253 Views
September 16, 16
スライド概要
Developers Summit 2016 KANSAI (デブサミ関西)
【B-4】15:45~16:30
生涯エンジニアというマインドを活かしてYahoo!天気アプリを成長させたPM手法
ヤフー 湯澤 秀人
http://event.shoeisha.jp/devsumi/20160916/session/1179/
2023年10月からSpeaker Deckに移行しました。最新情報はこちらをご覧ください。 https://speakerdeck.com/lycorptech_jp
Developers Summit 2016 KANSAI 生涯エンジニアというマインドを活かして Yahoo!天気アプリを成長させたPM手法 2016年9月16日 ヤフー株式会社 湯澤 秀人 1
about me 湯澤 秀人 • • • • 42才 の自称 @hiyuzawa フルスタックエ ンジニア (Hideto Yuzawa) 1998年(24才)〜 2001年(27才)〜 2010年(36才)〜 2014年(40才)〜 : : : : 三菱電機にてソフトエンジニアやSE職など ヤフーにてITエンジニア (インフラ, 技術, 企画) 任天堂にてネットワークエンジニア ヤフー(大阪) にて天気・災害担当 • 2015年(41才)〜 : 天気PJのPMとして天気アプリのリニューアル 担当 2
about ヤフー大阪オフィス 社員数: 約200名 大阪駅、梅田駅 すぐ近く • ショッピング/広告営業 • サービス担当 • • • • 天気・災害 マッチング myThings(IoT) など • D&S(データ&サイエンス)関西 3 絶賛 大阪ヤフー メンバー募集中
about Yahoo! 天気・災害 【天気】 1996年(ヤフー創業年)よりス タートする老舗サービス 【災害】 2005年より開始, 2011年より災害の速報通知を意 識したサービス アプリ それぞれPC/スマホ/ にてサービス提供 2014年より大阪に移管 (メインスタッフは全員 大阪所属 約25名) 4 UM (ユニットマネージャ) 現在 ここを 担当 SM (サービスマネージャ) PM PM
Yahoo! 天気アプリ (iPhone/Android) 累計 2300万ダウ ンロード 現在(リニューアルから15ヶ月) 多くのスマホユーザに利用されてい る天気アプリへ (弊社独自の調査 2016/8月現在) 2015年 日本におけるスマートフォンアプリ 対昨年増加率 第3位獲得 (TOPS OF 2015: DIGITAL IN JAPAN ~ニールセン2015年 日本 のインターネットサービス利用者数ランキングを発表~ より) http://www.netratings.co.jp/news_release/2015/12/Newsrelease201510201215.html Android版:2010年 iPhone版:2012年 提供開始 5 2015年6月 フルリニューアル
私のITエンジニアとしてのキャリア おそらく皆さんが 気になるであろう ヤフーから転職, そして再入社までの 経緯などを… 6
2001年にIT業界に飛び込んだ時から常に思う変わらぬ「5のマインド」 1. 2. 3. 4. 5. 人に「ありがとう」と言われる作品を作りたい 自分の作品には納得と責任を持ちたい 常に自分を成長させたい エンジニアとして生涯現役でいたい 仕事は楽しくしたい ユーザに 喜びと驚きを 与えたい 7 ユーザが体験する 「全体感」を 重要視したい 改善を繰り返し 良い作品を 作ることで 自身の成長を
第1次 ヤフー時代 2001年(27才) インターネット常 時接続時代の幕 開け 社員数百人, エンジニア50 人程度のヤ フーに入社 8 2010年(36才) • 社員数 • サービス数 • 組織数 カテゴリ,検索,知恵袋な どの多数のサービス開 発を主導 技術リーダ 調整業務 人材管理など 技術リーダ 採用活動 産学連携 会社の拡大とともに 自身の役割も変化
第1次 ヤフー時代の内外の環境変化 2001年 • • • Yahoo! Incなど内部技術を利用した効率的なサービス開発 自前のDCと専門部隊による大規模なインフラ環境 ブランド力による圧倒的なトラフィック 「内のリソース」の 活用が魅力的な サービス作りの 近道な時代 9 2010年 • • • • 当時、これらの 「外の変化」に 危機感を感じた (自分は変化についてい けてるのか?) AWSをはじめとするクラウド時代 オープンソースが効率的な開発支援に オープンな話題による技術者同士コミュニケーションの活性化 iOS / Android のマーケットの中での競争
第1.5次 活動期間を経て 第2次ヤフーへ ヤフーにも大きな変 化が 2010年(36才) ヤフーに再就職 2014年(40才) 2016年 2012年 ヤフー新体制へ • • • • ゲームSDKの通信基盤(シ ステム構築) IDシステムの設計/開発 世界展開のSNSサービス のサービス企画から設計/ 開発/運営 その他色々 ネットワーク &サーバエンジニア 第1次のヤフー時代の 経験を活かしつつ新し い知識/経験 独特な会社 だったので 想像以上の いろいろな経験 =生涯エンジニア としての生きたい 自分への 一番の成果は自分に 自信が付いたこと いままでとは大きく異る環境で仕事ができ新たな側面で成長 できた5年間(36〜40才) 10 自信
Yahoo!天気アプリを成長させたPM手法 これからの内容は 私個人としての考え、思 いに関する事が多く含ま れています。 11
自身の動機付け重要 天気のサービス担当、アプリのリニュアルを任命されるも悩む • • • 天気には生まれつき無頓着な性格 ヤフーは気象会社ではないので基本的には情報を 入手して表示するサービス エンジニアとしての面白みが見えにくかった メディア系サービスへ の興味は薄かった 12 41才の自分のキャリアと 方向性にマッチした仕事 なのか? アプリの開発経験は 当時までなく 経験はしたかった ユーザと接する モノづくりは楽しい
天気アプリをつくるならこういうプロダクトにしたい 天気予報を単に表示するサービス ではなく ユーザが天気の事を把握(予想)できる 道具(Tool)を作る ユーザにどう見てもらうか? ではなく ユーザにどう 13 使ってもらうかを考える
作品作りの軸を決める 日頃のメンバーへの口癖は 「カッコイイ」 ものを作ろう! 道具は機能の集合 • どのような機能を選択し • どのように配置するか いつも使う道具とは • 愛着をもって • 自然に手に取れるもの 目線(軸)が定まる (これが将来悩んだ時に立ち戻る ポイントになり重要) 14
なにをユーザに届けたいか 作り手の意志を明確にし 人に自信を持って薦められる 作品をつくる エンジニアとは堅物者 どんなプロダクトでもテンション上げられるとは思えない。 上手くマッチする仕事との出会いも重要
「作品」という表現は私のこだわり エンジニア=職人であれ
PJチーム DevPMなら「面を意識した体制づくり」 ができる PM Dev PM アプリ 担当 サーバ 担当 デザイン 担当 こういう階層よりは… (一般的な非エンジニアがPMするとこうせざるをえない) 17 アプリ 担当 サーバ 担当 デザイン 担当
私流のDevPMによるPJチーム スキマを見つけ フォローすることが PMの重要な役割 PMは全職種の 作業を把握 Dev PM 分担の垣根を超えた 相互サポートを促す サーバ 担当 担当の スキル向上で 領域は拡大 アプリ 担当 18 デザイン 担当 各担当は 全体を意識しつつ 役割をこなす
PMとしてチームを客観的に把握する このPJの目的 は人材育成!? 人不足… DevPMの場合、 エンジニアとしての経験を活かし… • メンバーのスキル • マインド • モチベーション が正確に把握しやすい 意識改革必要? (一体感不足) 19
動かすまでは「開発」動いてからは「改善」 ITサービスは公開がスタート (最重要) 公開後に何をするかを公開前に思い描くことが重要 公開時に機能を詰め込んで機を逃すべきではない 公開時の品質も重要(詰め込んだ機能はすべて品質OKなのか?) All in してから公開前にどれだけ使い込めるか(品質を上げられるか) 初見の印象は重要(多機能である必要はない。刺さるかどうか) 20
天気アプリで定めたこと 機を逃さない 2015年の梅雨/台風シーズン前には公開する 公開時の主要機能は以下とした • • • 21 機能をフォーカスして 品質を上げる 天気予報が今よりも見やすく確認できる 雨雲レーダを重要な機能位置づける。またそれを認知し てもらうUIをとする 雨雲接近の通知でインパクトを与える
公開がスタート! 2015年 ユーザのご意見 から実施を判断 するものも 6月: リニュアル公開 7月: 台風表示 9月: iOS9 AppleWatch 11月: 投稿天気 12月: 詳細情報(指数,アメダスなど) 公開前にどれだけ未来図(理想図)と して思い描けるか? 22 天気を予測する道具 として何を揃えるべきかを 考えて機能追加 2016年 1月: TVを意識した全国面 2月: 積雪深/お知らせPush 4月: PM2.5 5月: 雨雲レーダver2 6月: ウィジット追加 7月: 「今の気温」表示 8月: 最高気温ランキング
改善の方向性を確認はユーザからのご意見 • • • Storeレビュー SNSの評判 独自のご意見フォーム 雨雲ズームレーダを道具と して使いこなしシェアしあう 方々 「雨雲接近通知からの雨が 回避できた。」 実体験をSNSに投稿 23 あくまでも提供者が 主体的に自信をもって作品を作るべき その思いがユーザに伝わるかがポイント 提供側の自己満足にならないようにその方向性の確認 はユーザのご意見を積極的に活用 新機能についてのご意見 機能追加のご要望 「UIがシンプルで 使いやすい」 というご意見
たとえば 一定数の改善要望 UIがシンプルで使 いやすい 1画面で必要な情 報が全て見れて 便利 1stViewに関するUIの評価 はご意見の数としても非 常に多い 24 週間天気を10日間み たい どうする? 両方満足させる。 どうやって? こういう判断はPMのお仕事
常に全体を把握する (責任をもつ) 「現在の気温」 を表示する機能を 追加した事例をもとに 25
全体に責任を持つことで自信をもってユーザに提供できる 品質は? 評判は? KPIは? アップデート順 調? ユーザ アプリ Store 体感速度は? エラー時は? CP(情報提供元) 更新頻度は? 信頼度は? 保持期間は? CDN 受信サーバ エラー処理は? スキーマは? 保存期間は? キャパシティは? I/F仕様は? APIサーバ データ処理サーバ データベース 26 申請処理は? 更新時期は? 告知文言は? ※簡略化のためのサンプルであり実際の構成とは異なります 開発時のコミュ ニケーションは 順調? UI/UXは? 改悪にならな い?
あくまでもBackUp, 各担当が主体的に Dev PM アプリ 担当 メンバーへのメッセージングは… サーバ 担当 デザイン 担当 意外と難しいこと。 そういう視野の広い技 術者になってほしいの でPJを通じてメッセー ジング 27 • • • • 全体意識を持とう 仕事を通じて成長しよう 作品に誇りと責任をもとう 仕事を楽しもう • 困ったら私が助ける
もう一つの意識: 伝える能力 プレゼン資料は要所で頻繁に作るよう心がけてる。 具体的で説得力あるもの 資料を通じて… • • • 自分の考えを整理する力 人に伝える力 チームを一つにする力 年間 20〜30本 200〜300枚以上 (メンバーを歯車に決してしない) ※ エンジニアなので話すより書いて伝えるほうが楽という考えからの行動でもある 28
2016/5のアップデート概要(PJ内の説明資料) 5月 Version レビュー訴求予定 ・雨雲レーダがパワーアップ! Update:1 Android,iOSともに雨雲レーダからの 任意地点の降雨量の詳細表示対応 Update:2 (お知らせ)Push, フロントWebView 外部からの起動可能な動線追加 更新後に 活用して いく予定 (そこからの天気動線で地図から地点を探す機能) Update:3 (※サーバ更新) 全国動画サムネイルのSNSシェア対応 資料作りも人に どれだけ分かり やすく伝えるか の鍛錬の一つ • 市区町村詳細の各タブ • 雨雲レーダ(任意緯度経度指定,拡縮)
品質は自分でもしっかり確認 QAも私の仕事の一つ (ユーザの基本操作のシナリオを重点的に確認) 更新の判断が自分なら それに自信と責任を持ちたい 30
広く新しい技術を常に身につける 誰よりも技術者として常に 自己成長する意識をもち実践する (背中を見せてメンバーの成長を促す) IT技術者という括りを意識する (昨今、担当分野が狭い技術者が多いのが気になるところ) 全レイヤーでディスカッション可能な幅広い知識をつけたい と書いてますが実際は色々なIT技術に興味があり実際に試してみたいという欲望が大きいだけかも 31
ここ1年ぐらい個人でやったこと(抜粋) iOSアプリ2個制作(公開済み) アプリ開発の実際と 公開までのプロセス を把握したかった メンバー向けに 勉強会で顛末報告 (アウトプット重要) 32
ここ1年ぐらい個人でやったこと(抜粋) ElasticSearch + Kibanaで 地震データのビジュアライス http://qiita.com/hiyuzawa/items/bad1a7e29fc8d1820bea データ処理好き 可視化好き 検索好き 気象データ解析興味 html5+jsでの ビジュアル表現 風のデータを可視化 33
ここ1年ぐらい個人でやったこと(抜粋) LINE Bot を AWSを使ってシステム構築してみた。 http://qiita.com/hiyuzawa/items/10e7bf2f6ad5d1c7fc9c 外の技術の先端トレンドは 常にキャッチアップしたい 趣味なのに サーバレスアーキテクチャで本気設計 :-) ⇒ 最近の一番人気投稿 34
自ら率先して成長し チーム力を上げる PMはメンバーの中で1番ヒマであるべき
My Team 「我々は 予報のプロではないが インターネットのプロ。」 今後も、意識高く ユーザに満足頂ける サービスを提供していきたい (日経産業新聞「ザ・チーム」 2016.6.29) 36
最後に あなたはナゼそんなに 熱いのですか? ユーザに喜んでもらえる、 モノづくりが 楽しくて 仕方ないからです
ご静聴ありがとうございました 思いが詰まった ヤフー天気アプリを ぜひお試しください ※ヤフーは(大阪採用含め)積極採用募集中です 38