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November 01, 26
スライド概要
本資料では、Cloud Adoption Framework(CAF)が何か、なぜ利用するのかを説明し、事業・組織・技術の観点からクラウド導入の意思決定を支援するガイダンスであることを示します。CAFは7つのAzure導入フェーズ(Strategy、Plan、Ready、Adopt、Govern、Secure、Manage)に整理され、各フェーズの目的と活動を具体的に解説します。また、CAFシナリオとしてAzure導入、データプラットフォーム、AI導入などの例を提示し、Azure Architecture CenterとWell‑Architected Frameworkの活用方法を紹介します。さらに、Azure Landing Zoneの概念とプラットフォーム・ワークロード別の構成を説明し、CAFのReadyフェーズでの基盤設計と統制のポイントを示します。最終的に、CAFを活用して自分の課題に合ったベストプラクティスを見つけ、クラウド投資を事業成果につなげる手順をまとめています。
Azure と Power Platform 出来ます。
すきやねん Azure!! #43 CAF 概要 2026/10/30 NTTデータ先端技術株式会社 経営企画部 Microsoft技術センター 原田 幸太郎 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation
本日持ち帰ってほしいこと & 目次 本日持ち帰ってほしいこと • とにもかくにも CAF の存在を知る • CAF が何に役立つかを何となく理解する • 自分の課題に合ったベストプラクティスを見つけられるようになる 目次 1. 自己紹介 2. Cloud Adoption Framework (CAF) とは 3. Azure 導入フェーズ 4. おすすめのベストプラクティス 5. まとめ © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 2
01 自己紹介 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 3
はじめに 私は、インフラエンジニアとして仕事をしています。 インフラエンジニアとは: インフラエンジニアは、ITインフラの設計から構築、運用までを担います。具体的には、サーバーや ネットワーク、ストレージなどの基盤を管理し、システムが安定して効率よく動くように支えています。 開発系エンジニアがアプリケーションのコードを書くのに対し、そのコードが動く環境を整え、最適化 していくのが私たちの役割です。 今回はインフラの視点からお話しするため、専門分野の異なる方には なじみの薄い内容もあるかと思いますが、温かくお付き合いいただけますと幸いです。 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 4
自己紹介 Azure: まあまあいける Microsoft 365: 普通 Power Platform: 多少 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 氏名 原田 幸太郎 生年月日 1976年3月8日(50歳) 出身地 愛知県北名古屋市 所属 株式会社NTTデータ先端技術 職歴 アプリケーション開発エンジニア:5年 パッケージフィールドエンジニア:3年 パッケージ開発エンジニア:2年 インフラエンジニア:16年 趣味 クラフトビール・旅行・テニス 5
02 Cloud Adoption Framework (CAF) とは © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 6
2-1. なぜ CAF を使うのか CAF は、クラウド導入の意思決定を事業・組織・技術の観点から整理するガイダンスで、Microsoft が推奨するクラ ウド導入のベストプラクティス集でもあります。 個別サービスの構築手順とは役割が異なり、クラウド投資を事業成果につなぐロードマップとして活用できます。 事業課題 → → CAF による意思決定 Azure 導入 → 事業成果 Strategy / Plan / Ready / Adopt + Govern / Secure / Manage CAFがない場合の課題 CAFで得られる効果 クラウド導入自体が目的化する 事業成果とKPIから逆算して投資を判断できる 部門ごとに設計・運用ルールが異なる 役割、ガバナンス、セキュリティ基準を統一できる 移行後にコスト・運用・統制の問題が顕在化する 導入前から運用までを見通し、継続的に改善できる クラウド導入フレームワークとは © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 7
2-2. Azure 導入フェーズと CAF シナリオ CAF は、Azure 導入に必要な活動を7つの Azure 導入フェーズに整理しています。さらに、特定のビジネスニーズや 技術に対応する CAF シナリオを提供しています。 • Azure 導入フェーズ 導入に向けた活動を、戦略、計画、準備、導入、ガバナンス、セキュリティ、管理に分けて考えます。 まず戦略で導入の目的と期待する事業成果を明確にし、それを基に計画で対象ワークロードや必要な人材・スキ ル、組織体制、運用モデルを整理します。そのうえで準備に進み、組織の要件に沿ったクラウド環境を整え、ワーク ロードを受け入れる基盤を用意していきます。 • CAF シナリオ こうした共通の導入プロセスを、ビジネスニーズやテクノロジに合わせて具体化するのが CAF シナリオです。 Azure 導入、データプラットフォーム、AI の導入、AI エージェント、主権、Azure VMware Solution などから目的 に合うシナリオを選び、各フェーズと組み合わせて活用できます。 クラウド導入フレームワークとは © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 8
2-3. Azure Architecture Center/Well-Architected Framework クラウドの実装には、設計指針と品質を評価する基準が必要です。 ワークロードの設計・評価・改善には、Azure Architecture Center と Well-Architected Framework を併せて活用します。 • Azure Architecture Center Azure でのシステム設計を支援するアーキテクチャ ガイドで、参照アーキテクチャやソリューション例、設計パターン、 技術選定ガイドを提供しています。 これらを参考に要件に適した構成や実装方法を検討し、自社の要件や制約に合わせて調整していきます。 • Well-Architected Framework ワークロードの設計判断と、継続的な評価・改善を支援するフレームワークです。 信頼性・セキュリティ・コスト最適化・オペレーショナル エクセレンス・パフォーマンス効率の 5 つの柱に沿ったチェックリ ストで設計をレビューし、改善点を見つけていきます。 • CAFとの関係(実務での使い方) CAF で導入方針や組織の標準を整理し、Architecture Center の設計例・パターンと、Well-Architected Framework の設計原則・レビューを組み合わせて活用します。 Azure Architecture Center/Azure Well-Architected Framework © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 9
2-4. Azure ランディングゾーン Azure ランディングゾーンは、ワークロードを受け入れるための標準的な基盤アーキテクチャです。ガバナンス、セキュリ ティ、ネットワーク、運用の要件を共通の基準にまとめることで、一貫した環境を整えていきます。 • プラットフォーム ランディングゾーン 組織共通の Azure 基盤として、管理グループ階層やガバナンスを整備し、必要に応じてネットワーク接続、ID 管 理、セキュリティ監視などの共通サービスを提供します。 複数のワークロードでこの基盤を共有することで、運用と統制の一貫性を保ちやすくなります。 • ワークロード ランディングゾーン 一方、個々のアプリケーションやシステムを配置するのが、ワークロード ランディング ゾーンです。 ワークロード チームは、共通基盤のガードレールやポリシーに沿って、アプリケーション固有の要件に合わせたリソース を展開・運用していきます。 • CAFとの関係(実務での使い方) CAF の Ready フェーズでは、組織のガバナンスやセキュリティ要件に沿って基盤を設計・整備します。その上で各 ワークロードを展開し、一貫した運用と統制につなげていきます。 Azure ランディング ゾーンとは © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 10
03 Azure 導入フェーズ © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 11
3-1. Azure 導入フェーズ:全体像 前章では、CAF の概要と、Azure Architecture Center、Well-Architected Framework、Azure ランディングゾー ンの位置付けを確認しました。 ここからは、その関係を踏まえて Azure 導入フェーズを取り上げ、CAF の具体的な使い方を見ていきます。まず全体 の流れを確認し、続いて各フェーズの活動を詳しくご紹介します。 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 12
3-2. Azure 導入フェーズ:7つの活動 前のページの図は、「クラウド導入フレームワークとは」の冒頭で紹介しているものです。 まず、左側の Strategy、Plan、Ready、Adopt は、導入プロジェクトを進める流れを示しています。 • 戦略 (Strategy) : まず、Azure 活用で実現したいビジネス価値を定義する • 計画 (Plan) : その実現に向けて、対象システムと実行計画を具体化する • 準備 (Ready) : 次に、Azure ランディングゾーンを整え、受け入れ基盤を用意する • 導入 (Adopt) : 基盤を整えたうえで、移行・最新化・新規開発を進める 一方、右側の Govern・Secure・Manage は、各段階を通じて継続する活動として位置付けています。 • ガバナンス (Govern) : 利用ルールを整え、コンプライアンスを維持していく • セキュリティ (Secure) : セキュリティ対策とリスク管理に継続して取り組む • 管理 (Manage) : 監視・運用を続けながら、最適化を図る Strategy~Adopt では、導入目的の明確化から計画・基盤の整備、ワークロードの導入を進めます。各活動は状 況に応じて見直し、Govern・Secure・Manage を継続的に組み合わせて活動を進めます。 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 13
3-3. Azure 導入フェーズ:戦略 (Strategy) このフェーズで行うこと まず、技術的な検討に入る前に、クラウド導入の目的を明確にします。「クラウドの利用でどのようなビジネス価値を得 たいか」を整理することが、以降の計画の出発点になります。期待する成果と評価の基準を関係者で共有し、投資 判断や対象範囲の検討につなげます。 主な検討事項 • 解決したい経営・業務課題を明らかにし、クラウド導入の目的を関係者間で共有する • コスト削減や事業拡大、システム刷新など、期待する成果を具体化する • クラウド導入の効果を測るため、投資対効果(ROI)や成功指標を設定する 成果物の例 • クラウド導入の動機・ミッション・目標(導入の目的と期待するビジネス成果) • 戦略推進体制と役割分担(意思決定者、関係者、責任範囲) • 主要な成果と評価指標(KPI 等、導入効果と進捗を測定する基準) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 14
3-4. Azure 導入フェーズ:計画 (Plan) このフェーズで行うこと 戦略で整理した目的や期待成果を基に、Azure 活用に向けた具体的な実行計画を立てます。対象となるシステム や取り組み、必要な体制・スキルを検討し、優先順位と予算を整理します。そのうえで、担当者が実行できる計画書 にまとめます。 主な検討事項 • 既存システムを棚卸しし、ワークロードごとの導入・移行方針を決める • 必要なスキル、コスト見積もり、導入計画をまとめる • 集中型・分散型など、クラウドの運用モデルと役割分担を決める 成果物の例 • 導入計画書(対象ワークロード、移行方針、優先順位、実施スケジュール) • 予算・コスト計画(導入・開発費用、Azure 利用料、運用費用) • 運用モデル・体制・スキル計画(共通基盤とワークロードの責任分担、人員配置、育成・外部支援の方針) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 15
3-5. Azure 導入フェーズ:準備 (Ready) このフェーズで行うこと Azure ランディングゾーンとして、共通基盤のプラットフォームランディングゾーンと、各システムの受入環境となるワーク ロードランディングゾーンを整備します。認証・認可、管理構成、ネットワーク、監視・バックアップ・セキュリティを設計し、 共通ガードレールの下でワークロードごとの要件に応じた環境を用意します。 主な検討事項 • Microsoft Entra ID の認証・認可と、管理グループ・ワークロード別サブスクリプションを設計する • 共通基盤・オンプレミス・他クラウドと、各ワークロード環境のネットワーク接続を設計する • 監視・バックアップ・セキュリティの共通標準と、各ワークロードへの適用・運用分担を定める 成果物の例 • Azure ランディングゾーン(共通のプラットフォーム基盤と、各ワークロード受け入れ環境) • 基盤・ワークロード環境の設計書・構成図(標準アーキテクチャ、権限、管理グループ・サブスクリプション、接続 設計) • 運用・セキュリティ標準と設定一式(監視、バックアップ、共通ガードレール、各環境への適用・運用分担) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 16
3-6. Azure 導入フェーズ:導入 (Adopt) このフェーズで行うこと 共通基盤が整ったら、システムやアプリケーションを Azure 上へ展開していきます。既存システムの移行に加え、最新 化や新規開発もこの段階で進めます。計画した方針に沿って実装・検証を行い、本番環境への移行・展開と、稼働 後の確認を進めます。 主な検討事項 • 計画した方針に基づき、移行や展開の手順、切替・切戻し方法を具体化する • 要件に応じて PaaS やマネージドサービスを活用し、クラウドに適した構成を実装する • 性能・可用性・運用性のテストを実施し、本番移行の可否を判断する 成果物の例 • Azure 上で稼働するワークロード(移行・最新化・新規開発の対象) • 構成・デプロイ手順と自動化資産(設定、切替・切戻し手順、採用した IaC 等) • 検証結果と受け入れ記録(テスト結果、稼働確認、関係者の承認) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 17
3-7. Azure 導入フェーズ:ガバナンス (Govern) このフェーズで行うこと 導入から運用まで一貫した統制を保てるよう、Azure の利用ルールを定め、継続的に適用していきます。コストやコン プライアンスの観点から利用状況を確認し、共通の基準に沿った運用を維持します。 主な検討事項 • 命名規則やタグなどの利用基準を標準化し、方針を定めるチームと、適用を担う各チームの役割を明確にする • コスト超過や不要リソースを防ぐため、予算・利用状況の監視と対応ルールを整える • Azure Policy などで準拠状況を確認し、リスクに応じた制御を適用する。低優先度のリスクは監視から始め、影 響を評価して段階的に制御を強める 成果物の例 • クラウド利用ガイドライン(利用基準、適用範囲、役割分担) • Azure Policy セット(ガードレール、適用範囲、監査・制限の設定) • コンプライアンスレポート(準拠状況、違反への対応状況、改善事項) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 18
3-8. Azure 導入フェーズ:セキュリティ (Secure) このフェーズで行うこと ガバナンスとあわせて取り組むのが、セキュリティ対策です。サイバー攻撃や不正アクセスからクラウド環境を守れるよう、 対策を進めていきます。アクセス制御や脅威検知に加え、問題が発生した際に対応できるよう、運用手順も整えます。 主な検討事項 • ゼロトラストに基づくアクセス制御を設計し、多要素認証や特権 ID 管理を導入する • 脆弱性管理や脅威検知の仕組みを整える • 監査やインシデント対応・復旧の手順を整え、攻撃に対するレジリエンスを高める 成果物の例 • セキュリティ設計書(アクセス制御、多要素認証、特権 ID 管理) • セキュリティ設定一式(脆弱性管理・脅威検知) • セキュリティ運用手順書(監査、インシデント対応・復旧) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 19
3-9. Azure 導入フェーズ:管理 (Manage) このフェーズで行うこと Azure 環境の監視・運用を通じて、サービス品質を維持し、日々の改善に取り組みます。監視で把握した状況や運 用実績を基に、コストや構成を継続的に見直します。 主な検討事項 • 可用性や性能を継続的に測定する監視・アラート通知の仕組みを整え、サービス品質を維持する • ログを分析し、障害の予兆や改善ポイントを把握する • 運用実績を基に、コストや構成の最適化を進める 成果物の例 • 監視設定・運用ダッシュボード(監視対象、しきい値、通知条件、稼働状況) • イベント・対応記録(検知した事象、分析結果、対応状況) • 継続的改善登録簿(CIR、改善候補、優先順位、担当者、進捗、効果) © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 20
04 おすすめのベストプラクティス © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 21
4. おすすめのベストプラクティス • [戦略] クラウド導入戦略のコスト効率に関する考慮事項 – CapEx (資本支出) モデルから OpEx (運用経費) モデルへの移行 • [戦略] クラウド戦略の回復性に関する考慮事項 – 共有責任モデルを理解する • [戦略] クラウド戦略における持続可能性に関する考慮事項 – Azure でのカーボン最適化 • [計画] クラウド用に組織を準備する – Cloud adoption planning decision tree – クラウド運用モデルの選択 • [計画] コスト見積もりのために Azure 環境を計画する – Azure アーキテクチャを計画する © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 22
4. おすすめのベストプラクティス • [準備] Azure ランディング ゾーンの設計領域 – Azure の課金と Microsoft Entra テナント – ID 管理とアクセス管理 – リソース編成 – ネットワークトポロジと接続 – セキュリティ – 管理 – ガバナンス – プラットフォームの自動化と DevOps • [準備] プラットフォーム ランディング ゾーンの実装オプション – Azure Landing Zones IaC アクセラレータ – Azure Verified Modules (AVM) • [準備] 名前付け規則を定義する、タグ付けの戦略を定義する、Azure リソースの省略形に関する推奨事項 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 23
4. おすすめのベストプラクティス • [ガバナンス] クラウドガバナンス ポリシーを実施する – Enterprise Azure Policy as Code (EPAC) • [ガバナンス] クラウドコンプライアンスを監視する – Azure ガバナンス ブック • [セキュリティ] セキュリティの概要 – セキュリティの取り組みでも、CAF の導入サイクルに沿って継続的に見直すことが大切です。 – CIA Triad の原則 (機密性、整合性、可用性) • [管理] Azure クラウド資産を管理する – 変更の管理 – リソースの無秩序な増加を管理する © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 24
05 まとめ © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 25
5. まとめ Azure の導入では、サービスや構成の選定だけでなく、目的・体制・利用ルール・運用まで考え る必要があります。こうした検討を整理する手掛かりとして、CAF を活用してください。 • 目的をそろえる: 何のために導入し、どのような成果を目指すのかを共有する • 取り組みを整理する: 各フェーズで必要な活動と、担当・成果物を明確にする • 実践につなげる: 課題に合うベストプラクティスを参照し、具体的な設計や運用に反映する すべてを一度に取り入れるのではなく、まずは身近な課題を1つ選び、紹介したベストプラクティスと 照らし合わせてみてください。そこから、関係者との認識合わせや改善につなげていきましょう。 © 2026 NTT DATA INTELLILINK Corporation 26