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February 07, 26
スライド概要
https://confengine.com/conferences/women-in-agile-tokyo-2026/proposal/49643
私は長い間、ジェンダーやダイバーシティの話題に距離を置いてきましたが、昨年、向き合うことを決め、 Women in Agile でセッションを行いました(資料:https://www.docswell.com/s/4120729292/5N1GJP-2025-02-04-135113)。
ただ、その後の一年は、やりたい気持ちはあるのに思うように進められない時期となりました。体調や気分の波の中で、焦りや自己嫌悪が強くなる日もあり、そもそも自身が今の役割を「続けること」そのものをとても難しく感じる場面が増えました。
転機になったのは、昨年のキーノートの話をした だむはさんのbgrass のイベントです。イベントを通し、いろいろなライフステージの人と話し、「ジェンダーバイアスの解消に貢献するために、発表したり啓蒙したりしなくてもいい。困難な状況を乗り越えて働き続けること、できれば楽しく働き続けること自体が、ジェンダーギャップを縮めていく」というメッセージに出会い、考えが変わりとても楽になりました。離脱が積み重なるほど意思決定の場やロールモデルが減り、次の人の選択肢も狭まります。だから「続ける」ことは、それ自体が構造に効く貢献になり得ます。
本セッションは、前半では「サバイブの力」をお話しします。後半では私が生き残るために実際にやったことを共有します。ネガティブな気持ちを受け入れること、違和感を「進むべきでない」という停止信号にしないこと、休む自分を受け止めること、体調悪化から自己嫌悪に落ちるループに気づくこと、が効きました!難しいですけどね。
シナジーマーケティング 取締役 CTO
辞めないことが貢献になる サバイブで埋めるジェンダーギャップと私のレトロスペクティブ Women in Agile Tokyo 2026 | 2026.02.03 馬場彩子 (Ayako Baba) - Synergy Marketing CTO
馬場彩子 Synergy Marketing CTO 昨年のWomen in Agileに登壇 「今年も戻ってきました」
サバイブも貢献 やりたいけどできなかった一年を経験して見つけたこと
2025年:「やる」と宣言したけれど、動けなかった。 昨年、「アクティブになります」と宣言しました。 しかし現実は違いました。 身体的な不調 (更年期症状) ・不安でずっと心臓バクバク ・不眠、文字が読めなくなる メンタルの不調 ・集中力の欠如、思考停止 ・「アウトプットゼロ」による自己嫌悪 自己認識 自分がなにもできない人に思った 1%
本当に生き残ることだけ 考えていた エンジニア・CTOとして生き残る、とい うより本当に生き残ることだけを考えて いた。それで精一杯だった。追加で何か を学んだりせず、夜も週末も仕事しな い、スキルアップの読書もしない。
転機: bgrassのイベント • 2025年12月 • bgrass WAKE Careerイベント
転機:「発表や啓蒙をしなくてもいい」 「困難な状況を乗り越えて 働き続けること自体が、 ジェンダーギャップを縮める」 ・完璧なロールモデルである 必要はない。 ・啓蒙活動をしなくてもいい。 ・ただ、ここにいるだけでいい。 ロールモデルの 重圧
すごく楽になった Fuuh... • 勇気をもらった • サバイブするだけでいいんだ • 完璧にやらなくてもいいんだ
なぜ「サバイブ」が構造(ジェンダーギャップ)に効くのか? 離脱 (Dropping Out) 継続 (Continuing) Ah, tha style is okay too! 1.「完璧」を目指さなくて いい。「休む」も戦略。 遠くのスーパーマンより、隣で泥臭く 続ける先輩のリアルな姿が、 後続の希望になる。 2. ただ「いる」だけで、 景色(構造)が変わる。 あなたがそこに居続けること。 それがマイノリティをマジョリティに 変える最大の構造改革。 3. 多様な「やめない」が、 私の可能性を広げる。 「バリキャリか辞めるか」の二択ではない。 色々なサバイブ術を知ることで、 「私にもできるかも」と思える。 したがって、「しぶとく居続ける(サバイブ)」>「完璧な成果」 〜あなたの「やめない」が、次の誰かの「生きる選択肢」になる〜
生き残るためにやった「4つの実践」 2025年を生き延びた私のレトロスペクティブ(ふりかえり)から。 1. 悪循環を断つ 2. ネガティブ受容 3. 停止信号の点検 4. 休む自分を許す
実践1: 体調悪化→自己嫌悪ループに気づく ネガティブな 感情が湧く ストレス!! 自分を責める このループが回っていた
実践1: 体調悪化→自己嫌悪ループに気づく 体調悪化 自分は ダメだ… ストレス さらに悪化 罠(Trap): 体調が悪いだけなのに、能力不足だと 錯覚して自分を攻撃してしまう。 対策 (Fix): 「書き出す」こと。 気づき (Insight): 書き出してみると、 「能力がない」のではなく 「寝ていない」だけだと気づく。 ループが見えれば、自己攻撃は 止まる。
実践2: ネガティブを受け入れる 今、痛かった。 行動: 辛いとき、AIにただ事実を話す。「こんなことがあって悲しかった」 以前: 「こんなことで落ち込む自分は弱い」(自己否定) 以後: 「私は今、悲しいんだな」(感情を現象として扱う) 結果: 感情に抗わないほうが、回復はずっと早い。
実践3: 違和感を停止信号にしない ・何が起きていたか:「無理だ」と思うオファーが増えた ・なんら全てが無理だと思う ・これって本当に無理なのか? STOP ???
少し前 / 今 LOW 不足 Sleep 睡眠 EMPTY 空腹 Food 食事 CRITICAL 枯渇 Energy エネルギー 少し前の自分: ネガティブは精度の高い勘(危機 的匂い) → 即決で断っていた 今の気づき: 疲れている、寝てない、 お腹すいた(コンディション反映) 行動の変化: 一回受ける(「中止」ではなく「点検」にする)
実践4: 休む自分を受け止める ・状況: 休もう ・しんどいと触るもの皆針みたいに感じる ・この閾値がめちゃくちゃ低くなった ・この閾値がめちゃくちゃ低くなった
以前の価値観 新しい解釈 成果を得るのが仕事。 そのために日常をさしだし苦しい修行をする 人生は日常、仕事は人生の重要な一部。 仕事をする、面白そうなものに挑戦する 英気を養うために休む 効果: 休むことで自分の人生を生きれるようになる
4つ全部つながっている 4つの実践には共通の仕組みがある 全てを支えている「核」がある
すべてを支える核: ジャーナリング 4つの実践に共通するのは「外に出す (Externalization)」こと。 思考 (Thinking) 書き出す (Write) 客観視 (Observe) 解釈の更新 (Update) 書かれていないコードはデバッグできない。 頭の中にあるままの感情もデバッグできない。 「自分はダメだ」を「自分は疲れている」に書き換える技術。
明日からやる「小さな一手」 □ 今日の気持ちを書き出す □ AIに「今日はこんな気持ちだった」と話しかける □ カレンダーに「休む」というタスクを入れる 大きな変革は必要ありません。ただひとつの小さなアウトプットから。
辞めないこと、そのものが貢献になる。 完璧じゃなくていい。ただサバイブするだけでいい。 あなたがサバイブすることで、次の人のための道が繋がる。 サバイブで埋めるジェンダーギャップ。 ありがとうございました