の精度, SD は研究デザインによって規定される標準偏差,~は比較 したい治療群聞の成績の違いを表す指標である . α については,通常は 0.05(片側検定の場 128‑

133.
[beta]
合は 0.025),ß については 0. 1O ~0.20 が用いられることが多い.このとき 1 群あたりの必
要な症例数は(1)式で与えられる.
2

N=2
{
zα +zβ)2 SD

(
1
)

!
'
:
,
z

ここでおと Zsは,それぞれ標準正規分布の上側 α点と,日点を表している.片側検定を
α =0
.025(片側検定), s 0
.
2
0で行う場合,正規分布の数値表を調べてみると, ZOO""=1
.96,
二

ZOlo=0.84となる.ちなみに両側検定の場合は (
1
)式で α
z を ZaJ2に置き換えればよい.例え

Iが 10のときは
ば
, SDが 20,I

N=2(1
.96+0.84}2x202/
1
02
ニ 6
2.8

切り上げると 1群あたり 63例
, 2群合わせると 126例必要になる.この式は対応のない

t検定を片側有意水準 αで、行ったとき,平均値の差 I
I= 10 が見逃される確率が日になるよ
うに症例数設計を行ったものである.厳密にいうと, t分布を正規分布で近似していること
になるが,通常の第四相の臨床試験のように,全体で数百例以上の症例数になれば,正規
分布で十分精度よく近似できる.

POWERプ口、ンジャによる症例数設計のプログラムは次のようになる.
表 2: POWERプロシジャの t検定の症例数設計のプログラム
proc power,
twosamplemeans test=diff
1
0
meandiff
stddev
=
2
0
alpha
=
0
.0
5
power
=0.8
n
t
o
t
a
l
=
二

表 3: POWERプロシジャの t検定の症例数設計の出力
T
h
eP
O
W
E
RP
r
o
c
e
d
u
r
e
T
w
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‑
s
a
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p
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f
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a
l
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t
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x
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h
a
0
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0
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M
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f
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n
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S
t
a
n
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a
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dD
e
v
i
a
t
i
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n
2
0
N
o
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i
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a
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o
w
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0
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8
N
u
m
b
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ro
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i
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s
2
N
uI
IDi
f
f
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r
e
n
c
e
0
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r
o
u
p1W
e
i
g
h
t
G
r
o
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p2W
e
i
g
h
t
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u
a
l
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P
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o
t
a
l
0
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8
0
1
1
2
8
I
I(
m
e
a
n
d
i
f
f
),SD(stddev), α(alpha), 1
‑s(
p
o
w
e
r
)の各条件を指定し,求めたい総症

nHU

1
ょ

ワ
白

134.

例数 ( n t o t a l )は欠測(.)にしておく. 実行結果は表 3のようになる. 2群を併せた総症例数が 1 2 8例のとき,検出力が 8 0 協を越え ,sエラーが目標とする 0.20 より小さくなることがわかる.この検出力は t分布に基づいて計算しているが, Nが大きい ので前述の正規近似の結果に近くなっている. さて,ここで鎮痛薬の臨床試験でエンドポイントとして痛みを VAS(Visual Analogue Scale) の 0~100rnm で評価したい場合の,症例数設計を想定しよう.小規模な前相の臨床試 験で,ムが 1 0 r n m,SDが 2 0 r n m としづ結果が得られていたとしても,この結果がもう一度再 現できるかは疑問である.対象施設,適格・除外基準,併用禁止薬を変更した場合には効果 の大きさやバラツキの大きさが異なってくる可能性が大きい.このため,通常は結果の不確 実性を考慮して,効果の大きさやノ〈ラツキの大きさを少し動かして,必要な症例数がどの 程度変化するか検討する.P O W E Rプロシジャは様々な条件を変えた場合の必要症例数の検討 0,1 2,SDを 1 8,20, 22の 3段階に変えた合計 3 を簡単に行うことができる.例えば,ムを 8,1 X3 9通りの組み合わせの症例数設計のプログラムは表 4のようになる. 二 : P O W E Rプ口、ンジャの t検定の症例数設計のプログラム 2 表4 proc power, twosamplemeans test=diff 0,1 2 meandiff =8,1 stddev =18, 20,2 2 alpha =0.05 power =0.8 ntotal 表5 : P O W E Rプ口、ンジャの t検定の症例数設計の出力 2 C o m p u t e dNT o t a l t d A c t u a l M e a n S e v I n d e x D i f f D P o w e r 8 1 8 O .8 0 3 2 2 0 0 . 8 0 4 8 3 2 2 0 . 8 0 1 8 4 1 0 1 8 0 . 8 0 1 2 0 0 . 8 0 1 5 1 0 6 2 2 0 . 8 0 0 1 0 7 1 8 O .8 0 8 1 2 2 0 0 . 8 0 4 8 1 2 912 2 2 0 . 8 0 2 N T o t a l 1 6 2 2 0 0 2 4 0 1 0 4 1 2 8 1 5 4 7 4 9 0 1 0 8 結果を表 5に示す .llが 10,SDが 20のときは,総症例数は 128例だったが, l lが 8, SDが 22のときは 240例必要であり, l lと SDの不確実性を考慮するなら, 240例程度を Iと SDの 9通りの組み合わせについて,必要な総症例 確保する方が安全である.ただし I 数を求めたが,現実的には参加施設等の実施上の制約から,総症例数の上限が決まってい ることが多い.このような場合は,総症例数を固定した上で,検出力を評価する必要がある. 総症例数が 200例の場合の各条件の検出力を算出するプログラムは表 6のようになる. ペ ハ ηU υ H 1 ょ

135.

表 6: POWERプ口、ンジャの t検定の検出力のプログラム proc power, twosamplemeans test=diff meandiff 二 8, 1 0,1 2 stddev =18, 2 0, 22 二O .0 5 alpha power 2 0 0 ; r l t o t a l 二 n t o t a lを 2 0 0にし,代わりに powerを欠測にしている. 表7 POWERプ口、ン、ジャの t検定の検出力の出力 Computed Power Mean S t d l n d e x D e v Diff 8 1 8 l 2 8 2 0 3 8 2 2 4 1 0 1 8 5 1 0 2 0 6 1 0 2 2 7 1 2 1 8 8 1 2 2 0 912 2 2 Power 0.878 0.804 O .7 2 5 0.974 0.940 0.892 0.997 0.988 0.970 表 7を見ると, 1 1が 8,SDが 22のときは検出力が 72.5%で 80%を下回るが,他の条件 では 80%以上の検出力を確保できることがわかる.また POWERプロシジャは症例数設計 の結果を容易にグラフ化することが可能である.総症例数を 100~240 例まで変化させたと きの 9通りの条件の検出力をグラフ化するプログラムは表 8のようになる. 表 8: POWERプロシジャの t検定の検出力曲線作成のプログラム procpower, twosamplemeanst e s t = d i f f meandiff =8, 10, 12 stddev =18, 20, 22 alpha =0.05 power = n t o t a l =200; ニ1 00max=240; p l o tmin PLOT文で総症例数の最小( 1 0 0 )と最大白4 0 )を指定する.結果は図 lのようになる.線の種 類で Aの大きさを,シンボルで SDの大きさを区別した 9種類の検出力曲線が示される. 以上示したように, POWER プロシジャの開発コンセプトは, What i fs i t u a t i o n s > > であ る. 日本語訳するのは難しいが「もしこうしづ状況だったらどうすべきか」略して「たら べきか」コンセプトである.心配性の人のためにあれこれいろんな条件で症例数設計を行 うことができる. ﹃ ηU 1i 1ょ

136.
[beta]
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i
z
e

一

也
mn一
O 十 A一
一

V

民一

AM

割一

図 1:

POWERプロシジャの t検定の検出力曲線

3
. POWERプロシジャの概要
POWERプ口、ンジャの構文の一覧を示す.

P
R
O
CP
O
W
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重回帰分析
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L
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一標本平均値の検定
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M
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対応ありの平均値の検定
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W
O
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L
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F
R
E
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p
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o
n
s>
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二標本平均値の検定
T
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M
E
A
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t
i
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s>.
二標本生存時間の検定
T
W
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S
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s>;グラフ作成

240

Ei

唱

ワu

qu

137.

4 . 用量反応試験の最大対比法による症例数設計 一 九 =25 一 すム同一了寸ム一同 k ct=c 一n Z ( 2 ) 土 (Yij ,子2 ) Ci:対比の係数 IC , i 0 二 エ(n‑l) i Y i, ni: i 群の平均値,サンプルサイズ プラセボ,低,中,高用量の 4群で行われた一元配置型の用量反応試験を想定する.第 i 群の j番目のデータを Yijで表し,正規計量型のエンドポイントを想定して用量反応関係を 最大対比法によって解析する.このとき,次の対比係数を持つ 3本の対比を用いて 直線的な用量反応関係一 3 ‑ 1 1 3 中用量で飽和 ‑ 5 ‑ 1 3 3 低用量で飽和 一3 1 1 1 多重性を考慮、した最大対比法を用いた場合の症例数設計を示す.対比の検定統計量は ( 2 )式 で示した Z となる.西山等のプログラムによると,正規近似が可能なほど自由度が大きい 場合の上側 2.5 免の最大対比統計量の棄却限界値は 2 .2 0 3になり 5),Z統計量がこの値を越え ると多重性を考慮して有意となる. 気管支哨息、に対する Cysteiny1‑Leukotrienereceptor antagonist の臨床試験デー夕日 を用いて,症例数設計するのに必要な情報を抽出した.この試験のエンドポイントは起床 時ピークフロー値のベースラインから投薬終了時の変化量であり, 4群の平均値は 2.9 20.6 25.2 20.9 となった.高用量において頭打ち ( d o w n t u r n )現象が観察されている.また, 2 した分散は 47.6 であった. 表 9: 最大対比法の症例数設計のプログラム proc power, onewayanova groupmeans = 2.9 I20.6 I25.2 I20.9,25.2 s i d巴s = 1 stddev =47.6 a1pha =0.013797 ntota1 = power 二 0.8 contrast = ( ‑ 3‑ 1 13 )一 (5‑ 1 33 )( ‑ 3 111 ) ‑133 4群をプール

138.

標準正規分布で 2 .203 を越える確率を 1‑probnorm(2.203)で計算すると, 0.013797 にな る.これを片側有意水準として,各対比を検出力 80弘で有意と判定するのに必要な症例数を 算出するためのプログラムは表 9のようになる. groupmeans で各群の効果の予測値を指定している.高用量で下降しているので,高用量 2 0 .9 )と,中用量の平均値で置き換えた場合 ( 2 5 .2 )の 2通りについて, 3本 の実際の平均値 ( の対比のそれぞれについて,必要な症例数を計算させている. 結果を表 10に示す.直線的な用量反応関係ではないので, ‑3 ‑1 くの症例が必要になる.低用量からほぼ飽和しているので 数が最も少なくてすむ.ただし各群の期待値が 2.9 ている場合よりは, 2.9 20.6 25.2 1 す 20.6 25.2 3の対比だと多 1 1 の対比の症例 20.9と頭打ちが起き 25.2 と中用量で飽和している場合に症例数はよ り少なくてすむ.頭打ちの用量反応パターンについて 3 1 1 1 の対比が 80 弘以上の 確率で有意になるには全体で 304例必要であった.そこで,各群 80例,計 320例の場合の 1に示す.プログラムは表 9を ntota1=320,power=.と変更すればよい. 検出力を表 1 表1 0 : 最大対比法の症例数設計の出力 C o m p u t e d NT o t a l I n d e x ‑ ‑ ‑ C o n t r a s t ‑ 一 一一一一一 ‑ M e a n s一一一一一一 1‑ 3 ‑ 1 .9 2 0 . 6 2 5 . 2 2 0 .9 3 2 2 ‑ 3 ‑ 1 . 9 2 0 . 6 2 5 . 2 2 5 . 2 3 2 3 ‑ 5 ‑ 1 3 3 2 0 . 6 2 5 . 2 2 0 . 9 . 9 2 4 ‑ 5 ‑ 1 3 3 2 5 . 2 2 .9 2 0 . 6 2 5 . 2 5 ‑ 3 5 . 2 2 2 .9 2 0 . 6 2 0 . 9 6 ‑ 3 2 .9 2 0 . 6 2 5 . 2 2 5 . 2 A c t u a l N P o w e r T o t a l 0 . 8 0 0 4 9 2 0 . 8 0 1 3 3 2 0 . 8 0 3 3 5 2 8 0 0 . 8 0 5 2 0 4 O .8 0 3 3 O .8 0 3 2 6 4 表 1 1 : 最大対比法の検出力の出力 C o m p u t e dP o w e r 一 一 一 一一一一一一‑ I n d e x ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ C o n t r a s t一 ‑ M e a n s ‑ 一一一一一一 1 ‑ 3 ‑ 1 1 3 2 0 . 6 2 0 . 9 . 9 2 5 . 2 2 2 ‑ 3 ‑ 1 1 3 2.9 20.6 25.2 25.2 3 ‑ 5 ‑ 1 3 3 2 0 . 6 2 . 9 2 5 . 2 2 0 . 9 4 ‑ 5 ‑ 1 3 3 2 . 9 2 0 . 6 2 5 . 2 5 . 2 2 5 ‑ 3 1 1 1 2 .9 2 0 .6 2 5 . 2 2 0 .9 6‑3 1 1 1 2 . 9 2 0 . 6 2 5 . 2 2 5 . 2 P o w e r 0 . 5 9 9 O .7 8 5 0 . 7 6 1 0 . 8 5 8 O .824 Q878 表 1 1 をみると,各群 80例では,頭打ちの用量反応ノ fターンについて 3 1 1 1の 対比の検出力が 82.4%になることがわかる.さてプラセボ群では,ピークフローのベースラ インから投薬終了時の変化量は 0 に近く,効果はほとんど期待できないことがわかる.し たがってプラセボ群を設けると,患者のリクルートが困難になる可能性がある.そこで, プラセボ群の症例数の割合を低下させることを試みる.各用量群の症例数を 1:2:2:2 と不 均等にした症例数設計を行う.西山等のプログラムによると,この条件での上側 2.5犯の最 .186になる.対応する片側有意水準は 0.014424となる.不 大対比統計量の棄却限界値は 2 A斗 A nベU 1ょ

139.

均等割付のプログラムは表 1 2 のようになる. g roupw巴i g h t s= ( 1 222 )の指定によって, 不均等割付が可能になる.結果は表 1 3のようになる. 頭打ちの用量反応パターンについて ‑3 1 1 1の対比が 80目以上の確率で有意にな るには全体で 462例必要であった.このとき各群の例数は 66, 132, 132, 132 となる.均 0例ほど減少させることが 等例数(1群 76例,合計 304例)と比べて,プラセボ群の例数は 1 できるが,全体での例数は1.5倍以上増えてしまい,効率的な方法とはいえない.この例で は用量群問でほぼ効果の大きさが等しいため,むしろプラセボ群の例数を増やした方が総 症例数は少なくてすむ.例えば症例数を 3 :1 :1 :1の不均等にすると,各群 114, 38, 38, 3 8 例,計 228例で,頭打ちの用量反応パターンについて 3 1 1 1の対比の検出力が 80 協 を越える.均等例数の場合と比べて全体の例数を 80例減らすことができる. 表1 2: 最大対比法の不均等症例数設計のプログラム proc pow巴r, onewayanova groupmeans = 2.9 I20.6 I25.2 I20.9, 25.2 groupweights 二 ( 1 22 2 ) s i d巴s = 1 stddev 47.6 alpha =0.014424 n t o t a l 二. pow巴r 二 O .8 ‑ 3‑ 1 13 ) ( ‑ 5‑ 1 33 ) ( ‑ 3 11 1 ) contrast = ( 二 表1 3: 最大対比法の不均等症例数設計の出力 C o m p u t e dNT o t a l I n d e x ‑ ‑ ‑ C o n t r a s t ‑ 一 一‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ M e a n s ‑ 1‑ 3 ‑ 1 .9 2 3 2 0 . 6 2 5 . 2 2‑ 3 ‑ 1 . 9 2 0 . 6 2 3 2 5 . 2 3‑ 5 ‑ 1 3 3 2 . 9 2 0 .6 2 5 . 2 4 ‑ 5 ‑ 1 3 3 2 0 .6 2 . 9 2 5 . 2 5‑ 3 0 . 6 2 2 . 9 2 5 . 2 6‑ 3 2 . 9 2 0 . 6 2 5 . 2 一一 2 0 . 9 2 5 . 2 2 0 . 9 2 5 . 2 2 0 . 9 2 5 . 2 A c t u aI N P o w e r T o t a l 0 . 8 0 5 6 2 3 2 0 0 . 8 0 5 4 O .8 0 2 4 7 6 0 . 8 0 4 3 7 8 6 2 O .8 0 5 4 0 . 8 0 4 3 9 9 5 . 生物学的同等性試験の症例数設計 後発医薬品の同等性を検討するために,生物学的同等性試験が行われる.通常は対照薬先 行群と被験薬先行群の 2群 2期の 2X2のクロスオーバー試験によって血中薬物濃度の AUC, CMAX等の同等性について評価を行う.通常はこれらの評価指標を対数変換して対照薬に対 する被験薬群の幾何平均の比の 90弘信頼区間を構成し,これが O .80~ 1. 25の範囲に入れば 同等であると判定する.本試験の前に l群数例程度で予備試験を行い,その結果得られた情 報に基づいて本試験の症例数を決定する.対数変換後の対照薬と被験薬群の平均値の差ム (幾何平均の比の対数),対数変換後の個人内分散 V に基づいて,ムと V の母集団パラメー F h υ ηぺU 1i

140.

タが予備試験と本試験で変わらないとき,ある確率以上で生物学的同等性が示されるよう に症例数設計を行う必要がある. POWERプロシジャでは PAIREDMEANS文を用いて,対数正規 t w oone‑sided 分布にしたがうことを前提として Schuirmann によって提案された TOST法 ( t e s t s )に基づいて症例数設計を行うことができる 7) 予備試験のデータを,自然対数変換して解析した結果 A と Vが 0.05と O .03になったと する. POWERプロシジャで解析するには,これから幾何平均の比と生データのスケールで、の l l )で計算できる.また対数正規 変動係数 CYを計算する必要がある.幾何平均の比は exp( 3 )式の関係があることが知 分布では,対数変換後の分散 V と生データの変動係数 CYには ( られている. V= log(CV2+1 ) ( 3 ) ただし CYは協をとらない単純な平均と標準偏差の比である .10g(1+x)は xが小さいとき は x で近似できるので, Cyが小さいときは V王子 C y 2となる.この関係を利用しでもよいの 3 )式を CYについて解くと, ( 4 )式となる. だが,より正確に ( cv=N ゴ ( 4 ) となる刈では恒函位山旦~t 変動係数れ耐となる )"f 生物学的同等性試験の検出力計算のプログラムは表 1 4のようになる. 4: 生物学的同等性試験の検出力計算のプログラム 表 1 proc p o w e r ; pairedmeans test=equiv̲ratio dist=lognormal marlratio=1.05127 七夕 alpha = 0.05 cv = 0.17451 corr =0 l o w e r = 0.8 .2 5 upper =1 npairs =2 t o1 0 0by 1 power = p10t min=2 max=100 ; V 4 / . ‑ '‑こし d 対数正規分布を前提にし,平均値の比の同等性を検証するために test=equiv̲ratio dist=10gnorma1を指定する.想定する幾何平均値の比と変動係数をそれぞれ meanratio, = cv=で 指 定 す る . ま た lower と upper で 信 頼 区 間 を 収 め る 下 限 と 上 限 を 指 定 す る . PAIREDMEANS 文では,群間分散と群内分散を合わせた全分散に対する変動係数を指定して, corr=でー個人内の 2回の測定の相聞を指定することも可能であるが,ここでは予備試験によ って群内分散がわかっているので, corr=O で,全分散が群内分散そのものであることを指 α, 定している. TOST法では,片側有意水準 αで 2回検定を行うので,有意水準は両側 2 α となる. a1pha=0.05を指定しているので,両側 90%の信頼区間に対 信頼係数は両側ト2 応することになる. 検出力曲線を図 2に示す .2X2のクロスオーバー試験であるので,一人の症例について, 414 n h υ ペU n

141.

対照薬と被験薬投与時の 2対のデータが得られる.そこで Number of Pairs として,対照 薬先行群と被験薬先行群を合わせて必要な症例数が示される.図 2より,検出力を 8 0 犯にす るのに必要な症例数は 1 5例 , 9 0 犯にするには 1 9例が必要であることがわかる. .0 5,1 .1 0,変動係数が 1 0, 2 0,3 0犯の場合の 3X3の 9通りの組み 次に幾何平均の比が 1 ,1 合わせについて,必要な症例数を算出するためのプログラムを表 1 5に示す. 1 . 0 0 . 8 民u ﹄ n u @Boa 0. 4 0 . 2 。 。 20 40 印 Numbero fPa i r s 図 2: 生物学的同等性試験の検出力曲線 表1 5: 生物学的同等性試験の症例数設計のプログラム proc power, pairedmeans test=equiv̲ratio dist=lognormal meanratio 二 1 ,1 .0 5,1 .1 0 alpha =0 . 0 5 c v =O .1~0.2~0.30 corr =0 lower = 0.8 二1.2 5 upper npalrs power = 0.8 , plot min=0.2max=0.9; 80 m ηべU 1ょ ηi

142.
[beta]
結果を図示したのが図 3 である.変動係数が大きくなるにつれ,また幾何平均の比が l
からずれるにつれ,必要な症例数は増加する.

∞

1

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1
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.
2

d0
.
3

図 3: 生物学的同等性試験の症例数設計

6
. 生存時間解析の症例数設計
生存時間解析の症例数設計を行うために, Freedman式 8) と S
h
o
e
n
f
e
l
d式 9)が知られて
いる.この二つの式では,症例の登録期間は考慮されず(全ての症例でフォローアップ期聞
6
),(
7
)
が一定であることを想定)また途中脱落による打ち切りも考慮されてない.それぞれ (

式にしたがって, 1群あたり必要なイベント数 dを算出し,仮説の下で 2群を平均したイベ

5
)式にしたが
ントを起こす症例の割合で除すことによって, 1群あたり必要な症例数 N を(
って求める.この症例数設計の数理については文献を参照されたい 10)

nxU

ηJ
1i

143.

d 2d 2群 を 併 せ た イ ベ ン ト の 割 合 : 群 1の最終時点の生存率 ( 5 ) =一一一一一一 2‑1(1‑1(2 民:群 2の最終時点の生存率 1( 1 1 )+(1‑1(2 ) 2‑1(1‑1(2 (1‑1( 2群を併せたイベントの割合------~--------~-一一一一一 2 + m一 吋 バ 一 郎 2 マゐ一︐ rt ヲゐ一 一 + ︐ a Freedman ( 6 ) S h o e n f e l d d={Za+Zβ}2 .2 ( log(HR))ニ λ 1 群1 のハザード ( 7 ) ん:群 2のハザード どちらの式でも, 2つの群のハザード比 HRを見積もる必要がある.ハザード比は,臨床 家にとって直感的なイメージをつかむのが困難な指標で、あるが,し、くつかの試算法がある. ① 時 点 tでの 2群の生存率 S ( t )からの推定法 指数分布では時点 tの生存関数 S ( t )は次のように表される. S( t )ニ e x p (‑At) また確率密度関数は f ( t )=λ .exp(一λt ) となり,ハザード関数は h( t )=f ( t ) /S ( t )=λ となる.指数分布ではハザードが時点にかかわらず一定で入となる.入は時点 tにおける 生存割合 S ( t )が求まれば logS( t )=‑At λ̲ logS( t ) 一 として求めることができる. l ( t ),処置群の生存率を S z ( t )とする したがってある時点 tにおける対照群の生存率を S と , 2つの群のハザード比は ( 8 )式のようになる. ( 8 ) l o g S I( t ) ② メ デ ィ ア ン 生 存 時 間 (M) に基づく方法 メディアン生存時間(生存率が 50%に低下する時点)が判明している場合は,これから ノ¥ザード比を求めることができる.指数分布の場合は,メディアン生存時間の比の逆数 ηペリ ーi ハ吋 υ

144.

がそのままハザード比となる.またワイブル分布の場合は,メデ、イアン生存時間の比の 逆数をy 乗することにより,ハザード比が求められる.ただしy はワイブル分布の形状母数 である H R = ( 長)=指数分布 ( 9 ) : r H R = ( 長 ワイプル分布 ( 1 0 ) ③人年法によるハザードの推定 イベントを起こした症例についてはイベント発生までの時間,打ち切り症例について は打ち切りまでの時間を足し合わせた総観察時間と,イベントの総数が判明していれば, 人年法によるハザードの推定値を ( 1 1 )式で求めることができる. ハザード=総イベント数/総観察時間 ( 1 1 ) これを人年法によるハザードとよぶ.このようにして求めたハザードは,生存時間分布 に指数分布を仮定したときのパラメータ入の最尤推定量となっている. . 2 0で , 有意水準両側 α=0.05,日ニ 0 対照群 手術単独群の 5年生存率 :0 . 6 5 薬剤群 補助化学療法群の 5年生存率 :0 . 8 0 として,生存率からハザード比を求めて, Freedman式と S h o e n f e l d式に基づいて症例数 6に示す. 設計を行うプログラム例を表 1 表 1 6 : Freedman式と S h o e n f e l d式に基づく症例数設計のプログラム datas a m p l e s i z e ; a l p h a = 0 . 0 5 ; b e t a = 0 . 2 0 ; t = 5 ; p c = 0 . 6 5 ; p d = 0 . 8 0 ; h 2 = ‑ l o g ( p d ) / t ; h1 = ‑ l o g ( p c ) / t ; h r = h 21 h1 ; z a =probit(1‑alpha/2);zb=probit(1・b e t a ) ; f =( z a + z b )帥 2 * ( h r + 1 )帥 2 / ( 2 * ( h r ‑1 ) 帥 2 ) ; e nf =2 * e f l ( 2 ‑ p d‑ p c ) ; e s = 2 * ( z a+zb)**2/(( lo g ( h r ) ) 2 ) ; n s = 2 * e s / ( 2 . p d. p c ) ; p r o cp r i n t ; r u n ; プログラム中で変数EF,NFがFr 四 d man式で必、要な 1 群あたりのイベント数と症例数 r ES,NSがS h o e n f e l d式で必、要な 1 群あたりのイベント数と症例数である.結果は表 1 7のよう になる. ム υ ハ川 41 AωA

145.

表 1 7 : Freedman式と S h o e n f e l d式に基づく症例数設計の結果 O B Sa[phabeta t pc pd h2 h 1 h r z a z b e f n f e s n s 0 . 0 5 0 . 250 . 6 50 . 80.04460.08620 . 5 2 1.960.8438.92 141.5436.28 1 3 1 . 9 3 5年生存率から,対照群のハザード ( h 1 )は 0 . 0 8 6 2となる.ハザードは 1/年としづ単位 を持つことに注意する必要がある.生存時間の単位が年ではなく,月で測られる場合は, 5 年の代わりに 60ヶ月で割ることになり,このときの単位は 1/月となり,値は 1 1 1 2倍に低 h 2 )は 0 . 0 4 4 6となり,ハザード比 (HR)は 0 . 5 2倍 下する.これに対し薬剤群ではハザード ( となる. Freedman式では, 1群あたり必要な症例数は 1 4 2例 , S hoenfeld式では 132例に なる. 2群の 5年時点の生存率 65%と 80%に基づいて,生存・死亡の 2値データについて 検定するために必要な N を,参考のために示すと, 1群 1 5 1例になる.生存時間解析では, 単に生存の有無だけではなく,生存時間の長さを評価し,情報量が増えるため,必要な症 hoenfeld式はどちらも,指数 例数はより少なくなることが確認できる. Freedman式と S 分布を前提に,比例ハザード性の前提の下にログランク検定に基づいて症例数設計を行う 方法である. PO羽TERプ口、ンジャでは V9.1から,生存時間解析の症例数設計を行うことが可能になっ た.採用しているのは Lakatosによって提案された方法である 11) この方法は時間をいく つかの区間に区切って,区間ごとに期待されるイベント数を算出して検出力を評価するも のである. PO羽TERプ口、ンジャの生存時間解析の症例数設計には次の特徴がある. 1)登録期間と途中脱落を考慮した症例数設計を行うことができる. 2)比例ハザード性が成り立たない場合についても,区間ごとに異なったノ、ザード比を 設定する区分直線モデルにより症例数設計を行うことができる. 3) ログランク検定のみならず,一般化ウイルコクソン検定,タローン・ウエア検定に ついても症例数設計を行うことができる. 4) 指数分布を前提とした場合,ハザード,ある時点の生存率,メディアン生存時間の いずれかで、ハザード比を求めて,症例数設計を行うことができる. 前述の例で指数分布に基づいて 5年時点の生存率に基づく症例数設計のプログラムは 表 1 8のようになる. 表 1 8 : 5年時点の生存率に基づく症例数設計のプログラム p r o cpower, twosamplesurvivalt e s t = l o g r a n k c u r v e ( " C o n t r o l " ) =( 5 ) : ( 0 . 6 5 ) c u r v e ( " T r e a t m e n t " )ニ ( 5 ) : ( 0 . 8 0 ) g r o u p s u r v i v a lニ " C o n t r o l "I"Treatment" a c c r u a l t i m e=0 . 0 0 1 f o l l o w u p t i m e=5 npergroup= . . 8 ; power二 0 A斗 1 ょ ーよ

146.

curveオプションで,対照群と薬剤群の 5年時点の生存率がそれぞれ 65%と 80%である としている. curveオプションでは,複数の時点の生存率を指定することが可能であるが, 1つの時点しか指定しない場合は指数分布が仮定される. followuptime=5により追跡期聞 が 5年であると指定し, accrualtime=0.001で登録期間が短く,事実上全症例が同時期に 登録され追跡期間に差がないことを指定している.登録期間中に一様分布にしたがって患 者が登録されることを想定している. 9のようになる. 結果は表 1 表 19: 5年時点の生存率に基づく症例数設計の出力 L o g ‑ R a n kT e s tf o rT w oS u r v i v a lC u r v e s F i x e dS c e n a r i oE l e m e n t s M e t h o d L a k a t o sn o r m aIa p p r o xi m a ti o n A c c r u a lT i m巴 0 . 0 0 1 F o l l o w ‑ u pT i m e 5 G r o u p1S u r v i v a lC u r v e C o n t r o l F o r mo fS u r vi v aIC u r v e1 E x p o n e n ti aI G r o u p2S u r v i v a lC u r v e T r e a t m e n t F o r mo fS u r v i v a lC u r v e2 E x p o n e n t i a l 0 . 8 N o m i n a lP o w e r N u m b e ro fS i d e s 2 1 2 N u m b e ro fT i m eS u b ‑ I n t e r v a l s G r o u p1L o s sE x p o n e n t iaIH a z a r d 0 G r o u p2L o s sE x p o n e n t i a lH a z a r d 0 0 . 0 5 A l p h a C o m p u t e dNP e rG r o u p A c t u aI NP e r P o w e r G r o u p rfI ~日 t " .ε J ι (l" l.)可 れ ー ぜ q由"'‑' 0 . 8 0 2 1 3 8 10< hρ ":、"て/,"{ J 症例数設計の条件が最初に示される. N u m b e ro fTi m eS u b ‑ In t e r v aI sはイベント数を評価す 2区間に分けている.検出力が 80 見 るときに分けた区間の数を表しており,デフォルトでは 1 以上になる症例数は 138例となる.この例数は Freedman式(142例)と Shoenfeld式(132 例)の聞の値である. TWOSAMPLESUR VI¥叫L文では,生存時間分布を指定するために次 のオプションが用意されている. CURVE 各時点の生存率 GROUPMEDSURVTIMES= GROUPSURVEXPHAZARDS ニ GROUPSURVIVAL= HAZARDRATIO= REFSURVEXPHAZARD= VI¥也L= REFSUR メディアンの指定 二 ノ¥ザードの指定 2つの群名の指定 ノ、ザード比の指定 比較群のハザードの指定 比較群の指定 1 4 2

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生存率による指定は c u r v e ( " C o n t r o l " ) =( 5 ) : ( 0 . 6 5 ) c u r v e ( ' ' ' I ' reatment ( 5 ) : ( 0 . 8 0 ) groupsurvival=" C o n t r o l " I"τreatment" つ = 2つの群の 1年当たりのハザードの指定によって置き換えることができる. lgroupsurv州 l a z a r d s = ( 0 . 0 8 刷 . 凶6 ) また対照群のハザードと,薬剤群の対照群に対するハザード比を指定しでもよい. refsurvexphazard=0.0862 hazardrat i o = 0 . 5 2 更には 2つの群のメデイアン生存時間を指定しても等価である. │ gr 叫 I I 叫 s 叩u 汀r 円 問 V川 次に 1群の症例数を 1 臼38例 仔4に固定して登録期間を1.2 . 3年とした場合に検出力がどう変化 するかを示す.プログラムは表 2 0のようになる. 0: 登録期間を考慮した症例数設計のプログラム 表2 p r o cpower, twosamplesurvivalt e s t = l o g r a n k c u r v e ( " C o n t r o l " ) ニ( 5 ) : ( 0 . 6 5 ) c u r v e ( "T reatment")=( 5 ) : ( 0 . 8 0 ) groupsurvival=" C o n t r o l " I'τreatment" accrualtime=0.001, 1t o3 followuptime二 5 npergroup=138 . , power= p l o tmin ニ1 00max=200; run, 結果は表 2 1のようになる. 1: 登録期間を考慮、した症例数設計の出力 表2 C o m p u t e dP o w e r A c c r u a l I n d e x T i m e P o w e r 1 0 . 0 0 1 0 . 8 0 2 2 1 . 0 0 0 0 . 8 3 7 3 2 . 0 0 0 0 . 8 6 2 43.000 0 . 8 8 2 登録期間が長くなると,初期に登録された患者は登録期間分だけ余計に追跡されるので, イベント発生率が上がり検出力が増大する.検出力曲線は図 4のようになる. 次に,脱落を考慮した症例数設計を示す.脱落までの時間が指数分布に従うとして 1 年当たりの脱落のハザードが 0 . 0 5人/年であるとする.このとき 5年時点の累積脱落率は 1 . e x p (・0 . 2 5 ) = 0 . 2 2となる. (脱落と死亡が競合するので,実際に観察される脱落率はこれほ ど高いわけではない. ) ηぺU An守 1ょ

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プログラムは表 2 2のようになる. ︒口白 rr か 骨 OAf Ff壮 ・rr 4JJ 伊00 4JJ JJJ ・ rJ 8 ﹄﹄ sr n‑AZ ゲ J ﹄ ︐g ' FVug ︐ r f @DU ︐// ﹄向 J ︐ X FUU 0E ︐︐ a ・ ・ /f' Ju ・ ︐ ︐f e e 0 . 7 5 ・ ︐ 4Enunu mm却 却 o . 邸 £0 . 鈎 ~ 0. 7 0 0 . 6 5 m 1 2 0 1 4 0 旬 。 1 印 ∞ 2 Sam p l eS i z eP e rG r o u p ∞ A ∞r u a lT ime ‑一一 o .1 2 3 図 4: 登録期間を考慮、した検出力曲線 2: 脱落を考慮、した症例数設計のプログラム 表2 p r o cpower, twosamplesurvivalt e s t 二 l ogrank c u r v e ( " C o n t r o l " ) =( 5 ) : ( 0 . 6 5 ) 吋'r e a t m e n t " )=( 5 ) : ( 0 . 8 0 ) c u r v e ( g r o u p s u r v i v a l=" C o n t r o l "1" T reatment" grouplossexphazards=O0 . 0 5 100 . 0 5 a c c r u a l t i m e=0.001 f o l l o w u p t i m e=5 npergroup=138 powerニ p l o tmin=lOOmax=200; J grouplossexphazards=O0 . 0 5 100 . 0 5の指定により,対照群と薬剤群の脱落のハザードが ( 0, 0 ),( 0, 0 . 0 5 ),( 0 . 0 5, 0 ),( 0 . 0 5, 0 . 0 5 )の 4通りの場合について症例数の計算を行う.結果は 表2 3のようになる. 必ハ よ 41 Aτ μ ハ 守

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表2 3: 脱落を考慮、した症例数設計の出力 C o m p u t e dP o w e r L o s s L o s s E x p E x p H a z a r d H a z a r d I n d e x 2 3 4 0 . 0 0 0 . 0 0 0 . 0 5 0 . 0 5 2 0 . 0 0 0 . 0 5 0 . 0 0 0 . 0 5 P o w e r 0 . 8 0 2 0 . 7 7 2 O .7 8 4 O .7 5 5 脱落のハザードが両群とも 0 . 0 5人/年と予想されるときは,検出力は 4.5%低下して 75.5% になってしまう.検出力曲線は図 5のようになる. 比例ハザード モデルが成り立たない場合の症例数設計は区分直線モデルで、生存時間分布 を近似することで可能である.区分直線モデ、ルで、は, curveオプションで複数の時点の生存 率を指定する必要がある.例えば, 0年目 100%,1年目 90%,2年目 70%,3年目 60%と , これらの点を結んだ折れ線で生存率が低下する場合,次のような指定を行う. curve("control つ=1:0.92:0.73:0.6 あるいは curve("control つ=(1to3by1):(0.90.70.6) と指定しでも等価である. 標準化学療法が効かなくなった非小細胞肺がん患者について,生存時間をエンドポイン トとしたイレッサ (250mgl日)+ベストサボーティブ、ケアー vsプラセボの第血相臨床試験 が行われた. 日本を除く 28カ国, 1692例 ( 1129例:イレッサ群, 563例:プラセボ群) で行われ, ISEL(IRESSASurvivalEvaluationinLungcancer)と呼ばれる大規模臨床試験で ある 1 2 ) . 他に有効な治療がないとしづ倫理面を考慮、してイレッサ群とプラセボ群の症例数 : 1に設定された.結果はプラセボのメディアン生存時間 5 . 1ヶ月に対して,イレッサ群 は2 では 5 . 6ヶ月とわずかな生存時間の延長が認められたものの Cox回帰の単変量のハザード 比は 0.89 ,その 95% の信頼区間は (0.70~ 1. 02) , p =0.0871 と 5%水準で有意にならなかっ た.この結果に基づいて,米国ではイレッサは販売停止になったが,東洋人と非喫煙の各 サブ、ク。ループについて有意な延命効果が認められたことから,我が国では販売停止にはい たってはないが,その是非が現在問われている. ム A ハ田昌 巳d ︐ 4a

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MW JAJ AA 門戸 JAJ 34 42 官町伊 rrv rr‑ sV4 J/' CO ﹄ Jnnf BJnp ZAJ ﹃ 〆 Y '/︐ JDnw ︐ cga AnFnw //︐ 0 . 6 5 fJu ︐ ・ ︐ ︒ ︒ 0 . 7 0 B'D/nw £0.75 gJ 鈎邸 nununu ~ O . ω C Y 0 . 6 0 m 1 2 0 1 4 0 1 6 0 旬 。 ∞ 2 SampleS囲 内rGroup LossE xpHazards 00 00.05 0 . 0 50 0 . 0 50 . 0 5 図 5: 脱落を考慮、した検出力曲線 さて,ここでは事後的にこの程度の効果を検出するにはどの程度の症例数が必要であっ たかを検討する.公表されている資料から各時点の生存率を読み取った.対照群は 4 ヶ月 で 60%, 7ヶ月で 40.0%, 1 2ヶ月で 20%となるような区分直線モデ ルで、ほぽ近似で、きた. 2ヶ月で 25%となるような区分直 これに対し薬剤群では 4ヶ月で 60%,7ヶ月で 42.5%,1 線モデ、ルで 近似で、きた.比例ハザード的な薬剤効果ではなく, 4ヶ月まではほとんど生存率 に差がなく,後半で徐々に差が開いてくる.この違いを 80%の確率で検出するための症例 4のようになる. 数設計を行う.プログラムは表 2 4: 区分直線モデルによる症例数設計のプログラム 表2 procpower, twosamplesurvivalt e s t = l o g r a n k c u r v e ( " C o n t r o l " ) =( 471 2 ) : ( 0 . 6 00 . 4 0 0 . 2 0 ) eatment")=( 471 2 ) : ( 0 . 6 00 . 4 2 50 . 2 5 ) c u r v e ( "Tr groupsurvival=" C o n t r o l " IIτreatment" groupweights=112 accrualtime=0 . 0 0 1 followuptime=11 .999 n t o t a l ニ. power= 0 . 8 ; 凋AUI ρhu ょ ‑

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groupweights==112の指定によって,対照群と薬剤群の症例数の比が 1 : 2になるようにし ている .2群を合わせて必要な症例数は 4524例であり,これは実際の症例数 1692例の 2 . 7 T 音である. 2ヶ月の生存率のみに基づいて,次のプログラムで なお,指数分布を仮定して 1 c u r v e ( " C o n t r o l " ) = =( 1 2 ) : ( 0 . 2 0 ) Tr eatment")= =( 12 ) : ( 0 . 2 5 ) c u r v e ( " 症例数設計を行うと,必要な症例数は 2022例であり,区分直線モテずルによる結果の半分以 下になってしまう.比例ノ¥ザード的な効果が期待できない状況で,比例ハザードモデノレに 帰着する指数分布を仮定して症例数設計を行うことは,大変危険である. 次に抗潰蕩薬の臨床試験の事例を想定する.エンドポイン卜を内視鏡による潰蕩の治癒 8, 1 2週で行われるので,イベント時間は 時間とした.ただし,内視鏡検査は 4週おきに 4, 離散的に観察される.累積非治癒率をプラセボ群と新薬群で次のように見積もった. 累積非治癒率 4週 8週 1 2週 プラセボ 0 . 9 0 0 . 7 0 0 . 5 0 新薬 0 . 7 0 0 . 5 5 0. 40 プラセボ群でも,時聞が経過すると潰痕は自然治癒するので,比較的に早期に大きな差 が存在することが期待された.ここでは,ログランク検定,タローン・ウエア検定,一般 化ウイルコクソン検定の 3種類による症例数設計を行う.これらの検定は, n を各時点で生 rn,nとな き残っているリスク集合の大きさとして、各時点に与える重みがそれぞれ 1, , っており,だんだん前の方の時点の重みを相対的に増やしているので,前の方で大きな差 があれば一般化ウイルコクソン検定,後ろの方で大きな差があればログランク検定が有意 になりやすく,その中間型にあるのが,タローン・ウエア検定で、ある.それぞれの検定は t e s t = =オプ、ンョンで t e s t = = l o g r a n k (ログランク検定) t e s t = = t a r o n w a r e (タローン・ウエア検定) t e s t = = g e h a n (一般化ウイノレコクソン検定) を指定することで,実行することができる.デフォルトはログランク検定になる. 3種類の検定を行い, ODS の機能を利用して結果を SAS データセットに落として, GPLOTプ口、ンジャで 3種類の検定をまとめた検出力曲線を描くプログラムは表 25のよう になる. 結果は図 6 のようになる.ログランク検定,タローン・ウエア検定,一般化ウイルコク ソン検定のそれぞれで,両側 5%の有意水準で検出力 80%を確保するために必要な 1群の症 159, 132例となる.試験の初期に大きな差があるので,一般化ウイノレコクソン 例数は, 201, 検定の検出力が高く,症例数が少なくてすむ.ログランク検定と比べて 2 / 3の症例数ですむ のは,試験を実施する上ではたいへん魅力的である. A斗 4 1よ ηl

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表2 5: 3種類のノンパラ検定の検出力比較のプログラム p r o cpower, twosamplesurvivalt e s t = l o g r a n k c u r v e ( " C o n t r o l " ) =( 481 2 ) : ( 0 . 90 . 7 0 . 5 ) c u r v e ( ' τ r e a t m e n t " )=( 4812):(0.70.550. 4 ) g r o u p s u r v i v a l=" C o n t r o l "I"τreatment" a c c r u a l t i m e=0 . 0 0 1 f o l l o w u p t i m e=1 1 .999 npergroup=lOOt o200by1 0 . , power= p l o tmin=100max=200; odso u t p u tp l o t c o n t e n t = l o g r a n k ; p r o cpower, twosamp1esurviva1t e s t = t a r o n e w a r e c u r v e ( " C o n t r o 1 " ) =( 481 2 ) : ( 0 . 90 . 7 0 . 5 ) c u r v e ( 吋r e a t m e n t " )=( 481 2 ) : ( 0 . 7 0 . 5 5 0. 4 ) g r o u p s u r v i v a 1=" C o n t r o 1 "I"τreatment" a c c r u a 1 t i m e=0 . 0 0 1 f o l l o w u p t i m e=1 1 .999 o200by1 0 npergroup=lOOt . , power= p l o tmin 二 1 0 0max=200; odsoutputp 1 o t c o n t e n t = taroneware; p r o cp r i n t ; r u n ; p r o cpower, twosamplesurviva1test=gehan c u r v e ( " C o n t r o 1 " ) =( 481 2 ) : ( 0 . 90 . 7 0 . 5 ) c u r v e ( " τ r e a t m e n t " )=( 481 2 ) : ( 0 . 7 0 . 5 5 0. 4 ) g r o u p s u r v i v a 1=" C o n t r o l "I吋 reatment" a c c r u a l t i m e=0 . 0 0 1 1 .999 f o l l o w u p t i m e=1 npergroup=lOOt o200by1 0 . , power= p 1 0 tmin=100max=200; odsoutputp 1 o t c o n t e n t = g e h a n ; data1 o g r a n k ; s e t1 o g r a n k ; t e s t = ' l o g r a n k ; ' keept e s tpowern p e r g r o u p ; datat a r o n e w a r e ; s e tt a r o n e w a r e ; t e s t = ' t a r o n e w a r e ' ; k e e pt e s tpowern p e r g r o u p ; datag e h a n ; s e tg e h a n ; t e s t = ' g e h a n ' ; k e e pt e s tpowern p e r g r o u p ; datat e s t ; s e t1 0 g r a n ktaronewareg e h a n ; p r o cg p 1 0 td a t a = t e s t ; p l o tp o w e r * n p e r g r o u p = t e s t / v r ef =0 . 8 ; ニs p 1 i n e1 = 1w=4c ニr e d ; symbol 1i symbo12i = s p l i n e1 = 2wニ 4c = g r e e n ; symbo13i = s p 1 i n e1 = 3wニ 4c = b l u e ; ‑ 1 4 8

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︐ ︐ ︐ ︐ ' a ︐ . ‑︐ e a aF ・ a ・ 唱 n u • ••• ••• • • • ••• ' n u 0 . 5 田 •• •••• ••••• ••• • • • • • • • ••• ︐ 0 . 6 田 ‑ 0 . 7 ' ••••• • • • • • • • •• • • ••••• • • • • • ••• • • • • •• •• ‑e d ∞ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ‑ ︐ ‑ ︐ ︐ ‑ ︐ ︐ ︐ m 駒 0 . 7 切 ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ aaa 附銅剣郎 防 0 . 8 0 0 間 1 1 0 1 2 0 1 3 0 o 1 田 恒o 1 7 0 包o 1 鈎 判 ∞ 2 NP 回 ・ G roup t e s t ‑gehan 図 6: … ‑logrank ・薗旬r o n側 a陪 3種類のノンパラ検定の検出力比較 7.おわりに 本稿では SASの POWERプ口、ンジャの概要を示し,後期 E相試験で最大対比法を用いて 用量相関性の評価,生物学的同等性試験,生存時間解析の症例数設計について解説した. 表 2 6 に症例数設計のソフトウエアの機能比較を行った結果を示した 1 3 ) Nquery5 は Nqueryのパージョン 5,UnifyPは UnifyPowerの 2002年版, Sampsizeはパージョン 2 である. PO~司R プ口、ンジャのパージョン 9 の機能拡張によって,臨床研究の主な症例数 設計で必要な方法がほとんど網羅されることになった.他のソフトウエアと比べても SASV9 の PO~司 R 及び GLMPO~司R プ口、ンジャは Nqueη14) と並んで,最も広範な機能 を有する. ICH以後,治験で患者一人当たりに必要なコストは激増した.無駄のない試験を行うた めには,試験の計画段階で適切な症例数を統計的に見積もることが不可欠で、あるが,症例 数設計を行うために必要な情報は不確実性を伴う.様々な条件を変化させた場合の症例数 羽T ERプ口、ンジャは有用な症例数設計のツーノレで、あ を簡単に計算し,グラフ表示できる PO る. υ AハY 同 ハ 1よ

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表 26: 症例数設計のソフトウエアの機能比較 方法 t a t X a c t Sampsize SASV8 SASV9 Nque巧' 5 UnifyP S 検定ベース 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 一標本 t検定 対応ある t検定 二標本 t検定 Welch検定 一標本 2項検定 カイ 2乗検定 McNemars検定 CMH検定 CA検定 一元配置分散分析 二元配置分散分析 多元配置分散分析 経時測定分散分析 単回帰分析 重回帰分析 ログランク検定 一般化ウイルコクソン検定 Tarone明 T a r e検定 同等性検証 一標本(計量値) 二標本(計量値) 一標本 ( 2値) 二標本 ( 2値) 信頼区間 一標本(計量値) 二標本(計量値) 一標本 ( 2値割合) 二標本 ( 2値割合) 対応なし(オッズ比) 対応あり(オッズ比) FhU ハHU 1よ

155.

‑参考文献 1 )Caste1l o e,J .M .( 2 0 0 0 ), Samp1 esi z ecomputati onsandpowerana1 y si swi t hthe SASsystem." Proceedi n g so ftheTwenty‑Fi f t hAnnua1SASUsersGroup1 nternati o n a1 a p e r2 6 5 ‑ 2 5 . Conference, P .M . and0 'B ri e n,R .G .( 2 0 0 1 ), Powerandsamp1 esi z edetermi n a ti o n 2 )Caste1 1o e,J f o r l i n e a r models." Proceedings o f the Twenty‑Sixth A n n u a l SAS Users Group 4 0 ‑ 2 6 . I n t e r n a t i o n a l Conference, Paper 2 . J .( 1 9 8 9 ), C o n t r a s t si d e n t i f y i n gt h eminimume f f e c t i v ed o s e . " J o u r n a l 3 )R u b e r g,S merican Statistical Association, 82,816 8 2 2 . o ft h eA 】 ,W a k a n a,Aa n dH a m a d a,C .( 1 9 9 7 ), Ap e r f o r m a n c ec o m p a ri s o no fmaxi mum 4 )Y o s hi m u r a,1 1,423‑432 c o n t r a s tm e t h o d st od e t e c td o s ed e p e n d e n c y . " D r u gI n f o r m a t i o nJ o u r n a l, 3 2 0 0 4 ), 最大対比法を活用するための S A S j l M L プログラム. 5 )西山智・柳原宏和・吉村功 ( 計量生物学, 2 4,5 7 ‑ 7 0 . .,K a b e,J .,N a k a j i m a,S ., I t o,K,M a n o,K .,T o m i o k a,H .a n dN a k a s h i m a, 6 ) M i y a m o t o,T M . ( 2 0 0 0 ), L a t e p h a s e I 1 s t u d y o f I C 1 2 0 4,2 1 9 ( Z a官r l u k a s t, A c c o l a t e ), C y s t e i n y l一l e u k o t r i e n e( L T )r e c e p t o ra n t a g o n i s t, i na d u l tp a t i e n t s w i t hb r o n c h i a l e d i c i n e s, 1 6,1 1 4 3 ‑ 1 1 7 9 . a s t h m a . " ( i nJ a p a n e s e )J o u r n a lo fC Ii n i c a lT h e r a p e u t i c s品 M .J . ( 1 9 8 7 ), " AC o m p a ri s o no ft h et w oo n e ‑ si d e dt e s t sp r o c e d u r ea n d 7 )S c h ui r m a n n, D t h ep o w e ra p p r o a c hf o ra s s e s si n gt h ee q ui v aI e n c eo fa v e r a g ebi o a v aiI a biI i t y . "JournaI 5, 6 5 7 ‑ 6 8 0 . o fP h a r m a c o ki n e ti c sa n d Bi o p h a r m a c e u ti c s, 1 .S . ( 1 9 8 2 ), T a b l e so ft h en u m b e ro fp a t i e n t sr e q u i r e di nc li n i c a l 8 )F r e e d m a n,L ,1 2 1 ‑ 1 2 9 . t r i a l su s i n gt h el o g ‑ r a n kt e s t . "S t a t i s t i c si nM e d i c i n e, 1 . ( 1 9 81)," T h ea s y m p t o t i cp r o p e r t i e so fn o n p a r a m e t r i ct e s t sf o r 9 ) S c h o e n f e l d, D 8, 3 1 6 ‑ 3 1 9 . c o m p a r i n gs u r v i v a ld i s t r i b u t i o n s . " B i o m e t r i k a, 6 2 0 0 3 ), 生存時間解析の症例数設計.. 1 0 )浜田知久馬・藤井陽介 ( 日本 S A Sユーザー会 2 0 0 3論文集, 7 3 ‑ 1 0 0 1 1 )L a k a t o s, E . ( 1 9 8 8 ), " S a m pI esi z e sb a s e do nt h eI o g ‑ ra n ks t a ti s ti ci nc o m pI e x 4, 2 2 9 ‑ 2 4 1 . c li n i c a lt r i a l s . "B i o m e t r i c s, 4 1 2 ) h t t p : / / w w w . a s t r a z e n e c a . c o . j p / a c t i v i t y / p r e s s / 0 4 ̲ 1 2 ̲ 2 0 . h t m l .a n dL a v e r y,R .( 2 0 0 4 ), "P r o cP o w e ri nS A S9 . 1 . " 1 3 ) B a u e r,D P r o c e e d i n g so ft h eT w e n t y ‑ n i n t hA n n u a lS A SU s e r sG r o u pI n t e r n a t i o n a lC o n f e r e n c e, P a p e r1 9 5 ‑ 2 9 . 附 W .s t a t s o l .i e j n q u e r y j f e a t u r e s . h t m 1 4 ) h t t p : / / 守 よ ーυ ヘ ﹁li

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157.

S A S Foru mユ ー ザ ー 会 2段階デザインにおける奏効確率の 一様最小分散不偏推定量のプログラム作成 0豊 泉 滋 之 * 浜田知久馬事 *東京理科大学大学院工学研究科経営工学専攻 Thep r o g r a mf o rU n i f o r m l yMinimumV a r i a n c eU n b i a s e dE s t i m a t o r o fr e s p o n s er a t ei nt w o ‑ s t a g ed e s i g n S h i g e y u k iT o y o i z u m i * ホ ChikumaHamada* F a c u l t yo fE n g i n e e r i n g,TokyoU n i v e r s i t yo fS c i e n c e a g u r a z a k a,S h i n j y u k u ‑ k u,Tokyo,1 6 2 ‑ 8 6 0 1 1 ‑ 3,K 要旨 抗がん弗l の第 I I相試験の主要な目的は,抗がん剤の抗腫蕩効果を見極め,さらなる相へ開発を進めるか決定す ることである.効果のない治療を受ける被験者を少なくしたいという倫理的理由により,治療効果が得られな い場合に試験を早期に終了するための 2段階試験デザインが広く用いられている.薬剤の効果を評価する指標 として奏効確率が用いられる.この奏効確率とは治療によって奏効する確率の母数であり,その推定量として 最尤推定量 (MLE) である奏効率(標本奏効割合)を用いるのが最も一般的である.しかしながら 2段階デザ インの場合, MLEには偏りが存在することが知られている.奏効確率の一様最小分散不偏推定量 (UMVUE) が Lehmanにより示されたが,その算出方法は複雑であった.そこで JungandKimはこの UMVUEを明示的 に示した.本稿では奏効確率の推定量とその信頼区間の算出プログラムを SAS/IMLを利用して作成した. キーワード:第I I相試験, 2段階試験デザイン,奏効確率, MLE,UMVUE 1 はじめに 抗がん弗l の第 I I相試験には 1つの薬剤について次の相に進めるかどうかを決める場合と数ある候補薬剤の中 から最も有望な薬剤を選択する場合があり,これらの試験デザインは異なる.ここでは前者の lつの薬剤を次 の相に進めるかどうか決める場合のみを対象とする.この試験の目的は,薬剤の抗腫蕩効果がさらなる第 I I I相 試験において評価を続けるのに値するほど大きし、か見極めることにある.倫理的側面から無効な薬剤を早期に 排除し,無効な薬剤の評価を引き伸ばす事を避けるため, 2段階試験デザインが広く用いられている.抗がん の第 I I相試験においてはプライマリーエンドポイン卜の定義が明確であるため対照群を設定せずに l群で試 弗l 験が行われる.通常のプライマリーエンドポイン卜は腫蕩縮小であり,これは完全奏効と部分奏効などにより I相試験におけ 定義されこれらを合わせて奏効率を計算する.また毒性と生存時聞は副次的に評価される.第 I る推定奏効確率は第 I I I相試験の計画に極めて重要な役割を果たすため,推定奏効確率の特性を把握しておく必 要がある.本稿では奏効確率の点推定と区間推定に焦点を当てる. v nぺU 1ょ RU

158.

2 第1 1相試験の統計的な決定 第I I相試験の統計的な決定は対立仮説 Hl:P=Pl に対する帰無仮説 Ho:P=Po との仮説検定に基づく. ここで p は奏効する確率であり ,p oは少なくともこの値を超えないと抗がん剤としての価値がないと考えられ lは薬剤の評価を続けるのに十分有効と認める奏効確率(以下,期 る奏効確率(以下,関値奏効率)であり, P Oには同じ疾患の同じ病期に対する標準的治療の奏効確率の値を設定し, Plには p oより 待奏効率)である .P も少し高い値を設定するのが通常である.仮説検定の 2種類の過誤は次のように定義する .P=POにおいて有 l において無効と決定する誤り 効であると決定する誤り(以下,第 I種の過誤)の確率を α と設定し ,P= P (以下,第 I I種の過誤)の確率を 3と設定する.一般にこれらは有意水準 (α) と検出力 ( 1 β) として表現 される. 表 1 : 統計的な決定を行う際に必要な条件 PO: 閲値奏効率.次相に進む価値のない最大の奏効率. Pl: 期待奏効率.次相に進む価値のある最小の奏効率. α: 第 I穏の過誤の確率.誤って有効と判定する確率.(通常 5%) s: 第 I I種の過誤の確率.効果を見逃す確率. (通常1O~20%) 3 多段階デザイン 多段階デザインは抗がん剤の第 I I相試験で広く用いられている. 1段階デザインでは全症例の結果が得られ ないと試験が終了できないのに対し,多段階デザインでは試験の途中で治療が無効であると確信できる場合は I I相試験に進むこ 倫理的理由により早期終了が可能で、あり,逆に有効であると確信できる場合も早期終了し第 I l e m i n g [ 4 ],S i m o n [ 6 ],Change ta l . [ l ]など多くの研究があり過 とが可能である.多段階デザインについては F 去3 0年間に様々な提案がなされている.多段階デザインではそれぞれの段階において既定の症例数の患者に対 して治療を行い,その累積奏効例数と境界例数とを比較する.累積奏効例数が下側境界例数以下の場合,治療 効果がないとして試験を終了する.累積奏効例数が上側境界例数以上の場合,次相へ評価を進めるに十分な治 療効果があるとして試験を終了する.それ以外の場合は決められた症例数の患者を追加してさらに試験を続け る.これらを早期終了または既定の段階に達するまで続ける. 2, . . . , K とし多段階デザインを定式化する.第 z段階で登録する症例数を ni ,累積奏効例 段階数を i=1, :j = lnj ,奏効例数を Xi,累 積 奏 効 例 数 を ふ =I : j = lXj ,下側境界例数を α,,上{J!岐界例数 数を Ni= I をふとする.まず始めに i= 1とし ni 症例に治療を施し累積奏効例数が Si : Sα iの場合,効果がないとして 早期終了する.逆に累積奏効例数がんどんの場合,十分な効果があるとして早期終了する.ただし上側境界 例数はん =Ni+1 として効果がない場合のみ早期終了を設定することが現実的には多い.これらの条件に一 致しない場合,次の i+1段階に進みさらに ni+l 症例を追加し治療を施す.以上を早期終了または第 K 段階 に達するまで繰り返す.ただし第 K 段階においては必ず終了するため常に b K = αK+1である. 第 t段階での奏効例数 Xi は症例数 ni ,奏効確率 p の二項分布に独立に従うと仮定する.多段階デザイン ) } { ( n l, . . . , nK),( α1, . . . , αK),( b 1, . . . , bK‑1 は,閥値奏効率 P Oの下で 誤って有効とする確率を α ,期待奏効率 Plの下で、誤って無効とする確率を β とな るように決定される.上記の閥値奏効率 P o,期待奏効率 Pl,第 I種の過誤の確率 α ,そして第 I I種の過誤 F の確率 β をみたす多段階デザイン )[ { ( n l, . . . , nJ { ) , ( α1, . . . , αK),( b 1, . . . ,b ( P O, P l, α, s ) } K‑1 は一意に定まらない. F l e m i n g [ 4 ]は十分な効果による試験の早期終了も認めた上で試験に必要とされる総症例 円の期待値を最小とする最適化規準を提案しており, S i m o n [ 6 ]は効果がない場合のみ試験を 数 h=ZL 早期終了するとしづデザインの下で,試験に必要とされる総症例数 N} . , [ の期待値を最小とする期待値最小化規 準と,最大の症例数 Nma dAHA 1 ょ RU

159.

ミニマックス規準を提案している.実際に 2つの最適化規準のどちらを用いるかが問題となるが,正木 [ 9 Jによ ると薬剤の効果があまり期待できない場合は期待値最ノト化規準を採用するのがよく,稀な疾患等で被験者の登 録が困難な場合ミニマックス規準を採用するのがよいとされる.その他にも様々な最適化規準の提案がありこ れらの合理的な規準を満たす多段階デザインがよく用いられている. 実際の抗がん弗l の第 I I相試験ではこの多段階デザインのうち J(= 2である 2段階デザインが圧倒的に多く 用いられている.これは試験を各段階で中止して解析を行し、さらに登録を再開して試験を続けるとし、う手順に I相 多くの時聞がかかるため, 3段階以上の多段階デザインは現実的でなし、からである.また,抗がん剤の第 I 試験において効果が十分に高いため途中で試験終了が可能だと判断されることはほとんどない.そこで 6節の imonの期待値最小化規準を用いた 2段階デザインを採用する.この場合の 2段 数値例では実際に多用される S 階デザインは次のように表される. { ( η l, n 2 ),( α1, α2 ),( b1= n 1+1 )I ( P O, P I, α, s ) } 4 奏効確率の推定 4 . 1 最 尤 推 定 量 山1LE) 最も 7盤的ζ 恩]ぐられている奏効確率の推定量は最尤推定量(以下, MaximumL i k e l i h o o dE s t i m a t o r,MLE) である標本奏効割昔である.第 M 段階において試験が終了したとき MLEは式 ( 1 )で与えられる これは第 M 段階におけ右索積奏効例数を累積症例数で、害J Iったものである. h ) (1 町 Lj=1X j よ Sm 二 ‑一一 r Nm ' L' ; : Inj MLEは試験が終了した段階 M が 2以上の場合に偏ることが知られている. MLEの 100(1 α)%信頼区間は 1段階デザインと同様に二項分布から得られる信頼区間として求められる. C l o p p e ra n dP e a r s o n [ 3 Jによる正確 PU)は式 ( 2 )( 3 )により F分布を利用して求められる. SASでは FREQプロシジャを用いて計 な信頼区間(戸 L, ヲ 算可能である. ν 2 PL ,内) V2+ VI, ' Fα / 2 ( V I 入IF α , / 2 (入1, 入2 ) pu 入2+入l , ' Fα / 2 (入1 , 入2 ) +1 ),V2 ν1 = 2(N m ‑Sm +1 ),入2 入1 = 2(sm ニ 2sm ( 2 ) 2(N m ‑Sm) ( 3 ) 二 4 . 2 一棟最小分散不偏推定量 (UMVUE) 前述のように多段階デザインは奏効確率が閥値奏効率 P O以下または期待奏効率引以上の極端な場合を段階 的に排除していき,既定された最終段階においておおよそ P O+( P I‑ p o ) / 2を境に効果を見極めるデザインで ある.したがって,ある段階で終了した場合の推定値の取り得る領域は図 1のように段階的に絞られていくと 考えられる.仮説検定との対応は左側の階段が帰無仮説を採択する領域であり右の階段が帰無仮説を棄却する 領域である. J u n ga n dK i m [ 5 Jはこの段階により推定範囲を限定した奏効確率の推定量を求めた.まず,試験が終了した 段階を M ,第 M 段階での累積奏効例数を S とする.この (MS) のすべての起こり得る組合せの集合は式 ( 4 )で与えられる. ψm = { ( m, s ) : αm 1+1三s三αm o r bm 三s三nm ‑bm‑1‑1} ー ψU~=lψm ( 4 ) 。 = ー 1,bo= 1である.ラオ・ブラックウェルの定理より第 l段階の標本奏効割合。 I=Xdη1は ただし, α S) が完備十分統計量であることから,式 ( 5 )が一様最小分散不偏推定量(以下, 不偏推定量でありまた (M, U n i f o r m l yMinimumV a r i a n c eU n b i a s e dE s t i m a t o r,Ul ' v IV UE) であることが示される. よ 吋l RU RU

160.

山 一 一 第 l段階 o aJ/NJ ←ーふ 。 第2段階 1奏 効 確 率 ←一ーか‑→ , /N , b 1奏 効 確 率 K K 。 + ,, a/ N ︒ 第K ‑ I段階 bJ/N J l奏 効 確 率 第K段 階 1 0 l奏 効 確 率 図 1 :多段階デザインにおける推定奏効確率の範囲 戸(m, s ) E{ X 1 1 ( m, s ) } η1 Z L ( m s ) ( : : : ; ) ( : : ) ( : :) ( 5 ) L...LR(m, s ) ( :: ) ( :: ) . . .( : : ) ただし , R(m, s )={ ( X lぃ・・ , Xm ): Xl+・ ・ ・ +X , m =s U f v f V U E a k+1: : :X l, . . . ,X k: :b k‑1 f o rk= 1, .. . , m ‑1 } 号問。子E切 正 確 な 1 0 0 ( 1ー α)%信頼区聞は式 ( 6 ), ( 7 )を満たす ( P L, P U ) として求まる.実際の計算原理は 5 )により得られた点推定値引 m, s )以上または以下の推定値が得られる確率の和が α/2 となる奏効確率 式 ( ( P L, PU)を最適化サブルーチンにより求める. 戸(M , S )三戸 (m, s ), (M, S )ε判長L ) P r ( α/2 ( 6 ) P r ( 戸( M , S )三戸 (m, s ), (M, S )εψ│戸u) α/2 ( 7 ) 5 SAS/IMLプログラム 2段階試験デザインで得られる奏効確率の 2種類の推定盈 MLE,UMVUEとそれぞれの 1 0 0 ( 1ー α)%信頼 区聞を求めるプログラムを SAS/IMLで作成した. 3節で述べたとおり, 2段階デザインは統計的な決定を行う 際に必要な条件 ( P O, p l, α, β ) と総症例数などに対する長適化規準を満たすように求められる.作成したプログ ラムはこの既に求められた 2段階デザイン { ( n 1, n 2 ),( α1, α2),( b1 ) } の下で奏効確率の推定値と信頼区間を計算する.ただし効果不足による早期終了のみを設定する場合の 2段階 デザインは,第 l段階の上側境界例数を b l+1として 1= n { ( n l, n 2 ),( a l, a 2 ),( b1= n l+1 ) } と設定する.前述のように UMVUEの信頼区間は,上側または下側確率の和が α /2になる奏効確率 (PL, PU) を最適化サブルーチンにより求めている.一般的に最適化サブルーチンは初期値により理論的な最適値に収束 P L O=針2 ,PUO=戸)を用いている.表 2に しない場合がある.作成プログラムでは信頼区間の初期値として ( 作成した SAS/IMLプログラムを示す. ‑156‑

161.
[beta]
表 2
:2段階デザインの MLEと UMVUEを求める SAS/IMLプログラム
PROC 1ML;
ネ S
ET 1N1T1AL VALUES OF TWO STAGE DES1GN ;
N1 = 13; N2 = 30; A1 = 3; A2 = 12; B1 = N1+1;
A = 0.05;
• 100(1‑A) PERCENT CONF1DENCE 1NTERVAL ;
MS
MAKE L1ST OF AVA1LABLE (M S) ORDER1NG BY MAGN1TUDE OF THE UMVUE ;
l=l;DO J=O TO A1; 1F J=O THEN D口;M=I;S=J;END;ELSE DO;M=M//1;S=S//J;END; END;
1=2;DO J=A1+1 TO B1‑1+N2;M=M//1;S=S//J;END;
l=l;IF B1 <= N1 THEN DO J=B1 TO N1;M=M//1;S=S//J;END;
ホ T
HE Nl刑 BER OF AVA1LABLE (M S) ;
NMS = NROW(M);
ホ

• COMB1NATION(X,
Y) ;
START COM(X,
Y);
RETURN(GAMMA(X+1)/(GAMMA(Y+1)#GAMMA(X‑Y+1)));
F1N1SH COM;
ホ POWER(A,
B) ;
B);
START RAD(A,
A1=A+((‑lE‑6<=A)+(A<=lE‑6)+(B<=lE‑6)=3);
RETURN(A1 ## B);
F1N1SH RAD;

• UMVUE MLE : P01NT EST1MATE OF P ;
l,
O);
PN = J(NMS,
ー (M‑2);
PD =
l,
A1+1) <> (S‑N2)) ー (M‑2);
10 = (M‑1)#(J(NMS,
l,
B1‑1));
11 = (M‑1)#(S >< J(NMS,
DO WH1LE(MAX(11‑10) >= 0);
l,
N1‑1),
(10‑1)><J(NMS,
l,
N1‑1))#COM(J(NMS,
l,
N2),
(S‑10)<>J(NMS,
l,
O)))#((11‑10)>=0));
PN=PN+((COM(J(NMS,
l,
N1),
10><J(NMS,
l,
N1))#COM(J(NMS,
l,
N2),
(S‑10)<>J(NMS,
l,
O)))#((11‑10)>=0));
PD=PD+((COM(J(NMS,
10=10+1;
END;
れ厄=PN/PD ‑ (M‑2)#(S/N1);
UM
MLE=S/((M‑1).(N1+N2)‑(M‑2)ネN1);
ホ P
ROBAB1L1TY MASS FUNCT10N f(m,
slp): P IS SCALAR ;
S,
NMS,
N1,
N2,
A1,
B1);
START F(P) GLOBAL(M,
JN1 = J(NMS,
l,
N1);
JP = J(NMS,
l,
P);
ー (M‑2)#COM(JN1,
S><JN1)#RAD(JP,
S)#RAD(1‑JP,
JN1‑S);
XR1 =
XR2 = J(NMS,
l,
O);
DO X1 = A1+1 TO B1‑1;
DO X2 = 0 TO N2;
XR2 = XR2 + COM(N1,
X1) COM(N2,
X2) (S=X1+X2);
END;
END;
S)#RAD(1‑JP,
N1+N2‑S);
XR2 = (M‑1)#XR2#RAD(JP,
RETURN(XR1 + XR2);
FIN1SH F;

・

・

• PLU UMVUE : 100(1‑A) PERCENT CONF1DENCE 1NTERVAL OF UM
V1厄;
UPTR1 = (REPEAT((NMS:1),
'l,
NMS)+REPEAT((l:NMS),
NMS,
l) > NMS); • UPS1DE TR1ANGLE MATR1X ;
'l,
NMS)+REPEAT((NMS:1),
NMS,
l) > NMS); • LOWS1DE TR1ANGLE MATR1X ;
LOTR1 = (REPEAT((l:NMS),
START LSL(P) GLOBAL(A,
I,
UPTR1);
• LOWER 100(1‑A/2) PERCENT L1M1T ;
RETURN( (UPTRl[I,
J.F(P)‑A/2)'100 ) ; ・ PROB(P(M,
S)>=
印iVUEIP) ;
F1N1SH LSL;
START LSU(P) GLOBAL(A,
I,
LOTR1);
ホ UPPER 1
00(1‑A/2) PERCENT L1M1T ;
RETURN( (LOTRl[I,
J.F(P)‑A/2)'100 );
• PROB(P(M,
S)<=UMVUEIP) ;
FIN1SH LSU;
OPT = {1 O};
CON = {O,
l};
DO 1=1 TO NMS;
XO = UMV
1
厄[
I
J ー (UM
V
1
厄 [IJ < 0.5) UMV1厄[1]/2;
OPT,CON);
CALL NLPLM(RC,XL,"LSL",XO ,
1
厄 [IJ;
XO = UMV
CALL NLPLM(RC,XU,"LSU",XO 口
,PT,CON);
1F 1=1 THEN PLU̲UMVUE=XL 1
1 XU;ELSE PLU̲UMV
1
厄=PLU̲UMVUE // (XL 11XU);
END:

・

• PLU̲MLE
100(1‑A) PERCENT CONF1DENCE 1NTERVAL 口F MLE BY F D1STR1BUT10N ;
N
= (M‑1)'(N1+N2)ー (M‑2)ホN1;
PL̲MLE = 2ネ S/(2 S + 2'(N‑S+1)#F1NV(1‑A/2,2.(N‑S+1),2'S+(S=0)));
2'(S+1),
2.(N‑S)+(N=S))/(2 (N‑S)+2 (S+1)#F1NV(1‑A/2,
2ホ (S+1),
2'(N‑S)+(N=S)));
PU̲MLE = 2'(S+1)#F1NV(1‑A/2,
1PU̲MLE;
PLU̲MLE= PL̲MLE 1

・

・ ・

ホ MAKE P EST1MATOR AND 1
00(1‑A) PERCENT CONF1DENCE 1NTERVAL L1ST ;
れ厄 PL̲UM
れ厄 PU̲UMVUE MLE PL̲MLE PU̲MLE};
NAME = {M S UM
EST = M 11S 11UMV
1
厄 11PLU̲UMVUE 1
1 MLE 11PLU̲MLE;
PR1NT EST[COLNAME=NAMEJ;

︐

円fl

F
h
υ

1
ょ

162.

6 MLEとUMVUEの数値例 前節の SASjIMLプログラムにより MLEと UMVUEを求める数値例を示す.ここでは表 3の条件を満たす Simonの 2段階試験デザインを数値例として用いる. 表3 :数値例を示す Simonの 2段階デザインとその条件 1.統計的な決定を行う際に必要な条件 :( P o, P l, α,β )= ( 0 . 2,0ム 0 . 0 5,0 . 2 ) 2 .試験デザインの最適化規準 :Simonの期待値最小化規準 品 { ( π 1, η2),α (1 , a 2 ), ( b1= η1+1 )I ( P O, P l, α, β ) }= {(13, 3 0 ), ( 3, 1 2 ), ( 1 4 )I ( 0 . 2, 0 . 4, 0 . 0 5, 0 . 2 ) } この試験から得られる可能な全てのパターンについて奏効確率の MLE,UMVUEとそれぞれの 95%信頼区 間を表 4に示す.表 4の M は試験の終了した段階 ,Sは累積奏効例数である. : 奏効確率の MLE,UMVUEとそれぞれの 95%信頼区間 表4 M l l l l 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 S UMVUE UMVUE MLE MLE UMVUE LO ¥ 司fER UPPER MLE LOWER UPPER 。 l 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 20 2 1 22 23 24 25 26 27 28 2 9 30 3 1 3 2 33 34 3 5 36 37 3 8 3 9 40 4 1 42 43 0 . 0 0 0 0 . 0 7 7 0 . 1 5 4 0 . 2 3 1 0 . 3 0 8 0 . 3 1 2 0 . 3 1 7 0 . 3 2 2 0 . 3 2 8 0 . 3 3 5 0 . 3 4 3 0 . 3 5 1 0 . 3 6 0 0 . 3 7 1 0 . 3 8 2 0 . 3 9 5 0. 40 9 42 4 0. 0. 44 0 0. 45 8 47 6 0. 0. 49 6 0 . 5 1 7 0 . 5 3 8 0 . 5 6 0 0 . 5 8 2 0 . 6 0 5 0 . 6 2 8 0 . 6 5 1 0 . 6 7 4 0 . 6 9 8 0 . 7 2 1 0 . 7 4 4 0 . 7 6 7 0 . 7 9 1 0 . 8 1 4 0 . 8 3 7 0 . 8 6 0 0 . 8 8 4 0 . 9 0 7 0 . 9 3 0 0 . 9 5 3 0 . 9 7 7 1 .000 0 . 0 0 0 0 . 0 0 2 0 . 0 1 9 0 . 0 5 0 0 . 0 9 1 0 . 0 9 2 0 . 0 9 6 0 . 1 0 3 0 . 1 1 3 0 . 1 2 4 0 . 1 3 7 0 . 1 5 1 0 . 1 6 6 0 . 1 8 1 0 . 1 9 8 0 . 2 1 6 0 . 2 3 4 0 . 2 5 3 0 . 2 7 2 0 . 2 9 2 0 . 3 1 3 0 . 3 3 4 0 . 3 5 5 0 . 3 7 7 0 . 3 9 9 42 1 0. 0. 4 44 0 . 4 6 7 0. 49 1 0 . 5 1 5 0 . 5 3 9 0 . 5 6 3 0 . 5 8 8 0 . 6 1 4 0 . 6 4 0 0 . 6 6 6 0 . 6 9 3 0 . 7 2 1 0 . 7 4 9 0 . 7 7 9 0 . 8 0 9 0 . 8 4 2 0 . 8 7 7 0 . 9 1 8 0 . 2 4 7 0 . 3 6 0 0. 45 4 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 8 0 . 5 3 9 0 . 5 4 0 0 . 5 4 3 0 . 5 5 0 0 . 5 6 0 0 . 5 7 3 0 . 5 9 0 0 . 6 0 8 0 . 6 2 7 0 . 6 4 7 0 . 6 6 8 0 . 6 8 9 0 . 7 0 9 0 . 7 3 0 0 . 7 5 0 0 . 7 7 0 0 . 7 9 0 0 . 8 0 9 0 . 8 2 8 0 . 8 4 7 0 . 8 6 5 0 . 8 8 2 0 . 9 0 0 0 . 9 1 6 0 . 9 3 2 0 . 9 4 7 0 . 9 6 1 0 . 9 7 4 0 . 9 8 5 0 . 9 9 4 0 . 9 9 9 1 .000 0 . 0 0 0 0 . 0 7 7 0 . 1 5 4 0 . 2 3 1 0 . 0 9 3 0 . 1 1 6 0 . 1 4 0 0 . 1 6 3 0 . 1 8 6 0 . 2 0 9 0 . 2 3 3 0 . 2 5 6 0 . 2 7 9 0 . 3 0 2 0 : 3 2 6 0 . 3 4 9 0 . 3 7 2 0 . 3 9 5 0. 41 9 0. 44 2 0 . 4 6 5 0. 48 8 0 . 5 1 2 0 . 5 3 5 0 . 5 5 8 0 . 5 8 1 0 . 6 0 5 0 . 6 2 8 0 . 6 5 1 0 . 6 7 4 0 . 6 9 8 0 . 7 2 1 0 . 7 4 4 0 . 7 6 7 0 . 7 9 1 0 . 8 1 4 0 . 8 3 7 0 . 8 6 0 0 . 8 8 4 0 . 9 0 7 0 . 9 3 0 0 . 9 5 3 0 . 9 7 7 1 .000 0 . 0 0 0 0 . 0 0 2 0 . 0 1 9 0 . 0 5 0 0 . 0 2 6 0 . 0 3 9 0 . 0 5 3 0 . 0 6 8 0 . 0 8 4 0 . 1 0 0 0 . 1 1 8 0 . 1 3 5 0 . 1 5 3 0 . 1 7 2 0 . 1 9 1 0 . 2 1 0 0 . 2 3 0 0 . 2 5 0 0 . 2 7 0 0 . 2 9 1 0 . 3 1 2 0 . 3 3 3 0 . 3 5 5 0 . 3 7 7 0 . 3 9 9 0. 42 1 4 44 0. 0. 467 0. 49 1 0 . 5 1 5 0 . 5 3 9 0 . 5 6 3 0 . 5 8 8 0 . 6 1 4 0 . 6 4 0 0 . 6 6 6 0 . 6 9 3 0 . 7 2 1 0 . 7 4 9 0 . 7 7 9 0 . 8 0 9 0 . 8 4 2 0 . 8 7 7 0 . 9 1 8 0 . 2 4 7 0 . 3 6 0 0. 454 0 . 5 3 8 0 . 2 2 1 0 . 2 5 1 0 . 2 7 9 0 . 3 0 7 0 . 3 3 4 0 . 3 6 0 0 . 3 8 6 0. 41 2 0. 437 0. 46 1 48 5 0. 0 . 5 0 9 0 . 5 3 3 0 . 5 5 6 0 . 5 7 9 0 . 6 0 1 0 . 6 2 3 0 . 6 4 5 0 . 6 6 7 0 . 6 8 8 0 . 7 0 9 0 . 7 3 0 0 . 7 5 0 0 . 7 7 0 0 . 7 9 0 0 . 8 0 9 0 . 8 2 8 0 . 8 4 7 0 . 8 6 5 0 . 8 8 2 0 . 9 0 0 0 . 9 1 6 0 . 9 3 2 0 . 9 4 7 0 . 9 6 1 0 . 9 7 4 0 . 9 8 5 . 9 9 4 0 . 9 9 9 1 .000 。 E 1 υ 1i o o

163.

) をとり,縦軸に推定値を取ったものである. に試験が終了した段階と累積奏効例数の統計量はf S 図 2と図 3は得られた MLEと UMVUEをそれぞれの 95%信頼区間と共に図示したものである.これは横軸 /' ‑‑‑〆 0 . 7 < ', I 〆‑ 1 /〆 〆 ' 0 . 1 , 1 / ・4 1 ' ぃ 〆,‑ / ' 〆〆 J I J ︽ ~ 0 . 1 I 0 . 2 j / ! ¥/ / 〆 〆 〆 / … 〆 ' / J 0 . 8 ‑, 一 d 一一‑ 0 . 9 J ι 内J︐色‑也干 a 4' 内︽u ︐ ︐ J 0 . 9 内 J︐色‑‑晶T 守a4' 内 J 内ノ﹄也干内︽ uu 内 a4' ︽H︾ 内ノ﹄‑晶T 守a4' lι '内ノ﹄也干 a un只u ι.内ノ﹄也干内︽ u 守'︐ u︽ hU 内ノ﹄也干内︽ 白内ノ﹄也干内︽ Ia. u 内︽u ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐〆 ︐ ︐ ︐ ︐ r ︐ 〆 O .7 内ノ﹄也干内︽ uFhJ叫︾ J 4F 〆 ︐ ︐ J 〆 ︐ ︐ 〆 〆 〆 〆 J ︐ 〆 〆 4' 〆 〆 〆 ︐ ︐ ︐ r J J 〆 〆 ︐ 〆 〆 ︐ d 4 〆 F F ︐ ︐ ︐ a F ︐ a 守内︽u 内J︐色‑也干 内J︐色‑‑晶T 守 a 守内ノ﹄ T ﹃ 守 ︐ u 内︽u 内J︐色‑也干内︽ 内J︐色‑也干内︽ ﹄. U︽ HV 内〆色合 aT 内J ' ‑ n u d ‑ I.内J︐色‑‑晶守T 内︽ E ﹃ a 守 4I a 守 ハHv 内J︐色‑也干 内J︐色‑也干 内J︐色‑‑晶守 内︽ u 内 ︾v ι u l q u︐ 内 J︐色‑‑晶T 守 内︽ u n只u ηノ﹄‑晶守T 内︽ u︽ hU η ? / ζ﹄ 本 内 J︐色‑‑晶T 守 内︽ uFhJ叫v ηノ ﹄ 也 干 内 ︽ua4 e 内J︐色‑‑晶守T 内 白Ju ︾ u 内ノ﹄ a 本内 4l ﹃ ‑内 J '﹄ 也 宇 内J ' ‑ n x u s 4 内 内 J '﹄ 也 宇 内 ノ ﹄p h J M ‑‑nノ ﹄ 合aT 内J'‑nhu l 内〆色合 aTnノ﹄内︽U l 内J '﹄ 也 宇 内J ' ‑ a a ‑ ‑ ﹄内 J '﹄ 也 宇 内J'‑nノ﹄ n︑u 内 J '﹄ 也 宇 内J '﹄咽E ' M M山 l 羽 本 1ln ηノ ﹄ 也 干 4lln只u 内 ︐& ζ 田 内 ノ ﹄ 金 千 円 ノ ﹄ ︽HV ﹄ l ﹄ 内 J︐色‑也干 . hU l I a .︽ a η /﹄‑本守 1 l ﹃守︐︐ a 内ζ ︐& 本 4i ﹄ . F ζ h u ﹄ 内 J︐色‑也干 4 1 . a . a 4 ‑ Ia. 内 J︐色‑‑晶T 守 41 4 ll 内 J︐色‑‑晶T 守4'a 内 J 色 ︐ 内J︐色‑‑晶守T 内︽ a E ' u a 内J︐色‑‑晶守T ︽ H︾ 内J︐色‑‑晶守T ︽ H︾ 内 内J︐色‑也干 ι u民v n ︾ v g a 内 ︐& 也牢平ハ ζ U7 ︐ ハ a . E ' Hv z a E 4Ea 也干 nuv 内︽u 内〆色合 aT ︽ Hvau守 内 J '﹄ 也 干 nuvFhu I 白白内 J色 合aT ︽ HvnhU ・ J ‑ 4 l キハ U n U 内' ‑ d' a4a‑‑aTnuv J d B T l キハ U 4 1 nuv ハ υ 図 3 :UMVUEとその 95%信頼区間の結果 ' 内 ノ ﹄ 也 干 内 ︽u a4' .内ノ﹄也干内︽ y 0 . 8 d p ,, 1 .0 1 Ia. u 内J '内ノ﹄也干内︽ u u ︽H︾ u4la 内ノ﹄‑晶T 守 内︽ ‑n只u 内ノ﹄‑晶守T 内J︐色‑守'︐ 内ノ﹄也干内J︐色 '内ノ﹄也干内J︐色‑内 I.内ノ﹄‑晶守T 内︽ Ib. e 巳 I I'e 内ノ﹄‑晶守T 内J︐色‑内︽ u 内ノ﹄也干内J︐‑ 色a 4' 色 ︐ ︐ 内 ノ ﹄ 也 干 内 J‑ F h J d︾ 司 ζ 内︐& H︾ 内 ︽ u T ︽ 守 晶 也 牢 平n υ 0 . 6 。 1 51 / '内ノ﹄也干内J︐色‑︽ hU j I φ . l n ノ ﹄ 也 宇 内J'‑dEEMM山 j nノ ﹄ 也 宇 内 J'﹄内J'﹄ 件 ︑ u 容内 u 4 キ 1 ﹄q ' n ノ ﹄ 也 宇 内 ノ ﹄nHV e n f﹄ 合aT 守'annv l 1l ﹃ a n ノ ﹄ 也 干 44a 戸hu s n f﹄ 本 内ノ﹄本唱﹄凋 ‑‑nノ ﹄ 合aT4lbphju a '.4E. 噌 内J︐色 ‑ 13 a. 内 ノ ﹄ ‑ 晶 守T ︽ ︾ 内 ノ ﹄ 也 干 ︽H︾ 内 ︾ v 内ノ﹄也干 . E ' H 1 ・ 内 ノ ﹄ ‑ 晶 守T s? ﹄字句 B e ι u只u n η / ζ﹄也牢平 n U 7︐ . 内 ノ ﹄ ‑ 晶 守T ︽ H︾ ﹄ hU 守 ︐ 砂 内 ノ ﹄ 也 干 ︽H︾ ︽ s 内 ノ ﹄ 也 干 ︽H︾F h J叫v 4﹄ a . ‑ ﹄ 内 ノ ﹄ 也 干 ハ Hνa4 4 'a 也 干 ハHν.E' H︾ '41l 也 干 ハHν ︽ ﹄ .τl ,〆 l 、 一一 . 一 一 ,‑ 一 ‑ υ υ ハ 0 . 1 J ‑ ‑ ‑ ‑ . ノ/' J 邑 f 1 〆 レ / 〆J 1" /1 j , 〆 0 . 3 1 ' , , . ./ ‑ t L ' 〆 / / ' 〆 〆 1 1 1. J , ' / い I 〆 ' r . 〆 ̲̲̲〆 " l ' , 0 . 5 一一一一一一一一一一一ふ 守~ぐ 4 . ふ ぐ p 守 強会も J f l : f ! : イJ ιa /' 0 . 6 図2 :MLEとその 95%信頼区間の結果 1 .0 P nud p h υ 1ょ

164.

7 まとめ 2段階試験デザインにおいて MLEと UMVUEを求める SAS/IMLプログラムを作成した. MLEと UMVUE の比較については Change tal . [2 Jや JungandK i m [ 5 Jなどで詳しく評価されている.特に第 l段階では数例の 奏効例数があったが第 2段階ではほとんど奏効例数がなかった場合に MLEは偏りのない UMVUEと比べて無 視できない過小評価になる.この偏りは抗腫蕩効果が有効か無効かの判定境界付近においても見られる. した がって結果が捕えがたいときは,一般的に用いられている MLEだけでなく UMVUEも同時に求めて比較する ことによりその偏りがどの程度あるのか認識しておくことは,推定値の特徴を把握し,第 I I I相臨床試験を計画 する上で重要であると考えられる. 参考文献 [ l J ChangMN.Tl 町 n eauTM.WieandHS.andChaSS, D e s i g n sf o rGroupS e q u e n t i a lPhaseI IC l i n i c a l i o m e t r i c s,1 9 8 7,4 3,8 6 5 ‑ 8 7 4 τ r i a l s,B [ 2 J ChangMN.WieandHS.andChangVT., Theb i a so ft h esamplep r o p o r t i o nf o l l o w i n gagroups e q u e n t i a l t a t i s t i c sI nM e d i c i n e,1 9 8 9,8,5 6 3 ‑ 5 7 0 p h a s eI Ic l i n i c a lt r i a l,S [ 3 JC l o p p e rCJandP e a r s o nES, Theu s eo fc o n f i d e n c eo rf i d u c i a l l i m i t si l l u s t r a t e di nt h ec a s eo ft h eb i n o凶 a l, B i o m e t r i k a,1 9 3 4,2 6,4 0 4 ‑ 4 1 3 [ 4 J FlemingTR . , One‑SampleM u l t i p l eT e s t i n gP r o c e d u r ef o rPhaseI IC l i n i c a lTri a l s,B i o m e t r i c s,1 9 8 2,3 8, 1 4 3 ‑ 1 5 1 [ 5 J Ju珂 SH.andKimK . , Ont h ee s t i m a t i o no f t h eb i n o凶 a lp r o b a b i l i t yi nm u l t i s t a g ec l i n i c a lt r i a l s, S t a t i s t i c s 0 0 4,2 3,8 8 1 ‑ 8 9 6 I nM e d i c i n e,2 [ 6 J SimonR . , O ptimalTwo‑StageD e s i g n sf o rPhaseI IC l i n i c a lTri a l s,C o n t r o l l e dC l i n i c a lTri a l s1 9 8 9,1 0, 1 ‑ 1 0 [ 7 J 厚生省薬務局新医薬品課,抗悪性腫療薬の臨床評価方法に関するガイドライン, 1 9 9 1,薬新薬 9,5 0 5 ‑ 5 5 7 [ 8 J 福田治彦,新美三由紀?石塚直樹訳,米国 SWOGに学ぶがん臨床試験の実践,医学書院, 2004 [ 9 J 正木伸之,被験者数に幅を持たせた抗癌剤第 I I相試験の最適化デザインラ工学修士論文,東京理科大学大 学院工学研究科経営工学専攻医薬統計コース, 2 0 0 4 ‑160

165.

S A S Foru mユ ー ザ ー 会 臨床試験のデータ・モニタリングにおいて解析部門ができること 0林 水 紀 、 高 田 康 行 、 萩 野 篤 司 、 矢 島 勉 医薬開発部 持田製薬株式会社 Whatcant r i a ls t a t i s t i c i a n sdot oenhancem o n i t o r i n go fc l i n i c a lt r i a l s ? M i z u k iHayashi/YasuyukiTakata/AtsushiHagino/TsutomuYajima C l i n i c a lDevelopmentDepartmen , t MochidaPharmaceuticalCo., LTD 要旨 臨床試験ではデータ・モニタリング が重要である。ここで述べるデータ・モニタリングとは、プロトコ ル遵守状況やデータの質、症例の集積率等を逐次確認することにより試験の質を監視することであ る。今回は解析部門によるデータ・モニタリングへの関与を試み、臨床試験の統計解析でも利用する S A Sにてプロク守ラム構築を行った。逐次集積されるデータの傾向を視覚的にとらえやすくするために、 グラフを利用した 結果として、臨床試験の実施時に発生する問題点の早期把握や対応等により、 G データの質の向上に貢献したと考える。 キーワード:臨床試験、データ・モニタリング、 SAS/GRAPH、解析部門、コミュニケーション 1 . はじめに 臨床試験の流れは、「計画」、「実施」、「まとめ」に大きく分けられる。その中における解析部門の ~ヘ 役割として、「計画」段階では試験デザインの検討、症例数の設計、統苛解析計画書の作成等が挙 げられる。また、「まとめ」の段階では集計・解析の実施、統計解析報告書の作成、総括報告書の統 計関連の記述等が挙げられる。このように臨床試験における「計画」および「まとめ」の段階で解析部 門は積極的に関与しており、担う役割は大きい c しかし、解析部門ができることは他にもまだあるので はないだろうか そこで今回は、臨床試験の「実施」段階において、解析部門が関与できることとして G デ.ータ・モニタリンク、、に着目し、検討した。 2 . データ・モニタリングとは 2 . 1 治験モニタリングとデータ・モニタリング ICH‑E9 i 臨床試験のための統計学的原則 J I}に述べられているとおり、臨床試験実施中の治験 ρhU よ ー 1ょ

166.

モニタリング、、は非常に重要で ある。治験モニタリングには 2つの方法がある。一方は試験の質を監視 するためのもの、もう一方は中間解析のように割付を明らかにした上で治療聞を比較するためのもの である。本報告では前者を対象とし、これをデータ・モニタリングと定義した。すなわち、治験実施註 画書の遵守状況やデータの質、症例の集積率等を確認することにより、試験の質を監視することで ある。例として、選択除外基準違反やその他治験実施計画書の逸脱が多発する場合、もしくは登録 基準が厳しすぎるために症例の集積率が著しく低い場合、治験実胞計画書の見直しゃ改訂が必要 になることもある。そのような事態でも適切な対策を講じることができるよう、治験実施医療機関の選 定後よりデータ・モニタリング、を開始することが重要で、ある。 データ・モニタリンク、、の方法には、モニタリング、担当者自身が収集した個々のデータを確認する方 法、集積したデータから推移や傾向をとらえる方法等がある。ここでは、解析部門が関与するデー タ・モニタリングとして、集積したデータ全体の推移や傾向をとらえる方法を選択した。 2 . 2 解析部門が関与するデータ・モニタリング データ・モニタリング1 土、一般的にモニタリング、担当者自身で行うことが多し、と思われる。ここでは、 解析部門がデータ・モニタリングに関与した理由を挙げる。 解析部門は、臨床試験の「計画」および「まとめ Jの段階では、 DM 部門やライティングF部門等と協 力して業務を遂行する重要な役割を果たしている。しかし、「実施」の段階では、データ収集をモニタ リング担当者に任せきりになりがちである。そこで、解析部門がデータ・モニタリング.に積極的に関与 することで、解析部門とモニタリング、部門との繋がりを強化し、データの質がさらに向上することを期 待した。 解析部門がデータ・モニタリングに関与するにあたり、 SASをツールとして選択した。現在、臨床試 験の統計解析で SASを活用しており、可能な限りプログラムの再利用を考えたことが理由である。 集計方法としては、逐次集積されるデータの傾向を視覚的にとらえやすくするために、グラフを用 いることとし、作成には SAS/G札ベ PトIを利用した。 3 . データ・モニタリングの実施方法 デ?ータ・モニタリンク、、の実施方針の検討、準備、および、実行方法について説明する。 モニタリング 部門や DM部門、解析部門等の関連部門間で取得すべき情報の選択と報告のタイミ ングや頻度について検討し、集計項目およびグラフの形式を決定した。決定事項に基づき、解析部 門が SAS(こてプログラムを開発した。 集計結果は週 I回、電子メールにてモニタリング、部門や DM部門等の関係者に報告した。また、 隔週の報告会にて集計結果を検討する機会を設けた。必要に応じ、モニタリング担当者の教育(モ ニター教育)の場にて集計方法や集計結果を説明した。 報告のタイミングを毎週としたため、操作ができる限り簡便になるよう心がけたc すなわち、実行す ‑ 1 6 2

167.

る SASプログラムは lっとし、データベースから入力データの取得、解析用データセット作成、イレギ ュラーデータのチェック、集計、結果の出力が全て実施可能になるよう開発した o SASプログラムにつ いては、次項で説明する。 五五言~ SASプログラム開発 SASヲログラムの構成 ①入力データ取得 ②解析用データセット作成 ③データチェック ④集計 ⑤結果の出力 定期報告 :電子メールで定期 報告(週 1回) 嘉吉: 図 1:データ モニタリングの計画から実施まで B 4 . SASプログラムの作成 ‑SAS/GRAPH‑ 今回実施したデータ・モニタリングでは、症例の集積率、治験実施計画書の遵守状況、有害事象 の発生頻度等を検討した。巻末に、データ・モニタリングに使用したプログラムの一例を示す O SASSystem8以降、さらに見やすく、情報が理解しやすいグラフが簡便に作成で尽きるようになって e l i v e r ySystem(ODS)機能により、ファイル出力が容易となった。 きた。また、 OutputD 以下に、便利な機能の一例を記載した。使用例は、「図 2 :プログラム例(抜粋)Jを参照のこと。 ① PDFファイルへの出力 I コDF ファイルは他の画像ファイルよりもファイルサイズが小さく扱いやすい 3 ただし、 SASsystem8 では、 PDF出力時のパグずがあり、修正ファイル(トl o t F i x )を入手し、実行する必要がある (SASsystem 9では改善されている)。 i 句 ハhu η ︒

168.

② GCHARTプロシジャの INSIDEオプション vbar ステートメントで iinside=XXXJ(XXX=統計量(例 :FREQ、SUBPCT))を指定するとパーの内 側に統計量が表示される。サブグループで分類したとき、サブグループ毎の数値が明示される。 ③ ANNOTATEオプション 予め書式を設定するデータセットを作成し(以下の例では iannolJとしづ名のデータセットで規定)、 ANNOTATE=で指定することで、注釈が自由につけられる。 .‑‑斗③ANNOTATEオプション設定用データセット data annol ; .‑‑ length function style color $ 8 text 卒 12 function 'LABEL'; xsys = ' 3 ' ;ysis '3'; hsys 三 官 ; x = 95 ; Y style = 'SW工SS' ; size ‑ 8 ;color 'RED'; text "Confidential" position ‑ ' 7 ' ; output run; J ①PDFファイルへの出力開始 40; I ,‑‑‑‑‑‑‑‑, Ods pdEfile="C:¥TEMP¥出力 .pdf" ;~I ③ANNOTATE オプション │ proc gchart data=data1 annotate=anno1 ; vbar week / subgroup=AGE C inside=freqmidpoints=0,4,8,12,16, 20,24 width=5; title "時点ごとの来院済み被験者, 司‑‑‑寸 │ │②INSIDEオプション │ run ; title ; quit , ; E l 目 ods pdf close ;. . . . 一一│①PDFファイルへの出力終了 │ 図2 :プログラム例(抜粋) 時点ごとの来院済み被験者 Co n f i d 鮒 a l 合 [i 1 1 1 1 1 I ! I I ! 1 I Q 5 巨匠時#. 年揖E舟 t ' Z Z Z Z Z l1 5 車末高 区三SSS3 & 5 量目上 図3 :出力例 ‑ 1 6 4 1 1

169.

5 . 解析部門が関与したデータ・モニタリングの効果とメリット 5 . 1 臨床試験全体への効果 解析部門がデータ・モニタリングに関与した効果の 1っとして、解析部門とモニタリング部門とのコミ ュニケーションが大ムに而ト Lたことが挙げられる。データ・モニタリング伊の方針検討段階で集計に必 要な項目や出力方法等を検討することにより、臨床的および統計的に重要な事項を互いに再認識 する機会が増えた。また、集計結果を定期的に報告し検討する機会を頻繁に設けることで問題点を 逐次に把握し、問題を繰り返し発生させないための対応を検討できた。それらにより、臨床試験の統 計解析に必要なデータの質とは何か、各部門が再認識することができ、最終的にはデータの質の向 上につながったと思われる。 こ関与したことで、データ集積中にモニタリング部門へ統計 また、解析部門がデータ・モニタリング1 的観点からの助言をする機会が増えた。データ集積中にデータ全体のばらつきやバイアスについて モニタリング、担当者に教育する機会を逐次設けたことで、モニタリング 担当者はそれらを意識しつつ P モニタリング活動できたと思われる。そのことが、データの質のさらなる向上に貢献したと考える。 5 . 2 解析部門のメリット 観察時点のずれ等の解析上の問題点が早期に発見されることで、データ処理上有効な対策がた てられるようになる つまり、試験終了後の集計解析を迅速に行うための一方策となる c 3 また、モニタリンク、、部門とのコミュニケーションが増えることで、解析部門に不足しがちな薬剤の特 質、対象疾患の特徴等の情報や知識を会得する機会が増え、解析方針に生かすこともできる。また、 モニタリング 部門に対しても、統計学的な観点を理解してもらうきっかけにもなり、結果として臨床試 験を通じて頻繁に行われる議論がスムーズに進む効果があると思われる。 5 . 3 データ・モニタリングに SASを用いることのメ 1 )ッ ト デ「ータ・モニタリンク、、用のプログ ラムを一度作成すれば、データ更新時に逐次プロク、、ラムを実行す るだけで、解析結果を容易に更新することができる。刻一刻とデータが集積されるデータ・モニタリン グ時の集計では、このことはメリットと考える 臨床試験における解析プロク、、ラムは SASで作成すること 3 が多く、今回検討したデ、ータ・モニタリンク。で、も SASを利用することにした そのことより、イレギュラー 3 デ、ータの処理プロク守ラムの作成等、事前に取り組むことができ、一部プログ ラムの再利用も可能とな る。また、臨床試験の統計解析のためのプログラム開発の準備にもなる。 6 . 展望 解析部門によるデータ・モニタリングへの関与で、気づいた点を挙げる。 現在の報告方法は、電子メールで、の配信と報告会が主で、ある。メール配信は現在、手動で、行って いるが、プロク、、ラムの自動実行(パッチ処理)とともに自動配信が可能になると、さらに便利になると思 4Ei ρnU ロd

170.

われる。また、配信手段は Web掲載とメール配信等が考えられるが、どちらがより効果的か、検討中 である。さらに、相手により伝わる、より効果的な報告の方法を現在模索中である。 データの早期入手は検討課題であるが、 E l e c t r i cDataCapture(EDC)の導入で、データ入手のタ イミンク、、もよりタイムリーになると思われる。さらに、 EDC からのデータを、データベースを介さずに直 接 SAS で集計することが可能になると、より迅速なデータ・モニタリングが可能となると考えられる。 7 . まとめ 今回は、解析部門が臨床試験の実施時に関与できることとして、データ・モニタリングYを取り上げ、 その方法や効果を検討した。 咋今、分業化が進むにつれ、他部門とのコミュニケーションの機会が減少し、さらには他部門の業 務内容や自分の業務の臨床試験全体への影響がわかりにくし、とし、う状況になりつつある。そのような 中、解析部門がデータ・モニタリング"(こ関与し、モニタリング部門とのコミュニケーションの機会を増や したことで、お互いの業務の理解度が増し、自らの業務が他部門に与える影響等を考えながら業務 て ? ー ー ー ー 『 ー ー ‑ ー 司 ̲ 目 ̲ 一 一 一 ー ー 一 一 一 一 ー 一 ー ー 一 一 ー 一 一 一 主 笠1 1'土豆長主主五と思われる。また、モ塑些士三三三二Z 二タの対策をたてることで、陪 発防止となり、つまりはデータの質の向上につながる。加えて、モニタリング部門と解析部門との問で、 集計結果をまとめる際に必要とする「データの質」について再認識する機会を増やすことで、データ の質が向上し、臨床試験の結果の精度がより高まる効果があると考えるご 8 . 参考文献 1)厚生省医薬品安全局審査管理課長.臨床試験のための統計的原則(平成 1 0年 1 1月 3 0日 医薬審第 1 0 4 7号).1 9 9 8 . n s t i t u t e[ n c . .SAS/G九ベ PHS o f t w a r e :R e f e r e n c e .V e r s i o n8 .Volume1 .1 9 9 9 . 2 ) SASl 3 ) Pocock S J . 著,コントローラー委員会監訳.クリニカルトライアルよりよい臨床試験を志す 人たちへー.篠原出版.1 9 8 9 : 1 9 8 ‑ 2 0 0 . 付録. SASプログラム ***** program begin *****; 安 * * * ・, 日付*①入力データ取得(今回はダミ デ タを作成) 安 * 一 一 実行自のデータ化 ‑‑*; data null ; T̲DAY = mdy(7, 1, 2005) ; ι ー本プログラム上での実行日の日付; call SYMPUT("T̲DAY", put(T̲DAY, yymmdd10.)) run しー ダミーデータ作成 ‑‑*; data dum1 ; do 工D = 1 to 100 ; ‑ 1 6 6

171.

*ー患者背景ー勺 AGE = round(60+自大 rannor(5963)) 大ー測定項目 2種 類 一 勺 PRE EP1 = 170 + round(10*rannor(1234)) PRE EP2 = 120 + round(10*rannor(9876)) *ー投与開始日ー勺 START D = round(mdy(7, 1, 2004) + 3大 工 D + 2*rannor(9753)) output ; end ; format START D yymmdd10. label 1D = "被験者番号 11 AGE ̲ 11年齢" START D = "投与開始日" run ; data dum2 ; set dum1 ; by 1D ; do WEEK = 0,4,8,12,16,20,24 ; 大ー来院日一勺 DATE = START D + 7大 WEEK + round(rannor(3369)) 大一ー来モニタリング日の設定ーー勺 if DATE > (input("&T̲DAY• ", yymmdd10.) ‑ 5) then DATE = 大一ーモニタリング時に確認した測定項目 ‑J; if DATE > 0 then do ; EP1 = PRE EP1 ‑ WEEK大 3 ‑ round(5大 rannor(5689)) EP2 = PRE EP2 ‑ WEEK大 2 ‑ round(5*rannor(1245)) ; end else do ; EP1 = • ; EP2 = ; end ; output ; end ; format DATE yymmdd10. label WEEK="来院時点(週) " DATE = "来院日" run i data dum3 ; set dum2 ; by 1D WEEK ; if DATE > 0 and WEEK > 0 then do 大ー注目する有害事象ー勺 if ranuni(13579) > 0.99 then AE1 = 3 else if ranuni(13579) > 0.97 then AE1 = 2 else if ranuni(13579) > 0.94 then AE1 = 1 else AE1 = 0 ; *ープロトコル遵守状況ー勺 if ranuni(24680) > 0.98 then EV1=1; EV1=0; else end ; label AE1 = "有害事象 (XXX)" ; label EV1 = "逸脱項目 A‑l" ; 大一一イレギュラ デ タ作成:入力ミスデ タの確認周一一勺 if 1D = 60 and WEEK = 16 then DATE = DATE + 365 ; if 1D = 39 and WEEK = 12 then DATE = DATE ‑ 30 ; run ; t h 巧 ρhu ‑ ‑

172.

日付*②解析用データセット作成 日付*; data data1 ; set dum3(keep=工D AGE WEEK DATE EP1 EP2 AE1 EV1) by ID WEEK ; *ーー背景データのカテゴ 1 )力ル化 ‑‑*i if AGE < 65 then AGE C = 1 ; else AGE C = 2 ; *ーー来院済みのフラグーー勺 if DATE>. then V工S = 1 ; *‑‑投与開始日からの期間一勺 retain START̲D ; format START D yymmdd10. if first.工D then START D = DATE ; WKS = (DATE ‑ START̲D) / 7 ; label WKS = "投与開始からの週数" AGE C = "年齢区分" V工s̲ n来院被験者数" run ; *ー箱ヒゲ図に示す平均値の計算 ‑J; proc means data=data1 noprint class WEEK ; var EP1 EP2 ; output out=out1 n=N1 N2 mean=MEAN1 MEAN2 run ; 女一一箱ヒゲ図用のデータ一一勺 data data2 ; set data1 out1 label MEAN1= "項目 1の平均値" MEAN2 = "項目 2の平均値" run ; proc format value agec 1 = "65歳未満 1 2 value sev 0 = "なし" value yn 1 1 6 5歳以上"; 1 = n軽度" 0 = "逸脱なし 1 1 2 = n 中等度" 3 "重度" 1J逸脱あり"; run ; 日 付 * ③データチェック HH*; proc print data=data1 ; where (WEEK > 0 and .<WKS<O) or (.<WEEK<O and WKS>O) or (O<WKS<WEEK‑3) or (O<WEEK+3<WKS) ; title "データのチェック"; title2 "日付の間違いの可能性あり" run ; title ; title2 ; 日日常④集計、⑤結果の出力(グラフの作成) **女**. , ods pdf file="C:¥TEMP¥出力 .pdf" goptions ftext=kanji *‑‑ ANNOTATE 作 成 ‑ J ; data anno1 ; length function style color $ 8 text $ 12 1 6 8

173.

function = 'LABEL・; xsys = ' 3 ' i ysis ' 3 ' i hsys ' 2 ' i x ‑ 95 i Y = 40 i sty1e = 'SWISS' i size = 8 i co1or = 'RED' itext = "Confidentia1" i position = ' 7・ioutput i run ; 合一時点ごとの来院済み被験者数 ‑‑‑*i axis1 1abe1=("(人)") order=O to 100 by 20 proc gchart data=data1 annotate=anno1 i where VIS = 1 i vbar WEEK I subgroup=AGE̲C inside=freq midpoints=0, 4, 8, 12, 16, 20, 24 width=5 axis=axis1 i pattern1 c=red v=s i pattern2 c=green v=s i format AGE C agec. tit1e "時点ごとの来院済み被験者数" run i tit1e i quit i 九 一 プ ロ ト コ ル 遭 守 状 況 ‑‑*i proc gchart data=data1 annotate=anno1i where DATE > 0 and EV1 > • i vbar WEEK I subgroup = EV1 inside=freq outside=freq midpoints=0, 4, 8, 12, 16, 20, 24 width=10 axis=axis1 i pattern1 c=cyan V=S i pattern2 c=red v=s i format EV1 yn. tit1e "治験実施計画書の遵守状況(逸脱項目 A‑1) " run i tit1e i quit i 合一測定項目 1の 箱 ヒ ゲ 図 ー 勺 axis2 1abe1=("投与期間(週) " ) order=O to 24 by 4 i axis3 1abe1=("(mg/mL)") order=O to 200 by 50 i proc gp10t data=data2 annotate=anno1 i p10t (EP1 MEAN1) 合 WEEK I over1ay haxis=axis2 vaxis=axis3 vref=100 1vref=2 i symbo11 v=star i=boxt 1=1 w=5 c=b1ack r=l symbo12 v=dot i=join 1=1 w=2 c=red r=l i tit1e "測定項目 1の推移(箱ヒゲ図) " run i tit1e i quit i 九一注目する有害事象の発現件数 ‑J; proc gchart data=data1 annotate=anno1 wher巴 DATE > 0 and AE1 > • i vbar WEEK I subgroup=AE1 insid巴 =subpct midpoints=0, 4, 8, 12, 16, 20, 24 width=10 axis=axis1 i pattern1 c=cyan v=s i pattern2 c=ye11ow v=s i pattern3 c=orange v=s i pattern4 c=red v=s i format AE1 sev. i tit1e "有害事象 (XXX)の重症度別発現頻度" run i tit1e i quit i 合一被験者ごとの測定項目の推移ー勺 proc gp10t data=data1 annotate=anno1 by ID i p10t (EP1 EP2) 女 WKS I ov巴工 1ay vaxis=axis3 haxis=axis2 vref=100 1vref=2 ハhU ハ ud Ti

174.
[beta]
symbo11 v=dot
i=join 1=1 c=red w=2 r=l ;
symbo12 V=circ1e i=join 1=2 c=b1ue w=2 r=l ;
tit1e ..被験者ごと測定項目の推移";
tit1e3 c=red ..実線:項目 1
.
. c=b1ue ..点線:項目 2.
.
run ; quit ; tit1e ; tit1e3 ;
ods pdf c10se ;
**女** p
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175.

口頭論文発表 システム

176.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 読合帳票の作成 0中 村 竜 児 株式会社インクリース研究所 Makingo fc o l l a t i n gf o r m s R y o j iNakamura 1NCREASECO, LTD. 要旨 DDE(DynamicDataExchange)とはアプリケーション間で、データやコマンド等をやりと りするためのプロトコルの 1種であり、特に BaseSASのみで SAS側をクライアントとするオ ートメーションの手段としては有効な方法で、はなし、かと思われる。 DDE よりもさらに高度な OLEが登場してからは廃れた感があるが、 DDEのみで、症例一覧表作成ツーノレ CATS(電 助システムズ製、以下 CATS)の機能にどこまで迫れるか、挑戦してみた。 キーワード: 症例一覧表作成ツーノレ CATS、DDE、E x c e lマクロ関数、 10M SASコーディングサンプル 1 . 1 表形式で移送 p r o cc o n t e n t sにより変数情報を取得して、そこから f i l e n a m eステートメントで、指定するセル範囲 e c h n i c a l Support で 紹 介 さ れ て い る (h t t p : / / w w w . s a s . c o m / o f f i c e s / を得るサンプノレが T a s i a p a c i f i c l j a p an/s e r v i c e / t e c h n i c al / f a q / l i s t ! bo d y / p c 0 5 0 . h t m1)。このサンプルに手を加えてセル の書式を全て文字列にし、文字型変数の列はレンクースを元に列幅を決めるプログ、ラムを考えてみる。 /ト一一一一一一一一一一一一ー sample 1 一一一一一ー dtst:SASデータセット名 xlsn:Excel ファイル名 一一一一一一一ー 一一一一 一一一ー 対 %macro sas̲to̲xlsCdtst, x l s n ) 1 7 3

177.
[beta]
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t '[error(false)]'
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t "[select(%bquote("&col"))]"
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円

178.

i'u Entu m川 内 尻 町 帽 ]︐ ︑ ρura ‑tρ st uJnυ γllLmu e 切内 ・︐.︐ w x Jt ‑ A u e m 川町ゐ ‑pac ︐ UCAMHU‑‑a‑It 門 ・︐門 H A H" IlnqLeaeam"V2 3 ・'内d v = c n u r k " s ‑tslou‑‑=IIlls‑Jx aarkoa‑‑coa J ・ vlnυnνnuoaFlu‑ra .L du ・'+1 e a n u + 1・ u J P L e a r L e ‑ t ‑ ! ? d 一A u r v A t " v ‑ i a AU‑‑erea+h+h'auw ・ IlJUβu'leaβuHM+1 tdnwx e u J U﹁L = I l n u F U J u ・'rtL﹁L m川 円H"‑tlzrtwmwm n u r n H " " ・'ea.︐ le ・ ︐日 n a 一e H+1・+ 1・ 門HnuJU 門 H 1 l + 1・nuu扇 町 ゐ 門 VHU 川 M 川 M・ 1← 門 H ρ dfιHUJUρ nuFnuFV' tβu l ob] EJUU C Z(" x;h" ntn 'e" eds h I l LSlnuFU扇 町 ゐ ︐ i apm sIJunuwZ 喧 ψ 企T J/ ψ 企T ⑦ ︐ ︐ ︐ . ︐ ︐ ] ) O A V 免M ρ u s ︐ " f ) c υ n p a ( tρu 川 ︐ H u υ n n w hU M Z ) C し v ︑ 局︑ ・" ・ ll; ea n 喧 し J ︑︑ ・ 川 ① SASと E x c e lが同時に立ち上がっている状態で、 f i l e n a m e sステートメントにより DDEリンクの 初期化を行う。通常は I f i l e n a m eく f i l e r ef >dde く s e r v e rapp>I くt o p i c > !く i t e m > '; Jとしづ書式 o p i cには E x c e lファイル名やシート名、 itemには参照するセ (以下 3重項形式と呼ぶ)となる。 t ル範囲が来る。これに対してサーバーアプリケーションにシステムレベルコマンド、(ここでは E x c e l マクロ関数)を送る場合には I f i l e n a m eく f i l e r ef >dde く s e r v e rapp>I s y s t e m ' ; J(以下 2重項 i l e n a m eステートメントが宣言された以降は E x c e lファイルに対して 形式と呼ぶ)となる。これら f i l e, i n f i l e, put, i n p u tステートメントが使えるようになる。 通常の f ② E x c e lファイルを新規作成してそのままデータを移送すると、 E x c e l側で値から書式を勝手に解 釈して表示するため、思わぬ値になることがある。そのためデータを送る前に、ワークシート全体 に設定する。 を選択してセルの表示形式を「文字列 J に設定したセルに 255文字以上の文字列を入力すると I # # # # Jと表示され ③表示形式を「文字列 J るのでレングス 255以上の文字変数の列の書式を「標準」に戻す。 i l e n a m eステートメントの itemに指定 ④出力するデータのオブ、ザベーション数+1と変数の数を f する。 SASとE x c e lでデータをやりとりする際に、文字列の聞のスペースは全て t a bに読みかえ られてしまう。 E x c e lにおけるセル聞のデリミタも t a bで、あるため単語単位で、セルに落ちてしまうこ otabオプションを指定する。また、移送する文字列の長さはデ、フオ とになる c これを避けるため n r e c l = オプ、ンョンで、必要な長さを指定する c ノ レ ト 256であるため l ⑤ E x c e lのセル聞のデリミタは t a bなので、 t a bの 1 6進数表示である l ' 0 9 ' x Jを変数の聞に置く。 ⑥文字列の中に半角のタ守ブ、ルクォーテーションが含まれていると動作がおかしくなることがある。そ quoteフォーマットを指定する。 こで、文字型変数に対しては $ ⑦変数のレングスを基に列幅を設定する。 E x c e lマクロ関数の中に SASマクロ変数を発行するに は%bquote関数を使ってクオート処理を行う。 1 . 2 雛形シートから作成 前節のプログ、ラムで、は SAS セッションの中で、セルの書式を設定していた。本節では雛形のシート を用意しておいて、雛形シートのコピー先にデータを移送する方法を考える。 例として臨検値一覧表を作成する。データセットの定義は次のようなものとする。 変数 タイプ 長さ 位置 出力形式 入力形式 ラベル ーーーーーーーーーー一一一一一一一一一一一一一ーーー一一一ー一一一一一一一一一一一一一一一一一ーーーーーーー一一一一一一一一一一一一一一一一 2 4 5 6 7 P A T I D L A B I D L A B 1 L A B 2 L A B 3 L A B 4 L A B 5 文字 数値 文字 文字 文字 文字 文字 1 0 8 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 . 8 $ 。 $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 . $ 1 0 . 1 8 2 8 3 8 4 8 5 8 ‑175‑ p ati d l a b i d l a b 1 I a b 2 l a b 3 I a b 4 l a b 5

179.
[beta]
LABl~LAB5 に各ポイントの測定値が入札 ílabid=OJ の行を観察日とする。また全症例 23 行ず

つ起きるとする。
(
O
)
Jとしておくと、シートコピーにより作成されるシ
以下のような雛形シートを用意する。シート名を i
(
1
)
、(
2
)、(
3
)、・・・」となるので扱いやすい。
ート名が i
4

5

役与 1迎 f
量 j役与 2雌

! 申止時

3

6

2 盆墜主霊包豆二主
3 盛昆釜茎盗塁
検査項目

4

設与前

z

~...............-._-ーム

5 !鱈J
庄一一一一一日{

_......_.._.__._..J.

。息血捜紘
一
.+..̲.…一一一
7
. D.'.似事長仁一一一一
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sample 2

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追跡調査

180.

f i[ e n a m e put2 d d e .e x c e [日刊!r 訂正百万了 notab [rec[=1048576 %do i = l %to &patn /本④キ/ d a t a n u l l fi[ e sht p u t '[error(false)]' p u t '[ w o r k b o o k .C O p y ( "( 0 ) " ) ] ' p u t '[ e r r o r( t r u e ) ] ' r u n % [ e t strt=%eval( 2 3本 品i ‑ 2 2 ) % [ e t endd=%eval( 2 3吋 i ) e tt e st .lab2 (firstobs=&strt obs=&endd); d a t a n u l lー; s p u t ( 'p a t ', compress(patid)) /キ⑤キ/ c a l[sYm fi I eput 1 p utp ati d eput 2; fiI p ut I a b1' 0 9 'x I a b 2' 0 9 'x I a b 3' 0 9 'x [ a b 4・ 0 9 'x I a b 5 r un /本一一一シート名の変更 キ/ ) ;/本⑥キ/ % [ e t shtn=(l d a t a n u l[ filemac /キ⑦キ/ p u t "=workbook.name(%bQuote("&shtn"), %bQuote("&pat"))" p u t '=halt(true)' /キ③キ/ 本 / p u t '=returnO' 本 / p u t '!dde f l u s h ' ;/本⑨キ/ fi[ e sht; p u t '[run("macrol!r l c l :r 2 c l " ) ] ' /キ⑩本/ r u n %end ; /孝一 E xceI終了 ー一本/ d a t a n u l l fiI es ht p u t '[error(fa[se)]' p u t '[workbook.delete("macrol")]' ;/キ⑪キ/ p u t '[workbook.delete("( 0 ) " ) ] ' p u t '[save.as("d:半s u g i1 半I a b 2 .x[ s " ) ] ' ]' p u t' [ Q u it0 r u n %mend ① E x c e lマクロ関数の中には sample1の様に 2重項形式による DDEリンク経由で、コマンドを送る と、エラーが起こってしまうものがある。この対処として、マクロ、ンートを作成し、 3 重項形式でリン クしたマクロシートへコマンド、を送り実行するとしヴ方式をとる。 ②マクロシートのセル参照範囲は送るコマンドの数だ、けの行数を確保しておく。 ③症例番号の領域と、臨検値の領域それぞれに対して f i l e n a m e sステートメントを実行する。 ④症例単位で「シートコピー→データ移送→シート名変更」の動作をループする。 ⑤後でシート名に使うために症例番号をマクロ変数に落としておく。 ⑥ workboo k .name 関数の引数に元のシート名として I ( 1 )J を指定すると、中の 1 1Jを文字列の一 部として見てくれずエラーが起きてしまった(原因不明)。そのためマクロ変数に落としている。 .name関数が 2重項形式のファイル参照で、は送れな ⑦ワークシートの名前を変更する workbook いため②で参照しているマクロ、ンートへ送る。 h a l t ( t r u e )J または I r e t u r n O Jを挿入する。 ⑧マクロの実行を止めるための命令として I ⑨マクロ、ンートにコマンド、文を送ったら、 2 重項形式で、宣言しなおしてマクロを実行する段になるが、 その前に一度ノ〈ッファーの内容を消去するために l ! d d e ̲ f l u s h Jとしウコマンドを送る。 ⑮マクロシートに書き込まれた命令を実行する。 ⑪雛形シートとマクロシートを削除し名前を付けて保存する。 Il 円 I1 円 1ょ

181.
[beta]
複雑なデザインへの出力
帳票のアレンジの幅を広げるには変数単位で、出力先のセルを指定したい。そのためには CATSの
x
c
e
l上に配した定義ファイルを作成しておくことが有効で、ある。
ように予め変数情報を E
としづ書式で定義し
以下のような定義ファイルを準備する。 CATSでは i@変数名(フォーマット名)J
ているが、ここではい変数名八フォーマット名」とする。
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一
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.cl,
l rw2.cI2)

/宇一‑‑‑ excel起動

一一本/

options noxwait noxsync
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data ̲nullー; x=sleep(3) ; run ;
f
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宇
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一一一一一一ー

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一ー一一一一一一一一

田町

dtst:
SASデータセット名
defxls:Excel 定義ファイル名
outxls:Excel 結果ファイル名
r
w
1:SAS変数領域左上の行番号
c1
1
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rw2:SAS変数領域右下の行番号
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182.

F ヰ ψ + ︐ ︐ ② 川 内 ︐ / ︐)) 什 ︑ '内 ︑ )﹁) t 1 =a 問 ︑J1J u v ' ' l aJl aJ 1. ︑w ︐ ︑ a ( (︐ 一 一 ︐ ︐ ︑ P ISS(( ﹁C '415555 │‑ ) EV E Sh S I ‑' Er auau auanurnurvlμ v l n μ plw"'m m n ︑ 1 J r t ' n u n u m J J c c on o1 ‑ X ︑ ノ ︑ e 1 t ' ' c c 一 d ︑ ノ ︑J ' ︑ n‑ na hH‑ 一 ︑ ノ ︑' J r t l ・ EE'‑nn 一 一S K I n ‑‑nns '1JE﹁︑﹁︑一一 e e;2 2│tt(( ﹁ ﹁ '‑'f ︐→t t p ︐ φ ︐ ・ ' t a u a u l m a1 φ l J I l + 1 H い J I l a ‑ T i l ‑ ‑ E E o ・ 1 l f I l e i ‑ ‑ p u H + 1 w n ‑ ‑ ρ ︑ 旬 l c' all‑‑ ︐ . ︐ 'E( 2h'' 'm+ ﹁ h ・ ︑ 旬 s lC ti' l' ‑r ‑+ ah mwIlua I M I l a ‑ ‑ ‑ u ・ l V I P ‑ w n H H ﹂ ρ M m ︑ ﹁ d le b e e ‑6 一一 rs u( c( c( e( '一( ' 'c 'n tt ( ( e E((rrtttttl s h x t t u u u u ul t E 5 5 p p p p p i R u i n u m m K M Ju m mE E E n1 n5 u5 u5 y5 y5 y5 y5 yC e fe 一 UT‑‑'νRn ‑ ‑ 一 . ︐ t t I B I f i l l ‑ i n v ;︐日O一 一 一 ‑ ﹁ n t af mia la l‑ ‑ o dae a v ac ad rn u 一a ccc c r n t‑h 一 ρU2u e a 州 ︐ 日 川 川 川剛川 川 川問川︑ ーー' 川 川 川 /ヰ一一変数情報削除 本/ % d oi = l% t o &cnum %1 et r w = % e v a1( & &r w &i ) % I e tc l = % e v a l( & &c l & i ) fi1 ename s m p 3d d e" e x c e l[ ( O ) !r & r w .c & c1 " ; d a t a n u l l ;f il es m p 3 put; r u n % e n d /孝一一一症例数の取得 本/ e t& d t s t ;/本③本/ d a t a n u l lー; s c a l ls y m p u t( 'p a t n ' .compress( ̲ n ̲ ) ) r u n /ト一一出力実行一一ーヰ/ % d or 1 = 1% t o &patn d a t a n u l l fi1 es ht p u t• [ e r r o r( fa l s e ) ] ' p ut• [ w or k b o o k .c o p y( "( 0 ) " ) ] ' p u t '[error(true)]' r u n % d or 2 = 1% t o &cnum w & r 2 ) ;/ヰ④ヰ/ % I e tr w = % e v a l( r % I e tc l = % e v a l( & & ̲ c l & r 2 ) ; .)!r&rw.c&cl" notab Irecl=1000 filename s m p 3d d e "excel[(&r1 ) d a t a n u l l ;s e t& d t s t( f i r s t o b s = & r 1 obs=&r1 f il es m p 3; i f& &v a r & r 2 " = " t h e nd o p u t &&̲var&r2 ;f o r m a t& & var&r2 & &f m t & r 2 /本⑤本/ e n d r u n %end %end /ト一一保存一一ー本/ d a t a n u l l ;f il es h t fa l s e ) ] ' p u t '[error( p u t '[ w o r k b o o k .d e le t e ( "( 0 ) " ) ] ' p u t" [ s a v e .as(%bquote("&outxls"))]" p u t" [ q u it0]" r un %mend ① E x c e lの定義情報を SASデータセットイヒする o ) 11 に、とに SAS化のためのデータステップを実行 し、後で縦結合している。 1 J I 番号・変数名・フォーマット名をマクロ変数化する。 ②作成したデータセットを編集し、行番号.) ③このサンプルでは 1シートに 1症例としている。そのため症例数を取得し、出力のループ回数と している。 i l e n a m e ステートメン卜の item にダブルアンパサンドのマクロ変数が来ると動かなかったの ④ f l e tステートメントで、別のマクロ変数に落としている。 で 、% 179‑

183.

⑤ N ullの数値変数を送ると I . Jが出力されるため、 N u l lでない変数についてフォーマットを指定し てE x c e lへ出力する。 このプログラムは数例が限界で速度も遅く、まともに動作しなかった。 E x c e lの出力領域は矩形とな るため症例・変数毎、つまり E x c e l上の 1セル毎に f i l e n a m eステートメントとデータステップを実行し ている。これは E x c e lに出力する領域をデータステップの外側で、 f i l e n a m eステートメントによって決 めていることによる。 SAS8.2では f i l e n a m eddeステートメントが実行されるたびに、最低で、も 1MB、 または l r e c lオプションに指定されたバイト数程度のメモリを新規に確保する。このメモリ領域は次の ノレープに移って同じ f i l e r e fを f i l e n a m eステートメントで定義し直しても開放されず、その結果ルー プが回るたびにメモリ消費量が増大する c 今回のプログラムで、はメモリ不足となった以降は日ename ステートメントの実行がで、きなくなったためシートコピー部のルーチンのみが実行されていた。このメ モリの問題は SAS8 . 2の仕様であり、 SASSystem9からはメモリの確保は 1回のみになったようで、 ある ( h t t p : / / s u p p o r t . s a s . c o m / t e c h su p / u n o t e s / S N / O1 % 1 0 7 1 9 . html ) 。 putステートメントによってデータを送っている限りこの問題は解消されない。そこで別の方法を考 えなくてはならないのだが、 E x c e lマクロ関数には出力文字列とセル番地を引数にもつ I f o r m u l a Jと しづ関数がある。この関数を利用するとデータステップの中で、変数とセル番地を指定して出力で、きる ので、 3重項形式のファイル参照の l i t e m Jの指定が必要なくなる。さらに E x c e lマクロ関数で、シート コピーを実行した場合、コピー後のアクティブ、シートは新しく作成されたシートになるわけだから、 I t o p i c Jの更新も必要なくなる。よって最初に 2重項形式で宣言するのみとなり、ループ回数とメモリ 消費量を格段に下げることが期待できる。 以下の sample4では、 sample3の機能に加え 1シートあたりの出力症例数の指定を可能にした。 /ト一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 sample 4 dt st: S A Sデータセット名 defxls:Excel定義ファイル名(パス名) outxls:Excel結果ファイル名(パス名) r w 1: S A S変数領成左上の行番号 c1 1 :S A S変数領i 或左上の列番号 r w 2 : S A S変数領i 或右下の行番号 cI2:SAS変数領域右下の列番号 o b sr :1オプザベーションあたりの行数 o b sn :1シートあたりのオプザベーション数 一一一一一ー一一 一一一一一一一一一一一一一ー本/ % macro sas xlsCdtst, d e f x l s, o u t x l s, r w 1, c I 1, r w 2, c I 2, o b s r, o b s n ) /ト一一ー 一一 一一一一一一一一一一一一一一ー f e x c e l起動」から「変数情報取り込み」までは s a m p l e 3と同じ 一一一一一一一一一一 一一ー本/ 必AT 玄 ・ e ・ 事 ︐ ︐ ② ‑180 ︐ ︐ 内HU ] ) " ) ( " ( F し VJ n u p n u nU 0 l ν n h u ・ l ν n r n u t w [ 円 Hu t a c hH J ν nH J= ﹂ 1a ﹄ hnu ゐ ︑vf pa ︐︐︐.︐ ‑1 ‑ .︑ E 守 円 ala‑D 干 句 a ‑nua 旬︑ ‑ o sD nl s J1J pq ‑内 ‑AT ﹁一 U41lp sve u μ l l m rd u s dt h[ ︑ ・ H ‑ ‑ ezsEz 'mn u ‑‑‑+hn‑t ‑ aleeush ‑‑tehSIInvi‑ ' ' ' A U ︐ ・ ︐ . ︐ . ︐ ︐ C4d ︑VE ︐一 守 余 ︐ 1u D u &ttlr n H 一a /ト一一変数情報削除 本/ fi 1 e n a m es m p 4d d e 'exce1 1s y st e m ' d a t a n u l lー; fi1 e sm p 4; ' p ut'[ se1 ect( "R1 C1・R65536C256")] * ","")]' ;/本①本/ p u t' [ f o r m u l a .r e p l a c e ( ". p u t [ s e l e c t C R1 C 1 ") ] ' r un

184.

川+争" f一③﹁ ) ︐ .C ‑ lc kgnιu t内m︐ Jc ︐︐ +争 JJ +争 JJ ④ ︐ . ] ) ︐ 内kg+&TVE e a au vs " thu‑ J ‑0 ゐ 回 目 i︐ ︐' r a r" r' f 8B 8 )・ +&T' B ‑‑nuHU ・︑︑︐n (一 t unus lT rtnu v'11J HM'ha ︐ ‑‑ Il'v 川 円MMY 即品川﹁ ‑ 一 . ︐ 厄頃卸及川 ‑It' n 一 ' u "( en │ hH 一C │ '+Lr a ︑ 一 Il dunιU11 川 m 'nu'hasl r a ・ HM'm ︑ + ‑ T nH=1l'内a h ︐ IaTl︐ d hy c a ← a也・ 1 l u v H U + & T 川 ︐ ︐ ︐ 'hu‑Ila‑w m UVEa ' ‑nt aw=0FE・ 一 一 C ﹁L' U玉川 uvFlapbaTl 'Eanιu t 円 g ' ' =内kgnιu&E 即 U' ・1 1 = n c rl uEiH d of l d er uAnνvnn w m / 宇 一一一一一一一一一一一一一 一一一ー 以下、ファイル保存文 一一ー 一一一一一一一一一一一一一 本 / %mend ① formu l a . r e p l a c e関数はセル内の文字列の置換を行う。 ②各シートの 1症例目のときのみシートをコピーする。 ③列位置はマクロ変数に落としたが、 nーのような自動変数やデータセット変数は % letステートメン トの右辺にはもってこれないので、行位置はデ、ータセット変数化した。 ④ I formu l a . f i l l(出力文字列、セル番地) Jとし、う書式で formu l a . f i l l関数を実行する ( f o r m u l aの みでも可)。 ⑤ v l uの値が PDVから削除されないまま次の変数の出力にしてので、次の変数が Nullだった場 合、前の変数の値が出力されてしまう。それを回避するために、ここで一度空にする。 2 インターフェースの設計 sample4を実行するためのインターフェースを M i c r o s o f tAccessを使って構築した。 「出力定義作成 j画面では sample4の各引数を指定する。引数以外に、ライブラリ指定プログラム、 出力前実行 SASプログラム、出力後実行 E x c e lマクロを指定する。「実行」画面は出力したい帳票 ccess側から のチェックボ、ックスをチェックして、連続実行させる。実行する際には SAS10Mにより A SASを呼び出して実行する。 lコ陥官当面耳互理鱗議案笠宮 ェ 盟 主j 仁 コ 帳票 h 「一 帳票名 I ラ イ ブ ラ リ 指 定 ブ ロ グ ラ ム i 3 ! l R SAS デ寸セット名 I Exce毘義ファイル名 I I 主主l I 主主l 主主l 出力前実行SAS ブ町ラム I 左上J 1 1 番号 左上行番号亡コ 仁 コ 定例あたりの行数 l デー拙力糊 I │右下行番号 仁コ シートあたりの症{糊仁コ I 仁 コ 仁 コ 右下列番号 E x c e l 結果ファイル名 主主l e l マ ク ロ 出力後実行Exc レ コ ー ド ' :. ! ! . L Ji一一寸」旦U /1 1 一 ょ 一 1 ょ QU

185.

it 隼 措 置 園 田 町 一 一 三 重ι '叱 ら ρ 実行 '口 口 ロ ロ 口 ュ坦j 主i ヲザ "話ャ 寸 q 軍票名 N Q 4 1患者背呆 2併用薬 3投与記録 4ハイタルサイン 5臨床検査値 楽園 レ コ ー ド 吐 J ï~山埜J /5 こj 一旦主乙」 3 まとめ sample4の実行速度はかなり高速になったが、セル結合と文字列 256文字以上に対応できなか った。セル結合については変数情報を記述した雛形シートとは別にセル結合等の書式設定をしたシ ートを用意しておいて、値を出力した後に書式のみコピーをする方法をとり、長文については 256文 字ずつに切って出力し、 E x c e l上で結合すれば解決するが、煩雑である。また E x c e 1 4 . 0マクロ関数 が既に骨董品のような存在なので ( M i c r o s o f tの解説 HPの画面が Windows3.1なのには驚いた)、 あまり好ましい方法ではないのかもしれない。 参考文献 ( 1 )KoenVyverman(2001):UsingDynamicDataExchanget oExportYourSAS ⑧ D atat o MSE x c e l ‑AgainstA l lODS, Part 1一 、 Proceedingso ft h e26thSASUsersGroup I n t e r n a t i o n a lC o n f e r e n c e,2001 ( 2 )Koen Y , 戸r e r m a n ( 2 0 0 2 ) :C r e a t i n g Custom E x c e l Workbooks from Base SAS ⑧ w ith r o c e e d i n g so ft h e 27th SAS Dynamic Data Exchange:A Complete Walkthrough、P UsersGroupI n t e r n a t i o n a lC o n f e r e n c e,2002 1 8 2

186.

S A S Foru mユ ー ザ ー 会 SASにおける Unicodeサポートへの取り組み‑SASUnicodeサーバー 小林丈二吉津敦子 S teveBeatrous SoftwareG l o b a l i z a t i o nD i v i s i o n ,NorthCarolina SASI n s t i t u t eI n c . Cary IntroductionoftheSASUnicodeServerformultilingualcomputing J o j iKobayashi, AtsukoYoshizawa,SteveBeatrous SoftwareG l o b a l i z a t i o nD i v i s i onJSASI n s t i t u t e,I n c 要旨 n i c o d eサポートへの取り組みのひとつである、 SASU n i c o d eサーバーについて解説し、多言語デー SASの U タを用いた使用例を示す。簡単に言うと SASU n i c o d eサーバーとは、セッ、ンョンエンコーデ、イング (DBCSTYPE または ENCODINGオプション値)が、 UTF‑8である SASプロセスのことで ある。既存データを UTF‑8データセ n t e r p r i s eG u i d eや A d d ‑ i nf o rM i c r o s of t . ットへ変換する方法や ODSにおける設定の仕方などを解説したあと、 E O節目, WebR e p o r tS t u d i oなどの U n i c o d eベースで、動作するクライアントソフトウエアを使った SASU n i c o d eサ ーバーの使用例を示す。 キーワード UnicodeUTF‑8 マルチリンガル多言語 1はじめに SAS9.0からセッションエンコーデ、イング"(SAS内部で、の文字コード、)に UTF‑8を指定することができるように なり ( S A SU n i c o d eサーバー)、さまざまな言語のデータを 1つの SASセッションで、扱うことができるようになった。 O r a c l eなどのデータベース、 M i c r o s of t . Windowsや O節目製品、 . N e t、J a v a、XMLなど近頃のコンピューティ ング環境では、文字を扱うのに U n i c o d eを使うのが当たり前のことになり、多言語データを扱う必要性が高くなっ てきている。 SAS U n i c o d eサーバーは、こうした環境に適したものであり、今後、成功事例を積み重ねてゆくこ とが期待されている。本稿では、 SASの U n i c o d eサポート機能について解説し、 SASU n i c o d eサーバーを使った 例をしてつか紹介する。 2 制限事項 SASU n i c o d eサーバーを有効に使うには、クライアントやコンポーネントソフトウエアが対応している必要がある のだが、残念ながらそれはまだ十分であるとは言えない。おもだ、った制限事項を次に列挙する。これらはいず A S 9 .1 .3での制限事項であり、将来は撤廃される可能性がある。 れも、 S oMVS版および VMS版で、 SASU n i c o d eサーバーを起動することはで、きない。 oフルスクリーンモード、 (DMS)は、サポートされていない。 NODMSモードのみのサポート。 ‑183‑

187.

oSAS/Graphフォント、 SAS/Graph ActiveX コントロールは、多言語をサポートしていない oEnhancedE d i t o rは、多言語をサポートしていない。 oOOS出力は、 HTML、XML、POF以外で多言語をサポートしていない。 oSAS/Accesst oO r a c l e,OB2,OLEOB,OOBC以外の SAS/Accessエンジンは、多言語をサポートしていな し 、 。 oOLEOBLocal /lOM/SHAREd a t ap r o v i d e rは、多言語をサポートしていない。 oWindows版の SAS Unicodeサーバーは、 ASCll文字以外の文字を含むパス名をサポートしていない。 3 SAS Unicodeサーバーのインストールと起動 SAS 9 .0またはそれ以降で、 OBCS E x t e n s i o n をインストールしであれば、 SAS の起動コマンドラインに、 E n c o d i n gu t f ‑ 8を指定することで、 SASUnicodeサーバーが起動される。 OBCSE x t e n s i o nは 、 SASインストール 時の言語指定で、 I E n g l i s hw i t h OBCS a n d Unicode s u p p o r t Jをチェックすることで、インストールされる。次に Windows版における SASUnicodeサーバーの起動コマンド、の例をあげる。 C :¥ProgramF i l e s¥SAS干9 . 1¥s a s . e x e "‑ c o n f i gC :¥ProgramF i l e s ¥SAS 干9 . 1¥n l s¥1 d¥s a s v 9 . c f g "‑ e n c o d i n gu t f ‑ 8 4 データの読み込みと書き出し SASにおけるデータ1/0 は、データソースにより次の 3種類に大別できる。それそ れについて、異なるアクセ o ス方法が提供されているので、それらについて述べる。 ‑外部ファイル ・ SASデータライブラリ .OBMSテーブル 4 . 1 外部ファイル 4 .1 . 1 ENCOD lNG=オプション 外部ファイルにアクセスするには、 FILENAME、INFILE、FILE、OOSステートメントを使う。アクセス対象ファイ ルの文字コードが SASセッションエンコーディングと異なる場合には、これらステートメントに ENCOOINGニオプ 1 ]を指定することで、適切な文字コード変換をおこなうことができる。 ション [ 文字コード変換によって、文字列の長さが変化する場合があるので注意しなければならない。次に示す例の こ、半角かな l文字は、 lバイ ように、シフト J I Sから UTF‑8への変換では、漢字 l文字が 2バイトから 3バイトi I Sから UTF‑8への変換では、文字列長が最大で 3 倍になる。 トから 3バイトになる。したがって、シフト J 伊I J 4 .1 .1 . 1 シフト JISで作成されたテキストファイル myData.txtを読み込んで、 prmtプ ロシージャの結果を UTF‑16BE(UTF‑16ビッグエンディアン)を使った htmlファイルに書き 出す。 fi1 ename txt ' m y D a t a .t x t ' encodi n g = 's hi f t ‑ji s '; data myData; i n f il et x t ; ; l e n g t h name $20 sex $3 i n p u t name sex age height weight; r u n ; ods h t m [f ile~myData.htm' encoding='utf‑16be'; proc print;run; ods h t m lc l o s e ; ‑184‑

188.

この例では、テキストファイル m y D a t a . t x tの読み込み時に、シフト J I S→ U T F ‑ 8としづ文字コード、変換がおこ なわれる。そして、データセットの作成やプロ、ンジャの実行なと1 土 、S A Sセツ、ンョンエンコーデ、イング、 U T F ‑ 8で処 理されて、 O DSアウトプットの書き出し時に、変換 U T F ‑ 8→ U T F ‑ 1 6 B Eがおこなわれる。なお、 ENCODING ニオプションに指定するエンコーデ ィング 名は、大文字ノト文字を区別されない。 4 .1 .2 SAS/ODSで PDFファイルを生成するときのフォント設定 PDFファイルを SAS/ODSで生成するときには、 ODSテンプレートを編集して適当なフォントを設定する必要が .1 .2 .1 に示す。この例では、デ、イレクトリ c :¥w i n n t' ff o n t sに 、U n i c o d eフォント ある。次にフォント設定例を例 4 r Ar i a lU n i c o d eM S Jが存在していることを前提にしている。また、例 4 .1 .2 .1 では、固定幅のフォントに、 MS ゴシック"を指定しているが、固定幅の多言語フォント T h o r n d a l eD u o s p a c eWTJ "が 、S AS9.1 .3SP2から、 提供されているので、インストールしであれば、これを指定することができる。これらのフォントについては、 6 .6 でも説明する。 伊I J 4 .1 .2 .1 s a s u s e rのテンプレートを更新する。 p r o cf o n t r e gm o d e = a l1 ; f o n t p a t h' c :平w i n n t平f o n t s '; r u n ; o d sp a t hs a s u s e r .t e m p l a t ( u p d a t e )s a s h e l p .t m p l m s t ( r e a d ) ; p r o ct e m p l a t e ; d e f i n es t y l es t y l e s . p r i n t e r / s t o r e = s a s u s e r .t e m p l a t ; p a r e n t=s t y l e s . d e f a u l t ; r e p l a c ef o n t s/ " d o c F o n t " 二(ス t tf >A ri aIU ni c o d eM S ", 1 6p t ) スt tf >A ri aIU ni c o d eM S ", 1 8 p t, b oI d ) " h e a d i n g F o n t " =( tf >A ri aIU ni c o d eM S ", 1 1p t, b o1di t a1i c ) " h e a d i n g E m p h a s i s F o n t "二(スt スt tf >A ri aIU ni c o d eM S ", 1 1p t ) " F i x e d F o n t " =( スt tf >A ri aIU ni c o d eM S ", 6 p t ) " B a t c h F i x e d F o n t " =( tf > MS ゴシック" 9 p t, b o1d ) " F i x e d H e a d i n g F o n t " 二(スt 二("く t tf > MS ゴシックペ 9 p t, b oI d ) " F i x e d S t r o n g F o n t " " F i x e dE mp h a s i s F o n t " 二("く t tf > MS ゴシックペ 9 p t, i t a1i c ) " E m p h a s i s F o n t " =( " くt t f >A ri a1 U ni c o d eM S ", 1 O p t, i t a1i c ) " S t r o n g F o n t " ニ("く t t f >A r i a lU n i c o d eM S ", 1 0 p t, b o l d ) " T i t l e F o n t " 二("く t t f >A ri a1 U ni c o d eM S ", 1 8 p t, i t a1i cb o1d ) 穴t t f >A r i a lU n i c o d eM S ", 1 3 p t, i t a li cb o l d ) " T i t l e F o n t 2 " =( e n d ; r u n ; o d sp d ff iI e ニ , m u l t i L i n g u al .p d f ' p r o cp r i n td a t a = s a s u s e r .l a n g i n f o ; r u n ; o d sp d fc l o s e ; 4 .2 SASデータライブラリ 次に示す機能を使って、既存の S A Sデータセットを U T F ‑ 8に変換することができる。 戸 町U O 白 14

189.

• CEDA(Cross‑EnvironmentDataAccess)[ 2 ] SAS9.0から、 SASデータセットに ENCODINGなどの属性が埋め込まれるようになり、 SASデータセット中の 文字変数の文字コードを SAS が、認識でLきるようになった。これにより、 SASデータセット読み込み時に必要に n i xで 応じて、 SAS が文字コード、変換を自動的におこなうようになった。この機能を CEDA とし、う。たとえば、 U EUC‑JPを使って作成した SASデータセットを Windows版 SASで読み込むと、 CEDAが EUC‑JPからシフト J I S への変換を自動的におこなうため、ユーザーはアーキテクチャや文字コードの違いを認識することなく、 SAS デ ータセットを扱うことができるのである。 'DATAステートメントにおける ENCODING=オプション DATAステートメントに ENCODING二オプションを指定することで、作成する SASデータセットの文字変数の 文字コードを指定することがでーきる。このオプションによる変換によって、文字列長が長くなり、変数長を超えた 場合には、文字列のあふれた部分は捨てられる。 • CVP( C h a r a c 匂 rV a r i a b l eP a d d i n g )エンジン [ 3 ] L ibnameステートメントにキーワード CVPを指定することで、文字変数長を変更することができる。デ フォノレトで vpmultiplier ニオプションを使う。 CVPエンジンを使 は、文字変数長は1.5倍になる。倍率を指定するには、 c うことで、文字コード変換にともなう文字列末尾のトランケーションを避けることができる。 4.2.1 既存の SASデータセットを UTF‑8に変換する 次に既存の SASデータセットを変換するプログ ラム例をあげる。 P 伊[ J 4 .2 .1 .1 libnamexcvp pathl ' ; libnameu pathl'o u t e n c o d i n g = ' u t f ' 8 ' ; proccopynoclonein=xout=u; s e l e c tdatasetname; run, このプログ、ラムは、 SAS U n i c o d eサーバーで、実行しでも、通常の SASセッ、ンョンで、実行しても、実行結果は同じ a t h lに格納されてしも既存の SASデータセットを UTF‑8に変換するのである。違いは、変換 で、デ、イレクトリ p n i c o d e サーバーで、実行したときには、 SASデータセットの読み込み時 l こ 、 がおこなわれる場所である。 SAS U CEDAが起動され、そこで変換が起きる。通常の SASセッションにおいては、 SAS データセットを書き込むとき に 、 SASエン、ジンによって、変換がなされる。 4 .3 DBMSテーブル DBMSテープ、ルの読み書きにおける文字コード 変換は、クライアント側の DBMSライブラリで、自動的におこな われるため、 SAS/ACCESSプログ、クトは、文字コード、変換を自前でおこなう必要がない。つまり SASセッションエ ンコーディングが DBMSライブラリが認識しているクライアント側エンコーデ.イングと同じである限りデータを正し く扱えることが保障されているのである。 表 4.3.1に 、 SASU n i c o d eサーバーとの接続を確認した DBMSについて、 DBMSライブラリに SASセッ、ンョンエ ンコーデ.イングで、ある UTF‑8を認識させるための設定をまとめた。 ‑186‑

190.

表 4.3. 1 DBMS 変数(環境変数またはレジストリ) I 値 Oracle8以降 NLS̲LANG DB2v7以降 DB2CODEPAGE I American̲Ame巾 a.UTF8 I 1208 5 SASプログラムのコーディング 日本語版 SAS でそうであるように、 SUBSTR , LENGTH 関数の代わりに KSUBSTR , KLENGTH~ どの K関数を使うことで、文字を単位としたプログラムを書くことができる。 6 クライアントソフトウエアとの通信 SASETLS t u d i o、SASE n t e r p r i s eMinerj a v aC l i e n tなどの j a v at h i nクライアントや Windows専用ソフトウエ nf o rMicrosof i :O f f i c e、SASE n t e r p r i s eGuide3 . 0以降など、 アの中でも SASOLEDBデータプロパイダ、 Add一i 多くのクライアントソフトウエアが、内部コード、に Unicode(UTF‑16)を使っている。文字データを扱うとしづ点に おいて、これらのソフトウエアと SASUnicodeサーバーとの親和性が高いことはあきらかである。 UTF‑8と UTF‑ 1 6は、ピットパターンは異なってし、るが、 Unicodeに収められている同じ文字集合を表しているので、文字 コード、変換によるデータロスが起きないロまた、この変換は、アルゴ リズ.ムによるピット操作で、おこなわれるため、 処理が速くおこなわれる。 6 .1 JDBC接続 次に jDBC接続のようすを示した。 SASは、接続するサーバーの違いによって 2種類の jDBCド、ライパを提供 している。 SAS/SHAREサーバー用 (SAS/SHARED r i v e rf o rjDBC)とSASワークスペースサーノくー用 (SASI n t e g r a t i o nT e c h n o l o g i e s10MD r i v e rf o rjDBC)である。とaちらのサーバーで、あってもセッ、ンョンエン コーディングが UTF‑8(SASUnicodeサーバー)であれば、 SASデータセットが、どのような文字コードで作成 されていてもデータを読むことができる。 UTF‑8データセットでなければ、データの更新はできない。 SAS セツ、ンョンエンコーディングと SASデータセットの文字コード、が異なっている場合には、 CEDAが動くために 既存のデータセットが、読み込み専用モードでオープンされるためである。 DBMSのインスタンスが Unicodeで 作成されてしも場合には、 DBMSテーブルに対して、 SASデータセットと同様の操作ができる。 「一一一一「 SASjSHARE サ‑/¥ー J a v a アプリケーション SASライフラ 1 ) データ3 レガシーエンコーディング fl 円 nxU 1ょ

191.

6 .2 SAS OLEDBf o rOLAPD a t aP r o v i d e r n t e r p r i s eG u i d e、そして SASから、 SAS SAS OLEDBf o rOLAPD a t aP r o v i d e rを使うことで、 MS‑Excelや E OLAPサーバーを通して OLAPキューブ、にアクセスすることができる。また、 M i c r o s o f tO f f i c eP i v o t T a b l eコン ポーネントオブ、ジェクトモデ、ノレ (COMサーバー)を HTML文書に張り込んで、 Webブ、ラウザ上で、ピボット .2 .1 ) 0OLAPキューブは、 OLAPプロ、ンージャを使った SASプログラム テープ、/レ操作をすることもで、きる(例 6 t u d i oや SASETLS t u d i oなどの GUIツールに、そのような を実行することで作成するが、 SASOLAPCubeS プログ、ラムを生成させることで、より簡単に作成することもできる。 ︑ 山山一 11tJ ‑4‑ 5 14ncoding 一 A5 / A c c e s st oOLEDB S 叫 1 SA5Ol T .P サーバ ‑ 1 ‑nHE 一 ︑ ,ーーーーーーー、 r 一‑5A.nEEPm‑‑‑ F4 E n t e r p r i s eG u i d e UTF‑8 M S ‑Ex c e l 、ーーーーー‑‑,; ̲ . . . . . . . . . . ‑ ‑ ‑ ‑ │作成 l f 一一一一一ー一一、: 1 SASワークスペースサーバー じ 1 ~ncoding UTF ・8 「 ¥ に一一一一一一一 J 例 6.2. 1は 、M i c r o s o f tO f f i c eWebコンポーネントの一部である P i v o t T a b l eコンポーネントオブγェクトモデル 1こ示した。 SASOLAPサーバーのホスト名、ポート を使った HTML文書の例で、その実行結果を図 6.2.1 番号や OLAPキュープ名を指定するだけで、ピボットテープ?ルを操作する HTML文書ができる。 伊I J 6 .2 .1 くH TML) くB ODYONLOAD= "Setup̲PT0") くO BJECT I D 二" P i v ot Table1" ‑COOO‑000000000046" C L A S S ID = " C L S ID:0002E552‑0000‑000O s t y l e = " H E I G H T :5 0 0 p x ;W I D T H :5 0 0 p x " ) く/ OBJECT > くS CRIPT l a n g u a g e = V B S c r i p t ) Sub Setup̲PT0 constr="Provider=sas.OLAPProvider;Data Source ニv m w h o s t j p n .n a . s a s . c o m : 5 4 5 1 : U s e rl D= s a s a d m : Password=XXXXX" PivotTable1.AutoFit =T r u e PivotTable1.ConnectionString=constr PivotTable1.DataMember r d s a l e " • O L A Pキューブ名 PivotTable1.ActiveView.AutoLayout E n dS u b く/ SCRIPT > く/ BODY) く/ HTML) 、 二 ‑ 1 8 8

192.
[beta]
図6
.2
.1 例 6
.2
. 1の HTML文書を I
Eで表示、 OLAPキュープ をピボットテーブルで、参照しているところ。

ドリルダ ウンやヒ。ボット操作が可能。
P

2liIlrn:・"'inn'ljl'it.jij.J'H'T&tti.nntU','l.111・limnl rmm
竺空?と ~iew 竺ヤー-REEP--一一一一一ーャ
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一一一﹂一引 8 引 303203MHlZ96HA1 引
一一下一2 9 引 刊 氾 氾 渇 れ 9 札upumu汚 氾 vmmu引
一一一コ一9 1 B E E f E M ‑ 1 3 1 1 E E 7 7 7
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己瓦両面玩三t:n:l瓦画
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.02またはそれ以前では、多言語データを使ったストアド、プロセスの結果に含まれる漢字
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3
.02であれば、 H
o
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xを適応することで、この
などが、文字化けしてしまう不具合がある。 E
問題を解決できる。

c
t
i
v
e
Xが多言語対応していない
制限事項にも書いてあるが、 SAS/GraphA

d
i
t
o
rも多言語対応していない
ため、 SAS/Graphアプレットを使うようにする必要がある。また、 Enhanc巴dE
ため、 LIST出力や SASプログPラムで、多言語文字列を扱うことはできない。

6
.4 Add‑inf
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.3であれば、 H
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xを
含まれる漢字などが、文字化けしてしまう不具合がある。 A
適応することで、この問題を解決できる。また、 SAS/GraphA
c
t
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v
e
Xが多言語対応していないため、多言語
文字列を含んだグラフ出力はできない。

6
.5 Javat
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nクライアントソフトウエア
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s巴 Min巴rJ
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tや ETLS
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nMapS
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oなど、 J
a
v
aで書かれたクライアントソフト
ウエアは、 SASU
n
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c
o
d
eサーバーとの通信において特別な設定を必要としない。ただし、多言語データを
表示するために、デフォルトフォントを正しく設定しておく必要がある。インストール直後の jREにおける
nxU

u
u
ハ

1ょ

193.
[beta]
デ、フォルトフォントは、多言語データを表示できるフォントではない。そこで、 ]REに含まれているプロパティ
o
nt
.p
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o
p
e
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i
e
sを修正する。日本語版 Windowsに SASをインストールしてしも場合には、
ファイル f
"C:¥ProgramF
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e干SAS¥S
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.
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b干f
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s.
j
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"を修正することになる o 修正の

ポイントは、次の 4点である。
こ"Ari
a
lUnicodeMS,
UNICODE̲CHARSET"を設定する。
次のロジカルフォント l
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O,d
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O
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lUnicodeMSのフォントファイルを指定する。
2
. Ari
次の行を追加する。 日lename.
A
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LUnicode̲MS=ARIALUNI
.TTF
3
. 除外範囲の除去
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=050020ab,
20ad一節など、 I
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x
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o
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.ロジカルフォント名={直範囲リスト」とし、う行で
除外範囲を指定することになってしも(除外範囲に指定された文字は、レンダリングの対象からはずさ
れる)0 1で、指定したロジカノレフォントに除外範囲が設定されてしも場合には、そのような行をコメント
アウトまたは削除する。
4
. フォント文字コード変換指定の除去
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o
n
t
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.d
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g
.O=suni
.o
.CharToByteCp1252など、 I
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t
.ロジカノレフォント名=クラス名」とし、ぅ
行で、文字コード、変換を指定するようになってしもが、 1で、指定したロジカルフォントにこの設定が
なされてしも場合には、そのような行をコメントアウトまたは削除する。
jREの f
o
nt
.p
r
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p
e
r
t
i
e
sファイルのフォーマットに関する説明は、 jDKのドキュメント[
4
Jを参照されたい。
6
.6 Java Mid‑
T
i
e
rソフトウエア
SASWebR
e
p
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tS
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i
o(以下、 WRS)などの Mid‑Tierソフトウエアは、 j
a
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at
h
i
nクライアントソフトウエアと

同様、内部コードに Unicodeが採用されてし、るので、設定が必要なのは、フォントに関する部分と、 SASB
I
サーノ〈ーの起動部分で ある。 SASB
Iサーバーの起動については、 C
o
n
f
i
g
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t
i
o
nWizardを用いた
ディプロイ作業の中で設定するのが簡単なので、それについて、次節で解説する。ここでは、 WRSの
フォント設定について述べる。

Web プラウサ.

サーフレツトコンテナ

Web プラウサ.

r-5~メタデータサーバー

.

‑
encodingUTF‑8

I

L 一一一一一一一ノ
5AS OLAPサーバ一

、

‑
encodingUTF
・8
L 一一一一一一̲..}
:5A5
ストアドプロセスサーバー、

‑
encodingUTF
・8

'‑‑‑ーーーーーーー一ー一ー ̲ J

:
‑
;
:
5ワークスペースサ‑/¥一、
‑
encodingUTF
・
8

L 一一一一一一一ノ
羽TRS
では、データソースからテーブルやグラフを表示することができるが、そのときに使われるフォントを

プロパティダイアログのフォントリストで指定することができる。このフォントリストにフォントを追加する
i
l
e
s¥SAS
干S
ASWebReportStudio¥2
.
1¥c
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"にある、 L
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C
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.
x
m
l
には、 C:干ProgramF

とL
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.
x
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l にフォント名を登録する。 L
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F
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t
n
s
.
x
m
lは、グラフ用のフォント
1
9
0

194.

リストを、 L o c a l C l i e n t F o n t s . x m lは、それ以外(テーブルなど)のためのフォントリストを保持している。グラフは、 WRSのサーフ守レットが、それ以外は Webブラウザが、レンダリングするため、フォントリストは、それぞれ別に 管理される。したがって、 L o c a l S e r v e r F o n t s .x m lに列挙されたフォントは、 WebReportStudioが動いている マシンにインストールされている必要があり、 LocalClientFonts.xmlに書かれたフォントは、 Webブラウザが 動いているマシンに存在する必要がある。 それぞれのファイルに次のような行を追加したら、サーブ、レットコンテナを再起動する これで、フォントリスト O l こ" T h o r n d a l eDuospaceWTj "C MonotypeS a n sWT J "が現れるようになる。これらのフォントは、 SAS9.1 .3 サーヒースパック 2から、同梱されるようになった多言語TrueTypeフォント(漢字は日本語の字形)である。 ただし、 MVS版以外では、 WRSのライセンスを必要とする。 SAS9.2以降では、プラットフォームを問わず、 Baseのライセンスで、入手可能となる o f o n ta c t u a l f o n t 二 "ThorndaleDuospaceW TJ " "ThorndaleDuospaceW TJ " / > d i s p l a y f o n t= <fonta c t u a l f o n t ニ "MonotypeSansW TJ " " / > d i s p l a y f o n t= MonotypeSansW TJ く 7 Cor 市g u r a t i o nW i z a r dを使って、 SAS Unicodeサーバーを設定するときのコツ C o n f i g u r a t i o nWizardを使ったソフトウエアのデ、ィプロイは、次のような流れになる。 メタデータ登録 SAS9. 1 .3の C o n f i g u r a t i o nW i z a r dは 、 SASU n i c o d eサーバ をサポートしていないので、図中に丸印で示 した箇所で、次のような処理をおこなう必要がある。 ① C o n f i g u r a t i o nWizard起動直後のタ会イアログ、で、選択する言語に「日本語」ではなく I E n g l i s h Jを選択する 日本語を選択すると、日本語化された文字列がさまざまなところにはいってしまう。これらの文字列は、 Windowsならシフト J l Sとし、ったように、 UTF‑8以外の文字コードが使われることになり、これらが問題を引き 起こす原因になる。 ② L e v l目 A S M a i n ¥ ' S a s V 9 . c f gファイルの編集 L e v l ¥ ' S A S M a i n ¥ ' S a s V 9 . c f gは、すべての B1サーバーが参照するので、このファイルを修正するだけで、すべて のB Iサーバーを SASU n i c o d eサーバーにで、きる。編集の要点は次の通りである。 oCon日g u r a t i o nW i z a r dは 、 !SASROOT¥S a s V 9 . c f gを使うように B lサーバーを設定するため、 これを !SASROOT ¥ 'n l s引 岬 S a s V 9 . c f gに変更する。 o‑ E n c o d i n gオプ、ンョンで、 u t f ‑ 8 を指定する。 o‑ l o c a l eオプションに e nUSを指定する。これは、多言語を扱うときには、デ フォルトの日付フォーマットなと、. に漢字などロケール依存文字が、入らなし、ようにするためである。 円同 よ ー4hυi

195.

変更前 ‑ c o n f i gc :¥ProgramF i l e s¥SAS¥9 . 1¥S a s V 9 . c f g " 変更後 ‑ c o n f i gc :¥ProgramF i l e s¥SAS¥9 . 1¥n l s¥l d¥S a s V 9 . c f g " ← ‑encodingu t8 一l o c a l eenUS ③メタデータサーバーの再起動 Levl干SASMainlfSasV9.c危ファイルを修正したら、 C o n f i g u r a t i o nWizardが起動したメタデータサーバーを一度 停止して、再度起動する。 ④ SMC(SASManagem巴n tConsol巴)の再起動 C o n f i g u r a t i o n Wizardによって起動された SMCを停止して、次のように英語モードで、 SMCを再起動する。 SMCのような J a v aThinクライアントは、オペレーティング、ンステムのロケーノレによって、メニューやダイアログ など U Iに使用するリソースを切り替えるようになっている。 SMCでは、 U Iだけでなく、メタデータサーバーに登録する データなども日本語に翻訳されているため、英語モードで起動する必要がある。多言語環境では、メタデータ のように管理に使われる文字列はできるだけ、特定言語に依存しないようにすべきである。 英語モードで、 SMCを起動する . language= en‑ Duser.country=US‑ j a rsas.smc.jar javaw ‑Duser 8 おわりに SASUnicod巴サーバーは、インストーラーや周辺のコンポーネント (SAS/GraphActiveXなど)の未対応などに より、使い勝手がよくないのが現状だが、今後、 SAS は、それらの Unicod巴対応を進めてゆくことになるので、 SAS9.2では、だいぶ使い勝手のよしものになるであろう。 2005年 5月現在で、 SAS9.2において対応が予定 されてしもコンポーネントは次の通りである。 SAS/GraphA c t i v巴 Xコントローノレ、 OLEDBL o c a ld a t ap r o v i d e r、OLEDB10Md a t ap r o v i d e r 連絡先 J o j iK o b a y s h i n c SASI n s t i t u t e,[ J o j i . K o b a y a s h i @ s a s . c o m 参考文献 1 . SAS(R)9 . 1N a t i o n a lLanguageS u p p o r t(NLS)R e f e r 官n c e .SASI n s t i t u t eI n c .,C a r y , NC .SAS. g r a t i o n / o la 円口 i n g / f il e s / c e d a . h t r n. l 2 . C r o s s ‑ E n v i r o n m e n tD a t aA c c e s s(CEDA).b t t o : / / su o o o r t. s a s . c o m l r ndJmi 3 . C h a r a c t e rV a r i a b l ep a d d i n g( C V P ) . " B a s eSASS o f t w a r 巴." S ASO n l i n e D o c,V e r s i o n9 . 12 0 0 3 .CD‑ROM.SAS .SAS. I n s t i t u t eI n c .,C訂 y,NC 4 . f o n t . p r o p e r t i e sファイ l レ .1 Jt t o : / / iav a . sL ln . c o m l i 2 s e /1 . 4 / ia/d o c s / ia/gui d e / in tl !f on t n r o o .h t m l 1 9 2 ‑

196.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 ODSS t a t i s t i c a lGraphics の紹介 0吉沢敦子事・小林丈二本‑緑川修ーへ高原佳奈ぺ宮岡悦良紳 本 SoftwareG l o b a l i z a t i o nD i v i s i o n,判宮岡研究室 事 SASI n s t i t u t eI n c,Ca町,梓東京理科大学 AnI n t r o d u c t i o nt oODSf o rS t a t i s t i c a lGraphicsi nSAS9.1 てJ o j iKobayashi へ AtsukoYoshizawa S y u i c h iM i d o r i k a w a * *, KanaTakahara 梓 , EtsuoMiyaoka 幹 事 SASI n s t i t u t eI n c,Cary, 梓TokyoU n i v e r s i t yo fScience 要旨 SAS9 . 1 から ODSS t a t i s t i c a lG r a p h i c s (評価版機能)が追加され、 SAS/STATおよび SAS/ETS の代表的な t a t i s t i c a lG r a p h i c sの概要、分析グラフの出 プロシジャは、分析グラフの作成も可能となった。本稿では、 ODSS 力伊!と具体的なプログ、ラミング、例を紹介する。 キーワード: STAT , ETS, GRAPH, ODS, SAS9.1 1 . はじめに SAS 9 . 1 から ODSS t a t i s t i c a lG r a p h i c s (ODSG r a p h i c s と呼ぶ)が追加され、 SAS/STATおよび SAS/ETS の代表的なプロシジャはグラフ作成の機能も提供され、数表と分析グラフを同時に出力することが可能となっ . 1 以前のバージョンで、は、分析結果をグラフに作成する場合、統計量を含む SASデータセットを一 た 。 SAS9 旦作成し、その後 SAS/GRAPH のプロシジャを用いて、グラフを作成するとしづ煩雑さがあった。新機能である ODS G r a p h i c sを利用する場合、従来の SAS/STAT等のプログラムを ODSGRAPHICSステートメントで囲むこ とにより、関連するグラフが分析結果に自動的に追加される。 r a p h i c s の機能を利用した REGプ口、ンジャのプロク守ラム(例1.1を参照)とその実行結果(グ 次の例は ODSG ラフ1.2参照)である。 例1.1:REG プロシジャから分析グ、ラフを作成するプログ ラム P ods html; ods graphics on; proc reg data=sashelp.class; model weight = age runj ods graphics off; 一 一 ods html close;一 ‑193

197.
[beta]
プログラムを簡単に解説する。
l行目 :OOSの機能を利用し、分析結果を HTML形式で出力することを指示する。
2行目:OOSGRAPHICSONステートメントの指定により、 OOSG
r
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s の機能を利用した分析グラフを出力す

ることを指示する。
3~5 行目:

REGプロシジャのプログ、ラム

6行目 :OOSGRAPHICSOFFステートメントは OOSG
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s の終了を表わす。

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7行目:OOSHTMLCLOSE ステートメントは HTML出力の終了を表わす。

グラフ1.2:REGプロ、ンジャが作成するグ、ラフ

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s の機能を利用したグラフは、分析結果を理解できる分かりゃすし、グラフや一般的によく利用さ

れるグラフが提供されている。それぞれのグラフには、基本的な統計量も表示され、分析結果の理解の手助けと
なる。
各プロシジャごとに提供されるグラフの種類は異なり、デ、フォルトグラフの表示、または PLOTS オプションや
OOS SELECTステートメント等の指定により、特定のグラフだけを表示することができる。デフォルトグ、ラフの表示

は OOSGRASPHICSON; とOOSGRAPHICSOFF; のステートメントで既存のプログラムを囲むだけでよい。
注意:OOS G
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s は SAS9
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1 では評価版機能である。このため、本稿に記載されているプログラムやグ、ラフ

等、今後変更される可能性がある。また、 OOSG
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s をサポートしているプロシジャやグラフは今後増やして
して予定である。
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198.

2.0DSGraphics をサポートしているプロシジャとグラフ出力例 SAS9 . 1で ODSG r a p h i c s の機能をサポートしているプロシジャのリスト(表 2 . 1を参照)と、グラフの出力例とそ のプログラムを示す。 表2 . 1 : SASV9.1 で ODSG r a p h i c s をサポートしているプロシジャリスト B a s eSAS CORR SAS/ETS ARIMA,AUTOREG,ENTROPY,EXPAND,MODEL,SYSLIN, TIMESERIES,UCM,VARMAX,X12 ANOVA,CORRESP,GAM,GENMOD,GLM,KDE,LIFETEST,LOESS, SAS/STAT LOGISTIC,MI,MIXED,PHREG,PRINCOMP,PRINQUAL,REG, ROBUSTREG SAS H i g h ‑ P e r f o r m a n c e HPF F o r e c a s t i n g r a p h i c s 関連のプログ ラムはボールドで、示す) ODSG r a p h i c s の出力例とそのプログラム (ODSG 日民t r i b u l i o nof Hitrogen by powdar ods html ; ods graphics on; ー ニ ヱ = ー 。 " 。 " -‘・~ z e ・ ‑ 2 2 proc anova data = sashelp.class; class age; model weight = age; 甲 25 自 白 ユ 。 runj 3 ods graphics off; ods html close; 1 5 白 1 0 僚会 ・ ‑ . 費畠品 1 蔵品同 M 軍畠 KI 3 ヨ 鹿 』 込 町 r ANOVAプロシジャ:分類変数ごとの箱ひげ図 SoriesAutocorrdlatT oflS ods html; ods graphics on; proc arlma data=sashelp.air; identify var=air(l 12); estimate q=(1) (12) noint plot; forecast printall id=date interval=month; 05 ‑0. runj 1 0 L . . 1 5 2 D 25 ロ │ TwoStdt'lddrd&r田│ ARIMAプロシ、ジャ:自己相関 ods graphics off; ods html close; ハ 同υ 1 ょ RU

199.
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201.
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‑198‑

202.

i 3 . 分析結果の出力先 ODSG r a p h i c sを含むプロシジャの分析結果は HTML,RTF,PDF等への出力が可能である。出力先を HTMLとする場合は o d sh t m l :、出力先を RTFとする場合は o d sr t f ;と指定する。これらの出力先によって、グ . 1に示す。 ラフの保存先となるイメージファイルの種類は異なる。出力先別のサポート状況を表 3 表3 . 1 : ODSG r a p h i c sがサポートしているファイル形式とイメージファイルの種類 出力先 宛先の種類 ビューア イメージファイルの種類 DOCUMENT HTML MARKUP B r o w s e r P E G,PNG G I F(デフォルト), J LATEX MARKUP G h o s t v i e w P o s t S c r i p t (デ、フォルト), E P S I,G I F, J P E G,PNG PCL P R I N T E R G h o s t v i e w P o s t S c r i p tファイルに含まれる PDF P R I N T E R A c r o b a t PDFファイルに含まれる P S P R I N T E R G h o s t v i e w P o s t S c r i p tファイルに含まれる M i c r o s o f tW o r d RTFファイルに含まれる RTF ODSG r a p h i c sを利用したプログラム例を示す。 . 2 : 分析結果を RTF形式に出力する。 例3 ods rtf; ods graphics on; …S AS/STATプロシジャなどの SASステートメント… ods graphics off; ods rtf cユose; 例 3 . 3:分析結果を RTF形式の外部ファイル C :干r e s u l t¥r e g . r t fに保存する。外部ファイルへの出力は F I L E 二 オプションで、保存先のパスとファイル名を指定する。 ods rtf file='c:YresultYreg.rtf'; ods graphics on; …S AS/STATプロシジャなどの SASステートメント… ods graphics off; ods rtf close; 例3 .4:分析結果を L ATEX形式の外部ファイルに保存する。 ODSLATEXステートメントの PATHニと F I L E二オプ、ンョンで指定した保存場所に LATEXのソースファイルを PATH=オプションで、指定したフオルタ手に P o s t S c r i p t形式のグラフを保存する。 GPATHニオプ、ンョ 保存する。 G ンの U RL= オプションは、グラフ参照のための相対パスを L ATEXのソースファイルに追加する o ODSLATEX ステートメントのスタイル j o u r n a lにより、印刷に適したグレースケールの出力となる。 199‑

203.
[beta]
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file="out.ltx"
path="c:Yユatex"60Tdn

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gpath="c:YユatexYps"
(url="ps!");
ods graphics on;
proc robustreg

l)

data=sasheユP・class
plot=reshistogram;
model weight=age height;
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)
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2

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ド一一一r...::l~畑叫一一一間耐

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ods ユatex cユosej

例3.4の実行結果、 P
o
s
t
S
c
r
i
p
t 形式に保存されたグラフ

例3
.
5
: グラフを JPEG のファイルに保存する。
ODSGRAPHICS ステートメントの IMAGEFMT=オプションで保存するファイルの種類を指定する。このオプ

ションは HTMLか LATEX への出力時に有効である。
ods graphics on ! imagefmt=jpeg;

4
.
スタイルを利用したグラフの作成
HTML'こ表示するテキストのサイズやフォント、テーブルの枠や背景色、グラフで使用する色やマーカーの属
t
y
l
e で設定する。 SAS8
.
2 の ODSS
t
y
l
eはテキストのサイズやフォント、テープ
性は ODSテンプレートの ODSS

ルの見栄え等の定義のみを行っているが、 SAS9 からはグラフの属性、例えば、ラインやマーカーのフォントや
.
1では ODSG
r
a
p
h
i
c
sで生成される回帰式、信頼区間、予測
色などの属性の定義が追加された。更に SAS9

値、はずれ値などの属性の定義も可能となった。
t
y
l
eの指定は ODSステートメントの STYLE=オプ、ンョンで、指定するか(例 4
.
1参照)、もしく
使用する ODS S

は、メニューから、ツール→オプション→プリファレンス…で表示される結果タブのスタイルから値を指定

.
2 参照)。
する(イメージ 44
.
1
:ODSS
t
y
l
eこ
,J
o
u
r
n
a
l を指定するプログラム
ods html style=journal;
ods graphics on;
proc reg data=sasheユp.class;
model weight = age height;
runj

quit;

ods graphics off;
ods html cユosej

2
0
0

204.
[beta]
イメージ 4
.
2
: プリファレンスウインドウの結果タブ

P

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を作障する荘。

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f,,~白ru:ヲォ Jレ宇野~mする(u)

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オプション

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一

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己結果ピュー7を表示する師。

一
一

一

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一
一
←

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一

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数表 4
.
3
:ODSS
t
y
l
eこ
,J
o
u
r
n
a
l を指定した例 4
.
1 の実行結果
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3
帯t
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5
. 上級者向け ODSテンプレートのカスタマイズ
SASが提供している ODSテンプレートの更新や新規作成により、分析グラフを含む出力の見栄えはユーザー
が自由に変更することできる。 ODSG
r
a
p
h
i
c
s の機能を用いたグラフについては、グラフに表示するタイトル、
軸、凡例などのテキスト部分の指定と、それらのテキストのフォントやサイズ等の属性の指定とで、異なる ODS
テンプレートの編集が必要となる。

.
1は ROBUSTREGプロシジャが提供している ODSテンプレートを元にして、 QQプロットのタイトルや軸
例5
を日本語にするプログラムである。最初の TEMPLATE プロシジャで表示するテキストを設定し、 2番目の

TEMPLATEプロシ、ジャで、表示するテキストのフォントとサイズ等の属性を設定している。
円〆臼

4fム

ハHU

205.

例 5.1:QQプロットのスタイルのカスタマイズ、 /本内容:ROBUSTREG プロシジャ QQプロットの軸や凡例の属性を変更本/ / 一 世 ODS Style: Stat.Robustreg.Graphics.ResidualQQPlot 女 / proc template; define statgraph Stat.Robustreg.Graphics.ResidualQQPlot / store = SASUSER.TEMPLAT; notes "Q‑Q Plot for Standardized Robust Residuals"; dynamic DEPLABEL Residual; layout Gridded; layout Gridded / columns=2; ENTRYTITLE DEPLABEL / padbottom=5 ENTRYTITLE "に対する標準化 Robust残 差 の QQプロット" / padbottom=5; EndLayout; layout Lattice; layout Overlay / yaxisopts=( label="標 準 化 Robust残 差 " ) xaxisopts=( label="四分位数" ) XGrid=True YGrid=True; SCATTERPLOT y=eval (SORT(DROPMISS工NG(RESIDUAL))) x=eval (PROB工T((NUMERATE(SORT(DROPM工SS工NG(RES工DUAL)))‑0.375)/ 乱)))) (0.25+ N(RESIDU / markersize=GraphDataDefault:markersize markersymbol= GraphDataDefault:markersymbol markercolor= GraphDataDefault:contrastcolor legendlabel="残 差 " Name=叩 ata"i lineparm slope=巴 val (STDDEV(RESIDUAL)) Yintercept=eval (MEAN(RES工DUAL)) /linecolor=StatGraphFitLine:contrastcolor linepattern=StatGraphFitLine:linestyle linethickness= StatGraphFitLine:linethickness legendlabel="正規" name=IIFit" extreme=true; EndLayout; column2header; layout Gridded / padtop=5; DiscreteLegend "Fit" "Data" / border=true across=2 background=GraphWalls:background; EndLayout; 巴n dcolumn2header; EndLayout; EndLayout; end; runi /本内容:スタイル NewSty!eでグラフで使用する文字のフォントとサイズを変更本/ proc template; define style Styles.NewStyle; parent = Styles.Default; replace GraphFonts "Fonts used in graph styles" / 'GraphDataFont' = ("MS Pゴ シック", 8pt, 工 talic) 'GraphValueFont' = ( "M S Pゴ シック", 9pt, 工 talic) 'GraphLabelFont' = ("恥1S Pゴ、シック", lOpt, 工 talic) 'GraphFootnoteFont' = ( "M S Pゴシック", lOpt,Italic) 'GraphTitleFont' = ("恥1S Pゴシック",工 2pt, 工 talic Bold); replace StatGraphFitLine / 1ユnethickness = 4px; ‑202‑

206.

style Graph from Graph /outputwidth = 400px outputheight = 300px; end; run; / 台 ROBUSTREG プロシジャで分析グラフを作成台/ data stack; input x工 x2 x3 Y @@; datalユnes; 80 27 88 37 75 25 90 37 80 27 89 42 62 23 87 18 62 24 87 28 62 22 87 18 58 23 87 15 62 24 93 20 62 24 93 19 58 17 88 13 58 18 80 14 58 18 89 14 58 18 82 11 58 19 93 12 50 18 89 8 50 19 79 8 50 18 86 7 50 19 72 8 70 20 91 15 50 20 80 9 56 20 82 15 ods html style = NewStyle; ods graphics on; ods select ResidualQQPlot; proc robustreg plot = resqqplot data = stack; model y = x工 x2 x3; runi ods graphics off; ods html close; イメージ 5 . 2 :カスタマイズした ODSS t y l e を利用した ROBUSTREG プロシジャの出力 1 1 'I こ対する ・ a ft;Robustll1 fのQQブロヲト υ 内 制限E3官陀 記圃晴臨嘩 h 命 ︐ 伺 4 。 ‑ 2 ,‑ 0 四分銭蹟 , . 居 1 ‑ 正I R0 6 . おわりに 今後のバージョンと今回利用した SAS9.1 .3 SP3 評価版機能では提供しているグラフやプログラミングが異な る可能性もある。しかしながら、 ODSGRAPHICS ステートメントを追加するだけで、 SAS/STATや SAS/ETSのプ ロシジャから、さまざまなグラフを容易に作成することができるため、利用する価値は十分にあるだろう。 連絡先 AtsukoYoshizawa SASI n s t i t u t eI n c . C a r γ ,NorthCarolina Atsul くo .Yoshizaw日@sas.com 参考文献 SUGI29Paper204‑29AnIntroductiononODSf o rS t a t i s t i c a lGraphicsi nSAS9.1 nHU ηべU ワ ム

207.

口頭論文発表 金融・経営・経済

208.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 株式市場の非効率性と超過収益率の獲得のための投資戦略 角 谷 督 1・黒子貴史 2・生田目崇 3 株式会社金融エンジニアリング・グループ 2日興アセットマネジメント株式会社 I 3専修大学 I m p l e m e n t a t i o no fE f f e c t i v eC o n t r a r i a nI n v e s t m e n tS t r a t e g y KADOYA, Susumu1/KUROKO, T a k a s h i2/NAMATAME, T a k a s h i3 巴r i n gGroup, I n c ./2NikkoAss巴 tManag 巴 m巴 n tC o ., L td ./3S巴 nshuU n i v . I F i n a n c i a lEngin 要旨 本研究では、株式市場の非効率性を利用し,株価の過剰評価・過小評価(ミス・プライシン グ)を指標化することで割安銘柄を効率的に選択する方法を提案する.分析の結果,本研究 で提案したミス・プライシング指標は, BP指標との相聞が低く,バリュー効果とは独立な投資機 会を捉えることが確認できた. キーワード: 非効率性,バリュー効果, DEA,SAS/OR 1 . はじめに 金融市場では,効率的市場仮説で説明できない非効率性をアノマリーという.効率的 市場仮説とは,①投資家は合理的であり,証券は合理的に評価された価格で取引される, ②もし,合理的でない投資家が存在したとしても,それらの投資家の取引はランダムな N o i s巴であり,株価をドライブする要因とはならない,③非合理な投資家の取引がラン ダムでなく,ある方向性(売り一辺倒や買い一辺倒)を持っていたとしても,裁定取引 によって非合理な取引の価格の影響は排除される,という市場を仮定するものである. このような効率的市場仮説は,その効率性の強さから一般に以下の 3つに分類される. 1 . ウィーク型:過去のリターンに基づいてリスク調整後の利益を得る事は不可能 2 . セミ・ストロング型:公表されたどのような情報を用いてもリスク調整後の利益 を得る事は不可能 3 . ストロング型:インサイダー情報でさえ,利益を得る事は不可能 効率的市場仮説に基づく研究は,多くの場合,セミ・ストロング型を仮定したもので 2 0 7

209.

効率的市場仮説に基づく研究は,多くの場合,セミ・ストロング型を仮定したもので あることが多い.インサイダー取引によって利益を得た事件が実際に起きていることか らも,容易にストロング型が支持されないということは理解できよう.角谷・黒子・生 2 0 0 4 )では,解釈があいまいとして批判される BP(Bookt oP r i c e ) やサイズに関する 田目 ( リスクファクターの存在を認めたとしても, Fama‑Frenchの 3ファクターモデルは不十 分であり, 3 ファクター以外から超過リターンが得られる可能性を示している.また, 角谷・黒子・生田目 ( 2 0 0 5 )では,小型バリュー,小型グロース,大型バリュー,大型成 長の 4つにスタイルを分類すると, BP効果や小型株効果によりパフォーマンスが良い とされる小型バリューを凌駕するスタイルローテーション戦略が可能であることが示 されている. スタイルローテーション戦略の有効性は,スタイル予測(最も収益率の高いスタイルの予 測)の精度の高さによってもたらされており, BP 効果や小型株効果では説明できない収益 機会を公開情報によって捉えることができる可能性を示唆している.また,上記のスタ イルローテーションの収益性分析では,スタイル予測の説明変数として,投資家の成長株 に対する過剰評価を表すとされる BPの標準偏差(慶瀬, 2003を参照)が有効な変数であると して示されていることから, BP効果では説明できない株式の過剰・過小評価が存在している可 能性があると考えられる. 本研究では,株式の過剰・過小評価によるミス・フライシングを効率的に捉える方法 を提案し,この提案手法によって安定的に大きな収益率が得られることが可能であるこ とを示す.この提案手法によって捉えられたミス・プライ、ンング、は,従来から用いられてきた BP 指標とは相聞が低く, BP効果では説明で、きない過剰・過小評価が市場には存在すると思われ る. 2 . 先行研究 市場の非効率性を分析した既存研究は非常に多い.例えば,小型株効果に対する研究の 1つには, ArbelandS t r e b e l( 1 9 8 2 ) がある.彼らは,米国株を対象とした実証分析にお いて,アナリストや投資家によって投資対象として無視されることの多い小型株に株式 プレミアムが存在し,それが小型株効果となって現れているとしている.さらに, 90 年代になってからも E l f a k h a n iandZaher( 1 9 9 8 ) (以下 EZ) が,サイズに関する l月効果 の主因が同様の投資対象としての INeglectJであることを報告している. 一方, Neglect を価格形成の遅行と関連付け,観察される株価から遅行を計測し,そ の遅行に対するプレミアムの存在を分析した実証研究が, How and Moskowitz ( 2 0 0 3 ) (以下 HM) によって行なわれている.彼らの推定は,証券収益率を被説明変数,マー ケットポートフォリオの収益率とその過去の収益率,当該銘柄の過去の収益率を説明変 数として回帰分析を行うものであり,説明変数に対する係数の有意性をもとに,遅行を 計測する方法を提案している.また,彼らの手法の問題点を改善し,日本株を対象とし ‑208

210.

て分析したものに角谷・黒子・生田目 ( 2 0 0 4 )がある.彼らは,銘柄固有の情報遅行は, アナリストの情報量と関係し,アナリスト情報が増大すると銘柄固有情報の株価反映の 遅行が緩和されることを示している.このことは,アナリストがカバーできていない銘 柄固有情報に超過収益の源泉があることと共に, Fama‑Frenchの 3ファクターモデルで は株式収益率を説明するファクターが十分でない可能性を示唆するものである.つまり, 市場にセミ・ストロング型の効率性があっても,現在,主流になっている 3ファクター モデルでは超過収益率をすべて説明できず,投資家は追加的なファクターを考慮する必 要があることを示している. 一方,株式のファンダメンタル価値を表すと考えられる財務データと市場価格の比 率による指標は,将来の株式収益率に対する予測力を持っとする多くの研究がある.例 えば, EP( E a r n i n gt oP r i c e ) や BP(Bookt oP r i c e )は,会計数値による本源的な価値と市場 価格を比較する指標と考えられ, EPや BPが低い銘柄は,将来の収益率が低くなること 1 9 8 3 )や S t a t t m a n( 1 9 8 0 ),R o s e n b e r ge ta . I(1985) 等で指摘されている.このよ が Basu( うな「サイズ効果」や「バリュー効果」に対して FamaandFrench(1992) は,サイズや BP は何らかのリスク要因を表しており,その代償として将来リターンが得られている だけであり,市場価格は彼らが提唱する 3つのファクターによる資産価格モデルで説明 可能であるとしている.しかし,この経済的解釈は,リスク要因が特定されていないこ ta l .( 1 9 9 4 ) とから,暖昧であると批判されている.このような議論はさらに, Lakonishoke によって, EPや BP等のファンダメンタルズ指標は,投資家の過度の楽観や悲観の結果 であり,株価が一時的な過大もしくは過剰評価を表しているだけであると指摘されてい る.実際,高 BP株の多くは,過去に株価収益率が相対的に低かった銘柄である.これ は,非効率性を単なるアノマリーとして捉えるので、はなく,行動ファイナンスの側面から説明を 試みるものであり,近年で、はこのような研究が盛んになりつつある. 3 .本研究の位置付け 本研究では, BP効果では説明できない過剰・過小評価が存在し、その非効率性を効果的 に捉えると、安定的に大きな収益率が得られることを示す.これらは,公開情報によって, BP 効果や小型株効果では捉えられない収益機会が存在していることを示唆している.ファイナン ス研究の中での本研究の位置付けを次頁の図 Iに示す. 4 .ミス・プライシング指標 4 .1.過去の収益率と業績サプライズの関係 松村( 2 0 0 0 )は,投資家が過去において悲観的な見かたをしたため,過去の収益率が低かっ た銘柄に対するポジティブ サプライズは,過去に楽観的な見かたをされたために過去の収益 P 率が高かった銘柄に対するポジティブサプライズよりも,その後の収益率に対する影響度は大 2 0 9

211.

F a c t o r 切横Ii! FFモデルでは提えられていない リスヲファウヲーが存在する 過去のリヲーン応報からリスウ周聾後の プレミアム l 立得られない 立 二E 反Ii!,リヲーン・リバーサル効果 5ηleR o t a t i o D 立 二E ∞ L e , ぉ andL i o d a k I S β回 1 ) ,角苔・黒子・生田目 ( 2 5 ) S t y l eR o t a回 n 戦略の収益性立比般的高〈。 ローテーシヨンは有効 . L . . a kon治加. k, S h i e i f e ra n dVinshny( 1 9 9 4 ) BP 効果!立韓値の過刷・過小E応だけで は脱明できない 1 1 1サプライズと過去のリヲーン ‑ D r emena n dBe可 ( 1 9 9 5 ),松村 ( 1 9 9 8 ) 1 ¥ 1 ・練価のミスプライシンゲを I/~寸| の大きさから計到し サプライズ効畢町大きさは過去のリヲーン 1 1 一 一 │ ・B P 勤皇とミスプライシンゲ町 田大きさに関係 │ │ 大きさからより効率的に曹l 安 │ 銘柄が選択される 図1.本研究の位置付け きいとしている.逆に,投資家が過去において楽観的な見かたをしたため,過去の収益率が高 かった銘柄に対するネガティブマサプライズは,過去に悲観的な見かたをされたために過去の 収益率が低かった銘柄に対するネガティブ、サプライズよりも,その後の収益率に対する影響度 は大きし、ことを示している. そこで,過去のリターンの大きさとサプライズの大きさを相対的に評価した指標として 1+過去一定期間の平均株式収益率)‑‑;‑サフライズ指標 評価指標 1= ( ( 1 ) 1+過去一定期間の平均株式収益率) 評価指標 2=サプライズ指標‑‑;‑ ( ( 2 ) を定義する.ここで,サプライズ指標は サプライズ指標 =1+ (実績値 予想、値) ‑ ‑ ; ‑ t期末時価総額 である. つまり,過去に過小評価された割安銘柄ほど(1)式の指標は小さく, ( 2 ) 式の指標は大きく なる. 4ム DEA.IDEAによるミス・プライシンク、指標 4 .1.節において,過去の収益率とサプライズの大きさを対比させることで,ミス・プ ライシングの大きさを捉える方法を述べたが,サプライズを算出する予想財務データや 実績値は複数考えることができる.また,過去の平均株式収益率も算出期間をどのよう に設定するかという問題が生じる.本研究では,多入力・多出力システムの効率性評価 a t aEnvelopmentA n a l y s i s(DEA) を適用し,評価式(1)に適用可能な過去の 手法である D 株式収益率やサプライズ指標に適用可能な財務データが複数存在する状態において評 2 1 0

212.

価指標を求める. DEAは , C h a m e se ta . l( 19 7 8 )によって提案された効率性評価のため の分析手法であり,オペレーションズ・リサーチ (OR) の分野で広く用いられている手 法である.その特徴は, ].ノンパラメトリックな分析手法であり,入出力データの分布形状を仮定せず,評 価対象全体のカテゴリー内での相対評価を行う 2 . 効率性を多入力,多出力によって算出することが可能であり,重回帰モデルのよ うな共線性をほとんど考慮することなく入出力変数を決定できる 3 . 多入力多出力システムの効率性をただ一つの評価値で与えることができる といったことが挙げられる. ]' U2'…, U [, サプライズ指標に対 ここで,複数の株式収益率に対する評価ウェイトを U する評価ウェイトを V1, V2, …, V , とし, (1)式による銘柄 m の評価指標を, 2Vj 川/~Uisurmi ( 3 ) と書き換えることとする.ここで ,r m jは銘柄 m の計算期間の種類を jとする過去の収益 率 ,1は計算期間の違いによるリターンの種類の数 ,Surは財務指標 iによるサプライズ , 指標 , kはサプライズ指標の数である. DEAでは,評価ウェイト UpU2'…, u [及 び、 V1, V2, …, V , を,当該銘柄が最も割高となるように, 3 ) 式を最大化するように求める.ただし,この評価パラメータを他の株式銘 つまり ( 柄にも同様に与え, ( 3 )式と同様の評価指標の最大値が lを超過しないように制約を与 え,当該銘柄の相対的な値を算出する.つまり, ySUj 川/~Visurm 5t 》川/~UiS以云 l Up' ・ ・, U i, Vp"', Vk注 O ( n= 1 , …, p) ( 4 ) を解くことになる.ここで ,p は全体の銘柄数である. )として, この問題は,各入出力値が正であるならば,目的関数の分子を一定値(ニ 1 その分母を最小化させる問題と同値であり,このとき以下の問題に書き換えられる. で~~ ~ゆらt s .t . ~Uj (l +rmj)=l Z U j川 j )‑ ~ ViSU九i :SO ウェイトは銘柄毎に指標が最大となるように決定されるから,問題 ( 4 ) の指標により各銘柄 1ょ よ ー η〆 臼

213.

を評価することは,なるべく割高と評価されるように計算された指標を適用していることになる. つまり, 1つで、も割高と評価されるような指標があった場合には,その指標を重視した評価指標 5 ) の目的関数として得られる指標が相対的に小さい銘 が計算されることになり,また,問題 ( 柄は,保守的な見積もりによって割安で、あると判断される銘柄と考えることがで、きる. 2 ) 式を複数の入出力に拡張した場合も,同様の数理計画問題を解くことにより, さらに, ( なるべく割安と評価されるように計算された指標を求めることが可能である.この場合,問題 ( 4 )の各分数式の分子と分母を入れ替えた問題となるので, I n v e r t e dDEA(IDEA)と呼ばれる. このように,評価指標 lを複数の入出力に拡張した指標(以下, DEA指標)は,相 対的な割安銘柄を保守的な見積りによって選択するのに適した方法であるといえ,評価 DEA指標)は相対的な割高な銘柄を保 指標 2を複数の入出力に拡張した指標(以下, I 守的な見積りによって選択するのに適した方法であるといえる.本研究では,これらの 指標の特徴から,銘柄の割安・割高を判断するミス・プライシング指標として,これら の差,つまり DEA指標 ミス・プライシング指標 =DEA指標一 I ( 6 ) を定義し,投資戦略に適用する. 5 . 実証分析方法 投資家のミス・プライシングにより収益率がオーバーシュートする銘柄やアンダーシュートす る銘柄が存在するなら,その後のオーバーシュート,アンダーシュートの解消段階において C o n t r a r i a nI n v e s t m e n t 戦略による収益の獲得機会が存在する.ここでの C o n t r a r i a n 1 安を判断 I n v e s t m e n t戦略とは, 4章で述べたミス・プライシング指標の値から相対的な割高,害1 し,割高銘柄を売却,割安銘柄を購入する投資戦略を指す. 5 分位)を作成し, 以降の実証分析においては,効率値の大きさによる分位ポートフォリオ ( 分位ポートフォリオ毎の平均収益率,分位ポートフォリオ聞のリターンスプレッド等を算出して, その戦略の有効性を検証する.さらに,提案指標と BP指標の 5分位 X5分位ポートフォリオを 2段階ソーティングにより作成することによって,ミス・プライシング指標によって得られる収益率 が , BP水準をコントロールしても得られることを示す. ここで,提案指標は本決算による財務データの実績値を用いて計算されるため,分位ポート フォリオのリバランスは年に I度とする.つまり,提案指標の大きさによる 5分位のポートフォリ オを作成し,次の年の基準日まで B u ya n dH o l dし,各分位ポートフォリオのパフォーマンスを 計算する.そして,毎年,基準日に計算されるミス・プライシング指標に基づいて各分位ポート フォリオは更新される. 6 . データ 2月末までの期間を通じて東証 I部 実証のためのデータは, 2000年 4月末から 2004年 1 に上場していた銘柄の中で, 3月決算で 5月中に実績値が公表された銘柄を対象とする.財 守﹄ム ワ ム ヮ

214.

務データは東洋経済新報社発表のデータを用いるが, 1999 年以前のデータのカバー率が極 端に低いため, 2000 年以降の分析としている.提案指標の算出時点(基準日)は評価期間の 各年の 5月末とする.そして,基準日から遡り,過去 l年,過去 3年,過去 5年の収益率を分 子(出力値),評価時点における各銘柄の予想、財務と時価総額,翌月の 5 月中に発表される 実績値から計算されるサプライズ指標を分母(入力値)として,前述の数理計画問題を解くこと で DEA指標を求める.IDEA指標は,分子と分母を入れ替えて求めた数理計画問題を同様 ), r 2, r 3と に解いて求めるだけである.過去 l年,過去 3年,過去 5年の収益率を,それぞ、れ r 表すこととする. 入力値であるサプライズ指標は,算出のために適用する財務データを営業利益,経常利益, 税引き利益の 3データとし,それぞれに関して 1+(基準日の翌月 ( 5月)中に発表された実績値一末の予想値)/末時価総額 を計算して求める.そして,営業利益,経常利益,税引き利益に対応するサプライズ指標をそ れぞ、れ S u r ), S u r 2, S u r 3と表すこととする.また,財務データは本決算,連結決算を優先とする. 各年度で 3月決算の財務データの取得可能な銘柄数が異なるため,各年度の計算対象銘柄 数は異なる.また,入力・出力項目こ 1つで、も欠損がある銘柄や税引き利益サプライズ指標が マイナスとなる銘柄は除外した.サプライズ、指標がマイナスとなるのは,ほとんどの場合,その 計算方法から,巨額の特損計上による場合である.各年度の計算対象銘柄は, 2000年度 942 銘柄, 2001年度 1 , 067銘柄, 2002年度 1 , 1 2 1銘柄, 2003年度上 139銘柄, 2004年度 1 , 1 4 6 銘柄である.以降の実証分析結果では提案指標は昇1 ) , 慎 BPは降順に分位番号を 1から 5 ま で付与している. 7 .分析結果 分位ポートフォリオのスプレッド収益率の累積グラフ及び平均収益率を以下の図 2 と表 1に示す. 「 一 一 一 一 十ご→~.------_.._....-一一一一三討| 0.8 0 . 7 0 . 6 J ‑ 0 . 5 J ‑ 一一一一一一一一一 内 4 1 q u 4 守 ︐ nunununU 。 20000531 20010531 20020531 「 二 一 二 spreadHikhhf下roposing !ndex 一一一一一 20030530 20040531 瓦示"三‑4) QU i ー ‑ e ‑ ‑ ‑Spread Return(Proposing Index quintile.Topー Bottom川 一 一 一 一 一 一 一 一 図2 . スプレッドリターンの累積収益率 表1.スプレッドリターン水準と t値(上段:月次リターンの平均値,下段:t値) ‑213

215.

ProposingI n d e x Sur1 Sur 2 S u r 3 r 1 r 2 r 3 I 2 I 2 1 . 6 9 % ( 1 .81) 1 . 46% ( 1 .6 5 ) 1 . 49% ( 1 .7 0 ) 1 . 5 3 % ( 1 . 7 7 ) 1 . 1 8 % ( 1 . 15 ) 1 .67% ( 1 . 6 7 ) 1 . 6 9 % ( 1 .6 8 ) 2 1 . 2 3 % ( 1 .6 5 ) 0.70% ( 0 . 9 4 ) 0.88% ( 1 . 17 ) 0.82% ( 1 . 10 ) 1 . 1 5 % ( 1 . 5 2 ) 1 .31% ( 1 .7 6 ) 1 . 3 0 % ( 1 . 6 7 ) 4 Bottom 48% 0 .30% 0. ( 0 . 6 8 ) ( 0 . 3 4 ) 0.64% 1 . 1 5 % ( 0 . 8 7 ) ( 1 .3 4 ) 0.50% 1 . 1 0 % ( 0 . 6 8 ) ( 1 .2 0 ) . 0 0 % 0.53% 1 ( 0 . 7 0 ) (1.17 ) 0.72% 0. 42% 0. 49 ) ( 1 .0 5 ) ( 0 . 5 2 % 0.03% ( 0 . 7 0 ) ( 0 . 0 4 ) 0.61% 0.07% ( 0 . 8 3 ) ( ‑ 0 . 0 9 ) 3 0.81% ( 1 . 14 ) 0 . 5 5 % ( 0 . 7 7 ) 0 . 5 4 % ( 0 . 7 9 ) 0 . 6 2 % ( 0 . 8 7 ) 1 . 0 4 % ( 1 . 5 0 ) 0 . 9 9 % ( 1. 40 ) 0 . 9 8 % ( 1 . 3 5 ) 2‑4 0.75% ( 4 . 2 7 ) 0.05% ( 0. 44 ) 0.38% ( 2 . 8 3 ) 0.29% ( 1 .9 7 ) 0. 42% ( 1 .7 7 ) 0.79% ( 3 . 7 6 ) 0.69% ( 2 . 7 8 ) 1‑5 1 . 3 9 % ( 3 . 9 0 ) 0.31% ( 1 . 9 4 ) 0.39% ( 2 . 3 6 ) 0.53% ( 3 . 3 1 ) 0.76% ( 1. 45 ) 1 . 6 3 % ( 2 . 8 1 ) 1 . 7 6 % ( 2. 49 ) 表 lには,比較のため,サフライズ、指標 Surl , S u r 2, S u r 3と過去の収益率 r , r 2, r 3それぞれ l に関して分位ポートフォリオを作成した場合のスプレッド収益率も示している. 次に,第 lソートを BPとして 5分位した後,さらに各分位内で提案指標によって 5分位 したクロス分位ポートフォリオ 25個の平均収益率と同一 BP分位内におけるスプレッド収 益率を以下の表 2に示す. . 2段階ソーテインク守ポートフォリオのスプレッド、リターン(上段:リターン,下段:t値) 表2 TOP 2.1% TOP ( 2 . 0 ) 1 .8% 2 ( 1 .9) BP 1 .6% 3 ( 1 .7 ) Q u i n t i l e 1 .0% 4 ( 1 . 2 ) 1 .0% Bottom ( 1 . 0 ) ProposingIndex 4 Bottom 2 3 1 .7% 1 .9% 1. 4 % 2.1% ( 2 . 0 ) ( 2 . 0 ) ( 2 . 2 ) ( 1 . 7 ) 1 .0% 0.8% 1 .6% 1. 4 % ( 1 . 1) ( 2 . 0 ) ( 1 . 8 ) ( 1. 4 ) 0.7% 0.6% 1 . 1 % 1 . 1 % ( 0 . 7 ) ( 1 . 5 ) ( 1 .0) ( 1 . 6 ) 0.2% 0.3% 0.2% 0.4% ( 0 . 2 ) ( 0 . 7 ) ( 0 . 3 ) ( 0. 4 ) ‑0.3% ‑0.4% 0.6% 0.1% ( ‑ 0 . 1) (‑0. 4 ) (‑0.4) (‑0.6) 1‑5 0.1% ( 0 . 2 ) 1.0% ( 2 . 6 ) 1 .0% ( 2 . 8 ) 0.8% ( 2 . 1) 1 .6% ( 2 . 2 ) BPによる分位が lのもの (TOP)を除き, TOPとBottomのリターンスプレッド、を表す 1‑5の t 値は 2を超過し,統計的に有意であるとし、える.また, BP等のバリュー指標と提案指標の順位 相聞は以下の表 3に示すように,金融データとしては比較的小さい値となっている. 表3 .ノくリュ一指標と提案指標の順位相関 2000 2001 2002 2003 2004 BP ‑0.50 ‑0.29 ‑0.33 0.17 ‑0.16 EP ‑0.02 0.07 0.15 0.12 0.12 CP ‑0.22 ‑0.01 ‑0.03 ‑0.01 0.00 SP ‑0. 47 ‑0.22 ‑0.26 0.02 ‑0.02 oP r i c e,S P :S a 1 e st oP r i c e EP:Earningt oP r i c e,CP:Casht 主主室 A位 1 ょ の' u

216.

本研究の結果, C o n t r a r i a nI n v e s t m e n t 戦略の適用においては,単純な過去の収益率やサ プライズの大きさのみを利用するより,過去の収益率とサプライズの大きさを対比させた方が, より有効な銘柄選択が可能で、あることがわかった.また,提案指標はミス・プライシングの大きさ を表す指標と考えられるが, B Pや E P等のバリュー指標と相聞が低く, BP効果をコントロール してもミス・プライシングの修正による収益機会は消え去らなかった.つまり,この分析によって B P効果では説明できない銘柄の過剰評価・過小評価としづアノマリーが存在している可能性 が示されたとし、える. 本研究で用いた DEAは , OR分野では多くの適用例が報告されているが,投資分析におけ る活用例は非常に少ない.ノンパラメトリックな手法で、あり,入出力値の分布形状を仮定せず, 共線性が及ぼす結果への影響もほとんどないことから,ファイナンス分野において,今後の応 用が期待できる手法であると考えられる. Appendix SASのLPプロシジャによる DEA問題の記述 ***** DEA (&outvar=出力データ数, &invar=入力データ数) **キ. ラ d a t atmp1 (keep=u1・u&outvarv l‑v&invar̲ t y p e ̲̲ r h s ̲ ) n d a t a & i n v a r ); tmp2(keep=dtcodeo u t d a t a1‑o u t d a t a & o u t v a ri n d a t a1 i 司 s e tt e m p 2 ( f i r s t o b s = & jobs=&j)n o b sニ n; o u t p u ttmp2; * 目的関数 %do1 =1%to&outvar;u&1ニ o u t d a t a & 1;%end; %dok=1%to&invar ;v&k=. ;%end; ̲type̲ ="MAX";̲ r h s 一 = .;o u t p u ttmp1; * 制約式(仮想入力 =1,仮想、出力く=仮想入力,ウェイトは正) %do1 = 1%to&outvar;u & I = . ;%end; %dok=1%to&invar ;v&k=indata&k;%end; 一="EQ" ; ̲ r h s 一. = 1;o u t p u ttmpl; ̲ t y p e doi = 1t on; s e ttemp2p o i n t = i; %do1 = 1%to&outvar;u & l = o u t d a t a & 1 ;%end; %dok=1%to&invar ;v&k=‑1 * i n d a t a & k;%end; 一=0; o u t p u ttmp1; ̲t y p e ̲="LE";̲ r h s end; %dok=1%to&outvar; %do1 = 1%to&outvar;u & I = .;%end; %do1 = 1%to&invar ;v & I = .;%end; u&k=l; ω ム 41 円〆 FhU

217.

t y p e ̲="GE"; ̲ r h s ̲=0;o u t p u ttmp1; %end; %dok = 1%to& i n v a r ; %do1 = 1%to&outvar;u & I = .;%end; %do1 = 1%to& i n v a r ; v & I = .;%end; v&k=l; ̲ t y p e ̲ ="GE"; ̲ r h s ̲ =0;o u t p u tt m p l; %end; r u n ; = t mp1PR lMALOUT = tmp3p r i n t l e v e l = ・2; p r o cI pd a t a r u n ; 参考文献 [ 1 ] Basu,S .( 1 9 8 3 ) Ther e l a t i o n s h i pb e t w e e ne a r n i n g sy i e l d,m a r k e tv a l u e,a n dr e t u r nf o r , "JournalofFinancialEconomics1 2,1 2 9 ‑ 1 5 6 . NYSEcommons t o c k s :F u r t h e re v i d e n c e A ., W.W.CooperandE .町lOd e s( 19 7 8 )M e a s u r i n ge 伍c i e n c yo fd e c i s i o n ‑ m a k i n g [ 2 ]C h a r n e s, "EuropeanJ o u r n a lo fO p e r a t i o n a lR e s e a r c h2, 4 2 9 ‑ 4 4 4 . u n i t s, .F .andK .R .F r e n c h( 1 9 9 2 ) Thec r o s s ‑ s e c t i o no fe x p e c t e ds t o c kr e t u r n s, "J o u r n a l [ 3 ]Fama,E 4 2 7 ‑ 4 6 5 . o fF i n a n c e47, J ., A .S h l e i f e randR .W.川 Vm 旧 1 陪s 加 h m y ( υ 1 9 卯9 仰 4 ) [ 4 ]L a k o n i s h o k, and吋 r i s k, "J o u r n a lo fF仇 a 仰n c e49,1 5 4 1 ‑ 1 5 7 8 . . , K .R e i d,and R .L a n s t e i n( 19 8 5 ) P e r s u a s i v ee v i d e n c eo fm a r k e t [ 5 ]R o s e n b e r g,B , "JournalofP o r t f o l i oManagement1 1, 9 ー1 7 . i n e f f i c i e n c y .G ( 1 9 9 6 ) Dos t o c kp r i c e s白 I I yr e f l e c ti n f o r m a t i o ni na c c r u a l sa n dc a s hf l o w s [ 6 ]S l o a n,R 2 8 9 ‑ 3 1 5 . a b o u tf u t u r ee a r n i n g s ? "TheA c c o u n t i n gReview7 1, 2 0 0 4 ),i日本市場における株価形成遅行と超過収益率の [ 7 ] 角谷督,黒子貴史,生田目崇 ( A 歩アナグスムジナ一ナノ' v , Vo. 1 42, No.5,p p . 1 0 3 ‑ 1 1 4 . 関係の実証分析J, l 2 0 0 5 ),i日本市場におけるスタイルローテーション戦略の [ 8 ] 角谷督,黒子貴史,生田目崇 ( 収益性分析 j,l i E # アナグスムジナ一ナノ' v , Vo. 1 4 3, No, 3 .p p . 8 0 ・ 9 4 . 9 8 )i バリュー効果とミス・プライシング修正仮説 j,証券アナグスムジ ャーナ [ 9 ] 松村尚彦(19 ム ノ Vo1 . 37, No.2, p p . 1 6 ‑ 3 0 . 投資家心理によるクロスセクションで、の PBRのばらつき増加と市場 [ 1 0 ] 慶瀬勇秀 ( 2 0 0 3 )i 14 1,No.9, リターンおよび割安株効果の予測可能性 j,証券アナグスムジ.ナ一ナノル, Vo. p p . 8 0 ‑ 9 8 . 2 0 0 1 )i 業績予想,業績サプライズ、とバリュー株効果 j,身代アァイナ [ 1 1]渡部肇,小林孝雄 ( 4 ト6 6 . ンス, No.9,pp. 円〆臼 ρれ U 1i

218.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 ファース卜・ハ。ツセーシ、、型オフ。ション 77口 ー チ ・ モ デ ル と 0 社債評価の実証的研究 宮村幸夫 取締役執行役員 株式会社金融エンジニアリング・グループ AnEmpiricalStudyf o rValueo fCorporate Bond ByModifiedOptionPricingMethods Yukio Miyamura DirectoroftheBoard ManagingOfficer, n c . F i n a n c i a lEngineeringGroup,I 要旨 小稿で、は、企業の信用リスクを推計するうえで有用とされている KMVモデルに代表されるオ プションアプローチ・モデルの論点に修正を施したモデルを用いて、デフォルト率を推計し、そ の精度を実際の社債価格を通し実証した。その結果、アメリカン・オプション・プライシング型の ファースト・パッセージ型モデルが有用であるとしづ可能性を示唆し得た。 キーワード: 社債評価、信用リスク、オプ、ンョン価格評価式、 PROBNORM関数 1. はじめに 現在、金融機関等の信用リスク管理業務関係者に最もポピュラーな信用リスク計量値である デフォルト率は、 S&P社 、 Moody's社とし、った代表的格付機関が提供する格付毎の実績値で、 あるが、一方で、、近年における信用リスク計量化研究の中で、予測デフォルト率推計のための 様々なモデルが開発されてきている。それらの中で実務的にも有用とされているのは、企業の 複数の財務指標を使って倒産可能性やデ、フォルト率推計を行うとし、うものと、企業価値や株価 をオプション価格評価式に適用しテ、フォルト率を推計しようとするもので、ある。近年、日本におい ても、上場会社の大型倒産がいくつか起こったが、その直前の財務諸表からは倒産を判断する ことが難しい事例もあったので、市場の評価によって企業の継続性を予知する後者のモデル (以降、オプ、ンョンアプローチ・モデルと称する)に関心が高まっているともいえる。 しかし、このモデルから推計で、きるデフォルト率が明らかにしているものは、貸借対照表及び 損益計算書が示す財務内容から判断されよう企業の継続困難性とは、かなり事離する性質を 有する。なぜなら、このモデ、ルから推計された企業価値は、企業の財務内容だけではなく、株 よ 41 ヴt h ηL

219.

価を通じた市場の思惑にも大きく影響され、実態以上に変動の大きい数値を導出する可能性 が高し、からである。従って、実務上では多用されているが、このモデルによるデフォルト率を社 債の理論価格推計に用いる場合には、その実際の市場価格とどこまで整合的であるかの十分 な検証が必要であろう。 そこで、小稿で、は、オプションアプローチ・モデルを用いた信用リスク推計の妥当性と利用可 モデルにほぼ準拠させたモデ、 能性を探るため、以下の順序で論旨を展開したい。まず、 KMV モデルの ルからのデフォルト率の妥当性を我が国の社債市場を通じて検証する。次に、 KMV 課題といわれる点に修正を加えたモデルを用い同様の実証を行い、オプションアプローチ・モ デルに対する改善余地があるか否かを考察する。 2 . オプションアプローチ・モデルに対する疑問 株価情報がその発行体の将来の業績と密接に関係していることは、過去における多くの研 究からほぼ周知のこととし、える。しかし、それらは継続企業を前提とした研究であり、企業のデフ ォルト可能性を予測する研究は、モデル構築手法などはそれらと類似してはいるが、基本的に 異なった観点の研究といえる。なぜなら、継続企業であれば、将来の業績動向を反映して、株 価は上下に変動するはずであるが、デフォルト可能性の高い企業の場合には、近年、我が国で 経営苦境に陥ったしてつかの企業の事例からも推測できるように、株式市場参加者は、企業の 業績が将来回復することを期待するよりも、当面その企業が債務超過に陥り、株主価値が無に なることを危倶するため、株価は企業の業績予想よりもその信用度の劣化にとりわけ敏感に反 l a c k & S c h o l e s[ 1 ]及 び M e r t o n [ 2 ] [ S ]の研究は、このような企業の 応するからである。前述の B デ、フォルト可能性をオプションアプローチ・モデルにより推計したものであり、 KMV モデルも同じ である。 しかし、このモデルから推計されるデ フォノレト率は、企業の貸借対照表及び損益計算書が示 す財務内容に基づき判断される信用度ではなく、株式市場参加者が企業の信用度をどのよう に評価しているかを意味している。通常、株式市場は企業業績や経済状態の将来展望を、あ る時は過大評価し、またある時は過小評価しつつ変動するので、株価を重視するオプ、ンョンア ブローチ・モデルから推計されるデフォルト率もまた、株式市場参加者の思惑により、企業の実 e a l h o f e r [4 J[ 5 J 態的信用度以上に変動する可能性が強いはずである。もし、そうであるならば、 K で 、 KMV モデ、/レによるデフォルト率が、 S&P 社の格付より企業の信用変化をより早く予測し得 たとする実証結果は、オプション理論式のフレームワークによるとし、うより、株価の有する先見性 そのものに依存したものであるかもしれない。 3 . オプションアプローチ・モデルの理論と論点 8 1 a c k & S c h o l e sのオプション・プライシング・モデルでは、株式のプット・オプション価値は (1) 式に示すように、全て市場で、観測可能で、ある 5つの変数(株価、権利行使価格、金利、株価の ボラティリティ、残存期間)に基づき決定される。このモデルを応用展開し、企業の返済余力を 2 )式の M e r t o nモデルで、 原証券として、貸付債権のデフォルト・オプション価値を計算したのが ( あり、そのベイオフ・ダイアグラム *1 は図 1のようになる。しかし、 ( 2 )式において問題となるのは、 ‑218‑

220.

変数のうち市場で観察できないものがあることである。すなわち、原証券に相当する企業の返済 力は、直接に観測できず、したがって、そのボラティリティも観測で、きないことになる。 F=‑SXN(一dl )+KX巴 州 XN(‑d2)] 一 一 一 ただし、 F: プット・オプション価値、 r 金利、 t 一 一 一 一 一一一一一一一一ー一一 一 一 ( 1 ) 残存期間、 K: 権利行使価格、 S : 原証券価格、 。:原証券のボラティリティ(価格変動率の標準偏差)、 t ¥( ):累積標準正規密度目白数 dl=( log(S/K)+(r+0.5a2 )Xt)/(a Xsqrt(t)) d2=( lo g(S/K)+(r‑0.5σ 2)Xt)/(a Xsqrt(t)) F~I =‑SXN(‑dl)+KXe内 X N(‑d2)]一一一一一一一一一一一一 ただし、 F ¥ I : デフォルト・オプション価値、「 金利、 t 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ( 2 ) 残存期間、 K: 債権返済総額、 S:企業の返済力、 a: 企業の返済力のボラティリティ、 t ¥( ): 累 積 標 準 正 規 密 度 関 数 d1=( lo g(S/K)+(け 0 . 5a2 )X t ) / (a X s q r t( t ) ) d2= ( log(S/K)+(r‑0.5σ2)X t)/(σXs q r t( t ) ) 図 1 Mertonの提案したモデルによるベイオフ・ダイヤグラム ~ 返済総額 KMVモデルは、基本的に ( 2 )式の Mertonモデ、ノレをベースに拡張したものであるが、資産 価値変動の確率分布が対数正規分布であると仮定していることから、最終的にデ、フォルト率は ( 3 )式で表せる。 DFR=l‑N(dl) ただし、 一 DFR: デフォルト率、 m a 一 一 ー 一 一 企業価値の成長率、 t 一 一 一一一一一一一一一 ( 3 ) 残存期間、 K 負債額、 S: 企業価値、 資産価値のボラティリティ、 N():累積標準正規密度関数 d1=( Iog(S/K)+(m‑O.5a2 )Xt ) / (a X s q r t( t )) このモデルには 3つの難点があるといわれている引が、小稿で、試みた対応に触れる。まず、第 一点は、 Merton モデ、ルと同様、企業価値とそのボラティリティは、直接観測するのが困難という 点で、これについては、株式時価総額と他の 3変数は観測可能なので、観測できる株式時価総 額ボラティリティと観測困難な企業価値ボラティリティとに何らかの関数関係を仮定し、数理的 収束計算判により、企業価値とそのボラティリティを推計する。第二点は、負債額をどのように定 義すべきかという点である。 K M Vモデルでは、流動負債額に固定負債額の半分を加えたもの が用いられているが、デフォルトの定義を、その本来の意味である債務不履行とすれば、負債 n u υ 1ょ 白 っ

221.

額は、当面、期日が到来する流動負債を中心に考えるべきではなし、かと思う。第三点は、モデ モデルは、償還期日に負債額の支払いが可能か否か ルの根幹に触れるものであるが、 KMV で、デフォルトを起こすか否かを判断するいわゆるヨーロピアン・オプ、ンョン・プライ、ンング 型モデ、ル である点である。実際には、デフォルトは償還日までの聞にいつでも起こり得るので、 (4)式に 示すようなバリアー型オプションに見立てたモテール * 4 (以下、ファースト・パッセージ型モデ、ルと略 称、)の方が、より現実的ではなし、かと思う。 (4)式の右辺第 3項が入ることにより、後者型モデル によるデ、フォルト率は、前者型のものに比べ高くなる DFR=l ‑ N ( d1 ) + e ‑2x(m!a‑0.5σ)Xlog(S!K)!a X N ( d 2 ) ただし、 一 一 一 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 ( 4 ) DFR: テ フォルト率、 m 企業価値の成長率、 t 残存期間、 K: 負債額、 S:企業価値、 。資産価値のボラティリテイ、 N():累積標準正規密度関数 d1= ( Iog(S/K)+(m‑O.5σ2)Xt)/(σXsqrt(t)) d2=(ー !og(S/K)+(m+O.5(J 2 )Xt ) / (a Xs q r t( t ) ) * 1 このダイアグラムでは、株式などのプット・オプションにおける売り手側損益ダイアグラムと同等のものであるが、 デフォルト時の処理なとeで費用がかかるため、返済余力がゼロの場合にも貸手は元利以外にも損失を被ることに なる。 * 2 小林[ 5 J参照。 7 Jでは、ガウス・ザイデ ル法による収束計算を紹介しており、小稿でも同手法を採用した。 *3 森 平 [ * 4 小林[ 7 J、P 7 5の ( 2 )式参照。小林 [ 7 Jでは、このタイプのモデ、ルをファースト・パッセージ・モデ、ルと称し、一方、 K M Vモデルをクラシカノレ・モデ、ルとして、区別している。 4. モデル検証 1 ) 検証データ 日経 QUICK情報の財務デー夕、株価デー夕、および社債市場価格データを用い、東証一 部上場企業で社債発行をしているものを対象に分析を行うが、小稿におけるデータ取得上の 事情から、化学、電機機器、輸送機器、卸売、および小売の 5業種の社債(ただし、早期償還 条項の付いた銘柄は除外)で、検証を行った。 2 ) 検証モデル 3章での検討を踏まえ、小稿で、検証を行うモデ、ルを、次のように整理する。 モデノレ 1 :KMV モデルに準拠したもの モデル 2 :KMV モデ、/レに対し負債額定義を変えたもの モデノレ 3 :ファースト・パッセージ型モデ、ル モデル 4 :モデノレ 2とモデノレ 3を合わせたもの 3) 検 証 方 法 KMVモデル、その修正モデ、ルおよび小稿独自モデ、ルが我が国の市場に適合しているか否 ‑ 2 2 0

222.

なお、モデ、ルの評価は、対数尤度、 c 統 計 量 13および正判別率を用いて行っている。 6 . 1 . 1 定量項目によるモデル )となった。 3つの定量項目が有意となっている 140 定量項目によるモデルの結果は(表 4 また、 c統 計 量 は 0 . 6 8 5となり、 2次破綻がランダムに起こる場合を上回っている。 :定 量 項 目 に よ る モ デ ル の 推 定 結 果 表4 変数 定数項 総資産(対数) 概卸資産回転期間(対数) 現預金手持日数(対数) 対数尤度 c統計量 正判別率 ( p = 0 . 5 2 ) * *正判月J I率を最大化する闇値を選択 パラメータ 標準誤差 7 . 1 7 1 0 一0. 43 92 0 . 2 2 7 8 一0 . 2 2 9 4 ‑ 2 2 4 . 7 3 0 . 6 8 5 0 . 7 2 8 1 . 2 9 6 0 0 . 0 8 3 7 0 . 0 7 4 8 0 . 0 9 7 2 pf 直 < 0 . 0 0 0 1 < 0 . 0 0 0 1 0 . 0 0 2 3 0 . 0 1 8 3 6 . 1 . 2 定性項目によるモデル 定性項目によるモデ、ルの結果は(表 5 )となる。 4つの定性項目が有意となり、サンフ。ル 数が異なるものの、定量項目とほぼ同程度の精度を示している。 2 つ の モ デ ル の ROC カーブを示したものが(図 2)であり、定量項目モデル・定性項目モデルとも相応の精度 を実現していることが確認できる。 表 5:定 性 項 目 に よ る モ デ ル の 推 定 結 果 変数 1 ¥ラメータ 標準誤差 pf 直 2 . 2 3 0 9 0. 45 62 定数項 < 0 . 0 0 0 1 倒産時負債額(対数) 一0 . 2 3 4 3 0 . 0 5 7 1 < 0 . 0 0 0 1 よ場・公開ダミー ( 1 =よ場/公開、 0=非よ場) 48 52 ‑2. 1 .0 515 0 . 0 1 8 1 1= あり、 0=なし) 0 . 1 9 0 0 0 . 0 0 0 1 0 . 7 3 3 1 代表者不動産への担保設定 ( 信用要素【加点 (0‑5)】* 1 一0 . 3 3 3 6 0 . 1 2 7 0 0 . 0 0 8 6 対数尤度 一37 7 .53 0 . 6 9 3 c統計量 正判別率 ( p = 0 . 5 4 ) * 2 0 . 7 2 5 * 1加点とは、当該企業に帝国データバンクの調査員が評価点を付すにあたり、通常の評価 では十分に反映できな ρ要素がある場合に、例外的に評価点に加算するもの *2正判別率を最大化する闇値を選択 1 3 c 統計量は ROC 曲線下の面積を示す。 0.5~c 三 1 であり、 1 に近い程判別率が高いことを示す。なお、 これらの評価手法の詳細については、山下/)1 [口/敦賀 [ 2 0 0 3 ]を参照のこと。 14 なお、これらの 3項目の相関は低く、説明変数としての多重共線性も観測されない。 2 4 0

223.

6 .モデルの構築と評価 6 . 1 ロジットモデルの構築 2次破綻の確率を推計する方法は、ロジットモデルによった。具体的には、 2次 再建/ 破 綻 =1、再建 =0として、 i 番目の企業が 2次破綻に至る確率の予測値 P iを以下の式 で表現している。 ただし、 z t=β。+ βIXil +β2Xi2 +… +βJXiJ J個の説明変数 XiIから XiJ には、前節で説明した企業情報を用い、パラメータ β。から β J を最尤法によって推定する。本稿においては、定量項目によるモデルと定性項目による モデルを構築し、両者を比較している。 2種類のモデルにおける変数は、変数選択法に よって 5%水準で、有意となるもののみを採用している。これらの処理は、 SAS/STATの LOGISTICプロ、ン、ジャで実現することができる。基本的な構文を以下に示す。 PROC LOGISTIC DATA = INPUT DESCENDING ハ説明変数 =1となる確率を予測り OUTEST = OUTPUT EST ;ハ統計量を出力り CLASS ハカテゴリ一変数をダミー変数化。使用しない場合はコメントアウトするり VAR STR1 / 女 VAR STR2女/ / PARAM = REF REF = FIRST ;ハダミー変数の作成方法(詳細はヘルプ参照)り MODEL TARGET ニハ変数候補を指定。使用しない場合はコメントアウトり VAR NUM1 / 女 VAR NUM2女/ VAR STR1 / 女 VAR STR2女/ / CORRB ハパラメータ推定値の相関行列企/ SELECTION = STEPWISE ハステップワイズ法による変数選択り SLENTRY = 0.05 ハ変数選択を行う場合の、取り込む変数の有意水準を指定できるり OUTROC = OUTPUT ROC 女 / ROCカーブ出力*/ CTABLE PPROB = 0.2 TO 0.7 BY 0.01 LACKFIT RSQ STB ; /女各種モデル検証り OUTPUT OUT = OUTPUT P = P U = UPPER L = LOWER ; /女予測値等を出力企/ RUN ; nぺU n叫U nノμ

224.

5 . 1 存続価値と清算価値の差異 再生手続の過程において、利害関係者、特に債権者は自らの債権回収額を極大化させ る手続を要求することになる。すなわち存続時と清算時のキャッシュフローを比較し、 より多くのキャッシュフローを見積もることができる選択を債務者に要求することに なる。一方スポンサーとなる投資家については、当該企業を存続させることによってキ ャッシュフローが期待できることが投資を行う十分条件となる。 5 . 2 合意形成の難易 上記 5 ‑ 1の要因を踏まえ、各利害関係者は再生手続きにおいて自らが取るべき行動を 決定するものと考えられる。しかし、再生手続きにおける意思決定は基本的に債権者集 会における合意形成を経て、再生計画の決議によって行われる。したがって、利害関係 者間での合意形成が円滑に進まない場合には、再生計画の決議、ひいては再生過程の結 果に影響が及ぶものと考えられる。また、再生計画が開始されるまでの期間における資 金繰りも重要な要素になる。合意形成が円滑になされず再生計画の決議までの期間が長 くなるほど、その重要度は増すものと考えられる。 上記の要素を表現しうる企業情報を、定量項目、定性項目それぞれから抽出した。そ のうち定性項目を(表 3)に示す。次節では、これらの項目を説明変数の候補として、民 2次破綻を予測するモテールを構築する。 事再生法申請企業の再建/ 表 3・説明変数の候補となる定性項目 定性項目 カテゴリー 【存続価値と清算価値の差異】 該当項目 評点(信用要素) 資金現況・不良債権 銀行取引 評点(信用要素) 上場・公開区分 売上高ランキング(全国・都道府県) 資金現況・不良債権 【合意形成の難易】 株主数 従業員数 取引銀行数 評点(信用要素) 倒産時負債額 ︿ U nFIU n o n

225.
[beta]
4
.
1 民事再生法申請データ
対象となる企業群の民事再生法申請状況については、倒産企業データベースを使用した。

2
0
0
0年 4月 "
"
2
0
0
3年 1
2月に同法を申請した企業について、申請日、倒産時の負債総
額・従業員数・資本金・事業所数のデータを抽出している。さらに、これらの企業につ
いて、前述の民事再生法申請動向調査のデータから倒産後の動向を取得し、データを以
下の 3種類に分割した。

(
1
)再生手続を終結した企業(=再建) :3
3
0杜
(
2
)再生手続に失敗した企業 (=2次破綻) :6
0
5社
(
3
)再生手続の結果が出ていない企業:2
,
3
4
0社
ここでは現時点で結果が出ていなし、 (
3
)を除外し、 (
1
)および(
2
)をターゲットとする。

4
.
2企業情報データ
上記 4・
1で抽出した企業 935社に対し、説明変数の候補として決算情報データベース

(COSMOS1)、企業概要データベース (COSMOS2) および調査報告書データベース
(
C
C
R
) の情報 10を付加した。いずれのデータベースについても倒産の前年末のデータ
を使用したが、 COSMOS1については過去 2年以内の最新期の決算デー夕、 CCRにつ
いては過去 2年以内の調査データに限定した。この期間は企業情報の鮮度とデータの件
数を考慮して決定したものである 11。この結果、定量項目または定性項目を保有し、最

5
2件となった 120
終的に分析対象となる企業データは 6

5
.再生手続の成否の決定要因
民事再生法による再建の成否を決定する要因については、同法の施行から日が浅いこ
ともあり、十分な検討がされているとは言い難いが、以下の要素について指摘する。

1
0 これらのデータベースの概要は以下のようになる(収録社数は 2
005年 5月現在)。

COSMOS1:全国の上場・非上場企業の決算書を収録したデータベースであり、本研究において使用
した単独財務ファイルでは 5
3万社・ 300万期の決算書を 577の勘定科目で収録している。

COSMOS2:国内企業の各種プロフィール情報を収録したデータベース。本研究において使用した企
業概要ファイルは、 1
24万社を収録している。
CCR: 帝国データパンクの調査員が当該企業の調査を実施し、 1 社ごとに 20~30 ページ程度のレポー

トを作成したものであり、企業の信用程度を表す 1
0
0点満点の評点を付している。評点の項目および
評価の例は以下の通りである。
│
信用要素
│評点│
信用要素
;評点 l
5
1 経営者 ( 1‑ 15)' 1
0
:
│ 業 歴 ( 1‑ 5)!
一 一
9
)
1
3
2
)1 6
1企 業 活 力 ( 4‑ 1
什資本構成( 0‑ 1
9
)
T
‑
‑
i
O
l 加 点 ( 什 ん + 5)
規 模 ( 2‑ 1
0
)1 8
1 減 点 (‑1‑一1
0
):
損 益 ( 0‑ 1
1 合 計 /1
0
0
‑‑ 6
0
;
0
)1 8
資 金 現 況 ( 0‑ 2
なお、これらの詳細については、帝国データパンクホームページ <
h
t
t
p
:
/
/
w
w
w
.
t
d
b
.
c
o
.
j
p
>を参照いただくか、
筆者までお問し、合わせいただければ幸いである。

て

1
1 帝国データパンクが発表している倒産予測モデルについても、同様の基準でデータを使用している。
1
2 なお、定性項目を有する企業のうち上場・庖頭公開企業が 1
6社、非上場企業が 636杜となった。

ta
円

ηJU

qu

226.

3 .民事再生手続と研究の対象 民事再生手続においては、申請企業はいくつかの段階を経て再建に至る。(図 1)は手続 きの流れを示したものである。 図 1:再生手続の一般的な流れと再建・ 2次破綻 再生手続の一般的な手I!頂 2次破綻の事由とタイミング 取下げ 手続廃止 ここで、研究の対象となる「倒産自後」を次のように定義する。 (1)再建:再生手続の終結に至った企業 ( 2 ) 2次破綻:上記再生手続の期間内において、次のいずれかが発生した企業9 a .取下げ D.申請棄却 c .再生計画の不認可 d .手続廃止 対象企業の選定については次節で、具体的に説明するが、上記のいずれにも該当しない 企業は今回の対象からは除外している。 4 .使用するデータ 本稿においては、株式会社帝国データパンクで収集・提供している下記の各種企業情 報を使用した。 8 なお、倒産企業の再生という観点からは、会社更生法および商法による会社整理の適用を申請した企業 も対象となり得るが、両者の対象となる企業が僅少であることも踏まえ、今回は適切なデータの入手が可 能であった民事再生法に限定している。 9 これらの事象が発生した後、他の企業に買収されるケースも存在する。このようなケースは再度破綻し j l Jの事象として取り扱う必要があると考えられる ( B a r n i ve ta1 . [2 0 0 2 ] )。ただし ているわけではないため、 j 1 ):1,、ずれも破綻し、清算に至っている。 本研究については、これらの事象が発生した企業 ; ρhu nィ リ ηノ

227.

と不調に終わった企業について、その特性を分析した上で、モデ、ルを構築し、予測精度の 検証を行っている。先行事例で、は主に上場企業について、財務データを中心としたモデ ノレ化が試みられているが、本稿においては、上場企業および非上場企業について、財務 データのみならず定性的な情報を使用したモデル化を試みている。 2 .先行研究 倒産予測に関する研究は、Altman[1968]以降様々な研究が行われ、いくつかのモデル 化および予測手法が提案されている。これに対し、本研究のテーマで、ある、企業倒産後 の動向に関するモデル化や予測については、これまでほとんど取り扱われてこなかった。 本邦において「再建可能性の統計モデル化」をテーマにしたものとしては、太田 [ 2 0 0 3 ] がある。太田 [ 2 0 0 3 ]においては、倒産前 2期の決算データを用いた再生企業のモデ、ル化 が試みられている。この研究では、売上高営業利益率および総資産回転率が高いほど再 建に近づくという相関性は認められたものの、有効な財務モデルを見出すことはできて いない。本邦における再生企業のモテ、ル化を困難にしている要因としては、以下のもの が考えられる。 ‑本邦において入手可能な倒産企業の各種データが非常に限定されている 0 ・データの入手が容易な上場企業については、倒産が非常に少なかった 60 一方海外においては、少数ではあるものの、倒産企業の再建可能'性の統計モデ、ルにつ tal . [1 9 8 6 ]で 、 は 、 6変数によるプロピットモデルによっ いての研究結果がある。 Caseye 1 3杜に対し、 6 0 ' " ' ‑ ' て米国における上場企業の倒産後の動向を予測し、サンプル社数 1 70%程度の判別率を示しているにまた、 KimandK i m[1999]は韓国における倒産上場 企業 45杜に対してロジットモデルを構築し、無担保資産,流動性,経過年数の 3変数が 有意となっている。さらに、 Barnive tal . [2 0 0 2 ]においては、米国の倒産上場企業 237 杜について、定量項目と定性項目をそれぞれ 5つ用い、清算/買収/再建を被説明変数と 0 ' " ' ‑ ' 7 0 %の精度を得ている。 した順序ロジットモデルを構築し、 6 しかし、これらの研究においても対象となるデータ数は少なく、また上場企業に限定 されたものとなっている。本稿においては多くの非上場企業を含む日本の倒産企業デー タベースを活用し、定量・定性データを用いた統計モデルによる、倒産企業の再建可能 性の予測を行う。 6 上場企業の倒産は 1997 年以降大幅に増加したが、それ以前は低水準で推移しており、 1977 年 ~1996 年の 2 0年間でも 45社にとどまっている。 7 このうち 5% 水準で 有意となった変数は、無担保資産・総資産推移・純収入/総資産・内部留保/総資産で ある。 235‑

228.

表 1:和議法および民事再生法申請企業の推移 [1997~2003 年度] │倒産件数合計│ うち和議法(構成比) Iうち民事再生法(構成比) 1 9 9 7年度 1 7, 43 9 2 5 4 ( 1. 46 首 ) 1 9 9 8年度 1 7, 49 7 2 71 ( 1 .5 5目) 1 9 9 9年度 1 6 . 8 8 7 1 7 2 (1 .0 2 % ) 2 0 0 0年度 1 8 . 9 2 6 3 ( 0 . 0 2 % ) 2 0 0 1年度 2 0 . 0 5 2 9 9 2 ( 4 . 9 5出) 2 0 0 2年度 1 8 . 9 2 8 9 0 2 ( 4 . 7 7目) 2 0 0 3年度 1 5 . 7 9 0 8 2 9 ( 5 . 2 5目) 7 5 4 ( 3 . 9 8出) 刈也の倒産手続からの移行分は除く このように、民事再生法は倒産処理の新たな手法として定着したといえる。その一方 で、同法を申請した企業のうち相当の割合が、再生手続を完了できずに再度破綻してい るとしづ事実がある。帝国データパンクによる民事再生法申請動向調査3では、 2 000年 4 月 ~2004 年 3 月に同法の適用を申請した 3 , 635 件のうち、手続棄却、取下げ、廃止 などにより再生手続が不調に終わったものが 7 06 件判明しており、その割合は認可か 871社の約 25%に上る 40 否かの結論が出た 2, 投資家や債権者にとって、再生手続の成否は重大な関心事といえる。企業再生ファン ドや DIPファイナンスなどによる再建過程にある企業への投融資において、再生手続 が不調に終わった場合に損失が発生する可能性が高し、からである。この点は再建企業に 対して商品・サービスを供給する一般企業についても同様である。しかし、従来から様々 な分野で研究が行われ、推定手法が確立しつつある倒産予測の分析に比べると、再生手 続の成否の予測はより困難であると考えられる。その理由として事例の蓄積が限定的で あること、再生手続に関して再生の成否と企業情報の因果関係が明らかになっていない ことがあげられる。また、これらの意思決定は限られた情報をもとに短期間で行わなけ ればならないケースが多く 5、実務上の難易度はさらに高まるといえよう。 本稿では、上記を踏まえ、民事再生法を申請した企業における再建の成否について分 析・予測を行った。分析にあたっては帝国データパンクが収集した民事再生法申請企業 の動向、及び同法申請直前の企業情報を使用した。具体的には再生手続を完了した企業 3調査結果は、帝国データパンクのホームページ < h t t o : / / w w w . t d b巴o . i 0 >にて公開されている 4 後述するように、再生計画の認可後に手続を廃止するケースも存在するため、再生計画の認可=再建達成 とは厳密にはいえない。 5 企業再生ネットフォーラム [ 2 0 0 2 ]では、民事再生法申請から再生手続決定までの平均日数は 1 5日、再生 計画認可までの平均期間は約 5ヶ月とされている。 ω 凋ハ凶 1 円〆 ntu

229.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 SASを用いた民事再生法申請の結果予測 矢内紘之 株式会社帝国データパンク企画部信用リスク研究課 P r e d i c t i n gR e s o l u t i o no fB a n k r u p t c y awbySASSystem u n d e rt h eC i v i lR e h a b i l i t a t i o nL H i r o y u k iY a u c h i 丁目 KOKUDATABANK , LT D. C r e d i tR i s kB u s i n e s sS e c t i o n,C o r p o r a t eP l a n n i n gDep t . 要旨 2000年 4月の施行以来、民事再生法は新たな再建型の倒産法としての地位を確立した 感がある。その一方で、申請要件の簡易さから、本来は再建の可能性に乏しい企業が同 法を申請し、その後再建を為しえずに再び行き詰る ( 2次破綻)ケースが多数発生して いる。本研究においては、 SAS/STATの LOGISTICプロシジャを使用し、 2000年 4 月 ~2003 年 12 月に同法の適用を申請した 935 社を対象に、倒産直前の決算情報、お よび企業評価や担保設定等に関する定性項目のそれぞれを使用し、同法の申請企業が 2 次破綻する可能性を予測する 2種類のロジットモデルの構築を試みる o キーワード: 民事再生法、再建、 2次破綻、定性項目、ロジットモデル、 LOGISTIC 1 .はじめに 民事再生法は、従来の和議に代わる法的整理の手法として 2000年 4月に施行されて いる。同法は、中小企業等に再建しやすい枠組みを提供することを目的のーっとし、従 来の和議法の多くの問題点を改善するものであり、新たな再建型の倒産法として注目さ れた。同法を活用した「プレパッケージ型再生」という枠組みが脚光を浴び1、また当 初の制定目的からみれば予想を上回る大企業が、同法の柔軟性に着目して申請を行うケ ース 2も発生している。同法の適用申請件数は 1999年度以前の和議法の申請件数を大き く上回っており、倒産全体に対する比率も和議法に比べ高水準で、推移している(表 1 )。 1 例えば、(株)マツヤデンキの民事再生法申請 ( 2003年 9月)は、プレパッケージ型再生の事例として注目 された。 (2003年 9月 26日付 2 2002年 2月 1 7日付 日本経済新聞朝刊) 日本経済新聞朝刊 n︿U n︿り の ム

230.

[ 5 ] 山下智志川口昇敦賀智裕 ( 2 0 0 3 ) ー 「信用リスクモデ、/レの評価方法に関する考察と比較 J,金融 5年ディスカッションペーパー 研究研修センタ一平成 1 [ 6 ] Dempst 巴r ,A.P .,L a i r d,N.M. andRubin,D .B .( 1 9 7 7 ) "Maximuml i k 巴l i h o o d口 t i m a t i o nfrom incompl巴t 巴 d a t av i at h eE Ma l g o r i t h m "J o u r n a lo f t h eR o y a lS t a t i s t i c a lS o c i e t y ,S e r i e sB,39,1 ‑ 3 8 [ 7 ]L i t t l巴 , R .J .A. ( 1 9 9 4 ) :"Ac l a s so fp a t t 巴m m i x t u r emodelsf o rnormalm i s s i n gd a t a "B i o m e t r i k a, 8 1 ( 3 ),471‑483 [ 8 ]L i t t l e,R .J .A.andRubin,D.B .( 2 0 0 2 ) :S t a t i s t i c a lA n a l y s i sw i t hMissingData,2nd巴d i t i o n .N巴w Y o r k :JohnW i l e y . ペU n ワ 白 ワ 白

231.

5 結果 結果は以下の通り. AICは指標を離散化した場合が当てはまりがよく, zf 直 , AR値に関しては MI プ口、ンジャを使用したモデ ルの当てはまりがよいという結果になった. しかし, z値に関しては離散 化した場合も MIプロシジャを使用したモテ ルとほぼ同じという結果になった. e N o . 分析法名 ① 欠損値のあるデータを除いた場合 ② 指標を離散化した場合 ③ ランダム補完法 ④ 平均値代入法 ⑤ k‑NN去 : ( ' ⑥ 重み付き k‑NN' ( : 去 MIプロシジャを使用 ⑦ AIC Z値 AR値 5 6 3 . 9 8 1 4 6 9 . 1 5 2 8 9 2 . 9 7 5 1 , 0 2 5 . 7 6 2 3 9 8 . 7 8 9 4 7 2 . 9 9 8 5 0 3 . 8 6 7 0 . 5 0 2 0 . 5 2 7 0 . 5 0 8 0 . 5 1 2 0 . 5 0 4 0 . 5 1 1 0 . 5 3 2 0 . 6 7 9 0 . 7 3 2 0 . 7 0 3 0 . 6 8 3 0 . 6 9 2 0 . 7 0 3 0 . 7 4 2 表2 :半J ! 別力結果一覧 6 今後の方向性と課題 今回の分析では, MIプロシジャを使用したモデ.ルの有効性を示すことができた.今回のデータに 対しての結果であり,データに依存したモデ ル構築で、あった可能性も否定できない.クロスバリデー ション法を行う際に l回の検証を行うだけでは検証用データの作り方によってばらつきが生じ,高い 信頼性が得られない.そこで,検証用データを複数作成することによってモデル検証者が評価したい パラメータや統計指標の分布を推定し,モデルを評価する方法,つまり,統計的リサンプリングを行 うことが有効であると考えられる.また lつの分析だけではなく異なるデータので分析を行い,モデ ルの有効性を確認する必要があろう. 参考文献 ( 1 ) 岩崎学 ( 2 0 0 2 ) ( 2 ) 金子拓也 ( 2 0 0 2 ) I 不完全データの統計解析 J,エコノミスト社 I データマイニングにおける新しい欠損値補完方法の提案 J,CRAFTP r e p r i n t S e r i e s .2002 データマイニングを考慮、した欠損値の対処法について J,CRAFTP r e p r i n t ( 3 ) 金子拓也 (2004): I S e r i e s,2004 2 0 0 3 ) ・ 「大規模データベースを用いた信用リスク計測の問題点と対策(変数 ( 4 ) 山下智志川口昇 ( 選択とデータ量の関係)J 金融研究研修センタ一平成 1 4年ディスカッションペーパー 41l ベ ηu η J ω

232.
[beta]
4
.
2 KolmogorovSmirnovの Z値 (KolmogorovSmirnov'sZ value)
KolmogorovSmimovの Z値は,モデルのパフォーマンスや変数選択に用いるノンパラメトリック
な統計量であり,デフォル卜した企業とデフォノレ卜していない企業の信用スコアの分布がどの程度異
なっているかを確認するときに用いる.
デフォル卜先(D) .正常先 (N) をそれぞれ ND  NND個ずつ含む標本に対して計算された企業の
信用スコアを Z
D
i
(
i= 1
,
.
.
.
,N
D).ZNDj(j= 1,
.
.
.
, NND)とおき,横軸に Z
(一Z)をとって
標本の累積分布関数を描く.これはある zを固定したとき,各標本の中で zと同じかそれ以下となる
観測地の個数 L
(
z
)の,全体の標本数に対する割合である

したがって,デフォル卜企業企業の累積分

布関数を F
D(Z)としたとき,

LD(z)
FD(z)= τ ァー

(
13
)

JVD

となる.正常先企業についても累積分布関数を同様にして求め,これを FND(Z)とする.ある zにつ
いて. I
FD(z)‑FND(Z)I
の最大値を Z とおく.すなわち,

Z= s
叩

‑oo<zく白O

I
FD(z)‑FND(Z)I

(
14)

一般に K
olmogorov‑Smirnovの Z値としった場合この Zの値を指し,値が大きいモデルほどよいモデ
ルと判断する.

4
.
3 ARf
直(AccuracyRatio)
デフォル卜確率を算出するモテルを使用してデフォル卜確率を予測し,その結果を評価したい場合,
運用データ全体のうち,デフォル卜予測に失敗した割合について確認したい場合 CAP曲線及び AR値
を使用する.
推定に用いた企業のデータ数を N件,そのうち実際にデフォル卜した企業を ND件とする.グラフ
牛の全体に占める害J
I合売を,縦軸に推計テーフォル卜確率
の横取!iに推計テフォル卜確率の高い上位 x1
の高い上{む件のうち実際にデフォル卜した件数 Nxの 割 合 告 を プ ロ ッ 卜 す る

この曲線を CAP曲

線とよぶ
推計デフォル卜確率が高い順にデフォル卜した場合の CAP曲線と,まったく説明力がないモデルが
描く CAP曲線とで固まれる面積を Ap. 実際にも出るが描く CAP曲線とまったく説明力がないモデル
が描く CAP曲線とで固まれる面積を A
.
Rとする.このとき,

AR=E
AP

(1
5
)

で表される値を AR値 (A
c
c
u
r
a
c
yR
a
t
i
o)と定義するーこの値のとりうる範囲は o;
:A
.R 三 lであり,
値が大きいほどよいモデ ルと判断する.

円F白

ハ
川U

ぺ
n
u

233.
[beta]
3
.
5 k‑NN;
去
この手法は,十分な観測値が得られれば,欠損値を持つデータに対して,必ずいくつかは近いデー
タがあるという仮定に基づいている.補完方法としては,まず,欠損値を持つ観測値に対して,全て
のデータが完全にそろっているデータとの相対ユークリッド距離を算出する.次にその距離が近いも
のから k個抜き出し,その平均値で欠損を補完するという方法である.

S
3
1
日

=izsts

(
10
)

;
n

IE{mIS;;!"EDk{S i
H}}

3
.
6 重み付き k‑NN法
k‑NN法では k
‑近傍に入るデータは全て同じ重みで平均値を計算していた.それに対し,重み付き
k‑NN法はこの部分を改良し,単純平均で補完するのではなく,相対ユークリッド距離の逆数 lにより
重み付けをし ,k
‑近傍の中でも特に近いものからは強く,また遠いものからは弱し、影響を受けるよう
にしたものである.数式により表現すると以下のようになる.

;
n

一

S
j
I
JS xw
{Si

I
E{
m
I
S
;
;
!
'
sEDk{S i
H}}

、
.

)
‑
l
(

L

S,
!
!'SS ー‑
I
J

d
i
s
t
(
S
i
i
s
s,
S
f
b
s
)
‑
l

ω{
勾恥¥
S
I
‑
I= ‑

i

,

3
.
7 MIプロシジャを使用
PROCMIプロシジャは,欠損値を含むデータに対して,複数の擬似的な完全データセットを作成
し,平均値,分散共分散行列を求めるものである.シミュレーションのシナリオとしては単一代入法
と多重代入法があるが,今回は多重代入法として M
arkovC
h
a
i
nMonteC
a
r
l
o法を使用した.

4 各分析法の判別力
各分析法の判別力を比較するにあたって,以下の 3指標を採用した.

4
.
1 AIC(Akaike'sinformationc
r
i
t
e
r
i
o
n)
回帰分析などの場合に,観測データがモデルにどの程度

致するかを表す基準.モテ ルに含まれる

パラメータ数が多くなればなるほど,あてはめ誤差(残差平方和)はいくらでも/トさくなる.そこで,
単に残差平方和の大ノトを比較するだけでなくパラメータ数も考慮、した,以下の式で定義される値が最
小となるモデルを最もよいと判断する.

AIC=‑2・(モデルの最大対数尤度)+2・(モデルの自由パラメータ数)

(
12
)

1距離が Oになる場合はその値を代入し,距離が 0となるものが複数ある場合はそれらの平均値を代入するものとする.

‑229一

234.

3 . 1 欠損値のあるデータを除いた場合 この手法は,データ内の各オブザベーションにおいて lヶ所でも欠損値があれば削除し,モデル構築 は完全にそろっているデータのみを使用する方法である.この手法を使用すれば,欠損値補完によっ て生じるデータの歪みは回避される.しかし,削除されたオブザベーションが持っていた膨大な情報 を削除することから,情報量の低下が考えられる. 3 . 2 指標を離散化した場合 ここでは分析を単純にするために,欠損値である範囲を評価せずに係数を Oとする.具体的にはあ る lつの指標の離散化と評価した係数は以下の通り. 範囲 係数 B‑max A‑B min‑A α 日 欠損値 0 . 0 0 0 γ 3 . 3 ランダム補完法 この手法は,同じクラスに属するデータ問で確認される経験分布に従って,ランダムに欠損した値 を補完する方法である. k‑NN法などとは大きく異なる点は,欠損となっていないパラメータをまっ たく考慮、していない点である.採用したアルゴリズムとしては,まず各属性において最大値と最小値 iを作る.次に,そのつくら を計測し,その幅をあらかじめ設定した区関数で割り,互いに素な集合 A れた集合に対して含まれるデータの個数を数え,総データ数で害 ったものを,その集合における代表 I J 0,1 )という範囲に含まれる一様乱数 zから, 値が選出される確率とし,分布関数を設定する.最後に ( 経験分布に逆写像によって特定される代表値を利用して補完するという考え方である.数式で表現す ると以下のようになる. #{ l lS f b sε Ai } PTob{Az}=t #{kI S k . f ' } ー ( 7 ) この得られた経験分布 F を用いて,欠損値は以下のように補完される Ss F Mm1 ‑1(x) ( 8 ) 二 3 . 4 平均値代入法 この手法は,各指標においてあらかじめ欠損で、なかった値の平均値を算出し,欠損値を発見する度 にこの値を補完する方法である.数式で表現すると以下のようになる. 守 #{ki5; ; J ' } SJ']1S S ー‘ り 一 #{kI S k J S } 2 2 8 合 S~"OS l j ( 9 )

235.

yは信用スコアであり,各企業のデフォル卜確率が信用スコアによって決定されていると仮定する. つまり,信用スコアが高ければデフォル卜する確率は低くなり,信用スコアが低ければデフォル卜す る確率が高くなると仮定する.この信用スコア uを以下のシグモイド曲線に代入してデフォル卜確率 を求める. xpy p (ν )= 一 一 一 ー ヲ 1+巴xpy l i mp ( y )= 1, l i mp ( y )= 0 y→ +∞ u→ 一∞ ( 3 ) 各企業のデフォノレ卜確率は独立であると仮定する.また,企業 t のデフォル卜確率 P iとすると,尤 )は以下のようにおける. 度関数 L(α L ( a ) ふ = I I p f i(1‑Pi)l‑O i ( 4 ) )1 企業 iのステータスがデ フォル卜のとき 1 0 企業 tのステータスが正常のとき 次に,係数ベクトル αを推定するために対数をとり,次のような計算を行う. l ( a )=1 0 g L ( a ) 日 ( ゐ 10四 +(1ーん)10g(1‑Pi)} ( 5 ) となり,最尤法では l (α )が最大になるように係数ベクトル αを推定する.係数ベクトル αは,連立 方程式 θl ( a ) θ α 1 乞 (pi‑ 0;)Xij o (j=1,23ヲ・・・、 m) ぅ を用いて求めることができる. 3 各分析法の詳細 各分析法の詳細を以下に示す. {旦し,各記号の定義は下記の通りとする. s m山:欠損値を含むデータセット sobs:欠損値を含まないデータセット s:データセット全体 ( S=smissU sobs) Sij: オブザベーション iにおけるパラメータ jの値 Dk {Sj 口S S }:欠損値を含むオブザベーション s f z s sに対して k‑近傍を表す領域 ω{ s j ' 山 S ibs}:ユークリッド距離から算出される重み ‑227‑ ( 6 )

236.

2 モデルとデータ 2 . 1 使用するデータ 分析に使用するデータは以下の通かただし,欠損率が 70%以上ある指標は分析対象外とする.指 標は基本的に l期の決算書から算出されるものを用い, 6 0指標を分析対象指標とした. また,推定に用いたデータに対してのみ当てはまりがよいだけでは,そのモデ.ルがよいモテ守ルで、あ るか否か判断できない.そこで,データを構築用と検証用データに分割し,検証用データを擬似的な 運用結果のデータとみなすことによってモデルの予測l 精度を比較する,クロスバリデーション法を行 うことにする. 十 │構築用データ│検証用データ│ 百 正常先 プ、フォル卜先 1 0 0 1 0 0 7 0 0 800 1 0 0 200 員 十 2 0 0 800 1 . 0 0 0 2 . 2 構築するモデル 構築するモデルは以下の通り,ロジスティック回帰分析を行うことにする. 般的には以下のように表すことができる.分析に使用する企業数を η 件,財務指標数を m 個 と す るー各企業の財務指標を以下のように表す. , I ) l ( , Xi = (Xil Xι ... Xim) , 1 2..η 具体的には以下のような決算書データがあるものとする. 企業 ID 決算期 2 3 2003年 3月 2003年 9月 2003年 3月 1 n XI X2 X3 Xη1 スァータス X I I XI2 XI3 Xlm デフォル卜先 X21 X22 XI3 X2m 正常先 X31 X32 XI3 X3m デフォル卜先 2003年 9月 Xil Xi2 Xi3 Xim 正常先 2004年 3月 Xnl Xn2 Xn3 Xnπ1 デフォル卜先 :決算書データ 表 1 1 )式を用いて,以下の線形結合でスコア化する.ただし, αは係数ベクトルで、あり, α = 次に, ( α (1, a2 ・ , am ) とするー また ,X (Xl, J : 2、 ー ー ー, Xrn) である. y ax phu ワ む む つ αIXI+α 2X2 +...+α m 1:m ( 2 )

237.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 信用リスク計測モデルの構築のための欠損値処理 ‑MIプロシジャを使用したモデルとの比較‑ 角野大朗詠 株式会社タクミインフォメーションテクノロジ‑ ComparativeA n a l y s i soft h eC r e d i tRiskMeasur 巴m ent f o rMissingValu巴 Tr 巴a tm 巴n ta sUsingMIProc巴dur 巴 TaroKADONO TakumiI n f o r m a t i o nT巴,chnologyCo.,I n c . 要旨 信用リスク計測を行うために 財務データの欠損値をどう処理するかという問題がある.欠損値の あるデータを分析対象から除いた場合,データ数が非常に少なくなる可能性があり,分析を行うこと が困難になる場合がある.そこで, MIプロシジャを用いて欠損値を補完し,信用リスク計測モデ、ルを 構築した.また,構築したモデルの有効性を確認するためにその他の方法で欠損値を処理したモデ ル を構築し,各モデルの判別力を比較した キーワード: 欠損値, MIプロシジャ. E Mアルゴリズム 1 はじめに 信用リスク計測のためにモデ、ル構築を行うが,欠損値が存在した場合,簡単に欠損値の真の値を知 ることができればその値で欠損値を補完するのが最良である.しかし,一般に欠損値の真の値を知る ことは非常に困難であり,時間を浪費することになりかねない.このような場合,完全なデータを求 めるのではなく,データの欠損値を補完する方法がいくつか存在する.今回の分析では以下の欠損値 のあるデータを除いた場合と処理した場合でモデルを構築,比較を行う. ①欠損値のあるデータを除いた場合②指標を離散化した場合③ランダム補完法④平均値代 入 法 ⑤ k‑NN法 ⑥ 重 み 付 き k‑NN法 ⑦ MIプロシジャを使用 また,構築したモテ ルの判別力の比較方法は以下の通り. c ① AIC(A k a i k e ' si n f o r m a t i o nc r i t e r i o n) ② Kolmogorov‑Smirnovの Z値 (Kolmogorov‑Smirnov'sZ c c u r a c yR a t i o) v a l u e ) ③ AR値 (A •k a d o @ t a k u m i ‑ it .c o . j p ‑225

238.

[ 3 J R o b e r tC.MertonandZvieBodie "Corporate CreditRiskModels BasedonStockP r i c e : Chapter 1 1i nManaging Credit Risk ヘJophnWilley&SonsInc.,1998,pp.139・153 [ 4 J S t e p h e nKealhofer "QuantifyingCreditR i s k :DefaultP r e d i c t i o n ", FinancialAnalystsJournal,Vo1 .59,No.1January/February2003,pp.30‑44 [ 5 JS t e p h e nKealhofer "QuantifyingCreditR i s k :DebtValuation", FinancialAnalystsJournal,Vo1 .59,NO.3May/June2003,pp.78‑470 [ 6 J小林孝雄「信用リスク・モデル化のアプローチ J、証券アナリストジャーナル、 2004年 3月号、 p p .73~90 [ 7 J森平爽一郎「信用リスクの測定と管理第 3回:オプションモテ守ルによる倒産確率推計:基礎 J 、 証券アナリストジャーナル、 2000 年 1 月号、 pp.85~100 [ 8 J森平爽一郎「信用リスクの測定と管理第 4回:オプションモデルによる倒産確率推計:拡張と応 用」、証券アナリストジャーナル、 2000 年 3 月号、 pp.102~120 A斗& n r μ ワ ム ︼

239.

表 2 2002年 3月基準の分析結果(サンプル全体 :93社 、 464銘柄) 投資適格相当 全体 投資非適格相当 モデル 平均値 標 準 偏 差 件数 相関係数 平均値 標準偏差 件数 相関係数 平均値 標 準 偏 差 件 数 相関係数 モデル 1 1 0 2 . 7 8 1 5 . 9 3 464 0.7517" 1 0 8 . 0 3 7 . 0 2 369 0. 4579" ・ 79.98 ・ 5 10 . 9 0 1 4 . . 2 3 . 3 5 9 モデル Z 1 0 7 . 1 1 ・ ・ 108.14 .6505 8. 42 464 0 45 8 1 . .・ 8 7 . 1 1 438 0. 9 . 7 6 6 10 . 6 6 8 2 . .・ 9 . 8 9 2 モデル 3 9 6 . 7 2 48 1 5 . . ・108.01 2 4 . 5 1 464 0. . 6 3 0 9 . . ・ 67.21 7 . 1 0 338 0 2 7 . 8 2 126 モデル 4 1 0 7 . 2 3 ・ ・ ・ 108.07 7 . 9 6 464 0.6336 46 0 2 . . ・ 90.48 7 . 0 9 442 0. 2 10 . 9 8 8 5 . .・ 5 . 5 4 2 市場価格{封モデル1) 1 0 1. 40 6 . 2 5 102. 43 4 . 1 1 97. 40 1 0 . 2 9 市場価格{封モデル 2) 1 0 1. 40 6 . 2 5 .90 101 5 . 3 1 8 5 . 0 6 8 . 6 1 市場価格{封モデル 3) 1 0 1. 40 6 . 2 5 1 0 2 . 7 6 4 . 1 9 9 7 . 8 3 8 . 8 8 市場価格{封モデル 4) 1 01 .40 6 . 2 5 102. 48 4 . 0 1 8 3 . 1 1 8 . 5 0 。 ・・ . 2 3 7 9 注) 表 lと同じ 5 . まとめ 小稿で、は、 KMV モデ、/レに代表される株価情報を用いた信用リスク推計の妥当性と利用可 能性を探るため、我が国の社債市場を通じて、 2つの視点から分析を試みた。まず、米国市 モデノレが日本市場でも同じ有用性を示し得るのか否かを、 場での検証で有用とされた KMV そのモデルとほぼ同じオプションアプローチ・モデルを、我が国の代表的企業に適用し実証 した。次に、 KMV モデルの問題点に修正を加えたモデルを用い同様の実証を行った。 その結果、社債市場が信用リスクに過敏になっている時には、そのリスクを推計するうえで、 株価変化を重視するオプションアプローチ・モデルが有用に働く可能性が高く、また、負債額 定義とデフォルト判定時点に修正を加えたファースト・パッセージ型モデ、/レを用いることにより、 投資非適格相当の社債については、精度を高められる可能性があることも示唆した。しかし、 問題点も残った。例えば、モデ、ルから算出した理論価格とその市場価格に時間的ラグを設け れば、小稿で、行った同時点での評価よりも、その精度が向上し得るか否かの検証である。もし、 そうであれば、ある時点で理論価格が市場価格に対し大きく君離した銘柄は、割安銘柄とし て投資価値が高くなる可能性もあるので、投資収益性としづ別の視点で、モデル有用性を評 価し得るからである。この点については、現状、データ取得の問題もあり、今後の研究課題と したい。 (参考文献) [ I JF i s h e rB l a c k&MyronS c h o l e s "TheP r i c i n go fOptionsandCorporateL i a b i l i t y ", Journalo fP o l i t i c a lEconomyVo1 .81NO.31973,pp.637・659 [ 2 J R o b e r tC.Merton "Ont h eP r i c i n go fCorporateDebt:TheRiskStructureo fI n t e r e s tRate", Journalo fFinanceVo1 .24,NO.2May1974,pp. 449‑470 ‑223一

240.

ほ ぼ モ デ ル 2と同じになるが(<全体> 1 0 7 . 1 9 <投資適格> 1 0 7 . 3 3 )、 投 資 非 適 格 相 当 で は、モデノレ 1~3 のどのモデノレ結果よりも、市場価格に近い値を示した (103.56 、市場価格: 1 0 3. 46 )。また、サンフ。ル全体、投資適格相当および投資非適格相当のすべての区分において、 . 8 0 5 0 <投資適格> 0 . 8 0 4 2 <投資非適格> 安定的に高い相関係数を示した(<全体> 0 0 . 9 9 2 4 )。デフォルトが評価期間においていつでも起こり得るとしていることや、そのデフォルトの モデ、/レの論点について、 対象となる負債額を流動負債と定義していることなど、前述した K M V より現実的な修正を加えたモテ、/レ 4が 、 KMV モテ、/レに準拠したモデノレ 1よりも、良好な結果を 示したことは、興味深く、また有用な結果といえるのではないか。 ② 2002年 3月 基 準 の 結 果 ( 表 2 )お よ び 検 討 モデル 1 と市場価格との比較、モデル 2 とモデル 1 との比較、モデノレ 3 とモデノレ 1~2 との比較 に関しては、 2003年 3月基準とほぼ同様の傾向を示したが、 2002年 3月 基 準 に お い て 特 徴 的 な点がみられる。第一点は、 2002年 3月 末 時 点 の 市 場 金 利 ( 国 債 指 標 銘 柄 利 回 り ) は 、 2003 年 3月時点よりも 0.7%高い叫が、サンフ。ル全体で、の社債平均価格は 2%強も低いことである。 この差は、 2002年 3月末時点での市場全体の信用リスクが、かなり高かったことに因るものとい えよう。第二点は、 2003年 3月 基 準 よ り 、 モ デ ル 全 体 で 、 投 資 非 適 格 相 当 で の 相 関 係 数 が 大 き く向上していることである。これらの点から推測し得るのは、資本市場が企業の信用リスクに対し 過敏に反応した期間において、オフ。ションアプローチ・モデ、ルがかなり注目され、特に信用リス クの高い企業に対し、社債市場参加者に有用視されていたのではなし、かとし、うことである。 *5 国債指標銘柄利回りは、 2003年 3月末時点で 0.700%、2002年 3月末時点で1.400%で 、あった。 表 1 2003年 3月 基 準 の 分 析 結 果 ( サ ン プ ル 全 体 :91社、 423銘 柄 ) 投資非適格相当 投資適格相当 全体 モデル 平 均 値 標準偏差 件数 相関係数 平 均 値 標準偏差 件数 相関係数 平 均 値 標準偏差 件数 相関係数 モデル I 1 0 3 . 0 0 44 82. 1 0 7. 1 2 . 9 9 423 0. 40 ・ 83.17 . 8 2 0 6 . . 6 . 6 9 344 0 モデル2 1 0 7 . 3 2 . 8 0 8 9 . . .1 6 . 7 2 423 0 0 7 . 3 2 . 8 0 8 9 . . . 6 . 7 2 423 0 モ デ ル3 9 7 . 3 4 ・107.14 . 2 8 1 7 . . 46 423 0 22. . 8 9 6 4 . .・ 6 6 . 7 4 316 0 8 . 7 8 27. 42 1 0740.1855 モデル4 1 0 7 . 1 9 ・ * ・ 107.33 6 . 6 8 423 0.8050 . 8 0 4 2 . . ・103.56 6 . 7 0 408 0 4 . 9 5 1 5 , r n 品価栴(対モデル 1) 1 0 3 . 7 8 4. 48 1 0 4 . 0 1 4 . 5 8 1 0 2 . 7 8 3 . 9 2 市場価格(対モデル 2 ) 1 0 3 . 7 8 4. 48 1 0 3 . 7 8 4. 48 市場価格(対モデル 3 ) 1 0 3 . 7 8 4. 48 1 0 4 . 2 5 4 . 5 1 43 102. 4 . 1 1 市場制栴{文Iモ デ ル 4) 1 0 3 . 7 8 4. 48 1 0 3 . 7 9 4 . 5 0 103. 46 4 . 0 1 1 7 . 2 1 7 9 1 0 . 1 0 8 1 . .・ 。 山 0 . 9 9 2 4 . 1 注) 1モ テ 、 ノ レ 2では、投資非適格相当になるサンプノレは 1件だけであったため、標準偏差及び相関係数は算出できない。 注 )2 各モデ ノレによる結果と比較する市場価格は、モデノレによって区分された投資適格相当社債及び投資非適格相当社 債サンプルの市場価格のため、サンプル全体以外の結果はモデル毎に異なる。 注)3 相関係数における本記号は、 t検定での有意水準を示す。 ***:99%以上、**・ 95%以上 9 9 ' ) ' 0未満、*:85%以上 95%未満 円〆臼 L 円 ︐ q μ

241.
[beta]
かの検証は、モデ、ルから推計のデ、フォルト率を反映した社債の理論価格と市場価格との比較を
通じて行う。
対象企業群には、複数の本決算月があるため、 2003  3 月基準では 2002  4 月初 ~200

3  3 月末、 2002  3 月基準では 2001  4 月初 ~2002  3 月末の各 1 年間に本決算を行っ

た企業に対し、財務データと本決算時点の時価総額データを用いて、本決算時点でのデフオ
ノレト率を推計する。そして、そのデ、フォルト率を用いた (5)式              
の社債市場価格との比較を行った。

P = I{(DFtXCFt )/(l+rt )'j
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 (
5
)
ただし、 p=社債価格、 DF,
=t期のデフォルト率
CF  =t-l  ~t 期の 1 期間に社債から生じるキャッシュ・フロー、

rt=t期の割引率

4
) 検証結果と考察
 1と表 2
(こモデ、/レ毎の分析結果を示す。表 1 2003 3月基準、表 2 2002 3  
の分析結果である。これらは、理論価格と市場価格の平均値と標準偏差を比較したものである
が、サンプル全体で、の比較以外に、 BBB格以上の投資適格相当及びそれより格下の BB格 
下の投資非適格相当で、の比較も行った。この区分は、各モデ ルから推計されたデ、フォルト率を

S&P社の格付け基準 i
こ照らし、行った。
)および検討
 2003 3月基準の結果(表 1
まず、 KMV
モデ ノレにほぼ準拠し、負債額を流動負債額プラス固定負債額の半分と定義した
モデ、ノレ 1の結果は、市場価格と比較し、全体的にも、投資適格相当および投資非適格相当に
おいても、その標準偏差は高く(<全体> 1
2
.
9
9、市場価格 :
4.
48 <     > 6
.
6
9、市場
価格 :
4
.
5
8 <投資非適格> 1
7
.
2
1、市場価格:3
.
9
2
)、特に、投資非適格相当でその傾向が
強い。平均値でみると、投資適格相当では、理論価格が市場価格より高い (
1
0
7.
40、市場価
格:1
0
4
.
01)が、投資非適格相当では逆の結果 (
8
3
.
1
7、市場価格 :
1
0
2
.
7
8
)になっていることから、
事前の推測通り、理論価格は、市場価格よりも明らかに変動性の大きい分布になっているとし、
える。
モデル 2は、モデノレ 1に対し負債額の定義を流動負債だけにしたものであるが、モデル 2の理
論価格平均値は、モデノレ 1より高し、(<全体> 1
0
7
.
3
2、市場価格 :
1
0
3
.
7
8
)。これは、いうまでも
なく、負債額を流動負債のみとしたため、モデ、/レ 1よりもデフォルト率が小さく推計された結果で、
ある。
モデノレ3は、モデル 1をベースとしたファースト・パッセージ型モデ、/レであるが、サンプル全体
での理論価格平均値は、モデル 1及びモデ /レ 2よりもかなり低くなり(<全体> 9
7
.
3
4、市場価
格:
1
0
3
.
7
8
)、市場で、のデ、フォルト率についての判断に較べれば、このモデルで、は、かなり過大
に推計されるとし、える。モデノレ 3は、デ フォルトがその評価期間においていつでも起こり得ること
を前提としているので、評価期間の最終点のみでデ、フォルトを判定するモデ、/レ 1よりも当然デフ
ォノレト率が高くなる((4)式の右辺第 3項分)はずである。
モデル4は、モデノレ 2とモデノレ 3とを合わせたもので、負債額定義を流動負債にしたファース
ト・パッセージ型モデ、ルで、ある。理論価格平均値は、サンプル全体および投資適格相当では、

‑221一

242.

図 2:2種類のモデルの ROC曲線 「一一一 1 ー 一 一 一 ピ三竺項目モデル +定量項目モデル│ 0 . 8 0 . 6 0 . 4 0 . 2 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 4 0 . 5 0 . 6 0 . 7 0 . 8 0 . 9 6 . 2先行研究との比較 tal .[ 1 9 8 6 ]などの海外での諸 今回構築したモデ、ノレにおいては、第 2節で述べた Caseye 事例とほぼ同水準の精度を実現することができた。一方、説明変数については、先行事 例で採用されたものの多くは有意とはならなかった。これら先行事例との差異の原因に ついては、内外における倒産申請のタイミングや資金調達構造における差異、及びモデ ル構築に使用したデータの属性 15などが考えられる。 6 . 3 まとめ 定量項目、定性項目のいずれによっても、 2 次破綻を予測するロジットモデ、ルを構築 することができた。いずれのモデルも説明力は相応であり、説明変数および、そのパラメ ータについても概ね仮説と整合的な結果が得られた。この結果から、 2次破綻の予測に あたっては、定量項目・定性項目ともに有効な要素が存在することが確認できた。 今後については、より安定的かっ普遍的な説明変数の抽出およびモデルの構築を行い、 精度の実用的レベノレへの向上を目指してして。具体的には、経過年数の増加による母集 団の蓄積、業界や規模等の要素を考慮、したモデ、ルの改良、および順序ロジットモデルな どの手法の検討が課題として考えられる。 1 5 前述の通り先行研究においては主に上場企業が対象とされているが、本研究におけるサンプルデータで は非上場企業が大半を占める。 ︒ノ臼 A斗品 ーよ

243.

参考文献 太田三郎,岡崎一郎 [ 2 0 0 2 ],U 企業倒産と再生 L商事法務 2 0 0 4 ],U 企 業 の 倒 産 と 再 生 L同文舘出版 太田三郎[ 2 0 0 2 ],U 企業再生の法律・会計 L商事法務研究会 企業再生ネットフォーラム[ 粛藤隆志,橘木俊詔 [ 2 0 0 3 ],I 中小企業の存続と倒産に関する実証分析 J,U 経済産業研究所デ イスカッションペーパー~ , 04J ‑ 0 0 4 ・ 自国佳子 [ 2 0 0 3 ],U 企 業 倒 産 予 知 モ デ ル L中央経済社 1 9 9 6 , ]U ロジスティック回帰分析‑SAS を利用した統計解析の 丹後俊郎,山岡和枝,高木晴良 [ 実際‑ L朝 倉 書 庖 U 内閣府 [ 2 0 0 3 , ] 平成 1 5年 版 経 済 財 政 白 書 L国立印刷局 森平爽一郎[ 1 9 9 9 ],I 信用リスクの測定と管理‑第 2回:定性的従属変数回帰分析による倒産 確 率 の 推 定 J,U証券アナリストジャーナル~ , 3 7 ( 1 1 ), 81・1 0 1 山下智志, J 1口昇,敦賀智裕 [ 2 0 0 3 ],I 信用リスクモデ ルの評価方法に関する考察と比較 J,U 金 融庁金融研究研修センターディスカッションペーパー L平 成 1 5年 度 Altman, E .U1968];'F 'i n a n c i a lR a t i o s, D i s c r i m i n a n tA n a l y s i s and t h eP r e d i c t i o no f C o r t p o r a t eBankruptcy", Journalo fF inance , 2 3 ( 4 ), 589・609 Barniv , R ., A.Agarwa 叫1a ndR . L e a c h [ 2 0 0 2 ], " P r e d i c t i n gBankruptcyReso 叫l u t i o ぜ γ n 1, B u s i n e s sFinance& :Acc ∞ o u n t i n , g2 9 ( 3, 引 4 ) ,4 97 小‑ 5 2 0 Caseあ y ; C . J よ J . 史 andL i q u i d a t e dFinm 日 li nBankruptcy", Th 日 eAccount i n gRev ぱ r i e w 后 , 6 1 ( 2 ) , 入2 4 9 ‑ 2 6 2 Ki m, M.andM.Kim[1999] , "ANoteont h eDeterminantso f t h eOutcomesofBankruptcy o r e a ", J o u r n a l o fB u s i n e s s Finance & A c c o u n t ‑ P e t i t i o n s : E v i d e n c e From K , g2 6 ( 7, 8 ), 997・1011 i n A ηr u マ ハ n〆ω

244.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 M e t z l e rの在庫循環モデルにおける現実的適用の考察 0江畑嘉敏ゎ中村竜児材 本武蔵大学経済学研究科 博士前期課程 材株式会社インクリース研究所 Considerationofther e a l i s t i capplication i ntheinventoryc y c l emodelo fMetzler y o j iNakamura安 安 Y o s h i t o s h iEbata女 IR MusashiU n i v e r s i t ye c o n o m i c sg r a d u a t ec o u r s e( t h ed o c t o rabovementionedc o u r s e ) 女 安安 INCREASECO, LTD. 要旨 本稿では M e t z l e r (1 9 4 1 ) (以下 M e t z l e r ) の在庫循環モデルを用いて景気 循環のメカニズムについて考察する。以下では最初に M etzlerの在庫循環モ デルの理論的側面について理解し、次いでモデルの実証分析について検証し ていく。理論的側面の理解に関しては、経済学における在庫循環理論の概観 etzlerのモデル実証ではモデルのパラメータの動きに注目 を考察した後、 M し、実質値に一番近い値を求める。 キーワード: 景気変動、在庫循環モデル、実証分析、定差方程式 はじめに 在庫投資の変動は実質 GDPの変動に対して、極めて大きな影響を与えていることが図 l から読み取れる。一般的に短期の国民所得の変動は在庫投資の変動から理解することがで きるとされているが、そのメカニズムについては現在でも研究が進められている段階であ る。本稿ではそのメカニズムについて M e t z l e rの在庫循環モデルを前提として考察し、実 証分析を行うものとする。 υ 円 〆 ム ︼ 内 ペ A 斗

245.

寄与度 2 1 .5 0 . 5 一 1 .5 一一一 G D E ( = G D P ).".".民間在庫品増加 図 1GDPと民間在庫品増加の寄与度 *国民経済計算から作成 1モデル 1 .1 経済学における在庫循環モデルの概要 経済学の在庫循環モデルは現在までに、企業の在庫投資と生産計画において大まかに 2 つに分類される。ひとつは供給面からのアフローチする方法であり、もうひとつは需要面 からアブローチする方法である。 ( F i t z g e r a l d ( 1 9 9 7 ))。供給面からのアブローチでは、企業 は利益を最大化させることを前提としている。したがって、在庫を保有する際、もしくは 在庫が変動する際に掛かる費用を最小限に抑えるような在庫投資や生産計画を行うことを 想定している。他方、需要面からのアブローチでは、企業は需要に供給を均衡させること etzlerの在庫理論は、需要面からのアブローチを行 を前提としている。本稿で検証する M っている。 M etzlerが論文を発表した後も同様のアフローチから様々な研究が行われ(小林 弘道 ( 1 9 6 5 ) )、Metzlerの在庫循環モデルは、微分方程式の導出やカオス理論への応用など にも適用されている。 凋川マ 凋川T nノU

246.

1 .2 M etzlerの在庫循環モデルの構造 (i)モデルの前提 M e t z l e rの在庫循環モデルでは、以下の 5つが前提とされる。 (1)企業は総需要に対応するために在庫を保有する。すなわち需給のギャップは在庫を通 じて調整される。 ( 2 )需給バランスは量によって調整され、財の価格は固定されている。 ( 3 )国民所得は総生産に等しくなる。 ( 4 )消費関数は独立消費の存在しない単純増加関数を仮定する。 ( 5 )収入と支出の関係は常に期間内に行われる。 以上の前提により在庫循環の発生のメカニズムについて考察する。 M e t z l e rは需要の決定 と供給の決定との聞に時間的なラグ ( L u n d b e r g ' sl a g )が存在することを提示している。企業 は需要に対して瞬時に対応できないため、需要が決定される前に需要予測をもとにあらか じめ生産を行う。需要と供給のバランスは国民所得が均衡値であれば、常に国民所得の値 は一定で需給は一致するので、企業の需要予測をもとにあらかじめ生産された量と実際の 需要の量は一致する。他方で需要に投資のショックが加えられ国民所得が変動した場合、 y )が消費 ( C )と投資(I)の総和であるとした初期のケインズの理 国民所得の変動を国民所得 ( 論で説明すると、国民所得は Y=C+Iで表され、当初Y'で均衡していたとする。次いで、投 資がL1Iだけ増加すると、国民所得は Y=C+I+必Iで表され、国民所得の均衡点が瞬時にY" e t z l e rの在庫循環モデルではY'からY"への変化に対して時間の経過が へと変化するが、 M 存在する。したがって、その間の企業が予測した需要の量と実際の需要の量は求離し、企 業は実際の需要に対応させるため企業の意図しない在庫ストックの変動が生じることにな る 。 企業が意図しない在庫ストックの変動に対応しなければ、国民所得は新しい均衡値へと 一様に収束することが理解できる。他方、企業が在庫ストックの量を調整しようと試みる ならば、意図せざる在庫ストックの変動を抑えるために在庫投資を行うことで国民所得は 援動し、景気循環を発生させる。以上が在庫循環の発生の構造である。 ‑245

247.

(ii)モデルの構造 上記で述べたように、国民所得 y ( t )を、純投資 V o、企業の予測需要による生産 u ( t )、在 庫投資 s ( t )で表せば、国民所得は(1)式の如く示される。 l J 企業の予測需要による生産に関しては、一般的な予想形成が成立する。すなわち、 ( ︐ ︑ y ( t )=u ( t )+s ( t )+v o 1期 前の需要に 1期前と 2期前の需要の変動を考慮したものをもとに今期の生産が形成される。 したがって、限界消費性向を β ( 0<白<1)、期待係数を η(‑1:5η:51)とすると予想、需要 による生産は ( 2 )式の如く表される。 u ( t )= s y ( t‑ 1 )+η( s y ( t1 )‑β y ( t‑2 ) ) ー ( 2 ) u ( t )=1 (+η ) s y ( t‑ 1 ) ‑βy ( t ‑ 2 ) ( 3 ) ( 2 )式を整理すると、 ( 3 )式が得られる。 次いで在庫投資に関して考察する。在庫投資は 2つの項目に分類される。 第 1に、前期で生じた意図せざる在庫ストックの変動を、今期において同額だけ補完 することで在庫ストックの変動を調整するものである。したがって、第 1の在庫投資 S r( t )は ( 4 )式の如く表される。 官 )A ( S r ( t ) = s y ( t‑ l ) ‑ u ( t‑ 1 ) ( 4 )式に ( 3 )式を代入すると、 ( 5 )式が得られる。 S r( t )= βy ( t ‑ 1 ) ‑ ( 1 +η知y ( t ‑ 2 ) ‑ s y ( t ‑ 3 ) ( 5 ) 第 2には、在庫ストックを最適な値にするものである。企業は一般的に在庫ストックを ) )保有しようと試みる。しかし、当期の需要は生産を行う段 各期の需要の一定倍 (α(α 三 0 3 ) 階では理解できないので企業の予測需要を今期の需要の代用とする。予測需要の変化は ( 式から 1期前と 2期前の差で表され、最適な在庫ストックの量を維持するためには、その t )は( 6 )式の如く示され 変化の一定倍だけ投資を行えばよい。したがって第 2の在庫投資 Sa( 6 )式は企業の予測需要による生産を投資に変化させれば、 Samuelsonの投資 る。さらに、 ( の加速度定理と同様であることが理解できる。 ρhU 4斗 ワμ

248.

5 t )=α( u ( t‑ 1 )‑u ( t‑2 ) ) a( ( 6 ) ( 6 )式に ( 3 )式を代入すると ( 7 )式が得られる。 。 日)=α((1+η)sy(t‑1)‑(1+2η)sy(t‑2)‑ηβ y(t‑3)) S 純投資を外生変数とすれば、 ( 7 ) ( 1 )式 、 ( 3 )式 、 ( 5 )式 、 ( 7 )式から最終的に国民所得を表わす 3 階の定差方程式が ( 8 )式の如く示される。 y ( t ) = [ ( l +ηX1+α)+1} 3y ( t‑1)‑( 1+2 T 7X 1+α) s y ( t ‑ 2 ) + ( 1 +α知βy ( t ‑ 3 ) + v O (8) 他方、在庫ストック z ( t )に関しては、前期の在庫ストックに、企業の予測と現実の需要の 差から生じる意図せざる在庫ストックの変動を加えることで ( 9 )式の如く表される。 z ( t )= z ( t‑ 1 )+( 1 ‑s ) y ( t )‑v O ( 9 ) 2 .実証分析 上記で示した M e t z l e rの在庫循環モデルの理論値と実績値のデータを比較し、実績値のデ ータに最も近い値をとる理論値のパラメータについて検証する。 実績値の値は当初鉱工業指数のデータを用いて考察したが、 M e t z l e rの理論との関係を考 慮し、内閣府経済社会総合研究所の国民経済計算 (93SNA) の実質 G D Pと在庫フローの 値を採用した。国民経済計算の在庫データは中間財が存在しないので在庫分析には不向き といわれているが、三面等価の原則で生産と所得が等しい値となることから今回の実証分 析に適用させた。データは季節調整済み前年同期比四半期を用いた。比較を行う期間は第 13循環(暫定も含む)を中心とした 1 9 9 9年の第 l四半期から 2000年の第 2四半期まで の 1 4期間とし、前年同期比を求めるためのテータの 4期間を加えた合計 1 8期間を検討し た 。 e t z l e rの在庫循環モデルを用いて考察したが、初期値の GDPと在庫フロ 理論値の値は M 9 9 8年第 1四半期の実績値を用いた。 2期日からは需要に対する ーの値は国民経済計算の 1 外国性ショックを起こさせるために純投資を変化させた。データは季節調整済み前年同期 9 9 9年の第 l 比四半期とした。比較を行う期間は第 13循環(暫定も含む)を中心とした 1 四半期から 2 000年の第 2四半期までの 1 4期間とし、初期値と前年同期比を求めるための データの 5期間を加えた合計 1 9期間を求めた。 実質 GDPと在庫フローの 2次元について検証する際、実績値と理論値の距離の 2乗和を 総和させた値を最も小さくさせるモデルの変数のパラメータに注目した。以下図 2、図 3 は SASによる検定の結果をプロットしたものである。 2 4 7

249.

実質 GDP GDP 540000 520000 500000 480000 460000 440000 .'・一‑・..'・‑ー‑・...・.、.ー'..・‑、...ーー'"・..... ・.....ー... 420000 400000 1 9 9 9 0 1 199903 200001 200003 200101 期間 一一・一実績値...・...理論値 図 2 実質 GDP 在庫フロー 在庫増減 4 0 0 0 . 0 3 0 0 0 . 0 2 0 0 0 . 0 ...・ ー 一一+一実績値...・...理論値 図 3 在庫フロー 2 4 8一 200103 200201

250.

参考文献 Chiang, A l p h a .C .[ 1 9 6 7 , ] 'FUNDAMEN7 スLMETHODSOFMATHEMATlCAL SecondE d i t i o n,M c G r a w ‑ H i l l,i n c . 大住栄治・小田正雄・高森寛・堀江義訳 ECONOMICS, [ 1 9 7 9 J ~現代経済学の数学知識~ ,マグロウヒル. M e t z l e r ,L 1o y d .A .[ A u g u s t1 9 4 1 ],' TheN atureandS t a b i l i t yo fI n v e n t o r yC y c l e s ',Reviewo f pp.113‑129,i n c l u d ei nGordonRA .andK l e i nH R .'Readingi n EconomicS t a t i s t i c s, b u s i n e s sC y c l e s '[ 1 9 6 5 ],R i c h a r d0 I r w i n,i n c .I I l i n o i si n1 .Theory6.p p . 100‑129. ,L 1oyd,A . [September 1962 , ] ' P a r t i a l Adjustment and t h eS t a b i l i t yo fI n v e n t o r y M e t z l e r C y c l e s ',I n t e r n a t i o n a lS t a t i s t i c a l l n s t i t u t e, D u b l i n,i n c l u d ei nM e t z l e r , L 1oyd. A .[ 1973 , ]C o l f e c t e d 1 0ydM e t z l e r ,Cambridge,H arvardU n i v e r s i t yP r e s s .pp. 428‑464. Paperso fL .F i t z g e r a l d[ 1 9 9 7 ] 'I n v e n t o r i e sandt h ebusinessc y c l e :anoverview,F e d e r a lReserve T e r r yJ Banko fC l e v e l a n d 小林弘道 [ 1 9 6 5 J ~くノート〉在庫理論の発展と在庫関数~ ,経済分析第 15号 υ 円同 A4A ηL

251.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 データマイニングを用いた 中小企業の信用リスクの推定 再構築 ( R e ‑ C o n s t r u c t )アプローチ 小野潔 UFJ銀 行 法 人 統 括 部 HowDoYouTakeCreditRiskofSmallBusiness? Ki yoshiOno c o ヰ氾l r a t eB a n k i n gPlannjng&Adminお国:tio nDe par 皿 e n t, UFJ Bank 要旨 日本の中小企業は約 5 00万社存在し、情報ベンダーはおよそ 1 5 0万社の企 業情報を提供している。しかし評点やスコアは相対的な目安であるため、統計 に基づく与信やポートフォリオ管理に利用しづらい。そこで本研究は情報ベンダーが提供する 40万 C o n s t r u c t ) し、このモデルから中小企業 120万社の 社の予測倒産率から倒産モデルを再構築(Re‑ 予測倒産率を算出することを試みた。 R e ‑ C o n s t r u c t ) アプローチによるモデノレ開発は、外部から提供された確率から逆にモデ 再構築 ( ル構造を推定する方法である。ターゲットは予測倒産率 χ% 以上を負事例、 χ% 未満を正事例とし、 パギング学習により複数の決定木の平均値を予測倒産率とした。再構築モデルは Cap50 値が 65~ 70%、倒産格付とのスヒ。アマン相闘が 0 ̲ 7 0であり、ビジネス利用に可能な精度を有していた。この 再構築モデルに情報ベンダーの企業情報を当てはめることで、中小企業 1 2 0万社の予測倒産率が得 られた。今後は、中小企業の信用リスクの統計的コントロールへの応用が期待できる。 キーワード: データマイニング 予測倒産率 中小企業の信用リスク 企業情報 パギング学習 1.現状 1.1.目的 従来の信用リスクの推定は、企業の財務指標から倒産リスクを計測する定量的アプローチが行われて きた c 定量的アプローチは、有価証券報告書の開示情報に基づくため、上場企業や社債発行可能な企業 に有効である。しかし売上高が数億円に満たない中小企業 lは取得で きる財務データが限られ、またそれ を裏づける財務指標の信憲性に疑問があるため、定量的アプローチの有効性には限界がある。 日本の中小企業および小規模事業者は約 500 万社以上存在し、情報ベンダーはおよそ 120~170 万社 の企業情報を提供している。企業情報の評点やスコアは倒産との相聞が強いが、相対指標であるため統 計学に基づく信用リスク管理に使いづらい。最近は複数の情報ベンダーから定性的アプローチによる予 測倒産率が発表されている。しかし倒産モデ ルの詳細な内容や説明変数は未公開で、あるため、本研究は 企業情報に基づく定性的アプローチにより倒産モデルを構築し、その有効性を検証した。 2 0万社以上の企業情報を提供しているが、予測倒産値は 40万社しか また帝国データパンク社は 1 I 帝国データパンク祉の企業情報 1 2 0万社の内、売上高 l億円未満が約 50%、3億円未満が約 75%である。 phd 円ノμ 1i

252.

提供していない。そこで再構築 ( R e ‑ C o n s t r u c t ) した倒産モデ'ル(以後、再構築モデルと略する) を利用して、中小企業 1 2 0万件の予測倒産率の算出を試みた。 1 . 2 .日本の情報ベンダー 中小企業の情報ソースは「帝国データパンク社」と「東京商工リサーチ社」の企業情報に大別できる (以後、前社は TDB、後社は TSRと略する ) 0 TDBは約 1 2 0万社、 TSRは約 1 5 0万社の企業情報を 提供している。企業数の相違は両社のデータ更新の定義に起因する。 TDBの倒産モデル(以後、 CCRモデノレと略する)は、定量情報(財務データ)を利用せずに定性情報 C o r p o r a t eC r e d i tR e p o r t )J と「社内の信用に関する情報」か の「現地取材に基づく信用調査報告書 ( ら倒産率を算出する。 TSRの倒産モデルは提携先の D&B (ダンアンドブラッドストリート)社が開発 し、「企業情報」と会員に提供されない情報「企業照会回数」等から算出する。両社の倒産モデ、ルは共 にロジスティック回帰モデ〉レを採用しているが、詳細設定は公開されていない。他の情報ベンダー(リ スクモンスター社、スーパーネット・ソリューションズ社等)は、 TSR社の企業情報と社内情報から独 自の中ノト企業の格付を作成する。 2 .理 論 2 . 1 .再構築(Re ・ C o n s t r u c t )アブローチ 再構築 ( R e ‑ C o n s t r u c t )アプローチは、ブラックボックスのモデルから算出された確率を利用して、逆 にモデ.ル構造を推定する方法である。従来の倒産モデルの開発は、倒産以前の過去の企業情報を説明変 数に使うため、数年分の企業情報と倒産情報のデータベースが必要になる。企業情報は月次に 100万 社以上が提供されるため、蓄積データベースは膨大になり、また過去データの情報料金も要する。しか e ‑ C o n s t r u c t (再構築)アプローチは、倒産モデルを一時点、の「企業情報」と「倒産予測 し本研究の R 値」で構築できるため、最ノト限の情報コストでモデ.ル構築が可能になる。 本研究のユニークな点は、情報ベンダーが提供する各企業の予測倒産率から仮想倒産企業を設定する 点にある。企業情報は倒産企業が含まれていないため、倒産予測値が高い正常企業を仮想倒産企業とす る。つまり仮想倒産企業(負事例)は予測倒産率 χ%以上、仮想非倒産企業(正事例)は χ% 未満と定 義する。説明変数は評点を含め、企業情報およびその加工変数である。 モデル開発用のデータセットは負事例と同数のランダムサンプリングした正事例から構成する。次に モデ /レ構造を把握するために決定木により、倒産モデ、/レを構築する。またモデ、ルを安定化させるために パギング学習を利用し、複数の任意の倒産値 χ%から、複数の決定木モデ.ルを構築し、その平均値を各 企業の予測倒産率とする。最後にこの再構築モデ〉レに情報ベンダーが提供する企業情報を当てはめれば、 中小企業 1 2 0万社の予測倒産率が得られる。 2 . 2 .変 換 式 倒産企業は非倒産企業に比べて極端に少ないため、現実のサンプリング比率では、モデ ルに倒産企業 の影響が充分に反映されない。倒産企業を多くなるようにサンプリング比率すると、モデノレは倒産率よ りも大きい確信度(主観確率)を算出する。確信度はベイズの定理を用いて予測倒産率に変換できる。 倒産企業と非倒産企業を同数サンプリングの場合、確信度は ( 1 )式で理論倒産率に変換できる。平均倒 産率は一般にユーザーの債券回収を考慮に入れて、情報ベンダーの平均倒産率より大きく見積もる。ユ ‑ 2 5 2

253.

ニパース中の CCRモデ ルの該当企業 3 7万社の平均倒産率1.403%で、あったが、試行錯誤の結果、本研 0%を採用した。 ( 1 )式はベイズ理論の事前確率分布や絶対倒産率の解釈が必要になる。本研究 究では1.7 のテーマとは相違するので、ここでは言及しない。 理論倒産率= 確信度 • ( 1 )式 1 平均倒産率 確 信 度 +1 (一確信度 ) x 平均倒産率 2ふ パ ギ ン グ 学 習 と サ ン プ リ ン グ 2値判別分析に用いるパギング学習は、精度を高めモデ、ルを安定化させる学習法の一つである。パギ ング学習の手順は、①複数のランダムサンプリングごとにモデルを開発し、②モデ ル数は誤差の収束で、 決定し、③モデ、ルの平均値を代表値とする。本実施形態では「仮想、倒産企業」と「非倒産企業」を 2値 とした場合に、仮想倒産企業のサンプル数をそのままにし、非倒産企業を所定の数だけランダムにサン プリングするといった条件に従い、複数のモデルを作成する。モデル数の決定はツリー構造と理論倒産 率の変化から判断する(詳細は後述)。 3 .構築 3 . 1 . SASシステムおよびデータ ① SASシステム SASIBASE V e r 8 . 0 2 SAS!En t e r p r i s e M i n e rV e r 4 . 1 ②企業情報 ( TDBの COSMOS2、約 1 2 0万社、 2 0 0 4年 1月) 主なデータ項目は、会社属性(会社名、住所、設立年、従業員数、事業所数等)、情報属性(評点、 調査年月日等)、業績属性(直近 3期分の売上高、税引後利益、自己資本比率、所得額等)、ランキ ング属性(業種別の全国および地域別売上ランキング)、代表者属性、産業分類 等 TDBの CCRモデル、約 4 0万社、 2 0 0 4年 1月) ③予測倒産値 ( 3 . 2 . 加工変数 企業情報は 3期分の売上、業績利益等の決算情報が存在するが、公開しない企業も多い。欠損値の多 い企業は、調査員に公開したくないアンオープン情報があると推測されるため、単に欠損値をデータ処 理の手法で補充するだけでは、公開企業が不利になる可能性がある。そこで、モデル開発用データセット には、通常の加工変数 u 売上伸び率 J r 売上ランキング指数」等)のほかに、公開企業が有利になるよ うに「決算書の公開数」や「利益のプラス数やマイナス数」等を加える。その結果、説明変数は企業情 報のオリジナル変数 3 0個と、加工変数 7 0個の計約 1 0 0個を採用した。 3 . 3 . 分析手)1頂 ( l )S ASIBASEにおける作業 ①企業コードをキーに「企業情報」と「倒産モデ、ルの予測倒産率」の統合データベースの作成 ②企業情報のデータクレンジングと加工変数の作成 ③母集団(ユニバース)の決定 「否認基準に該当する」、「取引の見込みがなし、」業種や企業をユニバースから外す。 ‑ 2 5 3

254.

④倒産モデルの予測値の闇値を設定し、複数の負事例 (BAD) と正事例 (GOOD) を定義する。 ⑤ BADと同数のランダムサンプリングした GOODから、 SASデータセットを作成する。 (2)SASl EnterpriseMinerにおける作業 ⑤ SASIEMの INPUTノードに前述のサンプリングデータを取り込む。 ⑦BADをターゲット(目標変数)に設定し、学習データ:検証データ =7:3に分割する。 J)を用いてモテずル化する。 ③決定木の対面学習(強制分害I ⑨複数サンプリングデータに対して、複数のモデソレを作成し、複数の確信度を算出する。 ( 3 )SASIBASEにおける作業 1 )式で理論倒産率へ変換し、倒産率の平均値を求める。 ⑪確信度を ( 4 .結 果 (留意点) CCRモデノレの企業数は 40万社以上であるが、再構築モデルのユニバース(母集団)は 37万 社である。そのため本研究の数値は CCRモデルの全ユニバースから算出した数値と相違する。 4 . 1 .関値と理論予測倒産率 予測倒産率の闇値は仮想倒産企業の定義に用いる。闇値が大きいと倒産企業の兆候を見つけやすくな るが、逆に正常企業の特徴を見つけづらい。またパギング学習のモデル数を設定しなければならないた め、関値の選定が再構築モデルのポイントになる。ここでは 10種類の闇値の候補を設定した(表1)。 倒産率1.37%は TDBの企業倒産率の判断基準であるため、闇値の最小値とした。表 1には理論倒産率 も記載する c 本研究では、①闇値 5%以上のツリー構造が類似である点と、②理論倒産率が収束する点 から、再構築モデルの倒産率は1. 37%~5% の決定木 5 種類の理論倒産率の平均とした。 闇値 1 . 37 目 2 % 目 3 4% 5 目 6 % 7 目 8 % 9% 1 0 % 仮想倒産数 1 0 3,1 4 6 7 5, 8 1 9 46. 9 2 1 1, 8, 4 88 2 8, 0 2 1 1 8 . 3 9 2 1 0 6 1 5 , 653 4, 339 3, 364 仮想非倒産数 270, 363 2 9 7 . 6 9 0 327, 0 2 1 3 4 5. 48 83 5 5 . 1 1 73 6 5. 4 48 3 6 5 . 4 4 83 6 7, 856 3 6 9 . 1 7 0 370,1 4 5 弘 1 .5 1覧 . 1 9 仮想倒産率 2 7 . 6 2 弘 2 0 . 3 0 百 1 2. 45% 7 . 5 0 % 4 . 9 2 % 3 2 . 1 6 百 1 . 16 覧 0 . 9 0 日 1 . 6 1 % 1 . 6 4 弘 理論倒産率 2 . 8 5 弛 2 . 6 2 弘 2 . 0 9 % 1 .9 7 弘 1 .68百 1 .59弘 1 .52也 1 .69百 表 1 倒産モデル (37万件)の予測倒産率を闇値にしたサンプル数と仮想倒産率 4 . 2 .再構成モデルの倒産格付 倒産格付は倒産率を構築時の倒産発生率で除し、倍率に変換したものを倒産格付とする。倒産倍率は 全体の平均に比べ何倍の危険度を表す。 CCRモデルの基準値は1.37%である。再構築モデ、/レの基準値 は、ユニバース中の CCRモデ、/レ該当企業 37万社の平均倒産率1.403%を採用した。その結果、再構築 モデノレの倒産格付 1に含まれる企業数が大きいため、より低リスクの格付 UPPERを創設し、本研究の 1段階に区別した(表 2 ) 0 CCRモテツレと再構築モデ〉レの格付分布(図 1と 2 ) の比較から 倒産格付は 1 再構築モデルは低リスク企業を充分に分離できないことがわかる。しかし再構築モデルと CCRモデル の倒産格付のスピアマン相関係数は 0.70 (ユニバース:37万社)であり、やや強い相聞を有した。 ‑254

255.

表 2 倒産倍率と格付の関係 企 8 0 0 業 S O O 数 (倒産倍率二倒産確率÷基準値) 4 0 0 2 0 0 0 0 . 0 図 1CCRモデル格付の数量分布 図 2 再構築モデル格付の数量分布 4ふ倒産予測値と評点の分布 評点は社会的な信用度や企業規模などの客観性、合理性を総合した信用指数であり、倒産リスクのみ を示すものでない。倒産予測値は個別企業の 1年以内の倒産確率を予測する指数である。したがって同 ーの評点で、あっても倒産予測値は異なる値が算出される。評点は点数が高いほど優良会社であり、評点 0点以上が全体の約 20%、4 0点以下が約 20%、残り約 60%が 40点台に集中している の数量分布は 5 ( 図 3)。評点の分布は正規分布に近似するが、意図的な評価が混入されている。倒産モデ、ルの分布(図 4、図 5)を比較すると、 CCRモデルは再構築モデルよりもなめらかに分散されている。 再構成モデルは確信度から理論倒産率を求める際に平均倒産率を高く見積もったため、再構築モデ、ル と CCRモデルの散布図(図 6)は前者の倒産率が高い傾向を示している。モデルと評点の相関テーブ ル(表 3 ) は、再構築モデルと CCRモデ、ルの相関(+ 0 . 6 0 ) はそれほど大きくなく、逆に再構築モデ ルは評点と負相関 ( ‑0.73)が強いことを示している。 10日 企業数 5 0 2 5 3 0 3 5 40 45 5 0 5 5 S O S 5 7 0 7 5 図 3 評点分布 ( 1 2 0万社、横軸:評点) FhU Fhu ワ ム

256.

企業数 • • 0f • 0 0 8 0 E ‑ n噌 U‑ 令d v •• 0 2 o HU 凸 nHU • ‑ ‑ 1 0 • 0 . 0 1 . 0 2 . 0 3 . 0 4 . 0 5 . 0 B . O 7 . 0 8 . 0 CCRモデ、/レの倒産率 ( 3 7万社) 再構築モデルの倒産率 ( 1 5 0万社) 図 4 C C R倒産率分布 図 5 再構築モデルの倒産率分布 2 5 品 川 ・ 一 m h 川高清 LF dhHH .yt︐ .Jud 出場 再構築モデル倒産率 n 再構築モデル ~ CCR倒産率 0 . 6 0 1 .00 ' 0 . 7 3 . . . (ユニバース CCR37万社) 表 3 再構築モデル、 C C Rモデノレ、評点の相関表 I 日 I ~ ? n ?~ (表示は 37万社から 1 000社ランダムサンプリング) 図 6 再構築モデルと CCRモデルの倒産率散布図 4 . 4 . S A Sプログラム 企業情報は月次に提供されるため、再構築モデルの運用では SAS/EMを起動せずに SAS/Baseのみで予 測倒産率を算出するプログラムが必要になる。ここでは SAS/EM上の決定木の IF‑THENルールを SAS/BASE に組み込む方法を紹介する。 ① IF‑THENルールの SASサブプログラムの作成 SAS/EMの決定木ノードを実行すると、結果のスコアに SASコードが出力される。スコアコード (DECISION TREE SCORING CODE)の中の ASSIGNOBSERVATIONTONODE 部分に下記の IF‑THEN‑ELSE モジューノレがある。この部分を SASサブプロラム, C :干TDB干TREE̲MODEL1.SAS' とする。 **事事***ヰヨ俳**********本*キ*本*本*キ*本事***本*キヰ*キ*本**本*本*キ寧本事****本**本*寧本事目 * * D E CI SI O NT R E ES C O RI N GC O D E **事事寧事**本*本*キ*************事事*本3ドヰ*キヰ*キヰ*キ*本*本*キ*事事*事事***本*キ******; ーーー 一一一一一一一ーー 省略一一ー ーーーーーー 一 L A B E L SF O RNEWV A R I A B L E S 柿*柿. L A B E L̲ N O D E ̲ ='N o d eI d e n t i f i c a t i o nN u m b e r ' 1G O O D ='P r e d i c t e d : AG O A L 1= G O O D ' L A B E L PAG O A L 1 B A D ='P r e d i c t e d : AG O A L 1 = B A D ': L A B E LPAG O AL 1 ・ :LABELU̲A̲GOAL1ニ ' U n n o r m a li z e dI n t o : A̲GOALr: L A B E L IAG O A L1='I n t o : AG O AL L 1 ': L A B E LR ̲ A ̲ G O AL 1B A D ='R e s i d u a l :A ̲ G O A L 1 = B A D ' L A B E LF ̲ A ̲ G O A L 1 =' F r o m :A ̲ G O A 1G O O D ='R e s i d u a l :A ̲ G O A L 1 = G O O D ': L A B E L̲ W A R N =' W a r n i n g s ' L A B E LR ̲ A ̲ G O AL 判神神 F O R M A T SF O RN E WVA 引A B L E S 神和同: *柿*神 n/U︼ ρO R υ

257.
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(F
̲
A
̲
G
O
AL
̲
A
̲
G
O
A
L1
G
O
O
D +
1
:
E
N
D
: E
N
D
:
W
H
E
N(• G
O
O
D
' )R
̲
A
̲
G
O
A
L1
G
O
O
D =R
**本車*本ホヰ事事***卒事事*本車*ホヨド*ホヨドヰ事事本***埠'**ホヨド本*牢卒事事卒事事卒事事*本車*本ホヰ事事*ホヨド*ホ*;

*
*

E
N
DO
FD
E
CI
SI
O
NT
R
E
ES
C
O
RI
N
GC
O
D
E

*本********************本**本****車率*****本**本本*本**本******牟***ホ*本事***'

②確信度の算出
下記 DATA.C21 は
、 120 万企業の企業情報および加工変数のデータセットである。 INCLUDE文によ
り IF‑THENルールを取り込み、 C2̲1 の確信度 P̲A̲GOAL1BAD を計算する。 P̲A̲GOAL1BAD の名称は、
SAS/聞がターゲットの項目名 A̲GOAL1 (値は BAD.GOOD) から自動作成する。下記プログラムは決定
木 5種類の確信度を計算する。
D
A
T
AC
2
̲1
:S
E
TD
A
T
A
.C
2
̲
1
:見i
n
c
lu
d
e• C
:平T
D
B
粁R
E
E
̲
M
O
D
E
L1
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A
S
':
D
A
T
AC
22
:
S
E
TD
A
T
A
.C
22
:世i
n
cl
u
d
e• C
:¥T
D
B
V
T
R
E
EM
O
D
E
L
2
.S
A
S
':
n
c
lu
d
e• C
:¥T
D
B
¥T
R
E
EM
O
D
E
L
3
.S
A
S
':
D
A
T
AC
2
̲
3
:
S
E
TD
A
T
A
.C
2
̲
3
:見i
D
A
T
AC
2
̲
4
:
S
E
TD
A
T
A
.C
2
̲
4
:見i
n
cI
u
d
e• C
:¥T
D
B
¥T
R
E
EM
O
D
E
L
4
.S
A
S
':
E
TD
A
T
A
.C
2
̲
5
:
%
i
n
c
l
u
d
e• C
:¥T
D
B
粁R
E
E
̲
M
O
D
E
L
5
.S
A
S
';
D
A
T
AC
2
̲
5S
目

5
.考 察
5.1.決 定 木

評点は倒産に最も有効な説明変数であるため、決定木の自動学習法では第 1層から第 5層まで評点が
分割変数に選択された。しかし細分化された評点は IF‑THENルールの意味がわかりづらくなるために
本研究は対話型学習法(強制分割法)で開発した。ツリー構造の作り方は 1層を最新自己資本比率で、

2層を 2分類(卸/小売業、建設/不動産/製造業)で、最終層の手前から評点で強制分割し、途中層
は適宜、分割指標値と経験に基づいて説明変数を選択した。
変
1
2
3
4

数

評点
2分 類 P

5

最新期業績自己資本比率
税引後利益減少数 P
法人申告所得額増加数 P

6
7

自己資本比率増加数 P
設立年数 P

業績利益存在数 P
決算書存在数 P
10 最新期業績決算書有無 P

8
9

平均分割指標
5.00
3.70
3.20
3.10
2.34
2.30
2.16
2.01
1
.54
1
.41

変

数

1
1 株主数
12 最新期業績売上
13 税引後利益の正数 P
14 全国業種フンキング相対位置 P
15 前々期からの平均売上両伸率 P
16 最新期業績税号 l
後利益
17 法人機コード
18 前期売上高{申率 P
19 前期平均売上高伸率 P

平均分害J
I
指標
1
.39
1
.22
1
.02
0.93
0.89
0.64
0.17
0.12
0.07

(変数名に Pがつくものは加工変数)

表 4 採用された決定木 5個の説明変数の分割指標値(平均値)
決定木のツリー構造は 6 層 ~8 層、最終葉数(カテゴリ数)は 50~60 個となり、ルール総数は 5 モ

テ守ルで、約 300ルールとなった。表 4は 5種類の決定木に採用された変数の分割指標値の平均である。カ
テゴリ尺度の分割指標値は、 LogWorth= 一l
o
g (カイ 2乗の p値)で定義され、分割指標値は大きいほ
Fhu

ウ{

ワ
ム

258.

ど分割変数が優れている。注目点は、説明変数にアンオープン情報に対処する情報(存在数、有無、正 数等)が上位に含まれていることである。 5 . 2 . i f J産モデルの精度比較 Cap図(別名リフトチャー卜)は予測倒産率を降順に的中確率を累積したものであり、モデルの精 度の比較に利用する。縦軸は累積倒産率、横軸は全顧客割合である。図のモデル曲線は、上位の方が判 別力に優れており、直線はランダムを表す。図は上から、理想直線、倒産モデ ル曲線、ランダム直線 を表わす。 C ap50値は横座標 50%のときの縦座標を表す。 Cap50値が 90%以上ならば高精度のモデ ルで、あり、逆に 50% 近辺ならばランダムモデルとなる。一般に C ap50値 6 0 弘以上ならばビジネスに 利用できる。クレジットやキャッシング、の与信モデルの Cap50 値は般に 70~80% 以上である。 ここでは再構築モデルと共に TDB、TSR社の倒産モデ ルの C ap図も載せる。両社の公開情報に基 づいて作成したが、測定時期、ユニバース等が相違しているため、モデ ルの厳密な比較はで、きない。 TDB の CCRモデルの C ap50値は約 90%と非常に高い。 TSRの Cap50値は約 75%であるが、ユニバースは CCRモデルの約 3倍の 1 1 5万社と大きい。 ap50値は約 80%であるが、再構築モデ、/レは CCRモデルに基づいた仮想倒産企業 再構築モデ、ルの C ap50値は 70‑75%程度に低くなる。またこの精度 をターゲッ卜にしているため、倒産モデ ルならば C は 37 万社で成立するので、広く 120 万社に適用すれば Cap50 値目 ~70% の精度になると推定される。 つまりユニパース数がほぼ同じの TSR倒産モデノレの C ap曲線のやや下側に、再構築モデ、ルの Cap曲線 0 . 7 0 )は高いた が存在すると考えられる。また再構築モデ〉レと CCRモデ ルの倒産格付のスピアマン相関 ( 2 0万社でも Cap50値は 70%程度の精度を有すると推測される。 め、再構築モデルの倒産格付は 1 100 75 田 章植剖産事 丙構築モデ l ( . , ( I20 万U J ‑0ーランダム 司ヨー理想モデル ー凸ー倒産モデ J レ 図 7 CCR ( 3 7万社)の Cap図(左上図) 1 1 5万社)の Cap図(右上図) 図 8 TSR ( 図 9 再構築モデノレ(18 3 9 2 * 2社)の Cap図(左下図) 鴎 ・ 0 (闇値 5% 、倒産企業数:非倒産企業数 =1:1 ) 回 全国客割合 ‑ 2 5 8一

259.

5ふ再構築モデルの説明変数 本研究の倒産モデルは、意図的に小業種区分と小地域区分を採用していなし、。業種や地域を説明変数 に含めると、モデ、ルの精度の向上が見込めるが、これらの要因は景気変動の影響が大きいため、オーバ ーフィッティングが発生する可能性がある。この点は情報ベンダーの倒産モデルも同じである。 再構築モデルと情報ベンダーの倒産モデルは、有効な説明変数の採用に大きな相違がある。「企業照 、TSRのモテールの説明変数に採用されるが、情報ベンダーがこの情報をユーザーに 会回数」は、 TDB 公開しないため、再構築モデルの説明変数に採用できない。「企業照会回数」は、会員から該当企業へ の調査依頼回数であり、該当企業の悪いうわさが広まったときに、複数会員から調査を依頼されるため、 倒産と強し、相聞がある。今回の再構築モデルは有力情報を入手できないため、精度はやや低下する。 逆に TDBや TSRの予測倒産モデ ルは、評点を説明変数に採用していない。評点の説明力が強いため、 モデ、ル全体が引きずられるためである。再構築モデルは、評点を説明変数に採用しないと Cap50値 55 点近くのランダ、ムモデ、ルになる。以上から本研究の再構築モデルは、 企業情報により評点を倒産確率 へ補正変換で、きるモデノレ"と位置付けられる。 5 . 4 .結 論 本研究は、再構築アプローチによる倒産モテールの新しい構築法を紹介した。また本研究と情報ベンダ ーの倒産モデルの比較することで、各モテ守ルの精度や説明変数の有効性を確認で きた。 今回の研究で判明したことは、企業情報のみで、は倒産モデ、/レの精度を情報ベンダーレベノレに達するこ 20万社の予測倒産率は、今後、中小企業の信用リスクの統計的 とが難しい点である。ただし算出した 1 コントロールに利用できる。また倒産格付は Cap50値 70%程度を有することが推定され、ビジネスへ 応用が期待できる。 本研究の倒産モデルは、既に取ヲ l のある企業の商取ヨ l の与信管理や営業のマーケテイングのスクリー ニングに有効である。留意点は ない点"と 調査員が年に一度程度しか調査しないので、現況を表しているわけで 経営者が故意の情報を流せば、調査員はその真実を確かめることが容易でない点"である。 そのため高い精度が要求される与信審査では、倒産率だけでなく信用できる情報や不正のない決算書情 報を多角的に検討する必要がある。 本研究は個人的見解で書かれており,所属する UFJ銀行の意見をあらわすものではありません。ま た本モデ、ノレは研究用に開発されたものです。 6 .参 考 文 献 ・小島将信,木村公平,岩淵勝成,武田信哉,矢内紘之, 企業評価と信用リスク..清文社, 2 0 0 0 2 . 9 9 9 . ・渡辺洋, ベイズ統計学入門..福村出版, 1 ・山下智志,川口昇, 大規模データベースを用いた信用リスク計測の問題点と対策..金融庁研究センター,デ イスカッ、ンョンベー ー , 2003 ノf ・山下智志,敦賀智裕, ) I [口昇, 信用リスクモデ ノレの評価方法に関する考察と比較..金融庁研究センター,ディスカッションぺーパ ‑.2004. ・小野潔,今野浩編集, データマイニング:金融工学辞典.., pp434‑437,朝倉書庖,2 0 0 4 . 円 u︐U 円〆μ RU

260.

口頭論文発表 製造・調査・マーケティング

261.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 SASEnterpriseMinerのパラメトリックモデルにおける パラメータ推定値と期待値の関係について 斎藤和宏 株式会社タクミインフオメーションテクノロジー システム開発部 SAS開 発 グ ル ー プ R e l a t i o n sbetweenParameterEstimatesa n c lE x p e c t e c lValue b a s e c lonParametricM o c l e lwithSASE n t e r p r i s eMiner I くa z u h i r oS a i t o TakumiInfonnationTechnologyC o .,I n c . 要旨 本稿の目的は、回帰分析と N e u r a lNetworkで推定されるパラメータやその組み合わせが、どのような 役割を担っているのかを浮かび上がらせることである。 回帰分析では、 D e v i a t i o nコーデイングと GLMコーデ、イングの遣い、ダミー変数が組み合わされた際の 交互作用項の振舞い、複数推定された傾き、そして複数の切片が推定される順序ロジスティック回 l 局につ いて考察する。また N e u r a lNetworkでは、!vlt 山i l a y e rP e r c e p t r o l l (多層パーセプトロン)や R a d i a lB a s i s F U l l c t i o l l (動径基底関数ネットワーク)が、比較的単純な関数を組み合わせて複雑な回帰曲面を構成してい ることを図示する。 キーワード: ダミー変数期待値の平均順序ロジスティック回帰 N e u r a lNetwork 1 線形モ子、ルのパラメータ推定値 ダミー変数の作成方法によって、パラメータ推定値の意味合いも変わってくる。従ってそれを解釈する のであれば¥ダミー変数とパラメータ推定値によって期待値がどのように構成されているのかを担握す ることは欠かせない。 SASE n t e r p r i s eMinerの回帰分析ノードではダミー変数のコーデ イング法として D e v i a t i o l l (平均からの偏差) 1と GLMが用意されていて、デフォルトが D e v i a t i o nコーデイングとなって いる。 1 .1 G L Mコーデイング GLMコーデ、イングは説明変数の水準数と同じ数のダミー変数を作成する。説明変数 αが 、 ( 1, 2, 3 )の 3 水準のカテゴリ変数である場合、 [Xal : r 'a2 ω]とそれぞれの榊に対応する 3種のダミー変数ベク 'SASjSTATのプロシシヤでは LOGISTICプロシシヤが D e v i a t i o l lコーディングを EFFECTコーデイングとして実装し てレる n ‑ 2 6 3

262.

トルが作成される。そして、水準 1に対するダミー変数が I 1 0 0I となり、水準 2は I 0 1 0I 1 そして水準 3に対するベクトルは [0 0 1 となる。つまり、各水準に対応するダミー変数のみが l ー と なり、他のダミー変数が 0となるように構成される。 1 )のような、説明変数が 3水準のカテゴリ変数が lつだけである場合を考 それでは説明のために、式 ( える。 g ( )はリンク関数である。基本的には、連続変数のターゲ、ツト値の時は恒等関数 ( I d e n t i t y )、2値の ときはロジ、ツト変換などの関数となる。そして、ロジ、スティック回帰では、線形結合が対数オッズスケー ルでの期待値となる。 ) ( EA 唱 η= g(E(Y ) )= so+グα1Xα1+sa2Xa2+グα3Xα3 構成される線形モデルにはデフォルトで切片が含まれる。順序ロジスティック回帰でなければ、通常は 切片に対してパラメータが lつ推定される。パラメータは、例えば、次のように算出される。これはロジス 婦を行った際の結果2である。 ティック回 l Analysis of Maximum Likelihood Estimates Para 血巴 t er Intercept a a a DF 2 3 。 Estimate Standard Error Wald Chi‑square Pr > Chi‑square exp(Est) ‑0.8473 1.6946 1.2528 0.3086 0.4364 0.4226 7.54 15.08 8.79 0.0060 0.0001 0.0030 0.429 5.444 3.500 。 そして GLMコーデ、ィングでは、それぞれのダミー変数に対するパラメータが存在することになるので 合計 4つのパラメータができる。この場合、それぞれの推定値はユニークとはならない。 3ケ所の予測値 を特定するために、冗長な 4パラメータの線形モデルを構成しているため、答えが唯一 lつとはならな い 。 GL l v Iコーディングでは、一番最後の水準に対するパラメータを 0と固定して、その他の水準に対す るパラメータを推定する方法がとられている(図 1 )。従って最後のパラメータ以外は、最後の水準の期待 値から当該水準のそれまでの偏差とみなせるの図 lの水準 lに対するパラメータは、水準 1の期待値から 水準 3の期待値を号│いた値となっている。 : ‑ 1 3 : 日2 β1= 0 :D e v i a t i o nコーデ、イング 図2 図1: GLMコーデイング 2 リンク関数を I d eIlt i t vとして、ロジスティ yク回帰ではなく通常の回帰分析を行った場合には、 Waldx2 統計量ではなく t 統計量が表示される。 ‑ 2 6 4

263.

1 .2 Deviationコ ー デ イ ン グ D e v i a t i o nコーデ、イングは、質的変数に対するパラメータに乞;s i= 0という制約を設けている。これ は p水準ある場合の制約である。そして最後の水準に対応するパラメータが斗= 乞 ?1βz で表されて いる。 また、これに対応させてダミー変数は p‑1個作成される。仔例リ l l えば、 GLMコ一テ、インググ、の時と同じよ うに 37 水 k準の変数 叫 α α ( 三 1, 2, 幻 3)の場合、 Ix M 九 α 叫1 X 主α a 2 Iと 、 2つのダミ一変数が作成さる。そしてそれぞ ) れの水準に対するベクトルは1 ここでは、上記のダミー変数とパラメータを用いた、説明変数が 1つのモデル ( 2 )を考える。 。 + αIXα1+グα2Xα2 η=s o ( 2 ) パラメータは以下のように推定される。この推定には GLMコーデ、イングで推定を行った際のデータが 用いられている。 Analysis of Maxエmu 皿 L ikelュ hood Estユmates DF Parameter Intercept a a 2 Estimate Standard Error ¥ lald Chi‑square Pr > Chi‑square exp(Est) 0.1352 0.7121 0.2703 0.1744 0.2493 0.2412 0.60 8.16 1 .26 0.4384 0.0043 0.2625 1.145 2.038 1 .310 。 。 この時、水準 lの期待値は β +βαl、水準 2の期待値は β0+βα2、そして水準 3は β ‑βαl 一βα2 とな る。このように期待値がパラメータによって構成されるのだが、こういった制約の中で尤度が最大になる ように βが推定される 3。また、ここで各水準の期待値の平均を取ると おとなる。従って、このモデルで t は; 31、品、 ‑sI‑ s 2が、その平均角からの偏差となっている O 各パラメータと一乞とIs iは 、 p水準の 場合にも乞?β;=0という制約があるので、やはり平均からの話離を示す値となる。 . 1 パラメータ推定値に対しての倹定 1 .2 s a l=0 )、(Ho:βα2 =0 )で また、 βαl、広2 に対して P値が算出されるが、その際の帰無仮説は (Ho: ある。このように最後の水準以外は推定値と検定統計量、 P値などが表示されるが、最後の水準に対する 値は表示されない。しかしながら、出力結果に表れる値を用いてそれらを計算することは可能である。 それでは β3の推定値、ポ統計量、 P値を求める。これはロジスティック回帰の場合の算出方法であるのまず 推定値は、パラメータに掛け合わせる係数のベクトルを L =[ ‑ 1‑ 1 ]とすると、 sa3 ω sal‑sa2 = ニ で表される。しかし品 lも sa2も標本から推定された値であるから、必ずしも sa3は母集団の値であると はいえない。そして母集団から抽出した標本をもとに推定される値は、確率変数であると考えられる。特 )を検証することが目 に、この場合は多変量正規分布に従うと仮定されている ω ここでは (Ho:βα3 = 0 的なので、その帰無仮説のもとでの分散を求める。多変量正規分布に従う確率変数の線形結合は正規分 3SASjSTATの LOGISTICプロシジャは、最尤推定の方法としてデフォルトでフイソシャーのスコアリング法を用いてい v l iI le rの回帰分析ノ ドでは、パラメータ数によって自動的に適切な非線形最適化の手法が る。それに対して SASEnterprisel 選択される(デフォルト)。もちろん特定の最適化の手法を選択することも可能である。 phu nhu ηム

264.
[beta]
布に従う確率変数となるが、その分散はパラメータの分散共分散行列 4を用いて LV
L'のように 2次形式
で表すことができる。この場合 StandardErrorはこの値の平方根である。すは s"1 と βα2の分散共分散
行列│マ 1
1 マ1
2

I
である。この分散と、パラメータの線形結合を組み合わせて Waldx2統計量 (
3
)を構

I u1
2 u22 I

成5する。
χ2=

(
L
s
)
'[
L
すL
'
]‑1(
L
s
)

(
3
)

係数ベクトル Lのランクが 1なので、 (
H
o:
s
a
3= 0
)という帰無仮説では自由度 1のが分布になると
{
直となる。各種統計量の
考えられる。そして χ2分布において、ポ統計量よりも大きな値となる確率が PI

算出には

S
A
S
j
I
M
Lの I
M
Lプロシジャが便利である。

proc iml;
*係数ベクトル;
L={‑1‑1};
beta = { 0.7121,0.2703 }
;
*パラメータ推定値のベクトル;
V = { 0.062169 ‑0.0291,‑0.0291 0.058201};
*パラメータの分散共分散行列;
Estimate = L *beta;
*beta3の推定値;
Var = L *V *t(L);
*分散;
StdErr = sqrt( Var )
;
*標準誤差;
ChiSq = t( Estimate ) *inv( Var ) *(Estimate )
; *カイ 2乗統計量;
pValue = 1 ‑ probChi( ChiSq, 1 )
;
*p値 ;
pr工nt Estimate StdErr ChiSq pValue;
本結果をアウトプット;
qu工t;

この結果、 s
a
3は

0.98、 StandardErrorは 0.249、Waldx2は 15.52、P 値は 0.0000815となった。有

意水準 5%
で検定するならば帰無仮説は棄却される。

1
.3 期 待 値 の 平 均 と 交 互 作 用
2水準の変数 α(α=1
,
2
)と 3水準の変数 b(b=1,
2,
3
)、そしてそれらの交互作用項を持つモデル (
4
)を
想定するのダミー変数の作成には Deviationコーディングを用いる。変数 αに対応するダミー変数が Ixα11
であり、変数 bに対応するダミー変数は [Xbl 叫 で あ る 。
η ニ s o +β
α IXα1+βb
lXbl + sb2Xb2+ β
α bllXαlXb
l+ β
α b12XαlXb2

(
4
)

右辺第 5項、第 6項は交互作用項である。そして期待値とダミー変数は (
5
)のように 6パターン作成さ
)11211

(
5
)

A

可

一

叩

つ
&

1よ

AAAAAW
i
RYAμ

‑A1i
n U 1ょ 一 日
U

lI

1i

lo‑‑01

一

‑よ

‑よ
1よ
ol 一
01 一

u
n u ‑ ‑ょ n

1よ

1よ

‑よ
1ょ
1ょ 一 一 一

1ょ

η
α b23

1ょ

η
α b22

1よ

η
α b21

1ょ

η
α bl3

1ょ

η
α bl2

1ょ

η
α bll

‑ A 1ょ

れる。

変数 αが水準 lであるときの期待値は η
α blj(j = 1,
2,
3
)となるが、これらの期待値に対して平均をとる

と変数 b と交互作用項のパラメータが打ち消されて~ ~;=Iηαblj 二 β0+βαl となる。もしも交互作用項
り tラメータの分散共分散行列はオプションで表示可能である。
5これは

Lのランクが 2以上の場合にも使用することのできる汎用的な公式となっている。

‑
2
6
6

265.

が無いとしても同様に so+sal となる。また ( 5 )の η α b2j( j= 1 , 2, 3 )に対しでも同じような計算を行う と、期待値の平均は so‑ sal となり、切片と変数 αのパラメータのみで表される。 β G U v l とな それでは GLMコーデイングではどうなるのだろうか。まず、期待値のパターンは、 η = x る。各行列は以下の通り。 sa21βb 1 グαb21 sab22 sab23 ] 円 n u n u n U 1よ n u U n u n U 1よ 円 U n u n U n U 1よ 円 U n u n u n u Tよ 円 u n u n u n u n U u 円 n U 1よ n u n U Tよ U 1 よ 円 U n U 1よ nU T } αb 23 円 η α b22 u n U 1よ 円 U n U αb 2 1 T } ーよ円 nununU1hA1よ Tよ Tよ 1よ nununU x= ーよ αbl2 T } η α b13 sb3 sabll sab12 sab13 111111 T } αb 1 1 η= I βb2 n u n u n u n u n U 1よ αl n u n u n U 1よ 円 u n U 二 [ 品I s . tβGLM 変数 αの水準が lであるパターンは T}ab1j( j= 1, 2, 3 )の 3つであり、 その平均は ( 6 )となる。 三 = ! v 1 (α 1 ) α η b1j 二 村 1+β +向 )+j(向 11+九12+ 川 ) β0 +sal + b 2 ( 6 ) 更に他の水準に対しでも平均を求めと M=LβGLM となる。 Lは各種平均を算出するためにパラメー タに掛け合わせる係数である。 M()は全ての期待値に対しての平均である。 ーヌbnu' ム ヨd 円UnUIR4 一 l‑6nUI 3nUI 一 2nu ‑大 bnu‑‑31一 2nunu ーヌbI弓d n u n u n u I 一 2 ‑ 文 b lヨυnU 円Ul‑2 円U i 司 nU ーヌbl弓dnu‑‑2nunU ‑ 可 υl弓υl弓υnunUTよ ーヲdl胃dl‑3nU OO 3 1 3 1 3 1よ M(b2) M(b3) 2 n U 1ょ l一 2 1一 2 1一 2 L= 一 ‑ 一 ‑ ‑弓ゐ 1よ nu‑‑21 一 21‑2 A l( b 1 ) 11111 M= M() M(α1) M(α 2 ) このような各種平均を D e v i a t i o nコーデ、イングを用いた場合に対しでも作成すると ( 7 )のようになる。 ( 7 ) ム 'A ペ IJ7A1An4T 1 A a 白 ︑A A A d d 一 UAμ 内 ︐ ︐ ︼ nunununununU nunununununU 可EA M(b2) M(b3) 0 1 ‑nununu M ( b 1 ) 1よ 1よ 1よ 1よ M(α 2 ) ーよ A l ( α 1 ) OGoo‑ ﹂ Goo‑o ﹂ M() ( 7 )の係数行列では交互作用項に掛け合わせる係数が全て 0になっている。 GLMコーディングの各種 平均に比べて簡潔に表せることを確認した。 1 .4 Deviationコ ー デ イ ン グ で 傾 き が 複 数 あ る 場 合 3水準の変数 α と連続値の変数 b 、そしてそれらの交互作用から構成されるモデル ( 8 )を考察する。 . η=β0 +, sal:Tal +グ α 2: 1α 2+βbXb+グ αblXα1 九 + ,α Jb2Xα2Xb ( 8 ) 円〆μ ηー ρnυ

266.

[Xα1 : ra2 1は 3水準のカテゴリ変数に対応するダミー変数、右辺第 5項と 6項は交互作用項である。 これにより以下のように 3つの切片と 3つの傾きを持つモデルが構成される。 i1 可 10 ti 一 一 一 よ ‑ よ ︑‑ t A ﹁l i ‑‑ ti 九一叫ん山一向的一向 じ Ubbb z0 AA AMAh 河内 一 工b J o 寸illli‑‑‑1144 A 巴U l''hupeu ↑ 司自ム ‑hu'hULU ︑ :7; ZZZ 円U 1 i ‑よ 10 一 1 1 │ = [ i Xb 7 1 4 1 4 内 それぞれを Xbで微分すると、変数 bと交互作用項のパラメータのみとなる。そしてこれらの傾きの平 均は、 ふ九月 l ( 9 ) 3 乞~ dXb = f . Jb となる。従って交互作用項のパラメータとその組み合わせ、品川、 sab2、 sabl ‑ sab2は平均角からの偏 差と考えられる。 1 .5 1 I 頃序ロジスティック回帰 順序ロジスティック回帰ではターゲ、ツト変数の水準数 lの切片が作成される。例えばターゲ、ツト変数 が 3水準で、連続値の説明変数が一つの場合には、図 3のように 2本の直線が平行にひかれる。 1 .0 5 / / / / / / / 。 / O .5 / / / / 5 。 o0ヤ 令4 2 cp 守 5 1 5 1 0 5 / 1 0 2 cp 図3 :対数オッズ、スケール 1 5 区)4 複数のシグモイド曲線 そして最尤推定量が次のように出力される ο Ana lysis o f Maximum Likelihood Estエr n a t e s Parameter DF 争 IM 令 IM 十 IM 令 IM Fp ee pupu rr ee IIX nn 3 2 E s t i r n a t e Standard Error Wald Chi‑square Pr > Chi‑square ‑2.9796 ‑0.7736 0.3749 1.2248 0.9939 0.1821 5.92 0.61 4.24 0.0150 0.4364 0.0395 ‑268‑ Standardized Estimate exp(Est) 0.581524 0.051 0.461 1.455

267.

この中で I n t e r c e p t 3と I n t e r c e p t 2が推定されているが、図 3の 2本の直線を構成するために使用され ている。 ( 1 0 )ではそれぞれの切片となっている。 ) n u ‑ ‑ ( l o g(一一一 = I n t e r c e p t 3+βz ljP(12) ¥P ( 3 ) ( P(l) ¥ T..>..... , " ,a I ~ 1= I n t e r c e v t 2+ βz ¥P(2,3 ) ) ‑. . ‑‑ ‑ . ‑,, ‑ ( 1 0 )の右辺に対してロジスティック関数を適用すると図 4のようになる。下の曲線 1( c p 1 )から 0まで の距離がターゲ、ツト変数が 3である確率を表しているが、説明変数の値が増加するにつれて確率が lに近 づいている。上の曲線 2 ( c p 2 )から下の曲線 lまでの距離がターゲット変数が 2である確率である。そし て lから曲線 lまでの距離がターゲット変数が Iである確率となる。 これは説明変数が一つの場合だが、間隔尺度の説明変数が 2つの場合には複数の曲面が作成される。ま た、上記のモデル ( 1 0 )には対数オッズスケールでの直線(図 3 )が平行であるという強い仮定が設けられ ているので注意が必要である。 2 NeuralNetwork 同ーのデータに対して M u l t i l a y e rPerceptron(MLP)、 O r d i n a lR a d i a lB a s i sFunction(ORBF)、 N o r ‑ m a l i z e dR a d i a lB a s i sFunction(NRBF)のモデルを構築した。いずれのモデルも 2つの同じ説明変数を用 いている。そしてそれらのモデルから導出される中間層の曲面と回帰曲面をプロットした。ターゲ、ット変 数は 2値で、リンク関数は実質的にロジ、ット変換である。 2 . 1 MultilayerPerceptron (MLP) } d u l t i l a y e rP e r c e p t r o nは複数のシグモイド曲線の組み合わによって成り立っている。ここでは説明変 1 1 )を想定する。 数が 2つで中間層の素子が 3つのモデ、ル ( <H 2 = tanh(β20+β21Xj +β22X2) l H3 二 ) ‑ (1i IHIニ t a n h( β 1 0+β111: 1+β12X2 ) η=β0+βIHI+β2f h +β3H 3 tanh(s30+β 3 1Xj +β32X2) ( 1 1)は中間層の素子が Hj、fh、H 3の 3つで、それらの活性化関数が H y p e r b o l i cTangentとなってい る。そして、これらの関数がシグモイド曲線を形作っている。中間層の Hj、fh、 H 3は図 5、図 6、図 7 6で表されている。これらは期待値の区間こそ異なるが、ロジスティック回帰のような回帰曲面となって いる。そしてそれらが組み合わせられた回帰曲面が図 8である。図 8の回帰曲面は、線形モデルでは表現 することが難しい局面となっている。しかしながら、中間層の素子数が少ないという要因はあるものの、 回帰曲面が強引に作られているという感じは否めない。また、モデルの普遍性については別途議論しなけ ればならない問題である。 6これらの図は S ASjGRAPHの G : 3Dプロシジャで作成し、 o d sp r i n t e rで P o s tS c r i p t形式で出力し、それをまた変換した ものである。 2 6 9一

268.

図5 :M L P ( l l )の Hl 図6 :M L P ( l l )の H2 h 図 7 :M L P ( l l )の H3 図8 :M L P ( l l )の回帰曲面 2 . 2 O rdinalRadialBasisFu nction(ORBF) ORBFNetw 州通常の動径基底関数ネイトワーク)はベルシェイプのガウス関数の組み合わせで構成 2 )では中間層の Hl、H2、H3かそのガウス関数であり、それらが線形結合されている o される。(1 η =応 叫 司 哨 品 + β 尚 ベ ( ー 1 J : J i~町-ß20 jHl二 位 H2 ) 2+( 日1 2 ) 2 ) ] ~~>i 1 { ( X I‑s2J )2十 ( X 2‑ t (的=町卜品。 {(Xt‑s3I)2+(X2 ゐ ) 21 図 9 :ORBF(12)の Ht 図1 0 :ORBF(12)の H 2 ‑270‑ ( 1 2 )

269.

2・ ORBF(12)の回帰曲面 図 1 図 1 1 : ORBF(12)の H3 H1 、図 1 0、図 1 1に対応し、図 1 2が最終的な回帰曲面となっている。これは N e u r a l 、H2 、H3が図 9 Networkノードの中で「幅の等しくない通常の動径基底関数ネットワーク (ORBFUN)J として扱われて いるモデルである。図 1 2からは、このモデルが局所的な反応に対して敏感に対応しているように見える。 この原因としては、(1 2 )の Hiに対する命。が、それぞれ別々に推定されている点が考えられる。 2 . 3 NormalizedRadialBasisFunction(NRBF) NRBFN e t w o r k (正規化動径基底関数ネットワーク)では、中間層の活性化関数として softmax関数 ( 1 3 )が用いられていると [ 4 ]に書かれている u ρ9) ( 1 3 ) softma巴 1 ' ( の )= ‑ ; : : : : : : : 示 「 ー γ' ke9k この softmax 関数により、任意の説明変数の値で中間層の合計が ε~ softmax( 91 . : )=εfHA:=l とな る。中間層の素子が 3つの場合、 NRBFN etworkは例えば、 ( 1 4 )のようになる。 η=βlHl+s2H2+s3H3 ( 1 4 ) ρ9' H1= softmax( 9 1 )二三トー eYk Lk ' f 1 tT . η山 2= 印 f 2)=JL yλ L . , ke 。 93 = 手 石 H3= 印 ftmax( 9 3 ) ) J [=‑1(β)"+(β ー 9 2=州 (β21~X J) 2+(β22 ~ : 1 '2 ) 2 9 3=β2~ ( s 3 1~ X j ) 2+( s 3 2~ X 2 ) 2~ . ¥ fRBFには多くの種類が用意されているが、これは E nt巴r p r i s e~νIi ner の中で 11慣と高さの等しい正規 化動径基底関数ネットワーク (NRBFEQ)J として扱われているものである。図 1 3、図 1 4、図 1 5が Hl、 、H3に対応している。これらには softm αI関数 ( 1 3 )が用いられていて、 ORBFのそれに比べて複雑 H2 6のように滑らかな回帰曲面が形作られている。 [ . D ] ! 席曲面(図 1 6 )を回帰 な曲面となっている。そして図 1 2 )と比べると、図 1 6の方が局所的な反応に対して穏やかに対応しているように見える。これは 曲面(図 1 9i(i=1, 2、 3 )それぞれに、同ーの 3が使用されていることが原因であると考えられる。 円ノ ηt' 1i

270.

図 1 3 :NRBF(14)の Hl 図 1 4 :NRBF(14)の H2 図 1 5 :NRBF(14)の H3 図 1 6 :NRBF(14)の回帰曲面 「 3 おわりに 線形モデルでは D e v i a t i o nコーデ、イングを用いると期待値の各種平均が簡潔に表現できることを確認し た。トi e u r a lN ・ etworkでは多様な中間層が構成できることを図示した。 特に予測を目的とした場合、線形モデルや N e u r a lNetworkで構築されるモデ、ルはブ、ラックボックスと 擦に本稿を手にとっ して扱われることが多いと思われる。推定値やその組み合わせの意味合いを確認する i て頂けたら幸いである 70 参考文献 [ 1 ] 浜田知久馬 ( 2 0 0 0 )V.8における LOGISTICの機能拡張 SUGI‑J2 0 0 0論文集 P13‑P38 [ 2 ]C a t e g o r i c a lDataA n a l y s i sU s i珂 t h eSASSystem, SecondE d i t i o n [ 3 ]R e f e r e n c eHelp‑E n t e r p r i s eMiner5 . 1 [ 4 ] SASシステムヘルプ [ 5 ] SASI n s t i t u t eI n c .,SAS0凶 neDocRτVersion8,Cary,NC:SASI n s t i t u t eI n c . .1 9 9 9 . 7ご意見、ご感想はこちらまで。 e ‑ m a i l :k a z u h i r o . s a i t o @ t a k u m i ‑ i t . c o . j p ‑272‑

271.

S A S Foru mユ ー ザ 一 会 SASを用いた寄席定席興行の現状分析 坂部裕美子 財団法人統計情報研究開発センター TheS t a t i s t i c a lAnalysisontheFrequencyofPerformers'Appearancei n theProgrammesof. . Y o s e . . TheaterbyUsingSAS YumikoSakabe S t a t i s t i c a lInformationI n s t i t u t ef o rConsultingandAnalysis 要旨 落語の公演を常時行っている「寄席」の興行(特にその出演状況)について、一般人が 持つ情報は非常に少ない。そこで、落語協会 HPにあった 2004年の番組(出演予定者 一覧)データを基に、各演者の年間番組登場回数を SASを用いて集計してみたところ、 この数値には大きな偏りがあった。そこでさらに、この回数と関連があると思われる幾つ かの要素との相聞を分析した。その結果をご紹介する。 キーワード: 寄席、出演者、度数分布、 TTESTプロシジャ、 CORRフ。ロシジャ はじめに 先日襲名披露を終えたこぶ平改メ九代林家王蔵が 3月に行った「襲名披露ノミレー ド」は、延べ 1 4万 5千(後に 1 6万 8千に修正)の観衆動員を記録した前代未聞の大イ ベントで、あった。続く襲名披露興行もかつてない大入りを記録し、これを契機に寄席も大 分活気づいたと聞く。また、 4月からは TBSで「タイガー&ドラゴン」としづ落語を題材に 取ったド ラマの放映が始まり、高視聴率を獲得している。 これらの事象を取り上げ、今、あちこちで「落語がブ ームだ」と言われている。 だが、実際の落語界について一般人が持つ情報は、例えば時として同じ「日本の伝 統芸能」のくくりで語られる歌舞伎などに比べるとはるかに少ない。殊に落語のホームグ ラウンドである寄席の興行状況(ここでは「営業状態」は指さなし、)についてはまさに「知 る人だけが知っている」状態で、「お客さんが隙間なく入るように」と空白を少なくした「寄 席 文 字 Jで書かれた看板も、落語に特段の興味のない一般の人が見れば「何だか聞い たことのない名前の羅列」である。 ‑273‑

272.

しかし、寄席は落語家が常に「基本」として据える場所であり、ここの動きを注意深く見 ていくと、落語界のいろいろなことが分かってくる。そこで、年間を通じた寄席出演者に ついての集計結果を基に、落語家・演芸家を取り囲む世界を概観してみようと思う。 1.寄席の出演者について 東京の落語界には、主な業界団体として「落語協会」と「落語芸術協会」がある 10 落語 家と色物(落語以外の芸。漫才、曲芸、紙切りなど)が所属しており、落語協会は落語家 234名・色物 57名、落語芸術協会は落語家 112名・色物 47名を擁する (2005年 l月 現在)。 落語家には前座・二ツ目・真打としづ階級があり、寄席の出演者として名を連 ねることができるのは真打と二ツ目のみである。そして、このいずれかの会に所属してい ないと原則として寄席には出られない。 都内には現在 4軒の寄席定席(一年中興行を行っている演芸場)があるに興行には 昼の部と夜の部があり、毎月 1 0 日間ごとに出演者が入れ替わる(興行は月初から順に 「上席 JI中席 JI 下席」と呼ばれている)。各部の出演者は総勢 2 0組前後だが、落語が続 くと疲れるので、気分を変えるために 3~4 組に l つほどの割合で色物が入る。 出演者の決め方については、鈴本演芸場の Hpfこ解説があるので号 l 用する。 寄席の番組を決めることを顔付け(かおづけ)と言います。顔付けは落語協会事務所 に、各席の席亭、支配人、協会の事務員さんら六、七人が集まって行われます。ぐや1 1 6 〉落語協会但.11は協会に所属している芸人さんを均等に寄席に出したい、寄席側は実力 人気がありお客様を呼べる芸人さんを使いたい。事務員さんが「ひとつ、この人をここ に・..Jと木札を置く。「いや、うちはいりません」とピシッと札がはねられるといった、シビ アーな状況で番組が出来上がっていきます。たまに「協会の幹部の方は同席するのです か」というご質問を頂きますが、昔は同席していたようですが、現在はこの顔付けに芸人 さんは立ち会うことは出来ません。 (鈴本演芸場HP(寄席の言葉豆知識' ‑ / J猿 付 l すむより) 2 . 番組登場回数の集計 2 . 1全 興 行 数 では、この「寄席の番組」への落語家・演芸家各々の登場回数はどうなっているのか。 実際にこの集計に入る前に、寄席の全番組について概観してみる。 2(ヶ月)x3(上・中・下)x2(昼・夜)x4(演芸 寄席での年間興行数は、計算上は 1 場)で 288だが、粁余曲折を経て現在はこのうち落語協会が 192、落語芸術協会が 96 を受け持つことになっている。本来、「寄席の興行分析」を行うならこの両者の興行を比 較して初めて全体を論じられるところなのだが、このように実際には落語協会が出演者・ r r 国立演芸場」を加えて定席 l ま 5軒とすることも多いが、奥行形態が特殊なため今回は除外した。 l 他に「立川流 J 円楽党」もある。 2 晶 a 円〆臼 可︐ A μ

273.
[beta]
興行数全体の約 3分の 2を占めていること、そして、「落語協会 JHP(http://rakugo‑

.j
p
)には全番組のデジタルデータが掲載されており容易に集計が行えたこと
k
y
o
k
a
i
.
or
から、初めての試み、ということもあり、本稿では落語協会の興行に限定して以降の集
計・分析を行うこととする。(落語協会興行では、 2004年には襲名や真打昇進が 1つも
なく、出演者の偏りが薄れた可能性が高いことも分析には好都合と言える 3

0

)

因みに、昨年の落語協会担当分の興行には、通常の寄席興行を行わず日替わり公
演になったものや改装のための休館も含まれており、これらを除外した実際の定席興行
の数は 170であった。

2
.
2全 演 者 に つ い て の 畳 場 回 数 集 計
では続いて集計に入ろうと思う。

集計は以下の内容を、一部についてはマクロを作

成して行った。
‑
I
Pの「定席呑盤」ページから各寄席の番組一覧をコピーし、 Excelシ
落語協会 I

ート上に貼り付け、図 1のようなデータを作る。
図 1 HPからコピーした番組データ例
5R<
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ご 司忌都 l

‑‑‑‑了

!空の g~T

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4

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L
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1

,
cん僑

2
. 1.には前座・お嚇子(図 lデータでいう上 6名)が含まれるのでこれを削除し、
s
vファイルを作る。
同ーの演芸場ごとに横に l年分繋げた c
3
.2
.を昼・夜各部ごとに SASに読み込み「演芸場名+月+日程+昼夜の別」を名称と
した DSを作る。

4
. 交替枠の処理をし、重みをつけた値を持つ変数を付加する。
※交替出演(複数名が lつの出演枠の中に挙げられ、その中の誰かが出演するとし、うも
の。図 lの各部最初の出演者枠参照)については、元データ 2・
5列目の「交

IJIト

(
3

人以上の場合使用)JI替 LJデータを利用して、 2人交替枠に出演の場合は 0
.
5回
、3
人交替枠の場合には 0
.
3
3
3回…と、交替人数に応じた「重み Jをつけることとした。

3 襲名・昇進披露奥行は、 I
ま1
ま同じメンバ

きたいが、

で各寄席を巡演することになるため。詳しく[ま以降の集計結果を参照頂
部のメンバーにだけ登場回数が 4 回よ乗せされるというのは、かなり大きい。

i
円

p
h
υ

ηL

274.

5 . トリ・仲入り回数集計用の変数を付加する。 ※トリ(各部の最後の出演者)、仲入り(仲入り直前の出演者)は、他の出演者に比べ重要 な役どころなので後で集計したい。そのため、一旦データを逆順に並べ、「直前のデータ がないもの」には t o r i l、「直前のデータが『一仲入り一』であるもの」には n a k aニ lを与えた。 二 6 . 画一的に処理できないものについて手修正する。(トリが交替の場合や、トリの後 に踊りなど、の演し物があって、トリが最終データでない場合) また、正月初席(1 月 1 日 ~10 日の興行)は、前半・後半で番組構成が変わったり、 出演者が変動したりしている。これを考慮して、初席データについては「前半と後半の平 . 7 5。また前 均値」を使用した。(例えば登場回数は前半 2人交替枠、後半 l人枠なら 0 o r iは 0 . 5 ) 半ではトリを取り、後半は取らない場合、初席の t 集計結果は、予想以上に偏ったもので、あった。全 275名/組(真打 168、二ツ目 58、 9 )のうち、回数上位 120名/組について図 2に示す。数が多いため個々の名前 色物 4 は省略したが、表示は網掛けが真打、白が二ツ目、黒ベタは色物である。 l年を通じて の登場回数は、少ない方では 0.333回(つまり 3人交替枠に l度出演しただけ)の 9 名を含む l回未満が 1 3名いる傍らで、最高は 60回で、あった。因みに 0回は 1 6名 い たが、個別に確認したところ体調不良を伝えられている演者も多く、出たくても出られな い事情がありそうである。また、真打より番組登場回数の多い二ツ目が相当数いるのも 興味深い。 図 2 登場回数1lI!iグラフ(上位 1 2 0名/組) 60 50 40 30 20 1 0 。 I 円〆臼 ヴ nhu

275.

2 . 3 落語家と色物の畳場回数比較 前ページの図を見ると、相対的に色物が上位に登場する傾向があるが、これには寄 席の番組構成上必要とされる色物枠の割に、実際の演芸家の数が少ないことが影響し ていると思われる。これを検証するために、平均的な寄席の番組構成を確認してみようと 思う。 、 1年間の全興行の落語・色物別出演枠数集計の結果である。(因みにこ 下の表 lは こでは 2.2集計フ。ログラムの 4に記した「重み Jは考慮していない。)番組構成は演芸場 ごとに差があることがお分かり頂けると思う。この「落語枠」と「色物枠 Jを全演芸場分合 計するとそれぞれ 2079、801となるが、 2004年時点での「真打+二ツ目 J人数・色物組 数でそれぞれを割ると、 1名/組当たりの平均枠数は、落語の 9.199に対し色物では 16.347となる。色物の登場回数が総じて上位に来るのは当然と言える。 表 1 演芸場別番組構成比較 年間輿 行数 年間延べ出演者数 落語 色物 1奥 行 平 均 出演者数 番組中の平 均色物率 (%) 演芸場A 演芸場 B 演芸場C 演芸場D 6 2 3 6 3 6 3 6 644 484 593 358 265 1 9 9 229 1 0 8 1 4 . 6 6 1 8 . 9 7 22.83 1 2 . 9 4 29.15 29.14 2 7 . 8 6 23.18 2 . 4落語家に限定しての集計 全出演者について集計を行ったところ以上のような結果が出たわけだが、登場回数 との関連を窺わせる項目についてより詳細な分析を加えるため、ここからは落語家の 登場回数に限った分析を行ってみようと思う。 2 . 2の集計結果を、落語家分に限定してヒストグラムに表したものが次ページ図 3 である。因みに平均は 8.800、分散は 106.999、そして中央値は 5.000で、あった。と いうことはつまり、寄席興行は毎日行われているにもかかわらず、落語協会所属の落 語家の半分は、年に 50 日以下しか寄席では見られないのである。 3 . 登場回数との関連要因の探索 3 . 1 真打昇進以降の経過年数との関連 さて、「寄席によく出る落語家」には、何か共通の特徴があるのだろうか。考えられる 様々な要因との関連を調べてみようと思う。 まず思いつくのは、とかく「年功序列」と言われるこの世界のこと、「真打に昇進したの が早い人ほど回数が多いのでは Jということではないだろうか。そこで、寄席出演者各人 の入門時期・昇進時期等の情報が掲載されている「寄席演芸年鑑 2004年 版 J(東京か わら版)所収のデータを基に、 12004 真打昇進年(西暦)Jの値を算出し、その値と総登 η f ι ηー つん

276.

図3 番組登場回数 ( 2 0 0 4年)のヒストグラム 120 100 80 き60 40 20 。 o 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 回数(回) 場回数との相聞を調べてみた。しかし、相関係数は 0 . 2 8 3と関連は殆ど、見られなかった。 入り不入りが如実に出る寄席の現場では、年功だけでは優遇されないようである。 3 . 2 トリ回数との関連 2 . 2の項で軽くふれた通り、トリを取る、とし、うのは、その興行で最も重要な役を任され る、ということであり、落語家の側にとっても大変栄誉なこととされている。この「トリ」の回 数、そしてそれに次ぐ重要なポジションで、ある「仲入り」回数を加えた値と総登場回数の 相聞を調べたところ、トリ回数単独との相関係数は 0 . 5 6 9、「トリ+仲入り J回数との相関係 数は 0 . 8 4 5であった(どちらも 1%水準で、有意)。トリを任せられるほど力のある落語家 は、やはり常に寄席で必要とされているようである。 3名おり、この中での 1人当たりの 因みに、 2004年に 1度でもトリを取った落語家は 7 . 3 0 8回である。最高は 7 . 0 0 0回 ( 2名)、最低1.000回 ( 2 9名)だが、 トリ平均回数は 2 実はこの 7回トリを取った落語家の年間番組登場回数は 1 0 . 3 3 3固と 9 . 0 0 0固なので ある。つまりこの方たちは、普段は滅多に寄席に出ないが、出るとなれば一番の要を任 されるという、まさに「落語界の重鎮」であると言えよう。 3 . 3 抜擢昇進との関連 落語に関しての報道で、時折 IX人抜きで、真打昇進」というのを目にすることがある。 この「抜擢昇進」と寄席登場回数とに関連があるのかを調べてみた。まず、上記「寄席 演芸年鑑」を用いて「入門順に並べると自分より上位だが真打昇進順に並べると自分よ 278~

277.

り下位になる人の数 Jをそれぞれについて算出 4し、「抜いた人数」と登場回数との相聞を 調べたところ、相関係数は 0.216と、直接の関連は薄かった。しかし、抜擢昇進したか 否かのみで、グ、ループ分けし、両者について平均の差の検定を行ったところ、 1%水準で、 有意差ありとなった。現時点で最も新しい真打、抜擢昇進だが、彼の昇進に際しては席 亭からの強い推薦があったらしい。寄席の側も、即戦力になりそうな人材はどんどん引き 上げて使う方針のようである。 3 . 4 初席出演の有無との関連 寄席興行には l年に 3回、大規模な「かき入れ時」がある。正月の初席、ゴールデ、ン ウィークの 5月上席、お盆の 8月中席の興行がそれで、この時期だけ寄席の入場料が 変わったりもする(もちろん高くなる)のだが、特に初席興行は「落語界の顔見世興行」と も言える非常に重要な存在である。 2004年の初席出演者は 128名だが、この初席興行 に出たか否かで=グ、ループ分けして平均の差の検定を行ったところ、 1%水準で、有意差あ りとなった。「正月に仕事がないと気分が沈む」としづ落語家さんの話も領ける。 3 . 5 掛け持ち回数との関連 ここまでは回数集計を始める前からある程度関連の存在を予測していた内容なのだ が、さらに lつ、実際にデータ集計を行う過程で、気がついた傾向がある。これまで見てき た通り、そもそも寄席に出る機会自体がごく限られた落語家にしか与えられていないは ずなのに、同時期に開催されている興行に「掛け持ち Jで出演している落語家が相当い るのである。これでは寡占がますます進んでしまいそうである。この「掛け持ち」の頻度と 番組総登場回数の関連を調べてみた。 12.2 で、作った基本 DS に、その興行の『月 ~+W 日程(上席 l 、中席 2 、下席 3) ~を値と して持つ ( 2月上席なら 21、1 1月下席なら 113など)DSごとに独自の名称を持たせた 変数を付け加え、落語家名で merg巴し、異なる変数について同じ値を持つ組み合わせ a k e = lを与え、各落語家に (但し欠損値同士の場合以外)があるケースを抜き出して k 年分の k a k eの合計値を算出する」というプログラムを作成してこの合計値と番 ついて 1 組登場回数の相聞を調べたところ、相関係数は 0.798で、あった(1%水準で、有意)。人 気者が引っ張りだこになるのは世の常であり、当然と言えば当然の帰結ではある。 3 . 6 その他要因との関連 他に、関連のありそうな項目として「真打同時昇進者数」と「所属一門」も考えたのだが、 グループ数が多くなる上これをきれいに集約する方法も見つからず、処理できずにいる。 どちらについても一部のグ?ループは明らかに他と違う値を取っており、関連を解明した し、ところである。 4 この計算方法だと故人及び廃業者が考慮されないので、実際の昇進時の「被き数」とは異なる可能性がある。 5 今年の秋、新真打がさらに 5名誕生の予定。 2 7 9

278.

4 . 2000年データとの比較 落語協会 HP!こは、昨秋の全面リニューアルまで、 HP開設 ( 2000年)以降の番組が全 て掲載されていた。これを保存しておいたデータがあるので、 2000年の番組データを用 3 . 1の いて同様の集計を行ってみたところ、回数上位のメンバーは殆ど変わらなかった ( 分析結果の証左とも言えよう)。しかし、この結果をそれぞれの 2004年の順位・回数と 比較してみると、この聞に真打に昇進した落語家の登場回数が増えていたり、高齢の落 語家・演芸家の出演回数が漸減していたり、新手の色物が登場回数を増やしていたり… といった動きがはっきりと見て取れる。当初はこの比較結果も分析しようと考えていたの だが、基のデータがその存在を忘れられたかのような状態で、公開されていたデータだ、っ たこともあり、一部に著しいデータ不備があったので、ここでは 2年度聞のデータ比較に ついては割愛した。が、出来ることならば、 1990年代、 1980年代のデータなども用いた 長期的な時系列比較を行ってみたいと考えている。 おわりに 実は現在、定席興行は長年の「顔」が消えてしまった状態にある。昨年、最多の 60回 番組に名を連ねた落語家は現在療養中で、今年は初席以降全く寄席に姿を見せてい ない。また、落語家の中で 4番目に登場回数の多かった方は今年 4月、予定されてい たトリ興行を務めることなく急逝された。両師匠が醸し出していたあの空間に浸ることが できない、という事実は残念極まりないのだが、こうなってしまっている以上、今後の番組 頻出者の顔触れは昨年まで、とは異なってくるで、あろう。多数登場者の寡占がさらに進む のか、若手に門戸が広がるのか?データが揃ったらぜひまたこの集計を行って確認した し、と思う。 さて、実際に寄席に行った経験を持つ方は殆どいない、とし、う前提でここまで書いてき たが、そうし、った方で、も理解して頂けそうな、「芸の上手下手」に拘泥しないデータ集計 結果を今回は提示してみた。寄席興行についての一般的な情報が乏しい中、この方面 に興味をお持ちの方にはかなり参考にして頂ける集計になったと思う。本稿では、分析 中には落語家の個人名は一切挙げなかったが、この結果を見て、肝心の「では回数の 多い人は上手で、少ない人は下手だと言えるのか?Jということについて疑問を持たれ た方は、ぜひ上記の「ヒント Jから目ぼしをつけた上で寄席へお運び頂いて、ご自身でお 確かめ頂きたい。 ‑280‑

279.

参考文献 竹内啓監修市川伸一・大橋靖雄・岸本淳司・浜田知久馬著 iSASによるデータ解析入門 第 2版 J(東京大学出版会) 「寄席演芸年鑑 2004年版 J(東京かわら版) 落語協会 H P( h t t p : / / r a k u g o ‑ k y o k a i . o r . j p ) 鈴 木 演 芸 場H P(http://www.rakugo.or.jp) 281‑

280.

S A S Foru mユ ー ザ ー 会 JMPを活用したコンジョイント分析による農産物の消費者評価 一兵庫県の伝統野菜 岩津ネギ'に対する事例ー 0加 藤 雅 宣 ' ・ 有 馬 昌 宏 " ・ 川 向 肇 軸 *兵庫県立農林水産技術総合センター 日兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 AnEvaluationoft h eConsumerP r e f e r e n c e sf o rFarmProducewithC o n j o i n tAnalysisonJMP MasanobuK a t o*/ M a s a h i r oA r ima** / H a j i m eKawamukai** *HyogoP r e f e c t u r a lT e c h n o l o g yC e n t e rf o rA g r i c u l t u r e, F o r e s t r ya n dF i s h e r i e s 日 G r a d u a t eF a c u l t yo fAppI ie dI n f o r m a t i c s,U凶 v e r s i t yo fHyogo 要旨 岩津ネギは,朝来郡(現:朝来市)において産地化されてしも兵庫県を代表する伝統野菜である.これ までは,廃棄処分されていた岩津ネギの規格外品に対する消費者の評価を計量的に把握し,市場販売 の可能性評価ならびに市場化に必要な付与すべき情報の特性を明らかにするために,消費者調査によ る分析を実施した.潜在的な需要動向の明示化に関する方法としては,農産物への適用も蓄積されつ つあるコンジョイント分析を用いた .JMPには,コンジョイント分析が実装されていないが,さまざまな機能 を総合的に利用することでJMP上で、のコンジョイント分析が可能で、ある.本研究では, JMPによる完全プ スクリプトを活用して操作の自動化を目指した一連の ロファイル評定型のコンジョイント分析の方法とJSL 分析過程を紹介する. キーワード: JMP,コンジョイント分析, JSL スクリプト,農産物の消費者評価 1 .はじめに 岩津ネギは,兵庫県朝来郡朝来町(現:朝来市)の地域風土が育んだ兵庫県を代表する特産物であ 9世紀初めにはすでに,生野銀山に隣接している朝来町岩津地区(現:朝来市)で,鉱山労働者の る. 1 冬野菜の供給を目的に栽培が始まっていたと伝わる 1) 岩津ネギは九条太系統種を土寄せ栽培し草丈 85cm以上の根深ネギとして収穫され,葉身部,葉鞘部ともに食し,軟らかさや独特の甘みに特徴があると いわれる 2) 2003年産の朝来郡(現:朝来市)の岩津ネギ栽培面積は約 15haで,主に京阪神市場へ約 1 5 0 tの出荷 が行われている.市場からの引き合いが強く,産地では栽培面積を拡大するために,省力化技術の導入 と生産者数の増員を図っている.一方,面積増加にともない,岩津ネギとしての太さに満たない青ネギタ イプの規格外品の発生も増加し,産地関係者からは有効利用による新たな事業展開が望まれている.そ こで,本研究では,岩津ネギの青ネギタイプに対する消費者の評価を計量的に把握して,需要の存在と 市場商品化に当たって配慮、すべき事項をコンジョイント分析で明らかにすることを試みた 3) 2 8 3

281.

2 .分析の方法 岩津ネギの青ネギタイプに対する消費者の評価を計量的に把握して,需要の存在と市場商品化にあ たって配慮、すべき事項をコンジョイント分析で明らかにするために, 2つの分析を以下の順で行った. 1 )仮想的な青ネギタイプの岩津ネギの有用性を 1人 1人の消費者の評価によって検証するために最小 二乗法による完全プロファイル評定型コン、ジョイント分析(以下,コンジョイント分析とする.)を用いて全 体効用値,部分効用値,重要度を測定する .]MP(こはコンジョイント分析が独立した機能として実装さ れていないが, 分析"メニューの モデルのあてはめヲ〉ら導出された結果を利用して分析を行った4) 2 )個人の購入意向度合を考慮した方法で、シミュレーションを行うことにより,全回答者における岩津ネギ の青ネギタイプの予測選好シェア(以下,シェアとする.)を明らかにする 5) シェアの算出に際しては, スクリプトを作成して計算 テープ.ル"メニューにおける 転置"や 並べ替え"などの機能を活用し, ]SL 処理の自動化を図った. 2 . 1 属性と水準の設定とプロファイル(調査票)の作成 コンジョイント分析を利用して青ネギタイプの岩津ネギの市場商品化評価を行うに当たっては,属性と 形態」と 水準の設定が重要となる.本研究では,研究目的に直接に関係する「販売時の形態 j(以下, I する.)と「価格」を除く属性とその水準に関しては,関係者に対して行った聴取調査結果を踏まえて,消 費者が注目していると考えられる属性を第 1表のように設定した. 「商品説明の表示」とは,岩津ネギの商標や価格の表示にとどまらず,その特徴を他産地のネギと区別 できる説明の表示を指す 6) この属性を選定した背景には,包装資材における「商品説明の表示」の有無 に対する消費者の評価を明らかにし,今後の包装表示のあり方を検討するとし、うねらいがある円. 「軟らかさ」とし、う属性は,岩津ネギの最大の特徴である「とろけるような肉質」を指している.消費者に 聴取調査を行う段階で,消費者が岩津ネギに対して品質面で期待しているのは,特に「軟らかさ」ではな し、かとし、う意見が関係者の間で多く出された.しかし,事前に実施した消費者に対する満足度調査 8)に おいては,必ずしも「軟らかし、」と感じていない消費者が多く見受けられた引.このため「軟らかさ」に対す る評価が商品カに与える影響が大きし叱判断し,この属性を選定した.その水準は,仮想的な意味とし て,個々の消費者が必ず軟らかし立感じる「軟らかさあり」と逆に感じなし、「軟らかさなし」の 2水準とした. 第 1表 評価対象とした岩津ネギの属性、水準、変数名 属性 水準 1 水準 2 商品説明の表示 表示あり 表示なし 変数名 Ao A1 軟らかさ なし あ り So SI 変数名 価格 550円 600円 変数名 P550 P600 販売時の形態 青ネギタイプ 現行タイプ 変数名 To T1 栽培方法 減農薬・減化学 普通栽培 変数名 Mo 加1 1 注 :1 )減農薬・減化学とは減農薬・減化学肥料栽培を示す 2 ) r‑J は水準が存在しないことを示す ‑284 水準 3 650円 P650

282.

「価格」は直売所で販売されている 1kg( 現行タイプで6~10本入り)の価格帯を50 円間隔で3 水準とし, 「形態」は市場出荷のM規格以上の現行タイプ(長さ85cm,太さ1.5cm)と青ネギタイプ(長さ 50cm,太さ0 . 5 cm)の2水準に設定した. 「栽培方法」とは,環境に配慮した栽培か,慣行の普通栽培かを指している .2002年産から化学合成 農薬と化学肥料の双方を慣行の普通栽培から50%減らして生産された岩津ネギが市場出荷されてい る.そこで,栽培方法に対する消費者の評価を得るために,この属性を選定した.水準は,慣行の普通 栽培と普通栽培の半分の減農薬かつ減化学肥料栽培の 2水準を設定した. , 2水準の属性が 4個あることから,それらを組み 以上を要約した第 1表をみると, 3水準の属性が 1個 種類のプロファイルが得られる.回答者にすべてを提示すると回答が難しいので, 合わせると 3x2=48 4 直交表を用いて 8個のプロファイルを作成して回答者に提示した.なお, JMPでは,第 1図に示すように 実験計画"メニューの カスタム計画"を用いて自動的にフ。ロファイルの作成がで、きる 10) また,回答はプ ロファイル問の比較による順序データではなく,第 2図のように絶対的な購入意向を 5段階で示し,各プロ ファイルに対する 1点から 5点までの評定尺度値を疑似的な間隔尺度として収集した.なお,非現実的な プロファイルはなかったので除外,交換などの操作は行わなかった. 2 . 2 調査方法 2003年 1 2月 23日,道の駅『フレッシュ朝来』の農産物直売所において岩津ネギを購入し,調査協力に 応じた消費者 1 2 5人に回答者の属性と購買歴を尋ねる質問も含んだ調査票を配布し,郵送によって回収 7人分の回答(回収率3 7 . 6 % )で,そのうちプロファイルに未記入や欠損値のない 4 4 した.回収できたのは4 人の回答を分析対象データとして使用した E a 幽 幽 回 幽E 函 ・m ー夜力主払計画 ・ .応答 i f因子 痘歪蓮Eヨ(!!ID盟盟圭盛l!lDJ 一一一一一後画一一一一一一一一面 ι の裏ホ 泊予コリ剖'" I & i 肝翫吾百吉一一一一一五享ヨ百五五 In・ 絡 bテ::JIJ t JJ L r ・ i 邑塑里聖一一一泊予コ抽 J~ Inlì軍軍軍司・・・・・1 1J 7:1'.泊 l~ 8干母制鈎霊安竃 . ( = モ デ ル 匡~(g;霊童三日 ~~13謹~1~I!!O)IIløl r一言富一一一一 姐't‑巴 須繍銅鐸一須 必必必 bebeue 一 1 :E a 附 ・晶 証明の 駐車 i 眠阿 値格 E眠薬荷量 刷方塗 i d i ポプシ ン 4 11 ‑計画 :11:・e 属品医明.,~提訴陰らかさ・幡 lli li!目白霊 峰喝方ま ,.し日凶司 奇急手 '週〈曾行〉 あり同四 l l f i ! : :1 S リ 竃週(lIf i l あり日頃司 膏ネ事混血鍵・温世零《附則 3 a 長示なし 運駐車窓し 提示なし 示あり 裏示なし 展示あり 裏呆あり a示あり a a a 7 ・ あり開頃司 11何 ~ISり濁 1111・温化掌《相周〉 なし凹凶司規行 ~ISり温度 11' 迫化掌〈拘別》 : 1 1 : 験 d ) J I " : 省通《慣行》 膏ネギ濁...・温化掌("鵬3 膏牟ギ ・週《宮町3 ‑7f '"記血却して.̲テーブルを伶属する 1 & 復の園量 !匡三霊童国 a行ど I Sり d、 t‑;‑ 予量分極示員当7イ !品開シヨンーー はし田信司 ,.し・四四 あり日凶司 : t i t I J ; $ 1 ' 、ll!パ守主 ' Dl I~ 第 1図 プロファイル作成のためのカスタム計画ダイアログ・ウインドウ ‑285‑

283.

(番号 タイプ (長さ・太さ) 価格 ( lkg当たり) 商品説明 和音方法 軟らかさ 第2図 1) [1つに O印入れてくださし、】 現行どおり ( 8 5 c r n・ 1 .5 c r n ) 絶対購入したい (5点) 600 円 やや購入したい (4点) 表示あり 普通耕吾 ある (3点) どちらでもない どちらかといえば買わない (2点) 絶対買わない (1点) 調査票に用いた質問篠式(伊1 :プロファイル番号 1の場合) 注: 1) 調査票では,① ⑤の説明を加えた. ①番号 1は 1種類の低想的な岩津ネギを表現しています. ②タイプとは,庖頭で販売している形を長さと太さで示します.番号 1の場合,現行どおりです. ③価格は 1kg 当たりの価格です.現行どおりの岩津ネギなら 6~10本の価格です. ④商品説明とは, 1 )3 0 0 年の歴史, 2 )白根から青葉まですべて食べられる, 3 )とろける甘さ, 4 )香 りがある, 5 )調理例,が包装資材などに表示されていることを意味します. ⑤軟らかさとは,お客様が食したときに感じる軟らかさを意味します. 普通栽培」か農薬,化学肥料を半減させた「減農薬・減化学肥料耕苦」かを ⑥耕音方法とは, r 意味します. 2 ) 青ネギタイプの場合は長さ・太さを ( 5 0 c r n・ 0 . 5 c r n ) と表示した. 2 . 3 計測方法 ( 1)コンジョイント分析 コンジョイント分析の用語を用いて分析対象データと分析方法を説明すると,回答者の各プロファイル に対する購入意向度合(第 2図の 5段階購入意向評定尺度値)に対応するのが全体効用値であり,全体 効用値はプロファイルを構成する属性の水準ご、とに推定される部分効用値に分解することがで、きる.本 研究では,全体効用値が部分効用値の線形和で構成される効用関数を仮定している.さらに,各個人の 調査票から得られる各プロファイルの全体効用値が購入意向評定尺度値で、測定されると仮定して,第 1 表に示した変数を用いて,回答者hのプロファイノレi に対する全体効用値 U h iを次の式①に示すように定 式化した. 式① U h i二 Y h i二 s0+s, Ao+s2A, + s3S0+s4 S, + s5 P 5 5 0 +s6 P 6 ∞+s, P 6 5 0 +ssTo+s9T, + sIOMo+s11M, ただし, Y h iは回答者hのプロファイノレi に対する購入意向評定尺度値を表す. コンジョイント分析で、は,回答者ごとの部分効用値 soから sIIを最小二乗法で推定する.ここで,同じ 属性の水準ごとに推定される部分効用値の総和は,ゼロとする制約条件を導入して部分効用値の推定 の水準を確定しており,部分効用値がプラスで大きい値であるほど選好度が高い水準であることを 値 s, 意味することになる. また,どの属性が消費者の購買決定に大きな影響を及ぼすかを示す指標である重要度は,次の式② のように部分効用値のレンジを用いてパーセント(%)で表すことができ,この重要度を用いることで購買 決定に及ぼす影響度の属性間比較が可能になる. :(PMAXl‑PMINJ)X 100 式②lJ=(PMAXJ‑PMINJ)/I ハ h u n x u n〆臼

284.
[beta]
ただし,lJは第J
属性の重要度, PMAXIは第J
属性の最大部分効用値, PMINJは第J
属性の最ノト部
分効用値である.

ここで,部分効用値の算出をJMPで行うには, 分析"メニューから モデ、ノレのあてはめ"を選択し,第 3
図に示すように指定したモデ、ルを実行する.なお,この モデルのあてはめ"で使用したデータテープ、ル
(までに第 1
図に示した 8つのプロファイルに対する 5つの属性
は,第4図に示すように,第 1夢Ijから第 5夢J

の水準が入力されており,第 6列以降に 44人の回答者の対応するプロファイルの購入意向評定尺度値
が入力されている, 8行 49列のマトリックスで、ある.これにより,第 5図に示すように 尺度化した推定値"と
して属性・水準別の部分効用値の推定値が求められる.
(
2
)
予測選好シェアの算出

シェアの算出方法は以下のとおりである.

1
)式①で推定された個人ごとの部分効用値を用いて,組み合わせ可能な 4
8種類のプロファイルについ
て個人別の全体効用値の推定値を求める.
2
)推定値が 4以上(購入意向評定尺度で4の「やや購入したし、」と 5の「絶対購入したしリに相当)の岩津

8点,第 2位に 4
7点、とし、うよう
ネギのプロファイルを個人別に残し,残されたプロファイルの最高順位に4
に,順位の逆順の値(同点時は順位値の平均値)を得点として与える操作を全ての個人について行う.

3)48のプロファイルごとに回答者全員の得点、の合計を計算した上で,このプロファイルごとの合計得点
が全プロファイルで、集計した合計得点に占める割合を求め,この割合をシェアとする.
この方法は,回答者全員が選択対象となっているプロファイルを必ず購入することを前提とする方法と
は異なり,個人の購入意向が考慮可能なので,現実の商品選択に近づく利点、がある.
ところで,シェアの算出を効率よく行うには,個人ごとに推定される部分効用値を転記して第 6図に示
スクリプトを作成し(詳細については第4章で後述人メニューパ
すようなデータテーブルに集約する,]SL

8
ー テープ、ル"機能の 転置"と 並べ替え"を用い,さらには,計算式機能によって組み合わせ可能な 4
種類のプロファイルごとの全体効用値を計算すればよい.最終的には第 7図のようにプロファイルごとに
合計得点が求められる.

置
‑
函
鑑
温
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
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・
・
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41
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285.
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編 集 @ テーフル① 行(8) ~J (Q) 実験計画〈∞E>(Q) 分 析 @ タラフ@ ツ』ル

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コンジョイント分析で用いた回答者の購入意向評定尺度データテーブル

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第 5図

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0.353553
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回答者 1に対して推定された部分効用値

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第 6図

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1 格置の義示あり+鉄らかさ島り+均価格 5
5明 +:顕亮形態現行+:栽培方法鱒別
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3 竺型開モ主 ~J +裁らか掲り+均値格 5
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5
2
5 繕磁の裏示なし+裁らかさあり+虫z価格 6
6岬司+頒亮担当程現行+:栽培方法格別
9
3
1
3
0
6
.
5
48
1
3 縛徹の表示あり+.歓らかさなし+~価格 55叫司+務実影径現行+:銭培方ま格別
6
4
6
.
5
2
0
5
.
5
4
3
.
5
7
鰐徹の表示あり+裁らかさあり+~値格6氏問+ :販売形態脊ヰギ+:結培方ま鰐別
6
3
2
2
.
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0
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29.
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26
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2.
5
0 5
.
25
4
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第 7図

シェア算出用データテーブル

‑288

286.

第 2表回答者の属性 自 性男性 女性 j J J I不明 居兵庫県 住大阪府 地その他 30歳 「 ( 4 . 5 ) 2 7 ( 15 . 9 ) 1 ( 2 . 3 ) 7 ( 1 5 . 9 ) 2 ( 4 . 5 ) ( 2 . 3 ) 2 2 . 7 ) 1 0 ( 40扇 代 ( 2 . 3 ) ( 9 . 1 ) 4 (‑ ) ( 11 .4 ) 5 (‑ ) (‑ ) ( 1 1 .4 ) 5 50歳 代 ( 1 3 . 6 ) 6 2 2 . 7 ) 1 0 ( (‑ ) ( 2 5 . 0 ) 1 1 ( 1 1 .4 ) 5 (‑ ) 3 6 . 4 ) 1 6 ( 全体 注:1 ) ( )内の数値は合計に対する権成比率を不す. 2 )r ー」は回答がなかったことを示す. 0.86 1 .00 0.63 77.2 52.1 76.0 76.9 9.6 11 .7 注:相関係数はピアソンの積率相関係数である 60歳 代 ( 11 .4 ) 5 ( 1 3 . 6 ) 6 9 2 1 1 、 寸 (一) 2 ( 2 0 . 5 ) ( 4 . 5 ) (‑ ) ( 2 5 . 0 ) 2 2 一 通 ‑ 旬 月 (‑ ) ( 4 . 5 ) (‑ ) (‑ ) ( 4 . 5 ) ( 4 . 5 ) ・/ , . 、 、, 合計 1 4 2 7 3 32 9 3 44 J ( 31 .8 ) ( 61 .4 ) ( 6 . 8 ) ( 7 2 . 7 ) ( 2 0 . 5 ) ( 6 . 8 ) ( 1 0 0 . 0 ) 霊4塞 回答重金星のプロファイルランキング 順位 商 品 説 明 軟 ら か さ 販 売 形 態 価格栽培方法合計得点 1位表示あり 現行どおり 550円 減農減化 1563.5 あ り 2位表示あり 現行どおり 550円 普通栽府 1507.0 あ り 3位表示あり 5 5 0円 減農減化 9 9 0 . 0 育ネギ あ り 現行どおり 600円 減農減化 952.5 4位表示あり あ り 現行どおり 550円 減農減化 931 .0 5位表示なし あ り 6位表示あり 現行どおり 550円 減農減化 646.5 なし 6 0 0円 減農減化 6 3 2 . 0 7位表示あり あ り 育ネギ 現行どおり 550円 普通栽倍 603.5 8位表示なし あ り 日 位 表示なし 現行どおり 600円 減農減化 551 .5 あ り .0 現行どおり 650円 減農減化 541 1 0位表示あり あ り J 4 8位表示あり なし 育ネギ 650円普通栽培 注 減農減化とは減農薬・減化学肥料栽培を示す. 0 . 0 3 .分析結果および考察 3 . 1 回答者の属性と購買歴 .8%を占め,年齢別にみると 50歳 回答者の属性は,第 2表に示すとおりである.男性は総回答者の 31 以上 ( 5 0歳代と 60歳代)カ '78.6%であり, 20歳代の回答はなかった.女性は総回答者の 61 .4%を占め, 50 歳 代 が 37.0%,3 0歳 代 が 25.9%,60歳 代 が 22.2%と続くが,男性と同様に 20歳代の回答者はなかった. 回答者の購買歴は, 1 初めて購入する」が 1 8 . 2 %,1 購入歴 1~3年」が 20.5% , 1 購 入 歴5 年 以 上J I J ' 5 6 . 8 % であった. 3 . 2 コンジョイント分析結果 式①により,各回答者の部分効用値を最小二乗法によって推定し,各属性の重要度の平均値,最大 値,最小値,変動係数を要約して第 3表に示した.さらに,分析結果の妥当性を検証する指標として決定 係 数R2ならびに式①により算出された予測効用値と実際のプロファイルに付けられた購入意向評定尺度 . 6 3および 0 . 6 9と低い値の回答者がそれぞれ 1人しもが,決定係 値との相関係数も示した.相関係数は 0 . 7以上で、モデ、/レの適合は良かったといえる. 数は共に0 各属性の重要度の平均値をみると, 1 価格」と「軟らかさ」が相対的に大きな値を示しているが,変動係 数も大きく,回答者間で、のバラツキが内在している.しかし, 1 価格」は他の属性と比較すると回答者間の バラツキが小さいとしづ特徴がみられる. 3 . 3 予測選好シェア算出による考察 シェアの算出方法は,すでに示したとおりである.個々の回答者の購入意向を示すプロファイル数(推 定された全体効用値が 4以上のプロファイルの数)をみると,最大保持数は 3 4枚である.最小保持数は 0 枚で,その回答者は非購入者であると判定される.平均すると 1人 が 4 8枚のプロファイル中約 8枚 の 購 入 ‑289

287.

第 5表個別選好による購入したい岩津ネギの形態別・栽培方法別シェア 単位:% 形態 減農薬・減化学 現行タイプ 青ネギタイプ 合計 I43.8 I23.4 I67.2 メ 〉 、 三L 普通栽溶 ( 6 3 .7 ) I2 5 . 0 ( 7 5 . 0 ) I7 . 8 I32.8 ロ ロl ( 3 6 . 3 ) I6 8 . 8 ( 2 5 . 0 ) I31 .2 I100.0 ( 1 0 0 . 0 ) ( 1 0 0 . 0 ) 注: 1 )減農薬・減化学とは減農薬・減化学栽培を示す 2 ) ( )内の数値は,現行タイプと青ネギタイプ,それぞれの栽培方法 j j l Jシェアを示している 第 6表現行タイプに対する青ネギタイプの価格・商品説明の表示別のシェア )σ‑ b‑ 円 一 ' u u ‑ ︐ J ' ‑ (‑ 格 一 価一類 の一種 プ一の イ一プ タ一イ ギ一タ ネ一行 青一現 単位:% 650円 I 表示あり 普通栽培・表示あり I .0 青ネギの種類 IO v. v 普通栽溶・表示なし I O .0 注 600円 表示なし│表示あり 表示なし│表示あり O .0 I I28.7 58.0 O .0 I8 .2 2 3 .6 v. V 表示なし 78.9 65.2 1) 現行タイプの種類の表示ありは f 商品説明の表示あり J.表示なしは f 商品説明の表示なし j を意味する 2) 現行タイプの価格は,種類にかかわらず 6 0 0円/ k gに固定している 意向を示すプロファイルを保持していた.各個人が購入意向を示すプロファイルのなかで,全体効用値 が高い順に 48,47,46・・・・と得点を付けて,同一プロファイルご、とに 44人の回答者の得点(当該プロファ イルを購入しない回答者の得点は 0となる)を合計して合計得点、を求めた結果が第4表である.市場で消 費者に受け入れられるかどうかを、ンミュレーションしたい複数のプロファイル群ごとに得点を合計して,そ れらの合計得点を分母として求めた当該プロファイル群の得点の比率を本研究では予測選好シェア(シ ェアと略記)と定義して使用している. 青ネギタイプの岩津ネギの市場商品化の可能性を検証することを目的とする本研究では,シェアを算 出して比較すべき属性は「販売形態」の青ネギタイプと現行タイプであるが,実際の販売事例に従い, 「栽培方法」の違しも考慮に入れてシェアの算出を試みた.第 5表にその結果を示す.シェアは,現行タ .2% で,現行タイプに対しておおよそ 7対 3の割合で青ネギタイプも選好さ イプが 68.8%,青ネギタイプが 31 れ,購買されうることが確認できた.また, ["栽培方法」別のシェアもほぼ同様の割合で、減農薬かっ減化学 5 . 0 %,青ネギタイ 肥料栽培への選好が確認できた.注目すべき点は,現行タイプで、普通栽培の、ンェアが 2 プで減農薬かっ減化学肥料栽培の、ンェアが 23.4%で,互いに接近していることである.そして,減農薬か っ減化学肥料栽培は,現行タイプの岩津ネギの中で、63.7%の、ンェアを占めるのに対して,青ネギタイプで は 75.0%を占め,青ネギタイプで、の減農薬かっ減化学肥料栽培への選好が現行タイプで、の選好以上に 高いことが明らかになった.言い換えると,減農薬かっ減化学肥料栽培の岩津ネギが普通栽培と同様に 潤沢にあれば,需要量の約 7割は減農薬かっ減化学肥料栽培に向き,普通栽培の青ネギタイプは 1割 に満たない、ンェアとなることが予測された. 3. 4 予測選好シェアによる市場商品化に向けてのシミュレーション 現行タイプと比較して,青ネギタイプでは減農薬かっ減化学肥料栽培により高い需要があり,青ネギタ イプの普通栽培で、は全体で' 7 . 8 %の、ンェアしかないことが確認できた.これは,青ネギタイプを市場商品 化するに当たっては減農薬かっ減化学肥料栽培が必要条件であることを意味していると考えられる.し かし,減農薬かっ減化学肥料栽培の岩津ネギは安定生産への栽培上の課題が多いことにより, 2003年 2 9 0

288.

産では生産量の約 1 6 %に過ぎない.さらに, ~フレッシュ朝来J で、は,栽培方法を区別しての販売はされて おらず,すべて普通栽培のものである.そこで,より現実的な視点、から,岩津ネギの青ネギタイプが販売 されたときのシェアのシミュレーションを行ってみた. 栽培方法」は普通栽培を シミュレーションでは,岩津ネギ以外のネギは販売されていないと仮定し, I 商品説明の表示」の有無と「価格」の水準を変化させて,シェアに及ぼす影響をみた.なお, 前提とし, I 0 0円とした. 比較する現行タイプの「価格」は「商品説明の表示」の有無にかかわらず lkg当たり 6 商 シミュレーションの結果を第 6表に示す.青ネギタイプが現行タイプよりも高価格な 650円であれば, I 品説明の表示」の有無に関係なく,青ネギタイプへの需要は発生しなかった.価格が現行タイプと同価 0 0円で「商品説明の表示」の条件が同じならば,表示ありで青ネギタイプが 2 8 . 7 %,表示なしで 2 3 . 6 % 格の 6 のシェアで、あった.現行タイプと異なる条件の場合,現行タイプに商品説明の表示がなく,青ネギタイプ 8 . 0 %と6割近くの、ンェアを獲得する.逆に,現行タイプに商品 に表示があれば,青ネギタイプの、ンェアは 5 . 2 %となる.次に,青ネギタ 説明の表示があり,青ネギタイプに表示がない場合,青ネギタイプのシェアは 8 5 0円で,商品説明の表示の条件が同じならば,表示ありで青ネ イプの価格が現行タイプよりも低価格の 5 8 . 0 %,表示なしで、 6 5 . 2 %のシェアで、あった.現行タイプと異なる条件の場合,現行タイプに商 ギタイプが 4 8 . 9 %と約 8 品説明の表示がなく,青ネギタイプには商品説明の表示があれば,青ネギタイプのシェアが 7 割の、ンェアを獲得する.逆に,現行タイプに商品説明の表示があり,青ネギタイプにない場合,青ネギタ 5 . 3 %となる. イプの、ンェアは 3 各回答者の選好データに基づいて青ネギタイプに対するシェアを算出した結果,平均 31.別であること 8 . 9 %から最小 0%に変化する.青ネギタイ が明らかになった.青ネギタイプのシェアは,条件によって最大 7 プのシェアを押し上げる要因は,①現行タイプよりも低い価格設定,②減農薬かっ減化学肥料栽培,③ 商品説明の表示」が「なし」から「あ 商品説明表示の 3つの要因で、ある.現行タイプと同価格の場合でも, I から 3 5ポイント拡大するので,青ネギタイプに対して商品説明を表示する影響は り」に変わるとシェアが 20 非常に大きし吃考えられる. 3 . 5 小括 本稿では,産地関係者に岩津ネギとして認識されていない青ネギタイプの生産・販売戦略の構築を促 す根拠として,仮想的なプロファイル群に対する消費者の選好評価をJMPによるコン、ジョイント分析で解 析して示した.その結果,消費者の岩津ネギの青ネギタイプへの選好の存在が確認され,市場出荷用の 価格」や「栽培方法」と同様に購入意向 包装紙では 2004年産から除かれている「商品説明の表示」が, I に影響を及ぼす要因として重要であることが明らかとなった.また,品質面では「軟らかさ」にこだわる消 費者の存在も明らかとなり,岩津ネギの優良系統の選抜と採種事業による「軟らかな」岩津ネギの生産拡 大の意義も明らかとなった. しかしながら,本稿では残された課題がある.本研究では,属性としての「商品説明の表示」に関して 説明内容を細分化せずに一括して設定したため,具体的に被験者が説明内容の何を評価しているかを 明確にしていない.今後は,消費者の選好度の高い表示内容を調査する必要がある.また,本研究では 青ネギタイプの需要予測をシェアのシミュレーションとしづ形で行ったものの,実際の販売場面での検証 岩津青ねぎ」や「岩津小 を行っていない.青ネギタイプの岩津ネギの市場商品化を図るに当たっては, I ねぎ」とし、った新しい商標の考案とともに,青ネギタイプを加えた岩津ネギの販売実験,さらにはサンプル 'EA nυ 凶 ηL

289.

数の確保や調査実施場所などにも配慮した上で他産地のネギも加えた中での岩津ネギの購入意向に関 する消費者調査を実施し,予測と実測との比較を行う実証研究が不可欠とし、える. 4 .JSL スクリプトによるコンジョイント分析の処理 4 . 1 JSL スクリプトの作成による分析過程の効率化 本研究で]MPを利用してコンジョイント分析を実施するには,以下の手順が必要となる. 1 )第4図に示したような,第 2節で 実験計画"メニューの カスタム計画"(第 1図を参照のこと)を利用して 作成した 8枚のプロファイルに対する 44名の回答者の購入意向を示した評定尺度値データテープ、ル ( 8行 44列)を用意する. 2 )第4図の 44名の回答者の購入意向を示した評定尺度値データテーブルを用いて,回答者 1から回答 者 44 までを対象に,第 3図に示す モデ、ルのあてはめ"を 44回にわたって順次適用して,最小二乗法 で個人別の部分効用値の推定値を求める.各回答者の部分効用値の推定値は,第 9図の 尺度化し た推定値"の欄に出力される. 3)44 名の回答者ごとに求められた 尺度化した推定値"の欄の値を転記入力して,第 6図に示したような 44行 1 2列の部分効用値データテープ、ルを作成する. 4 )式①に対応するように,切片に相当する部分は常 i こ1,5つの属性の個々の水準のうちの 1つだ、けが 値 1をとり,残りの水準は値 0で表現される, 4 8のプロファイルを表現する 1 2行 4 8列のプロファイルデ、ー タテープ、ルを作成する. 5 )部分効用値データテープ、ルとプロファイルデータテープ、ルとの間で、行列の掛け算を行い,求められた 44 行4 8列のデータテープ、ルを転置して, 4 8行 4 4列の全体効用値データテーブルを作成する. 6 )全体効用値データテーブルの個々の列に関して, 4 8のプロファイルに対する全体効用値を昇順に並 べ替え,対応するプロファイルに順位(同順の場合は順位の平均)を得点として与え,さらに全体効用 値が 4未満のプロファイルの得点、は 0とした上で,もとのプロファイルの順に得点を並べ替え直し,第 7 図に示したようなシェア算出用データテープ、ルを作成する. このような作業を実施するには,基本的に同じ内容の処理を回答者数に相当する回数だけ繰り返す 必要があり,作業が面倒であるとともに大変となる.そこで,第4図のような個々の回答者の回答から構成 されるデータテーブ、ルに モデルのあてはめ"を適用して第 6図に示したような個人別部分効用値データ スクリプトを作成した. テーブルが自動的に作成されるようなJSL 4 . 2 JSL スクリプトの解説 前述の 4 . 1の作業の中で,最も手聞がかかる 2 )及び 3 )の作業を自動化し,ミスを削減するために作成し スクリプトを次ページ以降に示し,記述内容を解説する. たJSL 回答者がn( n2 ;2 )人の場合,第4図の回答者の購入意向評定尺度データテープ、/レに モデルのあて はめ"を適用して部分効用値の推定値(第 9図の 尺度化した推定値つを求める作業をn回繰り返した上 で,第 6図に示すような部分効用値データテーブルを作成するための' ] S Lスクリプトは, 1 )回答者 1用の部 分効用値の推定値を取得するスクリプト, 2 )それ以外の回答者用の部分効用値の推定値を取得するスク )のスクリプトで作成された部分効用値行列をデータテーブルに保存して転置するスク リプト, 3)1)および2 リプトの 3種類が必要である. ‑292‑

290.
[beta]
1
* 回答者 1 *
1
MDL=モデ ノレのあてはめ (
y
( :回答者1),効果(:商品説明の表示軟らかさ, .価格,・販売形態,

:栽培方法),手法(標準最小 2乗),強調点(要因のスクリーニング ),モデルの実行(プロファイル(1,項
の値(商品説明の表示("表示あり 1 軟らかさ("なし 1 価格("550円1 販売形態c'現行どおり"),
栽培方法c'減農薬

減化学"))), :回答者 lくく{尺度化した推定値 (
1
)
}
)
)
;

COL=(MDL
く repo円)["尺度化した推定値", ColumnBoxC尺度化した推定値")];
TokutenニCOLく GetAs M
a
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r
i
x
:
MDLく C
l
o
s
eWindowO;
Win=WindowCモデ、ルのあてはめ");
Winく C
l
o
s
eWindowO;

1
* 回答者 2 キ/
MDL
ニモデ、ノレのあてはめ (
y
( :回答者 2 ),効果( :商品説明の表示, .軟らかさ価格, .販売形態,

、
2乗),強調点(要因のスクリーニング),モデルの実行(プロファイル(1,項
:栽培方法入手法(標準最ノl
の値(商品説明の表示("表示あり 1 軟らかさ("なし"),価格("55
0円 N
),販売形態("現行どおり 1
栽培方法c'減農薬

減化学勺)), :回答者 2 くく{尺度化した推定値(l)}));

COL=(MDLく r
e
p
o円)["尺度化した推定値", Column B
o
x
(
"尺度化した推定値")];
TokutenOニ Tokuten・
Tokuten=COLく GetAs M
a
t
r
i
x
;
Tokuten=Concat(TokutenO,
Tokuten)

く CloseWindowO;
MDL
Win=Window("モデルのあてはめ勺,
Winく C
l
o
s
eWindowO;

《 以降,回答者番号を除いて同一内容のスクリプトであるので省略

/
キ

回答者 n

》

*
1

MDL=モデルのあてはめ (
y
( :回答者 n),効果(商品説明の表示,ー軟らかさ, .価格, .販売形態,
1,項
:栽培方法),手法(標準最小2乗),強調点(要因のスクリーニング),モデルの実行(プロファイル(

の値(商品説明の表示c'表示あり"),軟らかさ Cなし"),価格("550円 1 販売形態("現行どおり 1
栽培方法("減農薬

減化学"))), :回答者n くく{尺度化した推定値(
1
)
}
)
)
;

くr
e
p
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t
)
[
"尺度化した推定値ぺ Column B
o
x
(
"尺度化した推定値勺];
COL=(MDL
TokutenO=Tokuten;
Tokuten=COL
く GetAs M
a
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r
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x
;
Tokuten=Concat(Tokuten0,
T
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)
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eWindowO;
MDLく C
)
;
Win=WindowCモデルのあてはめ N

Win((Close WindowO;

/キデータテープ、ルへ保存

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第 8図

JSLによるスクリプトのプログラムリスト

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第 9図

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モデルのあてはめ"の結果表示されるダイアログ

各回答者に共通する MDLから始まる行では, モデ、/レのあてはめ"により得られる最小二乗法での推
定結果のダイアログ(第 9図)において表示されてしも計算結果の内容を MDしとし、う変数に代入してい
の モデ、/レのあてはめ"を実行して表示されたダイアログ
る.MDL=の右側部分は,通常の操作でJMP

P

(
第 4図)において スクリプトの保存"を行い,その結果として保存された]SL
スクリプトの内容をそのまま
利用している.
次の行は, COしとし、う変数に,スクリプトを用いて第 9図のダイアログの点線で固まれた部分の値を代
入しているが, COL=の右側部分は, モデルのあてはめ"により最小二乗法で、推定される部分効用値

J
S
Lスクリ
に当たる 尺度化した推定値"(
第 9図のダイアログの点線で固まれた部分)を参照するための'
プトである.
くG
etAs M
a
t
r
i
x
;で、は,変数 c
ouこ代入された数値(尺度化した推定値)を列
続く行の Tokuten=COLく

ベクトル(行列形式)としてTokutenev、う名前の変数に代入(保存)している.
最後の 3行は,開いたままのダイアログ・ウインドウを閉じるためのスクリプトである.まず,各回答者のス
くC
loseWindowO;によって,第 9図に示されるウインドウを閉じている.次の
クリプト中にも含まれる MDLく

Win=WindowC'モデルのあてはめ");では,第 3図に示される モデルのあてはめ"のダイアログ・ウインドウ

をWinとしウ名前の変数に代入して特定している.その上で,最後にそのダ、イアログ・ウインドウを閉じるた
くC
l
o
s
eWindowO;としづ行を加えている.
めに Winく

スクリプトは,回答者 1に対しての'
J
S
L
スクリプトとほぼ同じ
回答者 1以外の残りの回答者についての jSL
T
o
k
u
t
e
n
)
;の2つの行が回答者 1用のス
内容であるが, TokutenO=Tokuten;とTokuten=Concat(TokutenO,

クリプトに付け加えられている.TokutenO=Tokuten;で、は,回答者 1用のスクリプトの実行以降,このスクリ
プト行が実行されるまでに蓄積されてきた 尺度化した推定値"(回答者 1用のスクリプト実行後は列ベクト
ルで、あるが, 2番目以降の回答者用のスクリプトが実行されていくと次々に 2番目以降の回答者の 尺度

‑
2
9
4一

292.

化した推定値"の列ベクトルが後ろに追加されて行列になる.) を TokutenOとしづ名前の変数に代入して いる.次の Tokuten=COLく GetAs M a t r i x ;で、は,前述のとおり,直前の MDLで始まるスクリプト行で取り 出された 尺度化した推定値"を列ベクトルとして Tokuten品、う名前の変数に代入している.その上で, To k u t e n ) ;で,これまでに処理をしてきた回答者の 尺度化した推定 続く行の Tokuten=Concat(TokutenO, 値"を蓄積してきた行列で、ある TokutenOの後ろの列に新たに計算された 尺度化した推定値"を連結して Tokutenlこ改めて保存する操作を行っている. プログラムリストの最後の 2行では,全回答者の 尺度化した推定値"が保存されている Tokuten内の行 列を新しいデータテーブノレ PwfMatrix"に格納した上で,このデータテープツレの転置行列を求めて第 6 図に示すような個人別部分効用値データテープ、ルを作成するとしづ操作を行っている. e tM a t r i x( T o k u t e n ) ) ;によって Tokuten内の行列のデー 具体的には, New Table (乍wfMatrix" ,S タが転記された pwf M a t r i x "としづ名前のデータテーブルを新規作成している.このデータテーブルを, DataTable(乍 wfMatrix") くく転置(列 (:~ljl ,:列 2 ,:列 3 , :~JJ4 ,:列 5 ,・・・・・,.ヲJJn)) 品、うスクリプトで転置さ せて,第 6図のように解析しやすい行と列を入れ替えたデータテープツレを作成している. この]SLスクリプトの作成に当たって,当初は回答者 2用のスクリプトを回答者総数分だけコピーアンド ペーストし,第 8図の]SLスクリプト内の下線を付した数字部分を個別に修正してして方法で作成した.し かしながら,この方法は非効率的で作業途中でのミスが発生しやすい.そこで、,第 8図の]SLスクリプト内 の下線を付した数字部分( 回答者 2";0も 回答者 n.F(の数字の部分)だけを変更しなければならなし、こと に着目して,その変更作業を自動的に行うプログ、ラムを ExcelのVBAの機能を用いて作成した.具体的な VBAによる, ]SLスクリプトの作成のためのプログ、ラムリストと作成の具体的方法を付録に示すので、参考 にされたい. 5 .おわりに 従来,コンジョイン卜分析に際しては, l)SASのt r a n s r e gプロシジャの利用, 2)SPSS japan I n c .が販売し ているコンジョイント分析用のオプション (SPSS C o n j o i n t )の利用, 3 ) 株式会社エスミが販売している Excel のVBAで、かかれたノ fッケージ (EXCELコンジョイン卜分析/AHPVerl .O )の利用,などで分析が行われる のが一般的であった.しかし,価格や操作性や処理できるデータ量などの面でそれぞれ一長一短がある 中で,コスト・パフォーマンスが高く,非常に優れたデータ分析能力を持っているjMPを活用してコン、ジョイ ント分析が容易に実現できれば,一般の利用者に対して大いなる福音がもたらされることになる. このような考えから,本稿では, ]MPの“実験計画"メニューの“カスタム計画"~“分析"メニューの“モテ子 ルのあてはめ"の最小二乗法を利用することによって,新製品開発などのコンセプトの最適な組み合わせ の評価ができる完全プロファイル評定型コンジョイント分析が比較的容易に実現可能であることを示し, 岩津ネギの市場商品化に関する調査データを用いて実証を行った.さらに,市場商品化の可能性を具 体的に検証するための予測選好シェアによる解析作業を効率的にすすめるために,これまで、あまり適用 事例の紹介される機会がなかったjSLスクリプトの活用を考え, ]SLスクリプトの活用方法を示すとともに, M i c r o s o t t f 土の Excelを利用してjSLスクリプトを効率的に発生させるVBAプログラムも開発した 11) jMPでコンジョイン卜分析を簡便に実施してしてには,本稿で示したタイプ(完全プロファイル評定型)以 外のタイプのコンジョイン卜分析への対応や']SLスクリプトのさらなる活用など,さらに工夫が必要になる にd n吋U ワ 臼

293.

が,本稿でのコン、ジョイント分析の実行例がコンジョイント分析や' J S Lスクリプトの活用を目指しておられる ユーザー会の会員諸氏の研究や業務に役立てば幸甚である. 謝辞 調査に際して,回答者の皆様には貴重な時間を割いて調査に協力して頂いた.道の駅『フレッシュ朝 来』の池野雅視支配人には,調査の実施に当たって格別の配慮を頂いた.また,兵庫県和田山農業改 良普及センター吉川 l 玖仁子普及員,西川 l 毅普及員(現:兵庫県宝塚農業改良普及センター)には休日 にも係わらず調査に協力頂いた.この場を借りて,厚く御礼申し上げる. 脚注 1 )岩本 [ l Jによる. 2 )兵庫県立農業試験場 [ 7 J,p p. 45 ‑ 4 6による. 3 )詳細は加藤・有馬 [ 4 Jを参照されたい. 4)) 1 1向 [ 5 Jを参考にした. 5 )片平 [ 3 Jは r 電子レンジ,オープンに対する選好の測定と市場の分析 J( p p . 1 5 5 ‑ 1 6 6 )において,予測 選好、ンェアの算出方法について触れている.また,代 [ 6 Jは,予測選好シェアをマインド・シェアと呼び, 算出方法を詳細に示してしも. 6 )この表示は,市場出荷用の岩津ネギ包装資材の下部に,① 300年の伝統の味覚であること,②白根か ら葉まで,すべて食べられること,③とろけるような肉質で甘みと香りが有ること,④鍋物,焼きネギ,ぬた, 9 9 2年産から 2 0 0 3年産まで印制されていた .2004年産からは,岩津ネギσ コブラ 串焼きなどの調理事例が 1 ンドが消費者に浸透したと判断されたため,デザインが変更され商品説明の表示は除かれている. 7 )道の駅『フレツ、ンュ朝来』の農産物直売所で、は,商標名,価格,生産者名が包装資材に添付されて販 売されている.脚注 6 )の① ④の内容を含めた商品説明は販売場所にポスターなどで掲示されている. 8 )品質面に関する消費者調査は,筆者の一人で、ある加藤が 2 0 0 2年と 2003年に道の駅『フレッシュ朝来』 にて岩津ネギ購入者 9 2人 ( 2 0 0 2年 45人 , 2003年 4 7人)に対して実施した r 軟らかさ」に満足していない 2 . 6 %,r 甘さ」に満足していない人は 2 5 . 0 %,r 香川に満足していない人は 2 5 . 5 %で、あった. 人は 3 9 )この背景として,岩津ネギが在来種であり,農家の自家採種によって生産されてきたことから,外観お 3 Jを参照されたい. よび品質的なばらつきの大きし、ことがあげられる.詳細は加藤 [ 1 0 )詳細は庚野・林 [ 8 J,p p . 2 6 1 ‑ 2 6 4を参照されたい. 1 1 )我々の研究グループは,開発したスクリプトを他の意識調査データにも適用してみて, 6 3 9サンプルを 対象とするコン、ジョイント分析にも利用できることを確認している. 参考文献 [ l J岩本政美, r 岩津ネギJ ,植物の自然誌プランタ,第 5 1号 , p p . 2 7 ‑ 3 4,1 9 9 7 . 9 9 7 . [ 2 J片平秀貴, ~マーケティング・サイエンス1 東京大学出版会, 1 岩津ネギ産地育成の経過と今後の課題1,近畿中国四国農研農業経営研究,第 3 [ 3 J加藤雅宣, r 号 , p p . 9 4 ‑ 1 0 4,2 0 0 3 . ρ h υ ηノ臼 n u υ

294.

[ 4 J加藤雅宣・有馬昌宏, I コンジョイント分析による岩津ネギの青ネギ形態に対する消費者評価 J,近畿 中国四国農業研究第, 6号 , p p .7 9 ‑ 8 7,2 0 0 5 . [ 5 J川向肇, W J M P 4 . 0(日本語版)利用の手引きJl,神戸商科大学情報処理教育センター, 2 0 0 2 . [ 6 J代喜‑, Wコン、ジョイント分析~,データ分析研究所, 1 9 9 9 . 9 5 .1 . [ 7 J兵庫県立農業試験場, W兵庫の園芸~,兵庫県, 1 [ 8 J庚野元久・林俊克, WJMP による多変量データ活用術~,海文堂出版, 2004. nud ηFム ワl

295.

付録 VSAによる JSL スクリプトの作成 VBAを活用してJMPのJSL スクリプトを自動作成させ,コンジョイント分析を実施するためには, ①'JMPを起動し,コンジョイント分析を行うための JMPのデータテープソレを開く. i c r o s o f tE x c c e lを起動し,マクロが記入された M i c r o s o f tE x c e l 用のファイルを開く. ②M ③ Microsoft Excelのファイル l こ含まれるマクロを起動する. ④コンジョイント分析を行おうとする利用者は,表示されるダ、イアログウインド、ウ上のテキストボ、ックスに処 理件数を記入し,その上で、ダイアログウインド、ウ上の スクリプトの作成ボタン"をクリックする. こ1行のスクリプトが対応するように, E x c e lの各セノレに必要なスクリプトが, M i c r o s o f tE x c e l ⑤ 1つのセノレ l のファイル内に含まれるマクロによって記入される. ⑥すべてのスクリプトがセルに記入された段階で,セルに記入された全てのスクリプトが Windowsのメモリ こE x c e lのファイル内に含まれるマクロによってコピーされる. 上のクリップボ、ード1 i c r o s o f tE x c e lからJMPにフォーカスを切り答え, JMP をアクティブにしたあと, JMPのメニューから, フ ⑦M ァイル"一 新規作成"一 スクリプト"と選択して,新規のスクリプト・ウインドウを表示させる. ⑧このスクリプト・ウインド ウにクリップボードの内容の貼り付けを 編集"一"貼り付け" (または Ctrl+V)と 選択して行い,スクリプトをJMP上で利用できるようにする. ⑨その上で,スクリプトを実行する. とし、う手順を踏めばよい.なお,最も手聞がかかるスクリプトの作成部分である⑤および⑥に関する操作 こなってしもが,それら以外の手順は手動で行わなけ はVBAによって 1クリックで、自動的に実行されるよう i ればならない. VBAによるスクリプトの自動作成とクリップボードへのスクリプトのコピーを実現するために,まず, 第Al図に示すダイアログウインドウのためのフォームを作成し,スクリプト作成の実行を利用者が指示す るためのコマンドボタンと,第 8図に示したスクリプトを作成する際に必要となる回答者数(被験者数)を取 得するテキストボックスを配置した. コンジョイント分析を行おうとしてしも利用者が,こ のダイアログウインドウを表示させるマクロを実行し, l 帯以山骨量│ ヰr.五イント分析を実擁する模本数等澄対象者数):::::~' 表示されたダイアログウインドウ上のコマンド、ボ、ックス 制下のポヲクス司入して下君主』 を利用者がクリックしたときに, JMPでコンジョイント ‑ j「 ? ? : ふ 註f 4 . ‑ j j : J E 分析を行うためのスクリプトの VBAによる自動作成と 芸 そのスクリプトをセルに自動保存するため,コマンド ; J : : : : : ; : :ぷ 笠j : : : : ; E 1 ボタンがクリックされたときに実行する VBAのコード を作成した.VBAの具体的なコード例は,次ページ 以降に示すとおりである. したがって,実際のコンジョイント分析を行おうと A 〈 圃 血 圃 園 園 田 岬 叩 戸 時 i c r o s o f t する利用者がしなければならなし、ことは, M 第 A1図 VSAで作成したフォーム E x c e lとJMPを起動し,コンジョイント分析を行うため JMP のデータファイルを開いたあと, M i c r o s o f tE x c e lのマクロが記入されたファイルを開くこと,そのファイ ルに含まれる起動用マクロを実行し,第Al図に示すダイアログウインドウが表示された後,そのダイアログ ウインドウ上のテキストボックスに回答者数を入力すること,ダイアログウインドウ上のスクリプトの作成ボタ ンをクリックすること,⑦から⑨の手順を実行することである. 2 9 8

296.
[beta]
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汎用的に利用する文字列を変数に代入しておき,
この変数の内容をセルに代入することでスクリプ

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c
r
i
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t作成に必要な要素の代入

トを作成する.下線部分は JMPでスクリプトを作
成してその一部を利用している.ここでは回答者

S
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T
x
t(1)ニワキ回答者
S
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x
t(
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) ニ"本/"

番号以外の部分を配列に保存している.

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=モデルのあてはめ (
Y(:回答者
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列1
, :~j2 ,
:
列3
, :
J
l
j
4, :
J
l
j
5
),手法(標準最小2乗).
H

強調点(要因のスクリーニング),モデルの実行(プロファイル(1.項の値(列
1
(…表示あり…).列 2(''''なし"").列 3
(… 550円…).列 4(…現行どおり…).
(
…特別…))). :回答者
列5
M
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TLニ w くく{尺度化した推定値(1)}
))."
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e
n
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c
k
S
c
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r
e
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"
C
O
L
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(
M
D
Lく r
e
p
o
r
t
)了"尺度化した推定値"".C
o1
u
m
n
B
o
x(""尺度化した推定値一)];
"
S
c
r
R
e
p
l
a
c
e= "
T
o
k
u
t
e
n
=
C
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e
t
A
s
M
a
t
r
i
x
;
"
S
c
r
C
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t= "
T
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k
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e
n
=
C
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n
c
a
t
(
T
o
k
u
t
e
n
O
.T
o
k
u
t
e
n
)
;
"
1
) ="
M
D
Lく C1
o
s
e
Wi
n
d
o
w(
);
"
S
c
r
Wi
n
d
o
w
C
n
t1(
S
c
r
Wi
n
d
o
w
C
n
t1(
2
) ="
Wi
n
=
Wi
n
d
o
w(…モデルのあてはめ'勺"
S
c
r
W
i
n
d
o
w
C
n
t
l
(
3
) ="
W
i
nく C1
o
s
e
Wi
n
d
o
w(
);
"
S
c
r
C
o
l =".列"

フオーム上のテキストボックスからの値の取得

表示させたフォームからスクリプ
トを作成する回数(回答者数)を取得

S
m
p
N
u
m=C
l
n
t
(
U
s
e
r
F
o
r
m
1
.T
e
x
t
B
o
x
1
.T
e
x
t
)

し
, SmpNumf
こ代入する.

セルへの代入 (
1番目の回答者の処理)

W
o
r
k
s
h
e
e
t
s(
"
S
c
ri
p
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e1
1s(
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c
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x
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1
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"
1
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S
c
r
H
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2
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x
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M
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s
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t
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t
"
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c
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k
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S
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t
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)
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s
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s(
"
S
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p
t
"
).
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)ニS
c
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S
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1
)
W
o
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s
h
e
e
t
s
(
"
S
c
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i
p
tづ
c
r
Wi
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d
o
w
C
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2
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W
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s
h
e
e
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s(
"
S
c
ri
p
t
"
).
C
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)ニS
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) ScrWi
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d
o
w
C
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t1(
3
)
W
o
r
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s
h
e
e
t
s(
"
S
c
ri
p
t
"
)
.C
e1
1s(
二

「
一
一
一
一
一
一
‑

I1
番目と 2番目以降でスクリプトが異

なるので,まず

1番目のスクリプ

トの内容をセルに順次代入する.

2
9
9

297.
[beta]
セルへの代入 (2番目以降の回答者の処理)

SmpNum)1 のときに以下の作業を実施する.実施回数

SmpNumまで.回答者 1人 に 対 す る ス ク リ 』

は
, 2から

目

L一

プ

内

一
︐こ

転置作業に関するスクリプトの記入

W
o
r
k
s
h
e
e
t
sCScri
p
t
"
).
C
e1
1s(
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10+1
1,1
)一
二"
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t
a
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N
e
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b
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( P
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"
,S
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tM
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t
ri
x(
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k
u
t
e
n
)
)
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F
o
r iニ 1T
oS
m
p
N
u
m
I
仕立というデータテーブルを作成
S
c山 arl=SUTran+ScrCol+CStr(i) │Pwma
I
f iく S
m
p
N
u
mT
h
e
n
I
するためのスクリプトおよびこのデータ
S
c
r
T
r
a
n=S
c
r
T
r
a
n+ "
."
テーブルを転置するためのスクリプトを
E
n
dI
f
crTranlこ代入した上で、最終的な
変数 S
N
e
x
t

…

スクリプトとしてセルに代入している.

W
o
r
k
s
h
e
e
t
sCScri
p
t勺.C
e11
s(
j *1
0+ 1
2, 1
)
="
D
a
t
aT
a
b
l
e
(川
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P
w
fM
a
t
r
i
x
"勺くく転置(列(" +S
c
r
T
r
a
n+ "
)
)
"

スクリプト自体を Windowsのメ

lJ︑
1J
︑

n
J
'
‑・l'
(
(

rDdcppnnnn

せているフォームを閉じる.

t
r
xt
Tlnb
ranU
AU+
Hnnu
raMm
nu+L

て一日山

︑

J‑ro
TL‑+LMm
︑
ν
︑l
J︑
l
J
︑J
l
J
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・
4
=
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Y
J
L‑
一円 U j f k f k f k ' r ‑
lIL‑‑Eli‑‑t
可J ‑ + ・
‑1‑11 ﹁ + L r n n n J C
存昔 ‑ f k + L X o e e n u n u n u ニ同

コ一コ‑︑ j f k T I e + L + L + L E ‑

け

ト一

日

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一 +xLcqlusTa
J
1
号
一
毘
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ヨ
A ‑Tl+eLRpallCAUJUJu‑

‑
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0
0

l‑nbIlnbnbnbnbnbnbnb.1

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o
r
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s
h
e
e
t
s(
"
S
c
ri
p
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s(
1, 1
)
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C
e11s(
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p
N
u
m* 1
0+3, 1
)
)
.S
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c
t
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n
l
o
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s
e
r
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o
r
m
1
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b

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担一 1 = 1 1 1 1 1 1 1内
1︐ り 止4 1臥マ人口叫乳の

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﹂*判*******ク

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po
p・
o
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・
﹂opopo
・
﹂
・
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﹂
﹂
ilillli‑‑
︑
し
eueeeeeee

ιιιιιιιιι 存

)')')')')')')')JR
1 ')
'︐
n
︐
︐︐尻 ''''1

u+L+L+L+L+L+L+L+L+LIHVL
D・D・ D・D・D・D・nvnvnV4dE
M刊
nu‑‑l
iti‑‑ill・
liti‑‑l ﹄自一
VEVErEVErEVErEVErE ﹄れU
m川
paccccccccch
に
cup‑papapapaedpaedvψ
HHMHMMMMHHZMH
fkfkfkfkfkfkfkfkfkHH

1sssssssssこ

丁
目

F炉﹂

っι+L+L+L+L+L+L+L+L+Ltt
‑auohauauohahahauauEν
eeeeeeeeeJ
ニ
i﹂H L H L H﹂日﹂日﹂日﹂日﹂日﹂ H Z
・
11popopopopopopopQP0.4
・
lunlunlunlunlunlunlunlunlun'rTl
﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁
+LII
一
一
n
u
‑
‑﹂ nununununununununuvA
FE
山刊山刊川刊川刊川刊川刊川刊川刊川刊
eAU
MNn

モリにコピーし,その後で表示さ

スクリプトのメモリへのコピー

fs‑nbx
‑+TI
︑
'v‑ ︑
tJ11

プトの行数が 9行なので,回答者 1人に対して 1
0行を

I
fS
m
p
N
u
m>1T
h
e
n

298.

口頭論文発表 官公庁・大学

299.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 世界における政府統計のミクロデータ利用の潮流と日本の状況 松田芳郎 東京国際大学 経済学部 TheWorld Trend towards UsingMicro Data o f Government Statistics and i t s PresentSituation i n Japan Y o s h i r oM a t s u d a F a c u l t yo fE c o n o m i c s, T o k y oI n t e r n a t i o n a lU n i v e r s i t y 要旨 政府統計は、各国とも被調査者に回答を強制できるように法制度が整備されている と同時に、その個票データの使用に関しては「統計法」により政府担当部局以外の者 の利用を厳しく制限している。汎用計算機の普及で、政府機関以外でも大規模統計デ ータの処理を可能にする施設を大学等の研究組織が保有するようになり、従来のよう な集計表データではなく個票データを使用したいという要求が発生してきた。国内外 のこうした流れを概観しながら、現在の法制度のもとで日本ではどこまで出来るのか について言及する。 キーワード: 政府統計、ミクロデー夕、統計法、目的外使用、 SASプログラム 1.政府統計の利活用の仕方 政府統計は、他の民間・学者等の行う調査と異なって、各国とも被調査者に回答を強制することが可 能になるように法制度が整備されている。反面、国民等の被調査者の協力を得るため調査結果は、原則 公開である。ただし、統計として公表するのであるから、匿名性の原則は守られなければならないとい うことが、この命題の系として確立されている。 しかしながら、この匿名性は、企業を対象としたときと、個人を対象としたときとで、は異なっている。 通常、企業は法人格を持っており、企業秘密は保護されなければならないが、個人のようなプライパシ ーは原理的に存在し得ない。従って、企業秘密保護の立場から個体情報は秘匿されて、集計表上で l 個しか出現しないセルは圧縮される。これに対して、個人情報の場合は、センサスデータでない限り、 集計表上で l個の出現であっても、母集団ユニークでない限り、標本ユニークであるとは限らないので、 必ずしも集計表上で秘匿処理をする必要がない。従って、多くの場合、集計表上で頻度が l個しか出現 しないような表が多くないのはもっぱら多重集計表作成の時間的・技術的な制約の結果に過ぎない。 2. 計算技術の発展と集計処理の変容 汎用計算機の普及で、政府機関以外でも大規模統計データの処理を可能にする施設を大学等の研究 ‑303‑

300.

組織が保有するようになった。また統計解析技法の発展、例えば多重回帰分析では、説明変数の増加に は使用可能サンプルの増加が必要で、あり、そのため従来のような横断面的集計表データではなく個票デ ータを使用したいとし、う要求が発生してきた。 一つの動きは政府統計機関内における多様なデータ解析の追求である。米国のセンサス局では、早く も 1950年代から始まり、更に一般利用の匿名化されたミクロ標本データ(特に、地域情報を削除して 識別不能にしたもの)の提供が 1 9 6 3年に始まった。すなわち、 1960年人口住宅センサスデータ(日本 の国勢調査に相当)から千分のー抽出データを作成・提供された。その後抽出率を上げて順調に提供さ れ続け、現在では更に詳細な研究のために、特別許可を得た研究者が宣誓職員としてセンサス局内にあ るミクロデータ解析のセンターで、利用が可能になった。この米国の動きは、孤立したものではなく、英 国でも 1 9 7 0年代から始まり、カナダ統計総局、ドイツ連邦と拡大している。今一つの動きは、国境の 枠を越えた動きであり、 1 9 8 3年発足の L u x e r n b u r gI n c o r n eStudyが著名である。これは欧米各国を中心 として、匿名化ミクロ標本データを提供し、原則提供した国々の大学院生等には解析することを可能に する組織であり、現在日本を除く、 25カ国が加盟してその利用の恩恵を得ている。 3. 日本における状況 日本の場合は、政府の統計調査自体は極めて発達しているといっても過言ではないが、ミクロデータ 利用としづ側面では、相当遅れている。統計審議会(中村隆英会長)は 1 9 9 5年春に「統計行政の新中長 期構想」を答申。ミクロ統計利用に関して「おおむね 2~3 年を目途に専門的・技術的な研究を行う必 要がある」としている。それに応じて、研究者側では、文部省特定領域科学研究費を得て、研究プロジ ェクト「統計情報活用のフロンティアの拡大:ミクロ統計データによる社会構造解析 J (領域代表松田 芳郎)が 1996~1998 年度にかけて実施され、 1999 年度に研究結果の取りまとめ研究費の交付を受け、 報告書が刊行された。その研究では、統計法の目的外使用の許可を得た特定領域研究班に属する研究者 が SASプログラムを事務局に送付し、事務局から計算結果を送付するので、個別研究者はミクロデータ には直接手を触れないとしづ方式であった。その後も日本学術振興会の科学研究費補助金を得て、ミク ロ統計活用研究会(代表:発足当初松田芳郎、その後、井出満教授、現在、森博美教授)では、目的外 の使用許可を得た者には、リサンプリングデータを提供して一定期間直接使用させるとしづ方式で、よ り自由度を増した形での利用拡大が徐々に推進されてきた。 しかし目的外使用手続きは極めて煩墳であり、もっと容易な利用が求められてきた。日本学術会議学 術基盤情報常置委員会は 2001年に「情報化社会における政府統計の一次データの提供のあり方につい て」と題する対外報告を取りまとめてその促進を要望した。その努力のかいもあって、総務省統計研修 所でミクロ統計分析室の設置、一橋大学経済研究所附属日本経済統計情報センターの拡充改組(新組織 名称、:社会科学統計情報研究センター)など、少しずつ前進してきている。内閣の経済財政諮問会議に 設けられた経済社会統計整備推進委員会(委員長:吉川洋同会議民間委員、東京大学教授)が今年 6月 1 0日付けで「政府統計の構造改革に向けて」としづ報告を公表し、「統計情報の多様かつ高度な利用」 として、ミクロデータ活用については、「これまでの試験的な取り組みの蓄積や関係府省による検討、 諸外国における取り組み状況等も踏まえ、制度化に向けた取り組みを加速すべきである。」と提言した。 4. 結び 現在の法制度のもとで日本ではど こまで出来るのか。ヨーロッパ以外 のアジア諸国の取り組み状況と今後 参考文献 松田芳郎『ミクロ統計データの描く社会経済像~ 1 9 9 9、日本評論社 r 一一一一一(編) 統計情報活用のフロンティアの拡大 ミクロ統計による社会構造 解析~ 1 9 99、統計情報研究開発センター ・演砂敬郎・森 日本評論社 の展望を述べて、結びとしたい。 ‑304 博美(編) r統計調査制度とミクロ統計の開示~ 2000、 (講座:ミクロ統計分析、第 l巻)

301.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 社会生活基本調査のミクロデータを用いた 生活時間と生活行動の関係の分析 勝浦正樹 名城大学 経済学部 E A n a l y z i n gR e l a t i o n s h i pb e t w e e nTimeUseandL e i s u r eA c t i v i t i e s U s i n gMicroData 九1 a s a k iKatsuura M e i j oU n i v e r s i t y F a c u l t yo fEconomics, 要旨 本稿では、社会生活基本調査における生活時間と生活行動の関係をみるためには、ミク ロデータを利用して、生活時間と生活行動を結び、付けて再集計を行った結果を提示する。 特に、生活時間における余暇活動の行動の有無と、それに対応する生活行動における行 動の有無の関係、いくつかの項目の生活時間数と生活行動の関係、時間帯別に集計され た結果を利用した生活時間帯と生活行動の関係などについての分析を行う。 キーワード: 社会生活基本調査、生活時問、生活行動、ミクロデータ はじめに 社会生活基本調査は、昭和 51年の第 1回調査以来、 5年ごとに総務省統計局が実施して いる国民の社会生活に関する大規模な標本調査である(最新の平成 1 3年の第 6回調査では 約 77, 000世帯の約 20万人の標本)。社会生活基本調査の目的は、 ①国民の生活時間の配分 ②自由時間における主な活動 を調査し、国民の生活実態を明らかにすることであり、①は「生活時間」、②は「生活行 動」と呼ばれている i。 4時間をどのような行動に配分しているのを、回 生活時間に関する調査では、国民が 1日 2 5分ごとにどの活動を行ったのかを記入することによって調査される。一方、生 答者が 1 l ∞ 総務省統計局 ( 2 3 )1ページ。 υ ハ川 ペU n にd

302.

活行動の調査は、主に余暇活動、すなわち自由時間における活動に関するものである。そ の活動の対象は、スポーツ、学習・研究、社会的活動(平成 13年からはボランティア活動)、 趣味・娯楽、旅行・行楽ならびにそれに含まれる項目などであり、それらが過去 1年間に 行われたかどうかを中心に調査されている。 生活時間に関しては、国際的にも主に timeuse surveyの名の下に、各国で調査が行われ ている 2。生活時間の調査方法に関しては様々な議論があり、調査設計などについても多く の研究成果が公表される一方で、生活時間の調査結果を用いた実証的な研究も数多く出さ れているにまた、家事・育児・介護・看護・社会的活動などを金額的に評価する、いわゆ る無償労働の貨幣評価などにも、社会生活基本調査の生活時間の結果が利用されている 40 このように生活時間は国際的にも共通の調査として認知されているが、社会生活基本調 査の生活行動に対応するような調査は、諸外国の官庁統計ではあまり例をみない。このよ うにわが国の社会生活基本調査の生活行動に関する調査は、国際的にもユニークで、貴重 なものであるにもかかわらず、生活時間ほど注目・利用はされていないのが実情であり、 分析も限られた範囲にとどまっている。 ところで社会生活基本調査以外にも、生活時間については INHK 国民生活時間調査」、 生活行動については余暇活動全般に関する社会経済生産性本部の「レジ、ヤ一白書」、スポ ーツに関する内閣府の「体力・スポーツに関する世論調査」や笹川!スポーツ財団の「スポーツ ライフ・データ」などがあるが、これらの調査に比べた社会生活基本調査の特色は、その豊 富なサンプル数に基づいて、様々な属性で集計が行われていることであろう。家族状況や 収入といった世帯属性、年齢や就業状態などの個人属性、さらには地域などにより、広い 観点から分析を行うことが可能である。その報告書でも数多くの集計が行われている(報 告書に非掲載を含む)が、調査されている属性もかなり多いので、ミクロデータ(個票デ ータ)を利用した再集計により、より詳細な分析を行うことが可能である三 このように社会生活基本調査では、多くの集計結果から諸属性と生活時間や生活行動の 関係が分析できるが、調査の 2本住である生活時間と生活行動を結びつけた分析はこれま で行われていない。生活時間と生活行動の関係については第 1節で概説するが、公表デー ユカナダ、イギリス、オーストラリア、オランダ、フィンランド、アメリカ、その他多くの国で実 t a t i s t i c s ) によって官庁統計 施されている。ただしアメリカでは、 2003年から BLS(BureauofLaborS として生活時間調査が導入された(それ以前は大学などの調査であった)。アメリカの生活時間調 査に関しては、 HerzandDevens(2001)や BLSのホームページ h t t p : / 川w w . b l s . g o v / t u s / h o m e . h t mを、他 の国については各国の統計局のホームページ (BLSのホームページに各国のリンク集がある)など を参照のこと。 )Harvey( 1 9 9 3 ),G e u r t sandDeRee( 1 9 9 3 ),J u s t e randS t a f f o r d( 1 9 9 1 ) などを参照のごと。 4 内閣府 ( 1 9 9 7 )。 5 たとえば、勝浦 ( 2 0 0 3 a,b ) など。 ρhu ηJ nU

303.

タでは、両者を結びつけた集計はもちろんなされていないので、両者の関係をみるために は、ミクロデータを利用する必要がある。以下で示す結果は、平成 8年調査のミクロデー タ(もとの標本の 5分の lのリサンフリング・データ)を利用して再集計を行ったもので ある(対象は 10歳以上人口)。 本論文の構成は以下の通りである。まず第 l節で、生活時間と生活行動の関係について 概観し、第 2節から第 4節で、いくつかの観点から両者を集計した結果を示す。第 2節で は、生活時間における余暇活動の行動の有無と、それに対応する生活行動の行動の有無の 関係をみる。第 3節では、いくつかの項目の生活時間数と生活行動の関係を分析する。第 4節では、時間帯別に集計された結果を利用し、起床時間と生活行動の関係をみる。また 第 5節では、生活行動のみに焦点をあて、再集計した結果の例を示す。 謝辞 本研究において使用した「社会生活基本調査」のミクロデータは、日本学術振興会の平成 13年度 科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を受けて、ミクロ統計データ活用研究会(代表: 井出満大阪産業大学経済学部教授)が作成された「ミクロ統計データベース」のデータ(社会生活 基本調査のリサンプリング・データ)である。 本研究遂行のため、ミクロ統計データベースの使用に当たっては、総務省の「社会生活基本調査」 の目的外使用申請による調査票の使用許可(平成 1 4年 4月 2 5日付官報第 3349号総務省告示第 2 6 1 号)を受けている。 総務省統計局及び統計センターの関係各位並びにミクロ統計データ活用研究会事務局の方々には 多大なお世話をいただ、いた。記して謝意を表する。 なお本研究は、日本統計協会による平成 1 6年度統計研究助成を受けている。 1 生活時間と生活行動の概要6 社会生活基本調査における生活時間は、特定の 2日間における生活時間配分の状況を調 べるものである。平成 8年調査では、平成 8年 10月 l 日現在で行われるものとし、この 1 0月 l日をはさむ 9日間のうち、調査区ごとに、指定した連続する 2日間について調査さ れている。そして、 1日の行動を 20種類(睡眠、身の回りの用事、食事、通勤・通学、仕 事…)に分類し、 15分単位でどの行動が行われたのかが調査される(同時に 2種類以上の 行動をした場合は,主なもの 1つ)。調査は、 1 5分ごとに区切られた調査票に該当する行 動を記入していくという方法がとられるにさらに一緒にいた人なども調査され、行動の種 類別の平均時間(総平均、行動者平均など)が様々な属性によって集計される。 生活行動は、生活時間に対して、特定の 2日間ではなく,過去 1年間(平成 8年調査で は、平成 8年 10月 l日現在の調査なので、平成 7年 10月から平成 8年 9月まで)に、対 本節における調査概要等の説明は、総務省統計局 (1998, 2 0 0 3 ) に基づく。 平成 1 3年調査からは、この方法と並行してアフターコード方式、すなわち事前に行動が分類され ているのではなく、記入者が自由に行動を記入するという方式も導入された。 6 7 ベU n ハHV ワ ー

304.

象となる余暇活動の行動の有無が調査される。対象となる生活行動は、スポーツ(野球、 ソフトボール、バレーボール…)、学習・研究(外国語、商業実務…)、社会的活動(地 域社会や居住地域の人に対する奉仕…)、趣味・娯楽(スポーツ観覧、美術鑑賞、演芸・ 演劇・舞踊鑑賞、映画鑑賞…)、旅行・行楽(国内旅行、海外旅行…)などである B。集計 は、行動者数、行動者率(=行動者数÷人口)などが様々な属性に基づいて行われる。あ る生活行動が国民にどの程度普及・浸透しているのかは、主に行動者率によってとらえら れる。 以上のように生活時間と生活行動は調査されているが、両者の大きな違いは、生活時間 0月 l目前後の特定の 2日間の行動が調査されているのに対して、生活行動では過去 では 1 1年間の行動が調査されることである。つまり、生活行動では普段の状況がとらえられる s u a I方式に対応し、生活時間は特定の日に ことになり、これは失業等に関する調査でいう u c t u a I方式に対応するといえよう。 関する調査ということで a u s u a I方式と a c t u a l方式の違いはあるものの、生活時間にも余暇活動に関する行動として、 スポーツ、学習・研究、社会的活動、趣味・娯楽が含まれている(ただし、生活行動のよ うに細かい項目別には調査されていない)。したがって、生活時間におけるこれらの余暇 活動の結果と生活行動の結果の関係は深いはずである。たとえば、生活時間においてスポ ーツの時間が長い人は、生活行動でもスポーツの行動者率が高いのかどうかを検討するこ とは興味深い。つまり、余暇活動の行動の有無やその時間数と、生活行動で対応する項目 の行動の有無や行動者率の関係をみることになる。 このような対応する項目における両者の直接的な関係だけでなく、生活時間における特 定の項目(たとえば仕事、家事、育児の時間など)の時間数の多い人が、普段、どのよう な生活行動をしているのかもまた興味深い点である。たとえば育児に追われている人が、 どのような趣味・娯楽の活動をしているのか、あるいはしていないのかなどがわかれば、 育児支援策を考えることにもつながるかもしれない。以上のような観点から次節以降で、 ミクロデータを用いて集計した結果を示していく。 2 生活時間と生活行動における行動の有無別集計 本節ではまず、生活時間と生活行動で同じ項目が調査されている学習・研究、スポーツ、 社会的活動、趣味・娯楽について、生活時間での行動の有無と生活行動での行動の有無に 3年調査での変更点として、これらの活動に加えて、インターネットの利用(情報交換、情 お平成 1 報収集…)が加わったとと、社会的活動はボランティア活動と名称が変更になり、それを構成する 項目も変更になったこと(健康や医療サービスに関係した活動、高齢者を対象とした活動…)、ス ‑ 3 0 8

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よって集計を行う。表 lはその結果を 2X2の分割表で示したものである。 まず、生活時間と生活行動の両方とも行動が有る、または両方とも無い(表の対角線の セル)という場合は、特に問題がない当然の結果である。次に、生活時間で行動が無く、 生活行動で行動が有るという場合(分割表の左下のセル)は、調査の 2日間ではたまたま その活動がなかったが、 l年の中ではその活動がなされたことを意味する。たとえばスポ ーツのスキーなどは、社会生活基本調査の調査時期に行われることはまずないが、冬には 行われる可能性があるといった季節性のある項目が多く含まれる場合、この値が大きくな る。逆にこの比率が相対的に小さいということは、調査時期に行われていれば、日常的に c t u a lと u s u a lの差が小さいことを意味する。表でいうと、趣 行われている可能性が高く、 a 味・娯楽ではこの比率が 55.8%と高いが、両方とも有りと回答した 34.9%に比べて、1.6 倍程度であり、両者の差は他の項目に比べて小さい。もちろん、趣味・娯楽の行動者率自 体が、 90.7%と高くなっていることとも無関係ではないだろうが、いずれにしても日常的に 行われているといえる。一方社会的活動では、この割合が 22.8%と両方有りの 2.9%に比べ ると大きく、単発性・季節性が大きいことを意味している。生活時間に関しては、季節性 0月の調査で l年全体を反映することの困難さも指摘されるが、それ などの問題もあって 1 を検証する lつの材料をこうした集計が与えることになる九 ︑ 表1 .生活時間と生活行動の記入の有無(平成 8年、男女計、総人口に対する比率、単位:%) ii 同一生一十 7‑ i ニ言 2E3 合 動一弘一 : ' ‑ 浄主戸一 4一生一 ! 14趣味・娯楽 生活行動/生活時間 無 宣 合計 最後に右上のセルは、生活時間で行動があるが、生活時間では行動がないと回答した場 合である。しかし、このような回答が生じることは理論上考えにくく、通常は起こらない はずである。なぜならば、生活時間調査で、たとえばスポーツをしたと記入されていれば、 l年の聞にもスポーツを行った、すなわち生活行動での行動者となるはずだからである。 ポーツや趣味・娯楽では調査の項目が大幅に削除されたことなどがあげられる。 生活時間調査は秋に行うのが、 l年全体の行動を最もよく反映するので望ましいとされている (Harvey( 1 9 9 3 ) などを参照のこと)。 9 309‑

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このような回答者の存在の理由としては、次の 2つが考えられる(説明の都合上、スポ ーツを例にとっているが、その他の活動でも同様である)。 0月から平成 8年 9月)での ①生活行動では、過去 1年間(平成 8年調査であれば、平成 7年 1 行動の有無が調査されるが、生活時間の調査期間は、 9月 28 日から 10月 6日までのうち 2 日間 である。したがって、生活時間を 1 0月 I日から 6日までの問に調査された人のうち、 9月 30日 まではスポーツを行っていなかったが、 1 0月の生活時間の調査でスポーツを行った人が存在する。 ②実際に、生活時間の調査日にはスポーツを行ったので、スポーツの時間を記入した。しかし、 生活行動の調査では、誤って、あるいは何らかの理由で行動有りとは記入しなかった。 ①を考えたとき、生活行動の対象となる期間が問題となる。調査票には、 「この 1年間 に」という質問の仕方をしているが、それが調査日を含むかどうかはややあいまいである。 0月からその年の 9月と記載されており、その若 社会生活基本調査の報告書には、前年の 1 干の差が問題になる可能性がある。しかし、これがそれほど高い可能性で起こるとは考え にくい。なぜならば、過去 1年間にスポーツをせずに、たまたまこの日だけスポーツをし たという可能性は Oではないにせよ、かなり低いと思われるからである。したがってこの 問題の大部分は、②の誤った記入に帰することができるだろう。もちろん統計調査には誤 記入はっきものであり、むしろこれは一定の割合で発生すると積極的に考えた方が現実的 である。問題はその誤記入が起こる可能性がどの程度かである。もし誤記入であるとすれ ば 、 2つの可能性が考えられる。 1つは、生活時間での誤記入、もう 1つは生活行動での 誤記入である。スポーツなどを考えると、生活時間でスポーツをしなかったのに、スポー ツを行ったと記入することは考えにくい 100 さらに生活時間の調査が調査日かその直後に記 入されることを考えると、生活行動の記入の方に問題があることになる。 ここで表 1のスポーツと趣味・娯楽についてみると、その割合は 1%以下であり、①の可 能性も考えるとそれほど大きな問題であると思われない。しかし、この割合は学習・研究 で 6.0%、社会的活動で1.7%と大きくなっており、②の可能性が高い。これはおそらく、 学習・研究や社会的活動の示す範囲の問題が関連していると思われる。つまり、学習・研 究については、生活時間の調査では学習・研究に記入したものの、生活行動の調査で実際 にその中身(外国語、商業実務…)をみて、それらには該当しそうにないので、行動なし と回答する可能性が考えられる。たとえば、学習・研究とは、総務省(1 9 9 8 )では「個人の自 由時間の中で行う学習や研究をいい,社会人が仕事として行うものや,学生が学業として 行うものは含まれない」と定義され、その範囲は、 外国語、商業実務・ビジネス関係、工学・工業関係、医学・保健、調理・理容・美容(専門的なもの)、家 政・家事(料理・裁縫・家庭経営等)、育児・家庭教育、教育・社会福祉、人文・社会科学(歴史・政治・経 済等)、自然科学(数学・物理・生物・農学等)、芸術・文化、時事問題、その他 ハ UU ︿ nυ 1 ょ

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の1 2項目となっている。また、生活時間調査における学習・研究は、仕事や学業は含まな いと注意が行われているものの他の項目である仕事や学業、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌、 趣味・娯楽などと重なる部分、あるいは分離しにくい部分があると思われる。同様の問題 は、社会的活動にも存在し、介護・看護、家事などとの分離は容易ではないと思われる。 だからといって、社会生活基本調査の結果が信頼に値しないと述べるつもりはまったく ない。上で述べたように、統計調査にこうした非標本誤差はっきものであり、要はそれを 少なくする努力がなされるべきである。いずれにせよ上記の結果は、こうした活動に関し て、調査票の記入のし方の説明などにより工夫を凝らしたり、項目の分類の再構成、とい った検討の必要性を示唆することになる。 3 生活時間の時間数と生活行動 3 . 1 同項目での集計 まず、生活行動の項目の行動者率(たとえばスポーツとその種目)と、それに対応する 生活時間の項目の時間数(たとえばスポーツの生活時間)との関係をみることにしよう。 表 2は、スポーツと社会的活動について、生活行動でのいくつかの項目の行動者率をそ れぞれの生活時間階級別に集計したものである。ただし、スポーツや社会的活動の生活時 間は、調査された 2日間の平均時間をとった上で、階級に分けている。 表2 .生活時間と行動者率(平成 8年、男女計) 畢古ちも 2‑1 ス ポ ツ スポーツ時間 。 0‑05時間 0‑ 1時 間 1‑ 2時 間 3以時上 間 2 3時 間 合計 スポーツ 7 2 . 0 9 6 . 0 9 6 . 9 9 6 . 8 9 5 . 1 9 7 . 6 7 6 . 0 平 同 行 動 自 量 1日 スキ ・ ス ノーポド ジョギンゲ・ マラソン 1 2 . 7 1 5 . 1 1 8 . 6 223 21 .1 2 3 . 4 8 . 7 1 9 . 9 193 243 24 . 1 310 1 3 . 9 7 . 4 111 550 軽い体憧 2 6 . 1 512 415 390 350 360 286 1151 運動として の世事 210 4 8 . 9 ' " 330 235 1 9 . 2 2 3 . 3 991 単位% 2‑2 社 会 的 活 動 地忠実社会や居 福 祉 施 誼 有 白 ボウリンヴ 2 7 . 0 3 0 . 3 348 3 9 . 9 430 '44 2 8 . 8 56 社会的活動時間 。 0‑0.5時 間 0‑ 1時間 1‑ 2時 間 2‑ 3時 間 3時 間 以 上 合計 平間行動日蝕(日) 社会的活動 239 622 581 " ' 6 4 . 3 2 6 . 0 2 5 . 7 児童老人ー 住対地す爆るの奉人仕に 人に対任する事 陣曹る者事に仕対す 177 5 2 . 7 481 506 4 7 . 8 1 9 . 5 192 11 .8 u 28 8 . 3 108 1 3 . 0 1 4 . 1 33 1 5 . 5 189 2 6 . 0 2 7 . 8 57 32 121 5 . 5 2 5 . 9 平岡行動日置は公費デタによる まずわかることは、スポーツや社会的活動の生活時間が 0、すなわち調査日にこれらの 活動を行っていない場合は、活動がある場合よりも行動者率も低くなっている。これはあ る意味で当然であるが、生活時間と生活行動の聞には、何らかの関係があることを意味し ており、季節性等の問題があるにせよ、生活時間の調査を 1 0月に実施することの妥当性を ある程度裏付けることにつながるだろう。もちろん前節でも示したように、この時期にた 1 0 生活時間は 15分単位で回答するので、むしろ短い行動は記録されない可能性がある。 ‑311

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とえばスポーツをしていない人が、年間を通じてスポーツ等をしないというわけではない。 実際、スポーツの生活時間が 0である人のうち、 72%の人が行っている 110 しかし 0時間を除くと、スポーツにせよ、社会的活動にせよ、生活時間と生活行動には、 それほど明確な関係はみられない(各表の左から 2番目の列)。つまりスポーツの生活時 間が長くなれば、スポーツの行動者率も直線的に高くなるという正の相聞が強くみられる わけではない。これは、スポーツが多様な種目で構成されていることも影響している。 そこでいくつかの種目についても、同様の集計を行ってみる。まず、この調査時期に行 われるとは思われないスキー・スノーボードについてみると、ある程度、スポーツの生活 時間が長い人の方が行動者率も高くなる傾向がみられる。これは、スポーツ全般が好きな 人は、スキー・スノーボードも冬に行う人が多いだ、ろうからである。他方、平均行動日数 の多い種目である軽い体操、運動としての散歩、ジョギングに注目してみると、スポーツ が 0時間の場合とそうでない場合の行動者率の差が大きくなっている。このことは、これ らの種目が調査時期にも行われた可能性が高いことを意味する。つまり、生活時間調査で スポーツをしたと答えた人で、平均行動日数の高いこれらの種目をその時期に行った人が 多いため、スポーツ 0時間の人の行動者率が低く、そうでない人の行動者率が高くなった ことを示唆している。また、軽い体操や運動としての散歩では、スポーツの時聞が短い方 が、行動者率が高くなっている ( 0 . 5時間以下の行動者率が最も高い)が、これは短時間で 行われることを反映しているのだろう。またスポーツの中で最も行動者率が高いボウリン グでは、 0 時間とそうでない人の差が相対的に小さくなっている。行動者率が高いという ことは、年間を通じて広く行われていることを反映しているからである。 社会的活動に関しても、項目ごとに明確な傾向は読み取りにくくなっているものの、項 目ごとに違いが存在しているようである。たとえば、児童・老人・障害者に対する奉仕で は、時間が長い人ほど行動者率も高くなり、平均行動日数も多い。地域社会や居住地域の 人に対する奉仕では、時間の短い人の行動者率の方がやや高くなっている。 3 . 2 異なった項目での集計 3 . 1では、スポーツの生活時間とスポーツの行動者率というように同項目での両者の関係 、 をみたが、ここでは、ある行動者率と別の生活時間との関係をみてみよう。表 3と表 4は 生活時間の中から仕事と同様に拘束的な要素をもっ家事と育児の時間を取り上げて、その 時間の長さといくつかの生活行動の行動者率を集計した結果である(女性のみ)。 表 3によると、スポーツでは、家事の時間が長くなると、行動者率は下がっている。趣 1 1 表 1でこの割合が 60.1%となっているのは、全人口に対する比率だからであり、 60.1183.5=0.72と なる。 ︒ノ臼 n︿U 1ょ

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味・娯楽でも同様の傾向である。ただし趣味・娯楽の項目についてみると、 CDによる音楽 鑑賞など家で行う種目については、家事時間とともに行動者率はほぼ低下傾向を示してい る一方で、音楽会等によるクラシック音楽鑑賞や美術鑑賞では、必ずしも低下していない。 つまり、クラシック音楽鑑賞など外出を伴う趣味については、時間をかけるあるいは何日 も通うかは別として、とりあえずはそれらの鑑賞行動は家事時間とはあまり関係なく行わ れていることを意味する。ただし、年齢や子供の有無などの属性の影響も考慮する必要が あるだろう。また、社会的活動は、家事時間とともに行動者率が高くなっている。社会的 活動が家事の延長上にあるととらえられる、といった考え方が成り立つかもしれない。 表3.家事時間と行動者率(平成 B年、女) 単位・% レコード・ T 一 音楽会等による 家事時間 スポーツ 趣味ー娯楽 学習・研究 社会的活動 クラシ鑑・ノ賞 ク音楽 美術鑑賞 プ 音 ・C 楽 D鑑 に よ 賞る 0‑200分 200‑400 400‑600 600‑ BOO BOO‑1000 合計 71 .2 7 0 . 0 6 6 . 5 5 6 . 0 44. 4 7 0 . 5 B B . 7 91 .5 9 0 . 3 7 9 . 2 7 7 .8 8 9 . 6 31 . 7 2 9 . 7 2 9 . 3 30. 4 4 44. 31 .0 2 3 . 2 3 2 . 6 3 5 . 1 2 9 . 6 44. 4 2 6 . 8 1 0 . 6 .2 11 1 2. 4 1 2 . 0 11 . 1 1 0 . 9 2 4 . 6 26. 4 2 5 . 9 2 4 . 0 3 3 . 3 2 5 . 2 5 5 . 1 4 6 . 3 4 6 . 1 2 8 . 0 44. 4 51 .8 表 4は育児時間についての集計であるが、育児時間が 0というのは、雑多な属性の人が 含まれるので、その結果には注意が必要である。スポーツや趣味・娯楽全体をみると一方 的な傾向はみられないが、これは様々な種目の存在とともに、育児時間の長さが活動の制 約になる場合と、子どもと共に行うというようにむしろフラス要因として働く場合が混在 するためと思われる。こうした要因を分離するためには、子どもの年齢や共にした人など とのクロス集計が必要となってくる。育児時間が長くなるとともに行動者率が低下してい るのは、クラシック音楽鑑賞、美術鑑賞、社会的活動など外出を伴うものである。こうし た外出を伴う活動に対して、育児は明らかに制約となっており、家事の場合とは異なって いる。他方、 CD等による音楽鑑賞や学習・研究は、育児時間が長くなるとともに行動者率 が上昇する傾向がみられる。育児に忙しい女性は、外出を伴う趣味よりも、家での余暇活 動をより多く好むということを意味している。こうした結果から、育児中の人たちも外出 を伴う趣味・娯楽に参加しやすいように託児サービスなどの充実が必要であるといった指 摘が可能となる(男ではこうした傾向はみられなかったが、野球やビデオ撮影など育児時 間とともに行動者率が上昇する項目もあった。結果略)。 nベ υ nベ υ 1i

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表4 育児時間と行動者率(平成 8年、女) 育児時間 スポツ 趣味・娯楽 社会的活動 学習・研究 音楽会等による ヲラシッヲ音楽 鑑賞 0‑0.5時間 0‑ 1時間 1‑ 2時間 2‑ 3時間 3時間以上 合計 6 9 . 9 7 6 . 6 7 7 . 5 7 3 . 7 7 3 . 8 72. 4 7 0 . 5 8 8 . 7 9 4 . 1 9 6 . 5 97. 4 9 5 . 8 9 5 . 0 8 9 . 6 2 5 . 9 41 .0 40. 4 3 3 . 8 32. 4 2 5 . 3 2 6 . 8 3 0 . 0 3 4 . 6 3 4 . 3 3 5 . 5 41 .6 4 0 . 9 31 .0 11 . 1 1 2 . 8 . 1 11 1 0 . 0 8 . 3 6 . 1 1 0 . 9 。 単位:% レ コ ・ ド7 ー 美術鑑賞 2 5 . 6 2 9 . 6 2 4 . 0 4 22. 21 .2 1 8 . 6 2 5 . 3 プ.CDによる 音楽鑑賞 4 9 . 7 6 4 . 2 6 4 . 9 6 5 . 5 6 8 . 6 7 0 . 8 .8 51 4 時間帯別集計の利用 社会生活基本調査では、生活時間に関して、どの時刻に行われたかという時間帯別の集 計も行われている。そこで、時間帯別集計を利用して、起床時間を推計し、生活行動との 関係をみてみよう。ただし、時間帯別集計から起床時間を直接集計することはできない。 なぜならば、社会生活基本調査では起床というある時点(時刻)に関する項目はないから である。そこで、本論文では以下のようなアルゴリズムで起床時間を求めることする。 ① 午 前 0時の生活行動をみる。 ②①が睡眠時間の場合は、それが終了した時刻を起床時間とする。 ③①が睡眠時間以外の場合は、睡眠時間が生じるまで生活行動を検索する。そして生じ たところで、②と同様のことを行う。 ④睡眠時間が生じない場合は、集計には含めない。 すなわち、 1日が始まってから(午前 0時から)、最初に睡眠が現れた直後に別の行動が 開始された時刻を起床時間とする。これであれば、午前 0時以降に睡眠が開始されても、 起床時間はその睡眠の後になるので問題はない(生活時間を 2日調査している場合、 2日 のうち早い方をとるものとする)。ただしこの定義では、たとえば午前 2時に一時的に起 きて、しばらく読書をし、その後また寝たという場合は、起床時間は午前 2時になるとい った問題が生じる。したがって、 5時以前の起床時間の結果には、注意が必要である。 表 5の結果をみると、起床時間が早いほど行動者率が高くなるもの、遅いほど高くなる もの、あまり関係ないものに分類できる。起床時間が早いほど行動者率が高くなるものと して、運動としての散歩、軽い体操(これはラジオ体操などの影響もあるだろう)などが あり、ペットの世話などもその傾向がある。また、社会的活動も同様である(その中でも 地域活動などで、その傾向が強かった。結果略)。ゴルフなどは、起床時間との関連性は 強くみられない(つり、ジョギングなども同様。結果略)。これは、集計を曜日別にして A斗 ・ 1i qd

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いないことの影響もあるかもしれない。他方、趣味・娯楽の中で、パチンコ、麻雀、テレ ビ・ゲームといった項目では、起床時間が遅い人ほど行動者率が高くなっていることがわ かる。これらの項目が夜型人間をっくりやすいことがわかる。こうした傾向は、男女を通 じである程度共通であるが、年齢などとも関連性を調べる必要があるだろう。 表5 .起床時間と行動者率(平成 8年、男、単位%) 起床時間 o‑5時 5‑ 6時 6‑ 7時 7‑ 8時 8‑ 9時 9‑1 0時 10 1 4 1時 1 1 ‑2 合計 スポーツ 趣 味 娯 楽 社会的活動 8 0 . 0 8 9 . 6 2 7 . 0 9 0 . 0 3 0 . 3 7 7 .3 8 1 . 1 9 0 . 9 2 7 . 8 .5 9 3 . 6 21 8 4 . 8 8 3 . 6 9 3 . 3 1 8. 4 9 4 . 8 1 3 . 5 8 5 . 5 9 3 . 9 8 7 . 3 9 . 3 9 1 . 9 9 . 7 8 0 . 9 .8 91 24. 8 1 . 9 4 コJ レ フ 運動としての散歩 1 9. 4 2 4 . 1 2 0 . 1 2 8 . 2 21 .6 2 2 . 5 2 4 . 2 1 8 . 5 2 7 . 0 1 7. 4 2 5 . 5 1 5. 4 7 2 1 . 1 1 0. 1 8 . 0 1 0 . 3 2 2 . 5 21 .2 軽い体操 2 6 . 1 2 9 . 3 2 7 . 0 2 6 . 1 21 .8 2 2 . 1 20. 7 1 9 . 3 2 6 . 2 パチンコ 4 28. 23. 4 2 6 . 5 2 8 . 5 3 5 . 9 3 9 . 3 4 2 . 3 .5 41 2 8 . 5 麻壷 1 1 . 5 9 . 3 11 .0 1 4 . 3 1 7 . 0 1 9 . 6 2 3 . 6 20. 7 1 2 . 9 ナレピゲーム 1 7 . 0 1 2 . 7 2 0 . 7 3 1 . 5 3 3 . 0 4 4 . 1 4 5 . 2 4 3 . 7 2 5 . 0 ベット金主主孟 2 2 . 6 21 . 7 2 1 . 7 21 .0 2 0 . 9 1 8 . 8 1 8 . 6 1 5 . 0 21 .2 5 生活時間に関するその他の集計 本節では、生活行動を決定づける要因を探索するために、生活時間とはなれて、いくつ かの属性に関してミクロデータを用いて再集計を行った結果について示すことにする。 5 . 1 年間収入と教育のクロス集計 教育(学歴)は、生活行動に影響を与える Iつの重要な要因であると指摘されている。 永 山 (1 9 9 8 ) では、年齢をコントロールした上で、学歴が趣味・娯楽のいくつかの種目に影 響を与えることが示されているが、趣味・娯楽以外にも、スポーツなどの行動者率にも影響 を与えることは十分に予想できる。しかしながら、学歴は収入と関係が深く、学歴が高い ことが、収入の高さにつながり、行動者率を高くするという可能性も考えられる。そこで、 学歴と収入のクロス集計を行い、収入の影響を取り除いた学歴の効果をみてみる(表 6)。 表6 ‑ 1は、クラシック音楽鑑賞についての、学歴と年間収入のクロス集計の結果である。 これをみると、男女ともに、同じ所得水準でも、学歴の高い方が行動者率が高いことが明 らかになっている。すなわち、学歴が高いと行動者率が高いのは、単に学歴が高いと所得 水準が高くなるから行動者率も高くなるというだけではなく、純粋に学歴の影響が存在す ることを示している。もちろん学歴ごとにみた場合、所得水準とともに行動者率が高くな っていることから、所得水準の影響があることも明確である。ただし、学歴を考えずに所 得水準だ、けで考えたよりも、学歴ごとでの所得水準の上昇の効果は、やや薄れるようであ る。クラシック音楽鑑賞以外にも、文化芸術関連の様々な種目について同様の集計を行つ 3 1 5

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たが、いず、れも学歴による行動者率の水準の差が明確になっている。 スポーツに関しては(表ふ2 ) 、高卒以下とそれ以外の差はかなり大きくなっている。た だし、所得水準の増加が明確に行動者率を上昇させているとは限らず、むしろ学歴による 差のほうが明確になっている。 表6 .男女、世帯の年間収入階級別、教育(学歴)別の行動者率(平成 8年、単位:%) 6 ‑ 1 ヲラシッヲ音楽鑑賞 b女 u <1、竿q,学 100万 円 朱 潟 100‑199 万円 200‑299 万円 300‑399 万円 万円 400‑499 500‑599 方向 万円 600‑699 700‑799 方向 800‑899万円 900‑999 万円 万円 1 0 0 0 . . . . 1 4 9 9 1500万 円 以 上 合計 0 . 6 0 . 4 1 . 3 0. 7 1 . 1 1. 4 2 . 9 2 . 7 1 . 0 l 議続・田劇中学 短 大 直 撃 大 学 大 学 院 4 . 6 2 . 2 3 . 3 32 2 . 3 3 . 3 4 . 2 4 . 5 3 . 0 4 . 7 6 . 1 7 . 0 3 . 8 8街中幽 小学・中学 │高綬・ 1 ゐ十 4 . 3 5 . 6 4 . 8 4 4. 4 . 3 3 . 5 6. 4 4 . 7 8 . 6 59 5 . 3 8 . 3 67 6 . 3 7 . 5 7 . 3 8 . 1 11 .2 11 .3 11 .8 1 6 . 8 173 11 .1 5 . 2 2 . 7 3 . 3 3 . 2 33 4 . 1 4 . 7 6 . 2 5 . 7 6 . 4 1 0 . 6 1 1 . 3 5. 4 「大・直撃 大竿大学院 合計 7 6 . 9 9 3 . 9 8 6 . 2 8 2 . 1 8 6 . 3 8 9 . 9 9 0 . 5 8 7. 4 8 9 . 4 8 7 . 1 8 9 . 9 7 9 . 4 8 7 . 0 6 9 . 7 8 4 . 7 8 6 . 6 8 7 . 2 9 1 . 4 9 2 . 7 91 .0 9 1. 4 8 9 . 2 9 0 . 5 909 925 904 6 9 . 7 6 6 . 9 7 2 .1 7 8 . 1 8 1 . 5 8 3 . 5 8 5 . 8 8 7 . 2 85. 4 8 5 . 7 8 8 . 4 8 6 . 8 8 2 . 1 1 0 0万 円 未 渇 1 0 0 . . . .1 9 9 万円 200‑299万円 300‑399 方問 400‑499 万円 500‑599万円 600‑699 万円 万円 7 0 0 . . . . 7 9 9 800‑899 万円 9 0 0 . . . . 9 9 9 万円 万円 1 0 0 0 . . . . 1 4 9 9 1500万 円 以 上 合計 0 . 9 1 .5 2 . 2 1 .4 1 .6 2 . 6 1 . 7 3 . 1 2 . 3 1 . 1 47 3 . 6 2 . 0 6 . 2 6 . 0 7 . 7 8 . 6 8 . 1 7 . 5 9 . 2 1 0 . 0 1 0 . 8 1 0 . 9 139 1 7 . 3 9 . 5 恒大;;;尊 大 学 大 学 院 1 6 . 7 55 1 2. 4 1 0 . 1 9 . 4 1 4 . 7 1 4 . 6 1 3 . 9 1 4 . 3 2 1 . 2 2 2 . 7 2 9 . 6 1 6 . 0 2 2 . 6 1 1 . 5 1 9 . 0 2 5 . 9 2 0 . 0 2 8 . 8 2 9 . 2 2 3 . 3 2 7 . 3 3 3 . 9 3 8 . 0 2 7 . 7 。E十 62 4 . 9 6. 7 7 . 3 8 . 4 9 . 3 11 .2 11 .8 1 2 . 9 1 3 . 5 186 210 1 0 . 9 6‑2スポーツ b女 d 小学・ φ学 l 葱鎗!日制中学 1 0 0万 円 未 済 100‑199 万円 2 0 0 . . . . 2 9 9 万円 300‑399 万円 400‑499 万円 万円 5 0 0 . . . . 5 9 9 6 0 0 . . . . 6 9 9 万円 万円 700‑799 8 0 0 . . . . 8 9 9万円 9 0 0 . . . . 9 9 9 万円 1 0 0 0 . . . . 1 4 9 9 方円 1500万 円 長 よ 合計 4 7 . 1 4 8 . 7 5 8 . 6 6 4 . 8 6 3 . 8 6 5 . 7 6 9 . 0 6 9 . 3 6 7 . 9 7 1 .2 7 0 . 0 6 9 . 9 6 3 . 3 4 58. 7 0 . 0 7 3 . 6 8 0 . 1 8 2 . 3 8 3 . 6 8 5 . 9 8 6 . 3 8 3 . 1 8 3 . 7 8 6 . 6 8 3 . 6 8 2 . 0 小 宅J 里空 │高段・!日制中学 │垣大・高軍事 大 働 大 学 時 1 0 0方向未'i!i 100‑199 万円 200‑299 万円 万円 300‑399 400‑499 方向 5 0 0 . . . . 5 9 9 方向 600‑699 万円 7 0 0 . . . . 7 9 9 万円 800‑899 万円 万円 9 0 0 . . . . 9 9 9 1000‑1499 方向 万円以よ 1500 合計 3 3 . 3 4 0 . 2 4 8 . 9 4 6 . 5 4 7 . 9 472 4 9 . 5 4 9 . 5 5 7 . 4 5 0 . 2 4 9 . 4 5 0. 4 4 6 . 7 48. 7 5 4 . 6 6 7 . 3 6 8 . 3 674 7 1 . 1 7 4 . 9 7 5 . 8 7 3 . 8 7 4 . 3 7 6 . 3 7 4 . 6 7 0 . 3 6 6 . 7 7 0 . 9 8 5 . 2 8 6 . 0 7 8 . 6 839 8 1 . 8 8 7 . 1 8 8 . 6 81 . 2 8 6 . 6 8 2 . 1 8 3 . 5 7 6 . 5 9 0 . 3 8 2 . 7 8 2 . 1 8 2 . 4 8 2 . 7 9 2 . 0 .3 81 8 7 . 6 8 7 . 6 8 6 . 8 8 5 . 3 8 5 . 6 合計 5 0 . 9 5 3 . 7 6 5 . 2 6 6 . 2 678 71 . 4 7 5 . 0 7 6 . 6 7 7 . 7 7 5 . 1 7 9 . 1 7 6 . 7 7 0 . 6 5 . 2末子の教育と親の年齢のクロス集計 3 . 2でも指摘したように、育児あるいは子供に関する属性が生活行動に影響を与えること は、直感的にも、客観的にも明らかであろう。ここでは、子供の年齢が生活行動にどのよ うな影響をするかをみてみよう。ただし、子供が複数いる場合、子供の年齢を特定するこ とがむずかしくなるので、以下では、末子の年齢と行動者率の関係をみることにする。社 会生活基本調査では、末子の年齢を用いて生活時間については集計されているが、生活行 動については、集計が行われていないことを付け加えておく。ただし、年齢よりも末子の 教育段階、すなわち学校別(幼稚園、小学校…)でみた方がより実際的と思われるので、 末子年齢ではなく末子の教育で、子供のいる夫・妻の集計を行う。 表 7は夫についての結果である。表 7 ‑ 1 の野球についてみると、小学生までと、中学生 以降での野球の行動者率の差が明確に異なっている(中学以降の方が行動者率は低くなっ ている)。もちろん、必ずしもすべてが子供といっしょに野球をするとは限らないが、小 nhu ‑ ‑ qd

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学校ぐらいまでは子供といっしょにキャッチボール、というのはこのデータから裏付けら れる。表 7 ‑ 2 はビデオ撮影である。高齢者になるほどビデオ撮影の行動者率は低下してい くことがわかるとともに、保育園、幼稚園での行動者率が高く、小学校がそれに続き、以 降は下がるか、あまり変わらないかである。就学前には、一生懸命ビデ、オを撮っていたの が、子供が大きくなるにつれて、あまり撮らなくなるという結果をよく表している。 表7 .末子の年齢、年齢階級別、生活行動の行動者率(夫、平成 8年、単位:%) , , ‑ー , ' ., . . . . . . ‑ , ‑ . . " ,~ 理膏所 (園) │胡務周 2 0‑2 4量 2 5‑2 9量 3 0‑3 4量 3 5‑3 9量 4 0‑4 4量 4 5一拍車 5 0‑5 4量 5 5‑5 9 i t 印 ‑6 4量 6 5 日量 7 0量 合計 36. 4 2 8 . 8 3 0 . 0 3 0 . 9 31 .9 2 3 . 2 2 9 . 1 38. 4 39.8 2 5 . 9 3 9 . 1 I 1 岨 、 41 .4 4 3 . 3 4 35. 3 7 . 2 2 8 . 6 3 3 . 3 中型 1 4 . 3 2 5 . 7 1 9 . 1 1 3 . 6 1 3 . 9 高佐 短大 高専 17. 4 1 6 . 5 1 1 . 9 1 0 . 0 4 1 9 . 8 1 4 . 9 2 9 . 7 3 3 . 0 37. 大字・ 大学院 3 3 . 3 2 7 . 2 3 3 . 6 34. 7 3 2 . 3 4 2 4 . 0 8 . 9 15. 2 . 3 5 . 5 5 . 9 1 .5 1 7 . 2 11 8 . 7 4 8. 6 . 9 理育所 (園) 幼稚園 合計 2 6 . 0 2 0‑2 4量 2 5‑2 9量 3 0‑3 4量 3 5‑3 9量 4 0‑4 4量 4 5‑4 9量 5 0‑5 4量 5 5‑5 9量 6 0‑6 4量 6 5‑6 9 量 7 0量ー 合計 3 4 . 9 5 0 . 0 4 4 . 1 4 8 . 9 4 8 . 0 5 2 . 0 3 4 . 9 5 0 . 9 4 0 . 7 3 9 . 1 中学 3 6 . 2 3 9 . 0 8 . 6 2 9 . 5 1 2 . 2 2 4 . 7 1 2 . 0 2 5 . 7 8 . 7 1 6 . 7 8 . 3 41 .2 49. 4 3 0 . 2 11 .3 高校 9 . 2 9 . 2 7. 4 8 . 2 短大・ 高尊 5 . 5 1 3 . 8 7 . 2 大字 大学院 7 . 7 9 . 3 7 . 6 合計 2 5 . 0 3 5 . 8 4 3 . 5 4 2 . 5 7 26. 1 5 . 9 1 0 . 3 7 . 2 2 3 . 5 おわりに 以上、社会生活基本調査の生活時間と生活行動の関係をミクロデータを用いて再集計するこ とによって、いくつかの有益な情報を得ることができた。第 3~5 節のように常識的な結果を 数値で実証的に確認するだけでなく、第 2節のように、社会生活基本調査の調査実施上の問題 点も指摘することができた。いずれにせよ社会生活基本調査の 2本柱である生活時間と生活行 c t u a lと u s u a lの違いはあるが、両者には、様々な閣係がみられる。ただし 動は、概念的には、 a ここで取り上げた結果は、あくまでもこのような分析が可能であるという例示程度にすぎず、 より詳細な集計、すなわち年齢、就業状態、家族類型、その他多くの属性で細かく集計するこ とも可能であろう。ただし、詳細な集計は該当するサンフル数の減少という問題を引き起こし、 結果の解釈に注意が必要となる。 こうした集計は、現段階では、ミクロデータに基づくしかない。もちろん、社会生活基本調 査の公表結果にここで行ったような集計表を導入することはむずかしいと思われるが、このよ うな集計が希望すれば比較的容易に可能となるように、ミクロデータへのアクセスがしやすく なるととも望まれる。いずれにせよ、生活時間と生活行動は、社会生活基本調査の主要な調査 事項であるにもかかわらず、両者の関係は、従来、まったくといっていいほど注目されていな かった。今後、このような分析が多方面から行われることが期待される。 3 1 7一

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参考文献 G e u r t s,J .andJ .D e .Ree,( 1 9 9 3 ), I nf 1uenceofR e s e r c hD e s i g nonTimeUseE s t i m a t e s 円 ,S o c i σ l l n d i c a t o r sR e s e a r c h,3 0,2 4 5 ‑ 2 8 4 . Harvey,A .( 1 9 9 3 ), G u i d e l i n e sf o rTimeUseD a t aC o l l e c t i o n, "S o c i σ1l n d i c a t o r sR e s e a r c h,30, 1 9 7 ‑ 2 2 8 . σt i o n s,40( 3 ), Herz,D .andDevens, R .M.( 2 0 0 1 ),TheAmericanTime‑UseS u r v e y . "l n d u s t r i a lR e l 5 2 6 ‑ 5 2 9 . J u s t e r,F .T .a ndS t a f f o r d,F .P .( 1 9 9 1 ),'TheA l l o c a t i o no fT i m e :E m p i r i c a 1F i n d i n g s,B e h a v i o r a 1 Mode1s, andt h eP r o b l e m sofMeasurement, "T h eJ o u r n a l0 1EconomicLiterature,29,417‑522. 勝浦正樹 ( 2 0 0 3 a ) 「スポーツの年齢パターン」 『統計~ 2 003年 4月号、 3 7‑ 43ページ。 勝浦正樹 ( 2 0 0 3 b ) r 社会生活基本調査における生活行動聞の関係」 5 1 ‑ 2 5 2ページ。 学会連合大会講演報告集』、 2 W2003年度 勝浦正樹 ( 2 0 0 5 ) r 社会生活基本調査における生活時間と生活行動の関係」 5巻 第 4号 、 1 4 5 ‑ 1 4 6ページ。 統計関連 『名城論叢』第 経済企画庁経済研究所・国民経済計算部(1997) Wあなたの家事のお値段はおいくらです か?~経済企画庁経済研究所・国民経済計算部。 永山貞則 ( 1 9 9 8 ) 「文化経済学と実証分析」池上淳他編『文化経済学』、 249‑277ページ。 総務庁統計局 ( 1 9 9 8 ) 『平成 8年 社会生活基本調査報告書』日本統計協会。 3年 総務庁統計局 ( 2 0 0 3 ) 『平成 1 社会生活基本調査報告書』日本統計協会。 nxU 1 ょ ηd

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S A S Forumユ ー ザ ー 会 非同居家族員を考慮、した世帯の分類 稲葉由之 総務省統計研修所 Ac l a s s i f i c a t i o no fhousehold c o n s i d e r i n gf a m i l ymembersn o tl i v i n gtogether Y o s h i y u k iI n a b a S t a t i s t i c a lResearchandT r a i n i n gI n s t i t u t e, M i n i s t r yo fI n t e r n a lA仔' a i r sandCommunications 要旨 本稿は,非同居家族員を考慮した世帯の分類について, SASと JMPを用いて実施した分析結 果を示すとともに, SASとJMPそれぞれの分析における特長について解説する.全国消費実態調 片親と子供の世帯」の区分において, 査のリサンプリング・データを用いた分析の結果としては, r 現行の長子の就学状況による分類よりも,世帯主の配偶者が長期不在であることを考慮した分類 の方が,家計収支の格差を明確に表現することなどがわかった. キ ー ワ ー ド : 官庁統計, JMP, ANOVAプロ、ンジャ, マクロ言語 はじめに 統計調査において, r 世帯」と「家族」は異なる概念である.例えば r 世帯」の一般的な定義は, である.このため,単身赴任者などの長期不在者は家族で 「住居と生計を共にしている人の集まり J あっても世帯には含まれない.しかしながら,家計収支を観察する場合,経済的につながりのある 非同居家族員を無視することはできない.そこで,本稿では,非同居家族員を考慮した世帯の分 類に関して,データに基づいた検討について説明する.検討の結果 r 片親と子供の世帯 J の区分 において,現行の長子の就学状況による分類よりも,世帯主の配偶者が長期不在であることを考 世帯」と 慮した分類の方が,家計収支の格差を明確に表現することなどがわかった.本稿では, r の定義ならびに用いたデータを明らかにしたのち, SASとJMPそれぞれの分析における特 「家族 J 2 0 0 3 ) 長について解説する.なお,世帯類型の性質や最後に示す分析結果については,稲葉 ( u家族構成を考慮、した世帯類型の区分に関する有効性の検討 J.日本統計学会誌, 33, 3 4 3 ‑ 3 6 3 .)に発表した内容の一部を基にしている. ︿ nυ n u υ 1ょ

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1 .世帯類型の性質 1 . 1 世帯員と家族員の定義 世帯は, r 同ーの生計」及び「同ーの住居」とし、う 2つの条件を満たす世帯員により構成される.こ 家族」は,夫婦や親子などの親族関係の特定範囲を指しており,構成員の同居,別 れに対して, r 居を問わない.このため, r 家族」は,親族関係、の範囲設定などにより様々な定義を作成することが できる.世帯員と家族員との対応関係を表 1に示す.表 1によると,家族として認知されてしも家族 員は「同居家族員」と「非同居家族員」に分けられる r 非同居家族員」のうち,送金などによって経 済的に結びついている者は,本拠の世帯における世帯員とはならなし、ものの,本拠の家計に影響 を及ぼしている.例えば r 非同居家族員」である単身赴任者から送金がある場合や, r 非同居家 族員」の入院患者へ送金してしも場合などが挙げられる.全国消費実態調査では, 1 9 8 9年(平成 元年)調査以降,これら「非同居家族員」のうち「長期不在の主たる家計維持者」については,世帯 非同居家 主との続柄を調査している.このため,全国消費実態調査のミクロデータを用いれば, r 族員」のうち「長期不在の主たる家計維持者」に関する続柄の情報を含めた世帯類型の定義と検 討が可能となる. 表 1:世帯員と家族員との対応 世帯員 世帯員ではない ( 1)同居している ( 2 )生計を共にしている 家族員 ( 1 )世帯主の親族 同居家族員 非同居家族員 ( 2 )家族として認知されている (経済的に結びついているなど) 家族員ではない 非親族世帯員 1.2 世帯類型の性質 官庁統計の世帯に関する調査項目の主な集計は,世帯を世帯属性別と地域別に分類している. このとき,世帯属性とは,世帯人員;有業人員;世帯主の年齢階級;世帯主の職業;住宅の所有関 係、;世帯類型,などを指す.これらの世帯属性に基づいて調査項目を集計することにより,同様な 属性により分類された世帯のグループ聞の収支及び資産などの格差を明らかにすることができる. 世帯属性のうち,世帯類型を除いた他の項目は, r 世帯」や「世帯主」を定義することにより,人員 数,世帯主の年齢や職業,住宅の所有関係に基づいて,明確に世帯を分類することができる.一 3 2 0

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方,世帯類型は,世帯員の構成と,世帯主や長子の年齢,就学状況に基づいて世帯を分類する 項目であり,世帯員の多種多様な組み合わせを代表的な集合にまとめて区分を作成する.このた め,世帯員構成の設定を変更すれば,傑々な区分を作成することができる.世帯類型のような世帯 員構成に基づく分類は,その分類基準の違いによって様々な区分を作成することができるとし、う性 質をもっ. 1 .3 全国消費実態調査における世帯類型の変遷 全国消費実態調査は, 1959年(昭和 34年)以来 5年ごとに調査が実施されており,世帯類型の 分類基準は,世帯員構成の変化に伴い大きく変化してきた.第 l回調査である 1959年(昭和 34 年)調査では,世帯類型としウ項目はなく,勤労者世帯のなかから「夫婦と子供のみで有業人員 l 人の世帯」を特定の世帯として取り出して集計が為された.世帯類型による集計は,第 2回調査で ある 1964年(昭和 39年)調査から実施されている.その後,定義にしてつかの変更が行われ,その うち最も大きな変更は 1979年(昭和 54年)調査における変更である.この変更以降,分類基準なら びに区分に関する大きな変更はない. 1979年(昭和 54年)における変更では, 2世代世帯と 3世 代世帯とを明確に分類するとともに,親以外の親族のいる世帯をすべて「その他の世帯」に組み入 れた点が大きな変更点である.また,核家族世帯とは別の区分として定義していた「片親と子供の 世帯」は核家族世帯に含められた.このような分類基準変更の背景には,核家族世帯の増加とそ れに伴う 2世代世帯, 3世代世帯の減少がある. 2 .データ 本稿において利用した「全国消費実態調査」のミクロデータは,文部省の平成 1 1 年度科学研究 費補助金特定領域研究「統計情報活用のフロンティアの拡大.ミクロデータによる社会構造解析・」 に対する助成,及び日本学術振興会の平成 1 2 年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費) の交付を受けて,ミクロ統計データ活用研究会(代表:井出満大阪産業大学経済学部教授)が 5 分の 作成した「ミクロ統計データベース」のデータ(全国消費実態調査のリサンプリング・データ ( 1 ) )である. 用いたリサンプリング・データは,ミクロ統計データ活用研究会事務局が, I 全国消費実態調査」 の全データから,抽出復元倍率に基づく確率比例抽出法により世帯を抽出して作成したデータで ある.抽出率は世帯単位で全データの 5分の lになるように設定されている.このようなリサンプリ ング方法をとっているため,リサンプリング・データは,単純無作為抽出されたデータを扱うように利 用することができる. n︿U ワQ ーよ

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3 . SASとJMPを用いた分析内容 3 . 1 分析の流れ 分析の流れは図 1に示すとおりであり, SAS と JMP を組み合わせて分析を行った.この流れは SASとJMPそれぞれの特長を活用したものであり,それぞ、れの処理について以下に説明する. B a s eSAS JMP JMP 図 1:分析の流れ 3 .2 世帯類型作成 ( B a s eSAS使用) 世帯類型は,世帯員構成と世帯員の情報(年齢や長子の就学状況)により定義する r 全国消費 実態調査」のミクロデータは, 1世帯 lレコード となっており,世帯員の情報が 1レコード内に並べら れている形式である.その lレコード、から各世帯員の情報を取り出して,世帯員構成に関する変数 を作成した.世帯員の情報において最も重要な変数は, r 世帯主との続柄」である r 世帯主との続 柄」の種類は表 2に示すとおりであり, r 子供 J,r 兄弟J, r 孫」の場合,婚姻関係によりさらに分類さ 世帯主との続柄」は,世帯員全員ならびに非同居家族員のうち「長期不在の主た れている.また, r る家計維持者」に関して調査している. ここでの変数作成や世帯類型作成には, SASを使用した.SASの DATAステップにおいて,新 たな変数を作成していくことは,作業記録をとることと同じことであり,つぎに示す特長をもっ. ( a ) 再現性を保つため,何度も同じ処理を実施することができる. ( b ) プログラムミス等の問題点に関する発見や修正が容易である. 円ノ μ ︑ ηU ワμ

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表2 : i 世帯主との続柄」の種類 2 3 4 (世帯主との)続柄 世帯主 I 世帯主の配偶者 I 子(未婚) I 子(夫婦であるもの) 5 I 父母 6 I 兄弟(未婚) 7 I 兄弟(夫婦であるもの) 8 I 孫(未婚) 9 I 孫(夫婦であるもの) 1 0 1 担父母 1 1 I 上記以外の親族 1 2 I 使用人・同居人 3 . 3 プログラムチェック,分布確認 (JMP使用) つづいて,新たに作成した変数の状況を確認するため, JMPにおいて,それらと他の変数とのク ロス集計を実施した.このとき,論理的に矛盾となる状況が生じていないことを確認する.例えば, 「夫婦と子供 l人」の世帯は,世帯人数は 3人であり, 2人あるいは 4人以上である場合は考えら れない.そこで,世帯類型と世帯人数のクロス集計を行い,変数作成のプログラムに論理的な間違 いが存在していないことを確認する.この過程においてプログ、ラムの間違い等を発見した場合,前 B a s eSASでの新変数作成)に戻り,修正を行った. の過程 ( また,世帯属性別や新変数における分布などを確認することにより,探索的に状況を把握し,分 析における新たな知見や仮説を得ることができる.このような探索的な分析には, JMPの機能が有 効である. 3 .4 分散分析等 ( SAS/STAT使用) 新変数に関するプログ、ラム等の確認をしたのち,分析の過程では, SAS/STAT におけるマクロフ。 ログラムを利用した.世帯属性や家計収支に係わる変数は数が大変多く,同じ形式の分析を繰り 返し行う場合が多い.このため,同形の分析をデータセットや変数を変更して実施する場合,マクロ fこ分散分析のマクロプロク、、ラムの一部を示す.函 言語を利用することが有効である.例として,図 2 2では,データセットや変数を変更して,同形の分析を繰り返し実施している.この例は,各変数に rc h i k Jが地域区分に関する変数)の状況を分析したものである. 関して地域差 ( 内 ぺU 円 L nぺU

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甘 辛 m a c r od e f i n i t i o n ; 伽a c r oA N O V A l(D A T A .V A R .C L A S S ); p r o ca n o v ad a t a = z e n . & D A T A ; c l a s s& C L A S S ; 品C L A S S ; m o d e l& V A R = m e a n s& C L A S S/d u n c a nw a ll e r ; r u n ; 首m e n dA N O V A l ; 百A N O V A l(z e n 8 4 ̲ & S E T . i t e m O O l .c h i k) 首A N O V A l(z e n 8 4 ̲ & S E T . i t e m 0 0 2 .c hi k) 首A N O V A l(z e n 8 4 ̲ & S E T . i t e m 0 0 3 .c hi k) 目A N O V A l(z e n 8 9一 品S E T . i t e m O O l .c hi k) 目A N O V A l(z e n 8 9 ̲ & S E T . i t e m 0 0 2 .c hi k) 図2 : 分散分析に関するマクロプログラムの例 3 .5 グラフ作成等 (JMP使用) 分散分析等を実施したのち,グラフ等の作成には JMPを使用した.JMPは,グラフ表現の設定 変更等に優れており,グラフの加工も容易である.例として可処分所得 (1994 年)の分布を図 3に , JMPのグラフを基に説明の文字を加えて作成したものである. 示す.図 3は 長片夫 E親 婦 配円程と と ー偶親 子 T そ ( 比 . T 君主主供 L亙 室 長 、婦{昌 l ν の 親 夫婦と親と子供一 ﹃一 夫 婦 と 子 供3人 以 上 夫 婦 と 子 供2人 夫 婦 と 子 供1人 夫婦のみ山 日 。 。 ∞ そ そ の の 他 他 「一一一「配 4凹 偶 喜者一 碍 図 3: 可処分所得:1994年(勤労者世帯のみ) 者 不 在 円/ω ハ ペU d4

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4 .分析結果 4 . 1 非同居家族員を考慮した世帯分類の定義 世帯員のみで分類した場合と,非同居家族員を考慮した場合では,家族構成は異なるものとな る.いま,主たる家計維持者が長期不在であり,かっ,その長期不在者が「世帯主の配偶者 Jであ る場合を「世帯主の配偶者が長期不在である世帯 J と定義する.区分としては, I 片親と子供の世 帯」において世帯主の配偶者が長期不在で、ある世帯を「世帯主の配偶者長期不在 J とし,これに該 当しない場合「世帯主の配偶者なし Jと定義する.この定義に基づくと, I 世帯主の配偶者が長期不 在J の世帯は,非同居家族員である世帯主の配偶者を含めると「夫婦と子供 Jに分類される世帯で 世帯主の配偶者なし Jの世帯は,家族の構成としても「片親と子供の世帯 Jに分類される世 あ り , I 帯となる.また,長期不在の主たる家計維持者が子供であり,世帯主の配偶者が入院等により長期 不在とし、う場合も考えられるが,このような世帯は調査データから把握することが不可能であるため, 「世帯主の配偶者長期不在 Jに含めなしものとする. 4 .2 世帯属性や家計収支項目とのクロス集計 現行の区分(1長子が中学生以下 J;I 長子が高校生J;I(表彰されない世帯)1J)と新しい区分 世帯主の配偶者なし J )とを比較するため I 消費支出」に関する (1世帯主の配偶者長期不在 J;I 平均と,平均に関する 95% 信頼区間を図 4,図 5に示す.ここでは,現行の区分についても合わせ て状況を示し,比較を行う.図 4によると,現行の区分での平均の差は大きくなし、ものの,新たに設 定した区分での差は比較的大きいことがわかる.つまり,世帯主の配偶者が長期不在である世帯 に関する分類は, i 片親と子供の世帯」において,現行の長子の就学状況による分類よりも,家計 収支の格差を明確に表現している.なお,図 4,図 5で、は消費支出のみについて示したが,稲葉 ( 2 0 0 3 )には,その他の項目についても示している. 本稿における検言すから,非同居家族員の存在は,家計収支に大きな影響を及ぼすことを推測す ることができる.現行の世帯類型において非同居家族のしも世帯の比率 ( 1 9 9 4年)は全体で l割 程度である.しかし, I 夫婦と子供 l人の世帯」の「子供が高校・大学生」の区分では,非同居家族 のいる世帯は約 4害J Iとなっている.これは,学業を理由とした非同居の家族員が存在するためであ る.本稿で提案した世帯類型の定義は,世帯主との続柄を調査してしも「長期不在の主な家計維 持者」のみを考慮したものである.このため,関連する区分は主に「片親と子供の世帯」のみとなり, 分類基準としての統一性をもたない.もし I 学業」や「入院」などで非同居である家族員に関して, 世帯主との続柄を調査することができれば,すべての非同居家族員を含めた類型の作成が可能と I 統計表において表彰されなし、ものの「片親と子供の世帯」に含まれている世帯. 3 2 5 ‑

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なり,分類基準の統一性を保つことができる.このように,家族の統計化に関しては,非同居家族 員の定義の検討とともに,さらに詳しく検討を行う必要がある. [60 一 一 一 [ 4 0 消 [20 費 支 出 [ 0 0 3 ケ 80 月 ー 十 一一一ー一一一 + 間 60 万 円 4 0 20 世帯主の配偶者なし 世帯主の配偶者長期不在 (表章されない世帯 長子が高校生・大学生 長子が中学生以下 片親と子供の世帯 図4 : 「片親と子供の世帯」区分別消費支出の平均 (1994年) (稲葉 ( 2 0 0 3 ) 図4 を使用) nぺU ρ o qL

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消費支出 ( 3ヶ月間) Bitt 5 0 l O O 夫 30歳未満 夫婦のみの 世帯 寸 ・ ‑ 夫 30~39 識 夫.j 0~ .j 9 歳 夫5 0‑ ‑ ‑ 5 9歳 夫6 0歳以上 ー 子 供 が2 歳以下の幼児 十 子供が小学生 子供が中学生 子供が高校生 ー寸.一ー 子供が l5~2l 歳で非就学 子供が 2 2歳以上で非就学 長子が 2議以下の幼児 一 ・ ‑ 長子が 3~6 歳の未就学児 ー 長子が小学生 長子が中学生 長子が高校生 一 ・ ‑ 長子が未就学児 長子力:小学生 長子が中字生 長子が高校生 一圃ト 長子が大学生 長子が l5~2li寵で非就学 十三一 長子が l5~2l 歳で非就学 長子が 2 2議 以 上 で 非 就 学 f 寸 ・ ‑ 長子が大学生 夫婦と子供 : 3人以上の 世帯 十 子供が大学生 夫婦と子供 2人の世帯 fftfflitfail‑‑:十t i t t i ‑ ‑ ; ト ー 子供が 3~6 歳の未就学児 夫婦と子供 l人の世帯 l 5 0 長子が 2 2歳 以 上 で 非 就 学 片観と子供(世帯主の配偶者長期不在) 片親と子供(世帯王の配偶者なし) 4骨 十 . . 夫婦とその親 夫婦と親と子供 その他(世帯王の配偶者長期不在) その他(その他) 汁・‑ 図 5: 世帯類型別消費支出の平均(1994年) (稲葉 (2003) 図 6 を使用) 万円 2 0 0 2 5 0 n︿U ワ ム ワ ー

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おわりに 本稿は, SASとJM?を使用した分析内容を示すことにより, SASとJM?それぞれの特長につい て説明した.それぞれの特長を組み合わせることにより,大きなデータセットで、ある官庁統計のミク ロデータに関する分析を効率的に実施することがで、きた.表 3{こ,本稿での分析における特長を整 理した. 表3 : 本稿での分析における特長 SAS プロダクト等 本稿での分析における特長 BaseSAS ・プログラム上に作業記録が残るため,ミス等の 問題点に関する発見や修正が容易である. ‑他のデータセット(他の調査年次データ)への 適用がプログラム修正により可能となる. SAS/STAT ‑マクロプログ、ラムの活用により,同形の分析を 多数実施することができる. ‑操作が簡便であるため,探索的な分析に優れ JMP I ている. ‑グラフ表現の設定変更が容易である. 謝辞 本稿において利用した「全国消費実態調査」のミクロデータは,文部省の平成 1 1 年度科学研究 費補助金特定領域研究「統計情報活用のフロンティアの拡大‑ミクロデータによる社会構造解析・」 に対する助成,及び日本学術振興会の平成 1 2 年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費) の交付を受けて,ミクロ統計データ活用研究会(代表:井出満大阪産業大学経済学部教授)が 5 分の 作成した「ミクロ統計データベース」のデータ(全国消費実態調査のリサンプリング・データ ( 1 ) )である.このミクロ統計データベースの使用に当たっては,総務省の「全国消費実態調査」の目 2年 2月 4 日付官報第 2802号総務庁告示第 8 的外使用申請による調査票の使用許可(平成 1 号、及び平成 1 3年 3月 30日付官報号外第 6 3号総務省告示第 207号)を受けている. 全国消費実態調査のリサンプリング・データの使用に際して,総務省統計局及び統計センター の関係各位,ならびにミクロ統計データ活用研究会代表(井出満大阪産業大学経済学部教 授)や事務局の方々には多大なるお世話をいただきました.ここに記して,お礼申し上げます. 参考文献 稲葉由之. ( 2 0 0 3 ) .家族構成を考慮した世帯類型の区分に関する有効性の検討.日本統計学会 誌 , 33,3 4 3 ‑ 3 6 3 . 総務省統計局編.全国消費実態調査報告,昭和 34年 3 2 8 平成 1 1年.

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 インドネシアにおける 1 9 9 0年から 2002年までの所得格差の実態 一 政 府 統 計S u s e n a sの支出ミクロデータに基づく実証分析一 カダルマント 東京国際大学経済学研究科博士後期課程 インドネシア統計局 PATTERNSOFINCOMEINEQUALITYININDONESIA1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2 : AnE m p i r i c a lA n a l y s i sBasedont h eE x p e n d i t u r eMicrod a t as e to fS u s e l l a s 四 KADAR 民1ANTO G r a d u a t eS c h o o lo fEconomics, Ph.DC a n d i d a t e TokyoI n t e r n a t i o n a lU n i v e r s i t y, B P S ‑ S t a t i s t i c sI n d o n e s i a 要己 日 Thep u中 o s eo ft h i sr e s e a r c hi st oc r yo u ta na n a l y s i so fincomei n e q u a l i t ya p p r o a c h e dby む r y i n gt oi d e n t i f yhowmuchi n e q u a l i t yt h e r ei s .I td e t e r m i n e s c o n s u m p t i o n ‑ e x p e n d i t u r ep e rc a p i t a,t x a m i n e st h es o u r c e so fincome t h ep a t t e r no fincomei n e q u a l i t yo v e rt h ep e r i o d1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2,ande i n e q u a l i t yt h r o u g hd i s a g g r e g a t i n gt h ei n e q u a l i t yi n d i c e s .Bymeanso fSAS@ programv e r s i o n8 . 2, b a s e dont h r e e ‑ y e a r ‑ s p a nm i c r od a t as e tdrawnfromS u s e l l a s,t h eG i n ic o e f f i c i e n t‑at o o ls e l e c t e d f o ri n e q u a l i t ymeasurementi nt h i sp a p e r‑i sc a l c u l a t e d .I no r d e rt oc o n c e p t u a l i z i n gandm e a s u r i n g s s e n t i a lg r a p h i ca n a l y t i c a lt o o l ss u c ha sL o r e n zc u r v eandCumulativef r e q u e n c y i n e q u a l i t y,twoe d i s t r i b u t i o na r ep r e s e n t e d . Themainf i n d i n g sa r e,f i r s t,o v e r a l lincomei n e q u a l i t yh a sbeeni n c r e a s i n gb o t hb e f o r eand a f t e reconomicc r i s i sp e r i o d s .Second,u r b a ni n e q u a l i t ywash i g h e rn o to n l yt h a nr u r a li n e q u a l i t yb u t p o p u l a t i o nc h a n g e so ru r b a n i z a t i o np o s i t i v e l ya f f e c t e di n e q u a l i t y a l s ot h a no v e r a l li n e q u a l i t y .T h i r d, t om c r e a s e . キーワード IncomeD i s t r i b u t i o n, I n e q u a l i t y, GovernmentS t a t i s t i c s,G i n iI n d e x, LorenzC u r v e . INTRODUCTION Asoneo ft h ed e v e l o p i n gc o u n t r i e s,I n d o n e s i ae x p e r i e n c e dh i g heconomicgrowthi nt h etwo twaso f t e ns a i dt h a tI n d o n e s i awasoneo ft h eh i g h e s tp e r f o r m i n g d e c a d e so f1 9 7 0 sand 1 9 8 0 s .I p r o b l e m sr e l a t e dt oincomed i s t r i b u t i o na t t r a c t e dmucha t t e n t i o n e c o n o m i e si nA s i a .I nl i n ew i t ht h i s, c o n o r n i cg r o w t hd i s t r i b u t e d among i n d i v i d u a l s ? The i nt h i sc o u n t r y . How i st h eg a i n 仕ome e c o n o r n i cc r i s i so ft h el a t e1 9 9 7,however,t u r n e dI n d o n e s i afromaneconomyo fp o s i t i v egrowth e c o n dq u e s t i o na r o s e :d i dt h ec r i s i si n c r e a s et h ei n e q u a l i t yo f i n t oo n eo fn e g a t i v eg r o w t h .Then,as income d i s t r i b u t i o n ?T h i sc o u n t r ys t i l lc o n s i s t sl a r g e l yo fr u r a la r e a,and i si nt h ep r o c e s so f h a n g e ss e c t o r a l income d i f f e r e n t i a l s .T h i sp r o c e s so fu r b a n i z a t i o n may u r b a n i z a t i o n,which c d e t e r i o r a t et h en a t i o n ' sincomed i s t r i b u t i o n ;i ti sf o rt h i sr e a s o nt h a twedecomposet h ec o u n t r yi n t o u r b a nandr u r a la r e a st oa n a l y z ec h a n g e si nincomed i s t r i b u t i o n . TheI n v e r t e d ‑ UH y p o t h e s i so f Kuznetmayb eu s e f u lt ou n d e r s t a n dI n d o n e s i a ne x p e r i e n c e s .Thep u r p o s eo ft h i sp a p e ri st og i v ea b r o a dp i c t u r eo fd i s t r i b u t i o no fincomeandl e v e lo fi n e q u a l i t yi nI n d o n e s i ab e f o r eanda f t e rt h e e c o n o r n i cc r i s i so f1 9 9 7, andp r o p o s esomeh y p o t h e s e se X p l a i n i n gt h es t a t i s t i c a lf i n d i n g s . n a l y z et h ei n e q u a l i t yo fI n d o n e s i au s i n gt e c h n i q u e so f modern More s p e c i f i c a l l y,we a no r d e rt oa s s e s sc o n t r i b u t i o n so fd i f f e r e n tp o p u l a t i o ns u b g r o u p st ot h eo v e r a l l s t a t i s t i c a la n a l y s i s,i i n e q u a l i t y, t od e t e r m i n e t h ep a t t e r n o f income i n e q u a l i t y a t t h en a t i o n a ll e v e l, andt o r o p o s eat e n t a t i v ec o n c l u s i o nt h a t showt h ep a t t e r no fc h a n g e si ni n e q u a l i t y . Byd o i n gs o, wep ‑329‑

326.

t r e n do fincomed i s t r i b u t i o ni nI n d o n e s i ai se x p l a i n e dbyi n e q u a l i t yi nu r b a n紅 白 a n dp o p u l a t i o n movementfromr u r a lt ou r b a na r e a . c r o s soneproblemt h a td e s e r v e s S e t t i n gp e r i o do fo b s e r v a t i o n sfrom1 9 9 0t o2002,wecomea p a r t i c u l a ra t t e n t i o n .T h a ti s,E a s tTimornol o n g e rb e l o n g st ot h i sc o u n t r yi n1 9 9 9 .I ti sf o rt h i s .T h i s r e a s o nt h a twer e c a l c u l a t e di n e q u a l i t yi n d i c e sf o rt h ewholep e r i o de x c l u d i n gE a s tTimor e x c l u s i o na c c o u n t sp a r t l yf o rt h ed i f f e r e n c e sbetweene a r l i e rf i g u r e sando u r s . Ther e s to ft h i sp a p e ri sd i v i d e di n t of o u rs e c t i o n s .S e c t i o n1e x p l a i n st h en a t u r eo ft h ed a t a u s e di nt h i sa n a l y s i s .A f t e rp r e s e n t i n gf o r m u l a ed e f i n i n ga l t e r n a t i v em e a s u r e so fi n e q u a l i t yandt h e i r d e c o m p o s i t i o ni nS e c t i o n2,wer e p o r t,i nS e c t i o n3,ont h es t a t i s t i c a lf i n d i n g si nd e t a i l,w i t hsome nt h el a s ts e c t i o n,wesummaryt h er e s u l t sont h eb a s i s h y p o t h e s e se x p l a i n i n gt h e s er e s u l t s .F i n a l l y,i nd o n e s i ai n t ou r b a na n dr u r a l紅巳 a s . o ft h emainf i n d i n g sr e v e a l e dbyd i v i d i n gI 1 .DATA Usingh o u s e h o l da st h eu n i to fa n a l y s i s,t h i sr e s e a r c hi sdoneont h eb a s i so ft h er n i c r o ‑ d a t a S巴t drawn仕omth巴 h o u s e h o l ds u r v巴yu n d e r t a k e nbyB P S ‑ S t a t i s t i c sI n d o n巴s i a .Th巴 s 巴r i巴so fn a t i o n a l o n o r n i cs u r v e y s,knownbyt h巴 I n d o n e s i a nacronymS u s e n a sw巴r 巴t h巴 mostf r巴qu巴n t l yu s e d s o c i o ‑巴c t u d i e so fincom 巴d i s t r i b u t i o nr e l y i n gonh o u s e h o l dconsumption巴xp巴n d i t u r 巴 s o u r c ef o rn a t i o n w i d巴 s d a t as i n c et h i ss u r v e yi st h eo n l ys o u r c eo fi n f o r m a t i o nonh o u s e h o l de x p e n d i t u r e sc o v巴r i n gt h巴 wholeo fI n d o n e s i a .Consumptionexp巴n d i t u r ed a t ai su s e da sap r o x yo fm巴a s u r i n gs o c i e t y ' sincom 巴 d i s t r i b u t i o n,巴V巴nt h o u g hi ti sacknowledg 巴dt h a ts u c hawayi nf a c th a sas 巴r i o u sdem 巴r it . Th巴 u s巴 o fc o n s u m p t i o ne x p e n d i t u r巴 d a t ac a nu n d e r e s t i m a t巴 i n c o m e . Howev巴r , b 巴c a u s巴 income d a t a ot h eu s eo fh o u s e h o l dconsumption巴x p e n d i t u r 巴 c o l l e c t i o ni nI n d o n e s i ai ss t i l lr e l a t i v e l yd i f f i c u l t,s d a t ai ss t i l lr e g a r d巴da sa na l t e r n a t i v ew i t ht h er 巴a s o nt h a ta sweknowt h a tt h巴r 巴 t wok i n d so f a ) incom 巴 i nc a s h and ( b ) incom 巴 i nk i n d ;t h i ss u r v e yi nc o l l巴c t i n gt h巴 i n c o m e ; namely, ( c o n s u m p t i o n巴x p e n d i t u r巴 d a t aa l s ot a k e st h巴 o r i g i n a ls o u r c巴 o fexp巴n d i t u r 巴i n t oc o n s i d e r a t i o n,s u c h r( b )s 巴l f ‑ p r o d u c巴 e s p e c i a l l yi nf o o d ‑ c o n s u m p t i o ni t巴m s . a s( a )p u r c h a s巴 o i ah a sb巴e nc 紅r y i n go u tt h i ss u r v e ys i n c巴 t h巴 f i r s tt i m 巴 i n1 9 6 3 TheB P S ‑ S t a t i s t i c sI n d o n巴s 巴P 釘t so fI n d o n e s i a nt e π i t o η .The1 9 6 3S u s e n a sc o v e r e do n l yJ a v ai s l a n d whichc o v e r e do n l ysom r o v i n c巴sa tt h a tt i m 巴a ndt h巴 numbero fh o u s巴h o l dsampl巴 wasa r o u n d1 6,0 0 0 . composedo ff i v巴 p e r t h巴l e s s,t h enumb巴ro fsamples i z eg r a d u a l l yi n c r 巴a s e d .Thep u r p o s巴 o fi n c r 巴a s i n gsampl巴 s i z e N巴v 巴p r 巴S巴n ta l lp a r t so ft h巴 c o u n t r y .Withanumb巴ro fh o u s巴h o l d si n i st h a tt h es a m p l er n i g h tbea b l et or t h巴 s a m p l e( 4 9,000i n1 9 9 0 ;65,600i n1 9 9 3 ;65,664i n1 9 9 6 ;49,248i n1 9 9 9 ;and62,720i n2 0 0 2 ), t h巴 s u r v e yi sc a p a b l巴 o fo b t a i n i n gb o t hn a t i o n a landp r o v i n c i a l l e v巴l巴s t i m a t巴s . S u s e n a sq u e s t i o n n a i r巴 ー c o n s u m p t i o nmoduleq u e s t i o n n a i r 巴ー c ov巴r stwop紅 白 o fe x p e n d i t u r巴 i t e m s ;nam 巴l y,f o o dandn o n ‑ f o o dg r o u p .Foodc a t e g o r yi sc o m p r i s巴dfroma b o u t200i t e m swh巴r 巴a s 巴mi si n c l u d巴di nt h en o n ‑ f o o dg r o u p .Th巴y紅巳 205,203,216,214,and at o t a lnumbero fa b o u t1 0 0i t n sand97, 1 0 3, 1 0 3, 1 0 5,a n d1 0 5f o rn o n ‑ f o o di t巴msi n1990, 1 9 9 3, 1996, 1 9 9 9, 216f o rf o o di t巴r and2002qu巴s t i o n n a i r e,r e s p巴c t i v e l y .I nt h ec a s巴 o ff o o dc o n s u m p t i o n,S u s e n a sp r o v i d巴si n f o r m a t i o n tr e c o r d sw h e t h e raconsumedf o o d s t u f fi si n i t i a l l ym a r k e t ont h eo r i g i n a ls o u r c eo fc o n s u m p t i o n .I rr 巴c 巴i v e da sag i f t .I twasc o l l e c t巴di n f o r m a t i o nonq u a n t i t yandmoney p u r c h a s巴d,own‑produc巴do v a l u巴 f o ri t e m sonf o o dc a t巴g o r ywh巴r e a sonn o n ‑ f o o dc a t e g o r yi t 巴r n s,i n f o r m a t i o ng a t h e r e dwas r e l a t e do n l yt omoneyv a l u巴. 2 .METHODOLOGY 2 . 1I n e q u a l i t yMeasures 巴1i n e q u a l i t ym巴a s u r e sf o ri n d i v i d u a l sa r巴 examinedbya d j u s t i n gt h巴 t o t a lconsumption Incom 巴x p e n d i t u r eo fah o u s巴h o l dw i t ht h巴 numbero fi t smemb巴r( s i z巴).Henc巴 , t h el i v i n gs t a n d a r d samong ' I nt h i sp a p c r ,incomei sa p p r o a c h c dbyc o n s u m p t i o n . e x p e n d i t u r e .T h e r e f o r c,t h ct c r m so fi n c o m e l e x p e n d i t u r cw i l lbcl 1s e di n t e r c h a n g e ‑ a b l yt h r o u g h o u tt h cr e s to ft h ed i s c u s s i o n ハ 川U ハ ペU nぺU

327.
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2 . 3Useo fSAS Weh a v eu s e dhuged a t as e t so fS u s e l l a so ff i v ey e a r s .Tod ot h esamec a l c u l a t i o nf o rs u c h r o t eSASmacrop r o g r a m s .Oneo fs u c hp r o g r a m sf o rc a l c u l a t i n gG i n ic o e f f i c i e n ti s d a t as e t s,wew o rt h i sp a p e rh a v ebeendonebySAS. g i v e ni nt h eA p p e n d i x .A l lt h ec a l c u l a t i o n sn e c e s s紅 yf 3 .PATTERNSOFINCOMEINEQUALITYININDONESIA i ty 3 . 1O v e r a l lInequaI T a b l e 1p r o v i d e sasummaryo fi n e q u a l i t yi n d i c a t o r sf o rt h ep e r i o d1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2 .Thet a b l e c o n t a i n si n f o r m a t i o nond i f f e r e n ti n e q u a l i t ym e a s u r e s .1 na d d i t i o nt ot h eG i n ii n d e x, twomemberso f G e n e r a l i z e d T" ab l e1 .I l l c o m eI l l e q u a l i t yI n d i c a t o r s E n t r o p yC l a s s,and A t k i n s o n I ndex Index 1990 1993 1996 1999 2002 {3) ( 4 ) ( 6 ) w i t h t h r e e 廿7 ~ =皇= p a r a m e t e r s o f 0.3468 0.3630 0.3173 0.3306 0.3412 Gini 0.3307 0.3174 0.3470 0.3632 0.3412 a v e r s i o n ( 0 . 5, 2, 0.2070 0.2302 0.2 0.2320 TheilT 喝 24 0.1927 and 4 ) a r e a l s o 0.2073 0.2304 0.2626 0.1927 0.2320 p r e s e n t e d . 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Thee f f e c to ft h em o n e t a r yc r i s i s was s e v e r ef o r O l l e t a η c r i s i sq 酔c t sI l l d o l l e s i a worse t h a l li ta f f e c t sa l l yo t h e rc o u l l t r i e s, 1 n d o n e s i a ." . . .The m b e c a u s et h e r ea r ea l s or a c i a lproblemsi l lI l l d o l l e s i a . . . "( S o n, n . d ., p . 3 ) .1 na d d i t i o n, t h ec r i s i swasa l s o a c c o m p a n i e dbyap o l i t i c a lc r i s i s . Thec r i s i sh a st u r n e d1 n d o n e s i a仕oma neconomyo fp o s i t i v eg r o w t hi n t ooneo fn e g a t i v e e rc e n ti n1 9 9 6t or n i n u s1 3p e rc e n ti n1 9 9 8 .Manyw o r k e r swere g r o w t h .GDPg r o w t hf e l l仕om8p l a i do f ffromt h e i rj o b sd u r i n gt h i sp e r i o d,e s p e c i a l l yn o n ‑ a g r i c u l t u r ew o r k e r s .Them a n u f a c t u r i n g s e c t o rf l u c t u a t e dv e r yv i o l e n t l yw i t ht h en e g a t i v eg r o w t hr e s u l t i n gi nas e v e r ec o n t r a c t i o no fGDP. Theb a de c o n o r n i cs i t u a t i o nr e s u l t i n gfromt h ec r i s i sh a sc a u s e dt h ep e o p l e ' sd i s s a t i s f a c t i o nt ot h e governmen t .1 nMay1 9 9 8,t h e r ewasas t u d e n t s 'movement,whichc a u s e dt h ed o w n f a l lo fP r e s i d e n t S o e h a r t o ;V i c eP r e s i d e n tH a b i b i ewasp o i n t e da st h et h i r dp r e s i d巴n to ft h eR e p u b l i co f1 n d o n e s i a, whichr u l e do n l yf o roney e a r,a n da f t e rt h a tt h e r eweremanyr i o t s .D i s s a t i s f a c t i o na b o u te c o n o r n i c o v e r n m e n tb u ta l s ot ot h巴巴 t h n i cChin 巴s e .I nt h eMay1 9 9 8 c o n d i t i o nwasn o to n l yd i r e c t e dt ot h巴 g ElElEl ‑ 胃 。 nぺU nぺU ︑u η

330.

r i o t smoret h a n500p e o p l ed i e dandt h o u s a n d so fs h o p s,homes,ando f f i c e swered e s t r o y e d,where manyo fthemb e l o n g e dt oe t h n i cC h i n e s e .TheC h i n e s er n i n o r i t yh a st h e r e f o r es u f f e r e das e v e r e 口y .Mucho ft h ev i o l e n c eh a sbeend i r e c t e da tt h e t r a u m a t i cs h o c ks i n c emanyh a v el o s tt h e i rp r o p e C h i n e s er n i n o r i t y,whichi sr e s e n t e dp a r t l yb e c a u s eo fi t sr e l a t i v ew e a l t h .T h e r ei sa tl e a s ta nimage amongn a t i v el n d o n e s i a nt h a tC h i n e s ea r er i c handc o n t r o lt h eeconomy.Somel n d o n e s i a n so f t e n blamet h eC h i n e s ef o rt h em o n e t a r yc r i s i s ;e v e nt h o u g h, t h eC h i n e s eh a sn o t h i n gt od ow i t ht h ec a u s e o ft h ec r i s i s . Some l e f tt h ec o u n t r yt e m p o r a r i l yo rp e r m a n e n t l y .S i n c et h e n,e t h n i c ‑ C h i n e s e h ef l i g h to fw e a l t h y, b u s i n e s s m e nwerer e p o r t e dt ob ef u r t h e rs e n d i n gt h e i rw e a l t ha b r o a d .に T e d u c a t e dC h i n e s ef o l l o w i n gl a s tM a y ' sr i o t scamea sas h a t t e r i n gblowi nan a t i o nt h a th a ss i n c e becomet h e f r a i l e s to fA s i a ' so n c ep r o s p e r o u sandnows h a t t e r e de c o n o m i e s .Ane s 凶 E t h e ml e f tt h eω c o u n t l η γ ヲ"t a k i n gw i t hthemt e n so fb i l l i o n so fd o l l a r s . . . ." ( W a s h i n g t o nTimes,November 2 71 9 9 8 ) .Sim,SusanfromS i n g a p o r eS t r a i t sTimesr e p o r t e dt h a taccompanyinga ne x o d u so fe t h n i c C h i n e s ee n 仕e p r e n e u r sa b o u tUS$80b i l l i o n(S$136b i l l i o n )h a da l r e a d yl e f tt h ec o u n t r yand2 5, 000 e t h n i cC h i n e s eb u s i n e s s m e nwerel i k e l yt ot a k et h e i rf a r n i l i e so u to fl n d o n e s i ac o s t i n gt h ec o u n t r y a n o t h e r US$500 r n i l l i o ni nl o s te x p e n d i t u r e .R e u t e r sa l s or e p o r t e dt h a tl n d o n e s i as u f f e r e da n u r i n ganda f t e rt h eMayr i o t sandsawl i t t l e e s t i m a t e dUS$20b i l l i o ni nc a p i t a lo u t f l o w sb e f o r e,d c h a n c eo ft h e money r e t u r n i n gs o o n .I t made as e r i o u sp r o b l e mo ft h eI nd o n e s i a n economy. h enumbero fC h i n e s ecommunitywasa b o u t3p e rc e n to ft h ep o p u l a t i o n A c c o r d i n gt oH i l l( 2 0 0 0 ),t b u tt h e yc o n t r o l l e dp e r h a p supt o40p e rc e n to ft h eeconomy.Moreover,B a r d s l e y( 19 9 9 )s t a t e st h a t nd o n e s i ai si nc o n t r o lo f70%o ft h eeconomy.H i l lshowsat a b l eo ft h e 3.5%o ft h eC h i n e s ei nI rb u s i n e s sc o n g l o m e r a t e si nI nd o n e s i aonp a g e1 1 3 .Thet a b l ee x h i b i t st h a to n l yf o u ro u to ft h e m可o r i b u m i3andtwoo ft h et h r e el a r g e s twereownedby t o p40c o n g l o m e r a t e si n1 9 9 3wereownedbyp t h ef o r m e rP re s i d e n tS o e h a r t o ' ss o n s .Basedona n o t h e rt a b l el i s t i n gt h el a r g e s t40p r i v a t eb u s i n e s s g r o u p si nI nd o n e s i a,Booth( 1 9 9 2 )e s t i m a t e st h a tt o t a la n n u a ls a l e so fthemi n1 9 8 8were巴s t i m a t e d t ob eR p .3 7t r i l l i o ni nwhicht h et o p1 0a c c o u n t e df o ra l m o s t5 7p e rc e n t ;a l lwerec o n t r o l l e dby l n d o n e s i a n so fC h i n e s ee x t r a c t i o n .From40c o n g l o m e r a t e s,o n l y1 2werec o n t r o l l e dbyp r i b u m i i n t e r e s twhicha l lt o g e t h e ra c c o u n t e df o ro n l y1 7 . 9p e rc e n to ft o t a ls a l e s .I tshowst h ed e g r e et o whicht h el n d o n e s i a neconomywasd o r n i n a t e dbyar e l a t i v e l ys m a l lnumbero fb u s i n e s sg r o u p s, mosto fwhichwereownedbyl n d o n e s i a n so fC h i n e s ed e s c e nt . C o n s i d e r i n gt h ec o n d i t i o nm e n t i o n e da b o v e,a l lt h e s ef a c t o r s‑ ‑e c o n o r n i c,p o l i t i c a l,ands o c i a l s i t u a t i o n‑ ‑a l lt o g e t h e rr n i g h tb ea b l et ob et a k e ni n t oc o n s i d e r a t i o n sa sf a c t o r sr e d u c i n gincome i n e q u a l i t yi nl n d o n e s i ad u r i n g1 9 9 6 ‑ 1 9 9 9 .A c c o r d i n gt oP i g o u ‑ D a l t o np r i n c i p l eo ft r a n s f e r,any incomet r a n s f e rfromar i c h e rt oap o o r e rt h a td o e sn o tr e v e r s巴 t h巴i rr 巴l a t i v er a n k si nincomer e d u c e s t h ev a l u eo fi n d e x .T h i ss t a t e m e n ti m p l i e st h a tt h eincomes h a r eo ft h er i c hf a l l s .l ti st h ec a s ei n l n d o n e s i ad u r i n gt h ec r i s i s,i fwel o o ka tt h ea b o v es i t u a t i o ne v e nt h o u g hn o tt r a n s f e rb u ti ts t i l l r e d u c e st h e income s h a r eo ft h er i c hi n which t h a to ft h ep o o ri s unchanged o ri n c r e a s e s . h i sc a ne x p l a i nt h ed e c r e a s i n gi ni n e q u a l i t yl e v e ld u r i n gt h ep e r i o d1 9 9 6 ‑ 1 9 9 9 .When A c c o r d i n g l y,t incomei n e q u a l i t ybegant o t h ee c o n o r n i cs i t u a t i o nwasr a t h e rs t a b l efromp r o l o n g e de c o n o r n i cc r i s i s, r i s ea g a i nshowedbyt h ei n c r e a s i n gG i凶 c o e f f i c i e n tby7 . 5 3p e rc e n tfrom0 . 3 1 7 3t o0 . 3 4 1 2i n2 0 0 2 . l no r d e rt oc o n c e p t u a l i z i n gandm e a s u r i n gi n e q u a l i t yv i s u a l l ys oa st og e tac o m p l e t ep i c t u r e s s e n t i a lg r a p h i ca n a l y t i c a lt o o l sa r eemployedh e r e .T h e s e o fincomed i s t r i b u t i o ni nl n d o n e s i a,twoe twog r a p h i c a lp r e s e n t a t i o nd e v i c e si n c l u d eL o r e n zCurveandC u m u l a t i v eF r e q u e n c yD i s t r i b u t i o n F u n c t i o n(CDF)whicha r ep l o t t e di nF i g u r e2 .Duet ot h er e l a t i v e l ys l i g h t l yd i f f e r e n tG i n ic o e f f i c i e n t, t h eL o r e n zc u r v ea r ed e p i c t e di nt h es e v e r a lf i g u r e ss ot h a twew i l lb ea b l巴 t os 巴巴 t hemmor 巴c l巴a r l y t h ee x p e n d i t u r el e v e li st r u n c a t e da tt h巴 l 巴v e lo f1 , 000, 000r u p i a h s . w h i l ei np r e s e n t i n gCDF, l foneLorenzc u r v el i e se v e r y w h e r ea b o v ea n o t h e ri ti ss a i dt o" L o r e n zdominance"o v e rt h e o t h e rc u r v eanda l li n e q u a l i t ym e a s u r e sw i l lshowi n e q u a l i t yt ob el o w e rf o rt h eh i g h e rc u r v e .l f h e nA d i s p l a y s' ' f i r s t d i s t r i b u t i o nf u n c t i o nA l i e snowherea b o v ea n dsomewherebelowt h a to fB,t o r d e r ‑ s t o c h a s t i cd o m i n a n c e "o v e rB .F i r s to r d e rs t o c h a s t i cd o r n i n a n c eo fd i s t r i b u t i o nA o v e rB i m p l i巴st h a tanys o c i a lw e l f a r ef u n c t i o nt h a ti si n c r e a s i n gi nincome,w i l lr e c o r dh i g h e rl e v e l so f 19 8 1 ; 1 9 8 3 . ) w e l f a r ei nd i s t r i b u t i o nAt h a ni nd i s t r i b u t i o nBa ss t a t e dbyS a p o s n i k( , , 3 P r i b u m ir e f e r st oi n d i g e n o u sp e o p l ea sd i s t i n c t仕omn o n ‑ p r i b u m i mainlyc t h n i cChinese ハ凶畠 a nぺU nぺU

331.
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332.

bottom50p e rc e n ti nt e r m so fincomea p p r o x i m a t e dbyh o u s e h o l de x p e n d i t u r ep e rc a p i t a .The o p p o s i t es i t u a t i o nh a p p e n si nt h eo t h e ry e a r s .Themoste q u a l l yd i s t r i b u t e dincomec a nbes e e ni nt h e c a s eo f1 9 9 9i nwhicht h el o w e s t50p e r c e n th a st h eh i g h e s tincomes h a r eo f2 9 . 0 1p e rc e n tamong o t h e ry e a r s .I tshowst h a tt h ep o o rweren o tp r o b a b l ymuchi n f l u e n c e dbye c o n o r n i cc r i s i s,andt h e i m p a c to ft h ec r i s i s,ont h eo t h e rhand, wasmores e v e r ef o rt h er i c h . Themovemento ft h es h a r eo ft h et o p1 0p e rc e n ta n dl o w e s t50p e rc e n th a st h eo p p o s i t e d i r e c t i o ni n which i ft h ef o r m e ri n c r e a s e st h e nt h el a t t e rd e c r e a s e s ;i nc o n t r a s t,i ft h ef o r m e r d e c r e a s e st h e nt h el a t t e ri n c r e a s e s .T h a to ft h et o p1 0p e rc e n th a sc o n s i s t e n c yw i t ht h ec h a n g ei n t h e nt h e r ew i l la l s ob ea n incomei n e q u a l i t y .I ft h e r ei sa ni n c r e a s ei nt h es h a r eo ft h et o p1 0p e rc e n t, ft h es h a r eo ft h et o p1 0p e rc e n tf a l l s,t h ei n d e xw i l la l s o i n c r e a s ei nt h eG i n ii n d e x .C o n v e r s e l y,i d e c r e a s e .I tmeanst h a tt h et r e n do ft h eo v e r a l li n e q u a l i t yi nl n d o n e s i ad u r i n gt h ep e r i o d1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2 . i sm a i n l yd e t e r r n i n e dbyt h ec h a n g ei nt h eincomes h a r eo ft h et o p1 0p e rc e nt Lookinga tt h ed i s t r i b u t i o no fincomebyd e c i l eg r o u p si nT a b l e3,wec a ns e et h a tt h eincome s h a r er i s e sr e l a t i v e l ys l o w 1 ya swemovefromt h el o w e s tg r o u pupwards,b u tt h e r ew i l lb eab i ggap betweent h en i n t hd e c i l eandt h et o p10%.I ti sp r o b a b l yaf e a t u r eo ft h eincomed i s t r i b u t i o np a t t e r n i nt h ed e v e l o p i n gc o u n t r i e sa st h ec a s eo fI nd o n e s i a . 3 . 2Urban/Ru r a lAreaIncomeI n e q u a l i t y I n e q u a l i t yi nincomed i s t r i b u t i o namongs o c i e t yg r o u pt a k e sp l a c en o to n l yf o rt h ec o u n t r ya s a s‑ ‑u r b a nandr u r al .I ncomewasd i s t r i b u t e dmo 陀 e v e n l y awholeb u ta l s os p a t i a l l yo rb e t w e e n紅 e i nr u r a lt h a ni nu r b a na r e a ;i no t h e rwords,incomed i s t r i b u t i o ni nr u r a l紅 巳 ai sb e t t e rt h a ni nu r b a n a r e a .I ti sshowni nT a b l e3t h a ta l lr u r a lG i凶 c o e f f i c i e n t sa r ea l w a y sl o w e rt h a nt h a to fu r b a n .The t a b l ea l s ot e l l su st h a ta v e r a g eu r b a nh o u s e h o l de x p e n d i t u r ep e rc a p i t ai smuchh i g h e rt h a nt h a to f .TheG i n ic o e f f i c i e n tf o rI nd o n e s i a nu r b a nd w e l l e r si n c r e a s e ds l i g h t l y企 ひm 0 . 3 4 6 3i n1 9 9 0t o r u r al 0 . 3 4 7 4i n1 9 9 3andd r a m a t i c a l l yr o s et o0 . 3 7 0 5i n1 9 9 6,w h i l ef o rt h er u r a lp o p u l a t i o nt h ei n c r e a s e wasa l s oe x p e r i e n c e dd u r i n gt h i sp e r i o d企om0 . 2 6 3 3i n1 9 9 0t o0 . 2 8 2 3i n1 9 9 6d u r i n gt h ep r e ‑ c r i s i s p e r i o d . T' ab l e3 .MeanH O l l s e h o l dE x p e n d i t u r ePerC a p i t aandG i n iC o e f f i c i e n tb yArea │ A問 O v e r a l l │ I 1990 y 1993 30, 310. 4 8 e a r │ 1996 1999 2002 1990 I I 43, 842.54 70, 055.63 I I 帥 … iC n t I1993 I1996 I1999 I2002 I 137, 454.50 0.3468 0.3629 1 ♀」ー上ー」ユ 0.3173 0.3412 Urban 44, 062.32 64, 628.02 100, 635.13 180, 496.88 273, 359.34I 0.3463 0.3474 0.3705 0 . 3 3 0 1 0.3442 R u r a [ 24, 309. 45 33, 470.95 52, 749.99 109, 526.20 152, 784 . 411 0.2633 0.2687 0.2823 0.2531 0.2598 旧 Rat 1 .8 1 1 . 9 3 1 .9 1 1 . 7 9 1 .65 SOllrce:Ownc alculationfromt h e1990‑2002SIISeI lQ S. A l t h o u g hincomewase v e n l yd i s t r i b u t e di nr u r a l紅 巳 a,u r b a n紅 巳 aa p p e 紅 巳 dt ob eb e n e f i t i n g r e l a t i v e l y more from e c o n o r n i cg r o w t h . Ther a t i oo fa v e r a g eu r b a nh o u s e h o l de x p e n d i t u r e st o a v e r a g er u r a lh o u s e h o l de x p e n d i t u r e si n d i c a t e st h ed i s p a r i t yshowingt h eincomegapbetweenr u r a l andu r b a na r e a s .Ther a t i oh a sbeeni n c r e a s i n g企oma b o u t1 .8 1i n1 9 9 0t o1 .93i n1 9 9 3 .T h e r ewas nof u r t h e rr i s ei nu r b a n ‑ r u r a ld i s p a r i t yu n t i lt h ey e a r1 9 9 6 .D u r i n gt h ep e r i o dc o v e r i n ge c o n o r n i c h eG i n ic o e f f i c i e n tf o rb o t hI n d o n e s i a nu r b a nandr u r a lp o p u l a t i o nd r o p p e dd r a s t i c a l l yu n t i l c r i s i s,t belowi t si n i t i a l l e v e li n1 9 9 0‑ ‑0. 33 0 1i nt h ec a s eo fu r b a nand0 . 2 5 3 1i nt h ec a s eo fr u r al .They, however,r o s ea g a i ni n2002t o0 . 3 4 4 2and0 . 2 5 9 8i nu r b a na r e aandr u r a la r e a,r e s p e c t i v e l y .The d e c r e a s eandi n c r e a s ei nG i n ic o e f f i c i e n t仕om1 9 9 6t o1 9 9 9andt o2002a r eaccompaniedbyt h e d e c l i n eandt h er i s ei nt h er a t i o .I td e c l i n e di n1 9 9 9andr o s ea g a i nt o1 .79i nt h ey e a r2 0 0 2 .I t i n d i c a t e st h a ti n2002u r b a np o p u l a t i o ni s79p e rc e n tb e t t e ro f ft h a nt h a to fr u r a. lWec a no b s e r v e a l s ot h a ta l ly e a rG i n ic o e f f i c i e n t so fu r b a n紅 巳 h i g h e rn o to n l yt h a nt h a to fr u r a lb u ta l s ot h a nt h a to f t h ec o u n t r y ‑ w i d e .Thes m a l l e ri st h egap,t h emoree q u a li sincomed i s t r i b u t i o ni nt h ec o u n t r ya sa w h o l e . i v e nt h ed i s t r i b u t i o nw i t h i nr u r a landu r b a ne c o n o r n i e s,t h ei n e q u a l i t yo f G e n e r a l l ys p e a k i n g,g o v e r a l ld i s t r i b u t i o no fincomev a r i e sd i r e c t l yw i t ht h ei n e q u a l i t ybetweena v e r a g eu r b a nanda v e r a g e r u r a li n c o m e .Ar i s ei nr u r a lincome,a sap r o p o r t i o no fn a t i o n a lincome,shownbyt h es m a l l e rr a t i o nhu qd つd

333.

i nTab!e3h a sas t r o n g ! ye q u a l i z i n ge f f e c tont h ed i s t r i b u t i o nofincomef o rI n d o n e s i aa sawhole r e d u c i n gt h el e v e loft h ei n e q u a l i t yi n d e x . ThemovementofurbanG i n ii n d e xi ss i m i l a rt ot h a toft h eo v e r a l lG i n i .Thei n c r e a s ei n incomei n e q u a l i t yi nurbana r e ap l a y e dani m p o r t a n tr o l ei ni n c r e a s i n go v e r a l lincomei n e q u a l i t y . Changeso ft h et o p1 0p e rc e n tofu r b a nincomes h a r ea f f e c t e dt h et o p1 0p e rc e n toft h ewhole I n d o n e s i ad i r e c t l yb e c a u s eurbanp o p u l a t i o np r e d o m i n a t e st h et o p1 0p e r c e n to ft h ec o u n t r ya sa w h o l e .T h i sr e l a t i o n s h i pa l s o happens i nt h er e g a r dt ot h e income s h a r eo ft h el o w e s tincome betweent h ewholeI n d o n e s i aandt h er u r a la r e a . T a b l e4 . P e r c e n t af !eo fPOf Ju l a t i o nC o n t r i b u t i o n G r o u p T h eL o w e s t10% T h eL o w e s t50%・} T h e T o p1 0 % 15.00 85.00 14.87 85.13 18.52 81. 48 23.87 76.13 25.81 73.90 26.10 80.14 19.86 79.85 20.15 80. 42 19.58 85.03 14.97 (24.31) (3.75) (24.07) (2.98) (22.09) (3.16) (20.43) (3.23) (19.13) (2.69) 74.19 Ownc a l c u l a t i o n仕omt h e1990‑2002SUsellQs. Source: Table4p r o v i d e st h ep o p u l a t i o ns h a r eoft h er i c h e s td e c i l eandt h ep o o r e s td e c i l ea sw e l la st h e e v e n t y ‑ t h r e ep o i n tn i n ep e rc e n toft h er i c h e s t 10%l i v e di n p o o r e s t50%.Asg i v e nbyTable4,s aa c c o u n t i n gf o r2 4 . 3 1p e rc e n to ft o t a lu r b a np o p u l a t i o ni n1990andbecame8 5 . 0 3p e r urban紅 e c e n tcomposingof1 9 . 1 3p e rc e n tofu r b a np o p u l a t i o ni nt h el a s tp e r i o d .Ont h eo t h e rhand,more t h a n8 5p e rc e n to ft h ep o o r e s t10%o r74p e rc e n to ft h ep o o r e s t50%l i v e di nt h er u r a la r e a .1 teven 48p e rc e n ti nt h ec a s eofthel o w e s t10%and85.13%i nt h ec a s eofthel o w e s t50%i n r e a c h e dt o93. 1 9 9 3 .Thef a c tt h a tmanyurbanp e o p l el o s tt h e i rj o b sd u r i n gt h eeconomicc r i s i sh a smadethem ti sshownbya becomeunemployedi n c r e a s i n gt h enumbero ft h ep o o rwhol i v e di nurbana r e a .I v e r ys h a 中 i n c r e a s ei nt h ep e r c e n t a g eo ft h ep o o rr e s i d i n gi nurban紅 白 fromo n l y8 . 1 3p e rc e n ti n i g h tbea b l et os a yt h a tt h ed e c r e a s i n g( i n c r e a s i n g ) 1996t o1 4 . 5 4p e rc e n ti n1 9 9 9 .T h e r e f o r e,wem income s h a r e oft h er i c h oft h ec o u n t r ya s a whole i s mostly a t t r i b u t a b l et ot h ed e c r e a s i n g ( i n c r e a s i n g )incomes h a r eo ft h er i c hd w e l l i n gi nu r b a na r e ao v e rt h ef u l lp e r i o d . ea 3 . 3DecompositionofOverallI n e q u a l i t ybyAr nowwemovet ot h edecompositiono ft o t a l A f t e ra n a l y z i n gu r b a n ‑ r u r a li n e q u a l i t ys e p a r a t e l y, i n e q u a l i t yw i t hr e s p e c tt ou r b a n ‑ r u r a ld i v i d e .Thed e c o m p o s i t i o nr e s u] ti nTable5showst h a tt h e b e t w e e n ‑ g r o u pi n e q u a l i t ya c c o u n t sf o ras m a l l e rp a r to ft h eo v e r a l li n e q u a l i t yt h a nt h ew i t h i n ‑ g r o u p i n e q u a l i t y .Noneoft h ey e a r sshowst h a tmoret h a n24%o ft h eo v e r a l li n e q u a l i t yi sa t t r i b u t a b l et o e t w e e n ‑ g r o u pi n e q u a l i t y,i nt h ec a s eo fT h e i l ‑ T .I nas i m i l a rmanner,T h e i l ‑ Lg i v e s27%.The t h eb e t w e e n ‑ g r o u pcomponenth a st oo v e r a l li n e q u a l i t yhappened h i g h e s tc o n t r i b u t i o n(23.02%)t h a tt h eb i v e nbyt h eT h e i l ‑ Ti n d e x .L i k e w i s e, T h e i l ‑ Lg i v e st h er e s u l to f26.18%a st h eh i g h e s tone i n1993,g U r b a n 円u raJ W i t h i n 0 . 2 1 8 0 0 . 0 9 6 3 4 6 . 5 2 怖 0 . 1 2 3 0 0 . 0 6 8 7 0 . 1 6 5 0 3 3 . 1 9 同 0 . 1 3 3 0 0 . 0 6 7 7 79.71% 0 . 1 7 7 2 0 . 0 4 2 0 Between T o t a ! T h e i lL U r b a n R u r 剖 W i t h i n 0 . 2 0 7 0 0 . 2 0 7 0 0 . 1 9 4 1 0 . 0 5 9 0 0 . 2 6 4 1 0 . 1 3 7 1 0 . 0 5 3 0 2 9 . 4 1拍 0 . 1 5 3 2 0 . 0 7 3 7 76.98% 0 . 2 1 0 8 0 。 2 3 . 0 2 ¥ ; 0 . 0 5 1 6 0 . 2 3 0 2 0 . 2 3 0 2 0 . 2 6 2 4 0 . 2 6 2 4 20.29% 33.35% 0 . 1 9 6 1 5 2 . 2 5 明 日 2029 0 . 1 0 4 8 5 4 . 3 ,尚 0 . 2 3 6 1 0 . 1 3 9 0 5 9 . 9 1同 2 8 . 09 ' ¥ も 0 . 0 5 6 8 29. 48 同 0 . 1 2 4 6 0 . 0 5 1 2 22.07% 0 . 1 6 1 7 83.91% 0 . 1 9 0 2 81.98~ゐ 0 . 0 3 1 0 1 6 . 090/ 0 0 . 0 4 1 8 18.02% 0 . 1 1 7 6 80.34% 0 1 9 . 6 6 ゐ , 0 . 1 9 2 7 0 . 1 9 2 7 0 . 2 3 2 0 0 . 2 3 2 0 0 . 0 6 5 3 3 3 . 5 9 的 0 . 2 2 3 8 0 . 0 8 0 9 37.75% 0 . 1 7 6 2 0 . 0 6 9 3 42.4軒も 0 . 1 9 3 6 0 . 0 8 6 0 45. 48 同 4 0 . 2 3 拍 0 . 1 3 0 1 38.78% 0 . 1 0 4 3 0 . 0 6 3 2 38.75% 0 . 1 0 9 7 0 . 0 6 0 9 3 2 . 2 10 / 0 0 . 1 3 6 9 77.39% 0 . 1 4 3 5 7 3 . 8 2 0 / 0 0 . 1 6 4 0 7 6 . 5 3 同 0 . 1 3 2 6 8 1 . 3 伊ゐ 0 . 1 4 7 0 7 7 . 7 4 同 0 . 0 4 0 0 22.61% 0 . 0 5 0 9 2 6 . 1 8拍 0 . 0 5 0 3 23. 47% 0 . 0 3 0 5 1 8 . 7 伊ゐ 0 . 0 4 2 1 22.26% 0 . 1 7 6 9 0 . 1 7 6 9 T o t a l 4 7 . 5 7 怖 44.09% 0 . 1 1 7 3 0 . 0 7 8 2 0 . 1 1 2 0 0 . 0 7 8 0 Between 0 . 2 2 3 2 0 . 1 0 9 5 0 . 1 9 4 4 0 . 1 9 4 4 0 . 0 8 3 1 0 . 2 1 4 3 0 . 2 1 4 3 Ownc a l c u l a t i o nf r o mt h c1990‑2002Susenas Source: 3 3 7一 0 . 1 6 3 1 0 . 1 6 3 1 0 . 1 8 9 1 0 . 1 8 9 1

334.

t a k i n gp 1 a c ea 1 s oi n1 9 9 3 .Usingt h e s etwoi n d i c e s, w巴巴 s t i m a t et h es m a l l e s tc o n t r i b u t i o no fb e t w e e n g r o l l pi n e q u a 1 i t yt obe16.09%and18.70%f o r1 9 9 9 . T u r n i n gt ow i t h i l l ‑ g r o l l pi n e q u a l i t y,wef i n dt h a ti tg i v e s moret h a n 76% c o n t r i b u t i o nt o . e .7 9 . 7 1% , 76.98%,80.34%,8 3 . 9 1% , o v e r a l li n e q u a 1 i t yi nI n d o n e s i af o ra l ly e a r si nt h i sa n a 1 y s i s,i and81 .98%,r e s p e c t i v e 1 y,i n1 9 9 0,1 9 9 3,1 9 9 6,1 9 9 9,and2 0 0 2 .Theb i gc o n t r i b u t i o no fw i t h i n ‑ g r o l l pi n e q u a l i t ym a i n 1 ycamefromi n t r a ‑l Ir b a ni n e q u a l i t ywhicha c c o u n t e df o rmoret h a n46%o f t o t a 1i n e q u a 1 i t y .Thef a c tt h a tt h es h i f to fp o p u 1 a t i o nfromr u r a 1a r e at ou r b a na r e ah a si n c r e a s e d u r b a nincomemadet h ec o n t r i b u t i o no fi n t r a ‑ u r b a ni n e q u a l i t yt oI n d o n e s i a ' si n e q u a l i t ya sawho1巴 n s巴. UsingT h e i 1 ‑ Li ndecomposingo v e r a l li n e q u a 1 i t yi n t ob e t w e e nandw i t h i ncomponents,wec a n f u r t h e rd i s a g g r e g a t巴 ' b e t w e e n 'i n t oa ne f f e c td u et oc h a n g e si nr e 1 a t i v emeani n c o m e sbetweenu r b a n oc h a n g e si nt h es i z eo fu r b a na n dr u r al .Thedynamicd e c o m p o s i t i o ni nT a b 1 e6 andr u r a 1,andduet showst h a ti n t r a ‑ s e c t o r a li n e q u a 1 i t yi n c r e a s ec o n t r i b u t e dt oa9.89%r i s ei nt h eT h e i l ‑ Lo v e r1 9 9 0 ‑ 1 9 9 3 .Ther i s ei ni n e q u a l i t yh a sbeeni n d u c e dbyas m a l lr i s ei ni n t r a ‑ s e c t o r a li n e q u a l i t yo f2. 40%. D u r i n gt h i sp e r i o dt h eb i g g e s tcomponentt or a i s ei n e q u a 1 i t yi sc h a n g e si nr e 1 a t i v eincomei nu r b a n a n dr u r a 1a r e a sa c c o u n t i n gf o r5 . 2 8% o u to f9.89%i n c r e a s e .Ther e m a i n i n gp a r ti scomposedo ft h e r e s u l to fu r b a n i z a t i o nt h a tr o s efrom30%t o33%;t h u s,demographye f f e c tg a v eani n c r e a s eo f 2 . 2 3 % . T a b l e6 .Urban‑RuralDynamicDecompositiono f T h e i l ‑ Ll n d e x 1 四3 ・ 19 弼 四 ' " 開9 1 1 曲 宮" 2曲 2 0 . 1倒 4 0 . 2 1 4 3 0 . 1 6 3 1 0.2143 0 . 1回 0 . 1 8 9 1 01 9 6 1 0. 2 238 0.1762 0 . 2 2 3 8 0.1762 0.1936 ( 5 1 I 0.1173 0 . 1却 0 . 1白 3 0 . 1 3 0 1 0 . 1 0 4 3 0 . 1 0 9 7 f S l J 1 . 4537 1 . 47 4 1 1. 4 描5 1 .3131 1 9 90 ‑2凹 2 0 . 1 7 回 0 . 1 8 9 1 0 . 1 9 4 1 0 . 1 9 3 6 0 . 1 1 2 0 0 . 1 0 9 7 1.0:日1.3246 ! G J ! m ! 。 泊 "'‑'993 0.1769 0.1944 0.1941 0.1961 0.1120 0.1173 伊 ! 1 . 47 4 1 1 .4365 1 .3 1 3 1 1 . 3 2 4 6 f 1C ) [ 0 . 8 0 2 0 0 . 7 6 担 0 . 7 5 羽 0 . 7 9 田 ! t l l I 0 . 7 6 3 4 0 . 7 5 四 0 . 7町迫 0 . 7 4 0 4 ! 12 1 I 0.3038 0 . 3 3 2 9 0 . 3 6 1 4 0 . 3 9 3 5 ( 13 1 ! P . ! 0 . 3 3 2 9 0 . 0 1 7 5 9 . 8 9 0 . 3 6 1 4 0町 田 1 0 . 2 4 0 . 3 9 3 5 ‑ 0. 0 5 1 2 ‑ 2 3 .師 0 . 4 4 4 4 0 . 0 苫 o 1 5 .倒 2. 40 9 . 2 5 ̲ 1 5 . 8 8 6 . 3 9 0.8020 0 . 7 4 0 4 口3a坦 0 . 4 4 4 4 ‑0担 0.0122 6 .田 5 . 2 8 9 .回 6 . 7 3 1 .93 1 .65 2 . 7 3 ‑ 1 . 0 4 8 . 9 6 ‑ 0. 9 7 N o t e :' 0 'and' 1 'r e f e rt ot h eb e g i n n i n gandendo fp e r i o d ;Li sThe iトL, ' 0 'a nd' R 'a r eu r b a na n d問 団 1 , r e s p e c t i v e l y ;Lambda= r e l a t i v e mcani n c o m e ;f i sp o p u l a t i o ns h a r e ;D c l t a= a b s o l u tc h a n g ei no v e r a l li n e q u a l i t y ;%Dclta= p c r c e n t a g ec h a n g ei no v e r a l li n e q u a l i t y ;PE =P u r eE f f e c t ;a= IncomeE f f c c t ;andDE= Dcmog 田p h i cE f f c ct . S O l l r c e :Ownc a l c u l a t i o n世omt h e1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2SI l S e l l G S I nt h ep e r i o d1 9 9 3 ‑ 1 9 9 6,a10.24%r i s ei ni n e q u a l i t yi sm o s t 1 ydu巴 t oa ni n c r e a s ei ni n t r a ‑ s e c t o r a li n e q u a 1 i t yo f9 . 2 5 % .Ani n c r e a s i n gu r b a np o p u 1 a t i o ns h a r eo f8.56%r e s u l t si nar i s ei n .93%.Theo n 1 ycomponentt h a tg i v e sn e g a t i v ee f f e c tonar i s ei no v e r a l l o v e r a l li n e q u a l i t yby 1 i n e q u a 1 i t yi sincomee f f e c t, whichd e c r e a s e si n e q u a 1 i t yby0 . 9 7 % . a l li no v e r a l li n e q u a 1 i t ywasm o s t 1 ya f f e c t e dbyaf a l li nw i t h i n ‑ During1 9 9 6 ‑ 1 9 9 9,a23.89%f group i n e q u a 1 i t yo f 15.88%,income e f f e c tb e i n g 9.6% f a l li ni n e q u a 1 i t y . The f a c tt h a tu r b a n p o p u 1 a t i o ns h a r ei n c r e a s e smadet h ed e m o g r a p h i ccomponentbecomet h eo n 1 ycomponentr a i s i n g .65%. i n e q u a 1 i t yi nt h i ss u b ‑ p e r i o dcomposingo ft h er e m a i n i n gp a r to f1 T h e r e seems t oh a v eb e e n ar i s ei nt o t a 1i n e q u a l i t ya s s o c i a t e dw i t h ar i s ei na l lt h r e e componentso fi n e q u a 1 i t yd u r i n g1 9 9 9 ‑ 2 0 0 2 .B e c a u s eu r b a n ‑ r u r a 1gapi nt h i sp e r i o dwidened,an n t r a ‑ u r b a ni n e q u a l i t yh a sd r i v e n incomee f f e c th a si n c r e a s e di n e q u a 1 i t yby6 . 7 3 % .Thei n c r e a s ei ni nt o t a 1i n e q u a 1 i t yby6 . 3 9 % .P o p u 1 a t i o ns h i f t sfromr u r a 1a r e at ou r b a na r e ashownbyan a ni n c r e a s巴 i 4 4%i n2002h a sc a u s e da2.73% i n c r e a s ei nu r b a np o p u 1 a t i o ns h a r efrom39.35%i n1 9 9 9t o44. i n c r e a s ei ni n e q u a l i t yi nt e r m so fd e m o g r a p h i c component .A l lt 防巴巴 c omponents,p ure 宅 酔c t ( 6 . 3 9 % ),i l l c o m e宅 酔c t( 6 . 7 3 % ),and d e m o g r a p h i c宅 酔c t( 2刀%) compose o far i s ei no v e r a l l i n e q u a 1 i t yo f15.94%i nt h e1 a s ts u b ‑ p e r i o do fo u rs t u d y . D u r i n gt h e who1e p e r i o d1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2,a 1 a r g ep a口 o ft h ec h a n g e si nt h eo v e r a l l income o n t r i b u t e das i z a b 1 ep o s i t i v e i n e q u a l i t ywasc o n t r i b u t e dbyt h ec h a n g i n gp o p u 1 a t i o ns h a r e,whichc . p o r t i o n .T h i ss i t u a t i o nk e p tt h eo v e r a l li n e q u a 1 i t yt ogrowa tah i g h e r1 e v e 1t h a nt h e1 9 9 01 e v el Lookinga tt h eo t h e rcomponents,whichshown e g a t i v ef i g u r e s,i tmeans t h a ti ft h ep o p u 1 a t i o n s t r u c t u r ehadn o tchangedd u r i n gt h ep e r i o d1 9 9 0 ‑ 2 0 0 2, t h eo v e r a l l 1 e v e 1o fT h e i 1 ‑ Lwou1dh a v eb e e n . 1 0 w e ri n2002i n s t e a do ft h ea c t u a 1v a 1 u eo f0 . 1 8 91 A f t e ri n v e s t i g a t i n gt h ei n e q u a 1 i t yc h a n g eb e t w e e ntwot i m ep e r i o d s,wec a ni n f e rt h a tt h e p o p u 1 a t i o no rw o r k e r smovementfromr u r a 1a r e at ou r b a na r e ah a schangedt h eincomed i s t r i b u t i o n p a t t e r ni nt e r m so fu n e q u a 1incomed i s t r i b u t i o n .Urbanl i f emays t i l lb ea t t r a c t i v et omanyr u r a l n xu qd qd

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dwel Ie r s,r e l a t i v et ot h eo p p o r t u n i t i e sa v a i l a b l ea thome.Theu r b a n i z a t i o n,ont h eo t h e rhand,c a n g i v eap o s i t i v ei m p a c tonr u r a leconomy:p r o d u c t i v i t yl e v e landa v e r a g eincomeo fr u r a ls o c i e t ymay i n c r e a s e .R u r a lp e o p l em i g r a t ei ns e a r c hworkt os u p p l e m e n tt h eincomeo ft h e i rf a m i l y .Oncet h e y h e yt r yt omaker e m i t t a n c e st ot h e i rf a m i l i e s .Theser e m i t t a n c e sc a n s u c c e e di ng e t t i n ga nurbanjob,t i n c r e a s ep r o d u c t i v i t yo fr u r a leconomy. CONCLUSION G i n iando t h e ri n d i c e so fi n e q u a l i t y,A t k i n s o n,T h e i l ‑ T,e t c .,showt h a ti n e q u a l i t yo fincome d i s t r i b u t i o no fI n d o n e s i a,r e f l e c t e di nd i s t r i b u t i o no fe x p e n d i t u r ep e rc a p i t a,h a sa ni n c r e a s i n gt r e n d, o v e rt h ep e r i o do b s e r v e d .Thei n e q u a l i t yi n c r e a s e ds h a r p l yfrom1990t o 1996,andd e c r e a s e di n e r h a p sa sar e s u l to ft h e1997economicc r i s i s .Themainf a c t o rb e h i n dt h i s t h r e ey e a r st o 1999,p changei st h a tC h i n e s ee t h n i cm i n o r i t yd o m i n a t i n gI n d o n e s i a neconomymovedt h e i rw e a l t ha b r o a d d u r i n gt h ec r i s i s .T h i sf al Ii nt h ed e g r e eo fi n e q u a l i t y,however,wast e m p o r a r y .Ast h eeconomic c o n d i t i o n simproved, i n e q u a l i t ya g a i ni n c r e a s e di nt h r e ey e a r st o2 0 0 2 . DecomposingI n d o n e s i ai n t ou r b a nandr u r a la r e a s,wef i n dt y p i c a ld i f f e r e n c e si nincome d i s t r i b u t i o nbetweent h et w o .F i r s t,t h emeanincomeo fu r b a n紅 白 i sh i g h e rt h a nt h a to fr u r a la r e a . h ed e g r e eo fi n e q u a l i t yi sh i g h e rf o ru r b a na r e at h a nf o rr u r a la r e a .Decompositiono f S e c o n d l y,t T h e i l ‑ TandT h e i l ‑ Lshowst h a tc o n t r i b u t i o nt ot h eo v e r a l li n e q u a l i t yo fw i t h i n ‑ i n e q u a l i t yi smuch e t w e e n ‑ i n e q u a l i η.T h i sf ol Iows仕omt h ef a c tt h a tb o t hi n t r aurban and i n t r a ‑ r u r a l l a r g e rt h a nb i n e q u a l i t i e sa r el a r g e rcomparedw i t ht h eb e t w e e n ‑ u r b a nandr u r a la r e a si n e q u a l i t y . Comparingincomed i s t r i b u t i o no fu r b a nandr u r a la r e a s,weknowt h a tt h et r e n do fo v e r al I i n e q u a l i t yi se x p l a i n e dm a i n l ybyc h a n g e si ni n e q u a l i t yo fu r b a na r e a .F i r s to fa l l,i nd e c o m p o s i t i o n o fT h e i l ‑ TandT h e i l ‑ L, c o n t r i b u t i o nt ot h eo v e r a l li n e q u a l i t yo fi n t r a ‑ u r b a ni n e q u a l i t yi st h el a r g e st . Moreover,u r b a ni n e q u a l i t yi sgrowinga tas u b s t a n t i a lr a t e仕om1990t o1 9 9 6 .R u r a li n e q u a l i t y, t o o, i sgrowingi nt h esamep e r i o d,b u ta p p e紅 st ob es t a g n a n ti ncomparisonw i t hu r b a ni n e q u a l i t y .The f al Ii n1 9 9 9o ft h eo v e r al Id e g r e eo fi n e q u a l i t y,i np a r t i c u l a r,i sl a r g e l yar e f l e c t i o no ft h echangei n u r b a ni n e q u a l i t y .C o n s i d e rt h ef a c tt h a tmanyw e a l t h yp e o p l eo fC h i n e s eo r i g i nl i v ei nu r b a na r e a, whomovedt h e i rw e a l t ha b r o a da tt h ec r i s i s .Thec r i s i sa f f e c t e do t h e rg r o u p s,a sw e l l,i nh i g h e r incomeb r a c k e t st oag r e a t e re x t e n tt h a nd i dt h o s ei nl o w e rincomeb r a c k e t s, i nu r b a na r e a . P o p u l a t i o n movement made f u r t h e rc o n t r i b u t i o nt oi n c r e a s e si nt h eo v e r al Ii n e q u a l i t y .I t movedfromr u r a la r e at ou r b a n紅 白 t h r o u g h o u tt h ep e r i o do b s e r v e d .T h i sc e r t a i n l yi n c r e a s e dt h e Ii n e q u a l i t y,b e c a u s eu r b a ni n e q u a l i t yi sl a r g e rt h a nr u r a li n e q u a l i t y . Dynamic d e g r e eo fo v e r al d e c o m p o s i t i o no fT h e i l ‑ Lc o n f i r m st h i sbyr e v e a l i n gt h a tdemographice f f e c twasp o s i t i v e,t h a ti s, p o p u l a t i o nmovementi n c r e a s e dt h eo v e r al Ii n e q u a l i t y, t h r o u g h o u tt h ep e r i o do b s e r v e d . I twil Ibei no r d e rnowt og i v eab r i e fa c c o u n tont h ec a u s e so fgrowtho fu r b a ni n e q u a l i t y .We o b s e r v ei n c r e a s e si nt h ed e g r e eo fi n e q u a l i t yi nt h et o pg r o u po fu r b a ns o c i e t y .O p p o r t u n i t i e s i n c r e a s et oe a r nh i g h e rincomea st h eeconomyd e v e l o p se s p e c i al Iyf o rt h er i c h e s tp o p u l a t i o nw i t h v e r ygoodp o s i t i o ni nt h e i rj o b, makingd i s p e r s i o no fincomel a r g er .Ont h eo t h e rhand, a tt h ebottom o fu r b a ns o c i e t y,t h ed e g r e eo fi n e q u a l i t yi sv e r ylow,b u ti t st r e n di sm i x e d .E i t h e rway,a st h e tbecomesh a r d e rt op r o v i d ea l lo fthemw i t hj o b sp a y i n gr e g u l a r numbero fm i g r a n t si n c r e a s e s,i wages, j o b si nt h ef o r m a ls e c t or .Asaconsequence,t h e r ew i l lb eu r b a nunemployment, o ri no r d e rt o s u r v i v e,manya r eengagedi nt h ei n f o r m a ls e c t o r,i nwhichp r o d u c t i v i t yi slowandwagesp a i da r e lowandi r r e g u l a r .Asar e s u l t,t h el o w e s tincomei nu r b a ns o c i e t ymayf a ll .T h i sw i l li n c r e a s et h e d e g r e eo fi n e q u a l i t yo fanu r b a ns o c i e t ya sawholea l t h o u g hi tmayn o ti n c r e a s ei n e q u a l i t yo ft h e bottomgroupo fu r b a ns o c i e t y . T h i ss t u d ya l s of o u n dt h a tincomed i s t r i b u t i o no fI n d o n e s i ah a sat y p i c a lp a t t e r no b s e r v e di n t h ed e v e l o p i n ge c o n o m i e s .Incomes h a r er i s e sr e l a t i v e l ys l o w l ya swemovefromt h el o w e s tincome g r o u pupward, b u tt h e r ei sab i ggapbetweent h en i n t hd e c i l eandt h et o p10%. F i n al Iy ;somes u g g e s t i o n sf o rp o l i c i e s,oneo ft h emainr e s u l t so ft h i sr e s e a r c hi st h a tb e t w e e l l ‑ fi n e q u a l i t ya c c o u n t so n l yf o ras m a ! !p a r to ft h eo v e r al Ii n e q u a l i t y .T h e r e f o r e, g r o l l pcomponento k e e p i n gt h ew i t h i n ‑ g r o l l pi n e q u a l i t y unchanged,any a t t e m p tt oe l i m i n a t et h eb e t w e e n ‑ g r o l l p i n e q u a l i t ywouldn o thaveanys i g n i f i c a n ti m p a c tont h eo v e r al Ii n e q u a l i t y .Anyp o l i c yt or e d u c e 回 円叫d nぺ u nペU

336.

o v e r a l li n e q u a l i t ys h o u l db et a r g e t e da tm i t i g a t i n gi n e q u a l i t yw i t h i n ‑ g r o u p . Anyp o l i c yt or e d u c ei n e q u a l i t ys h o u l da l s ob eaim 巴da tp r o m o t i n gu r b a ns e c t o rbyp r o m o t i n g .AsAdelmana n d o rc r e a t i n gs m a l la n dmediums c a l ei n d u s t r i e s,o re n c o u r a g i n gs e l f ‑ e m p l o y m e nt R o b i n s o n(1978) p o i n to u t,t h o s ep o l i c i e s,e n c o u r a g i n gr u r a l ‑ u r b a nm i g r a t i o n,wi 1 limprovet h e l i v i n gs t a n d a r do ft h er u r a lpoor .They紅 g u et h a ti ft h eu r b a n紅 e ac a na b s o r bnewm i g r a n t sw i t h o u t s i g n i f i c a n tf a l li nwages,t h er e l a t i v ei n c r e a s ei nt h es u p p l yo ru r b a ng o o d sw i l li n c r e a s er u r a l i n c o m e sbyr a i s i n gt h ea g r i c u l t u r a lt e r m so ft r a d e .M i g r a n t s,i fs u c c e s s f u l, w i l le v e np u r c h a s el a n di n t h e i rv i l l a g e, s i g n i f i c a n t l yi n c r e a s i n gt h e i rr e l a t i v e ' si n c o m e . However,a l t h o u g hm i g r a t i o ni si n c r e a s i n gr a p i d l y,al a r g enumbero fp e o p l e紅 es t i l le n g a g e d i nt h ea g r i c u l t u r a ls e c t o r,a tl o w ‑ i n c o m el e v el .Thelowr u r a lincomei sa ni n d i c a t i o nt h a tm a j o r i t yo f p e o p l eo flowincomel i v ei nr u r a la r e a .I ft h eg o v e r n m e n ti n t e n d st or e d u c ei n e q u a l i t yo fincome h o u l db et h ef i r s tt or e c e i v ei t sa t t e n t i o n . d i s t r i b u t i o n, t h er u r a l紅 巳 as Our f i n d i n g ss u g g e s ta l s ot h a ti n c r e a s i n gi n c o m ew i l lb el i k e l yt oi n c r e a s ei t s income i n e q u a l i t y,a sw e ll .I ti sf o rt h i sr e a s o nt h a tweh a v et od e s i g nm e a s u r e sc a r e f u l l y, s ot h a ti n c r e a s ei n t h el e v e lo fi n c o m ea n dd e c r e a s ei nt h ed e g r e eo fi n e q u a l i t yb ea c h i e v e ds i m u l t a n e o u s l y .Onewayi s t ot r yt oi n c r e a s er u r a li n c o m ebyr a i s i n gt h ea g r i c u l t u r a lt e r m so ft r a d e,f o ri tp l a y sak e yr o l ei n d e t e r m i n i n gr u r a lh o u s e h o l di n c o m e s .A n o t h e ri s by r u r a li n d u s t r i a l i z a t i o n . The demand f o r a g r i c u l t u r a lwagel a b o ri sr e l a t i v e l yf i x e di nt h er u r a l紅 巳 a .T h e r e f o r e,i n c r e a s ei nemployment oppo ロu凶t i e si nt h ev i l l a g em u s tcome仕omi t sn o n ‑ f a r ms e c t o r s .Ap o s s i b l ec a n d i d a t ei sw e a v i n g .A 1996) f i n d st h a tt h et e x t i l ei n d u s t r yp l a y sa ni m p o r t a n tr o l ei ne q u a l i z i n g s t u d y by Mizuno ( d i s t r i b u t i o no fi n c o m eamongs o c i a ls t r a t ao fv i l l a g e s .Weh a v et oe n d e a v o rt of i n di n d u s t r i e st h a t 紅巳 l i k e l yt ogrowa n di n c r e a s eemploymentoppo 口u n i t i e si nt h er u r a l訂 e a . APPENDIX:MACROPROGRAMTOCALCULATEGINICOEFFICIENT 1 *材 料 材 料 材 料 材 料 材 料 材 材 料 * 1 OUTPUTO U T = g t o t a l sSUMg t w g t s ; *P r o g r a mn a m e: G i n i ̲ d e c i l e . s a s* IR U N ; 三 材材料材料材料材材料材料材料/ O P T I O N S n o c e n t e r n o d a t e p a g e n o = l l i n e s i z e = 8 0 1 DATAf r a n k ; p a g e s i z e = 6 0n o s o u r c e ; m p ; S E Ts o仕t I F̲ n ̲ =1THENS E Tg t o t a l s ; 唱 しE Td i r =e : ¥s a s半d a t a ; I Fy= . 1&wー =T HENERROR" m i s s i n gv a l u e sf o u n d " ; 唱 しE Ty O =e x p e ; R E T A I Nc s 0 ; 唱 しE Tg o u t =g i n i ; L E N G T Hd e c i l e3 ; 唱 しE Td o u t =d e c i l e ; R E T A I Nc y 0 ; 唱 しE Tw =w e p o p ; s + & w ; c s ニc t w g t s ; f r a n k =cslg 百M ACROg i n i ( s u何 x = , p r i nt =l 五l e = l ) ; S E L E C T ; WHEN( f r a n k < = O . l0 )d e c i l e=1 ; L I B N A M Es s n " & d i r " ; WHEN( f r a n k < = 0 . 2 0 )d e c i l e=2 ; F I L E N A M Eg i n i o u t " & d i r半& g o u t . . t x t " ; ; WHEN( f r a n k < = 0 . 3 0 )d e c i l e 3 ¥& d o u t . . t x t " ; F I L E N A M Ed e c i l o u t" & d i r . 40 )d e c i l eニ 4 ' WHEN( f r a n k < = 0. WHEN( f r a n k < = 0 . 5 0 )d e c i l e=5 ; DATAs u s e n a s ; ' WHEN( f r a n k < = 0 . 6 0 )d e c i l e二 6 S E Ts s n . s u s e n a s & s u f f i x ; WHEN( f r a n k < = 0 . 7 0 )d e c i l e=7 ; I Fp r o=" 5 4 "T H E ND E L E T E ; WHEN( f r a n k < = 0 . 8 0 )d e c i l e=8 ; y =& y O / j a r t ; く= 0 . 9 0 )d e c i l e=9 ; WHEN( f r a n k R U N ; O T H E R W I S E d e c i l e=1 0 ; E N D ; PROCSORTD A T A = s u s e n a sO U T = s o仕t m p ; w y =y * & w ; BYy ; ; c y =c y+wy R U N ; a r e a =(cy‑wy/2)*&w; o r i g i n a l =1 ; PROCMEANSN O P R I N T L E N G T Ho r i g i n a l3 ; VAR& w ; K E E P y&wd e c i l ea r e aw yo r i g i n a l ; 二 ‑340一

337.

RUN: I b & s u f f i xu b & s u f f i x comma9.0 mean&suffix comma8.0 s h a r e & s u f f i xc s h a r e & s u f f i x 6 . 2 PROCSUMMARYDATA=frank; WEIGHT &w; CLASS d e c i l e ; VAR y ; ) = wcases&suffix OUTPUT SUMWGT(y MEAN(y) = mean&suffix SUM(y) =t o t a l y MIN(y) =I b & s u f f i x ; MAX(y) = ub&su何 x RUN; DATA; SET̲LAST̲; I F̲ t y p e ̲ =0THENDO; gtw =w c a s e s & s u f f i x ; g t y =t o t a l y ; gtm =m e a n & s u f f i x ; d e c i l e =9 9 ; END; RETAINgtwg t yg t m ; s h a r e & s u f f i x =100* i : o t a l y / g t y ; RETAINc s h a r e & s u f f i x0 ; csha r e & s u f f i x ニs h a r e & s u f f i x +c s h a r e & s u f f i x ; I F̲ t y p e ̲ =0THENc s h a r e & s u f f i x=0 ; cm&suffix =( c s h a r e & s u f f i x * g t m / l 0 0 ) / ( d e c i l e / l 0 ) ; KEEP̲ t y p e ̲d e c i l es h a r e & s u f f i xmean&suffix wcases&suffixc s h a r e & s u f f i xcm&suffixI b & s u f f i x ub&su 何x ; RUN; PROCSORT; cm&suffix comma8.0 wcases&suffix comma1 0 . 0 ; I D d e c i l e ; VAR I b & s u f f i xu b & s u f f i xmean&suffixs h a r e & s u f f i x c s h a r e & s u f f i xcm&suffixwcases&suffix; 凶 BEL I b & s u f f i x =' L o w e r I B o u n d ' ; 凶 BEL u b & s u f f i x =' U p p e r l B o u n d ' ; LABEL mean&suffix = ' M e a n ' ; LABEL s h a r e & s u f f i x =' S h a r e ' ; 凶 BEL c s h a r e & s u f f i x =' C u m u l a t i v e I S h a r e ' ; 凶 BEL c m&suffix =' C u m u l a t i v e I M e a n ' ; 凶 BEL w case品 川 口 ' W e i g h t e d I C a s e s ' ; RUN; 百END; PROCSUMMARYDATA=frank; I VAR a r e awy&wo r i g i n a l ; I OUTPUT SUM(area) =t a r e a I SUM(wy) =t y I SUM(&w) 二 s umwgt 仔i x ; I S U M ( o r i g i n a l ) =n&su I RUN; I DATA& g o u t ; SET̲LAST̲; wcases&suffix =sumwgt; mean&suffix =ty/sumwgt; I g i n i & s u f f i x =1 ‑ 2 * ( t a r e a / ( t y * s u m w g t ) ) ; KEEPg i n i & s u f f i xmean&suffixwcases&suffixn & s u f f i x; I RUN; BYd e c i l e ; RUN; DATA&dout; T ̲ ; SETー凶 S % I F& p r i川 THEN目DO 目I F& 朽l e = l目THEN目DO; I 刻 F& s u f f i x = 9日目THEN目DO; I PROCPRIN打 oPRJNT=ginioutNEW; J Fd e c i l e = 9 9THENDO; c s h a r e & s u f f i x =. cm&suffix = . ; END; I I I I RUN; I 1 RUN; 目END; 目ELSE百DO; NT=回 gi 川 ni o u PROCPRINTTOPRJト RUN; %END; 也END; PROCPRINT; 汀 TLE"Gi , 吋 niCoe 仔i c i 沼 ent ピ " T I FORMAT副 gi 而 n 計 1 i & s u f 仔f i 凹x 6. 4 ; FORMATmean&suffix commal0.2 FORMATwcases&suffix comma20.0; FORMATn & s u f f i x comma8.0; RUN; 也I F& p r i n t目THEN%DO; 目I F& f i l e = l百THEN目DO; 知 F& s u f f i x = 9 0弘THEN也DO; PROCPRJNTTOPRINT=deciloutNEW; RUN; %END; 百ELSE目DO; PROCPRINTTOPRINT=decilout; RUN; PROCPRINTTO; RUN; 出END; 目END; 百END; lT = ' I ' ; PROCPRINTSPL TITLE" D e c i l eSharesf o r& s u f f i x " ; FORMAT d e c i l e 3 . 0 ITJTLE; 内ぺ A 斗 よ ー ' U

338.

出MENDg i n i ; 時g i n i ( s u何 x = 0 2 . p r i n t = 1 . f i l e = 0 ) ; 出g i n i ( s u何 x 二9 0 . p r i n t = 1 . f i l e = 0 ) ; /キキキホホ************本* = 9 3 . p r i n t = 1 . f i l e = 0 ) ; % g i n i ( s u何 x 百g i n i ( s u f f i x = 9 6p r i n t = l . f i l e = O ) ; % g i n i ( s u f f i xニ9 9 . p r i n t = 1爪l e = O ) ; キキキキキキキキキホ**キキ*キキキキ/ 本 目 Endo ft h eProgramキ REFERENCES [ 1 ] Adelman,1 . and Robinson,S .( 1 9 7 8 ),Income D i s t r i b u t i o nP o l i c yi nD e v e l o p i n g t a n f o r dU n i v e r s i t yP r e s s :C a l i f o r n i a . C o u n t r i e s :ACaseS t u d yo fKorea,S u d h i r( 1 9 8 3 ),I n e q u a l i t ya l l dP o v e r t yi nM a l a y s i a : Measurement and [ 2 ] Anand,S D e c o m p o s i t i o n,AWorldBankR e s e a r c hP u b l i c a t i o n, O x f o r dU n i v e r s i t yP r e s s :NewY o r k . [ 3 ]A t k i n s o n, A .B .( 1 9 8 3 ),TheEconomicsofb z e q u a l i t y, O x f o r dU n i v e r s i t yP r e s s :O x f o r d . . G .( 1999, J a n u a r y1 2 ), C o r r e c t i n gt h emytha b o u tt h edominanceo f t h ee t h n i c [ 4 ]B a r d s l e y,A C h i n e s ei nI n d o n e s i a nb u s i n e s s .Messagep o s t e dt oR e f ‑ L i n k se l e c t r o n i cm a i l i n gl i s t,a r c h i e v e da t h t t p : / / w w w . b a r t f o r d . b w p . c o m l a r c h i v e s / 5 4 b / 0 8 5 . h t m l [ 5 ] B o u r g u i g n o n, F r a n c o i s ( 19 7 9 ), " D e c o m p o s a b l e Income I ne q u a l i t y M e a s u r e s ", E c o n o m e t r i c a, Vol .4 7, N o .4, p p .9 0 1 ‑ 2 0 . [ 6 ]B u r l e w,M.M.( 19 9 8 ),SAS@MacroProgrammingMadeEasy,SASI n s t i t u t eI nc . :N o r t h C a r o l i n a . .( 2 0 0 1 ),EmploymentI m p a c to f t h eF i n a n c i a lC r i s i s : ・L abourMarketF l e x i b i l i t y [ 7 ]D h a n a n i,S ackgroundp a p e rp r e p a r e df o rt h eI nF o c u sS o c i o ‑ E c o n o r n i cS e c u r i t yProgramme. o fCompulsion,B I L O :G e n e v a . [ 8 ]H i l l, H a l( 2 0 0 0 ),TheI n d o n e s i a nEconomy.C ambridgeU n i v e r s i t yP r e s s :C a m b r i d g e . [ 9 ]K u z n e t s,Simon( 19 5 5 )," E c o n o r n i cGrowtha n dI ncomeI n e q u a l i t y ", AmericanEconomic Vol .4 5No.1 , p p .1 ‑ 2 8 . Review, [ 1 0 ] Mizuno,Kosuke ( 1 9 9 6 ),R u r a lI n d u s t r i a l i z a t i o ni nI l l d o n e s i a : A Case S t u d yo f η‑ B a s e dWeavingI n d u s t r yi nW e s tJ a v a, I n s t i t u t eo fD e v e l o p i n gE c o n o r n i e s :T o k y o . Communi [ 1 1 ]Mookherje,D .a n dS h o r r o c k s,A .( 1 9 8 2 ),"AD e c o m p o s i t i o nA n a l y s i so ft h eT r e n di n o u r n a l, Vol .9 2, p p .8 8 6 ‑ 9 0 2 . UKIncomeI n e q u a l i t y ",TheEconomicJ E t h n i ct e n s i o n sc o u l dd r i v eChinesefromI n d o n e s i a, F e b r u a r y1 5 . [ 1 2 ]R e u t e r s( 1 9 9 9 ), [ 1 3 ]S a p o s n i k ,Rubin( 1 9 8 1 )," R a n k ‑ D o r n i n a n c ei nIncomeD i s t r i b u t i o n ", P u b l i cC h o i c e, Vol . 3 6,p p .1 4 7 ‑ 1 51 . [ 1 4 ]ー 一一 ( 1 9 8 3 ),"OnE v a l u a t i o nIncomeD i s t r i b u t i o n :RankD o r n i n a n c e,t h eS u p p e s ‑ S e n G r a d i n gP r i n c i p l eo fJ u s t i c ea n dP a r e t oO p t i m a l i t y ", P u b l i cC h o i c e, Vol .4 0pp3 2 9 ‑ 3 3 6 . [ 1 5 ]S h o r r o c k s,A . F .( 19 8 0 )," T h eC l a s so fA d d i t i v e l yDecomposableI n e q u a l i t yM e a s u r e sヘ E c o n o m e t r i c a, Vol .4 8,N o .3,p p .6 1 3 ‑ 2 5 . [ 1 6 ]Sim,S u s a n( 1 9 9 9 )," C h i n e s e' m o v e d$136bo u to fI n d o n e s i a 'ぺS i n g a p o r eS t r a i t sT i m e s, A p r i l1 51 9 9 9 . [ 1 7 ] Son,J ( n . d ),S o u t h ‑ E a s tA s i a : ・ C r i s i sp u tE t h n i cC h i n e s ei ns p o t l i g h t . From g /i p s 2 / m a r 9 8 / 0 6 . 5 5 . 0 0 5 . h t m l h t t p : / / w w w . o n e w o r l d . o r [ 1 8 ]WashingtonTimes( 19 9 8 ), L iv i n gi nf e a r ,e t h n i cC h i n e s el o o kf o rawayo u to fI n d o n e s i a, November27,1 9 9 8 . [ 1 9 ]SASI n s t i t u t eI n c .( 2 0 0 0 ),SAS/STA~ U s e r ' sG u i d eV e r s i o n8,SASI n s t i t u t eI n c . :N o r t h C a r o l i n a . [ 2 0 ]S u r b a k t i,P a j u n g( 19 9 5 ),I n d o n e s i a ' sN a t i o n a lS o c i o ‑ E c o n o m i cS u r v e y :aC o n t i n u a lData S o u r c ef o rA n a l y s i so nW e l f a r eDevelopment, C e n t r a lB u r e a uo fS t a t i s t i c s :J a k a r t a . [ 2リ T h e i l,H e n r i( 19 6 7 ),EconomicsandI n f o r m a t i o n Theo η ,N o r t hH o l l a n dP u b l i s h i n g Company:Amsterdam. a n o s ( 19 9 3 ), " A s p e c t o fI n e q u a l i t y i n G r e e c e : Measurement, [ 2 2 ] T s a k l o g l o u, P D e c o m p o s i t i o na n dI n t e r t e m p o r a lChange1 9 7 4,1 9 8 2 ", J o zlr1z a lo fDevelopmentEconomics,Vol .40, N o .1 ,p p .5 3 ‑ 7 4 . aAa 凶 ηノu qd

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S A S Forumユ ー ザ 一 会 雇用動態類型からみた若年正規雇用者の所得分布について 森博美 法政大学 経済学部 Comparisono fYoungRegularEmployees' IncomeD i s t r i b u t i o n byTypeo fFormerEmployment H i r o m iM o r i F a c u l t yo fEconomics,HoseiU n i v e r s i t y 要旨 20代と 30代の若年正規雇用者について、男女・継続就業希望の有無(継続就業希望、転職希望) 別に、前職の雇用形態の違いが現職における所得に影響を及ぼしているかどうかを、平成 1 4年度 就業構造基本調査(総務省統計局)から作成された匿名標本データ(ミクロデータ)(使用標本数約 7 7 万件)の再集計により分析を行った。その結果、男女、年齢階層、継続就業希望意識の有無によ って作成した特定の集団について、前職における雇用形態が現在正規雇用者として就業する者に 所得分布の異同があることが明らかになった。 キーワード: 就業構造基本調査、リサンプリング・デー夕、所得分布、雇用動態 はじめに 統計調査項目は、一定時点現在のストックを調べる静態項目と一定期間の聞に生じたフロ ーを捉える動態項目とに大別される。異なる 2つの時点の静態量の差は二時点聞に発生した 動態量を与え、また基準時点の静態量にその後の動態量を加えることで新たな静態量を求め ることができるように、両者は相互に依存している。しかし、静態量あるいは動態量を時間 軸に沿って並べることにより構成される時系列データも含め、これまでの統計利用において は、分析の切り口として設定される集団それ自体、静態的性格のものであった。この点で、 時間の経過に伴って発生する位相の変化の側面に注目し、いわば動学的な集団構成を行い、 それまでとは異なる新たな切り口から分析を試みるという形での統計利用が広範な広がりを もってくるようになったのは比較的最近であるように思われる。なぜなら、この種の分析に は、時間の継続の中で個体を追跡した縦断的データ O o n g i t u d i n a ld a t a )が必要で、あるからであ るc わが国においては伝統的な政府統計作成は、定期的に実施されるセンサス型の全数調査あ 内︿U A斗 A ハ︿U

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るいは標本調査等として行われる一部調査についても、数ヶ月間同ーのサンフ。ルが継続的に 調べられる家計調査や労働力調査等を例外として、その都度独立の調査として実施されてき た 。 6分の 1の標本 「労働力調査J (総務省統計局)の場合、約 4万世帯の標本のうち全体の 1 世帯は同ーの世帯が 1年後に再度調査される標本設計となっている。また「家計調査J (同) では、同一世帯が 6ヶ月間継続して調査される。前者については 1年、また後者については 6 ヶ月までーの期間について、同一標本に関する個体情報をリンクすることで二時点聞のパネ ルデータを編成することが技術的には可能である。 ところで、調査時点現在の静態情報あるいは一定期間の動態的変化を把握するいわゆるク ロスセクション型の調査として実施されたものの中にも、調査項目の設定如何によっては、 一回の調査結果から動態的集団を構成し、分析に利用できるケースがある。 特定の調査時点現在で実施される調査の中に以前の状態についての質問事項を持つ調査が 0年「住宅・土地統計調査」における、「従前の居住地」、「居住期間」、 ある。例えば、平成 1 4年「就業構造基本調査」での「前の仕事の勤めか自営かの別(従 「居住形態」、また平成 1 業上の地位)J、「勤め先における呼称(雇用形態)J、「勤め先・業主などの企業全体の従業者 数(従業者規模)J、「どうして前の仕事を辞めたか(職離職理由)J といった調査事項がそれ である。 このような調査事項を持つ調査では、従前の状態と調査時現在の状態についての回答結果 を個体ベースで得ることができる。このため、両者を組み合わせることで、二時点の調査結 果を個体ベースでリンケージしたのと同じパネル・ベースでの調査結果を得ることができる。 そこでは、二時点聞の推移のパターンに従って類型化した集団構成を行うことができ、各類 型別にその特性の差異を分析することができる。 1 .就業動態の類型化と使用データ 1 . 1 就業動態の類型化 1年以来実施されている調査であり、平成 1 4年に実施された調 就業構造基本調査は昭和 3 査は、第 1 4回目の調査にあたる。平成 1 4年調査で初めて「前職の雇用形態J(調査票中の質 問番号 C3 の 2 " [(前の仕事の)勤め先における呼称 J ) が調査された。そこで、以前から調 )と 査されてきた「現職の雇用形態 J (調査票中の質問番号 A1 の 2 ["勤め先における呼称 J 「前職の雇用形態」についての情報を用いて、前職と現職の聞の雇用形態の異動について、 表 1のような類型化を行なった。なお、本稿ではこれらの類型を、便宜的に雇用動態類型と 呼ぶことにする。 ‑344‑

341.

表 1 雇用動態類型 類型 前職の雇用形態 現職の雇用形態 第 l類型 正規の職員・従業員 正規の職員・従業員 第 2類型 正規の職員・従業員 パート・アルバイト 第 3類型 正規の職員・従業員 派遣社員 第4類型 パート・アルバイト 正規の職員・従業員 第5類型 ノぐート・アルバイト ノξート・アルバイト 第 6類型 ノξート・アルバイト 派遣社員 第 7類型 派遣社員 正規の職員・従業員 第 8類型 派遣社員 パート・アルバイト 第 9類 型 派遣社員 派遣社員 1 . 2 使用データ 以下の分析では、一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センターが「学術研究の 4年度就業構造基本調査 J (総務 ための政府統計ミクロデータの試行的提供」として「平成 1 省統計局)から作成された秘匿処理済のリサンプリング・データを使用した。なお、使用し たデータは調査サンプルの中から世帯単位で抽出され、該当する世帯については世帯員全員 のデータが抽出された。抽出率は約 8割、データ数は 772, 948人である。 2 .分析 2 . 1分析の課題 拙稿「雇用動態類型からみた雇用形態と就業行動 J (~研究所報~ N O.34法政大学日本統計 研究所、 2 005年 4月)では、(財)統計情報研究開発センターを窓口として提供された「平 4年度就業構造基本調査 Jのミクロデータを分析資料として、前職と現職の雇用形態に注 成 1 目し、雇用形態の変化ノ号ターンを雇用動態として類型化し、その相違が「前職辞職の理由」、 「現職に就いた理由 J ならびに「継続就業あるいは転職」に関する意識の面にどのように影 響しているかを見てきた。 その結果、次のような点が明らかになった。 第 1に、「前職の離職理由」に関しては、それが基本的に前職に関係するものであることか ら、現職の雇用形態の如何にかかわらず前職の雇用形態に大きく依存している。この点は、 離職理由のうち「仕事への不満 J (男女)、「会社都合 J(男)、「仕事への不満 J(女)に認められ る。その一方で、「家庭の事情」を理由に前職を離職した特に女の場合、雇用動態類型問で差 の見られるものもある。 第 2に、現職の「就業理由」に関しては、回答選択肢によっては雇用動態類型問で調査結 果にかなりの違いがみられ、そこには転職をめぐる類型聞の事情の違いが投影されている ο ノξート・アルバイトならびに派遣就業の職種の問で仕事を移動させた者のうち特に女で顕著 であるが、「好条件の仕事 Jであることを理由に就業した者が多く見られる。このことは、こ れらの雇用形態内部と正規雇用者との間で労働市場がセグメント化されていることをうかが 3 4 5

342.

わせるものといえよう。 さらに継続就業希望の有無については、男女間で結果数字のパターンにかなり明瞭な違い を確認することができた。すなわち、前職の雇用形態よりも現職における雇用形態がその意 識形成を左右しているという点では男女共通であるが、その影響の強さは、男の方が女より もより明瞭である。また雇用動態類型別に見た場合、女については類型聞の差異はほとんど 見られないのに対し、男の場合、正規雇用者に比べ派遣やパート・アルバイトとして雇用さ れている者の間で継続就業意識が特に希薄であること、特に前職で派遣就業者として雇用さ れ現在パート・アルバイトとして就業している者で極端に転職意識が強いことが今回の分析 から明らかになった。 ところで、そこでの分析作業を進めて行く中で、次のような問題点ないし課題が明らかに なった。すなわち、新規入職、継続就業、離職といった就業動態にかかわる行動には、性別 だけでなく年齢や学歴といった個々人の属性に関する情報も深く関係している。特にその者 がどのような年齢層に属するかは、彼(彼女)の就業行動を大きく左右する要因であると思われ る。またそこでは、前職と現職の雇用形態に着目して雇用動態類型を構成し、主として就業 行動にかかわる諸側面の分析を行ったが、雇用動態類型は単に就業行動面だけではなく、例 えば現職の雇用形態を同じくする者でも、類型間で稼得する所得水準の分布に差異が見られ るかどうかといった分析にも利用できる。 幸い今回の分析では 80万件近い大規模データが使用できることから、前回の分析で残され ていたこれらの課題に取り組んでみることにしたい。なお、以下の分析では、 20代 、 3 0代の 若年世代に絞り、継続就業希望の有無(継続希望、転職希望)別に男女並びに年齢要素をコ ントロールすることで、現職の雇用形態さらには正規雇用者について前職の雇用形態の違い がその所得に差異をもたらしているかどうかを、分析してみたい。 2 .2 分析結果 2.2.1 継続就業希望の有無別所得分布の性・年齢・雇用形態別比較 雇用動態類型が現職での所得にどのような影響を及ぼすかを見るのに先立ち、静態集団と しての属性別の所得分布の特徴についていくつか見ておくことにする。なお、以下の図 1 1~ 図 4-4 の所得(図の横軸)の階級区分は、次のとおりである。 〔所得区分〕 1 :1 0 0万円未満 4 :300~400 万円未満 7 :600~700 万円未満 1 0:900~ 1 0 0 0万円未満 2 :100~200 万円未満 5 :400~500 万円未満 8 :700~800 万円未満 1 1:1000~1500 万円未満 3 :200~300 万円未満 6 :500~600 万円未満 9 :800~900 万円未満 1 2:1 5 0 0万円以上 2. 2. 1 . 1 正規雇用・アルバイト・派遣就業者 図 1 ・ 1 、図 1 ・ 2は、現職において、正規、アルバイト・パート、あるいは派遣労働者として 雇用されている 2 0代の男女について、継続就業希望の有無 ( 1今後も仕事を続けたしリ、「仕 事を変わりたい J ) 別に所得額の分布状況を示したものである。 白 u aハMI nd

343.

図 1‑1 継続就業・転職希望別所得分布 (20代 男 正 規 7J レバイト派遣計) 7 0 i h 継続希 転開希 6 0 5 0 図 1‑2 継 続 就 業 転 聴 希 望 別 所 得 分 布 (20代主正規・アルバイト・派遣計) 7 0 l ‑ 2 2 1 E 60 、 5 0 40 40 . , ‑ A ' ¥ . 3 0 30 // ¥ ' ¥ ノ ノ . , , ¥ . 2 0 1 0 。 。 /' 2 0 4 6 I 、 、 、、』 1 0 ι\、~ 2 戸、 1 0 日 1 2 。 。 2 4 6 1 0 日 1 2 これによれば、例えば継続就業を希望する者の場合、男では年収 200~300 万円クラスが、 また女では 100~200 万円の者が最も多い。ちなみに両者の最頻値(モード)を見ても、男 が2 72万円であるのに対し女では 1 7 0万円と 1 0 0万円以上の差がある。男女いずれも、継続 就業を希望する者の所得分布の方が転職希望者よりも高い方にややシフトしているが、男女 聞の差に比べて継続就業希望の有無に起因する所得の差は相対的に小さい。 国 1‑3 継続就業ー転睡希望 g ' J所 得 分 布 (30代男正規・アルバイト派遣計] 日 国 1‑4 継続就業・転職希望別所得分布 ト I 7 0 r. . . . .̲ ̲ ̲ . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( 3 . 0 . 代 主 正 規 ア ル1 ¥ イト派遭計) 担 転 鰻 聴 希 希 望 望l 円 ! 1 ・ 艦鰻希望 転酷希望 回 5 0 5 C 却 、 ご ¥ 、 、、、 40 40 /~ 2 0 四 / / . . . " う ¥ 1 0 4 〆 ¥ ぞ 』 。 。 2 4 6 8 1 0 1 2 。 。 2 、 ¥ で で 』 、 、 4 6 8 1 0 1 2 それでは 3 0代についてはどうであろうか。図 1 ・1と図 1 ・ 3との比較からもわかるように、 男については、加齢に伴うおそらく勤続年数の平均的な増加が所得分布の上方へのシフトを 230万円、転職希望者でも 99万円の もたらしており、継続就業者についてはモード金額で 1 差となっている。一方、 3 0代の女については図 1 ・ 4からも分かるように、 1 0 0万円未満の所 得の者が最も多くなっている。このことは、この統計量にアルバイト(パート)や派遣就業者も 含まれていることから、いわゆる「パートの壁」効果が正規雇用者だけに比べてかなり影響 していることによるものと推察される。 継続就業希望の有無の所得分布の形状への影響としては、男については 20代よりもより鮮 明に分布のシフトを示しており、女については転職希望者では継続就業者に比べて所得のよ り低い層の割合が相対的に高くなっているものの、両者の違いは男の場合ほど明瞭ではない。 2.2. 1.2 正規雇用者 ‑ 1、2・2は 20 次に、正規雇用者に絞った場合、所得分布の形状はどのようであろうか 図 2 3 代の男女についてこれを見たものである。 ‑ 3 4 7一

344.

図 2 ‑ 2 担続就業・転醜希望日J I所得分布 国 2‑1 継続就業転醜希望別所得分布 (20ft宜ー正規雇用者) (20代男正規雇用者) 7 0 │ 詰 : む 60 5 0 40 3 D 20 1 0 7 0 ('¥ 60 50 、 、 グ 、 、 2 40 3 0 20 1 0 1 0 1 0 1 2 1 2 まず、先の図 1 ‑ 1、 1・ 2 と比較から次のようなことが分かる。 20代男の正規雇用者につい ては、継続就業希望の有無は所得額の多寡にほとんど影響しておらず、モード金額でも 280 万円と 266万円とその差は 1 4万円に過ぎない。このことは、図 1 ‑ 1における継続就業希望者 と転職希望者の聞の分布のズレが、主にアルバイト、派遣就業者によるものであることがう 0代女の正規雇用者(図 2 ‑ 2 ) については、継続就業希望の かがわせるものである。一方、 2 ・ 2と比べて全体的に 1 0 0万円ほど所得分布が上方にシフトしてい いかんにかかわらず、図 1 る。このことは、「パートの壁」が専らアルバイト(パート)あるいは派遣就業者に妥当する 0代女の正規・アルバイト・パート・派遣就業者については、 ことを示すものである。なお、 2 同年代の男に比べもともと継続就業希望の有無は所得分布にさほど影響していなかったが、 2は示している。 正規雇用者ではそれが一層無視しうる程度であることを図 2・ 0代についてはどうであろうか。 それでは、 3 国 2‑3 継続就業転臓希望別所得分布 (30代男正規雇用者) 7 0 7 0 6 0 60 5 0 5 0 40 40 3 0 3 0 2 0 2 0 1 0 1 0 0 0 1 0 2 1 。 。 1 0 1 2 まず男の正規雇用者の所得分布については、図 1 ・ 3 との比較からも明らかなように、アル バイト及び派遣就業者を含めた集団の所得分布とほとんど変わらないことが分かる。ただ、 ‑ 1と図 2・ 3の比較からも分かるように、男の正規雇用者の場合、 注目すべき点としては、図 2 20代で継続就業希望の有無が所得分布に殆ど影響を及ぼしていなかったのに対し、 30代では 正規雇用者においても所得分布に明らかな差異が認められる点が挙げられる。 他方、女の正規雇用者については、図 2 ‑ 2と図 2・ 4の比較からも分かるように、男に比べ て加齢に伴う所得水準の上昇テンポは緩慢である。ただ特徴的な点として、男の正規雇用者 のように分布のピークそのものが 1階級異なるなど男ほど顕著に見られるものではないが、 20代には見られなかった継続就業希望者と転職希望者の聞の所得分布に違いが見られる。 2 .2 .2 継続就業希望の有無別の雇用動態類型聞の所得分布比較 本稿では、表 1に示されている前職と現職の雇用形態から構成した 9つの雇用動態類型の ‑ 3 4 8

345.
[beta]
うち、規模的にも最も大きい正規雇用者として就業する者(第 1類型、第 4類型、第 7類型)
に絞って、継続就業希望の有無別に今回の分析結果を紹介する。

2
. 2
. 2
. 1 継続就業希望者
図3132は、現職に正規雇用者として今後も引き続き就業したいと考えている 20代男
女について前職の雇用形態別に所得分布を見たものである。
国31

前臓の雇用形態 ~IJ 正規雇用者の所得分布

図 32

代男・継続就業希望者)

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前職の雇用形態別正規雇用者の所得分布
(20代
女継続就業希望者)

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このうち男については、かつて派遣として就業していた者で現職において所得の高い者の
割合がやや少ないものの、前職の雇用形態は、正規雇用の現職における所得分布に際立った
違いをもたらしてはいない。これに対し女の場合には、最も高い所得分布を示しているのが
前職において派遣として就業したいた者で、前職が正規雇用であった者よりもむしろ高いこ
とが注目される。なお前職がパート(アルバイト)と正規雇用との間では、現職における所
得に差は無い。
それでは、 30代についてはどうであろうか。
前職の雇用形態別正規雇用者の所得分布
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図 3‑4

図 3‑3

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前職の雇用形態別正規雇用者の所得分布
(30代
女継続就業希望者)
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233からも分かるように、男については 20代ではわずかに認められた前職が派遣就業者
であった者と他の者との聞の現職における所得の格差が 30代ではかなり鮮明に現れている。
またわずかではあるが、正規雇用からの転職者の方が前職においてアルバイト・パートとし
て就業したいた者よりも幾分所得分布が上方にシフトしている。
一方女については、図 34から前職の雇用形態と現職での所得とにかなり明確な影響を及
ぼしており、最も高い所得分布を示しているのが前職において派遣として就業していた者で、
アルバイト・パートから正規雇用に転じた者の所得が最も低くなっている。

2
.2
.2
.2 転職希望者
現在、正規雇用者として就業している者で転職を希望している者の場合はどうであろうか。

‑
3
4
9
346.
[beta]
図 4‑2 前職の雇用形態別正規雇用者の所得分布
(20代宜・転職希望者)
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20代男の転職希望者については前職において派遣として就業していた者で平均的な所得
の者への集中傾向がわずかに見られるものの、前職の雇用形態は全体としては現在の所得分
布に際立つた違いをもたらすものではない。これに対して 20代女の場合には前職において派

0万円台に著しく集中していること、前職が正規雇用者とア
遣として就業していた者が年収 2
ルバイト・パートの者の現在の所得分布が殆ど一緒で元派遣就業者に比べて相対的に低い所

‑
2から読み取ることができる c
得の者の層が厚いといった特徴を図 4
因 4‑4 前聴の雇用形態別正規雇用者の所得分布
(30代宜・転聴希望)

因 4‑3 前臓の雇用形態別正規雇用者の所得分布
(30代男・転職希望者)

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すでに図 2
‑
1と 2・
3の所得分布の比較でも明らかにされたように、 30代男の正規雇用者に
ついては、加齢に伴い 2
0代に比べて所得の上方シフトが見られるが、これは転職希望者にも
同様に当てはまる(図 4
‑
1、4・
3
)。ただし、全体的な所得が上方シフトを見せる中で、図 4・
3
からもわかるように、最も高い所得分布を示しているのは前職も正規雇用であった者で、男
の場合は前職において派遣就業者の所得が最も低い。
一方女については、 2
0台と比べても際立つた所得の上昇は認められないが、正規雇用者と
して就業する現職の所得水準には、前職の雇用形態、の違いが大きく関係している。すなわち、
全色において派遣として就業していた者の所得が最も高く、次いで正規雇用者、アルバイト・
パート就業者の順になっている。なお、前職が派遣、アルバイト・パート就業者であった者で
それぞれ現職における所得の分散が小さいのに対し、前職において正規雇用者であった者の
現職における所得分布のちらばりが大である点が特徴的である。
さいごに、表 2に、本稿で取り上げた図 1
‑
1から図 4・
4の各所得分布についての最頻値(モ
ード)の一覧表を掲げておこう。

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n︿
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347.

表2 各分布のモード 正規・ア派ル遣 I 正規雇用 lE~Jim バ イト・ 継続就業 男 転職希望 継続就業 女 転職希望 20代 3 0代 20代 3 0代 20代 3 0代 20代 30代 27l .8 3 9 4 . 9 2 2 4 . 1 3 2 2 . 8 1 7 0 . 0 1 4 5 . 3 2 7 9 . 9 3 9 7 . 9 2 6 5 . 6 3 5 0. 4 2 4 0. 4 2 5 6 . 3 2 2 8 . 9 2 3 3 . 3 I 正規 2 8l .9 3 9 7 . 3 2 6 7 . 9 3 5 3 . 2 2 4 2 . 6 2 6 1 . 9 2 3 0. 4 2 3 9 . 5 前職の雇用形態 │アルバイト│ 2 7 3 . 0 4 1l .6 2 5 7 . 0 3 2 3 . 2 2 3 2 . 8 2 3l .6 2 2 0 . 0 2 0 7. 4 派遣 2 7 2 . 7 3 3 0 . 2 2 8 7 . 1 2 7 9 . 5 2 6 7 . 6 3 2 3 . 9 2 5l .9 2 7 6 . 1 むすび 本稿では、 20代 、 30代の正規雇用者を中心に、若年就業者の所得分布について、男女、継 続就業希望の有無(継続就業希望者と転職希望者)さらには前職の雇用形態と関連付けつつ 検討してきた。特に今回の分析に導入した雇用動態類型との関係では、いくつかの注目すべ き事実が明らかになった。 まず、男女とも年齢階級については 20代よりも 30代の者において前職の雇用形態の違い に従って現職における所得の差異が認められ、しかも、そのパターンは男女で異なることが 明らかにされた c すなわち、男の場合、前i 臓において派遣就業者で、あった者が現職での所得 水準が最も低いのとは対照的に女の場合、派遣就業の前職を持つも者の所得が前職において 正規雇用者の経験を持つ者よりもむしろ高いことが注目される ο このように雇用動態類型を導入することによって、同じ正規雇用者の中での所得分布の水 準さらには分布の形状の違いなど前職の雇用形態が主としてどのような属性階層において顕 著に現れるかを具体的に調べることができる。ただ、今後に残されている検討課題としては、 正規雇用者に関する雇用動態の 3つの類型について、現職の継続就業期間としづ要素を調整 した場合にも今回得られたような分析結果が同じく妥当するのか。また本稿では正規雇用者 に限定してその検討を行ったが、アルバイト・パート就業者さらには派遣就業者について前職 の就業形態が所得分布にどのような影響を及ぼしているのであろうかということなどがある。 これらについては、今後引き続き検討してみたい。 <語q~宇> 本研究において使用した就業構造基本調査のミクロデータは、一橋大学経済研 究所附属社会科学統計情報研究センターが「学術研究のための政府統計ミクロデータの試行 4年度就業構造基本調査 J (総務省統計局)から作成された秘匿処理 的提供」として「平成 1 済のリサンプリング・データであるコ本研究遂行のためのミクロ統計データベースの使用に 当たっては、指定統計調査調査票の目的外使用の承認を得ている(平成 17年 3月 8 日「官報』 第 4048号告示)乙今回のデータ提供に当たっては総務省統計局及び社会科学統計情報センタ ーの関係各位に多大なお世話をいただいた。記して謝意を表する。 戸 u よ ーh 丹︑U

348.

ポスターセッション 統計解析

349.

S A S Foru mユ ー ザ 一 会 JMPによる血液製剤の標準的使用量の作成 0 田久浩志 1) 岩本晋 2) o1)中部学院大学人間福祉学部健康福祉学科 2 )徳 山 大 学 福 祉 情 報 学 部 Makingas t a n d a r damounto fu s eo fb l o o dp r o d u c t 1 )Ta k y uH i r o s h i ChubuG a k u i nU n i v e r s i t y t a k y u @ c h u b u ‑ g . a c j p 2 ) I w a m o t oSusumu TokuyamaU n i v e r s i t y 要 旨 我が国で各種医療機関にて血液製剤が使用されているが、従来はその使用量の基準がな く、血液製剤の使用にあたっては医師の自己裁量にゆだねられている面があった。今回、財団法人血 液製剤調査機構が主管となり、日本全国の医療施設に対して、その使用実態を調査し、平均的使用量 の作成を行った。作成にあたり問題になったのは、各種の医療機関をその医療機能に応じてどのように 分類するか、一部の医療機能しか持たない医療施設の使用にも耐える平均的使用量の指針をし、かに つくるか、としづ点である。これらの問題を解決するにあたり、どのように JMPを使用したかその実例を紹 介しユーザーの便に供することを目的とする c キーワード: 血液製剤、標準的使用量、 JMP 1 .はじめに 我が国で各種医療機関にて血液製剤が使用されているが、従来はその使用にあたっての基準が なく、血液製剤の使用にあたっては医師の自己裁量にゆだねられている面があった。今回、財団法 人血液製剤調査機構が主管となり、日本全国の医療施設に対して、その使用実態を調査し、平均 的使用量の作成を行った。 血液製剤の適正な使用量を検討するために、病院の施設機能別に 1000床あたりの血液製剤の統 計量(件数、平均、標準偏差、 50見 値 、 75%値 、 9 0引直)を求めたむここでは調査対象とした病院の 医療機能を、全身麻酔の件数、心臓手術、造血幹細胞移植、血衆交換など(以後、機能ノ fタンと 略)で分類した。 1000床あたりの血液製剤の使用量は必ずしも正規分布といえないため、全体の平均、標準偏差 とともに、 50%値(中央値)、 75%値 、 90%値を求めた。 nペU RU Ru

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2 . 対象と方法 解析は 2 0 0 4年に血液製剤調査機構が全国の医療施設 8110施設に血液製剤の使用について問い .9%)、血液製剤の使 合わせた調査票を元に行った。回答は 3997施設から回答があり(回収率 41 用なし、一般病床が 20床未満、回答不備の 825施設を除くと有効回答は 2572施設で、あった。 調査票では、施設所在地、一般病床数とともに、病院機能として三次高度救急の救命救急セン タ一、病院群輪番制、全身麻酔手術、心臓手術、造血幹細胞移植、臓器移植、血紫交換、血液疾 患患者、血液透析などの実施や参加の有無、その実施数を質問した。また輸血部門の管理体制、 血液製剤による副作用対策、血液製剤の適正使用対策への取り組みなどの各種の管理体制を質問 FFP)、 した。血液製剤の使用状況については、赤血球 MApr日赤 J総使用量 (MAP)、新鮮凍結血柴( 血小板製剤 ( P T )、加熱人たん白、人血清アルブ、ミン、静注用グロプリンなどの平成 1 2年度から平 4年度の使用状況を質問した。解析にあたっては M i c r o s o f t社の Exce12002、 S AS社 JMP 成 1 V e r 5 . 1 1で、解析を行った。 3 . 結果 3 . 1 医療施設の分類について 病床数は一般病床数が 20床以上の病院とし,一般病床数は 1 : 2 0・ 1 9 9、2 : 2 0 0・ 499、3 : 5 0 0・ の 3 段階に分類した。全身麻酔の件数は、年間の件数を 1 000床あたりに換算し、 1 :全身麻酔なし、 2 : 2 0 0 0症例/年未満、 3 : 2 0 0 0症例/年以上の 3段階とした。 病院の医療機能を分類するために、三次高度救急、の救命救急センター、病院群輪番制、全身麻 酔手術、心臓手術、造血幹細胞移植、臓器移植、血柴交換、血液疾患患者、血液透析を質問して いる。これらで分類する場合、一つのカテゴリに入るものが極端に少なくなることを避けなけれ ばならず、かっ臨床的に意味のあるものにする必要がある。そのため、病院群輪番制は救急救命 の機能と関係はあっても血液製剤と直接関係はなく、血液透析も直接関係はないので除外した。 臓器移植には新鮮凍結血摂を多く使用するが実施する医療機関が少ないため除外した。救命救急 センターの有無を考慮すると一つあたりの分類の施設数が非常に少なくなるので、今回は救命救 急センターでの区分は行わなかった。 最終的に医療機能として心臓手術の有無、造血幹細胞移植の有無、血摂交換の有無を用いた。 以上の機能の有無をまとめると変数の分類は以下のようになる。 Fhu ρ円U nペ υ

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施設機能病床規模(一般)①2 0 ‑ 1 9 9床 全麻手術 ②2 0 0 ‑ 4 9 9床 ③5 0 0床以上 ① な し ②2 0 0 0未満/年・ 1 0 0 0床当り 医療機能心臓手術 ①なし ②あり 造血幹細胞移植 ①なし ②あり 血柴交換 ①なし ②あり 病床規模、病床規模+全麻手術、病床規模 ③2 0 0 0以上/年・ 1 0 0 0床当り 血紫交換の組み合わせを施設機能パタンと定義し た。この各々 1 , 2, 5桁のパタンにおいての欠損値が無く、今回の対象となる施設は 2290施設とな った。 医療施設によっては心臓手術のみして、造血幹細胞移植、血摂交換をしない施設もある。また 3種類の医療機能を持たず、輸血のみを行う施設も存在する。そこで、病床規模、病床規模+全 麻手術、病床規模 血柴交換の各々の 1 , 2, 5桁のパタンの集計においては、欠損値がないものを 集計した。その結果、もし全身麻酔に欠損値があるものは、病床‑全麻の集計では除かれるが、病 床のみでは組み入れられる。これは少しでも、有効なデータを組み込むための処置である。本報 告の各種図表で 1 2 1 1 1もしくは 2 1 1 1 1としづ表現をするが最初の一桁は病床規模、以後、全身麻 酔の分類、心臓手術、造血幹細胞移植、血接交換の有無を示す。 実際の 5桁の機能パタン毎の施設数を求めると表 1のようになった。一つの分類の施設数が少 ない区分では血液製剤の適正使用量を検討する場合、一部のはずれ値に影響を大きく受ける可能 性がある。そこで、表 1の中で太字の斜め字で示した施設を解析対象とした。これは、施設機能 としてはおおむね一分類あたり 1 5施設以上のものであるが、実際に各種の血液製剤を使用するも のが 1 1施設以上のものを対象とした。これは 90%値を求めるのには当該血液製剤を扱う施設が 1 1箇所必要なためである。これらの集計を行うにあたり、主に JMPの「要約」の機能のみを用 いた。 7種類を対象に標準的な使用量を検討することにした c これらの施設数の 今回は、表 1に示す 1 合計は、全有効回答病院 2 5 7 2施設中の 2 1 6 3施設、 8 4 . 1 %、となった。 表 1 病院の機能分類と施設数 水準 震薮罰合 . 1 9 2 1 4 1 1 1 1 1 4 4 0 0 . 0 0 1 7 5 1 1 1 1 2 4 0 0 . 0 0 0 4 4 1 1 1 2 1 4 8 0 . 3 2 6 6 4 1 2 1 1 1 7 . 0 2 4 8 9 1 2 1 1 2 57 0 . 0 0 0 8 7 1 2 1 2 1 2 0 . 0 0 5 2 4 1 2 2 1 1 1 2 0 0 0 . 0 0 4 3 7 1 2 2 1 2 1 9 2 0 . 0 8 3 8 4 1 3 1 1 1 1 1 3 1 1 2 1 8 0 . 0 0 7 8 6 1 3 1 2 1 . 0 0 0 8 7 2 0 4 0 . 0 0 1 7 5 1 3 2 1 1 . 0 0 3 0 6 1 3 2 1 2 7 0 . 0 0 1 7 5 1 3 2 2 1 4 0 2 0 . 0 0 0 8 7 1 3 2 2 2 j J ( 準 震 薮 害l 害 2 1 1 1 1 1 1 0 . 0 0 4 8 2 2 1 1 1 1 3 0 0 . 0 5 6 7 7 22112 7 4 0 . 0 3 2 3 1 2 2 1 2 1 8 0 . 0 0 3 4 9 7 0 . 0 0 3 0 6 2 2 1 2 2 9 0 . 0 0 3 9 3 2 2 2 1 1 . 0 0 6 5 5 5 0 2 2 2 1 2 1 0 0 . 0 3 9 3 2 3 1 1 1 9 2 3 1 1 2 9 6 0 . 0 4 1 9 2 2 3 1 2 1 4 0 . 0 0 1 7 5 23122 29 0 . 0 1 2 6 6 2 3 2 1 1 27 0 . 0 1 1 7 9 . 0 2 4 0 2 2 3 2 1 2 55 0 2 3 2 2 1 0 . 0 0 0 4 4 9 0 . 0 0 8 3 23222 1 ‑ 3 5 7一 水準 震薮署リ合 2 0 3 1 1 1 1 . 0 0 0 8 7 3 2 1 1 1 0 . 0 0 0 4 4 3 2 1 1 2 5 0 . 0 0 2 1 8 3 2 1 2 2 2 0 . 0 0 0 8 7 3 2 2 1 1 0 . 0 0 0 4 4 0 . 0 0 0 4 4 3 2 2 1 2 2 0 3 2 2 2 2 . 0 0 0 8 7 3 3 1 1 1 . 0 0 1 7 5 4 0 3 3 1 1 2 1 6 0 . 0 0 6 9 9 0 . 0 0 0 4 4 3 3 1 2 1 3 3 1 2 2 1 2 0 . 0 0 5 2 4 3 3 2 1 1 4 0 . 0 0 1 7 5 3 3 2 1 2 32 0 . 0 1 3 9 7 . 0 0 1 7 5 3 3 2 2 1 4 0 . 0 5 4 5 9 33222 1 2 5 0

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3 .2 血液製剤の使用量について 血液製剤の使用量の単位は、 MAP、FFP、PCにおいては単位 ( U )を用い、アルブミン(人血清 g )を用いた。血液製剤の使 アルブミン+加熱人血柴蛋白)、グロプリンにおいては実際の使用量 ( 0 0 0床あたりに換算しなおした。 MAPは調査票の赤血球 MAP (平成 1 4年度)使用 用量は一般病床 1 量を用いた。 F F P、血小板、アノレブ ミン、グロプリンも平成 1 4年度の値を用いた。アルブミン、 グロプリンはパーセントの異なる数種類の血液製剤が存在するため、実際の使用した人血清アル ブミン、加熱人血摂タンパク、グロプリンの重量から、アルブミン、グロプリンの重量を求めた。 7種類の機能パタンについて、 JMPの「一変量の分類」において、施設数、病床数、使 前述の 1 x c e lで表示した。これをみると、施設数、 用した血液製劃量を度数として分布を求めた。それを E 7種類で全体の 8 0見近くを占めていた。 病床数、各種血液製剤の使用量において 1 図 1 17種類の施設による施設数、一般病床数、各種血液製剤使用合計の比較 100也 80 也 日 23222 目 23212 固2 3211 回 23122 図 23112 図 23111 日 22212 日 22112 臼2 2111 図 13112 6 0 弘 40 也 2日 目 口 百 施段数 般病床数 MAP PC FFP アルブミン グロプリン 3 .3 各種の血液製剤の 1000床あたりの分布 平成 1 4年度の 1000床あたりの各種血液製剤の使用量の分布の一例として、 FFPの例を図 2に 示す。散布図の表示において、.印:20床から 200床未満、×印:200床以上 500床未満、口印: 500床以上を示す。 FFPも他の血液製剤もほぼ同じ分布をとり、多くの場合、上にすそが伸びた分布である。また、 全般的に、小規模な医療施設である 1 1 1 1 1, 1 2 1 1 1ではずれ値多く、 X軸の右側の医療機能が高度 な施設では、全体の分布の中央値は上昇するが、ぱらつきは 1 1 1 1 1, 1 2 1 1 1ほど大きくはない傾向 が見られた。軸の右側に位置する、 33212, 33222は 500床以上で全身麻酔件数も多く、心臓手術、 造血幹細胞移植、血柴交換のすべてをおこなっている施設である。 rhu q 弓U nx u

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図 2 FFPの分布 ririm吾妻λ~..".:シピよ孟言語f14.,-1 000床下FP総使用量 14 の一元配置分続 叫ι i ・ = ‑ F xxx‑E 円刷 . ‑ N = 剖N F 費 省 占 有 田 FNNN xx 調 也 ・ ・ = = 剖 剖 tAMMt 司=門 一﹁機 一 一︑ ‑﹁一一 ・.・;↑&==門戸旬 i一‑ r 一能 言語論~ ‑ a z 一 DODODO 0 0 8 0 0 DD OO DD O0 D O 54321 さ咽E組曲端正出世 DDDFIZL門 門 J 々,唱団 t 市庁、多ミ;. 品 ー 1 : ; ' 1 ' : : 3 .4 調査結果の統計量の数値 今まで述べた施設の医療機能毎の血液製剤使用量 (H14年度)の具体的な統計量を表 2に示 、 75%値 、 90%値を算出するにあたり、対象とする す。統計量として、平均、標準偏差、 50%値 施設の数が少ないとはずれ値に影響を大きくうける。そこで、ひとつの目安として 5施設以上の ものを対象とした。ただし、対象の施設数が 5から 10施設の場合は 90%値を求められないので 数表では太字、斜め文字、一本取り消し線でその旨を明確にした。 , 2, 5桁のパタンの集 なお、すでに述べたが病床規模、病床ー全麻手術、施設機能パタンの各々 1 計において、各々のパタンの中では欠損値がないものを集計している。そのため、もし全身麻酔 に欠損値があるものは、病床一全麻の集計では除かれるが、病床のみでは組み入れられる。これ により如何なる施設も最小限、病床基準で分類されることになる。 実際の表 2の使用にあたっては、 1 自施設の機能パタンをもとめる。 2 最初に自施設の病床数をもとに、同規模の病床をもっ施設の中で自施設の血液製剤の使用量 がどの程度のところに位置するか検討する。 3 :次に全身麻酔手術の件数をもとに同規模も病床ー全麻区分の中でどこに位置するかを検討する。 4:最後に、該当するパタン(llNNN e t c . ) があるときはその値を参考にして自施設が類似施 設の中でどこに位置するかを検討する。 5 :もし、該当するパタンが無い H 寺は、病床のみ、もしくは病床一全麻の 2桁の値をみて全体の 中でどこに位置するか検討する。 6 もし 90%値を超える時は特殊疾患や重篤な患者の有無など、特別な事情があるか否かを検討 する 7 :値が極端に大きい時は、病床数が多く機能が多い施設 (33YYYe t c . ) と比較し、血液製剤の使 用について検討する、といった手順になる。 円同 υ ペU n Ru

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表 2施設機能パタン別の 1 0 0 0床当たり統計量 全 心 l造 血施設聖 MAP(U) 対象 平鈎 麻臓血聖 E kev 1 1 11111 12 12111 12112 12211 12212 1 3 13111 13112 13212 2 2 1 21111 22 22111 22112 22121 22122 22211 22212 23 23111 23112 23122 23211 23212 23222 3 32 32112 33 33112 33122 33212 ヨ 主222 1 1674 449 111 NI N 440 111 NI 847 11 2 NI N 748 11 2 NI NI Y 57 11 2 NI NI N 12 11 2 YI NI Y 10 11 2 YI 236 11 3 NI N 192 11 3 NI NI Y 18 11 3 NI 11 3 YI NI Y 7 2 662 1 1 21 1 N I N 1 1 21 1 NI 259 21 2 NI N 130 21 2 NI NI Y 74 21 2 NI YI N 8 21 2 NI 7 YI Y 21 2 NI NI N 21 2 YI 9 NI Y 21 2 YI 15 341 21 3 NI N 90 21 3 NI NI Y 96 21 3 NI YI Y 29 21 3 NI 27 NI N 21 3 YI NI Y 55 21 3 YI YI Y 19 21 3 YI 236 3 13 31 2 NI Y 31 2 NI 5 217 31 3 16 N I Y 31 3 NI YI Y 31 3 NI 12 N I Y 32 31 3 YI YI Y 125 31 3 YI 1607 3776 425 2640 416 2622 日19 3830 723 3596 57 4950 10 7204 10 9995 234 5443 190 3930 18 11148 7 23339 653 5720 673 10 10 673 257 4319 130 3477 73 4325 8 6417 7 7688 9 5059 15 7907 336 6938 88 4901 94 5580 29 9877 27 7219 55 9371 19 10765 235 9330 13 4721 5 4545 216 9695 16 6208 12 9979 32 7897 124 10467 MAP,F F P FFP(U) 50% 値 75百値 90制直 対象 50 制直 75 州軍 90制値 平均 4016 1103 1930 4856 67日 1870 4947 7663 4527 2855 177 2340 目 6 1日 830 1392 333 932 1600 3433 3755 1 7 1 787 1183 936 2331 6150 333 1597 3349 3762 637 727 1755 3763 7655 1729 4442 5082 306日 3034 5 4 7 1 7 9 8 3 044 7078 1257 619 1584 2933 4785 2835 6753 9477 53 2888 4462 1263 3555 5021 6723 3067 409日 持 翠4 1 1 4495 3 1日2 6422 12724 6595 8310 4234 7004 217日7 ‑ 8 4 鉛f 千舟子6 10 17833 27132 9260 14317 5273 10104 1 9 1 3609 7760 1016 3150 9302 日563 3790 6096 4167 日109 149 2197 5421 716 2330 3521 5286 3135 16 7879 9607 6655 10497 22007 6541 11399 22041 16615 i I 9 B I J 5 7 14155 15135 . f 5 f U 9 7795 20901 . 30246 13830 23848 634 3755 2312 7429 3781 5057 6855 9957 3463 4522 7 13日 216 390 155 +9伺 1172 56 902 昔*' 7 13日 216 390 +9伺 1172 902 56 155 昔*' 246 5365 7023 2442 2912 1751 4985 418日 3143 2661 4655 5926 1 2 1 1667 1544 1308 3708 2095 1862 345日 421日 6371 73 1775 5289 2539 2498 1930 3070 5083 4 9 7 4 8 9 0 9 判 俗 唖 8 3 7 0 7 3 8 4 5 2 3 2 3 4 9 3 2 千 M 却 2766 7 告書鐙 7116 9251 千千倍4 3160 1817 2874 2254 4980 吾子宮苦 5283 7030 持9 6 9 2677 2109 1689 2143 4941 6142 7369 18892 15 7260 4135 4711 6277 6306 18820 5814 8380 12414 332 4333 4128 3954 3205 5636 9456 日7 4676 7476 1931 6094 2124 1640 2627 5019 1995 8484 94 2376 5183 6690 3352 2401 2879 7163 4851 2日 5447 9829 12467 14407 4917 3139 4873 7571 9494 6672 9697 10596 26 3148 4014 4422 3751 5033 11301 8786 11555 55 3828 15658 7223 5809 5274 11419 15060 19 4530 11229 12546 19373 8535 5189 7430 12607 16890 8993 11652 13798 235 3535 7488 5346 6113 10140 14022 5777 9909 13 2630 4046 2749 2396 1501 7532 3625 1173 4046 5546 昔吾吾9 5 1712 1501 2342 4081 . f 9 . 4 d 9282 11693 217 3290 13852 7793 5341 6501 10441 14124 2201 5769 744日 9922 16 3633 1859 3745 5184 6608 5792 7381 13196 22208 12 5993 5315 4213 17379 8399 295日 7382 951日 13039 32 3184 5826 5769 7682 11281 日 14250 125 2777 10003 1172 8883 5614 7714 11331 16984 s o s o 4まとめ 今まで明確でおなかった血液製剤の使用量について、病院の医療機能を元に 1 0 0 0 床あたりの使用 量の現状分析 ( H 1 4年度)をおこなった。本報告は血液製剤の使用量の実態調査の側面があり、 5 0 九 値 、 7 5 制 直 、 9 0弘値を用いれば、各施設の血液製剤の使用量が全体の中でどこに位置するかが容易 に把握できる。今回の調査は、日本の全医療施設に対する調査とはいえないが血液製剤の使用量 の実際を知る上には有効であると考える。 0 0 4 / 1 2に厚生労働省より全国の医 なお実際に作成された血液製剤の平均的使用量に関しては 2 療機関に対して通知が出されており、 JMP が我が国の医療行政に貢献した貴重な例となっている ことを申し添える。 全国自治体病院協会における、血液製剤の平均的使用量のお知らせ 1 l t t p : / / w w w . j m h a . or .j p / n e w s / n o 7 1 7 .p d f 我が固における血液製剤の平均的使用量に関する研究報告書(報告書の後半部分) h t t p : / / w w w .b ロr o . or .j p / p l l b 1 i c a t i o n ‑ n e w / 1 i b r a r y / 1 i b r a r y ̲ 6 / H 1 5 s h i y o l l r y o l l / p l . p d f qu n u nhu

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S A S Forumユ ー ザ ー 会 人工換気療法のトレンドに関する研究 0照 俊彦、豊島 裕子、中村晃士、西岡真樹子、佐野浩務、清水 英佑(東京慈恵会 医科大学・環境保健医学講座)、 佐伯 圭 郎(大分看護科学大学・保健情報)、 稲 葉 裕 、 黒 沢 美智子(順天堂大医学部・衛生学)、 石 原 英樹、木村 謙太郎 (大阪府立羽曳野病院・呼吸器科)、 栗山 喬之(千葉大学医学部・呼吸器内科) As 旬d yo ft r e n d sa b o u tM V ( M e c h a n i c a lV e n t i l a t i o n )t h e r a p y . AgataT,ToshimaY,N松 田 1 Ur aK,N i s h i o k aM,SanoH,S h i m i z uH (Depto fP u b l i cH e a l t h& E n v i r o n m e n t a l i k e iU n i v . ),S a i k iK ( D e p to fH e a l t hI n f o r m a t i o n,O h i t aU n i v .o fNursing& H e a l t hS c i e n c e s ), M e d i c i n e,J I n a b aY,KurosawaM (Dep. to fEpidemiology,J u n t e n d oU n i v . ),I s h i h a r aH,K imuraK ( D i v .o fR e s p i r a t o r y a b i k i n oP r e f e c t u r a lH o s p . ) KuriyamaT(Dep. tofR e s p i r a t o r yMedicine,ChibaU n i v . ) D i s e a s e,OsakaH 要旨過去 19時 一 2004年 に 疫 学 調 査 を 実 施 し 、 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 、 侵 襲 、 非 侵 襲 人 工 換 気 療 法 6病態の推計受療患者数を算出し、そのトレンドを検討した。調査対象は、内科、 神経内科、 呼吸器内科とした。調査対象期間は各調査の前 1年間とした。対象治療法は 1. I ‑OT、 2. NCPAP、 3. N PPV在宅、 4. NPPV入院、 5. TPPV在宅、 6. TPPV入院である。結果は 1. I ‑OTはやや増加、 2. NCPAPは急増、 3. NPPV在宅は増加、 4. NPPV入院は増加、 5. TPPV在宅はやや増加、 6. T PPV入院はやや増加である。その主要因は保険制度の変更、治療法の進歩などである。 今後は「非侵襲的人工呼吸ガイドライン」作成短期委員会、「呼吸ケア白書委員会」、「専 門医制度審議会短期委員会」の立ち上げを早急に行い、治療法の進歩、患者数急増に対応 する呼吸器科医師の不足の改善を図る必要があろう ε キーワード:在宅人工呼吸療法、非侵襲人工換気療法、多項超幾何分布、患者数推計 [目的] 近 年 わ が 国 で も 高 炭 酸 ガ ス 血 症 を 伴 な う 慢 性 呼 吸 不 全 に 対 す る HM V (Home M e c h a n i c a l V e n t i l a t i o n 在宅人工呼吸療法)として N P PV (非侵襲的陽圧換気療法:鼻 マ ス ク 等 装 着 ) が 導 入 さ れ 、 普 及 、 定 着 し つ つ あ る 。 N P P Vの 多 く は 、 自 己 管 理 が 可 能 で あ り 、 介 護 面 で も 問 題 が 少 な く 、 H M Vの 換 気 補 助 療 法 と し て は 適 し て い る : 実 際 、 患 者 の Q 0 L (生活の質), ADL(activities of daily livi n g 5)の改善や、再入院の回数、日数の減少などの効果も報告されている。 HOT とは Home Oxygen Th e r a p yで 、 日 本 語 で は 、 在 宅 酸 素 療 法 と い う 。 自 宅 に 酸 素 供 給機を設置し、必要時あるいは 2 4時 間 、 酸 素 吸 入 を す る こ と が 在 宅 酸 素 療 法 で 在 宅 酸 素 療法は、慢性呼吸不全患者の生命予後の改善などに役立っており、また、家庭での酸素投 9 8 5 ‑ ‑ ) 与 に よ っ て 在 宅 療 養 や 社 会 復 帰 を 可 能 に し て い る コ 費 用 に つ い て は 健 康 保 険 が 適 応 (1 さ れ る 。 こ れ ま で 、 病 院 に 入 院 し な け れ ば 受 け ら れ な か っ た 酸 素 吸 入 療 法 を 患 者 の ADL ( A c t i v i t y o f D a i l y L i f e ) の拡大、 QOL ( Q u a l i t y o f L i f e ) の改善及び医療資源の有効活 用を目的に開始され、以後急速に普及し現在では 1 2万 人 以 上 の 患 者 が 本 治 療 を 受 け て お り、さらに急増傾向にあるとされている。 4aA n h υ η0

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また、 HMVは 1 9 7 5年 頃 に 始 ま り 1 9 9 0年 の 最 初 の 社 会 保 険 適 用 ま で は 2 0 0人 程 度 の 患 者 を限られた施設でのみ実施していた 5 しかし、 1 9 9 2年 の 在 宅 医 療 に 対 す る 行 政 推 進 政 策 が出され保険点数の改訂、適応病態の拡大、実施医療機関の届出制廃止などにより、急速 に そ の 数 を 増 や し た 。 そ の 内 容 は 、 T P PV ( T r a c h e a lI n t e r m i t t e n tP o s i t i v eP r e s s u r eV e n t i l a t i oI1 侵襲的陽圧換気療法:気管切開手術実施、 1 9 9 0一保険適応)、 N P P V ( N o n ‑ i n v a s i v eI n t e r m i t t e n t P o s i t i v eP r e s s u r eV e n t i l a t i o n非 侵 襲 的 陽 圧 換 気 療 法 : 鼻 マ ス ク 等 装 着 、 1 9 9 8一 保 険 適 応 ) 等 に 大 n a s a lC o n t i n u o u sP o s i t i v eA irwayP r e s s u r e経 鼻 持 続 陽 圧 呼 吸 装 置 、 1 9 9 8一 別 さ れ る c, N C P A P ( 保険適応)も重要である。 最近、 H M V患者数の急増が予想、され、 N P P V、 T P P Vの 比 率 に も 変 化 が あ る こ と が 予 想 さ れ る 。 ま た 、 N P P V実 施 施 設 も 変 化 が あ る と 予 測 が な さ れ て い る 。 患 者 数 の 加 速度的増加傾向に対して、介護診療体制等の支援体制の整備状況が把握する必要がある。 こ れ ら の 問 題 を 整 備 し 、 N P P V適 応 基 準 に つ い て も 原 則 を 定 め る 必 要 が あ る 。 これらの基礎資料を得るべく、患者状況の把握が必要であるので、過去数回の疫学調査 結果に基づき、患者数のトレンド、及び要因を検討したので報告する。 [方法 1 2 0 0 4年、 2 0 0 1 年、 1 9 9 8年 に 調 査 を 実 施 し た 。 回 収 率 を 上 げ る 方 策 に も 力 を 入 れ る こ と と し 、 入 院 患 者 に つ い て も N P P V, T P P V の 調 査 を 行 っ た 。 方 法 と し て は 、 一 次 調 査 : 患 者 概 数 調 査 : 過 去 l年 (2 0 0 3、 2 0 0 0、 1 9 9 7 ) 年の患者数調 査を行った。調査開始は 2 0 0 4( 2 0 0 1, 1 9 9 8 )年 6 ‑ 9月 と し 、 対 象 は 全 国 の 病 院 の 内 科 (1 ) 、 呼 吸 器 内 科 (1 1) (呼吸器科) ( 3 1) 、 神 経 内 科 (2 0 ) とする。 診療科規模と原則的抽出率は、 o: ‑9 9床 5% 1: 1 0 0 ‑ ‑ 1 9 9床 1 0 2: 2 0 0 ‑ ‑ 2 9 9床 1 0 0 3: 3 0 0 ‑ ‑ 3 9 9床 1 0 0 4: 49 9床 4 0 0 ‑‑ 1 0 0 5: 5 0 0ー 床 1 0 0 6: 特別病院 1 0 0 7: 大学病院 1 0 0 とし、該当数が 5 0以 下 の 場 合 は 調 整 す る ( 表 1 。 ) 調 査 項 目 は 施 設 名 、 診 療 科 名 、 記 載 年 月 日 、 記 載 者 氏 名 、 過 去 1年 間 の 次 の 病 状 の 患 者 数、 1. HOT (総数、 HOTのみ、 HMV併用)、 2. NPPV在宅(総数、酸素併用)、 3. NPPV 入院(総数、酸素併用)、 4. TIPPV在 宅 ( 総 数 、 酸 素 併 用 ) 、 5. TIPPV入 院 ( 総 数 、 酸 , COPD、b, TB、c .後側湾、 d,神経筋、 e, SAS、f 素併用)である。また、 1. ‑ 5. の 内 訳 と し て の a 肺胞低換気、 g .そ の 他 の 数 な ど で あ る 。 ほ か に 、 NCPAP、 急 性 期 NPPV (改善離脱、 IPPV せず死亡、 IPPVに移行)の実数、 NPPV死 亡 例 の 検 討 内 容 、 各 症 例 の 適 応 要 件 な ど で あ る 。 こ の う ち 、 過 去 1年 間 の 次 の 病 状 の 報 告 患 者 数 、 NCPAP、 3. NPPV在宅、 4. NPPV入院、 1. HOT (以下いずれも総数)、 5. TIPPV在宅、 とに患者数推計を行い、そのトレンドを検討したれ 3 6 2 2. 6. TIPPV入 院 や 回 収 率 を も

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推計は患者の分布を考慮、し、多項超幾何分布を想定し、診療科、病床等区分により、 5層 に わ け ( 表 1) 、 推 計 患 者 数 、 分 散 を 求 め た G 1 なお、多項超幾何分布の場合、患者推 計数、分散は下記のような式で求められる( J/ 町山 J/ 一 日目一 J/' 町四一 包丁 円一 J/ 一 分散 仲一 η nz ‑M 川市一 一 ・ W D一 E一 推計数 n:対象機関数 i :患者数 N :回収機関数 N ,:患者数 iの回収機関数 これを各層について合計すれば、全体の推計患者数、分散が求められる。 [結果] まず、 2 0 0 4 年 1 1月 現 在 の 結 果 を 報 告 す る ( 表 1)。表 2 に 2004年 の 規 模 別 対 象 数 、 発 送 数 、 返 送 数 、 回 収 率 等 を 示 す 口 回 収 率 は 15.6% ((435+5) / (2831・18) )である。 表 1 . 回 収 状 況 (2004年) 診境科 発送数 規模 内科;大学 呼吸器科;大学 神経内科 全数 返送あり患者あり 7 193 193 54 39 。 55 55 23 23 58 350 4 2 54 325 3 2 7 神経内科 神経内科 2 188 188 22 10 神経内科 3 153 153 16 12 神経内科 4 109 109 20 9 神経内科 5 154 154 22 17 神経内科 。 81 81 16 1 1 164 3265 19 16 152 1525 9 9 一般内科(呼吸器) 7 一般内科(呼吸器) 一般内科(呼吸器) 2 616 616 88 85 一般内科(呼吸器) 3 406 406 68 64 一般内科(呼吸器) 4 206 206 31 31 一般内科(呼吸器) 5 242 242 40 39 2831 7868 435 369 総数 回収率 1 5 . 6% 調査不能 18 つd nhu つd

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表 2. 報 告 患 者 数 ( 2 0 0 4年) 診療科 NPPV在 NPPV入 TPPV在 TPPV入 NCPAP HOT 規模 ニ 品 邑 F 内科,大学 7 783 。 1342 717 ニ 邑 品 院 『 F 院 『 6 1 1 94 6 。 。 。 。 122 28 3 神経内科 2 1 0 36 1 6 1 7 47 神経内科 3 。 。 。 。 。 8 1 3 1 8 8 67 神経内科 4 3 5 8 6 1 29 神経内科 5 93 1 9 53 116 29 65 神経内科 。 146 1 3 1 5 8 93 25 g 5 198 116 12 7 。 4 7 呼吸器科;大学 神経内科 神経内科 1949 5 7 一般内科(呼吸器) 一般内科(呼吸器) 2 3 一般内科(呼吸器) 2 2268 554 173 130 28 127 一般内科(呼吸器) 3 2814 3546 370 88 43 9 1 一般内科(呼吸器) 4 1984 465 238 14 23 34 一般内科(呼吸器) 5 3343 2652 416 89 58 35 12945 10191 1555 5 3 1 294 518 総数 表 3に 疾 患 別 、 推 計 患 者 数 を 示 す 。 6疾 患 の 患 者 数 は 、 返 答 ( 返 送 ) の な い 診 療 科 に も 同数の患者がし、ると考え、比例配分に基づき、算出し、多項超幾何分布で推計すると、 1. HOT 1 2. 3万:tO. 8万人、 2. NCPAP 7. 6万土 2. 0万人、 2 7万:tO. 1 6万人、 3万:t 0 . 0 4万人、 4. NPPV入 院 0 . 5 4万:tO. 1 4人、 3. NPPV在 宅 1. 5. TIPPV在 宅 O. 2 6. TIPPV入 院 O. 4 9万:t0 . 0 7万人になる。 2 0 0 1 年 調 査 (2 0 0 2年 1月 現 在 ) の 結 果 を 報 告 す る 。 表 4 に 対 象 診 療 科 、 抽 出 率 、 実数 ( 2 0 0 1年)、表 5に 規 模 別 対 象 数 、 発 送 数 、 返 送 数 、 回 収 率 等 を 示 す 。 回 収 率 は 20.4% ( 6 7 4 / 3 2 9 8 )である。 報 告 患 者 数 は 1. HOT 1 8 2 5 0人、 4人、 4. NPPV入 院 4 3 8人、 2. NCPAP 2 8 3 1人、 5. TPPV在 宅 4 3 4人、 た 九 3. NPPV在 宅 1 3 3 6. TPPV入 院 7 8 9人 で あ っ nhu 司 り A4

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表 3. 推 計 患 者 数 (2 0 0 4年) 規模 診療科 HOT NPPV在 N P P V入 TPPV在 TPPV入 NCPAP ニ~ 内科;大学 呼吸器科;大学 7 2799 。 3209 7 神経内科 院 2563 336 。 。 。 。 。 308 4661 292 438 神経内科 39 院 2 1 2 1 。 。 。 。 67 7 2 108 108 137 145 402 124 172 77 641 88 神経内科 2 85 神経内科 3 77 神経内科 4 1 6 5 27 44 332 158 神経内科 5 651 133 371 812 203 455 神経内科 。 5 739 66 5 76 4 1 15981 4296 1547 859 344 687 33550 19656 2033 1186 7 一般内科(呼吸) 一般内科(呼吸) 9 ニ~ 。 508 一般内科(呼吸) 2 15876 3878 1211 910 196 889 一般内科(呼吸) 3 16801 21172 2209 525 257 543 一般内科(呼吸) 4 13184 3090 1582 93 153 226 一般内科(呼吸) 5 20225 16045 2517 538 351 212 総数 122897 76245 12710 5388 2270 4894 SD 8089 19656 1603 1353 398 744 表 4. 対 象 診 療 科 、 抽 出 率 、 実 数 ( 2 0 0 1年) 規模 ‑ ‑ 9 9床 ‑ ‑ 1 9 9床 ‑ ‑ 2 9 9床 ‑ ‑ 3 9 9床 ‑ ‑ 4 9 9床 5 0 0床ー 大学 抽出率 5% 1 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 神経内科 5 7 5 7 2 1 8 1 7 3 1 0 3 1 4 2 5 5 内科 1 7 3 214 8 4 0 4 9 5 2 1 5 2 5 5 言 十 8 0 5 2192 (呼吸器担当) 大学.内科学 269 269 3 2 3 2 大学ー呼吸器科 o r呼 吸 器 内 科 3298 ρ h υ にU ηd

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表 5. 調 査 の 回 収 状 況 、 回 収 率 ( 2 0 0 1年) 患者あり 発送数 全数 返送あり 大学内科学 269 269 8 5 5 6 大学呼吸器科 32 32 1 7 1 6 神経内科‑ ‑ 9 9床 5 7 340 9 5 ‑ ‑ 1 9 9床 5 7 398 1 2 1 1 ‑ ‑ ‑ 2 9 9床 218 218 2 9 1 8 ‑ ‑ ‑ 3 9 9床 1 7 3 1 7 3 2 5 1 4 1 0 3 1 0 3 3 1 2 3 500床 ー 1 4 2 1 4 2 37 2 6 大学 5 5 5 5 2 4 1 7 内科(呼)‑ ‑ 9 9床 1 7 3 3456 2 9 1 7 ‑ ‑ ‑ 1 9 9床 214 2 1 7 3 3 1 2 5 ‑ ‑ ‑ 2 9 9床 8 4 0 8 4 0 1 4 9 1 2 9 ‑ ‑ ‑ 3 9 9床 4 9 5 4 9 5 94 8 4 ‑ ‑ ‑ 4 9 9床 2 1 5 2 1 5 4 8 47 500床 ー 2 5 5 2 5 5 5 4 4 8 3298 9 1 6 5 674 5 3 6 NCPAP NPPV NPPV TPPV TPPV 在宅 入院 在宅 入院 6 3 0 0 1 9 0 0 1 9 0 0 4300 ‑ ‑ ‑ 4 9 9床 計 回収率 2 0. 4' 1 0 表 6. 推 計 患 者 数 ( 2 0 0 1年) HOT 95%下 限 1 0 5 0 0 0 5 9 0 0 平均値 1 2 4 0 0 0 1 2 4 0 0 7 9 0 0 3000 2500 5800 95%上 限 1 4 3 0 0 0 1 8 9 0 0 9500 4100 3 1 0 0 7 3 0 0 表 6 に 疾 患 別 、 推 計 患 者 数 (2 0 0 1年)を示すっ 6疾 患 の 患 者 数 は 、 返 答 ( 返 送 ) の な し、診療科にも同数の患者がし、ると考え、単純な比例配分に基づき、算出し、多項超幾何分 9 5%信頼区間 lO.5~14.3 万人)、 2. NCPAP 布 で 推 計 す る と 、 1.HOT 1 2. 4万 人 ( 1. 2 4 万 人 ( 9 5 % 信 頼 区 間 O. 5 9一 一 1. 9万人)、 % 信 頼 区 間 O. 63~~O. 9 5万人)、 3. NPPV在 宅 O. 7 9万 人 ( 9 5 4. NPPV入 院 O. 3 0万 人 ( 9 5 % 信 頼 区 間 O. ‑366

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1 9一 一 o . 4 1万人)、 1万人)、 5. TPPV 在 宅 0 . 2 5万 人 ( 9 5 % 信 頼 区 間 O. 1 9 一 一 O. 3 6. TPPV 入 院 O. 5 8 万 人 ( 9 5 % 信 頼 区 間 0 . 4 3 ‑ ‑ 0 . 7 3万 人 ) に な っ た 戸 表 7 に 報 告 症 例 数 、 推 計 患 者 数 (1998年 ) を 示 す τ 対 象 診 療 科 3470、 回 答 916施 設 、 回 収 率 26%であったハ 表 7 報 告 症 例 数 、 推 計 患 者 数 (1998年) HOT 報告症例数 NCPAP NPPV NPPV TPPV TPPV 在宅 入院 在宅 入院 23229 755 5 3 5 2 4 1 295 695 95%下 限 71300 1100 1 4 0 0 500 800 2000 平均値 77900 1 9 0 0 1800 800 1 0 0 0 2600 95%上 限 84400 2700 2100 1 1 0 0 1 2 0 0 3200 推計患者数 表 3, 6, 7の結果から総合的に判断すると、 PV在宅は増加、 4. NPPV入院は増加、 1. HOTはやや増加、 5. TPPV在宅はやや増加、 2. NCPAPは急増、 3. NP 6. TPPV入院はやや増加である。 その要因としては保険制度の変更などが大きな役割を果たしている。 [考察] 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 と の 研 究 は COPD1).6)な ど 、 数 多 く 行 わ れ 、 ま た 、 日 oT , HMVに つ いても多くの研究があり、治療法も進歩している 7 ) ‑ 1 6 )ぐ ま た 、 呼 吸 、 換 気 様 式 の 歴 史 、 発 展 を み る と 、 1 . 終 末 呼 気 陽 圧 (p o s i t i v ee n d ‑巳x p i r a t o r yp r 巳s s u r e . 問欠的強制換気法 ( i n t c r m i t t e n tmandatoryv e n t i l a t i o n:IMV)、 3 . 持続気 v e n t i l a t i o n PEEP)、 2 c o n t i n u o u sp o s i t i v ea i r w a yp r c s s u r e :CPAP)、 4 . 高頻度換気 ( h i g l トf r c q u e n c yv e n t i l a t i o n 道陽圧 ( .p r e s s u r es u p p o r tv e n t i l a t i o n (PSV)、6 .p r o p o r t i o n a la s s i s t e dv e n t i l a t i o n (pAV)、7 .p c r m l s s l v e HFV)、5 . 腹 臥 位 (pronep o s i t i o n ) による呼吸管理から、新しい呼吸管理法として、1. h y p e r c a p n i a、 8 非侵襲的陽圧換気法 ( n o n i n v a s i v ep o s i t i v ep r c s s u r e刊 n t i l a t i o n:NPPV)、 2 . 液体換気療法 ( l i q u i d v e n t i l a t i o n ) 、3 . 体 外 膜 型 肺 (e x t r a c o 中o r c a l I1lcmbranc o x y g c n a t i o n ECMO) 等が提唱、導入 されつつある。 近 年 わ が 国 で も 高 炭 酸 ガ ス 血 症 を 伴 な う 慢 性 呼 吸 不 全 に 対 す る H M V (Hol1l巴 M c c h a n i c a l V e n t i l a t i o n在 宅 人 工 呼 吸 療 法 ) と し て N P P V ( 非 侵 襲 的 陽 圧 換 気 療 法 : 鼻 マ ス ク 等 装 着 ) が 導 入 さ れ 、 普 及 、 定 着 し つ つ あ る " N P PVの 多 く は 、 自 己 管 理 が 可 能 で あ り 、 介 護 面 で も 問 題 が 少 な く 、 H M Vの 換 気 補 助 療 法 と し て は 適 し て い る 。 実 際 、 患 者 の Q OL ( 生 活の質), ADL ( A c t i v i t i c so fD a i l yL i v i n g s ) の改善や、再入院の回数、日数の減少などの i ウ nhu nベ υ

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効果も報告されている G し か し 、 導 入 の テ ク ニ ッ ク 、 合 併 症 、 NPPVで 充 分 換 気 出 来 な くなった時の対処など多くの問題も潜在する。また、適応基準に関しでも未だに一定のも のは無く、各施設でまちまちである。 1 998年 調 査 で は 、 日 M V症 例 数 28 0 0例 と 急 増 傾 向 を 認 め 、 特 に NPPV症 例 が 64パーセントを占め、 TPPV ( T r a c h e a lI n t e r m i t t e n tP o s i t i v eP r e s s u r eV e n t i l a t i o n侵 襲 的 陽 圧 換 気 療 法 : 気 管 切 開 手 術 実 施 ) 症 例 数 を 凌 駕 し た c しかし、 NPPV実 施 施 設 は 18パ ー セントと限られた施設でしか行われていない。そして患者数の加速度的増加傾向に対して、 介 護 診 療 体 制 を 始 め と す る 支 援 体 制 の 未 整 備 が 問 題 で あ る 。 介 護 体 制 に 関 し て は NPPV 症例と TPPV症 例 で は 、 そ の 必 要 度 に お い て か な り 差 異 が あ っ た 。 人 工 呼 吸 器 の 稼 動 時 間 に も 、 介 護 の 必 要 性 も 、 介 護 体 制 に も 差 異 が 認 め ら れ た 。 診 療 体 制 に お い て は 、 NPP V症 例 の 場 合 、 基 本 的 に 外 来 受 診 が 可 能 な 症 例 が 多 く 、 こ の 点 も 差 異 が 認 め ら れ る 。 そ し て 、 在 宅 TPPVの 疾 患 割 合 ( 内 容 ) は 、 神 経 筋 疾 患 (ALS、 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症、 A m y o t r o p h i c La t e r a l Sc l e r o s i s nなど) 7 1% 、 肺 結 核 後 遺 症 1 0%、 COPD 6 %で あ った。 一 方 、 在 宅 NPPVの疾患害J I合 ( 内 容 ) は 肺 結 核 後 遺 症 3 4%、 C0 PD 2 9% 、 神 経 筋 6% と 全 く 違 う 内 容 を 示 し て い る 。 疾患 1 このような状況の中、日本呼吸器学会では、 l . I 非 侵 襲 的 人 工 呼 吸 ガ イ ド ラ イ ン J 作成短期委員会、 2 .I 呼 吸 ケ ア 白 書 委 員 会 J、 3 . I 専 門 医 制 度 審 議 会 短 期 委 員 会 J の 3項 目 の 立 ち 上 げ に つ い て 不足について および、 4 . 呼吸器科医師の 深く広く意見を求め検討している。 つまり、 l . I非 侵 襲 的 人 工 呼 吸 ガ イ ド ラ イ ン J 作 成 短 期 委 員 会 の 立 ち 上 げ に つ い て は 慢性安定期および急性期を対象に、エピデンスに基づいたガイドラインを作成するため IPPVを 始 め る 医 師 や 、 理 学 療 法 土 ・ 看 護 師 な ど の の短期委員会を設置する。これから N 医療関係者も利用できる内容とする事を目指している。 2 . I呼 吸 ケ ア 白 書 委 員 会 J の 立 ち 上 げ に つ い て は 在宅酸素療法 ( LTOTIHOT) が 呼 吸 器 学 会 に 尽 力 で 保 険 適 応 と な っ て 以 来 、 1 9 9 0年 に 在 宅人工呼吸療法 ( HMV) が、 1 9 9 8年 に 鼻 マ ス ク 式 人 工 呼 吸 療 法 ( N I P P V ) が適応となり、 TOTIHOTで 約 H 万人、 HMV'N I P P Vで 約 l万 人 の 慢 性 呼 吸 不 全 患 者 が そ の 恩 恵 に いまや L あずかっている。しかし、 1 9 9 5年 の 呼 吸 不 全 調 査 委 員 会 の 調 査 以 来 、 こ れ ら の 患 者 の 実 態を探る大規模調査は行われておらず、介護保険の導入や医療費患者自己負担の増大の影 TOTIHOT保 険 適 用 2 0年 を 機 会 に 、 患 者 の 実 像 、 ケ 響を含めた患者の状況は不明である。 L アを含めた治療の実態を明らかにする調査を行い、白書にして今後の新たなる発展・充実 目指すこととする。 3 . I専 門 医 制 度 審 議 会 短 期 委 員 会 J の 立 ち 上 げ に つ い て は 本学会の 3 0 0 0名の専門医のうち、 6 0 0名 が 経 過 処 置 の 専 門 医 で あ る 。 今 回 3 2 0名 に 認 定 内科医が授与され、残り医師は認定内科医を取得していない。この認定内科医のない経過 処置の専門医に対し、専門医更新の際にどのような付帯条件をつけるかを検討し、具体的 な案を提示するための短期委員会を専門医制度審議会の下部組織として立ち上げるなどで ある。 368‑

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4 .呼 吸 器 科 医 師 の 不 足 に つ い て は 最近わが国では、呼吸器科の新設を希望する病院が多い勺これは患者数が増大している ことと、呼吸器科診療の内容が高度になり、専門家を必要とするようになってきたことに 起因すると考えられる ο しかし、その需要に対応できていないのが現状であり、またすで に呼吸器科の存在する病院においても、呼吸器科医師は大変多忙であるといわれている。 そこで、委員会では、呼吸器科医師不足の現状認識・有効と思われる施策(医療研究機構 の充実・専門医制度の見直し・呼吸器学会支部の役割の強化・卒然教育・卒後教育・若手 6年 度 か ら 再 医師の呼吸器科への勧誘・行動目標の設定など)を検討した。これを平成 1 編される将来計画委員会へ引き継ぎ、各項目について関連委員会に検討・実施を御願いす ることとし、 H M Vの 発 展 に も 寄 与 す る よ う に す る こ と で あ る 。 ま た 、 今 回 は 患 者 概 数 調 査 な の で 、 重 複 (10‑20%)を 考 慮 す る 必 要 が あ る ご ま た 、 こ れ ら 以外に、診療所で加療している症例を考慮する必要もあるーこれは、病院受療者数よりは 少ないと予想される。病院受診患者の 1 / 2以 下 で あ り 、 在 宅 酸 素 療 法 を う け て い る 症 例 数 0 : 1 を考えると、病院受診患者の 1 1 5 から 1 1 1 0 と考えられる。このよ が、病院:診療所= 1 うな増減を考慮すると病院診療所での受療患者は結局先の推定値程度と考えられる NCPAP、 NPPV 在 宅 の 顕 著 な 増 加 な ど 日 常 臨 床 の 経 験 か ら の 感 覚 と ほ ぼ η 致している結 果 が 得 ら れ 、 今 後 も QOL重 視 の 観 点 か ら 、 治 療 法 は こ の 方 向 に 流 れ る こ と が 推 測 さ れ る む しかし、回収率の低さ (15‑26%)は 推 定 精 度 を 下 げ る 要 因 と 考 え ら れ 、 回 収 率 を 上 げ る 努 力 、 方策が必要であり、推進中である。 [結論] 侵 襲 、 非 侵 襲 人 工 換 気 療 法 6疾 患 病 態 の 患 者 数 は 、 返 答 ( 返 送 ) の な い 診 療 科 に も 同 様 に患者がいると考え、比例配分に基づき算出すると、 2004年 調 査 で は 1. HOT 1 2. 3万人、 2. NCPAP 7. 6 2 万人、 3. NPPV在 宅 1. 2 7万人、 4. NPPV 入院 o . 5 4万人、 5. TIPPV在 宅 o . 2 3万人、 6. TIPPV入 院 o . 4 9万人、 2 0 0 1年 調 査 で は 1. HOT 1 2. 4 万人、 入 院 O. 3 0万人、 2. NCPAP 1. 2 4万人、 5. TIPPV在 宅 O. 2 5万人、 3. NPPV在 宅 O. 7 9万人、 4. NPPV 6. TIPPV入 院 O. 5 8 万人、 1 9 9 8年 調 査 で は 1. HOT 7. 8万人、 入 院 O. 0 8万人、 れる 2. NCPAP O. 1 9万人、 5. TIPPV 在 宅 O. 1 0万人、 3. NPPV在 宅 O. 1 8万人、 4. NPPV 6. TIPPV 入 院 O. 2 6 万 人 と 推 計 さ F 即ち、この結果から総合的に判断すると、 宅は増加、 4. NPPV入院は増加、 1. HOTはやや増加、 2. NCPAPは急増、 3. NPPV在 5. TPPV在宅はやや増加、 6. TPPV入院はやや増加である。そ の要因としては保険制度の変更、治療法の進歩などが大きな役割を果たしている。 nud nhu nパ V

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文献 1) 巽 浩 一 郎 、 岡 田 修 、 栗 山 喬 之 、 他 : 日 本 に お け る 慢 性 肺 気 腫 の 実 態 、 厚 生 省 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 9年 度 報 告 書 1 9 9 8 : 2 3・ 2 8 . 2 )巽 浩 一 郎 、 岡 田 修 、 栗 山 喬 之 、 他 : 呼 吸 不 全 6 疾 患 の 全 国 疫 学 調 査 一 我 が 国 に お け る 若 年 性 肺 気 腫 の 検 討 一 、 厚 生 省 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 9年 度 報 告 書 1 9 9 8 : 2 9 ‑ 3 5 3 )巽 浩 一 郎 、 岡 田 修 、 栗 山 喬 之 、 他 : 呼 吸 不 全 6 疾 患 の 全 国 疫 学 調 査 一 我 が 国 に お け る 肺 好 酸 球 性 肉 芽 腫 症 の 検 討 一 、 厚 生 省 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 9年 度 報 告 書 1 9 9 8・3 6 ‑ 41 . 4 )橋 本 修 二 、 巽 浩 一 郎 、 栗 山 喬 之 、 他 : 呼 吸 不 全 6疾 患 の 全 国 疫 学 調 査 一 調 査 の 回 収 状 況 9 9 7 ; 3 6 ‑ 41 . と 推 計 患 者 数 一 、 厚 生 省 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 8年 度 報 告 書 1 5 ) 将 俊 彦 、 清 水 英 佑 、 玉 腰 暁 子 、 : COPD全 国 疫 学 調 査 進 捗 状 況 . 厚 生 省 特 定 疾 患 の 疫 学 に関する研究班平成 1 1年 度 研 究 業 績 6 8・ 71 . 20 0 0 6 ) 豚 俊 彦 、 豊 島 裕 子 、 清 水 英 佑 、 他 . COPD全 国 疫 学 調 査 ‑ 1次 調 査 中 間 報 告 ー . 厚 生 0 0 1 : 7 7 ・ 7 2 . 省 特 定 疾 患 の 疫 学 に 関 す る 研 究 班 平 成 12年 度 研 究 業 績 2 7 )香 取 美 知 子 、 石 原 英 樹 、 木 村 謙 太 郎 、 他 : NIPPV療 法 を 導 入 し た 慢 性 呼 吸 不 全 症 例 、 厚 生 省 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 8年 度 報 告 書 1 9 9 7 ; 7 2 ‑ 3 . 8 )石 原 英 樹 、 木 村 謙 太 郎 、 渡 辺 敏 、 他 : 本 邦 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 の 現 状 と 課 題 ( 第 2報 ) 一 1997年 調 査 結 果 、 厚 生 省 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 9年 度 報 告 書 1 9 9 8 : 9 3 ‑ 5 . 9 )石 原 英 樹 、 木 村 謙 太 郎 、 長 谷 川 │ 克 子 、 他 : 当 院 に お け る 非 侵 襲 換 気 療 法 の 現 状 、 厚 生 省 0 0 0 ; 8 4・ 7 . 特 定 疾 患 呼 吸 不 全 調 査 研 究 班 平 成 11年 度 報 告 書 2 1 0 )根 石 幸 一 ナ ー ス の た め の 医 療 材 料 ・ 機 器 講 座 在 宅 人 工 呼 吸 (HMV)関 連 製 品 Home C a r 巳 M e d i c i n e . 2 0 0 4 : 5:6:4 2 ‑ 4 6 1 1)坂東政司,大里子彰三、杉山幸比古. わ が 国 の へ き 地 医 療 機 関 に お け る 在 宅 呼 吸 管 理 の 現 状と課題. 日本呼吸器学会雑誌. 2 0 0 4:4 2:4:3 1 3 ‑ 3 1 8 . 1 2 )飛 田 渉 ラ 黒 津 ラ上月正博.介護保健施設における在宅呼吸療法患者の受け入れ 宮城 県の現状.日本呼吸管理学会誌 . 2 0 0 4:1 3:3:5 2 3 ‑ 5 2 7 1 3 )山本真. [在宅難病患者の緊急時の応急処置] HMV(在 宅 人 工 呼 吸 ) 患 者 の リ ス ク マ 2 0 0 4:9:1 2:下 1 1 . ネージメント.難病と在宅ケア . 1 4 )山 田 謙 一 , 須 貝 研 司 ラ 福 水 道 郎 , 花 岡 繁 、 佐 々 木 征 行 , 埜 中 征 哉 . 小 児 神 経 疾 患 に お け る 在宅人工呼吸療法の家族からみた評価とニーズ 1 5 )谷 口 亮 2 0 0 3:3 5:2:1 4 7 ‑ 1 5 2 脳 と 発 達. [最新ハイテク在宅医療機器材料ガイド] 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 (HMV). 輸 液・栄養ジャーナル 2 0 0 2:2 4:8:4 4 9 ‑ 4 5 1 1 6 )石 原 英 樹 [NIPPV( 非 侵 襲 的 陽 圧 換 気 療 法 ) 急 a性 呼 吸 不 全 か ら 在 宅 ま で ] CUと C C U . 2 0 0 2:2 6:3:1 7 9 ‑ 1 8 5 . 呼 吸 療 法 (HMV)へ の 導 入 と そ の 問 題 点 . I 在宅人工 ワ i ハUU qd

365.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 例数がアンバランスなときの近似 Dunnett法の性能評価 0 中島章↑専 豊泉滋之 東京理科大学工学研究科 E v a l u t i o nf o rt h ep e r f o r m a n c eo fD u n n e t t ' smethodi nu n e q u a l日 m p l es i z ec a s e s A k i h i r oN a k a j i m a S h i g e y u k iT o y o i z u m i n i v e r s i t yo fS c i e n c e F a c u l t yo fE n g i n e e r i n g,TokyoU 要旨 多重比較法であるダネットの方法は原典では各群の例数が等しいことを前提としていた。しかし、現実には各 群の例数がアンバランスとなる場合が多い。各群の例数がアンバランスなとき、ダネットの原典の方法は実 質の有意水準と名義の有意水準が異なってしまう。そこで例数が異なるときの正確な棄却限界値を計算できる PROBMC関数を用いて、例数がアンバランスなときのダネットの原典の方法の性能評価を行った。正確な棄 却限界値の計算には複雑な多重積分が必要で、またアンバランスなノ fターンは様々であるため、数表を用意す ることも困難である。そのため、現在でも例数がアンバランスなときにダネットの原典の方法が使用されてい ることが多く、どの程度のアンバランスまでならダネットの原典法でも問題がないか検討した。 キーワード: PROBMC関 数 検 定 の 多 重 性 ダネットの方法 1 はじめに 処置を施さない対照群と薬剤を投与した用量群の効果を比較することで、薬剤の効果を調べること が新薬の開発では多い。通常、用量群には投与量が異なる複数の群を設定する。 対照群と複数の用量群を比較するために、検定を複数回行うことが多い。しかし、検定を同時に複 数回 ( 2回以上)行うと、 1つ以上の比較を誤って有意と判定する第 1種の過誤の確率が比較当たりの 名義有意水準より大きくなる多重性 ( m u l t i p l i c i t y ) の問題が生じる。そのため、多重性を考慮して全 体の第 1種の過誤を制御する多重比較法 ( m u l t i p l ecomparisonp r o c e d u r e ) が提案されている。 1つの対照群と 2つ以上の用量群があるとき、対照、群と用量群の母平均を検定するための多重比較 D u n n e t t ( 1 9 5 5 ) )がある。この方法は全群の例数が等しし、(例数がバラン 法として、ダネットの方法 ( スな)とき、正確な検定を行うことができるように提案された。正確な検定とは実質有意水準が名義 円I﹃ ηJ ーよ

366.
[beta]
有意水準と等しくなるような検定である。ここで名義有意水準とは設定した有意水準、実質有意水準
とは対象とする方法を用いたときの実際の有意水準である。
例数がバランスになるように実験計画を立てても不測の事故などにより欠測が生じたり、実験計画
の時点で例数がアンバランスなデザインを用いることもある。また、観察研究では極端にアンバラ
ンスになる場合もある。このような例数がアンバランスなときにダネットの方法は、実質有意水準が
名義有意水準とかなり食い違うことが知られている。しかし、実際にどの程度食い違うかについて
の研究は行われていない。より性能の良い近似法として、検定統計量聞の相聞の大きさを考慮した

HochbergandTamhaneの近似法(以下、 HT近似法)などが提案されている。
例数がアンバランスなときに正確な p値を計算するためには、検定統計量の従う多変量 t分布の成
分の最大絶対値あるいは成分の最大値の分布関数を正確に積分計算する必要がある。このため、確率

1
9
9
7
)は、棄
分布を正確に計算する方法と HT近似法では、非常に計算が複雑である。また、永田 (
却限界値の数表を新たに作ることにより、ダネットの方法を各用量群の例数が等しいときにも行うこ
とができるように拡張した。しかし、アンバランスなノ fターンは多様で、あり、多様なアンバランスに
対応した数表を網羅することは不可能でLある。補完した棄却限界値も厳密に正確な検定を行えない。
また、通常の統計の教科書で、は各群の例数がバランスなときしか数表を与えていない。
このため、実務家が正確な検定を行うことは困難であり、実際には例数がアンバランスなときにも
ダネットの方法が用いられることが多い。
I
1
J
そこで本研究では、例数がアンバランスなときのダネットの方法、 HT近似法の性能を評価し、 9

数がアンバランスなときの多重比較法の使用指針を与えることを目的とする。

2 対照群との比較 (ComparisonswithA Control)
第 1群を対照群、第 2群から第 a群までを薬剤を投与した用量群とし、対照群と各用量群の多重比
較を行うことを想定する。この場合、 t検定統計量は a‑1個算出される。対照群とどの用量群で有
意な差が生じるかを検討するためには、多重性を考慮する必要がある。そのために、以下のような検
定統計量の最大絶対値(両側検定)、あるいは最大値(片側検定)の分布を考える。
両側検定

r
{
J
t1
2
l
壬d
,
J
t1
3
l
三 d,
,
…J
t
l
α
│壬 d
}=1 一 α 宇中 Pr{}I~a2' J
t
l
iJ
壬d
}=1 α (
1
)
:P

片側検定

:P
r
{
t12:::;d
',
t1
3 壬d

2く tく。

ヘ
.
.
, tlα 三 d'} 二 1 ー α 仁=争 Pr{JI~a~
t
1
i 壬d
'
}=1一 α
2
α
く tく

(
2
)

、V
E:誤差分散、問:第 i
群の例数、 X
i
:第 i
群のデータの平均、 d,
d
'
:両側ヲ片
、
!VE(
l
/
n
l+l
/
n
i
)
側棄却限界値、
名義有意水準である。 t検定統計量には
が共通して含まれるため、検定統計
Zl 一 向

Xl

α

量聞に相闘が生じる。検定統計量 tli と検定統計量 tlj の相関係数は以下の式で表すことができる。

n,

nィ

+

+

ρtJ ニ d~ー」一一一_J_
nl ninl πj

(
i,
j 2,
3,
…
ヲa
;i<j
)
二

、

(
3
)

t
a

巧

n︿U

ワω

367.
[beta]
(
1
)、 (
2
)を満たす両側棄却限界値、片側棄却限界値を求めることによって多重性を考慮した検定を
行うことができる。具体的には、両側棄却限界値、片側棄却限界値は自由度ゆE、相関行列 R={pij}、

(α‑1
)次元の多変量 t分布の成分の最大絶対値および最大値の分布から求めることとなる。実際の
計算式としては次の (
4
)、 (
5
)式を用いる。 (
4
)、 (
5
)式の F
l
(
d
)、F2(
d
'
)が 1 α になる時の d、 d
'が
正確な棄却限界値である。(広津 (
1
9
9
2
)
)

Fl
(d
)=P
r
(月 停 [
t
l
i
[:
:
;d
)

両側検定

L
"
"
'
‑
t
"
"
'
‑α

fに
立(
φ
(
争子)ーベ争手)ト

(
x
)白 川

九(
d
'
)=P
r
(具え tli 三d
'
)

片側検定

f
∞ f∞占{y'瓦 lX+d
I
I 1
1引 vL 's¥
I
ゆ(
x
)
d
x
g
(
s
)
d
s

J
o J
̲∞ 2 1 ゾ ト 入 札 /
ー" ̲ ‑

ただし、入札

(
4
)

(
5
)

n午 、 ゆ E :誤 差 自 由 度 、 的 ):標準正規分布の分布関数、仲):標準正規分布の確
Iti寸‑ Itl

率密度関数、 g
(s):JX
可
否E)/OEの確率密度関数である。以上より、例数がアンバランスのときも正

u
n
n
e
t
t
l、d
u
n
n
e
t
t
2と指定することでそれ
確な検定を行うことができる。 SASの PROBMC関数は d
4
)、 (
5
)の多重積分を計算し、分位点または p値を出力する。
ぞれ (

.
5の
ダネットの方法は、計算された t値と例数がバランスのとき(検定統計量聞の相関係数 pが 0
とき)に用意された数表を比較することにより検定を行う。

HT近似法は、 (
3
)式の検定統計量聞の相関係数の算術平均戸を計算し、 (
4
)、 (
5
)式 の ん 1 に代入す
ることによって棄却限界値を求める方法である。また、これ以外にも近似法として様々なものが提案
されている。それらの近似法もまた、検定統計量聞の相聞の大きさを考慮した方法である。

3 数値計算の枠組み
様々な例数がアンバランスの場合を想定した数値計算を行い、ダネットの方法、 HT近似法の性能
評価を行う。本章では数値計算の枠組みについて述べる。

3
.
1 性能評価方法
設定した例数がアンバランスな場合に対して、対照群との比較で用いる検定統計量の従う確率分布
を正確に計算することによって、正確な棄却限界値を求める。この正確な棄却限界値を用いた時、実
質有意水準は名義有意水準と等しくなる。これに対して、近似法を用いると近似法の与える棄却限界
値は正確な棄却限界値とずれてしまい、実質有意水準は名義有意水準と等しくならない。そのため、
近似法の性能の評価指標として、名義有意水準と実質有意水準のずれを用いる。

ウi

ペ
n
u

n︿U

368.

3.2 状況設定 例数がアンバランスのパターンとして、紙面の都合上、今回 5群の場合を取り上げ、第 l群を対照 群、他の群を用量群とする。また、誤差自由度ゆE は無限大(∞)、両側検定、名義有意水準 αを 0 . 0 5 と設定した。以下のような例数の比をもった例数がアンバランスな場合にダネットの方法、近似法を 適用することにより、性能評価を行う。 3 . 2 . 1 対照群の例数が用量群の例数より小さい場合 対照群の例数を一番小さくし、各用量群の例数の比が 1 , 2, 3, 4と大きくなってし、く場合を考えた。 3 2 アンバランスな群の数 4 例数の比 =2 : 2 : 2 : 2 : 2 : 1 : 2 : 2 : 2 1 1 :1 :1 : 1 : 2 1 : 1 : 1 : 2 : 2 1 例数の比二 3 : 3 : 3 : 3 : 3 : 1 : 3 : 3 : 3 1 1 : 1 : 1 : 1 : 3 1 : 1 : 1 : 3 : 3 1 例数の比二 4 : 4 : 4 : 4 : 4 : 1 : 4 : 4 : 4 1 1 : 1 : 1 : 1 : 4 1 : 1 : 1 : 4 : 4 1 数より大きい場合 3 . 2 . 2 対照群の例数が用量群の伊l 対照群の例数が一番大きくなるような場合を考えた。 アンバランスな群の数 3 2 l 4 例数の比三 2 : 1 : 1 : 2 : 2 2 :1 2 : 1 : 1 : 1 : 1 2 : 1 : 1 : 1 : 2 2 :2 : 2 : 2 例数の比 = 3 3 : 1 : 1 : 1 : 1 3 : 1 : 1 : 3 : 3 3 : 1 : 3 : 3 : 3 : 1 : 1 : 1 : 3 3 例数の比二 4 : 1 : 4 : 4 : 4 4 : 1 : 1 : 1 : 1 4 : 1 : 1 : 4 : 4 4 : 1 : 1 : 1 : 4 4 O l J 数が極端にアンバランスな場合 3 . 2 . 3 " 例数が極端にアンバランスな場合として、以下のような各群の例数が全て異なる、最大 5倍の違い がある極端な場合を考えた。 極端にアンバランスな例数の比 1 : 2 : 3・4 : 5 2 : 1 : 3・4 : 5 3 : 1 : 2 : 4 : 5 4 : 1 : 2 : 3 : 5 3.3 5 : 1 : 2 : 3 : 4 PROB お1 C関数 例数がアンバランスなときのダネットの方法および HT近似法の実質有意水準の算出方法として、 PROBMC関数を用いる。 PROBMC関数は多重比較法における様々な分布から確率、分位点を計算 することが可能である。以下に本研究で作成した SASマクロおよび出力の一例を示した。 <SASプログラム〉 本一一ーー一一ー一ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一 事 例数がアンバランスなときの実質有意水準の算出 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 中 ー , 本・ 町 本; , 中本本市事事事事事事事事事事事事事事中事事事事事事事事事事事事事事事事事事事事事中事事事事事中事事事事事事事事事事事・ 本 本 ; PROBMCマ ク ロ 374‑

369.

* 号│値 * ; * name データセット名 * ; * df 誤差自由度 *; * dunnett * alpha 名義有意水準 . ダネットの片側,両i P ) J 検定の選択 *; *; * r1 対照群と用量群(用量群 1 )の例数比 * ; * r2 対照群と用量群(用量群 2 )の例数比 * ; * r3 対照群と用量群(用量群 3 )の伊J 数比 * ; * r4 対照、群と用量群(用量群 4 )の伊j 数比 *; ***********************************************************; *一一一 PROBMCマクロー * ; i . macro probmc(n日 e, df, dunnett, alpha, r1, r2, r3, r4); *例数が等しいときの正確な棄却限界値の算出町 data data(drop=pr1 pr2 pr3 pr4); a=4; *用量群の群数の指定*; df=&:df.; *誤差自由度の指定*; test=&:dunnett.; *分布の指定*; s=1‑&:alpha.; *1‑有意水準の指定*; pr1=sqrt(1/2); *対照群と用量群の例数比の指定*; pr2=sqrt(1/2); pr3=sqrt(1/2); pr4=sqrt(1/2); * 仔. I J数が等しいときの棄却限界値の算出*; q=probmc(test, ., s, df, a, of pr1‑pr4); run; *設定したアンバランスデータに対して実質有意水準,正確な棄却限界値の算出町 data &:name.(keep=a df test r1 r2 r3 r4 rq ep); set data; r1=sqrt(&:r1.); r2=sqrt(&:r2.); r3=sqrt(&:r3.); r4=sqrt(&:r4.); *PROBMC関数を用いて正確な棄却限界値と実質有意水準を算出*; rq=probmc(test, . , s, df, a, of r1‑r4); ep=1‑probmc(test, q, . , df, a, of r1‑r4); label ep= ,実質有意水準'; label rq= ,正確な棄却限界値 3 ; run; *得られた結果の書き出し*; proc print data=&:name.; run; 1 血e ndprobmc; 〈対照群と用量群の例数の比が 1:2:3:4:5のときの SASプログラム〉 %probmc(data1, . , 'dunnett2', 0.05, 2/3, 3/4, 4/5, 5/6); 〈出力結果〉 OBS a df 1 4 test r1 r2 r3 r4 rq ep DUNNETT2 0.81650 0.86603 0.89443 0.91287 2.34463 0.039148 tE 円 Fhu ηべU

370.

4 数値計算結果と考察 4 . 1 ダネットの方法について .1 対照群の例数が用量群の例数より小さい場合 4 .1 3 . 2 . 1で設定した例数がアンバランスな場合にダネットの方法を適用する。アンバランスな群の数 ごとの実質有意水準を表 lに示した。この表をもとに縦軸に実質有意水準、横軸にアンバランスな群 の数を取り、図 lを作成した。アンバランスな群の数が多くなると実質有意水準が名義有意水準より 小さくなってしまい、保守的になってしまう(有意になりにくくなる)。また、アンバランスな群の例 以上実質有意水準が低下する場合がある。群数が 数の比が大きくなると、より保守的になった。 1% 5群以外でも同様の結果が得られた。 :対照群の例数が用量群の例数より小さい場合のダネットの方法の実質有意水準 表 1 各群の 例数の比:m=2 伊j 数の比:m=4 例数の比:m=3 例数の 正確な 実質 正確な 実質 正確な パターン 棄却限界値 有意水準 棄却限界値 有意水準 棄却限界値 有意水準 1 : 1 : 1 : 1 : 1 2. 44 18 . 0 5 0 0 2. 44 18 . 0 5 0 0 2. 4418 . 0 5 0 0 l : l : l : l : m 43 16 2. 0487 2. 42 59 . 0 4 8 0 2. 42 23 . 0 4 7 6 l : l : l : m : m 41 9 6 2. 0472 40 55 2. . 0 4 5 6 2 . 3 9 5 6 ー l:l:m:m:m 2. 40 6 1 . 0 4 5 6 2 . 3 8 1 0 . 0 4 2 8 2 . 3 6 2 5 . 0 4 0 9 l:m:m:m:m 2 . 3 9 0 9 . 0 4 3 9 2 . 3 5 2 3 . 0 3 9 9 2 . 3 2 2 4 . 0 3 7 1 実質 0444 0 . 0 5 0 襲。附 伽 ] 持 部。問 0.035 。 2 3 4 アンバランスな群の数 例数の比: ・ ー2 e‑骨骨 3 <HH> 4 図 1 :対照群の例数が用量群の例数より小さい場合のダネットの方法の実質有意水準 ρhu n4U ︐i η

371.

4 .1 .2 対照群の例数が用量群より大きい時のアンバランスデータ 3 . 2 . 2で設定したアンバランスデータにダネットの方法を適用する。アンバランスな群の数ごとの 実質有意水準を表 2に示した。この表をもとに縦軸に実質有意水準、横軸にアンバランスな群の数を 取り、図 2を作成した。実質有意水準が名義有意水準を越えてしまっている。実質有意水準が名義有 意水準を越えているので対照群の例数が大きくなる場合には、ダネットの方法は厳密な多重比較法の 前提条件を満たさない。多重比較法の前提とは、全体としての第 1種の過誤の確率(正しい帰無仮説 のうち少なくとも一つを誤って有意といってしまう確率)を設定した有意水準以下に抑えることであ る。また、バランスデータに近づくほど、実質有意水準は名義有意水準に近づくことが確認できた。 群数が 5群以外でも同様の結果が得られた。 : 対照群の例数が用量群の例数より大きい場合のダネットの方法の実質有意水準 表 2 各群の 例数の比 m 2 例数の 正確な 実質 正確な 実質 正確な 実質 パターン 棄却限界値 有意水準 棄却限界値 有意水準 棄却限界値 有意水準 1 :1 :1 : 1・1 2. 44 18 . 0 5 0 0 2. 4 418 . 0 5 0 0 2. 44 18 . 0 5 0 0 m : 1 : 1 : 1 : 1 2. 47 1 0 . 0 5 4 1 48 0 1 2. . 0 5 5 4 2. 48 4 1 . 0 5 6 1 二 伊j 数の比 m=3 例数の比 mニ 4 m : 1 : 1 : 1 : m 2. 46 54 . 0 5 3 2 47 4 1 2. . 0 5 4 5 47 8 5 2. ー m:1:1:m:m 45 86 2. . 0 5 2 3 2. 46 5 6 . 0 5 3 3 46 94 2. ー m:1:m:m:m 2. 45 08 . 0 5 1 2 45 4 8 2. . 0 5 1 8 2. 45 7 1 . 0 5 2 1 0552 0538 I 0 . 0 6 0 要0.055 H 両 陣 部0.050 0 . 0 4 5 。 2 3 4 アンバランスな群の数 例数の比: ・ ー2 e‑巷骨 3 ~4 図2 :対照群の例数が用量群の例数より小さい場合のダネットの方法の実質有意水準 ‑377‑

372.

4 .1 .3 極端なアンバランスデータ 極端なアンバランスデータにダネットの方法を適用した結果を表 3に示した。実質有意水準が名義 有意水準と大きくずれてしまう。このため、極端にアンバランスなデータに対し、ダネットの方法を 用いることは望ましくない。 4 . 2 HT近 似 法 に つ い て 極端なアンバランスデータに HT近似法を適用した結果を表 4に示した。全て名義有意水準以下に 実質有意水準を抑えることができ、実質有意水準は名義有意水準に非常に近い値となった。このよう に 、 HT近似法は非常に性能の良い方法である。 表 4 :HT近似法の実質有意水準 表 3 : ダネットの方法の実質有意水準 各群の例数の 正確な 実質 各群の例数の HT近似法の 実質 パターン 棄却限界値 有意水準 パターン 棄却限界値 有意水準 1 : 1 : 1 : 1 : 1 2. 44 1 8 . 0 5 0 0 1 : 1 : 1 : 1 : 1 44 1 8 2. . 0 5 0 0 1 : 2 : 3 : 4 : 5 2 . 3 4 4 6 . 0 3 9 2 1 : 2 : 3 : 4 : 5 2 . 3 4 6 4 0 4 9 8 2 : 1 : 3 : 4 : 5 2. 42 0 4 . 0 4 7 3 2 : 1 : 3 : 4 : 5 2. 42 5 4 . 0 4 9 2 3 : 1 : 2 : 4 : 5 45 0 2 2. . 0 5 1 1 3・1 : 2 : 4 : 5 2. 45 3 4 . 0 4 9 5 4 : 1 : 2 : 3 : 5 46 5 0 2. . 0 5 3 2 4 : 1 : 2 : 3 : 5 2. 46 6 9 . 0 4 9 7 5 : 1 : 2 : 3 : 4 2. 47 3 3 . 0 5 4 4 5 : 1 : 2 : 3 : 4 47 4 4 2. . 0 4 9 8 4 . 3 実質有意水準と名義有意水準に関する考察 実質有意水準と名義有意水準との関係は、検定統計量聞の相聞の大きさが密接に関連している。実 際のアンバランスデータの相関係数が近似法で利用した相関係数の要約値より大きい時は、保守的に なり、逆に小さい時は実質有意水準が名義有意水準より大きくなる傾向にあった。また、自由度につ いては大きいほど実質有意水準が名義有意水準に近づくことが確認できた。 5 多重比較法の使用指針 実務上、例数がアンバランスなときにダネットの方法を代用していることが多い。そこで、例数が アンバランスなときのダネットの方法の使用指針を考える。ダネットの方法は対照群の例数が用量群 の例数より大きい場合に実質有意水準が名義有意水準を越える。実質有意水準が名義有意水準を越え ている場合は、多重比較法としての前提が満たされない。 対照群の例数が用量群の例数より小さい場合は実質有意水準は名義有意水準より小さく保守的にな る。そのため、対照群の例数が用量群の例数より小さい場合に関してはダネットの方法を用いること が可能である。しかし、アンバランスな群の数が多くなったり、アンバランスな群の例数の比が大き OD 円︐ t qd

373.

くなると、保守性が強くなる。そのため、保守性の程度として実質有意水準が 0 . 0 4 5以下になる場合 はダネットの方法の性能は悪いとし、使用は避けるべきと考えた。前章の結果から、アンバランスな . 0 4 5を越えていた。しかし、 3倍以上異な 群の例数の比が 2倍程度のデータならば実質有意水準が 0 . 0 4 5よりノl 、さくなる場合があった。 ると実質有意水準が 0 カ例数がアンバランスなときの対照群との比較の多重比較法の使用指針 名義有意水準を 0 . 0 5としたとき、実質有意水準が 0 . 0 4 5までを保守性の性能の許容範囲とすると、 次の二つの条件を満たすとき、ダネットの方法の性能は良い ・対照群の例数が用量群の例数より小さいとき ・アンバランスな群の例数の比が 2倍程度までのとき これ以外の例数がアンバランスな場合に対しては HT近似法、または確率分布を正確に計算する必 要がある。 6 まとめ PROBMC関数を用いて、例数がアンバランスのときのダネットの方法の性能評価を行い、実務上 の多重比較法の使用指針を立てた。対照群の例数が用量群の例数より大きいとき、実質有意水準は名 義名義有意水準より大きくなるため、検定として適切ではなく、また、短端に例数がアンバランスな ときにダネットの方法を使用すると、実質有意水準が名義有意水準より大きくなったり、小さくなっ たりすることがわかった。また、アンバランスなときの HT近似法の性能評価を行った。その結果、 HT近似法は非常に性能の良い方法であった。 参考文献 山永田靖 吉田道弘著 ( 2 0 0 4 ) : ["統計的多重比較法の基礎 J ,サイエンテイス卜社 [ 2 ] Hochberg, Y.a 吋 Ta 吋 削 除A . C ( 1 9 8 7 ) : M u l t i p l eComparisonProcedure, JohnWiley&S o n s . [ 3 ] Dunnett, C . W . ( 1 9 5 5 ) : "A m u l t i p l ecomparisonp r o c e d u r ef o rcomparings e v e r a lt r e a t m e n t sw i t h ' ヲ , Jo u r n a lo ft h eAmericanS t a t i s t i c a lA s s o c i a t i o n 5 0pp1096‑1121 ac o n t r ol [ 4 ] 広津千尋 ( 1 9 9 2 ) : ["実験データの解析 J ,共立出版 円ud 内 ペU ヮ ︐ ﹄

374.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 民1IXEDプロシジャを用いたメタ回帰 0長 谷 川 千 尋 渡部恵 浜田知久馬 東京理科大学大学院工学研究科 Meta‑r巴g r巴s s i o nu s i n gMIXEDp r o c e d u r e C h i h i r oHas巴gawa K e iWatabe Chikuma Hamada i n g,TokyoU n i v e r s i t yo fS c i e n c e GraduateS c h o o lo fE n g i n巴巴 r 要旨 メタ・アナリシスにおいて研究聞の効果のバラツキ(研究開変動)が存在 した場合,統合効果の解釈は困難であり,そのバラツキの要因を明らかにす ることが重要となってくる.研究開変動の要因を評価する 1つの手法として メタ回帰があるが,これは SASの MIXEDプロシジャを利用して行うことも 5の できる.本稿では「大腸がん手術後の補助化学療法」の成績を評価した 1 研究を対象とするメタ・アナリシスを事例とし, SASの MIXEDプロシジャ を用いて,変量効果モデ、ルによるメタ・アナリシスおよびメタ回帰を行う方 法を示す. キーワード: メタ・アナ 1 )シス,研究開変動.メタ回帰, MIXEDプロシジャ 1 はじめに 近年,医療現場では EBM (EvidenceBasedMedicine:根拠に基づいた医療)が定着し,その"根 拠"としてメタ・アナリシスの結果が最も重要視されている.メタ・アナリシスとは,あらかじめ規 定した選択基準を満たした複数の研究を網羅的,系統的に収集し,研究の結果を要約・統合する統計 的方法論である.メタ・アナリシスにおいて研究開の効果のバラツキ(研究開変動)が存在した場合, 統合効果の解釈は困難であり,そのバラツキの原因を明らかにすることが重要となってくる.このこ とは薬剤の適正使用等と関連しており,臨床的な意義が大きい.たとえば,抗がん剤の種類と投与期 間の組み合わせが研究開変動の原因であった場合, J Aは,投与期間を長くすると効果が高い ・抗がん弗I ・抗がん剤 Bは,投与期間を短くすると効果が高い イ pi n x u ηd

375.

というように,要因を特定することにより,抗がん剤の適正使用に関する指針をたてることが可能と なるかもしれない.そこで本稿では「大腸がん手術後の補助化学療法」の成績を評価した 1 5の研究 を対象とするメタ・アナリシスを事例とし, SASの MIXEDプロシジャを用いて,変量効果モデ、ルに よるメタ・アナリシスおよびメタ回帰を行う方法を示す. 2 メタ・アナリシス 各研究で推定した効果(ハザード比やオッズ比)の推定値 l こ関して適当な変換を行うことにより漸 近的正規近似ができる状況を考える.この仮定は最尤法による推測を行う基礎となる. メタ・アナリシスでは, ( 1 )式を用いて各研究を統合した効果の推定値 Oを推定する.この ( 1 )式 は各研究の効果乱の重み付き平均の形になっており,重み叫の与え方が固定効果モデ.ル,変量効果 モデルという 2つのモデ、ルによって異なる. ) ‑ E ( ム ‑ 塁A 6一 竺 I :f = l叫 固定効果モデルとは,研究開でのバラツキは偶然変動のみであり,研究開変動は存在しないと考え るモデ、ルで、ある.よって重み町を各研究の誤差分散 Vi の逆数,すなわち 1 jv i とする.対して変量 効果モデ、ルとは,研究聞には無視できないバラツキ(研究開変動)が存在すると考えるモテ守ルで、ある. j ( v i+T2)とし,研究開変動を考慮する. よって重み叫を 1 i 研究 (l~K) 。:統合効果の推定値 仇:各研究の効果の推定値 句:各研究の誤差分散 2 T :研究開の効果の分散 3 メタ回帰 メタ・アナリシスにおいて研究開変動が存在した場合,それを考慮するモデルとして上述した変量 2 )式である.。は各研究に共通と考える真の効果を表す.変量 効果モデルがある.仮定するモデ、ルは ( 効果モデルを仮定したメタ・アナリシスでは,研究開変動の大きさを REML法や D e r S i m o n i a n ‑R a i r d 法によって評価可能だが,その要因について直接評価することはできない. dz N(O, ut+72) ( 2 ) そこで,研究開変動の原因を評価する手法としてメタ回帰がある.これは研究開変動の要因を回帰 分析によって評価する統計的手法のことである.メタ回帰では目的変数を各研究から計算した効果, 説明変数を要因として考えられる候補(以下,要因候補)とした以下の回帰モデ ルを考える. n x u nノu η3

376.

。 + ( 3 ) bi~N(O , T2) ( 4 ) z=Z7β b i 。 i : 各研究の真の効果 x1 ) Xi: 計画ベクトル ( p β :()を要素に含む固定効果ベクトル ( px1 ) b i: 各研究の変量効果 ( 3 )式において切片はん,説明変数に対する回帰係数は β である.またこの式は混合効果モテツレと 見ることができる.混合効果モテ、ルとは,固定効果(変動を伴わなし、(定数)効果)と変量効果(変動を 伴う(確率変数)効果)が混在したモテツレである. ( 3 ),( 4 )式より ( } iの周辺分布を考え,その分布が与 えられたもとでの ( } iの周辺分布を考えると ( 5 )式のようになる. êi~N(xrβ , υz 十 T 2 ) ( 5 ) 変量効果モデ、ルを仮定したメタ・アナリシス ( ( 2 )式)では未知あるいは既知の要因に起因する研究 開変動を全て T2に含有させる.これに対してメタ回帰では,計画ベクトルによって研究開変動の要 因をモデル化し,説明しきれない残りの変動の大きさを T2で表す.ここで,要因候補が複数考えら れる場合,説明変数として同時にモデル化することは困難である.したがって,この場合逐次的にモ テールに含めるべき変数として追加していく必要がある.最終的に,変量効果モデ、ルを仮定したメタ・ アナリシスと比べて研究開変動がどのくらい減少するかという点に着目し,最も研究開変動が減少し 5 )式の平均部分にモデル化した要因候補が研究開変動の要因で、あると評価できる. た場合に ( 4 MIXEDプロシジャの適用 SASでは固定効果モデルによるメタ・アナリシスを PHREGプロシジャで,研究を STRATA文で指定 することで実行可能だが,この方法で、は患者一人一人のデータが必要である.したがって MAP(meta‑ a n a l y s i so fi n d i v i d u a lp a t i e n td a t a )のみの実行が可能で、あり,研究単位のデータをベースとした MAL(meta‑analysiso ft h el i t e r a t u r e )を行うことはできない.そこで, : ¥ 1IXEDプロシジャを用いて 変量効果モデルを仮定した MALを行う方法,および上述したメタ回帰によって研究開変動の要因を 評価する方法を紹介する.なお,各研究の効果の推定値とその分散がデータセットとして与えられた 状況を考える. n4U n4U OD

377.

4.1 MIXEDプ ロ シ ジ ャ を 用 い た メ タ ・ ア ナ リ シ ス 4 .1 .1 プログラム MIXEDプロシジャによって一般線形混合モデル (generall i n e a rmixedmodel)を用いた解析が可 能となるが,それを応用させることによってメタ・アナリシスを行うことができる.各研究の変量効 ,つまり研究開変動が存在しないと考えれば固定効果モデルと考えることができ,固定効果 果b iが 0 が各研究に共通な真値 Oのみだと考えれば変量効果モデルと考えることができる.そのとき固定効果 パラメータを推定することによって統合効果を求めることができ,変量効果パラメータの分散を推定 することによって研究開変動の大きさを求めることができる.ここでは変量効果モデルを仮定したメ タ・アナリシスを行う方法を示す. 表 1 :MIXEDプロシジャー変量効果モデ ルを仮定したメタ・アナリシスー *input1=入力データセット 1 ; i . macrometahen; =m1 data=&input1; proc mixed method c1ass study; 1 * 'study'を分類変数として指定 * 1 mode1 parms=1 s c1 ; random int/subject=study s ; repeated Igroup=study; parms (0.01 to 2.00 by 0.01)(0.01909)(0.01094) (0.19206)(0.10648)(0.01854)(0.01529) (0.01637)(0.01103)(0.00887)(0.11142) (0.08537)(0.01260)(0.01402)(0.01413)(0.05018) Ieqcons=2 to 1 6 ; ods output CovParms=parmsm11; run; i . mend metahen; %let input1=estby1; i . metahen ***材料*入力データセット 1 材料材料*件*材料材料材料* study: 研 究 parms: 各研究の効果の推定値 *キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキホホホホキキキ*キキホ********キ*ホ**キホキホ*** ‑384‑

378.

ここで,メタ・アナリシスを行う際の各ステートメン卜の指定方法に関して簡単に説明する. [randomステートメン卜 l .s u b j e c tオプション ' = s t u d y 'と指定することによって研究が変量効果であることを指定している. .sオプション 固定効果ノ fラメータの推定値を出力する.メタ・アナリシスの場合統合効果の推定値 Oを求めるこ とができる. [ r e p e a t e dステートメン卜 1 • groupオプション 各研究で誤差分散が異なることを指定する. [ p a r m sステートメン卜] ( 0 . 0 1t o2 . 0 0by0 . 0 1 ) ' 研究開変動の大きさ T2 と各研究の誤差分散問の初期値を指定する.表 1の ' では研究問変動の大きさの初期値を 0 . 0 1から 2 . 0 0まで 0 . 0 1きざみであらかじめ指定している.以降 5研究の効果の分散の推定値である. は1 .e q c o n sオプション 実際に指定した値のどの範囲まで固定させるかを指定する必要がある.プログラム例で指定してい る1 6個の'(),のうち最初の'()ヲ以外は各研究の誤差分散なので,それらを e q c o n s (e q u a lc o n s t r a i n t )と して初期値で固定させている. [ o d sステートメン卜] CovParmsと指定することによって,反復計算により求まる研究開変動の大きさの推定値と各研究 の誤差分散をデータセットに落とすことができる. MIXEDプロシジャを用いてメタ回帰を行う場合 にも, parmsステートメン卜において研究開変動の大きさ T2 と各研究の誤差分散 Viの初期値を指定 する必要があるが,その際にこの o d sステートメン卜で落としたデータセットを用いることもできる. 4 .1 .2 実行例 e s t b y 1 )を用いて実際に変量効果モデルを仮定したメタ・アナ 次ページの表 2に示すデータセット ( リシスを行った結果を示す.事前に固定効果モテ守ルを仮定してメタ・アナリシスを行った そのメタ・ . 0 0 4と アナリシスにおいて均一性(研究開で効果が均一であるか)の検定を行ったところ, P値が 0 有意となり,研究開で効果が均一でない,つまり研究開変動が存在することが示唆される結果となっ た研究数( s t u d y )は 1 5,解析対象は 1 0 5 0 8例で,効果指標は対照群に対する薬剤群の対数ノ¥ザード 比とした. ‑385

379.

表 2 : データセット [ e s t b y l ] (一部) study parms A ‑0.03170333 B 0.03073228 C ‑0.90903385 D ‑0.20787078 表 3 :統合効果の推定(アウトプットの一部) Solution for Fixed Effects Effect Estimate Standard Error Pr > I t l Alpha Intercept ‑0.2065 0.05595 0.0024 0.05 Lower ー 0.3265 ‑0.08647 表 4 :研究開変動の大きさの推定(アウトプットの一部) Covariance Parameter Estimates Cov Parm Subject Intercept Residual Residual Residual study Group Estユmate study A study B study C 0.01779 0.01909 0.01094 0.1921 3 8 6 ‑ Upper

380.

表 3 より,統合対数ハザード比(統合効果の推定値)はー 0.207 ,その 95% 信頼区間はー 0.327~ー 0.086 となったことがわかる. 95% 信頼区間については,固定効果モデ、ルを仮定した場合ー 0.262~ ー 0.111 で あったため,変量効果モデ、ルを仮定した場合の方が若干広くなっていることがわかる.これは研究開 2 変動の大きさ T を考慮しているからである.統合効果の有意性を調べる検定では P値が 0 . 0 0 2と有 意となり,研究開変動を考慮しても抗がん剤の有意な効果が示唆された.しかし研究開変動が存在し tudyヲの誤差分散は研究開変 ていることに変わりはなく,その原因を追究する必要がある.表 4の s 動の大きさ T2を示し T2が 0 . 0 1 8と推定されたことがわかる. 4.2 おlI X E Dプロシジャを用いたメタ回帰 4 . 2 . 1 プログラム : v r rXEDプロシジャ 表 5 : メタ回帰一 *input2=入 力 デ ー タ セ ッ ト 2 ; %macro reg; proc mixed method=ml data=&input2; class study &factor; model parms=&factor/ ddf=1000 s noint random int/subject=study s ; repeated /group=study; parms (0.018)(0.01909)(0.01094) (0.19206)(0.10648)(0.01854)(0.01529) (0.01637)(0.01103)(0.00887)(0.11142) (0.08537)(0.01260)(0.01402)(0.01413)(0.05018) / eqcons=2 to 1 6 ; ods output SolutionF=parmsm12; run; %mend reg; %let factor=FACTOR; %reg %mend reg; %let input2=estby2; %reg ******料入力データセット 2 *材料**料**************材 FACTOR: 研 究 開 変 動 の 要 因 と 考 え ら れ る 候 補 *********本************************************本***** ワ i qJ oD

381.

メタ回帰を行う際の各ステートメントの指定方法について説明する. [ c l 出 5 ステートメント l [ m o d e lステートメント l 固定効果としてモデル化する要因候補を 1っか 2つ c l a s sステートメントと modelステートメント の等号の右側で指定する.ただし,連続変数を固定効果としてモデル化する場合は c l a s sステートメ dfオプションで自由度を高くすれば t分布が正規分布に近づき, ントで指定する必要はない.また d 正規近似によって要因候補内の水準聞の効果の均一性の検定結果を示すことが可能となる プションは要因候補内水準ごとの効果の推定値やその分散, n o i n tオ P値などを絶対的な値として計算するこ とを可能とする. n o i n tオプションを指定しないと,ある水準を基準とした相対的な値として計算さ れてしまうので注意が必要である. [ p a r m sステートメント l 最初の'()、には変量効果モデルを仮定したメタ・アナリシスにおいて求めた,研究開変動の大きさ の推定値を初期値として指定している.反復計算によって,任意の要因候補を固定効果としてモデル .1.1の odsステートメントのとこ 化した時の研究開変動の大きさを評価することができる.なお, 4 ろで述べたように,データセットを用いて初期値を指定することもできる. 4 . 2 . 2 実行例 ここでは,変量効果モデ、ルを仮定したメタ・アナリシスを行う際に用いたデータセット e s t b y 1に , s t b y 2 研究開変動の要因として考えられる候補 (FACTOR)に関するデータも加えたデータセット e を用いる.要因候補は以下の 9変数である.なお,研究に用いた患者数のみ連続変数として解析を 行った. •m e d i c i n e :抗がん剤の種類 (A,B, C) .h e i y o u :併用化学療法 (MitomycinC,MitomycinC+5‑FU,なし) .method: ランダム化の方法(封筒法,中央登録方式) ・r e c r u i t : リクノレート期間(単位:ヶ月) •t o u r o k u : 患者登録の年 ( 1 9 8 4 ‑ 2 0 0 0 ) .s t a g e : 対象ステージ (ABC,BC, C) .p e r i o d : 投与期間 ( 6ヶ月, 1 2ヶ月, 24ヶ月) .c a n c e r : がんの部位(結腸,直腸) .number:研究に用いた患者数(単位:人) ‑388

382.

結果 上述した 9つの要因候補 (FACTOR)のうち「がんの部位 (cancer) J を固定効果としてモデ、ル化し たときの研究開変動の大きさの推定結果を表 6として,要因候補内水準ごとの効果の推定結果を表 7 として次ページに示す.表 6より I がんの部位」を固定効果としてモテずル化することによって,研究 . 0 1 8から 0 . 0 0 9まで減少したことがわかる.表 7からは,直腸がんのとき 開変動の大きさが表 4の 0 効果が強し、結果になったことがわかる.研究開変動が半減したことより研究開変動をかなり説明して いると言えるが,理論上まだ残りの半分が説明できていない.その他 8つの要因候補についてもそれ ぞれ固定効果としてモデ、ル化を行ったが研究開変動を完全に説明することはできなかった. 表 6 : メタ回帰における研究開変動の大きさの推定(アウトプットの一部) Covariance Parameter Estimates Cov Parm Subject Intercept Res工dual Residual Residual study Group Estimate study A study B study C 0.008943 0.01909 0.01094 0.1921 表 7 :要因候補内水準ごとの効果の推定(アウトプット) Standard Effect ganbui Estimate Error DF t Value Pr > I t l cancer 結腸 直腸 一0.1034 0.06792 0.1281 0.06027 1000 1000 ‑1.52 ‑0.2683 ‑4.45 <.0001 cancer nU υ n x u 同 ハ ペ

383.

そこで, 2つの要因候補の組み合わせを固定効果としてモデル化することを考えた.日 C 2二 36通り 全てについてそれぞ、れモデ、ル化を行った結果, 4つの組み合わせをそれぞれ固定効果としてモデル化 した際,研究開変動の大きさは 0と推定された.その 4つの組み合わせのうち「抗がん剤の種類とが んの部位の組み合わせ」を固定効果としてモデル化したところ,結腸がんの場合,抗がん斉ljCの効果 が強く,直腸がんの場合,抗がん剤 A および B の効果が強し、傾向が見られた.このことは医療現場 でもある程度知られていることであり,この解析においてはこの組み合わせが研究開変動の要因であ ると結論づけることができる. 5 まとめ 本稿では収集された各研究における効果の推定値とその分散が与えられた状況下で, MIXEDプロ シジャを用いてメタ・アナリシス,およびメタ回帰を行う方法を示した.実に簡単なプログラムで実 行可能だがメタ・アナリシスの宿命上,結果の解釈は慎重に行う必要がある.特にメタ回帰を行う際, 要因候補の組み合わせ数を増やせば多重性によって α エラーが増大し,見かけの説明が可能となって しまうので,その調整法は今後の課題である. 参考文献 [ 1 ]H .C .Houweli時 en,L .R .ArendsandT .S t i j n e n . TUTORIALINBIOSTATISTICSAdvanced methodsi nm e t a ‑ a n a l y s i s‑m u l t i v a r i a t eapproachandm e t a ‑ r e g r e s s i o n‑. STATISTICSIN MEDICINE;21:589~624(2002). [ 2 ]S .G.ThompsonandP .T .H i g g i此 Hows h o u l dm e t a ‑ r e g r e s s i o na n a l y s e sbeunde巾 kenand i n t e r p r e t e d ? STATISTICSINMEDICINE;21:1559~1573(2002). [ 3 ]G .Verbeke,G.Molenberghs編,松山裕,山口拓洋翻訳.医学統計のための線型混合モデ ル SASによるアプローチ .サイエンテイスト社 ( 2 0 0 1 ) . 2 0 0 2 ) . [ 4 ] 丹後俊郎.メタ・アナリシス入門.朝倉書!古 ( 2 0 0 3 ) . [ 5 ] 中西豊支.メタ・アナリシスにおける研究開の均一性の評価.東京理科大学卒業論文 ( [ 6 ] 浜田知久馬. SASによるメタ・アナリシス. SUGI‑J13論文集:241~254(1995). 390‑

384.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 二値時系列データの解析について 緑川修一・矢野雄一・高原佳奈・宮岡悦良 東京理科大学 S t a t i s t i c a lA n a l y s i so fB i n a r yTimeS e r i e sData S h u u i c h iMidorikawa/Y u u i c h iYano/KanaTakahara/EtsuoMiyaoka ScienceU n i v e r s i t yo fTokyo 要旨 B i n a r yTimeS e r i e sd a t a (二値時系列)とは時間と共に変化する O (失敗) と1(成功)の 2値のみを取るデータである。本稿では、二値時系列データ の解析法として、全尤度を修正した部分尤度を用いての推定方法を述べ、 GENMODプロシジャを用いたシミュレーションにより最大部分尤度推定量 (MPLE)の性質を検証する。 キーワード: 二値時系列デー夕、部分尤度、ロジスティック自己回帰モデル はじめに まず、部分尤度の導入について述べる。以後使用するデータについて簡単に説明する。 t :時間 ( t =l, ・ . ., I ¥ I ) Yt :時間 tにおける各時点で、 0とlのみを取る二値時系列の観測値 9 :パラメータベクトノレ D e f i n i t i o n1 全尤度は次のように定義される。 ん( Y I " " ' Y N )=f e( Y J . λ( y 2 " " ' Y NI Y I ) =ルJflfe(YtI Y I , Y t ‑ I ) ヲ れHU ーよ ぺ n υ

385.

y J :時系列 Kの結合確率(密度)関数 んかい…, 更に、全尤度の一部を用いて、れからの条件付き確率(密度)関数から条件付き尤度は I T f a( Y 2 '品川) んか2 ' . . . ' Y NI yJ= で与えられる。 上記の条件付き尤度から部分尤度を次のように定義する。 D e f i n i t i o n 2 , , ; rY, …をある確率空 Ft̲1't =01 ,…を σ一集合体とし、 F oc F 2…,であるとする。更に、 1c F 2 εR Pは固定パラメータとす 間上の確率変数とする。つまり、 Ytは Ft一可測である。ただし、 0 / ‑ ], Z t ̲ 2 ' .ーを過去の説明変数とすると過去 Ft̲1は σ一集合体で次のように表せ る。ここで、 Z る 。 : t: t Ft σ {‑ P ‑2, . . , Zト 1, Z t ‑ 2 ' .・ ) ̲ 1= 過去 Ft̲1が与えられた時の時系列 Rの条件付き確率(密度)関数を Y t : 8 )ニ メ( y t I F t ̲ p 8 ) I=O, . . ,N メ( とすると、部分尤度関数( P a r t i a lL i k e l i h o o d )は次のように定義される。 P L ( 8 :Y l ' Y 2 ' . . . ' Y N )二 日 五( Y t: 8 ) 部分尤度の概念は [ C o x . ; 1 9 7 5 J によって論議され、通常の最尤推定量、検定、大標本性質 が当てはまることを示している。 部分尤度関数を最大にする Oを最大部分尤度推定量(MPLE)と呼び PL伊 :Yl'Y2'...'YN)=叫 {PL(8:Yl'Y2'...'YN):8ε o } で定義される。 円 nd JU n u

386.
[beta]
モデル
0とlのみを取る二値時系列引を考え、 pX1列ベクトル包 ljplJ,
Nを時間ト l

における説明変数とする。 Z
t
̲
1は Ft
It
こ含まれるものとする。
ー
D
e
f
i
n
i
t
i
o
n
3

過去 F
̲
t1を与えられた時の条件付き確率は次のように定義される。

̲
)=弓(
f(
y
t:
P[Ft
r
;=YtI
F
t
̲
J
l
ニ
ヤ )
y
'[
1
‑"
t伊)
j
‑
Y
t

ω

;
r

E[
;
r[Ft
(
p
) , V
a
r
[ [F
(
p
)
[
l
‑"
t(
P
)
J tニ 1,
.
.
.
,N
̲l]二 万t
̲
]二 万t
t
l

"
t伊):パラメータ p(pX1)に依存する成功確率
この条件付き成功確率を推定する回帰問題から一般的な回帰モデルを考える。

D
e
f
i
n
i
t
i
o
n
4

成功確率

"
t伊)は次のように定義される。
"
t(
p
)三
弓(
r
;=1[F
;‑
I
)=r
;(p'Zt̲l)=一一一!

市+exp[‑
P
'
Z
t
̲
1

r; (x)=~τ
l+e

・
∞ <X<∞:標準ロジスティック分布の累積分布関数

この標準ロジスティック分布の累積分布関数の逆変換は二値時系列で一般的に使用される回
帰モデ、ルで、あり一般化線形モデルにおける正準連結関数である。
更に、この正準連結関数の代表的な選択モデ ルとして、次の一般化線形自己回帰移動平均
モデルが挙げられる。このモデルは自己回帰移動平均モデルを一般化線形モデ、ルに拡張し
たモデルで、ある。

ηペU

n
u
d
n
t
u

387.

点伊))=ηr 二 X~y+ か (g(YI - i )- X;̲iY)+土 θ ' / = : I → ここに、 y, θ i '院はパラメータ、 X1は説明変数である。 このモデルは、自己回帰の項+平均移動の項で構成される。 ( a ) {FOの 時 移 動 平 均 モ デ ル (MAモデ ル) =Oの 時 自 己 回 帰 モ デ ル (ARモデ ル) ( b )q として一般的に用いられている。一般化線形モデ.ルの正準連結関数から、二値時系列での自 己回帰モデルは次のように定義される。 D e f i n i t i o n 5 I ( s )) g ( κ ( s ) )=1 0 g i t (( s ) )= =1 0 計1 一 一 一 ト ) 1 ‑ ( s )1 Jr Jr l Jr l このモデルはロジスティック自己回帰モデルと呼ばれ、一般化線形モデルの推定法を適用す ることが出来る。 本稿では、ロジスティック自己回帰モデ、ルを用いてシミュレーションを行う。 推定法 ここでは、一般化線形モデルの推定法を用いるために、二値時系列での部分尤度を考 察する。部分尤度は前の定義と成功確率から次のような形式を取る。 PL 伊)二日[n‑,伊 ) Y [ ト J r伊)十 l J Y[ 1 ‑ , F伊' Z IJ J ‑ Y t Z Iー 二 日 比 伊' ー l 伊)=1 0gP L伊 ) ここで、との ß~こ関する対数部分尤度 l伊)を最大にする p 、つまり P の MPLE を求める。この関 数を微分可能であることを仮定すると、 M PLEsは次の方程式を解くことから得られる。 V 1 0gP L伊 )=0, 。 ただし、 V=( θ 日 づ一一) βlθβF V A斗‑ n︿U nu 川

388.

この方程式の右辺は S N伊)で、定義されスコア方程式と呼ばれる。 S N ( P ) VlogPL(P) 三 N ̲ P ( P ' Z ' ̲ J) ( Y , ‑ , r J(P))' = =L Z , ただし、 D (x)三 f ; ( x ) 1 f==F' F ;(x)(l‑F ;( x ) ) J 二 このスコア方程式を解き MPLE P を求めるが、この方程式は非線形方程式であるため、 N巴wton‑Raphson法を使って解く。 MPLEの漸近的性質 正則条件の下で、 MPLE は全ての十分大きな N で、唯一つでドあり、以下の 3つの性質を持 J コ。 (1)一致推定量であり、以下のように確率収束する。 P--~P→ P ( N→∞) ( 2 ) 漸近的に正規分布に従い、以下のように法則収束する。 J 万 倍 p ) よ →N p ( o , G伊 ) ) ( N→∞) I ( 3 )以下の式は 0に確率収束する。 川 p) 方 G一l 川)~o ( N→∞) N)O, G ‑ J( p) ) : p次元正規分布 この定理は、 MPLEが MLEと同じ漸近的性質を持つ事を示している。この定理からシミュレー ションで、有限の Nでの MPLEの正規性、一致性を検証する。 シミュレーション Fhu ハ 同υ ηべU

389.

l時 系 列 の 項 の み の 推 定 量 の 性 質 の 検 証 シミュレーションでは以下の 3つのロジスティック自己回帰モデルを用いる。 ( 1 )AR1モデル l o g i t ( Jr ) ) = β。+s1Yt‑1 t伊 ( 2 ) AR2モデル l o g i t ( Jr ) = β。 + 月 Yt‑1+β 2 Y2 伊) t ト ( 3 ) AR3モデル l o g i t ( Jr ) ) = β。 + 月 Ytー1+s2Yt‑2+β ぷ3 t伊 このモデルに対して、 s O, s l, s 2, s 3の推定を行った結果を T a b l e 1 . . . . . . . . T a b l e 1 2にまとめる。こ P )は 0 . 1, 0 . 5, 0 . 8となるように sO, s l, s2, s 3を こで、標本の大きさ(川は 20,200とし、成功確率( 設定した(真のパラメータ)。 反復は 5000とし推定量は 5000回のシミュレーションにおける平均値を各々の推定量とした。 T a b l e 1( 炉20での真の値と推定量の比較 1 ) モデル 成 功 確 率 AR1 AR1 AR1 AR2 AR2 AR2 AR3 AR3 AR3 1 0ニ0 . 1 1 0 = 0 . 5 1 0 = 0 . 8 1 0 = 0 . 1 1 0 = 0 . 5 I p = 0 . 8 I p = O . l I p = 0 . 5 p = 0 . 8 A A β l β I 2 . 2 4 9 7 1 ‑0.21972 ‑17.2466 ‑ 1 .99775 ‑ ‑ 0 . 1 ‑ . 7 7 2 1 7 1 .12455 0 . 1 0 . 1636 11 1 .247665 1 2 . 5 9 0 1 8 0.138629 ‑ 2.06782 ‑0.21972 ‑ 1 4 . 8 5 2 1 ‑ 1 . 75778 ‑ ‑ 0 . 1 ‑1.05252 0 . 2 2.286378 1 . 1 0 9 0 3 5 2 3 . 8 3 1 2 1 0.138629 ‑10.1465 2.60142 ‑0.21972 ‑14.3784 ‑ 1 .53806 ‑ ‑ 0 . 1 ‑ . 9 7 4 7 9 5 1 .4934 0 . 1 2 0.970406 34.29606 0.138629 ‑10.0438 炉20での真の値と推定量の比較 2 ) T a b l e 2( モデル 成功確率 AR2 AR2 AR2 AR3 AR3 AR3 p = 0 . 1 p = 0 . 5 0 = 0 . 8 p = 0 . 1 ロ= 0 . 5 二0 . 8 p s 2 β2 s 3 s 3 ‑ 0 . 2 1 9 7 2 1 5. 48 6 5 ‑ 0 . 1 ‑ 2 . 1 6 6 5 8 2 . 3 6 4 1 0 . 1 3 8 6 2 9 一1 ‑ 0 . 2 1 9 7 2 一1 1 . 8 2 8 6 0 . 2 1 9 7 2 一1 4. 47 8 9‑ ‑ 0 . 1 ‑ 2 . 2 5 2 0 5 0 . 8 3 3 6 5 0 . 1 ‑ 1 2 . 0 2 7 90 0 . 1 3 8 6 2 9‑ . 1 3 8 6 2 9 1 1 . 0 2 8 4 3 9 6

390.

T a b l e 3( 併200での真の値と推定量の比較 1 ) モデル 成功確率 AR1 AR1 AR1 AR2 AR2 AR2 AR3 AR3 AR3 I pニ0 . 1 I p = 0 . 5 恒 竺0 . 8 I p = 0 . 1 I p = 0 . 5 恒 竺0 . 8 I p = 0 . 1 I p = 0 . 5 I p = 0 . 8 A β。 β 1 β i . 9 8 9 9 7‑ 0 . 2 1 9 7 2‑ 1 . 9 9 7 7 5 一1 2 . 7 9 0 9 6 0 . 1 0 . 1 1 3 0 7 4 ‑ 0 . 1 ‑ 0 . 1 2 7 9 7 ‑ 1 .2 4 7 6 6 一1 . 2 4 9 3 9 一0 . 1 3 8 6 3 一0 . 2 1 3 6 7 1 . 7 6 4 1 4 0 一 1 . 75 7 7 8‑ . 2 1 9 7 2‑ 1 . 2 9 2 7 9 0 . 2 0 . 2 3 2 9 7 ‑ 0 . 1 ‑ 0 . 1 2 5 5 5 1 .2 4 1 4 6‑ 0 . 0 6 9 3 1 ‑ ‑ 1 .2 4 7 6 6一 0 . 1 5 3 8 1 一1 . 5 3 8 0 6 一1 . 5 3 4 3‑ 0 . 2 1 9 7 2‑ 0 . 5 8 9 4 1 0 . 1 0 . 1 5 0 7 6 9 ‑ 0 . 1 一0 . 1 2 3 6 1 ‑ 1 .2 8 2 3 2 一 1 .2 7 2 1 0 . 0 3 4 6 6‑ 0 . 1 2 0 4 4 Table4( 八 た2 00での真の値と推定量の比較 2 ) モデル 成功確率 AR2 AR2 AR2 AR3 AR3 AR3 p = O . l p = 0 . 5 I p = 0 . 8 I p = O . l L P ニ0 . 5 1 0 = 0 . 8 β2 β2 β3 β 3 ‑0.21972 ‑1.22825 ‑ 0 . 1 ‑0.13824 ‑0.06931 ‑0.14636 ‑0.21972 ‑0.63595 0.21972 ‑0.55896 ‑ 0 . 1 ‑0.13969 0 . 1 0.076661 ‑0.03466 ‑0.13041 ‑0.03466 ‑0.1042 また、この結果の ARl モデ、ルにおける推定量のヒストグラムおよび正規確率プロットの一部は 次のようになる。 tt 円 nHU の4U

391.

同αn 官I Q‑a 凶C 寓 ))ll )l @ 。 3a 回 一 ・ ‑ 一 11t i‑‑‑ 剛 ・ ・・・福 al‑‑2 . 2 s ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 田 E ﹂ ‑ ‑ !Iml L ← ,. !l))l) 町 , ・ 11111・ I ! i l・ F i g u r e 2(八位 0, , 0 =0 . 1,β。) F i g u r e 1 (八位 0, , 0 =0 . 1, β。) a阿C寓 同αTT 剖Q‑ 1 /' 1 j // ,~/ I ~./ . / / . : ̲ . ~1! lIjJ l │ι/// : : 1 4 イ/ Ihal! Q I I I II l ・ F i g u r e 4(八位 0, , 0 =0 . 1,βI) F i g u r e 3(八位 0, , 0 =0 . 1, β1) Nαn 割 Q ‑a 凶C 調 躍 。 。 J !1 1U @ 一 一 一 一 一 重画面画面・ーー 孟 111111~ーーー M 1 3 k :::1 , 且 11QIIIIlIr h園川剛町 F i g u r e 6(八位 0, , 0 =0 . 5,β。) F i g u r e 5(八位 0, , 0 =0 . 5,β。) Ncm羽IQ‑a阿'" 1 1 1 1 1 1 ‑ ‑ ‑ 向 。 〆/ 1 1 1 1 1 1 〆/ /'〆/ ,〆〆' 〆 / ~......I I ~ ~~〆 ~ 羽山ll~ /' l l l l l l j G 向宵稲. , I I , ・ ・・ ・ NZ .IQI lII iI 2 1 山 岡 田 F i g u r e 8(八位 0, , 0 =0 . 5,β I) F i g u r e7(八位 0, , 0 =0 瓦 β1) n x u n u d qd

392.

Nam3 1Q‑Q 凶a 骨 盤 . ~ J ll l i J : : la / / 三 / 圃 ・ ‑ ill :1 F i g u r e12(位2 00, p =0 . 1, β1) F i g u r e1 1 (位2 00, p =0 . 1, β ' 1) III l I l i l l l 1, J 1 I l 1 l 11 JU1 I 1' tH . : . : 1 1 1 1 1 至 l 1 1 1 1 1 ω‑1'111 1 1 1 1 1 1 ; 1 1 1 1r Jn zi‑ ‑‑il 1i 1 l ] 1: ......11 1 1 1 1 1 日 " 一 KH.ll Qllllllr . . . . . . . . . . . Egg‑ 川 川 !IL ;l 11 3132 剛 zi ‑e ︐ . ・・・園田園・・・ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E ・ ・ ・ ・ ・ 圃 ・ ・ ・ : ‑ 圃 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 圃 ︐ E E ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 圃 ・ ︐ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E ・ ・‑ ・・圃・ E‑‑ 圃 ‑ 園 一 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 圃 ・ I 2 Etit ‑‑11 Figure14(位2 0 0, p =0 ゑ β。) F i g u r e13(位2 00, p =0 . 5, β。) " ー 逼 11 31 . . . .‑a Ea‑‑ gaz‑z ......;1 ・ ・ ・ EE 。 。 / ・ ・ ‑ ・・・・・・圃 ・ ・ ・・圃・・・・・・・・圃 ・ ・ ・ ‑ ‑ ‑ i I EE E‑ ・ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 圃 . ︐ ・ E E ‑ ‑ ‑ 圃 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ E ・ E‑;i 田 ・ E・ ‑‑‑E ・ ・ ・ ・ 圃 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ E ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E ・ ・ 圃‑‑‑‑‑‑・・・・ ‑‑‑‑E ‑‑‑E・・・‑‑ ‑ ‑ ‑ 圃 ‑ ・・ ・ ・ ・・ g‑S23 E 32331 11 ‑11 iI . . . . . . . . . . . . . . . 2'3ss 圃 圃 E e a : ‑ZE‑‑ E‑‑‑11 溜・ G I l け " 1 1 ・ ・ . " ・ ・ , 山 問 帽 ー い F i g u r e1 6(位2 00, p =0 . 5, β1) F i g u r e 1 5(位2 00, p =0 . 5, s1) ー ケ I I I I I D ; : ・ ・ 圃 ・ ; :i‑ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 圃 ・ ー 圃 ・ ••• 11 l 1 l1 o 1! l 1 l ' L . • •• F i g u r e 1 0(俳2 00, p =0 . 1, β。) F i g u r e 9(位2 00, p =0 . 1, β。) ノ / / ・ ・ "川牛 oo~ RE J1Qlutlll ol ll ) N a r r 習 IQ‑Q 凶d /〆 ! l 11 ! ) I luallQUllllr Nam31Q‑Q 凶d Nam3 1Q‑Q 凶0 1 1 1 1 1 RE n u υ n u υ ηd

393.

検証結果として、標本の大きさ(八与が小さく、成功確率が低いと解析不能な場合が多い、この原 , 3つのクラスターになってしまうことが挙げられる 固として、データが全て 0 になってしまい、 2 F O . 5で (パターンが限られる)。更に、 Nを大きくするとモデル聞に差はあるものの、成功確率 J 正規性、一致性が確認できた。併 200 に関しては、成功確率が低くても正規性、一致性を確 認することができた。この検証により、正規性、一致性が成立するには、標本の大きさと成功確 率が相互に影響する事が考えられる。 Reference .R .P a r t i a lL ik e l i h o o d .B i o m e t r i k a ,6 2 ;69‑76,1 9 7 5 . Cox,D D .M .K e e n a n .At i m es e r i e sa n a l y s i so fb i n a r yd a t a .Joumalo fAmericanS t a t i s t i c a lA s s o c i a t i o n , 7 7 ;8 1 6 ‑ 8 2 1,1 9 8 2 . K .F o k i a n o sandB .Kedem.P r e d i c t i o na n dc l a s s i f i c a t i o no fn o n ‑ s t a t i o n a r yc a t e g o r i c a lt i m es e r i e s . 7 ;2 7 7 ‑ 2 9 6,1 9 9 8 . J o u r n a lo fM u l t i v a r i a t eA n a l y s i s,6 B .Kedema n dK .F o k i a n o s .R e g r e s s i o nm o d e l sf o rb i n a r yt i m es e r i e s .I nM .D r o re ta , . le d i t o r s, M o d e l i n gU n c e r t a i n t y :AnE x a m i n a t i o n ofS t o c h a s t i c Theo , y r Methods , andA p p l i c a t i o n s ,p p . 1 8 5 ‑ 1 9 9 .K l u w e r ,B o s t o n,2 0 0 2 . W.K .L i .Times e r i e smodelsbasedo ng e n e r a l i z e dl i n e a rm o d e l s :Somef u r t h e rr e s u l t s .B i o m e t r i c s , 5 0 ;5 0 6 ‑ 5 1 1,1 9 9 4 . N e l d e ra n dW e d d e r b u r n .G e n e r a l i z e dl i n e a rm o d e l s .Joumaloft h eR o y a lS t a t i s t i c a lS o c i e t , yS e r i e s A,1 3 5 ;370‑384,1 97 2 . E .V .S l u d and B . Kedem. P r t i a ll i k e l i h o o da n a l y s i so fl o g i s t i cr e g r e s s i o n and a u t o r e g r e s s i o n . S t a t i s t i c aS i n i c a ,4 ;89‑106,1 9 9 4 . ‑400

394.

ポスターセツソヨン 調査・マーケティング

395.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 J M Pを活用した住民参加型まちづくりのための データ解析と地理情報システムでの連携運用法の提案 0田 中 有 紀 企 ・ 川 向 肇 柿 ・ 有 馬 昌 宏 " 本兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科応用情報科学専攻修士課程 特兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科 Howt oU s eJMPw i t hG I Si nD e v e l o p i n gaNewT y p eT o w n s h i pM a n a g e m e n t Y u k i Tanaka' / Hajime Kawamukai" / Masahiro Arima •• 本 GraduateSchoolo fA p p l i e dI n f o r m a t i c s,U n i v e r s i t yo fHyogo 特 GraduateF a c u l t yo fA p p l i e dI n f o r m a t i c s,U n i v e r s i t yo fHyogo 要旨 近年、地域計画において、住民参加型まちづくりが試みられている。わが国においても、それを 実現するための方策として住民に対するアンケート調査が行われているが、住民参加の実現のため には調査結果を住民にフィード、パックしていくことが重要である。アンケート等で得られた結果を、地 理情報システム (GIS)で地図によって表現すれば、調査結果を視覚的・空間的に提示できるため、 一般の住民でも行政への評価や地域の抱える課題を直感的に理解できる。 本稿では、兵庫県揖保郡新宮町を対象として行った住民意識調査結果の中から、医療施設の地 域的な利用状況の違いについて、 JMPを用いた調査の集計結果と GISの空間データベースとの連 携方法、及び JMPによる簡易 GISの実現可能性について明らかにする。 キーワード: 住民参加型まちづくり、地理情報システム、 JMP、回転プロット、等高線図 1 . はじめに 近年、住民の意見や地域の現状を踏まえた住民参加のまちづくりが、多くの地域で取り組まれて いる。わが国の様々な自治体において、まちづくりへの住民参加の一形態として住民に対するアン ケート調査が行われており、地方分権ならびに市町村合併の流れの中で、この動きはますます広が ってしてものと予想される。しかし重要なのは、単に調査を行うことではなく、調査結果を住民にフィ ード、パックし、住民主体のまちづくりにつなげていくことである。①調査の実施、②調査結果の提示、 ③住民による地域理解の促進、④住民の行動変化、とし、う一連のサイクルを通じて、住民も地域の 全体像を把握した上でまちづくりに参加することにより、よりよいまちづくりが可能となるのではなかろ うか。あるいは、同じ内容のまちづ、くりで、あっても、住民の満足度や関心がより一層高まるのではなか ろうか。 ところが現状では、膨大なコストを費やして住民意識調査が行われているものの、住民にその結 果が提示されることは稀である。住民に結果を分かりやすく提示する方法についても、模索が続い ているとし、えよう。アンケート等で得られた結果を単に数表などの数値データやグラフなどで提示し ‑403‑

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ても、そのような統計データを日常的に利用していない住民にとっては、その数値の意味やそのグラ フが表現している内容が、自分の生活と関連づけてどのような意味を持つのかを理解するのは、容 易ではない。その意味で、現在用いられている伝統的な方法では、住民に対して調査結果が十分 にフィード、パックされているとは言いがたい。このように、まちづくりを考えてしてにあたって必要な情 報を住民に提示する手法とノウハウが確立されていない現状を打破する有効な手段のーっとして考 えられるのが、地理情報システム (GIS)を活用した地図による情報提示である。 Monmonier(1991) が地図表現の説明力の有効性を様々な事例を用いて紹介しているように、 GIS を用いて調査結果 を視覚的にも空間的にも分かりゃすい地図上に表現して提示することにより、一般の住民でも直感 的に調査結果を理解し、その上で行政の評価や地域の抱える課題を抽出していくことが可能となる。 ただし、 GIS を利用し、統計処理したデータを地図表現する上での問題点として、①G1S には非空 間的な形式で収集された個々のデータを加工・集計する機能が十分でなし、こと、②G1Sは低価格化 が進んでいるものの未だに高価であること、③GIS は専門的な知識や特殊な操作テクニックが必要 とされるツールであること、などが挙げられる。 本研究では、兵庫県立大学『人間サイズのまちづくり研究会』が兵庫県揖保郡新宮町を対象とし て行った住民意識調査の結果の一部を利用している。この調査における調査項目は多岐にわたる が、本稿では医療施設の利用状況に焦点を絞り、新宮町における医療機関の利用構造について 研究成果の一部を紹介するとともに、研究を進めるにあたり JMPをどのように用いたのかについて、 また結果表示をする際に九伊をどのように活用できるのかを報告する。 具体的には、優れたグ ラフイカルユーザーインターフェースとデータの加工分析能力を持つ JMP を用いて、収集データと GIS のデータベースとを連携する方法について紹介する。さらに、 JMP の 「回転プロット機能」と「等高線図」を利用した簡易 GISの作成方法についても述べる。なお、本稿で 紹介する JMPによる主題図(一般図をベースマップにして何らかの主題を強調して表現したもの)の 2 0 0 4 ) に紹介されている地図表現方法を参考にしながら作成した。 作成にあたっては、浮田・森( 2 . 新宮町住民意識調査の概要 筆者らは、兵庫県立大学『人間サイズのまちづくり研究会』を設立し、兵庫県揖保郡新宮町にお 6年 1 1月から lヶ月にわたり実施した。調査対象は新宮町連合自治会 いて住民意識調査を平成 1 に加盟している 47自治会に所属する 4, 810世帯で、自治会を通じて調査票を配布して郵送で回収 , 1 0 5票の回答を得ており、回収率は 22.9%で、あった。 する方法で調査を実施し、 1 本稿で紹介するのは、この調査結果の中から、医療機関や文化施設をはじめとする、各種生活 関連行動の活動地域状況の調査結果を用いて行った分析で、ある。調査では、図 lに示すように、過 去 l年間の通勤・通学や買物などの 1 0項目の活動について、その主な行き先を新宮町内ならびに 新宮町周辺の 1 6の行き先の中から選択してもらう形式でデータを収集しているが、今回はその中か ら医療機関についての分析結果のみを紹介する。 ‑ 4 0 4 ‑

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問 11.ここ 1年聞のあなたの通勤・通学先や買物などの主な行き先はどこですか。以下の 10 の項目のそれぞれについて、 1 から 16 までの行き先のうち、最も頻繁に利用される行き先 を1 つだけ遷択し、その番号l こOをつけて下さい。そのような活動をされていない場合には、 「該当しない」の列の 0 1こOをつけて下さい。 二 ょL 新宮町 西播磨地場 その他 該 当 西東中北南 龍揖御太上一‑ 山姫そ 神そ し 保 日 I [津子郡 崎路の 戸の な 地地地地地 野 ) 、 し 区区区区区 市町町町町町町市他 市他 通勤・通学 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 2 病院・医院への通院 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 3 日常の買物 1 12 13 14 15 16 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 4 非日常の買物 1 12 13 14 15 16 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 5 金融機関 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 6 理容・美容 7 学習・文化活動 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 8 飲食 1 12 13 14 15 16 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 9 芸術・スポーツ観戦 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 10 スポーツ活動 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 図 1 新宮町住民意識調査の詞査票の一部(関係する質問のみを掲載) 2 . 1 揖保郡新宮町の概要 兵庫県南西部に位置する兵庫県揖保郡新宮町は、面積 95.5kr r f、人口 16, 948人、世帯数 5, 224 戸の町である (2005年 4月 l日現在)。昭和の大合併により昭和 26年 (1951年)に新宮町、西栗栖 村、東栗栖村、香島村、越部村の l町 4村が合併し、現在の新宮町となった。しかし、これらの旧 5 町村は、現在は北地区(旧香島村)、東地区(旧東栗栖村)、西地区(旧西栗栖村)、南地区([日越 部村)、中地区(旧新宮町)と呼ばれているが、小学校区は原則としてこの 5地区に対応しており、地 区ご、とにコミュニティセンターや地区連合自治会が設けられるなど、依然として町政執行上の基本単 イ立となっている。 高砂市 高砂市 図 2 新宮町とその周辺地図 Fhυ U 円 凋叫

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新宮町の中心部は中地区にあり、図 3の点で示した新宮町内 の病院・診療所の配置に見られるように、この地区には病院・診 療所をはじめとして、町役場、図書館、公民館、金融機関、スー ノξーマーケットなどの生活関連施設が集中している。また、北 地区は宍粟郡山崎町(現宍粟市)、南地区は龍野市に隣接し、 中地区および南地区からは鉄道・道路などの交通手段を利用 することで兵庫県西播磨地域の中核都市である姫路市へ比較 的短時間で、移動で、きるようになっている。 7年 なお、新宮町は、平成の大合併の流れの中で、平成 1 ( 2 0 0 5年)1 0月 l日をもって、隣接する龍野市、揖保郡揖保川町、揖保郡御津町と合併し、「たつの 市」となることが決定している。 2 . 2 JMPに よ る 通 院 先 選 択 率 の 計 算 2 0 0 4 ) 従来、地理学の分野では、地理空間における人間行動の解析が多く行われてきた。田中 ( はこの分野の研究に関する文献を渉猟し、サーベイ論文としてまとめている。関根(19 9 2 )は、盛岡 市のスーパーマーケットを対象にして、住民の消費地の選択状況の分析を報告している。生活ノミタ ーンに着目し、アンケート調査により住民の医療機関の選択行動をモデル化した事例としては、大 森ら(1 9 9 8 )などがある。そこで、本稿では、これらの研究成果を踏まえながら、より詳細かつ広範な 生活行動を分析することとした。 まず、住民意識調査データの集計から住民の生活行動を概観するにあたり、分析ツールとして JMPを利用した。具体的には、 JMPの『一変量の分布』により、新宮町住民の通院先の分布を確認 した。図 4 の結果が示すように、新宮町の住民は通院先として主に中地区、龍野市、姫路市を多く 選択している傾向が確認された。 次に、町内の各地区における通院先選択の状況を把握するために、調査項目にあらかじめ含め ておいた新宮町の総務省コードに基づく地域コードをもとに、新宮町の 47字単位で集計を行い、通 院先の地域による違いを分析した。この際、指標として通院 先選択率を用いた。通院先選択率とは、通院するにあたって、 特定の地域の医療機関を通院先として選択する割合を求め るものである。本研究では、先に述べた『一変量の分布』の結 果から、通院先として中地区を選択した住民が多いこと、そし て新宮町内に存在する病院・診療所が中地区に集中してい ることから、通院先として中地区を選択する割合を求めた中 地区選択率、そして周辺地域である姫路市、龍野市、宍粟郡 山崎町(現宍粟市)を選択する割合を求めた町外選択率の 2 ‑406 龍野市 揖保川町 北地区 姫路市 南地区 東地区 中地区 太子町 西播磨その 西地区 神戸市 上郡町 山崎町 三日月町 御津町 該当なし その他 図4 通院先の一変量の分布

399.

つを用いて分析することとした。それぞれの値は、以下の ( 1)および ( 2 )式で算出される。なお、全体 の回答数からは、「該当なし」を選択したものと無回答は除いた。 中地区選択率=中地区を選択した回答数/全体の回答数 ( 1 ) 町外選択率=(龍野市、姫路市、山崎町を選択した回答数)/全体の回答数 ( 2 ) これらの指標を 1MP上で計算するために、まず、各字を示す総務省コードに基づ、く地域コード・と、 通院先のデータを名義尺度として利用し、『二変量の分析』からクロス分析を行った。次に、得られ たクロス表を度数のみの表示にした上で、このクロス表の値をコピーして新しくデータテーフマルを作 成した。この新しく作成されたデータテープ、ルにおいて前述の計算式を利用し、通院先としての中 地区選択率と町外選択率をそれぞれ求めた。具体的には、新しく作成したデータテーブノレに列を 追加し、列の計算式に上記の数式の内容を表す計算式を記入することで選択率の計算を実行した。 以降、本稿で、はこのデータテープソレを「字別通院先比率」と呼ぶことにする。 3 . JMPによる空間データベースと調査データの結合 1MPを簡易 GISとして利用するための調査データの加工とデータテーブル( 1字別通院先比率」 ファイノレ)の準備は以上の作業で完了した。しかし、これらのデータを地図上に表現するためには、 緯度および経度の座標情報が必須となる。これらの情報は集計したデータテーブ、ルには含まれて 5 ! J通院先比率」に各字の座標デー いないので、各字単位で、統計処理を行ったデータテープ、ル「字 5 タを格納した列を追加する必要がある。 各字の座標データとしては、総務省統計局の統計 GISプラザ ( h t t p : / / g i s p l a z a . s t at .go j . p / G I S P l a ZaI)から無料でダウンロードできる一般的な GISの公開フォーマットの Shapeファイルの一部を構成 するデータベースファイル (dBaseIV形式)を利用した。具体的な結合方法は次のとおりである。 まず、統計 GISプラザのサイトから地域を指定した上で地図デ?ータをダウンロード する。このとき、 Shapeファイルを構成するファイルの一部で、ある dBaseIV形式のデータファイルもダウンロード、される。 この dBaseIV形式のファイルの列要素で、ある緯度(列名 Y CODE)および経度(列名 X CODE)の 座標データが、各字の中心座標を表すものである。 続いて、座標情報を含む dBaseIV形式のファイルを開いて作成したデータテーブルと、各字単位 で、集計して作成したデータテープ、ル「字 5 5 ! J通院先比率」とを 1MP で聞き、テーブル機能の『結合 OoinUを適用して、各々の字に対応する共通の地域コードをキーとして結合する。結合を行う場合、 結合する 2つのデータテープ、/レに共通するキーが必要となる ここでは、そのキーとして 2つのデー O タテープ、ルに含まれる各字を表現する総務省コード、に基づく地域コードを利用する。 o i n )j]の機能に含まれる、『対応する列の値で結合』を用い、『対応する 結合を行うには、『結合 O 安 J ! j]を設定するダイアログで、双方のデータテープ、ルに含まれる字に対応する地域コード、を利用す れば、容易に調査データと地図データの緯度および経度データとを結合することができる。図 5は 、 マ ハ A l ワ nU

400.

中地区選択 a 一 ^ I I 合計 I h12ka2B461 の~Il 字別通院先比率の~Il 対応 │ 阿 CODE2 HI2KA28 ̲ 町外選択軍 HI2KA28JD F 門 F ﹄ n u 亡三Zコ仁豆豆日仁三亙コ D 口重筏する行を削除 Wi も含める 口一致しなc v ︒ヒ ‑u [ 同│ L v Re;ID 口重筏する行を削除 口一致L 必c ¥行も含める 図 5 対応する列によるデータの結合画面 『対応する列の値で結合』により、 2つのデータテープソレを結合させる手順を示す画面である。図 5 では、 47 の字別に住民意識調査データを集計して作成した「字別通院先比率」ファイルの中の iRegIDJと統計 G I S プラザからダウンロードしてきた新宮町の地図ファイルの一部を構成する i h1 2 ka 28461Jファイルの中の iCODE2Jが、それぞ?れの字に対応する総務省コードである。 ユーザが独自に構築した地域に関する統計処理したデータを GISで利用する際には、使用する G I Sの地図ファイルの座標情報を含むデ?ータを、地区に関する共通の総務省コードをキーとして『結 i n )j]により結合すればよい。 合(Jo 0進表示による緯度経度表示で表現さ なお、ここで利用した緯度および経度の座標データは、 1 れている。以下では、この座標データを XY座標として用い、各字の中地区選択率や町外選択率を MPによる簡易 G I S表示の可能性を通常の G I S 第 3番目の座標軸の表現内容として用いることで、 J ソフトウェアを利用して作成した地図と比較しながら検証する。 4 . JMPおよび地理情報システムによる表現の比較 4 . 1 JMPによる回転プロットによる簡易 GIS表示との比較 前節までの作業で、地図表示に必要なデータと、図示したい調査データの結合が完了した。次に、 I Sとしてどの程度 この結合されたデータを用い、 JMPの『回転プロット』による空間的表現が、簡易 G 有効であるかを考えた。 まず、前述の手順で作成した中地区選択率について、『一変量の分布』を適用し、表示されるヒス トク。ラムの領域の一部をクリックして選択し、メニューパーの『行j]-~色』と順次クリックすることで、そ れぞれの選択率の値が低い字に緑、順次高くなるにつれて赤に近い色彩になるように 6段階での 色分けを行った。こうすることで、各字の選択率の高低に対応した色分けが実現できる。 次に、回転プロットについてであるが、回転プロットの設定画面は図 6のようになる。ここで X座標 とY座標の値はそれぞれ、統計 GISプラザからダ ウンロー}ごした経度を示す iXCODEJと緯度を示 F 0進表示の緯度経度を示すもの す iyCODEJを利用している。この 2つの値は、前述したとおり、 1 408‑

401.

両面白石一一一一一 … E画己I 3D散布図(バイプロットオプションっき〉の回 f : i 選択した明l に役割宅配り当でる アクション 区EB t z z 亡三E 巨E豆D 白太子町 回中地区 回東地区 固商地区 E E一凶 明jの選択 固西拍車その他 白姫路市 匂北地区 回揖保川町 田龍野市 回合計 図匝孟i盈~主孟藍盈・・園 田町外選択宰 固 X̲OODE 固 Y̲OODE 困地埼名称 回中地区選択宰 ~高 可 己 ~' 主 コ C A ! 亙 コ 直E重E : ; 亡豆豆コ 図6 回転プロット設定画面 図7 回転プロットによる簡易 G I S 図8 A r c G I Sによる図 であるので、通常のソフトウェアなどで、夕、、イアロクマの中心に表示するためには、表示の中心点として、 重心などの座標を計算し、各個別の地点とこの表示の中心点からのずれを事前に求めておく必要 がある。しかし、 JMP においては、この表示座標位置の調整を JMP が自動調整するので、利用者 は表示座標に関する補正作業を意識することなくデータをそのまま使用することができ、非常に便 利である。 回転プロットの「列』を設定する際は、図 6のように、経度座標値を示す iXCODEJ、緯度座標値 ) 慣にしたが を示す iyCODEJ、「中地区選択率」の順に選択する。回転プロットで、は、選択した列の 1 って、上から1 ) 頂に X軸 、 Y軸 、 Z軸と振り分けられるため、このように選択する順序に配慮する必要が ある。前述のような順序で列を選択すると、 X 軸が X CODE、Y 軸が Y CODE、Z軸が中地区選択 率、となる。 この状態で、回転プロットを表示させ、さらに行マーカーでそれぞれの点を大きめの円形マーカー で表現し、新宮町の端に位置するなどの地図上で目印となる字に行ラベルを表示させたものが図 7 である。この図から、新宮町の概形をつかむことができる。また JMPで、作成した回転プロットによる図 ‑ 4 0 9

402.
[beta]
が簡易 GISとしてどの程度活用できるかを検討するため、広く用いられている GISアプリケーション
ソフトウェアで、ある ESRI社製の ArcGISで作成した中地区選択率の図を図 8に示してある。 JMPで
表示した場合、表示される図は各字の中心座標のみであるので、 GIS で表示できるような細かな形
状や地形図の表示はできないが、概形は把握できるので、その地域を良く知る住民や自治体職員
などが地域の現状を把握したり、地域の課題を発見したりするには十分な情報を提供してくれるもの
であるといえよう。

4
.
2 JMPによる等高線図による簡易 GIS表示との比較

次に、 JMPの『等高線図』機能により、 JMPを簡易 GISとして利用する方法を紹介する。中地区選
択率を用いて地図表現の説明を行うが、この場合の等高線は、中地区選択率の値の高さによって
自動的に算出させるものである。
手順としては、まず JMP の『等高線図』ダイアログ(図 9 を参照のこと)の、 X に iXCODEJと

iy CODEJ を設定し、 Y に「中地区選択率」を設定して、 WOK~ボタンをクリックして等高線図を作成
する。
デ、フォルトの設定で、作成した等高線図は、 Z 軸に割り当てた変数の値が低しものが赤、値が高く
なるにつれ青に近づくようになっている。そこで、浮田・森 (
2
0
0
4
)で紹介されている主題図の色彩に

一

よる表示法のうち、人間の直感に近い暖色から寒色に変化するグラデーションを用いて等高線図を

旦旦~

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図9 等高線図作成画面

1
:
3

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E&目~~四畳間哨副圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃園田1!t1 L31...:31

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5
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図1
0 等高線図

図 1
1 塗りつぶし後の等高線
‑410
403.
[beta]
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羽 田

図1
2 等高線図と G
I
S による分析の比較
作成した。具体的には、参照値の高しものが赤、低しものが青としづ状態にするために、メニューか
0である。さらにこの図をわかりやすくするために、完成し
ら『色の逆転』を指定した。その結果が図 1

た等高線図で、『表示領域の塗りつぶし』を行い、主要な字に『行ラベノレ』や注釈ツールで、字名を表

1である。
示させたものが図 1
0と図 1
1の 2つの図では、地図表現したとは言っても、新宮町の概形しか表現できていなし、。
図1

これは各字の中心座標をもとに凸包が形成され、その内部に等高線が作成されることによるもので
ある。 JMPでは、等高線図を作図するときに、まず凸包を構築し、その構築された凸包内に対して等
高線を算出して描画するため、実際の形状が反映されにくくなってしまうので、ある。
実際の地図と JMP で作成した等高線図の相違を比較するために、中地区選択率の主題図を

A
r
c
G
I
Sおよび JMPの等高線図で作成して比較対照できるようにしたものが図 1
2である。図 1
2の
r
c
G
I
Sで作成した図上には、参考のために凸包を作成して表示させている。比較してみる
右図の A
と
、 JMP では字の境界線がないために、正確な主題図はとは言い難いが、新宮町の概形は表現で
きており、各地区の選択率の違いによる特徴も大まかにではあるが表示できていることがわかる。こ
のことから、ある程度その地域の空間的関係性の理解を持つ個人であれば、 JMP による等高線図
は、回転フ。ロットによる空間表現よりも一歩進んだ状況把握のための簡易 G
1
Sとして、一定の機能を
果たすものと思われる。
ここまで示してきたように、 JMPのグラフィカル表現能力の高さを活用し、 JMPを簡易 G
I
Sとして利
用することの可能性は非常に大きいと思われる。とくに色の逆転や塗り分け色の設定が自動設定さ
れる機能は、分かりゃすい資料作成を容易にするとしづ意味で、非常に優れた機能である。課題と

I
Sアプリケーションソフトウェアで、はないので、 JMPで作成した等高線
しては、 JMPの場合、専用 G
図に全く別のデータを重ね合わせることができないとし、うことが挙げられる。例えば、病院・診療所の
位置座標のデータがあれば、図 7のように「回転プロット』を利用して JMP上にもプロットで、きるが、こ
の図を等高線図上に重ねて表示させることはできない。さらに、凸包を構築せず、データ領域の最
大・最小値で構成される矩形に対して、等高線図が作成できるとし、うとしづオプ、ンョンが選択で、きるよ
うになれば、表現したい地域の全域をカバーする主題図の表現も可能になると考えられる。これらの

I
Sとしての可能性は広がると思われる。
点が可能となれば、さらに JMPの簡易 G
1i
1i
n川守

404.

5 .今後の課題と結語 本研究により、 JMPを簡易 GISとして有効利用できることが明らかになった。 JMPの『回転プロッ ト』、そして『等高線図』を利用すれば、座標データと表示させたい独自データを利用して地域の概 要を表現するための地図を作成できる。この際、表示させたいデータと座標データの結合とし、う作 業が必要となるが、 JMP の『結合(Jo i n ).]機能を使うことで、この作業は簡単に行うことが可能である。 具体的には、異なるデータテープ、ルのキーとして対応する列を『結合』タ守イアログ、で、指定するだ、けで、 データの結合が可能となる。このようにデータの加工に関わる作業の効率化ツールが JMPには具備 されており、これらの機能を統合的に用いて JMPを簡易 GISとして利用することで、住民に対する調 査結果の説明資料の作成などにおいては、省力化、費用削減、時間短縮などの観点から大きな効 果が見込まれるとし、えよう。 また、等高線図に他のデータを重ね合わせ表現する機能が追加されれば、異なるデータの分析 結果を重ねて表示することが可能となり、さらに高度な表現も可能になる。また、凸包を構築する機 能については、凸包の構築以外にも、表示したい領域の西端、東端、北端、南端の各点の座標を 指定し、その矩形領域に対して等高線図を作図するオプションを利用者が選択できるようになれば、 表現したい地域の全域をカバーする主題図の描写が可能となり、より直感的に理解しやすい地図の 作図が可能となる。 空間表現手法である地図について、 W i l f o r d ( 1 9 8 1 )は次のように指摘している。 『地図を作ると言う着想は大変重んじられ、至るところで、見られた。地図には根源的 ななにかがある。なぜなら、それが人間の意思伝達の基本的な形態だからなのだ。 権威ある書物『地図製作の歴史』の第 1巻で、編者の一人のブ、ライアン・ハーリーは 次の様に書いている。「人間の意識の中には、おそらくつねに、地図を作りたし叱言う 衝動があったのだ。我々が『地図』と呼んでいる人工的なものよりもずっと前に、地図作 りの経験一経験的知識にもとづく空間の図示ーがあったことは間違いない。 d (鈴木主税訳『地図を作った人びと.] p 2 9 ‑ 3 0 ) 人間の意思伝達の基本的、根源的な要求である空間表現能力に関する機能が JMP にさらに加 わることで、 JMP がこれまで成し遂げてきた、空間的な特性を重視しない、伝統的な統計手法を用 いた分析による数量や統計分析結果の表現を介したコミュニケーションツールとしての成功に加え て、空間的な特性の表現能力とデータ処理能力を併せ持った本格的な情報提示(コミュニケーショ ン・意思伝達)の効率化ツールとして成功することとなり、さらなる JMPの世界の可能性が広がるもの と考える。 円J U aAUZ 1 ょ

405.

謝辞 本研究は、平成 1 6年度 ( 2 0 0 4年度)兵庫県立大学特別教育研究助成金の助成を受けて行ったも のである。新宮町住民意識調査の実施にあたり、新宮町民の皆様にご協力をいただくとともに、調 査票の配布に関して新宮町ならびに新宮町連合自治会から格別のご配慮をいただいた。この場を 借りて深く感謝申し上げます。 参考文献 Monmonier ,M.( 1 9 9 1 ), How10L i ew i l hMaps. ( 渡辺潤訳『地図は嘘つきで、ある』晶文社, 1 9 9 7 ) 大森宣暁・室町泰徳・原因昇・太田勝敏 ( 1 9 9 8 ),生活行動パターンを考慮した高齢者のアクセシビ リティに関する研究~秋田市をケーススタデ、ィとして~土木計画学研究論文集論 文集 1 5p p 6 7 1 ‑ 6 7 8 . 関根智子 ( 1 9 9 2 ),近接性からみた盛岡市における生活環境の分布,地理学評論,第 6 5巻第 6号 p p 4 4 1 ‑ 4 5 9 . 田中耕市 ( 2 0 0 4 ),GIS を利用した近接性研究の動向と課題,地理学評論ラ第 7 7 巻第 1 4号 p p 9 7 7 ‑ 9 9 6 . 浮田典良・森三紀 ( 2 0 0 4 ),地図表現ガイド、ブ、ツク,ナカニシヤ出版. W i l f o r d,J . N . ( 2 0 0 1 ),T h eMapMakers,R e v i s e dV e r s i o n . (鈴木主税訳『地図を作った人びと』河出書 0 0 1) 房新社, 2 参考サイト 総 務 省 統 計 GISプラザ h t t p : / / g i s p l a z a . s t a t .g o . j p / G I S P l aza/ 4EL A斗 A ぺU n

406.

S A S Forumユ ー ザ ー 会 JMPを利用した CVMによる政策評価 ーローカル鉄道のサービス向上の金銭的評価を事例に一 藤尾俊幸 T 謬青 T 黒田佳代 T 田中有紀 T 川向肇 I 有馬昌宏 I T兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 応 用 情 報 科 学 研 究 科 応 用 情 報 科 学 専 攻 修士課程 I兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 応 用 情 報 科 学 研 究 科 P o l i c yE v a l u a t i o nb yC o n t i n g e n tV a l u a t i o nM e t h o dU s i n gJMP ‑ A Tentative Pecuniary Valuation for Improving Local Railway Service ‑ or QingMiaor KayoKurodat Y u k iTanakat HajimeKawamukait MasahiroArima1 T o s h i y u k iF吋i tG r a d u a t eS c h o o lofA p p l i e dI n f o r m a t i c s, U n i v e r s i t yofHyogo 1G r a d u a t eF a c u l t yofA p p l i e dI n f o r m a t i c s, U n i v e r s i t yofHyogo 要旨 本研究では、非市場財の価値計測に対して適用される CVM(ContingentV a l u a t i o nMethod;仮想評価法) による金銭的評価に注目し、ある地方自治体におけるローカル鉄道のサービス向上を事例に、政策の住 民評価を試みた。 CVMの適用に際しては、二段階二肢選択方式と自由回答方式の併用で支払意思額に 関するデータを収集したが、 jMPによる CVM評価の可能性を確認するために、事後的に支払意思額が区 間データで得られているものとして、 jMP の生存時間分析を適用して支払意思額の平均の推定を行った。 また、重回帰分析を適用して、支払意思額に影響を及ぼす要因の定量的評価も試みた。なお、住民評価 の結果の表示には、地理情報システムによる主題図を活用した。 キーワード: 政策評価、 JMP、CVM、生存時間分析、重回帰分析 1.はじめに 住民が積極的に参加するまちづくりに向けて、主役である個々の住民、ならびに地域に生活する住民の組織 である自治会・町内会、地域で経済活動を営む自営業者や法人の組織である商工会・商工会議所、住民の代 表としての議会、住民の負託を受けて行政機能を担う自治体などの地域組織が、相 Eに連携して政策を立案・ 実行してし、くことが求められている c しかし、政策を企画・立案してして過程では、地域の現状や地域の今後のあ るべき姿などに関して、地域のマネジメントに関わる上述の主体問で、情報の共有が不可欠で、あるにもかかわらず、 これらの情報の取得、蓄積、表現、評価のための仕組みは未だに不十分であるとし、うのが現状である。 本研究では、地域のマネジメントに関わる主体間での情報共有のための仕組みの 1っとして、 CVM を活用し た住民参加型の政策立案・評価システムを想定し、その実現に向けての可能性を検証しようと試みている。 CVM は、「環境の持つ価値」のように定量評価が難しい対象に対して金銭的価値評価を行うのに有効とされ る手法である c まちづくりにおいては、企画・立案されるさまざまな政策代替案を実行することにより、交通体系、 生活基盤、教育・福祉、産業構造などの住民を取り巻く生活環境に変化が生じるが、これらの予想される(あるい は政策で意図される)変化が誰にどれだけのメリットとデ、メリットをもたらすかを事前評価して公平性と効率性の観 点から政策の選択を行う必要があるとともに、選択された政策の実施後にも事後評価によって政策の有効性を 検証してし、かなければならない。しかし、まちづくりに関連する政策がもたらす変化の計量的評価は一般に困難 ‑ 4 1 5

407.

であり、このような状況の中で、住民の意思を幅広く反映させた事前および事後の政策評価を一定の客観性を 確保しながら定量化する可能性を切り開くものとして、 CVMは非常に有効な手法であると考えられる e 本稿では、研究事例としてローカル鉄道のサービス向上の利便性評価を取り上げ、それに関わる地域住民の 費用負担額を問うとしづ状況設定の下で CVMによる政策評価の可能性について検証を行った。具体的には、 西日本旅客鉄道株式会社(以降、りR西日本」と略記)の姫新線が町内を縦断している兵庫県揖保郡新宮町で 住民意識調査を実施し、ローカル鉄道の運行本数の増便としづサービス向上に向けた仮想的政策に対する住 民の評価データを C V Mの考え方を適用して取得し、町内全域ならびに町内の地区別あるいは回答者の属性 a y )の平均値の算出と重回帰分析を行って政策評価の可能性を検討 別に支払意思額 (WTP:WillingnessTo P している。 CVMを適用するに際して、従来は、 LIMDEP( E c o n o m e t r i cS o f t w a r e,l n c . )や TSP(TSPI n t e r n a t i o n a I )などの 計量経済分析用統計解析パッケージが用いられることが多かったが、本稿では ]MPの生存時間分析の機能を 用いて支払意思額の平均値の算出を行っている。以下では、研究の背景を概説した上で、 ]MPを利用しての集 計作業上のポイントなどにも触れながら、政策評価の一連のプロセスについて紹介する。 2. 研 究 の 背 景 と 概 要 2. 1 研 究 の 背 景 地域住民の生活基盤の一つを構成している主要交通網の整備・充実は、まちづくりにおいては特に重要な 政策となる。交通の果たす役割は、図 1に示すように、移動手段の確保に加えて、物流・観光・地域域産業振興 など多岐にわたるが、どの面においてもまちづくりには大きな影響を及ぼすものである。 本研究では、交通機関の中でも、これまで中心的な役割を果たして来ながら、利用者の減少でサービス低下 や存続の危機に瀕している地方の鉄道サービスを取り上げている。地方の鉄道サービスは、都市部から離れた 地域の住民の日常生活や経済活動に直結しており、通学・通勤や通院などの利用においてその重要性が認識 されている。 しかし、 1987 年 4月 1日に日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化され、全ての鉄道会社が営利企業として採算 が重視されるようになる一方で、都市部への人口移動、モータリゼーションの進展、週休 2日制の普及、少子化 の進行などとあいまって地方の鉄道利用旅客数は減少の一途を辿り、利用客数の少ない路線や区間では運行 本数の減少や駅の無人化などのサービス低下、第 3セクターへの転換、さらには路線廃止に至るケースが多く 見られるようになり、このような状況を抱える地域においては、主たる利用者が自動車品、う代替移動手段を持た ない通学目的の高校生や通院目的の高齢者であることもあり、地方の鉄道サービスの存続や増便などのサービ ス向上が大きな問題となっている。 最近の事例としては、旧国鉄の ]R各社の一つで、ある ]R 西日本で 2003年 1 2月 1日に広島県の可部線の一部区間 6 . 2 k mが廃止されている。経緯とし である可部・三段峡問 4 0日に利用旅客減少を理由に沿線自治 ては、 1998年 9月 1 体に廃止が申し入れられ、沿線自治体からの要望で 2000 年1 1月 1日から 2001年 2月 20日まで、試験的に増便など 移動手段 (生活基盤・ 経済活動) 物流 地域産業振興 観光 文化交流 i 自i 週間ネット ワ‑'J 視能 地域社会 の保全 文化・経済 拠点維持 環境保全 図 1 鉄道サービスの機能と価値(出典:栗山 [ 1 J ) の利用者増のための対策を講じたが実際の利用客増には つながらなかったため、 2002年 1 1月 29日に廃止届が出さ れ、その 1年後に廃止となったもので、ある。また、国鉄・ ]Rか ら第三セクターに移行された路線で、は、 2001年 3月 3 1日を 4 1 6

408.

最後に穴水・輪島問 20. 4 kmが廃止されたばかりののと鉄道株式会社の能登線で、 2005年 3月 3 1 日を最後に .0kmが廃止され、また北海道ちほく高原鉄道株式会社のふるさと銀河線 140.0kmは 2005 残る穴水・蛸島間 61 年 4月 2 1 日に鉄道事業廃止届が出され、 2006年 4月 2 1 日に廃止されることが決定している。 jR各社や第三セ クターの鉄道会社以外でも、名古屋鉄道株式会社の燭斐線、美濃町線、岐阜市内線、田神線の 4路線が 2005 年 3月 3 1 日を最後に廃止されるなど、路線廃止の事例は多い。また、廃止の危機にさらされている鉄道路線も 多く、危機感を持った沿線市町村で、は存続のための対策協議会や利用促進のための利用促進期成同盟など を設置しているが、存続に向けて有効な対策を打ち出し、具体的な成果を挙げている鉄道路線はほとんどない のが現状である。 このような状況の中、経営が苦しいローカル鉄道の存続のための新たな試みとして、国鉄・ jR から第三セクタ ー化されたわたらせ渓谷錨道株式会社(群馬県大間々町)の取り組みに我々は注目している。新聞報道やウェ 9 9 4年度の年間 1 0 6万人をピークに 2002年度は約 73万人にまで落ち ブ情報によると、同鉄道は、乗客数が 1 9 8 9 年の第三セクターへの転換時に国が交付した鉄道経営対策事業基金の第一基金 7億円は赤字補 込み、 1 填で 2004年度に枯渇している。この危機的状況のもと、群馬・栃木両県と沿線 5市町村で作るわたらせ渓谷鉄 1億 2000万円の見込み)は両県と5市町村で負担することとした上 道再生等検討協議会は、 2005年度の赤字 ( 4 . 1 kmを自由 で、約 2億 5千万円にのぼる赤字(運賃収入は年間約 1億円)を埋め合わせる対策として全区間 4 1万円)を導入する方針を決め、 2005年 1 0月の実施を目指している。パスの に乗り降りできる「年間フリーパス J( , 080 円の 料金は年齢に関係なく一律で、購入者以外に家族 3人まで同時に乗車できるとのことで、大人片道 1 1年)で購入すると約 2 3万円にもなる現状に対して、フリーパスは格安となるとのことで、ある。 最長区間を定期券 ( 000 万円の定期券収入は しかし、新規ノ号スの導入で定期券利用者は新規パスへ移行するとみられ、年間約 5, 5万6千世帯)の半数以上がパスを購入するとしづ見通しは非 ほぼ見込めなくなるとしウ。このため、沿線の世帯 ( 現実的で、増収には疑問の芦が上がっているとのことである。 この 1万円で、家族 3人まで、が同時に利用できるフリーパスの導入の検討は、何もしなければ赤字が累積して廃 止が確実視されるわたらせ渓谷鉄道を存続させるために、沿線の 5市町村に居住する 5万 6千世帯の住民に、 鉄道利用の有無に関わらず、図 1に示した鉄道の持つ価値を評価してもらい、一種の負担金を求めることと同等 であると考えることができる。すなわち、沿線 5市町村の全世帯を対象にわたらせ渓谷鉄道の存在が持つ価値 (年額)を CVM で計測したとすれば、半数以上の世帯が 1万円以上の支払意思額を提示したことを前提にフリ ーノミスの価格を決定したと理解することが可能である。 本研究では、わたらせ渓谷鉄道ほど経営は深刻ではないが、利用者の減少によって減便化が図られ、減便 化によって利用客が減少し、さらに減便化されるとしづ負のスパイラルに陥ろうとしている,jR西日本の姫新線を対 象に、沿線に位置する兵庫県揖保郡新宮町の全世帯を対象に実施した住民意識調査の中に姫新線のサービ ス向上に関する価値評価を行う質問項目を組み込み、 CVMによる政策評価の可能性の検証を試みた。 2. 2 対象となる地域とローカル鉄道の状況 005年4月 1日現在、人口は 1 6, 948人、世帯数は 研究の対象地域として選定した兵庫県慢保郡新宮町は、 2 5, 224 戸の典型的な地方の自治体の一つである。兵庫県姫路市と岡山県新見市を結ぶ:jR姫新線が通っており、 町内には播磨新宮、千本、西栗栖の 3つの駅が設置されている。 jR姫新線は、兵庫県南西部の西播磨地域に おける基幹交通体系の一つの軸として、通勤・通学・通院・買物など、沿線住民の日常生活を支え、重要な役割 9 6 5年度に約 590万人で、あった年間乗車人数は 2002年度には約 250万人に減少し、同年 を果たしてきたが、 1 に乗客減を反映したダイヤ改定が実施され、利便性は大幅に低下している。しかしながら、姫新線は新宮町の 5分で結んでおり、播磨新宮 中心部に位置する揺磨新宮駅から姫路駅までの 22.1kmを最速で 28分、平均約 3 ‑417‑

409.

駅からであれは、姫路駅を経由して神戸・大阪の都市圏まで約 7 0分から 9 0分で到達しうる範囲に含まれること になる。そのため、利便性は低下しているものの、新宮町や周辺の山崎町(現宍粟市)の住民にとって、姫路な らびに京阪神方面への確実な移動手段として jR姫新船の持つ重要性は依然として高しものがある。したがって、 JR姫新線の増便によるサービス向上は、新宮町の住民にとっては重要かっ喫緊の課題となっている。 このような状況を踏まえて、新宮町はJR姫新線沿線の兵庫県内の他の 2市4町(姫路市、龍野市、三日月町、 南光町、佐用町、上月町)とともに姫新線姫路上月駅間電化促進期成同盟会を結成して姫新線の電化ならび に乗客数の増加に取り組んで来ているが、残念ながら、特に播磨新宮駅よりも西の千本駅から上月駅までの区 間で乗客数の減少が著しく進んで、いるのが現状である。 2. 3 調査の概要 筆者らは、住民参加のまちづくりの具体的な進め方を研究するために、 2 004年に兵庫県立大学『人間サイズ、 のまちづくり』研究会を設立し、研究の一環として新宮町において住民意識調査を実施した。具体的には、 5 5項 目に渡る住民生活に関わる項目についての満足度と重要度を問う質問などから構成される調査票を設計し、新 7 の自治会に加盟している 4, 9 3 8 世帯に対し、新宮町連合自治会の協力を得て、自治会経由で 宮町内の 4 2004年 1 2月の第 1週に 4, 8 1 0世帯に調査票を配布し、 1 8歳以上の世帯員に限定して回答してもらった上で、 1 2月 2 0 日までに郵便で返送してもらう方法で調査を実施した。この調査票の中に、姫新線の運行本数の増便 による利便性を向上させる政策に対する金銭的評価を求める質問を組み込み、従来の自治体で実施される多く の住民意識調査ではなじみが薄くて面倒な質問に対する住民の反応を見ることも含めて、 CVMを利用した政策 の定量評価の可能性の検証を試みることとした。今回の調査で採用した質問形式は、これまでの調査事例も参 考にして、二段階二肢選択方式とし、選択後に最終回答として支払意思額を自由回答方式で記入してもらう方 法とした。具体的な支払意思額を問う質問は図 2に示すとおりである。 2. 4 調査結果 返送されてきた調査票は 1 , 1 0 5票で有効回収率は 23.0%で、あった。今回の調査では、 JR姫新線の利用に関 連する質問として、 姫新線)の充実(便数増加)J としウ評価項目を満足度(i5 .満足」 ①リッカートの 5段階の評定尺度で「鉄道 QR 1 4 .やや満足 J‑13.普通 J‑12.やや不満」一 1 1.不満 J )と重要度(i5 .重要 J‑14.やや重要 J‑13.どちらとも言 2 .あまり重視しなし、」一 1 1.重視しなし、J )の観点から評価する質問 えなし、」一 1 ②~R姫新線の利用頻度を問う質問 (8 つの回答選択肢を提供して単一回答) ③IJR姫新線利用時に利用する駅(西栗栖、千本、播磨新宮、東省崎、本竜野)を問う質問(単一回答) ④I J R 姫新線の利用回数を増やすのに有効と思われる対策を問う質問 (9つの回答選択肢を提供して 3つまでの 制限複数回答、最も有効な対策も選択) (こ示した]R姫新線の増便についての金銭的評価を行うための CVMを利用した質問 ⑤図 2 としウ 5つの質問を設定した。 4の評価項目とともに表形式で質問と回答選択肢を示して満足度と重要度を問う ①の質問については、他の 5 形式で設問したものであり、市区町村で一般的に行われる住民意識調査でよく用いられる形式のものである。こ の評価項目こ対する満足度と重要度については、 CSポートフォリオ固などを用いて分析しているが、鉄道充実 の評価は図 3(こ示すような分布となっており、「不満」と「やや不満」を併せて 67.2%、「重要」と「やや重要」を併 で「重要」あるいは せて 73.8%であり、満足度と重要度のクロス集計結果によれば「不満」あるいは「やや不満 J 「やや重要」との回答は 60.8%となっている c したがって、この結果から判断すれば、 JR姫新線の利便性の向上 対策を講じることが重要であると判断されることになろう c しかし、回答者の自治会に準拠した居住地区別に満足 ‑418

410.

問1 5 . 以下の質問は架空の質問です。しかし、この質問に答えていただくことによって、姫新線の運転本数を増 やして利便性を高めることに加えて、公共交通を利用することで交通混雑を解消して公害防止に貢献する ことの金銭的評価を計算することができます。このことをご莞訪れ、ただいた上で、あくまでも架空である ことを前提に以下の質問にお答え下さい。 (矢印のl j 慎に回答を進めて下さし、。) 姫新線は、現在、播磨新宮駅と姫路駅間は、朝の通勤・通学時間帯は 2 0分に 1本、夕方の通勤・通学時 間帯は 3 0分に 1本の運転ですが、それ以外の時間帯は 1時間に l本の割合で運転されています。 また、西栗栖!Rまたは千本駅と姫路駅間は、 1時間に 2本が運転される午前 7時台を除き、 1 1 1 寺聞から 2時間に l本の害J ! 合で運転されています。 このような姫新線の列車の運転状況が、新宮町民が ]R西日本に分担金を支払うことで、もっと便利に できるものと仮定します。具体的には、姫路駅 西栗平商R 聞の姫新線の運転本数を朝 6時から夜 1 1時まで、 通勤・通判寺間帯(朝 6時台から朝 8時台)は 2 0分に l本、その他の時間帯は 3 0分に l本の運行体制に 増便するために ]R西日本への負担金を支払うものと仮定します。 あなたの世帯で、毎年 5千円(月額約紛O円)の新たな負担金の支払に応じていただけますか。ただし、 あなたの家計に、この負担金だけの負担が毎年かかることを忘れないで下さい。 1.はい。毎年 5千円の負担に応じます二 2 . いいえ。毎年 5千円の負担には応じられません。 ∞円)の負 IIそれでは、毎年 2千円(月額約 1 5 0円)の負 それでは、毎年 1万円(月額約 8 担金の場合には負担に応じていただけますか。 II担金の場合には負担に応じていただけますか。 土 し 、 1 .1 1 .1 ま し 、 2 いいえ 2 . いいえ 具体的には、最大でいくらまで 負担金を支払っていただ、けます 当てはまる項目 1つにOをつけて下さい。 jp 。 1.もっと安ければ負担する。 具体的に ( )円 2 . 銃萱は必要ない。 3 . 鋭董は必要だが、負担金で増便をする 毎年 ( )円 ことには反対である。 4 . その他 (理由) 図 2 CVMを 用 い てJR 姫新線の利便性向上を金銭的に評価するための質問 (注)調査票の設計に際しては、矯玉県玉川村住民意識調査 ( h t t p : / / w w w . v i l. lt a m a g a w a . s a i t a m a . j p / k i l くa k u k a / i s h i k i t y o u s a . h t m l l をはじめとして全国の市町村で使用された住民意識調査の調査票の質問を参考にした。 4 1 9

411.

度評価と重要度評価を見てみると、地域の特徴が浮かび上がってくる。 1こは、満足度と重要度の 5段階の評定尺度を 5点から 1点までの等間隔の擬似間隔尺度とみなして 4 7自 図4 治会別に平均満足度と平均重要度を求め、地理情報システム(本研究で使用したのは ESRI社の ArcGISと3D A n a l y s t )を利用して視覚的に表現した図を挙げている。図中には、新宮町を南東から北西へと向けて貫く]R姫 新線の路線も表示させており、地区によって満足度評価と重要度評価は大きく異なっているが、傾向として、駐 車場が整備され、ある程度の運行本数も確保されて利便性の高い播磨新宮駅の周辺地区で満足度が高く、 ]R 姫新線沿線地区ならびに路線パスが運行されてし渇新宮町と隣接の山崎町(現宍粟市)を結ぶ県道沿線地区 で重要度が高く評価されていることが読み取れる。 また、②から⑤までの質問に対する単純集計結果は図 5に示してし、るが、 ]R姫新線の利用頻度は低く、週 1回 以上利用は 10.0%であるのに対して、「利用しなしりも含めて半年に 1回かそれ以下の利用は 65.0%としづ状況 である。利用駅は町の中心にある播磨新宮駅が 72.0%であるが、さらに運行本数の多い隣の龍野市にある本竜 野駅の利用者も 10.0%を示している。 3つまで、の制限を設けた複数回答形式でお回答してもらっている利用者対 I車の運転本数を増やして、昼間でも 3 0分 i こ1本程度が運転されるようにする」が第 1位で、こ 策については、「夢J , 0 3 0人に対する回答比率は 72.6%となっており、続いて「播磨新宮駅前の駐車場料金 の質問の有効回答者 1 5 5. 4%)と「コミュニティパスや路線ノ〈スを増やし、西栗栖駅や千本駅や播磨新宮駅で列車と接 を無料化する J( 3 0.4%)が第 2位と第 3位で、挙がっている。なお、制限複数回答形式の質問の度数分布表を 続するようにする J( : 1 ] )に回答データを入力し、 ]MP の「テーブル ( T ) J‑ r 列 作成する際には、制限された回答数分の列にこでは 37 の積み重ね」を適用すればよい。新しく作成されるテーブルの最終列に、回答数分の列を積み重ねて新しく列 が作成されるので、この新しい列に対して「一変量の分布」を適用すれば、簡単に制限複数回答形式の質問の 度数分布表が作成できる。無制限複数回答形式の場合も、同じ方法で度数分布表の作成が可能である。 モザイヲ園 1 .0 0 5重要 日 !O l L J I IUII~14や暗イ l l l l ホ. .. 1.'f~ 3M 03 輔" 03a 輔 2n 02 割合 帥 " 刻 。D032i0'711 $却 :r.. ç~ 平孟 ,.温 4 やや~. 判 5選定 合1 1 O S 1 0 1 4 l00c曲目 " 恥 . 究 調 薗H 制 車市 ..圃 v 弘、 主島.りE 圃 U..:~' . . や や . . 1どちらとも冒えむい 5 台皇 1 1 陵 血阻 眠歯 4 2 0 0 4 7 1 1 "。叫 1 1 2 0. 1 > > 匝 ~吉田お鍋 制 " ,柑却 1 1 制 rI~I~~II~alg~!Fi 1不満 2やや不満 叩 究 調 圃N 1 1 0 き現'$ 3普通 4やや満足 5満 足 鉄道充実満 E度 図 3]R 姫新線の充実に関する満足度と重要度の評価結果 図4 ]R 姫新線の充実に関する満足度と重要度の平均スコアの空間分布 4 2 0

412.
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蝕道充実宣車直

眠道充実満J>.1t

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1不 着
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3普通
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3300.32544
272 026824
400.03945
2
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1
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1週間ー過字
2過 に E・3団
3週 に 1由

割合

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240.02275
J80.03602
1310.12417
1320.
12512
258 024455
1600.15166
268 025403
1055 1
.000
田

..~に 1 回

5
.
3ヶ月に 1団
6半年に 1固
7
.
1年 に 1回
B過 去 1年なL
合計
欠湖面唱

鹿島愛
嘗I
合
600.05725
530.05057
755 072042
750.07156
105 0
.
1
0
0
1
9
1048 1
.
0
0
0
0
0

水,.
1西 畢 栖 駅
2手 本 軍
3掴 磨 断 宮 駅
晴駅
4...
5本 竜 野 駅
合計

欠 刻 世4
57
.
.
5水.

50

日水.
.
.
刷用者噌対軍

5平 円 の 負 担 金 の 応 鐙

1万 円 の 負 担 舎 の 応 鐙

2平 円 の 負 包 含 の 応 諾

9鍾廠健を刷用ずることはた浜口

σ

8そ 別
詮

7理責稽防で半留園町二

u 厳重宝を若やして座れるように
530公に 1
本包皮の軍行事般の噌但
4厳 駅 の " .

3
断宮官11:00
車場""隈腐化

・

2各駅での,<スとの線級

1西屡緬ー千本駅前の駐車喝畳0

合印刷目白日制白山田印

刷問団四四叩叫叩何回叩

敏 H H 口 田 川 崎 日 岬 日η 倒
置1352

k

緬軍

駐 幽 明 肺 肝 れR U

四四

器削同司即時

同枕削砧出

一吋祉団置咽一伸梓胴

誌開問仲間間崎町

湖西各断断拍車置そ健制
調123S44

i

lU
<
I

水撃

、

"立L

2いいえ
合計

欠'"値N

置阻

割合

240024870
72507513白
96510口00
口
,
.
0

2水
島
匹

t
;、

水
四
匹
1
.
Il

Zいいえ

会針
欠調iIN

2ホ
ヨ
匹

置瞳

割合

81034615
153065385
2
3
4 1000日
8
7
1

ホ,.

直置

合計
欠盟!IN

割合

196027147
526072653
7
2
2 1
.0
0000

\(;t~、

2いいえ

・
3
白

2男t

図 5]R
姫新線の利用状況ならびに利用回数増への対策に関する質問の集計結果

3. JM Pによる C V M評価と支払意思額の分析
多くの住民意識調査では、回答者の負担を考えて、行政課題の評価項目に対する満足度や重要度は、リッカ
ート尺度や SD尺度を適用して測定されることが多い。しかし、住民意識調査の結果として重要度が高し吃評価
された項目で、あっても、その評価項目を改善するための施策を立案・実施しても、その施策によって提供される
サービスの利用者が少なく、事後の行政評価によってその施策が問題とされる皮肉な結果となりかねないケース
がよく発生する。特に、地方におけるパス・鉄道などの公共交通体系の維持とサーピス水準の改善については、
不満度と重要度がともに高く、 CSポートフォリオ図を作成すると多くの自治体で「重点改善分野」に分類される。
しかし、パス・鉄道事業者に働きかけて増便を図ったり、コミュニティパスを走らせたりしても、利用者が住民意識
調査から推定される想定数よりも少なく、採算が合わずに減便や路線廃止に至るとしづ事例が散見される。
そこで、本研究では、満足度や重要度を単純に 3段階から 7段階程度のリッカート尺度や SD尺度などの擬似
間隔尺度で測定するのではなく、一般の住民を対象とする質問紙による郵送調査で、 CVMの手法を適用して
ダイレクトに金銭評価に換算して評価項目の満足度や重要度を測定することの可能性の検証を試みた。
まず、質問に対する有効回答についてであるが、無回答が 1
4
0件 (
1
2
.
7
%
)、一部分の質問にしか回答してい

3件 (3.9%)存在した。また、年間支払金額を月間支払金額と誤解して記入したと思われる回
ない部分回答が 4
答が 7件 (
0
.
6
%
)、図 2
(こ示すように 5千円の負担の可否に応じて 2:
9'Jに分かれて回答するのに両列で、回答して

0件 (
5.4%)存在したが、支払金額などの回答を参考にしながら選
いる回答や矢印の指示とは矛盾する回答が 6
択を修正した結果、全ての回答で論理矛盾が訂正でき、有効回答へと含めることができた。この結果、質問に対
する有効回答は 9
4
8件 (
8
5
.
8
%
)となり、回答者にとっては剛染みのない面倒な質問ではあるが、関心の高い評

4
2
1一

413.
[beta]
支払童恩顧{自由図書)

2        

支払章思額{巨分}

50000

'
.
1
1遣は必要だが負但金に反対

40000
30000

2
.
1
裏遣は必要品、

∞

:
1
コ
2 00‑

曲。。苧===

t

!もっと安ければ負飽

置数

モーメント

度数

ホ
'
" すわut負担
1もっと安 I
2
.
1
1
週i
拍
1
I
f
.
i
1
、

3. ø.~置は必望だが負但金に反封

合計

欠刻面,

5邸

度散

割合
490.09423
750.14423
396 0.
76154
520 1
.
0
0
0
0
0

平均
楓車偏差
専問の温事績差
早鈎の上.師、信鳳鼠界
専問の
問、信組限界

N

.
τ

ホ
'
"
o

4
1
8
0
.
7
4
1
4
44215049
1
8
8
.
0
2
1
5
1
4
5
5
0
.
0
6
6
6
3811.4162
553

2000
5000
10000
合計
欠刻fIN

3ホ皐

 6 自発的支払額の集計結果

度1
1

割合
123 0.
22242
35443
196 0.
27667
153 0.
8
1 0
.
1
4
6
4
7
5531.0
凹叩
5
5
2

"
"

.

価項目であれば、かなりの有効回答率を期待できることが示されたと言えよう。

2千円負担金拒否
デ、ータのクリーニングを実施した後、自発的支払額を集計した結果を図 6に示す。図 6 1
理由」の度数分布表に示している「鉄道は必要だが、負担金で増便をすることには反対である」の回答が CVM
における抵抗回答(支払手段に反対であるなどの理由で示されたシナリオに納得できないために支払意思額を
0とした回答)と呼ばれるもので、今回の調査では 3
9
6件存在し、有効回答のうち 41
.8%を占めている。この抵抗
1
8
0
.
7円となり、中央値は 3
000円で、あった。
回答を除いて自由回答形式の支払意思額の平均を計算すると 4

ちなみに、姫路駅と播磨新宮駅間の運賃は片道 400 円であり、平均支払意思額は年間で 5人分の姫路駅・播
磨新宮駅間の往復の乗客増に相当する金額となる。なお、自由回答形式の支払意思額のヒストグラムは図 6
に示すとおりで、最高は 50
0
0
0円であった。
「支払意思額(自由回答)J
一方、自由回答で支払意思額を記入してもらう前までの図 3の質問群は、二段階二肢選択方式と呼ばれる方
法で、支払意思額を問う質問となっている。この方法による支払意思額の度数分布表は図 6の「支払意思額(区
に示すとおりであるが、このデータに対しては、ある基準の時刻からある目的の反応が起きるまでの時間を
分)J
分析対象とする統計手法である生存時間分析を適用して受諾率曲線(生存関数に相当し、任意の提示金額で
回答者がこの金額を受諾する確率を表す曲線)を推定することできる。 JMPでの手順は、以下のようになる。
A
)J
から「生存時間分析もしくは信頼性分析」を選択し、さら
①対象となるデータテーブルを聞いた上で、「分析 (

に「生存時間分析/信頼性分析」を選択する。
Iの選択」に示される変数名リストから支払意思額が入力されている変数を選択し、
②ダイアログ万インドウの「タJ

I
Y・イベントまでの時間」に割り当てて、 IOKJボタンをクリックする この操作により、図 7のようにノンパラメトリッ
O

ク法による受諾曲線が表示され、要約の部分には故障数として標本数が示され、平均と標準誤差も計算され
る。また、分位点の部分には、中央値時間として支払意思額の中央値が示されている。
③さらにパラメトリック法 (CVM 分析でよく用いられるワイブル分布による当てはめ)による推定を行う場合には、

I
K
a
p
l
a
n

M
e
i
e
r法によるあてはめ」のタイトノレの左にある赤色の Vをクリックし、表示されるオフ。ションの中から
I
W
e
i
b
u
l
lのあてはめ」を選択し、続いて同じオフ。ションの中から「分布のあてはめ」を選択する。この操作により、
ワイブル分布による当てはめの結果と推定された受諾率曲線が一番下に表示される。

)
買であり、 CVMでは、受益者数(あるいは受益世帯数)に推定された
以上が JMPでの受託率曲線の推定の手1
平均値を乗じて全体の支払意思額の推定値を求めることなる。
しかし、今回の研究では、調査対象は新宮町の自治会に加入してしも全世帯であり、姫新線の沿線をカバー
しておらず、しカも、政策評価に CVM による金銭的評価が利用できなし、かを検証することが研究目的であるた
め、特に全体支払意思額の推定は行っていない。その代わりに、自由回答形式の支払意思額を用いて、①支

‑422‑

414.
[beta]
グループ

11000

      わO
1
2
3
0
.
7
7
7
5
7
7

パラメータ
Lambda
D
e
J
t
a

推定咽
下圃95

 骨9
5私故障盟主
8.5495248 6.4690537 8.6090293
5
5
3
0.5968963 0
.
5
5
6 2 0.6423403
5
5
3

WeibuJlパラメ‑;推定値
α=e:
op(A)β=1ノ占のときの極世に等 LC'

パラメータ
Alpha

B
e
t
a

p
a
r
t
i
a
l法で重回帰分析を行うため、名義尺度の説明変数で異な

要約

る偏回帰係数の推定値が得られることになる。この点も確認する

組み合わせ

尺度のままで重回帰分析を行った推定結果を、 3番目と 4番目

9000

時間ゼロにおける故障

られる m
a
r
g
i
n
a
l法によるダミー変数付き重回帰分析が行われる。

変数を作成して重回帰分析を行った推定結果を、 2番目に名義

7000

ィベ予下孟ーでの時間支払章思額{区分}

組み合わせ

ことを含めて、表 1には、最初に名義尺度の説明変数にはダミー

5000

支払草思額{区分)

極値パラメ‑;推定値

の水準ごとに 0あるいは 1の値をとるダミー変数を設定する



3000

自動的に最後の水準に一 1、その他の水準には 0とIが割り当て

ただし、一般的には、基準となる水準を設定した上で、基準以外


+


一︑且﹁一一

また、重回帰分析の結果は表 1
に示すとおりである。 ]MPでの
重回帰分析で、は、説明変数が名義尺度で測定されていれば、



o1000




‑口口二
回ブ二

日ツ二

う傾向が明確に示されている。

h析
一﹁

重要度評価よりもさらに鉄道沿線で平均支払意思額が高いとし、

目︑

重要度の平均スコアの主題図と評価のパターンが似ているが、

nv&+
﹄‑:
af

図8に示すとおりであり、図 4に示した ]R姫新線の充実に関する

ー﹃分一か 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
n‑F7000000000c

た。地理情報システムによる地区別平均支払意思額の表示は

v
R

平均支払意思額の地理情報システムによる表示、の 2つを試み

h 平一冊捻制

払意思、額を個人属性で説明する重回帰分析、②4
7の地区別の

グループ

9
"

9
"

推定値
下個
上倒
鮫陣数
5164.2997 48612636 5480.9259
553
1
.675333 1
.5568071 1
.7984254
553

故障盟主打ち切り量
平岡
553
0 3556.96

掴準昌差

1
3
6
.
7
9
8

分位点
グループ

中灸岨時間

20

組み合わせ

下国9 " 上 個95 25 身命J5も斉命
2000
2000
2000
5000

分布のあてはめ
~I.D

笠0
.
9
ν0.8
~O.7

=0.6

には、それぞれ鉄道充実の評価尺度に対する重要度評価と満

.
dO.5
,
!O
.
4

量0.
3

足度評価を擬似間隔尺度で、測定されたものとみなして重回帰分

0
0
9
2

o 2000 4000 5000 800010000

4主

0
.
1
制0
.
0

0

析を行った推定結果を示しである。

E
o
2
主弘章思顧{区分}

重要度評価では、利用頻度が少なくとも 11年に 1回」以上で
あれば全ての利用頻度において 1%有意水準でプラスの偏回帰

国 7 生存分析による受諾率曲線の推定

係数が有意となっており、同様に満足度評価では「通勤・通学
定期利用」と「月に 1回」から「半年に 1回」程度の利用者で、マ
イナスの偏回帰係数が 1%有意水準で、有意となっている。しか
し、支払意思額では、回答者の職業では「農林水産業」、家族
構成では「中学生」がいる世帯、利用頻度では「週に 1回」の
利用者で、偏回帰係数がプラスで、有意となっており、重要度あ

,
サIr
I

るいは満足度と支払意思額を規定する要因の構造に違いが
あることが示唆されている。しかし、鉄道利用頻度に最も影響

噛 前v

'
"

を及ぼすと考えられる車の運転に関連する属性、たとえば運
転免許証の有無や自家用車の有無ならびに台数などに加えて、

図8 地区別に示した平均支払意思額

支払意思額の多寡に影響を与えると考えられる世帯収入も質問しておらず、その結果として自由度調整済み決
定係数の値も低く、今回の分析ではこれ以上の結論を引き出すことはできないc しカも、非説明変数に用いた支
払意思額は、 Oで検閲されているセンサーされたデータであり、 OLSで推計することはできない。本来ならばトー
ピットモデルなど、を用いて推計しなければならないが、これらは今後の課題としたい。

4. おわりに
本稿では、地方自治体での政策評価を行う際に、これまで、の主流で、あったリッカート尺度や SD尺度を用いた

4
2
3

415.

表 1 支払意思額および重要度・満足評価の回答者属性への重回帰分析 支払意思額 乗 自 由 度 読 整 R2 オブザベーション 工 頁 切片 西地区 地 東地区 域 北地区 南地区 男性 30歳 代 以 下 0歳 代 年 4 齢 5 0車 代 60歳 代 農林水産業 自営業 会社員 職 公務員・団体務員 業 専門・技術的機業 パート・アルバイト 無職 学生・その他 乳児 幼 児 (1‑3歳) 家 幼 児 (3‑6歳) 族 小学生 構 成 中学生 高校生 65歳 以 上 の 人 通勤・通学定期利用 還 に 2‑3回 和l週 に 1回 用 月 に 1困 頻 度 3ヶ月に 1回 半 年 に 1回 1年 に 1回 支払意思額 重要度 0 . 1 3 2 9 0 . 2 1 1 2 0 . 1 3 2 9 389 6 9 7 389 t 値 t 値 推定値 推定値 推定値 t i 直 5 . 1 4. . 2 . 2 0. . 4 8 8 4 . 2 6 . 47 3 . 1 8 6 2 1 2 8 5 7 . 9 1 .9 7• 9 3 6 . 0 0 . 0 5 7 3 2 . 1 1 .08 0 . 0 0 5 4 ‑ 5 4 5 . 1 0 . 0 6 7 5 0 . 5 6 7 4 9 . 0 1 . 0 0 1 .0 3 ‑ 3 8 . 6 0 . 1 5 7 0 一 ‑ 2 4 2 . 5 0 . 3 5 1 .39 0 . 0 8 0 . 5 2 ー5 5 6 . 1 0 . 9 9 0 . 0 6 2 6 ‑ ー7 6 0 . 0 0 . 9 8 ‑ 0 . 0 6 0 2 0 . 5 6 0 . 6 5 2 0 7 . 6 0 . 6 5 4 1 5 . 2 1 .0 5 2 9 4 . 1 0. 40 0 . 1 9 7 9 1 .03 1 2 3 4 . 3 5 4 3 . 1 0 . 2 7 0 9 1 .64 1 4 83 . 4 1 .49 0 . 9 5 1 .96 • 7 9 4 . 5 0 . 0 1 9 4 0 . 1 3 1 7 3 4 . 7 1 . 5 5 0 . 0 3 . 3 5 6 91 .5 ‑ 1 .38 0 . 0 0 3 2 2 4 8 . 8 0 3 . 0 8. . 3 3 . 2 6. . ‑ 0 . 3 0 2 4 0 . 5 0 . 0 6 8 5 ‑ 3 9 7 6 . 1 0 . 6 0 0 . 8 1 1 1 0 . 5 8 4 6 . 1 0 . 1 5 0 . 1 0 5 2 ‑ . 3 3 1 0 71 .4 ‑ 0 . 0 2 9 3 0 . 1 8 3 3 5 . 8 ー0 1 .6 3 .2 0 . 7 8 ‑541 0 . 6 0 0 . 1 7 3 1 ‑ . 1 6 1 9 4 . 4 0 0 . 3 6 0 . 1 4 ‑ 9 1 3 . 5 0 . 0 8 0 1 ‑ ー1 7 7 .9 0 . 9 2 ‑ 1 4 8 5 . 6 ‑ 0 . 2 6 5 0 ‑ 0 . 8 1 1 . 76 7 5 0 . 0 1 .9 5 ‑ 0 . 1 2 7 5 0 . 8 3 ー7 3 5 . 6 241 .3 0 . 2 6 1 .04 1 8 9 0 . 6 2 6 2 6 . 2 1 .30 1 .1 1 0 . 1 4 5 8 0 . 5 2 0 . 6 3 8 3 9 . 3 0 . 6 3 0 . 0 1 0 5 0 . 0 5 8 3 9 . 3 1 3 1 2 . 9 ー 0 . 8 0 1 3 1 2 . 9 1 .3 7 1 .37 0 . 1 2 2 8 1 0 4 4 . 9 1 .2 1 1 0 4 4 . 9 1 .2 1 0 . 1 6 4 2 1 .28 1 .90 1 2 2 6. 4 1 .9 0 0 . 0 8 9 8 0 . 8 5 1 2 2 6 . 4 ー . 2 1• 0 . 1 8 . 2 1・ ‑ 1 4 9 6. 4 2 0 . 0 2 2 0 ‑ 1 4 9 6. 4 2 0 . 1 6 5 0 0 . 5 7 4 1 0 . 5 0 . 5 7 1 .33 4 1 0 . 5 2 7 3 . 9 0 . 1 8 2 1 0. 41 0 . 41 1 .6 5 2 7 3 . 9 7 . 1 1. . . 5 7 331 .3 6 7 8 . 0 0 . 4202 0 . 3 4 1 3 . 7 8. . 7 8 8 . 4 0 . 5 1 441 . 7 0 . 3 4 1 .2154 5 . 7 0. . 41 • . 2 5. . 2 2. 1 .4200 7 0 2 . 6 3 0 4 9 . 3 2 8 . 6 1. . ‑ 6 8 0 . 8 ‑ 3 3 4 . 2 1 .0 3 1 . 19 9 1 0 . 3 9 8 . 3 9. . 1 0 2 . 1 0 . 5 4 0 . 1 6 1 . 1660 4 4 8 . 8 8 . 1 9. . 8 2 7 . 5 ー 0 . 9 0 8 8 0 . 7 0 1 .6 7 4 8 0 . 8 2 . 6 7. . 0 1 7 2 2 . 7 . 5 7 0 0 1 .6 7 4 . 5 7" 1 3 7 6 . 0 ー 満足度 0 . 1 5 9 7 697 推定値 t f 直 3 . 3 3 •• 2 . 5 3 6 0 1 2 . 9 0. . ‑ 0 . 3 0 4 1 ‑ ー0 . 1 7 3 7 1 .60 1 .2 1 0 . 1 2 5 2 0 . 0 4 4 9 0. 41 ‑ 0 . 0 8 6 0 一 日. 8 8 2 . 6 5. . ‑0. 4628 ‑ 2 . 2 1• ‑ 0 . 3 3 3 2 ‑ 0 . 7 0 0 . 0 9 4 8 0 . 0 5 3 0 0. 49 0 . 3 0 8 5 1 .4 6 0 . 0 4 4 8 0 . 2 9 0 . 1 6 6 5 1 . 10 ‑ 0 . 2 3 8 4 1 . 16 ‑ 0 . 0 1 0 1 0 . 0 5 ‑ 0 . 0 2 7 9 0 . 2 0 0 . 2 0 1 8 1 .4 5 ‑ 0 . 1 1 4 2 0 . 45 ‑ 0 . 1 6 5 9 0 . 8 4 0 . 0 5 0 4 0 . 3 6 0 . 3 3 0 . 0 3 8 3 ‑ 0 . 0 2 6 3 ‑ 0 . 2 8 0 . 2 7 0 . 0 3 0 6 ‑ 0 . 0 7 9 4 0 . 7 1 ‑ 0 . 0 9 6 0 0 . 9 6 6 . 8 4. . ‑ 1 .2 4 7 1 ‑ ‑ 0 . 5 4 2 2 ー 1 .93 ‑ 0 . 1 9 5 4 ‑ 0 . 8 8 4 . 1 2. . ‑ 0 . 5 2 1 0 ‑ ‑ 0 . 5 7 5 9 ‑ 4 . 5 0" 1 ‑ 0 . 4 4 4 2 ‑ 4 . 3 8" ‑ 0 . 1 7 7 6 ‑ 1 .5 7 擬似間隔尺度による評価ではなく、積極的に政策のもたらす価値を比率尺度である金銭に換算して評価を行う ことの可能性を探るべく、 CVM の手法でローカル鉄道のサービス向上を評価する質問を組み込んだ調査を実 こなった質問上の不備や解析上の 施した。心配された質問への回答率もかなり高く、今後は、本研究で明らか l 不備の解消へと向けて、さらに地理情報システムを利用して住民に解析結果が理解しやすし、ように工夫をしな がら、真の意味での住民参加のまちづくりを実現すべく、本研究を継続・発展させていきたい。 謝辞 本研究は、平成 16年度 (2004年度)兵庫県立大学特別教育研究助成金の助成を受けて行ったもので、ある。 新宮町住民意識調査の実施にあたり、新宮町民の皆様にご協力をいただくとともに、調査票の配布と督促のお 願し、状の回覧に際して新宮町ならびに新宮町連合自治会から格別のご配慮をいただいた。この場を借りて、深く 感謝申し上げます。 参考文献 [ l J栗山浩一, W 環境の価値と評価手法1北海道大学図書刊行会, 1 9 9 8 . 環境と行政の経済評価 1勤草書房, 1 9 9 9 . [ 2 J肥田野登, w A 叫 A 叫 ワ 臼

416.

S A S Foru mユ ー ザ ー 会 J M Pを活用した住民意識調査データに基づく行政課題の 構造に関する計量的抽出法の検討 0鰐 青 T 有 馬 昌 宏 1 ) 11 向肇: ?兵庫県立大学応用情報科学研究科応用情報科学専攻 I兵 庫 県 立 大 学 応 用 情 報 科 学 研 究 科 修士課程 Howt oUs eJMPi nR e v e a l i n gI s s u eS t r u c t u r e fromaQ u e s t i o n n a i r eS u r v e yi naL o c a lCommunity oQingMiaot MasahiroA r ima1 HajimeKawamukai1 tG r a d u a t eS c h o o lo fA p p l i e dI n f o r m a t i c s,U n i v e r s i t yo fHyogo 1G r a d u a t eF a c u l t yo fA p p l i e dI nf o r m a t i c s, U n i v e r s i t yo fHyogo 要旨 「平成の大合併」と言われる市町村合併がピークを迎える中、行政と住民の聞はもとより、これまで異なる市町 村で、暮らしてきた新住民間で、の問題意識や情報の共有が重要な課題となってきている。住民意識を杷握するた めには、アンケート調査が行われることが多い。本稿では、住民意識調査などのアンケート調査を住民間での問 題意識や情報の共有に活用してして方法について論じた上で、 JMPの高度な統計処理機能やグラフ化機能を 活用して多様な住民意識を可視化する具体的方法を示す。本稿で提案・検討する多様な住民意識の可視化作 業により、住民が自発的に地域社会に潜在する行政課題に気付き、課題解決へと向けての住民間あるいは住 民と行政の協働としづ実際のアク、ンョンへとつながってし、くことが期待される。 キーワード JMP、地域経営、 c sポートフォリオ分析、主成分分析、対応分析 1.はじめに 自治体経営を巡って、今、大きな変化が生じている。明治期以来の中央集権型行政システムでは地域社会が 抱える多種多様な諸問題には対応できなくなり、特に 1 9 8 0年代以降に地方分権制度への移行が喫緊の政治的 課題として議論されるようになった。 1 9 9 9年 7月には「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する (地方分権一括法)が成立し、 2000年4月 l日付けで地方自治法をはじめとする関連法の改正が施行され、 法律 J 「地域の行政は、地域の住民が自分たちで決定し(自己決定)、その責任も自分たちが負う(自己責任)とし、う行政 システムを構築」するとともに、「全国的な統一性や公平性を重視する「画ーと集積」の行政システムから住民や することを目的として、新しい制度のもとでの地方自 地域の視点に立った「多様と分権」の行政システムに変革 J 治が始まった。この新しい制度のもとで自治を担うのは、それぞれの地域に住んでいる住民にほかならない。 この地方分権の推進の背景としては、 1 )地方分権を推進して個性ある多様な行政施策を展開するためには、 一定の規模・能力(権限、財源、人材)が必要であること、 2 )少子高齢化の進展のもとで市町村が提供するサービ )人々の日常生活圏が拡大するに伴 スの水準を確保するためには、ある程度の人口の集積が必要であること、 3 って市町村の区域を越えた広域的な行政需要が増大しており、新たな市町村経営の単位が求められていること、 4 )国・地方を通じて極めて厳しい財政状況にある中で国・地方とも構造改革の推進への対処としてより一層簡素 ‑425

417.

で効率的な行財政運営が求められること、 5 ) 1昭和の大合併」から 50年が経過し、時代の変化の中で交通・通信 手段の飛躍的発展などに対応して新たな市町村経営の単位が求められていること、などが指摘されている。 1 9 6 5年に制定後、 2度の延長改正を経て、 1 9 9 5年に大幅に改正された「市町村の合併の特例に関する法律」 ( I 日合併特例法)ならびにこの「平成の大合併」を推進すべく 2005年 4月に施行された「市町村の合併の特例等 に関する法律J ( 新合併特例法)のもと、基礎的地方公共団体である市町村はいわゆる「平成の大合併 jの大きな 流れに巻き込まれ、多くの地域で合併特例を目指す市町村合併が一挙に進み、自治体の行政区域が一挙に 拡大した。今まで、交流機会の少なかった別々の自治体の住民から構成される新自治体の中で、新制度のもと、 自治体内に生じる多種多様な諸問題を共通の問題として認識し、自らが解決策を決定するとし、う意識を地域住 民が本当に持てるのかどうか、今、この地方分権および住民自治の本旨に直結する問題が問われている。 ところで、地域社会に存在する問題を明らかにしたり、限られた予算の中で政策の優先順位を検討するため の基礎資料を得るための手段として、多くの自治体で住民意識調査などの名称でアンケート調査が実施され、 行政課題の抽出に利用しているとされている。しかし、住民の選好構造は、年齢、世代、性別、職業、家族構成、 世帯収入、ライフステージなどの人口統計学上の属性や社会経済的な属性によって異なっているだけではなく、 市役所や町村役場、公民会や文化ホールや図書館、病院や保健所などの住民サービス提供施設へのアクセ シビリティや道路ならびに鉄道・パスなどの公共交通網の整備状況などが、同じ自治体内でも、町内会・自治会 レベルあるいは小学校区レベルで、の地域で、異なっているため、これらの地域構造や地域特性を無視した回答 データの単純集計やクロス集計では、地域が抱える行政課題を正しく捉えることはできない状況にある。しかし ながら、従来のアンケート調査に基づく行政課題抽出過程では、これらの地域の社会構造や地域特性は無視さ れることが多く、個々の質問項目についての単純集計や性別や年齢などの基本属性との聞のクロス集計のみが 行われ、その結果は分かりゃすい形で住民に公開・提示されることは少なく、集計結果に対する住民の反応を フィードパックさせることはほとんどないままに、審議会・委員会や行政の幹部会などで政策が策定され、議会審 議を経た上で政策の実施が行われてきたとし、うのが実情である。政策評価に至っては、近年になってようやくそ の重要性が認識されはじめではきたが、具体的な評価方法が確立されていないために、その実施は一部の自 治体で試行錯誤的に行われてしもとしづ状況である。 そこで、本稿では、多くの自治体で実施されている住民意識調査などのアンケート調査結果をJMPの高度な 統計処理機能とグラフ化機能を利用して地域の行政課題の抽出や政策評価に活用するための方法について、 さらには抽出された行政課題や政策評価の結果を住民が関心を持っとともに理解しやすいように地理情報シス テムを利用して可視化して提示する方法について、その可能性および課題に触れながら、 JMPによる操作方法 も織り込みながら紹介する。 2 . 住民による住民のための地域社会マネジメントのための方法論 我々の研究グループは、今後の地方自治には住民自治の本旨に基づく 1 2 1世紀型自治体経営」とも、あるい とも名づけられうる新 は阪神淡路大震災からの復興経験に基づき兵庫県が提唱する「人間サイズのまちづくり J たな枠組みが必要であり、この枠組みを特徴づけるキーワードは、 l n f o r m e dD e c i s i o nby l n f o r m e dC i t i z e n s (知 識を十分に備えた公民による情報を十分に得た上での決定)"と「行政の効率化および成果改善」であると考え ている。民間企業と同様、自治体も一つの組織として意思決定と決定の執行品、う 2つの機能を担っているが、 地域住民の負託に基づいて形成される自治組織であるがゆえに、自治体では多様な価値観を持つ地域住民 の意思を公平に反映した集団意思決定が必要となる。また、決定の執行の面では、民間企業と同様に、効率性 と有効性の観点カもの事業や業務の見直しゃ組織の再編成が必要となる。 4 2 6

418.

行政の効率化と成果改善に関しては、市場メカニズ、ムの導入と成果に基づ、くマネ、ジメントを柱として、行政サ ービス分野の執行部門を独立させるエージェンシー化、公的部門を民間企業との潜在的な競争状態に置く市 場化テスト、 TQM(Tota1 Qua1ity Management)やベンチマーキング、品、った民間企業で、培われてきた経営手法 の導入などから成る NPル l(New Pub1ic Management)の概念が注目を集めている。しかし、効率化や成果改善の 対象となる事業や業務は予め設定されていた行政目標を達成すべく執行されるものであり、行政目標としての 政策を本来的に立案・決定するのは地域住民に他ならない。そして、政策の立案・決定の過程に関わるために C i t i z e n )としての意識を地域住民が持っとともに、地域住民が自らの は、自治体への権利と義務を有する公民 ( 居住する地域における問題を認識でき、また場合によっては問題解決のための代替案を設計しうるだけの必要 十分な情報と知識を得ている必要があり、決定に際しては政策の評価・選択のための情報と知識も必要になる。 S i m o n [ 8 Jは意思決定過程を情報(In t e1 1i g e n c e )、設計 ( O e s i g n )、選択 ( C h o i c e )の3つの局面に分類しているが、 住民自治を地域住民による地域的集団意思決定過程と促えるならば、決定過程への参加の公平性に加えて、 3つの局面全てにおいて意思決定過程への参加者である地域住民への情報提供と地域住民サイドでの知識の 蓄積が必要となる。このような視点から、地方自治体を構成する地域住民、地域住民の代表者としての地方議 会議員と首長、地域住民からの付託を受けて事業・業務を執行するとともに首長をサポートして政策立案にも関 与する自治体職員が、地域の現状を客観的かっ定量的に認識し、共通の問題意識を持ち、共通認識された問 題に対する解決策を共同で探って合意に達するための手段としての地理情報、ンステム (Geographic Information 2 1世紀型自治体経営」あるいは「人間サイズのまちづくり」を実現する System:GIS)の活用を、換言するならば 1 ための地域的集団意思決定機構としての I n f o r m e dO e c i s i o nbyI n f o r m e dC i t i z e n sthrough GIS"を提案する。 情報については様々の定義があるが、経済・経営学の観点から McOonough[7Jは、「データは特定の状況にお いてそれらの持つ価値が評価されていなし、メッセージで、あるが、情報は特定の状況における評価されたデータ に対する表示」であると定義しており、さらに知識を「情報の概念のより一般的な表現で、知っていることによって 役立つ事柄の全般的貯蔵あるいは蓄積を意味する」と定義している。この定義によれば、我々の情報活動とは、 時々刻々と五感を通じて外界から入つてくる多種多様で 価而し、評価しなかった残りの大部分 場所やや,情況や知識水準などでで、規定される問題意識に応じてその一部を評 f のデータを棄却してして過程であると説明できよう。問題意識がなければデータは情報とはならないし、フローで ある情報とストックで、ある知識の蓄積水準によって問題意識は変化する。そして、問題意識が共有されていない 3 Jによれば、現在の状態あるい かぎり、個人間での情報の共有はありえないことになる。一方、問題とは、川瀬 [ は「このまま進めばこうなる」としづ将来の状態(現実)と「こうありたしリとか「こうあって欲ししリとし、う望ましい状態 (目標や理想)との聞に横たわるギャップであると定義される。住民は、意識的にせよ無意識的にせよ、自らが住 む地域についての理想を頭の中に描いている。ただし、住民の描く理想、は、情報活動を通じて認識・把握される 現状との相対的な関係によって決まるものである。 一般に住民が認識する現実は、日常の地域での生活空間が自治会・町内会レベルからノト学校区レベルに限 定されることが多く、住民が日常生活から獲得する情報は具体的で、リッチではあるものの、きわめて狭い空間的 現象に関するものになりがちである。しカも、住民間で、は価値観や問題意識や活動範囲に差があって獲得され る情報に偏りが生じ、現実の認識・把握も主観に強く影響されたものとなる。さらに、育児、教育、雇用、高齢者 福祉、産業振興、環境保全など、の住民生活に関連する政策分野についての住民の関心領域も、住民の年齢、 性別、職業、家族構成などによって特定の政策領域に限定されがちになる。そのため、個々の住民が設定する 或的か 地域社会の目標や理想、あるいは自治体への要望・要求(行政ニーズ、)は、空間と政策領域の両面で狭J っ主観的なものとなりがちとなり、その結果として住民間での情報共有が阻まれ、このことが住民自治を展開・推 ワ t A斗企 ワ 'U

419.

進してして上での障害となりうるのである。 我々の提案する住民主体のまちづくりが有効に機能するには、第一に、地域住民が現実を的確かっ客観的 狭域的で主観的になりがちである。一方で、自治体の保有する情報は、空間と政策領域の両面で、広域的かっ 客観的ではあるが、セクショナリズムの弊害や情報のリッチさに欠けることなどから自治体職員の総合的な問題 意識の形成にはつながりにくい。また、住民起点の地方自治を考える際には、地域エゴや利害集団関の対立と いった住民自治を阻む問題が発生しやすく、この問題に対して、解決のための有効なアプローチや枠組みを検 討しておかなくてはならない。 我々は、この解決のための有効なアプローチあるいは枠組みとして、地理情報システムの技術と「公共」の概 念が鍵となると考えている。「公共」の概念に関しては、さまざまな概念、が示されているが、我々は、 NPOに典型 6 ]の説く公開性と共 的に見られる市民が自らの力で、作り上げる公益的な活動を理論的に支えるハーパーマス [ p u b l i cs p h e r 巴 )J 概念に注目している。「公共圏」では、情報 同性を組織化原理とする意味空間としての「公共圏 ( を共有し、そして問題意識を共有するためのコミュニケーションが必要となる。このコミュニケーション活動を可能 にするもととして我々が注目するのが地理情報システムである。すなわち、何らかの意味での公共の存在を明確 C i t i z e n )としての住民が、地域社会における問題を共通認識できうるだけの必要十分な情報と に意識した公民 ( 知識を持つこと、換言するならば fGISによる地域情報と判断に必要な知識を十分に有した公民 Onformed C i t i z e n ) Jの存在が、住民起点の地方自治の前提条件となるのである。 3. パイロットスタディの概要 我 々l は 土J 、勺 n ぱ 江 1 山 由 f o r 口 rm巴 吋 dD e c i s i o nbyI n f o r m e dC i t i z e n st h r o u g h GIS 立大学「人間サイズズのまちづづ、くり研究会」を編成し、兵庫県揖保郡新宮町 ( 2 0 0 5年4月 1日現在で人口 1 6, 9 4 8人 、 P 5, 2 2 4世帯)をフィールド・に選定し、新宮町役場ならびに新宮町連合自治会の協力を得て新宮町住民意思調査 0 0 4年度に実施した。性別、年齢、居住地域 ( 4 7の自治会別)、職業、家族構成、居住年数の基本属性を問う を2 質問の他に、日本全国のさまざまな自治体で実施されてきた住民意識調査を参考にしながら、一般の質問紙に A n a l y t i c a lH i e r a r c h yP r o c e s s :階層意思決定法)、 C V M( C o n t i n g e n tV a l u a t i o n よる住民意識調査での AHP( Method:仮想市場法)、およびコンジョイント分析の適用可能性も検証すべく、①住民生活やまちづくりへの参 5にわたる評価項目に対する満足度と重要度、② 6つの評価分野の重要度の相対評 加などに関する 6分野の 5 J R姫新線の利用状況と利便性向上策ならびに便数 価と絶対評価、③通勤・通学・通院・買物などの行き先、④I 増の金銭評価、⑤仮想的な政策の組合せの順位付けによる評価、を問う質問から構成される A4サイズ8ページ 0 0 4年 1 2月第 1週に自治会を経由して自治会に加入する 4 , 8 1 0世帯に調査票を配布し、郵 の調査票を設計し、 2 0 0 5年 1月中旬で回収を締め切り、最終的に 1 , 1 0 5世帯からの 送で調査票を回収する方法で調査を実施した。 2 2.97%で、あった。地方の町村で自治会を経由してアンケート調査を行う場合に 回答が得られ、有効回収率は 2 2月中旬に回覧板による督促を行ったにもかかわ は一般的に回収率は高くなると予想されるが、今回の調査は 1 らず回収率が低く、原因として年末年始の繁忙期に調査を行ったことに加えて、回答に手間取る AHP、C V M、 コンジョイント分析とし、った住民意識調査で、は馴染みの薄い調査手法による質問を入れたことが考えられる。 4. 行政課題の抽出 4. 1 単純集計とクロス集計 表 1には、住民生活やまちづくりへの参加などに関する 6分野の 5 5にわたる評価項目に関する有効回答率と 9 5 2年に現在の新 満足度・重要度の平均スコアを全町ならびに町内 5地区別に示してしも。町内 5地区とは、 1 428‑

420.
[beta]
 1 評価項目見)
1の;満足度と重要度評価
評価項目名
11路線パス(神姫ノ〈ス)ゐ充実(路線充実・使数川加)

21
コミュニティパスの充実(路線充実・便数増加)
31
  UF
リ臣新線)の充実(便数増加)

81
.4
81
.8
8
3
.
6
8
6
.
5
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6
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2
8
3
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9
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7
.
0
8
5
.
4

8
6.
4
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3
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7
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3
.
3
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5
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3
8
9
.
3
5
4
.
9
5
3
.
3



8660427
9780119
7778887

8
5
.
1
8
4
.
9
8
7
.
8
8
5
.
9
87.
4
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6
.
2
8
6
.
0
8
6
.
6
8
3
.
4
83.
7



1
M
一M     川ω 川一四仰山叩仰山一一一仙川



9
2
.
8
9
0
.
0
9
3
.
7
9
1
.
8
8
6
.
6

荷項百

重乏度

平均スコア
l 有効
西地区 l中   l東   l南地区 l北   l回答率
3 ζ
3
.
1
2
3
.
0
7
8
3
.
3
2
.
9
9
3
.
0
9
3
.
1
5
3
.
2
9
3
.
6
0
3
.
3
7
8
1
.
5
3
.
3
7
3
.
7
9
3
.
9
7
8
6
.
7
4
.
0
4
4
.
0
8
3
.
8
8
8
6
.
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5

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1
5
1防犯面での安全性の確保
I
G1
消防・枚魚体制の愛情・充実
171            
1
8
1水平緑などの自然の豊かさの保全と活用
1
9こ.み収臨・ごみ処理体制の充実
201自治会館などの 9近な集会施設の暫{眉・充実
 1
211保守施自主や子育て支援サービスの充実・強化
1~~ 1
保健サービス(険診・千防接袖・健康相談なと)の充実
1231高齢者の協祉リーピスの充実・強化

1211障害者の樋祉サービスの充実・強化
五│お│病院・斡練所などの医療償問・医療怖抑充実
1261高齢者福祉縮設(老人ホーム・デイケアセンターなど)の幣備
1271        
281小学校の教育鳩伝・註備の充実
291小学校の教守内容の充実
301中学校の教育胞訟・設備の充実

1311
中学校の教 '
.
1内容の充実
五│詑│小・中学校の地域との連携の強化
1331高校・大学への通学のしやすさ
1341背少年の健全 成
1~叶図書館・公民館など生涯学習用の社会教守施設の墜備・充実
1361文化教室干高齢者大学など生涯学習プログラムの充実
371スポーツ・レクリエ ‑'/.1ン格設の控備・充実
381MlJiづくりや余 9p~ 活勘のスポーツプログラムの充実
391地核独自の行事や歴史遺産の保存・活用
401地成外から人の集まる祭やイベントの究実
411農林水産業の仮輿(後継者行成・生産基鍍盤備な 8
121地場産翼の育成左特産物の振興
 1431中小企業の育成や起業の支援
 1111新たな企輯誘致や新産業のかl

 1451地雄内での服用の確保
 1461商業振興平日常の買物の利便性の向上
471飲食・娯楽施位の充実
481観光資源的活用
491近所づきあいやコミュニティ活動の促進・充実
環境美化や環境保全などの住民活動の推進
住1 1

人権教育や男女共同参画社会づくりへの住民審加の推進
~1521 行政の情報提供・情報公開など mJかれたまちづくりの推進
政策立案な Eの行政への住民参加の推進
54100際交流や姉妹都市交流など広域的な交流活劇的促進
出│ボランティア活動への参加や資金侵助による支民
l
お住まいの地域の総合的な満毘度
5
5項目
総合的だ満足Ii'争含む全項目

満足度
平均スコア
l有効
西地区│中地区│東地区 1
       l回  
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一Mmmm 山一山川mmmmm   川mmm 山一間

上水道の繋備
 1~ 1
:
;
:
:15 1
下水道の整備
幹線道路網の整備
 1~ 1
 1: 1
身近な生活道路網の整備
18 1
魅力ある住宅地や住環境の投倒
91
>!Il場整備や区画整理などの計画的土地利用の促進
1
0
1情報通常基盤の充実(高速インターネット績続や燐幣 t
電話通話)
lI
1バリアフリー・ユニバーサノレデザインの推進
1
2
1歩行者や自転車の交通安全の確保
131騒音・仮動・大気汚染などの公害対策の充実

有効
回答率
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421.

重要度 満足度 商車撮興や日常田買明日 " ' 1便性の南よ 商業医興や日常の買物の‑1'1 唖性田向上 図 1G ISによる住民意識調査結果の地区別表示例 宮町が合併で誕生する前の行政区域に対応するもので、中地区が旧新宮町、西地区が旧西栗栖村、東地区が 旧東栗栖村、北地区が旧香島村、南地区が旧越部村に対応しており、播磨科学公園都市の開発が続けられて いる西地区の一部を除き、小学校区もこれらの地区に対応している。今回の調査では、満足度と重要度につい 5 .満足 1・1 4 .やや満足」・ 1 3 .普通」・ 1 2 .やや不満」・ 1 1.不満 j、 ては、リッカートの評定尺度(満足度については 1 5 .重要 1・1 4 .やや重要 j・1 3 .どちらとも言えなしり・ 1 2 .あまり重視しなしリ・ 1 1.重視しない J )に 重要度については 1 基づいて評価しようと試みたが、全ての項目を評価した回答者は全回答者のうちの 47.2%とほぼ半数で、満足 9 5 . 0 % )と最低の[中小企業の育成や起業の支援 j 度については最高の「ごみ収集・ごみ処理体制の充実 J( ( 81 .4%)の問で 1 3 . 6 ポイントの回答率の差が、重要度については最高の「鉄道 O R 姫新線の)の充実(便数増 J(90.0%)と最低の「中学校の教育内容の充実 J(80.5%)の問で 9 . 5 ポイントの回答率の差が認められてい 加) る。これらの評価項目問での満足度と重要度の回答率の違いは、ある意味で評価項目に対する回答者の関心 のレベルを反映しているものと考えることができよう。 5 項目と「総合的な・満足度」について、評定尺度の平均スコアを計 ところで、表 1には、町内 5地区別に評価 5 算して表示してあるが、評価項目に影響を及ぼす施設からの距離や評価項目が示すサービスを家族が享受し ているかどうかなどの違いを反映して、地区間でかなりのばらつきが認められる。そこで、 GIS( E S R I社の Arc GIS及 び 3DAnalyst)を利用して、図 1に示すように、地区別に平均スコアを色分けして表示するとともに、 3D 化して表現してみると、地区別の特徴が一目瞭然で理解することができる。 GISでの表現方法については紙幅の都合で省略するが、地区別に平均スコアを計算するには、九1 Pで「テー 5 の満足度ならびに重要度に対応する変数を選択した上で、「統計 プ/ レ j一→「要約」と選択し、変数リストから 5 量」ボタンをクリックして表示されるドロップターウンメニューの中から「平均 jを選択し、最後に変数リストで地区名 5 の評価 が入力された変数を選択した上で、「グループ化 jボ、タンをクリックすればよい。この操作で地区別に 5 項目こ、との満足度と重要度の平均値が計算されてテープ.ルが作成されるので、これをG ISソフトに統計データと して引き渡すことにより、図 1に示すように満足度と重要度の地区別の違いが住民にとって分かりやすい図として 簡単に表現することが可能になる。 5 の評価項目について、満足度と重要度の各評定尺度値の相対度数をグラフ化した図を示 また、図 2には、 5 している。この図を作成するには、次のような手順に従って作業を進めればよい。 ①相対度数分布表の作成 データテーブルを聞き、「テープ、ル ( T )J→「列の積み重ね」を選択し、安J Iのリストから相対度数分布表の作成 5項目の満足度について満足度 0 1から満足度 5 5として変数名をつけているの の対象となる変数にこでは 5 430‑

422.

重ね合わせ " jkJF4γャ 同324a351 0・", E2sh s a 比事 M 押日押暗 ‑ "-守 ",,'0,... " ' . . . . . . . 0 O~N'" マ'" " ". . . 0> '" 0 ̲ ~, ".,守的.o....a. " ' O ̲ 何回"".,....",,,,, 0 ← 何 n マ ・0 0 ̲ ω 門 守 " 一一一ー一一一一ー‑ ωωωω N " 円 内 門 円 円 ‑‑円円円守ママママ守ママママ"''''''''''''的" 重担合わせ o s 1 手 一一量 1 1 やや置要 一どちもともL 、えは L 、 あ Zり量 t lVu' 貴f l V . .い 図2 5 5の評価項目に対する満足度と重要度の相対度数の折れ線グラフ で、満足度 0 1から満足度 5 5までの 5 5変数)を選択し、「追力日」ボタンをクリックして「積み重ねる列」に設定した Iの積み重ね」ボタンをクリックする この操作によって、[元 上で、「出力テーブル名」に適当な名前を入力し、「要J O のテー 5列を追加し、それぞれの列に、「満足」から「不満」までの列名を付けるものとする)。その上で、追加した 各列、「積み重ね JJ " J Iの値がその列の回答選択肢番号に該当すればしそうでなければ0 |房み.æ'~== 5 ' ,= >1 となるように計算式を入力する。例えば、回答選択肢番号が 5の「満足」の列の計算式は、 e l s e コD 右のようになる。また、他の回答選択肢に対応する計算式は、この計算式をコピーして複写の上で、計算式の中 の回答選択肢番号だけを変更すればよい。ここまでの準備作業を終えた上で、このテーブルに対して、「テーブ ル(工)J →「要約」を選択し、要J Iのリストから回答選択肢に対応して追加した列にこでは「満足」から「不満」までの 5つの列)を選択の上で、「統計量」ボタンをクリックし、ド、ロップダ、ウンメニューの中から「合計」を選択する。次に、 変数リストの中から IID(r元の列のラベル」で設定した名前)Jを選択して、「グループ化」ボタンをクリックし、 10 KJボタンをクリックする。この操作によって I (対象となったテーフ寸ルの名前)の要約 (ID)Jとし、う名前で新しいテ ーフ守ルが作成され、このテープ、ルに、相対度数分布表の作成の対象となる変数にこでは満足度 0 1から満足度 5 5までの 5 5変数)に対して、度数分布表が作成される。相対度数分布表を作成するには、要J Iを追加して、計算 式で IIDJの列の隣の INJの列を分母として相対度数を計算する式を定義して、この計算式を適用すればよい。 ②折れ線グラフの作成 相対度数が計算されているテープ ルを聞き、必要に応じて凡例に使用される列名を変更しておいた後、「グラ →「チャート」を選択し、列名のリストから回答選択肢に対応する列名にこでは「満足」から「不満」まで フ(♀)J 1 : の 57 ] )を選択した上で「統言卜量」ボタンをクリックし、ド、ロップ夕、、ウンメニューの中から「データ」を選択する。オプ 1から満足度 5 5までの変 ションで「折れ線」を選択の上、 10KJボ、タンをクリックすればよい。図 2では、満足度 0 ム 4h A ハ守 ペU n

423.
[beta]
数名を「路線ノくス」から「ボランティア」のように分かりゃすい表記に変更の上、ラベル表示をさせて分かりやすい
図にしている。

5 の評価項目に対する満足度と重要度の住民評価の
以上の手順で図 2のような折れ線グラフが作成でき、 5
状況を視覚的に分かりゃすく理解することができる。ちなみに、図 2の満足度の折れ線グラフからは、 f
t
臣新線」、
、「企業誘致」、「雇用確保」、「商業」などを除いた評価項
「交通安全」、「防犯」、「ごみ」、「医療」、「高大通学 J
目立「普通」としづ回答が多く、「不満」や「満足」に偏った極端な回答ノ fターンは見られないことが分かる。

4.2 C Sポートフオリオ分析
ここまでの分析では、満足度と重要度の関係、を明らかにすることはできないので、マーケティングの分野でよく
使われている fCSポートフォリオ分析(ベネフィット・ポートフォリオ分析)J
を適用し、行政課題の抽出を試みた。

5の評価項目の全てに対して満足度と重要度の評価を行った回答者 (
5
3
9人)のみを対象に分析を
今回は、 5
行ったO まず、各評価項目の「満足」・「重要」に 5点、「やや満足」・「やや重要」に4点、「普通」・「どちらとも言え
ない」に 3点、「やや不満」・「あまり重視しなし、 J~こ 2 点、「不満」・「重視しなし、 J ~こ 1 点を与え、 55 の評価項目につ
いて偏差値を求め、図 3のようにグラフ化すれば CSポートフォリオ図が完成する。なお、満足度と重要度の両方
を評価している回答者のみを選別するには、満足度 0
1と重要度 0
1を例にとると、 2:
7'
Jを追加し、新満足度 0
1お
1品、う列名を付けた上で、それぞれの列に以下のような計算式を入力して適用すればよい。
よび新重要度 0
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次に、評価項目ごとに満足度と重要度の偏差値を計算するには、各回答選択肢に付与する得点、と同じコード
を振ってデータ入力をしているので、前項で述べたように、「テーブル (
T
)J
→「要約」の機能を活用すればよい。

5の評価項目の満足度評価に対応する列名を選
具体的には、表示される「要約」ダ イアログテボックスにおいて、 5
P

択し、「統計量」ボタンをクリックしてドロップダウンメニューから「合計」を選択する。この操作により、新しいテーブ

5 の評価項目ごとのスコアの合計点が計算されて行方向に入力されるので、「テーブル (
T
)J→「転置」を
ルに 5
5の列を対
選択して列方向に合計スコアが入力されたテープソレへ変換する。同じ操作を重要度評価に関する 5
象にして行う。その上で、満足度評価の合計スコアテーブルと重要度評価の合計スコアテーブルを「テープソレ

(
工
)J
→「結合」で結合させ、偏差値を計算するための列を追加し、満
足度と重要度のそれぞれについて右に示す計算式を入力して偏差値

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)

イ

を求める。
CSポートフォリオを表示させるには、「二変量の関係」を選択し、満足度偏差値を縦軸 (y,目的変数)に、重

要度偏差値を横軸 (X,説明変数)にして fOKJボタンをクリックする。最後に、補助線を入れたり、ラベルをつけ
たりなどして、図を見やすく整えればよい。

5の評価項目は、重要度は高いが満足度が低い「重点改善分野」、重
図 3のCSボートフォリオに示すように、 5
要度も満足度も低し、「改善分野」、重要度は低いが満足度が高し、「維持分野」、重要度も満足度も高い「重点維
持分野」に分けて行政課題の抽出や政策立案に資することができる。また、紙幅の関係、で割愛しているが、地区
別に CSポートフォリオを作成してみると、地域特性を反映した地域固有の課題が浮かび上がってくる o

4. 3 主成分分析

5
5の評価項目について、評価項目聞の内部関連も考慮に入れて行政課題の構造を抽出することを目的に、
5
Jで解説されている
満足度評価に対して主成分分析を試みた。主成分分析を適用するにあたっては、庚野・林 [
手順に従ったが、分析結果の全体のイメージを掴み、行政課題の抽出が容易になるように、分野ごとに色とマー
カーを変更した上で結果を表示させた。

4
3
2

424.

, 重要 .Ulll 値と涜 ~11U1 差値由二変量舟国儀 ! gO . l ホ 下" 。 . 君 " Z M 集会樺盈 4 全会e:1 n. ・ o t Ja 凶 ぷ信者 治問 u 凶 "'~門会.+~倒"",. 烹 ‑煙史 ・ 留 り 品 " ..~辺" '"奮闘貸 ‑ごみ 主活工費 f t B 内 宅診 qgg 包 調 岨・売 岨宮司自 uvm 耐 公開 gd 唾 . . e 岬 唱t.~. 崎断同 ・ 明6 u ア可 1 凶樫 句、 律 家 燃 施 .. 考 ・ 笛 舗 泊 島 姐 恒 , 。ミュニ写ィパス " . . . . 明3 礎化 ・スポーツ理猛 、人咽 f t曹スボーヲヲロヲラム md 咽菌防史ミ d 室疋雪国 d室岡. 4町λ d防犯 d変 通 事 盆 a ニパーザ J 勾前崎".公定 岨"・健五 制 UH ス 4JIUlii 噂曹虚昆 " " 回大、悼 ー ・ 幡 随 ' " .要履姻歪岨 図 3 CSポートフォリオ図による行政課題の抽出 図4に示したのは、 「主成分スコア(第 1から第 3主成分)の回転プロット」と「主成分 1と主成分 2 の二変量関係」である。図 4から分かるように、評価項目は分野ごとに Eいに近い位置に集まる傾向が 見られるが、各主成分の意味を解釈することが難しく、主成分分析による行政課題の構造の抽出は今後 の課題となっている。各主成分の意味の解釈が難しいことの背景には、 5段階の評定尺度で満足度評価 を実施したが、図 2に示すように、中間・中庸的な評価である「普通」に回答が集中していることが考 えられる。この点の評価・分析についても、今後の課題としたい。 4. 4 対 応 分 析 主成分分析で、地域の行政課題の抽出を行うことが困難で、あったため、対応分析 (Correspondence A n a l y s i s ) を適用して行政課題の抽出を試みた。対応分析とは、測定項目と対象を同一空間に位置づける分析方法であ り、変量の関係を視覚的・数量的に評価したり、知覚マップなどを作成して構造の解釈を支援することがで、きる。 ここでは、各評価項目の満足度評価について、門前足」と「やや満足」の回答を満足と見なして、 1"の値を与 え、その他の回答はすべて「不満」と見なして 0"の値を与えて分析している。 ところで, ]MPで対応分析を行う場合には、データ集計表を図 5の右のようなデータ行列に変換しなければな らない。今回、対応分析の対象となったのは 5 5項目の満足度をすべて評価した 6 0 7世帯からの回答であ るので、 5 5項目の満足度評価に対して対応分析を適用しようとすると、 6 0 7行 X55列 =33, 3 8 5行のデータを 加工しなければならない。当初、 ]MPの機能をよく理解していなかった筆者の一人は、表計算ソフトを活用して 手作業で、データ加工作業を行っていた。しかし、データ量が膨大であるため、数時間を費やしても作業を完了 することができず、多数の作業ミスも犯してしまうこととなった。このため、手作業では対応分析のためのデータ加 工作業はほぼ不可能であると判断し、試みとしてJMPの「列の積み重ね」機能を使用してみたところ、わずか数 秒で対応分析用のデータに加工することができた。この方法は既に満足度と重要度の相対度数の折れ線グラフ を作成する際に紹介しているが、改めて説明すると次のようになる。 ①5 5の評価項目に関する満足度評価の元データを読み込む。 ②「テーブル (T)J→「列の積み重ね」コマンド、をクリックする。 1 から「満足度 0 1J から「満足度 5 5 Jまでの満足度評価に ③ダ、イアログ、ボックスが表示されるので、元データの手1 関する 5 5の変数を選択し、「追加」ボタンをクリックする。 べ n zu n zべU Aは 6

425.
[beta]
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図 4 満足度 5
5項目の主成分分析結果
回 答 者 11
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回 答 者 1 コミュ二ティ J):
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t
回 答 者1
1聾 輯a
‑ ‑ 1 同 害 者2
1思 且 パ ヱ

Z
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1
回 答 者1
回答前
同 害 者3
1

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1
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1

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1・ ・ 面 言 者‑
21
コb 二ティパス

0
│・ E 回 答 者21姫 斬 緯
0
1
回 害 者 31mB
パス
回 答 者3
1コミュニテイJ¥:
:
t
E笠重三」量豊皇

図 5 対応分析のためのデータ形式

④「出力テープ、ル名」、「積み重ねたデータ列」、「元の列のラベル」など、に適切な名前を入力し、ザJ
I
の積み重
ね」ボタンをクリックする。「度数 J7"1]を追加し、 5段階の満足度評価
足 J(
5
)がやや満足 J(
4
)= 1
"、その他の回答ニ

r
c
積み重ねたデータヲI
J
J
)に対して、「満

0"の値を計算式により変換させる。

以上の操作で作成された新しいデータテープールは、まさしくJMPの対応分析用のデータ形式に対応したもの
に他ならない。上記の手法によるデータの準備が完了した後に、以下の手順で対応分析を行う。
①「分析 (A)J
メニューの「二変量の関係」をクリックする o
②「列の選択」から「地域名(地区名が入力された列)J
、「満足度調査項目

r
c
元の列のラベル」の名前)J
、「度

数 J(追加された列)それぞれダイアログボックスの fX,説明変数」、 fY,目的変数」、「度数」に割り当てて
fOKJボタンをクリックする o

③出力ウインドウが表示されるが、出力タイトル

r
c
地域名と満足度調査項目の分割表 J
)の横の赤い Vをクリッ

クし、「対応分析」をクリックすると、対応分析の結果が表示される。さらに、「詳細」の青い V をクリックすると、
比率、累積、スコアなどが表示されるo
④「対応分析」プロットの赤い Vをクリックし、「テーブルの作成」コマンド、をクリックすると、スコアのデータテー
ブノレが作成される。
⑤特異値、慣性、比率、累積値など、の各種の指標をデータテープ、ルに保存する場合には、それらの値が表示
されている領域で、右クリックを行い、表示されるメニューから「テーブルの作成」をクリックする o
⑥「地域名」および「満足度調査項目」に関するスコアをそれぞれ保存する場合、詳細のところで、保存する対
象を右クリックし、表示されるメニューから「テープヲルの作成」をクリックする o
以上が対応分析の手順であるが、手1
)
慎③で表示させた「対応分析」プロットを用いて、各スコアの解釈・意味
付けや、地域のイメージ測定が可能になる。しかし、今回のパイロットスタデ、イの場合、取り扱う変数が非常に多
いため、結果の表示は割愛するが、クラスター分析を利用して潜在的なグ、ループを抽出し、解釈を試みた。その
AU
q
o
dq
企

426.
[beta]
C2と 引 の 二 変 量 の 関 係
09
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唱小屋

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+上包唱 Z

可 "1

,蹄.."ス

0
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審理瞳
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一

9

図 6 対応分析のスコアの散布図(地域名と満足度調査項目表示)

)
頃は次のようになる。
手1

に対応する 5
5の行を選択した
①上の手jIj貢④でイ乍成されたスコアデータテーブソレを聞き、「満足度調査項目 J
上で、選択した領域上で、右クリックを実行し、表示されるメニューから「除外する Jおよび「表示しなし、」の設
定を行う。この操作によって、地域だけをクラスター分析の対象とすることができる。

A
)J
メニューから「多変量 J
の下位コマンドである「クラスター分析」を選択し、表示されるダ、イアログ〉ボ
②「分析 (
ックスで、スコアの fCl
J
と fC2Jを fy.要J
IJに、地域名が入っている列である「ラベノレ jを「ラベル j変数に割り
当て、 fOKJボタンをクリックする。クラスター分析が実行され、「階層型クラスター分析 jフ。ラットフォームのレ
、「クラスター分析の履歴」表、クラスター聞の距離のプロットが表示される。
ポートに、「樹形図 J
クラスターの数は樹形図の上下に表示される菱形ハンド、/レをド ラック。することで、調整で、きる。対応分析スコアの
散布図の作成や、回転プロットを用いてグループ化された地域の特徴を分析する際には、視覚的に分かりゃす
くするため、「階層型クラスター分析」タイトノレの左にある赤い Vをクリックし、クラスターの色分けとマーカ一分け
を選択すればよい。このように作成した対応分析スコア ClとC2の散布図を図 6として示してある。このような図か
ら、地域の類似性や行政課題の構造の分析が可能となると考えているが、詳細については今後の課題である。

5
. おわりに
これまで、の兵庫県局保郡新宮町をフィールド、にしたパイロットスタディから、同じ町内でありながら、住んでいる

005年 3月に実施
地区(自治会)によって住民生活上の満足度や重要度の評価が大きく異なることが分かるが、 2
した新宮町長ならびに幹部職員に対する説明会においては、「日常の行政活動を通じて感じている地区別の行
政ニーズや行政評価の違い、あるいは施設等の偏在が評価項目の満足度と重要度の平均スコアの違いに表れ
て納得できる」との感想を得ている。また、 2
005年 4月に実施した連合自治会役員会での説明では、自治会長の
とか「納得で、きる結果になっている J
とか「同じような課題
方々から、「地域差がこのようにあるとは思わなかった J
を抱えている自治会が他にもあることが分かったので、行政に要望を上げる際には同じ課題を抱える自治会で
連携してし、きたし、」とし、ったような感想が得られている。現在、新宮町の全世帯に調査結果を図 1のように地図化
4

凋

Fhu

nべU

427.

して要約したノ号ンフレット (A3版両面印刷1)を配布すべく準備を進めているところであるが、次のステップρとして、 住民から新宮町のまちづくりにどのような反応が生まれるかに期待しているところである。 1950年代の昭和の大合併は「合併で市町村域が自転車で 30分の範囲」に広がったとされるのに対して、現 在進められてしも平成の大合併では、「市町村域は自動車で 30分の範囲」に大きく拡大しようとしている。このよ うに広域化した自治体での行政課題の抽出には、住民意識調査結果を小学校区レベルなど、の地区別に集計し、 地図を使って分かりゃすく表示させるなどの工夫が必要になる。 阪神淡路大震災を経験し、完全復興へと向けて住民主体のまちづくりを進めている兵庫県では、住民主役の まちづくりの仕組みとしての「人間サイズのまちづくり」概念が提唱されている。「人間サイズのまちづくり」が目指 すのは、自治会・老人会・婦人会・商工会など、従来からの地域を基盤とする組織が機能することを前提とし、こ れらの組織の代表を住民代表として参加させる旧来型の「まちづくり」ではない。我々が本研究で強調するのは、 )生活者であるとともに地域および自治体の構成員として、地域のマネジメントの 以下の 4点である。 1 Plan‑Oo‑Seeのすべての局面に関わる必要がある個々の住民にダイレクトに注目する。 2 )地域の住民の多様性 Iしてしてプロセスを を前提に、地域社会の現状に関して共通の認識をし、地域社会の将来の望ましい姿を共倉J l a nの局面に関与させる。 3 )地域の現状と望ましい姿との聞のギャップを地域の問題として理解 通じて、住民を P し、地域社会の中に蓄積されてきた「地域知」とでも呼ぶべき問題解決のための住民の知識や知恵を「まちづく )さまざまな住民のニーズ、と住民の り」のプロセスに動員・展開させ、 00の局面で の行政と住民の協働を育む。 4 主体的な活動を合致させ、その成果がより豊かな地域社会の再生・確立につながることを Seeの局面で、タウンミ ーティング などを通じて住民自らが確認する。本研究の今後の課題として、これら 4つの特徴を持つ「人間サイズ P のまちづくり」のために不可欠な地域情報の共有のための仕組みを、具体的には地理情報システムと住民意識 調査によって現状認識の共有を支援するためのシステムを構築し、その有効性を検証してし、きたい。 謝辞 本研究は、平成 1 6年度兵庫県立大学特別教育研究助成金の助成を受けて行ったもので、ある。新宮町住民 意識調査の実施にあたり、新宮町民の皆様にご協力をいただくとともに、調査票の配布や督促状の回覧に際し て新宮町ならびに新宮町連合自治会から格別のご配慮をいただいた。この場を借りて深く感謝申し上げます。 参考文献 J [ l J 有馬昌宏 分権型社会における情報技術を活用した住民自治の可能性一 I n f o r m e dO e c i s i o n by I n f o r m e d C i t i z e n st h r o u g h CISの提案 J,神戸商科大学創立七十周年記念論文集, pp.201‑212,2000. 1 1向肇・黒田佳代・田中有紀・藤尾俊幸・謬青, ICISを、活用した地域マネジメントシステムの構 [ 2 J 有馬昌宏・ ) ,経営情報学会 2005年春季全国研究発表大会予稿集, pp.314‑317,2005. 築J 9 9 5 . [ 3 J) 1瀬武志 J1E問題の解決 1 日刊工業新聞社, 1 生活者支援ツールとしての CISの活用心地理情報システム学会講演論文集, Vol .7, [ 4 J 川向肇・有馬昌宏 I pp.153‑158,1 9 9 8 . [ 5 J 慶野元久・林俊克,町 M Pによる多変量データ活用術1海文堂出版, 2 0 0 4 . [ 6 J ユルゲン・ハーパーマス(細谷貞雄・山田正行訳), ~公共性の構造転換(新版)1 未来社, 1 9 9 4 . [ 7 JMcOonough,A.M.,l n f o r m a t i o nEconomicsandManagementSystems,McGraw‑Hill, 1 9 6 3 (松田武彦・横山保 監修,長坂精三郎訳,~情報の経済学と経営システム1 好学社, 1 9 6 5 ) . [ 8 JSimon,H.A.,TheNewS c i e n c eo fManagementO e c i s i o n,Harper& Row,1 9 6 0 . 凋斗& ρhu ηJ

428.

ポスターセッション グラフィック

429.

S A S Forumユ ー ザ 一 会 国土数値情報を用いた J MPによる簡易 3DGISの開発 川向肇 兵庫県立大学 大学院応用情報科学研究科 AT r i a lo fDevelopmento fSimple3DGISonJMP U t i l i z i n gN a t i o n a lNumericalLandData Hajime Kawamukai U n i v e r s i t yo fHyogo Departmento fA p p l i e dI n f o r m a t i c s, 要旨 近年、わが国においても、各省庁や自治体などにより固有業務の遂行ため整備されて きた貴重で多様な数値情報の一部がウェブサイトからダウンローダブルな形のデジタルデ ータとして提供され、広く一般に利用可能となっている。 この国土数値情報の中でも、メッシュデータの形式と呼ばれる形式で、整備されたデータ は 、 JMP の回転プロット機能を利用することで、きわめて容易に 3次元表現が可能である。 本稿では、その具体的な利用方法と手順について解説し、複数の作図例を紹介する。 キーワード: JMP、回転プロット、 3DGIS、視覚化、国土数値情報 1 はじめに 近年、わが国においても、各省庁や自治体などがこれまで固有業務のために整備してきた国土に関 する貴重で多様なデータが国土数値情報という名称で整備され、数多く提供されるようになっている。従 来、これらのデータは、旧国土庁(現国土交通省)に書面で利用申請を行い、磁気テープなどの記録媒 体に記録した上で、提供されるのが一般的な提供形態であった。そのため、これらの貴重な各種の国土に 関するデータの存在は、広く一般に知られることは無く、地域科学や地理学、国土計画などの空間的デ ータを研究上必要とする研究者のみに知られる存在であったC しかしながら、インターネット環境の急速な普及と向上に伴い、従来磁気テープなどを利用して提供さ れてきた各種の国土に関する貴重かっ多様なデ、ジタルデータの一部が、国土交通省のウェブpサイト ( h t t p : / / n l旬 . m l it .g o . j p / k sj/)からダウンロード、可能な形で、広く一般に提供されるようになった。 ただし、この国土数値情報のサイトにおいては、そのサイトからダウンロード、可能なデータとしてのみ提 供されており、そのデータを表示するなどの利用にあたっては、一般に地理情報システムと呼ばれるアプ リケーションソフトウェアが必要になる。 4 3 9

430.

現在、日本建設情報総合センター ( 2 0 0 4 )、後藤他 ( 2 0 0 4 )、T n T P r o j e c t( 2 0 0 3 )などでも紹介されてい G I S )システムが存在しており、中には、ダウンロード るように、さまざまな有償・無償の地理情報システム ( した一部のデータをそのまま利用できるソフトウェアもあるが、しかしながら、地理情報システムは、かなり 専門的なツーノレで、あり、それを利用するためにはその地理情報処理に関するさまざまな概念やデータの 処理構造を理解した上で、利用することが必要とされる。 近年地理情報システムのユーザインターフェースは大幅に改善されてきたとは言うものの、その機能を 有効に利用するため、わかりやすい図を作成するためには、かなりの習熟が必要である。とりわけ、デー タを自由に 3次元表示しようとする場合には、機能追加のためのアドインソフトウェアなどが必要なソフトウ ェアも少なくないなど、データは一般に利用可能な状態になってしもとはし、うものの、一般の利用は遅々 として進まないとしづ現状である。 さらに、これらの地理情報システムでは、地理的データを表現するためのソフトウェアで、あることもあり、 n s e l i n e( 1 9 9 9 )などでも示されるように、データハンドリ 空間的表現能力はきわめて容易にできるものの、 A ング、機能や空間解析機能に課題を抱えたソフトウェアも少なくなく、地理情報システムとし、うよりは地図情 報表示システムとし、う側面を持つソフトウェアも少なくない。そのため、統計処理は JMPや SASとし、った部 分で行い、加工データベースを地理'情報システム上にエキスポートし、空間的なデータ表現のみ、地理 情報システムで実現するとし、う方法が一般にとられている。これらの欠点、をカバーすべく高度な空間的な 解析機能と地理的な表現を実現するために SAS/GISなどが開発されてはしもものの、非常に高価であり 一般的なツーノレとは言いがたい。 本稿では、高度な統計処理機能を保有しつつ、きわめて表現力に富んだ、結果表示能力を持つ JMP を利用して、地理的空間情報を地図として表現することを試みる。具体的には、ダウンロード可能な国士 数値情報のうち、メッ、ンュデータの形式で、整備されてしも標高や雨量、国勢調査、商業統計などの提供 されているデータを実際に利用し、これらの地理情報を JMPで表現する方法を紹介する。具体的には、 兵庫県及び富士山周辺の山梨・静岡両県のデータを利用しながら、国土の状況を、 JMP の回転プロット 機能と行の色を着色する機能、及び計算式によるデータ加工機能をうまく利用し、簡便にかつ美しく表 示する方法と作図成果の一部を提示する。また本稿では、作業の過程で発見された JMPがテキストファ イルから読み込む際のデータハンドリング上の課題にも触れる。なお、本稿では兵庫県、山梨静岡両県 のデータを用いて各種の処理を行ってしもが、この方法は他の都道府県や他国で、もメッシュデータ形式 で表現すべきデータが整備されていれば、普遍的に応用可能な方法である。 2 メッシュデータとは メッシュデータは、空間データを大型汎用機でも処理可能とするために昭和 4 8年 7月 12日行政管理 4 3号によって定められた空間的データの表現方法である。具体的には、国土地理院発行の 庁告示第 1 20万分の l地勢図、 2万 5千分の l地形図の図郭と緯度経度を座標系として利用しながら、国土をほぼ 等積・同型の 4辺形に分割し、その 4辺形に関するデータを取得し、利用しようとするものである。日常生 活でよく経験するこの種のデータシステムの具体例としては、気象庁のアメダスデータベースなどをあげ ‑440

431.

ることができよう。但しアメダスで天気の概況などを示すため用いられているメッシュ ( 1つの四辺形)の大き さは、一辺が約 40KmX40Km(国土地理院発行の 2 0万分の 1地勢図を4等分した領域に相当)品、う広 大なメッシュを利用している。 このメッ、ンュデータで、は、位置に関する情報がメッシュ番号の形式で、あらわされているため、このメッシ ュ番号を利用することで、座標位置を特定することができるように設計されている。メッシュコード、の詳細 2 0 0 5 )に譲るが、今回用いようとするメッ、ンュは、 3次メッシュ、ないし基準メッシュとよ は、総務庁統計局 ( ばれる一辺が約 1kmの四辺形である。この 3次メッシュを形成する四辺形に対して、そのメッシュの領域 の平均標高、平均気温、降水量(推計値)、国勢調査、商業統計、工業統計(集計値)などの各種統計 データが整備されており、都道府県単位で提供されている。今回、それらの数値のうち、平均標高、平均 降水量などのデータを用いて地図表現することとする。 これらのデータは、以下の図 lに示すようなテキスト形式で提供されている。 FORTRANや COBOLと i c r o s o f tEXCELなどの汎 いった言語での利用を前提としてフォーマットが作成されているため、 JMPや M )ヘッタ守行の削除、 2 )項目別に個別メッシュに対応する形で、のデー 用ソフトウェアで利用するためには、 1 )のヘッダ行の削除については、ノートパッド タベースの構築、とし、う事前処理をする必要がある。まず、 1 等のエディタで、削除する方法がもっとも確実な方法で、ある。 G G 巴固~ 町 2M̲28ーメモ帳 77 イ ル( D 編集 ( ! : l 書式(Q) 表示w) I¥.}げ(日 、 , G 0 2 ‑ 6 2 M 4 1 9 7 42 6 6 8 4 1 8 HJ M A M 3 5 1 3 4 1 6 8 50 5 35 05 48 11 2 61 3 21 9 41 5 11 3 12 5 01 2 36 94 51 4 0 68 5 8一 M 3 5 1 3 4 1 6 8 60 5 25 05 48 11 2 71 3 21 9 81 4 91 3 12 4 81 2 26 94 51 4 0 68 5 8 5 1 3 4 1 6 9 50 3 35 05 28 11 2 61 3 41 9 61 4 71 3 82 5 41 2 56 84 41 4 1 58 6 9 M 3 M 3 5 1 3 4 1 6 9 60 6 05 05 27 91 2 61 3 21 9 61 4 71 4 22 5 11 2 66 84 51 4 1 48 6 8 M 3 5 1 3 4 2 5 2 80 4 24 64 97 21 3 31 2 72 0 41 4 41 3 82 6 71 1 66 74 51 4 0 88 8 0 M 3 5 1 3 4 2 5 2 90 6 84 85 1 7 11 3 21 2 62 0 31 5 21 4 02 6 01 1 76 94 61 4 1 58 8 1 M 3 5 1 3 4 2 5 3 80 2 1 4 54 97 51 3 11 2 91 9 61 3 91 3 92 6 61 1 46 74 51 3 9 58 6 9 M 3 5 1 3 4 2 5 3 90 5 24 75 1 7 61 3 01 2 61 9 91 4 71 3 82 6 31 1 26 74 51 4 0 1 8 7 3 〉 図 1 国土数値情報(標高気候値のファイル) I 座 フィールド哨提出日フイ}ルドを鵬〈制右)[こ凱て、[フィールドの結]柑ン砂川します。It フィールF 散 「ーー と ご 出 笠J = = : 9 : r . : : : ‑ :I i ̲̲!主主と」 M 3513416850 5 3 50 5 4 81126132194151131250123 6 9 451406 858 230 9 32 96 19 4 27 61126 ^ 目1 891日 日 9914 日2 221441832471862172862272573032362 7日2702072392 1日 150184167109138120 回3 9 21941271 6 1 0 1 0 0 1 1 0 川 崎 3 513416860 5 25 05 4 8112713219日 149131248122 6 9 451406 858 230 日9 2 95 99 32 45 9126 ド 1 88 71 8 19 71392 2 1 1401 8 12481 8 42162862262563032362702692052372171461821661071371 1自 由2 9 0193125159 0 1 0 日 1 1 0 1 M 3513416950 3 35 05 2 81126134196147138254125 6 8 441415 869 227 9 12 86 09 62 5 6113日 時8891829814022314118225018521日 2 892272583042352702702062382181481 8 31 6日 105137121 1 6 09 11951261 6 1 0 1 日 o1 1 日 [ M 3513416960 6 05 日 5 2 79126132196147142251126 6 8 451414 日6 8 226 9 日 2 75 99 62 5 61128 4 1 1822491842172 8 72252 5 63022 3 42682 6日206237217149183166106136119 1 4 78 81 8 19 81 4日2221 [609019412516日 o0 日 o0 0 0 42 56 日9 72 7 62129 M 3513425280 4 24 64 97 21331272041441382671 1 66 74 51408 8 8日 212 9 1 5 1 90181 9914022113918025118421828922525730423426927420524日 221147184171103137122 [5287196124160 0 2 日 日 2 2 日 1 M 3513425290 6 84 85 17 1 1321262031521402 6日117 6 9 461415 8 日1 2 16 9 32 55 99 62 7 62128 1 5 19 0179 9日 1392211421日22501842172872252563032332682 7 1 2062392201 5日 1 8 5169104137123 v 国 2 JMPのフィールド設定インターフエース 4 4 1一

432.

テキストフ FイJ . L 回国│ ‑ 1 ' =‑2/3 フィー)~ドEの幅を指定してください。 i[デ」タのブレ Eユ~]ポヲタスの矢印の位置でフィールド[乙区切られます。 区切り位置を作成する場合は、その位置でマウスのボタンをクリックします。 区切り位置を削除する場合は、その矢印をタフルクリックします。 l 区切り位置を移動する場合(ま、矢印を目的の位置まで・ドラックします。 ! テ.~タのブレぜュー 1 0 2 0 5 0 3 0 4 0 キャンセル 1̲三監旦 6 0 7 0 J i次へよ]1 完了巴 1 図 3 MicrosoftEXCELのフィールド設定インターフェース 次にテキストファイルからデータベースファイルへの変換について解説する。 JMP の美点のひとつとし て 、 CSV、M i c r o s o f tEXCEL,SAS、dBase形式など多様なデータベース形式を直接読み込むことをあげ ることができよう。従って、今回示したような固定長形式のデータファイルを直接読み込むことももちろん 可能である。 JMPで、この種の固定長形式のファイルを読み込む場合、対話型のインターフェースを介し、 デ、ータの区切り位置の部分をマウスで、クリックすることで指定する(図 2 )。しかしながら、 JMP の場合、デ ータの区切りに関するマーカが表示されないため、どの位置にデータで区切ろうとしているのか、視覚的 丘 EXCEL では、 なイメージのサポートを受けつつ処理作業をすることができない。これに比べ、 Microso 区切り位置が親の形で視覚的に確認できるため、非常に容易に区切ることができるし、 1レコードあたりの データ長がかなり長いデータについても、利用者が戸惑うこと無く処理することができる(図 3 )。 したがって、国土数値情報を利用する際には、 M i c r o s o f t EXCELをデータ読み込みのためのインター フェースとして利用し、テキストファイルを CSVファイルに変換した上で¥JMPで利用することにした。 JMP が非常に優れたデータ読み込み機能を持ってし、るだけに、 M i c r o s o f tEXCELに具現化されているような ユーザーフレンド、リーなテキスト読み込み機能がないことは、非常に残念である。 M i c r o s o f tEXCELを用いて平均標高値と毎月の平均・最高・最低気温などのフィールド、を設定し、それ ぞれの見出し列をつけた形で、 CSVファイルとして保存し JMPに読み込む。無論、 JMPにおいて、自動 的に生成される列名を書き換え、タl 名を与えることも可能であるが、変更する列数が多い場合には、 M i c r o s o f tEXCEL上で行を挿入し、最初の行の内容を列見出しとして利用するほうが、効率的である。 ‑442一

433.

3 メッシュデータから XY座標への変換 3次メッ、ンュないし基準メッシュデータの位置表現は、緯度経度を基準として作成された 8桁のコードで 実現される。この 8桁のうち、最初の 2桁が 1 次メッシュの Y座標(緯度相当)を示し、続く 2桁 ( 3 ‑ 4桁目) が l次メッ、ンュの X座標(経度相当)、 5桁目が 2次メッ、ンュ(1次メッシュを 8X8分割)の Y座標(緯度相 当 ) 、 6桁目が 2次メツ、ンュの X座標(経度相当)、 7桁目が 3次メッ、ンュ ( 2次メッシュを 1 0x1 0分割)の Y座標(緯度相当)、 8桁目が 3次メッシュの X座標(経度相当)とし、うコード、となっていることから、座標情 報として利用するために、これらのコード、こ、とに対応する列を作成し、それらを元に座標を決定する。 それぞ、れ座標地を示すコードを基準メッシュに対応する 8桁の地域メッシュコード、を格納している Mesh としづ列名に含まれているとき、夢Jjを新たに 6つ追加し、 l次メツ、ンュの X座標、 l次メッ、ンュの Y座標、 2 次メッシュの X座標、 2次メッシュの Y座標、 3次メッ、ンュの X座標及び 3次メッシュの Y座標をそれぞれ 格納する。例えば、 l次メッシュの X座標を取り出す場合、次のような関数を計算式として記入する。 Num(Munger(Char(Mesh),3, 2 ) ) カッコ内の一番内側にある Char(Mesh)で、まず一旦数値データを文字データに変換する。その上で、 Munger(Char(Mesh), 3, 2 ) )によって、 3桁目から 2文字分だけ抽出する。さらに、 Num文を用い、文字とし て取り出したコード、を数値化する。 次に、これらのデータを用いて、座標位置を定める。先にも述べたように、 3次メッシュは 2次メッ、ンュを、 2次メッシュは l次メッシュを細分化する形で、構成される 具体的には、 2次メッ、ンュは、 1 0個 x1 0個の 3 O 次メッシュからなり、 l次メッ、ンュは、 8個 X8個の 2次メッシュ、すなわち、 l次メッシュは、 8 0個 X80個の 3次メッシュで、構成されることとなる。 メッシュコード、の構造から、 Y 方向(すなわち同一経度線に沿う形)の南から北への移動につれて、メッ シュコードの Y方向の値は増加し、 X方向(すなわち同一緯度線に沿う形)の西から東の移動につれて、 巴固哩 I テーブル明j A B Mesh MESHYI MESHXl MESHY 2 MESHX2 日i l = ! 唱 : 1 1 ' 誕 MESHX3 関数〈クループ別 )00 回 +ー 九 且 )(1+ , : t . Y~ 3 4 盆 、 ー 乙 ヲ ・ I t= ~ 行 重量値 語謡重量 三角図書量 文字 OK キ+ンセル│ 適用 比鑓 重量得付き 1 1宰 I l 計 クリア ヘルブ + MESHY : e *1 0+ MESHY ; ' j J4 一 図 4 Y座標値の計算 443‑

434.

属音: IXIX IYIY IIZIA 叫 ‑ D ・c 刷t 図 5 表示された兵庫県の標高図 図 6 関空上空から見た兵庫県の地形概形 図 7 兵庫県の年間降水量の 3D地図 4 4 4 ‑

435.

図 8 静岡山梨両県のデータを用いた富士山周辺の地図 図 9 御前崎方向から、北側を見たときの図 F h υ Aハ ヨ Aハ ヨ

436.

メッシュコード X方向の値は増加する。これらの関係から、メッ、ンュコード、の Y方向の座標を決定する場合、 ある地点のレコード(行)の l次メッシュの Y方向の座標値を MESHYl、2次メッシュの Y方向の座標値 MESHY2、3次メッシュの Y方向の座標値を MESHY3とするとき、これらを使って Y方向の座標を定める 式は、図 4のように表現できる。 図4に示すように、 JMPの Match関数式は、あるフィールド、の値によって、それぞれ別の値を与えるとし、 う関数であるが、この Match関数を利用する際には、変数を選択しておいた上で、 S h i f tキーを押しながら、 Match関数を条件付の関数のグ、ループからクリックして記入すると、自動的にその列に含まれる値を自動 的に関数式に記入するとしづ機能がある。この機能を利用することで、どのような値が入っているかを事 前に調査し、その値を記入しなければならないとしづ面倒な作業から開放される。この関数と同等の機能 を EXCELなどで実現するためには、複数の関数を組み合わせるか、関数で参照するセル範囲を事前に 用意したうえで実現しなければならない。その意味で、非常に単純な操作で、ある列に含まれる値を事前 に調査することなく、その列の値に応じて、別の値を簡単に与えることができるとしづ意味で、 JMP 固有の 強力かっ便利な関数の一つである。 X 座標についても、同様に整備する。このようにして、メッシュコード、から X 座標値、 Y 座標値が計算さ れたので、それをもとに、まず気温に関するデータに付属する標高のデータから兵庫県の標高を示すメ ッシュ地図を作成したものが、図 5(上空から見た図)及び図 6 ( 斜め上方から見た図)である。 4 各メッシュの標高別の着色 この図を作成するために、まず、一変量のデータ分析を行い、そのヒストグラムをもとに、例えば、 100m 未満を濃い緑、 100m以上 200m 未満を薄い緑、とし、ったように、一般の地図で用いられる色彩に近い形 で、それぞれの標高データの範囲ごとに行の色を設定していった。その上で、わかりやすさをより向上さ せるために、兵庫県内の代表的な都市や地域についてラベルを付した。 また、年間降水量のデータについて、同様の作業を行ったものが図 7である。図 7のデータでは、淡色 で表されているものほど、降水量が少ないことを示し、濃色に近づけば近づくほど降水量が大きいことを 示している。この図を見る限り、山岳部に近づけば近づくほど降水量が大きし、ことがわかる。また、日本海 側の地域のほうが、降水量が多し、ことが非常に視覚的に確認できる。 5 類似開発事例との比較 同様の開発事例として、高知県政策総合研究所で開発された TOSA‑GISの前身となったソフトウェア がある。このソフトウェアは LOTUSI‑2‑3のセルが四角形であることに着目し、国土数値情報を用いて地 図を作成していた。しかし、その表計算ソフトベースのアプリケーションで、は、表計算アプリケーションソフ トウェアのセル表示が 2次元表示であるため、 3次元表示ができないことなどの欠点があった。しかしなが ら 、 JMPの 3次元プロットを用いた場合、イメージを確認しながら自由に視点を変えることができるため、さ まざまな観点からの表示が可能である。 ‑446

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また、メモリが一定程度搭載されていれば、非常にスムーズに回転しながら表示することも可能である。 兵庫県の事例でデータ量としては、 8417行(サンプル)あるが、動作は非常にスムーズである。 1 2 2 2 0行)を利用して作成した、御 なお、図 8は、静岡・山梨両県の標高のメッシュデータ ( 前崎上空から、富士山方面を望んだ地図であり、この地域の地形的な状況をわかりやすく表示で きることを確認できる。 各メッ、ンュが点表示により 3D表現されていることと、回転プロットの機能を用いることで、 地図を自由に回転できることから、図 9に示す、御前崎南方から北方向を観測した場合の地図に 示すような、ある特定の方向から観測した場合の見え方の検討、あるいは地球の中心方向から眺 めた場合の見え方の検討などさまざまな観点からの検討が可能となる。その意味で、 JMPと実際 のデータをあわせて用いることで、中等教育の段階で、数学(統計及び幾何)・地理・地学など の学習分野が相互に関連していることなどを具体例として示すことができ、学習の総合性を追及 する新たなる教育の展開などへの発展可能性を検討することができるのではないだろうか。 6 今後の展望と結語 この 3Dマップは、作成が容易であること、地形等の条件を比較的容易にかつわかりやすく表 示できるという特性があるものの、一定の限界がある。その限界とは、地図の領域を拡大するた めには、より対象に接近して実現するしかなく、表示領域が大きい場合には、デフォルトの設定 では、魚眼レンズで表示したようなイメージとなるため、実際の空間で体験できる視覚的なイメ ージとはやや異なる表示とならざるを得ないということである G この問題を回避するためには、 S c r i p t機能による設定などを行った高度な 3次元表現機能を用いる必要がある。 しかしながら、本稿で提示した手法は、デフォルトとして提供されている JMPの 3次元表示 機能と、一般に無償で利用可能なデータを利用し、地形表現や空間情報を非常に分かりやすくか っ視覚的に表現で5きることを示したという意味において、きわめて有効な方法であると思われる。 現在、中等教育において情報科が科目として設置されているが、教科書等を見る限り、基本的 にはプログラミングなどの教育が中心であり、本来情報技術が果たすべき、どう情報を生かして いくのか、どう情報を利用するのか、どう情報を表現するのかの視点が十分でないように思われ る。その意味で、高等学校等の情報科の教育の導入時にヴィジュアル表現能力に優れた JMPを 活用してデータ活用の意味を明確に示すことは、きわめて有効な方法の一つではなし、かと考える。 ワ t白 A仏 A仏

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参考文献 Ans e l i n e,L(1 9 9 9 ),I n t e r a c t i v eTechniquesandE却 l o r a t o r yS p a t i a lDataAna l y s i s,InLongley , P. A . ,G o o d c h i l d,M . F .,MaguireD . J .Rh 也d ,D .W.,G e o g r a p h i c a 1I n f o r m a t i o nSystems , 防 ,1 .1 ,NewYork ,JohnW ileyandSon,253・2 6 6 . 後藤真太郎・酒井聡一・谷謙二・加藤一郎 ( 2 0 0 4 ),MANDARAとEXCELによる市民のための G I S 講座ーパソコンで、地図をつくろう,古今書院. 2 0 0 5 )h t t p : / / w w w . s t a t . g o . j p / d a t a l m e s h l i n d e x . h t m . 総務省統計局 ( 日本建設情報総合センター(編集) ( 2 0 0 4 ) ,GISデータブック一日本の地理情報システムの紹介 2003・2004,日本建設情報総合センター. T n T P r o j e c t ( 2 0 0 3 ),地図で遊ぼう GISでつくる本格地図, 4 4 8 PC遊友倶楽部,九天社.

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S A S Forumユ ー ザ ー 会 SASのグラフを高品位に効率よく I匡Xの文書に取り込む方法 0 寒水孝司 豊泉滋之 東京理科大学工学部 Howt oi n s e r tSASf i g u r e sf i n e l ya n de f f i c i e n t l yi n t oTEXdocuments T a k a s h iSozu S h i g e y u k iT o y o i z u m i n i v e r s i t yo fS c i e n c e F a c u l t yo fE n g i n e e r i n g,TokyoU 要旨 組版用のソフトウエアである可拝で画像ファイルを扱うには,基本的には,画 像ファイルを EPS形式で用意しなければならない.ところが ,SASjGRAPHは , EPS形式に直接的には対応していないので ,SASjGRAPHによるグラフを可拝 文書に取り込むには,何らかの工夫が必要になる. そこで,本稿では, τ EXによる論文作成を対象にして , SASjGRAPHによる グラフを高品位に効率よく τ E X文書に取り込む方法を類似の方法と合わせて紹介 する.特に, P o s t S c r i p tプリンタドライパを使用して,グラフを直接 EPS形式で ファイルに印刷出力する方法と,グラフを EMF形式でファイルに出力して,そ れを函像変換ソフトで EPS形式に変換する方法が,函質や作業効率の観点から望 ましいことを示す. EX,PSプリンタドライパ, EPS,WNIF2EPS キ ー ワ ー ド :SASjGRAPH,τ 1 はじめに 組版用のソフトウエアである τ EXは,数式を含めて仕上がりが高品位であり,商用印刷にも使用 され,学術機関を中心に広く普及している山 [ 2 ] . ところが, τEX文書に画像を取り込むには,基本 E n c a p s u l a t e dP o s t S c r i p t ) 形式で用意しなければならない.そのた 的には,画像ファイルを EPS ( め,画像・グラフ作成ソフトが EPS形式に出力対応していないと, EPS形式のファイルを作成する ための工夫が必要になる. さらに,画像ファイノレを EPS形式に変換するときには,使用する画像変 換ソフト,ファイノレの変換方式,画像の調整など,どのように対処すべきか悩むことが多い. 一方, SASjGRAPHは,グラフを外部ファイノレに出力できるが, τEXが標準とする EPS形式に直 P o s t S c r i p t ) 形式のグラフを外 接的には対応していなし、‑例えば, EPS形式の基本形式である PS ( 部ファイルに出力できるが,作成される画像ファイルの画質は悪く,ファイルサイズがかなり大きい という欠点がある.このような理由から, τEXユーザーの中には, SASの使用を諦めて,はじめか ら SAS以外の EPS出力対応の統計解析ソフトを使用する人や,解析には SASを使用するが,グラ フ作成には他のソフトを使用する人が少なくない. ‑449‑

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そこで,本稿では, τ E Xによる論文作成を対象にして, SAS/GRAPHによるグラフを高品位に効 広文書に取り込む方法を類似の方法と合わせて紹介する.特に, P o s t S c r i p tプリンタドライ 率よく τ パを使用して,グラフを直接 EPS形式でファイルに印刷出力する方法と,グラフを EMFC Enhanced M e t a f i l eF o r m a t ) 形式でファイルに出力して,それを WMF2EPSという画像変換ソフトで EPS形 式に変換する方法を詳細に説明する.これらの方法によって作成される画像ファイルの画質は良く, ファイルサイズ、が小さいので, τ 協の長所をそのまま活かすことができる. 2 前提 本稿では, Windows版 SASs y s t e m9の使用を前提とする . τ協では, pJ b . 1 E X2cと , τ E Xで画像 h o s t s c r i p t8 . 5 1と GSview4 . 7の使用を前提とする. を扱うときの基本ソフトウエアである G 3 EPSファイルの作成方法 τ 協における画像処理では, EPSファイルが基本になるので, SAS/GRAPHによるグラフが高品 位に効率よく EPSファイルとして作成されれば,それを τ 広文書で効果的に活用できる.そこで, SAS/GRAPHによるグラフを EPSファイルとして保存する方法を対象にする. 3 . 1 PostScriptプリンタドライバを使用する方法 CAPS法) この方法では, P o s t S c r i p tプリンタドライパを使用する.そこで, Windowsに標準的に用意されて u t o l o g i cの APS‑PSを使用することにする.ただし,印刷出力はファイ いる PS ドライパとして, A y s t e m s ルに対して行うので,このプリンタを実際に用意する必要はない. PS ドライパは, AdobeS のホームページからダウンロードすることもできる [ 3 ] . ただし,使用する PS ドライパによって,画 像ファイルの画質等が多少異なるので,使用する PSドライパがもっ機能・フォント・能力をある程 4 ] . 度把握しておく必要がある [ APS‑PSの PS ドライパのインストール手順は次のとおりである. 1.プリンタの追加ウィザードを起動して, [このコンビュータに接続されているローカルプリンタ i を選択する(または, iファイル」から「プリンタの追加」を選択する) 2 .次のポートを使用から i F I L E :C ファイルへ出力)Jを選択する 3 .製造元: i APS‑PSJ,プリンタ: i APS‑PSPIPw i t hAPS‑6‑108v 4 9 . 3o r5 2 . 2 J,と設定する 4 .通常使うプリンタ:し W 、え,共有しない,テストページ:し W 、え,と設定する PS ドライパのインストーノレが終了したら,インストールしたドライパ(プリンタ)のプロパティ 印刷設定」→「詳細設定」のl j 頃に選択して,次のように設定する. から, i υ Fhd 日 ハ 凋 性

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‑グラフィクス TrueType フォント:ソフトフォントとしてダウンロード ・ドキュメントのオプション ‑PostScriptオプション ‑PostScript 出力オプション :EPS(EncapsulatedPostScript) 実際の作業手順としては, SASのオプションを使用して,ファイルに印刷出力することによって, EPSファイルを直接作成する. 例えば,表 1のプログラムを実行すると,指定したフォルダ(この場合 C:¥fig) に IFig‑APS.epsJ という EPSファイルが横 16cm,縦 12cmの大きさで作成される.ここでは, optionsで印刷出力の詳細l を指定することと, goptionsで I device=winprtmJ を指定することが重要で、ある.ただし, goptions で Idevice=winprtmJ を実行した後に,通常のように出力をスクリーン(モニタ)に表示させるに device=winJ を実行すればよい. GSviewで画像を確認するときに IOptionsJ で は , goptionsで I rShowBoundingBoxJ をチェックしておくと,実際の画像の領域を確認することができる.本稿で は,このようにして, PS ドライパを使用して直接 EPSファイルを作成する方法を rAPS法」と呼ぶ. 表1: PS ドライパを使用した EPSファイルの作成例 data data; do x=‑3 to 3 by 0.01; y=pdf('normal', x); output;end; options papersize=("16cm" "12cm") / 車 ( . . i d t h, height) 車/ orientat工on=portrait sysprint=("APS‑PS PIP . . i t h APS‑6‑108 v49.3 or 52.2" "C:¥f工g¥F工g‑APS.eps"); goptions device=..inprtm; 日 工s 1 order = 0 to 0.4 by 0.1 value=(f=ar工al h=3) 3 ) minor=none; label=(f=arial h=3 "f(x)") offset=(0, axis2 order = ‑3 to 3 by 1 value=(f=arial h=3) label=(f=arial h=3 "x") offset=(3, 3 ) minor=none; proc gplot data=data; plot Y車x / vaxis=axis1 haxis=axis2; symbol i=join c=black . . = 2 v=none; note c=black m=(44 pct,30 pct) h=2.5 f="MS ゴシック 1I 11正規分布口; note c=black m=(35 pct,82 pct) h=3 f=arial "Normal distribution"; run; 戸 hu ーよ Aq

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3 . 2 E恥1Fフ ァ イ ル か ら EPSフ ァ イ ル を 作 成 す る 方 法 (E 恥1F法) この方法では,画像ファイルの形式を IEMFJ から IEPSJ に変換する機能をもっ WMF2EPSと ttp:jjwww.wmf2eps.de.vu/からダウンロー いう画像変換ソフトを使用する.このソフトウエアは, h ド(入手)することができ,価格は比較的安く, 1ライセンス$2 0( 2 0 0 5年 5月時点)である [ 5 J .イ lt . u ‑ t o k y o . a c . j p ji i z u k a j n t j e p s /を参照するとよい.このような ンストール方法は, http:jjwww.mt. 機能をもっソフトウエアとしては, AdobeのIllu s t r a t o rなどが有名であるが,価格がやや高く (CS 日本語版 8 3, 475円(税込) ( 2 0 0 5年 5月現在)),作成される EPSファイルのサイズがやや大きいと いう欠点がある. 実際の作業手順としては,はじめに, SASjGRAPHで作成したグラフを外部ファイルとして EMF 形式で保存する.このとき, GRAPHウインドウの[ファイノレl メニューから[イメージのエクスポー を選択して「ファイルの種類」を EMFにして保存すればよいが,実際には,プログラムエディタ トl で直接指定するのがよい.そうすれば,パッチ処理が可能で,さらに画像ファイルの大きさを指定す ることができる. :¥fig) に IFig‑EMF.emむ 例えば,表 2のプログラムを実行すると,指定したフォルダ(この場合 C という EMFファイルが横 16cm,縦 12cmの大きさで作成される.ここでは, g o p t i o n sで各種オプ a x i s l Jと I a x i s 2 J の指定は表 1と同じなので省略する. ションを指定することが重要である. I :EMFファイノレの作成例 表 2 g o p t i o n sg s f m o d e = r e p l a c eg s f n a 皿e = g o u td e v i c e = e m f hsize=16cmv s i z e = 1 2 c m ; f i l e n a 皿 eg o u t" C : ¥ f i g ¥ Fユg ‑ E M F .e m f "; p r o cg p l o td a t a = d a t a ; p l o tY本 x/v a x i s = a x i s lh a x i s = a x i s 2 ; s y m b o li = j o i nc = b l a c kw = 2v = n o n e ; n o t ec = b l a c km=(44p c t,3 0p c t )h = 2 . 5f="MS ゴシック 正規分布 2 1 n o t ec = b l a c km = ( 3 5p c t,8 2p c t )h = 3f = a r i a l" N o r m a ld i s t rユb u t i o n "; 1 1 1 1 r u n ; 次に,作成した EMFファイルを WMF2EPSで EPS形式に変換する. WMF2EPSを起動して,作 成した I F i g ‑EMF. e m f J を聞くと,図 1のようなウインドウが表示される.ここで. [ E P S ‑ C o n v e r s i o n J から [ C u r r e n t Jを選択すると,表示画像が EPS形式に変換され. [ A l lF i l e s Jを選択すると,聞いてい るすべての画像が EPS形式に変換される.本稿では,このようにして, EMFファイルから EPSファ イルを作成する方法を IEMF法」と呼ぶ.この方法と APS法の原理は同じであり,いずれも. EPS ファイルを Windows上で作成する方法を応用したものである [ 2 J . 4 5 2

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幽副因由幽圃画面画幽幽幽岨圃圃・園田園届 [.Io U_ Y....~....ゆ句 豆重量則金二i ユ 1 主i 型 民 同 里j医 1" J堅 !一 一一一 f (吋 0 . 5 1 Normald i s t r i b u t i o n 0 . 4 0 . 3 0 . 2 0 . 1 正規分布 0 . 0 ‑ 3 ‑ 2 ‑ 1 C ' . ' f C . r l l l f . . . ! 0 1 2 、 " 【 叩0 3 = ・ 羽 白' ) c. 図 1 :WMF2EPSで Fig‑EMF.emfを聞いた状態 3 . 3 その他の類似の方法 3 . 3 . 1 PSファイルから EPSファイルを作成する方法 (PS法) これまでに紹介した 2つの方法 (EMF法と APS法)以外に,類似の方法として , SASjGRAPH で作成したグラフを外部ファイルとして PS形式で保存して,これを G Sviewで EPSファイルに変換 する方法がある. 実際の作業手順としては,はじめに, GRAPHウインドウの[ファイノレ]メニューから[イメージの エクスポート]を選択して「ファイルの種類」を PSにして保存する.次に,作成した PSファイルを GSviewで聞いて, F i l eメニューから [ P St oEPSjを選択すると, EPSファイルが作成される.この A u t o m a t i c a l l yc a l c u l a t eBoundingB o x J にチェックをしておく.本稿では,このようにして, とき I PSファイルから EPSファイルを作成する方法を I P S法」と呼ぶ. 3 . 3 . 2 B民1Pファイルから EPSファイルに変換する方法 (B民1P法) PS法と同様に ,SASjGRAPHで作成したグラフを外部ファイルとして BMP形式で保存して, v れを各種の画像ファイノレを EPS形式に変換できる I E P S ‑ c o n v J というフリーソフトで EPSファイ τ部 文 書 に BMPファイルを直接取り込むこともできるが,この方法で ルに変換する方法がある . oundingBoxファイルで、画像のサイズを指定する手聞がかかり,さらに画質が悪いという欠点 は , B がある. 実際の作業手順としては,先ほどと同様に,はじめに, GRAPHウインドウの[ファイノレ]メニュー から[イメージのエクスポート]を選択して「ファイルの種類」を BMPにして保存する.次に,作成 PS‑convで聞けば,自動的に EPSファイルが作成される.本稿では,このよ した BMPファイルを E うにして, BMPファイルから EPSファイノレを作成する方法を IBMP法」と呼ぶ. υ 内 ペ d位 Ed

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4 各方法による出力結果と考察 本稿は,実際に τ E Xを用いて作成しであるので, 表 3 :画像のファイルサイズ (KB) EXの出力見本そのものである.そこで,こ 本稿が τ 方法 れまでに紹介した 4つ方法による出力例を図 2から す.図では,比較のために,画像の大きさを調整して ある. f ( x )一 一 一 一 一 一←一一一一ー 0 . 5 1 Normald i s t r i b u t i o n f ( x ) 0. 41 0. 4 0 . 3 0 . 3 395 EMF法 5 5 177 PS法 2, 9 9 0 2 , 9 9 0 BMP法 839 577 Normald i s t r i b u t i o n 0 . 5 0 . 2 0 . 1 正規分布 0 . 0 ‑ 3 ‑ 1 正規分布 。 ‑ 2 2 3 2 3 X X 図2 : APS法 図 3 :EMF法 f ( x ) f ( x ) 0 . 5 0. 4 0 . 3 0 . 3 0 . 2 0 . 2 0 . 1 0 . 1 正規分布 2 ー 。 Normald i s t r i b u t i o n 0 . 5 N o r m a ld i s t r i b u t i o n 0. 4 0 . 0 ‑ 3 変換後 APS法 図 5からに示し,各出力のファイルサイズを表 3に示 o i J。 変換前 0 . 0 2 ・3 3 正規分布 ‑ 2 ‑ 1 。 1 X X 図4 : PS: 1 去 図 5 :BMPt 去 る 画質に関しては, APS法と EMF法では,文字が鮮明で, APS法では, さらに曲線が滑らかであ ところが, PS法と BMP法では,文字と曲線が霞んで,画質がやや悪い. 効率,すなわち作業の手聞を考えると, APS法では,画像ファイルの形式を変換する必要がない ので,最も効率的である.ただし, EMF法では, Windowsの「画像と FAXビューア」 で画像ファ イルを瞬時に出力させることができるので,グラフの仕上がりを確認しやすいという利点がある. ‑454‑

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, APS法 ファイルサイズに聞しては, EMF法 , BMP法の順にファイルサイズが大きくなり, PS 法では, ファイルサイズが 3MB近くにもなり,実用性に欠ける. 最後に,拡張性を考えると, EMF法では, EMFファイルと M i c r o s o f tP o w e r P o i n tの相性が良い ので, τ } 主文書に取り込む画像と同じものを P o w e r P o i n tで使用できるとしづ利点がある. これまでの考察をまとめて,各方法の性能を 3段階(良い・普通・悪し、) で評価すると表 4が得ら れる τ 協による論文作成を対象にすると, SAS/GRAPHによるグラフを高品位に効率よく τ 協の 文書に取り込むには, APS法または EMF法を使用するのがよいといえる. 表 4 : 各方法の性能比較 APS法 。 。 EMF法 ム PS法 BMP法 方法 画質 ファイノレサイズ 効率 拡張性 ム ム ム 。 。 × ム × ム × ム ム ム 0:良い X : 悪い ム:普通 最後に, APS法による他のグラフの出力例を図 6と図 7に示す. これより, 図 2の正規分布の出力 例以外であっても, 同じように高品位な出力が得られることが確認できる. ﹁ Illi‑‑ N 5 0J 司 401 30~ 。 ij ‑ 1 ‑ 2 X 。 X 図 6 : ヒストグラムの例 図 7 : 散布図の例 2 戸 川 d Rd A4

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5 まとめ 本稿では. SASjGRAPHによるグラフを高品位に効率よく τ 悼文書に取り込む方法を紹介した. 1EXによる論文作成を対象にすれば. APS法と EMF法の利用価値は高いと考えられる.これより, SASと τ EXがより効果的に併用できるようになるであろう. 参考文献 山乙部厳己,江口庄英.P g y 耳ヌ 2cf o rWINDOWSAnotherManualVol . 1B a s i cK i t1 9 9 9 . ソフト パンクパブ、リッシング.1 9 9 8 . g y 可芥 2 c美文書作成入門改訂第 3版.技術評論社 . 2 0 0 4 . [ 2 ] 奥村晴彦 . [ 3 J AdobeS y s t e m sPSプリンタドライバダウンロードページ. h t t p : jj w w w . a d o b e . c o . j p j s叩 p o r tj d o w n l o a d s jp s p w i n . h t m 1(最終閲覧日 2 0 0 5年 5月 1 6日). [ 4 J AdobeSystems著.松村邦仁訳.ページ記述言語 P o s t S c r i p tプログラム・デザインアスキー. 1 9 9 0 . [ 5 ] TheWMF2EPSHomepage.h t t p : jjwww.wm f 2e 戸. d e . v uj( 最終閲覧日 2 0 0 5年 5月 1 6日). [ 6 J ずうこむ . g y 可芥 2 cで、エレガントな論文を書く.サイエンテイスト社 . 2 0 0 2 . 0 0 0 ;1 0 3 ( 9 8 4 ) : 7 7 0 ‑ 7 7 3 . [ 7 ] 山本浩.TeXを使った論文作成方法.日本機械学会誌 2 [ 8 J 小原哲郎.コンヒ。ュータにおいて画像を扱うにあたって.日本機械学会誌 2 0 0 0 ;1 0 3 ( 9 8 3 ) : 6 9 9 ‑ 7 0 2 . 4 5 6

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